JPH046620A - 磁気記録媒体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は磁気記録媒体に係わり、さらに詳しくは磁気記
録層の潤滑層であるトップコート層を改良した走行特性
および耐食性が良好で耐久性に優れた磁気記録媒体に関
する。

〔従来の技術〕

磁気記録媒体は、磁気ヘット等と摺接するため高度の走
行安定性が必要とされる６特に１強磁性金属薄膜を磁気
記録層とする磁気記録媒体は９表面に金属が露出してい
るために削れ易いので、より高い潤滑性が要求される。

この潤滑性を改善するために９種々の潤滑剤を塗布する
ことなどが提案されているが９例えばパーフルオロアル
キルポリエーテル（特開昭６０−６１９１８号公報など
）は、一般に粘度が高いため磁気ヘットなどの摺動部材
との吸着現象、いわゆる貼付きを起こし易く。

また脂肪酸系の潤滑剤（特開昭６１−２４０１７号公報
）は磁気記録層の腐食を促進させるなど。

潤滑剤には一長一短があり、磁気記録媒体の潤滑層とし
て満足される特性を持つ潤滑剤は得られていないという
のが現状である。

一方、最近パーフルオロアルキルカルボン酸アミン塩を
潤滑剤として用いる磁気記録媒体の提案（特開昭６４−
９９６１号公報）もなされているが、一般に、フルオロ
カルボン酸には電子吸引性のＦ原子を大量に含むため酸
性度が高く、この種の化合物を潤滑剤として用いると、
磁気記録層中の磁性金属が侵食され易く、磁気特性を劣
化させるという問題があった。

〔発明が解決しようとする課題〕

上述したごとく、従来のパーフルオロアルキルポリエー
テル系の潤滑剤においては、粘度が高いために磁気ヘッ
トなどの摺接部材との吸着現象。

いわゆる貼付きが生し易く、また脂肪酸系の潤滑剤にあ
っては、磁気記録層が腐食されるなど耐食性低下の問題
があり、一方、パーフルオロアルキルカルボン酸アミン
塩を潤滑剤として用いる場合においても、フルオロカル
ボン酸に電子吸引性のＦ原子を大量に含むことから酸性
度が高く、磁気記録層中の磁性金属を侵食して磁気特性
を劣化させるという問題があった。

本発明の目的は、上記従来技術における問題点を解消す
るものであって、磁気記録層を腐食させることなく、ま
た長期にわたる保存や腐食環境に長時間放置しても潤滑
特性の劣化が生じない潤滑層を有する磁気記録媒体を提
供するものであって。

化学的に安定性が高く、腐食性のない特定の分子構造を
有するアルキルカルボジイミドと、フルオロアルキルア
ルコールまたはフルオロアルキルアミンもしくはフルオ
ロアルキルチオアルコールとを重付加反応させて得られ
る有機化合物を用いた潤滑剤層を設けることにより、走
行特性および酎食性が良好で耐久性に優れた信頼性の高
い磁気記録媒体を実現するものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記本発明の目的を達成するために、非磁性基体上に、
直接もしくは下地層を介して形成された磁気記録層を有
する磁気記録媒体において、磁気記録層上に、下記の構
造式（１）、（２）、（３）のうちより選ばれる少なく
とも１種の有機化合物を含む潤滑層を設けるものであっ
て、これにより磁気記録媒体の走行特性および耐食性を
一段と向上させることができ、耐久性に優れた磁気記録
媒体を実現させることが可能となる。

Ｒ＝Ｎ　　ＣＮ　　（ＣＨ２）ｎ　　ＲＦ　　・・−−
（２）ＨＮＲ’　　Ｈ Ｒ−Ｎ　　ＣＳ　　（ＣＨｚ）ｎ　　ＲＦ　　　−・・
・・−（３）ＨＮＲ’ （上記（１）〜（３）式中、Ｒ，Ｒ’　は水素またはア
ルキル基であり、かつ少なくともその一方は炭素数が８
個以上のアルキル基であり＋ＲＦは炭素数が４個以上の
パーフルオロアルキル基であり、ｎはＯ〜３の整数を表
す。） 本発明の磁気記録媒体において、潤滑剤として使用する
上記構造式（１）、（２）または（３）で示される有機
化合物は、１分子中にパーフルオロアルキル基、アルキ
ル基、および極性部位を有するために、磁気記録層表面
の金属、金属酸化物。

バインダ、防錆剤、あるいは他の潤滑剤などのすべての
物質と相性（濡れ性など）が良く、磁気記録層上に均一
に潤滑剤皮膜の形成が可能であり。

磁気記録層との結合力の強い潤滑剤層を形成させること
ができるので、高い潤滑性と耐久性を有する磁気記録媒
体が得られる。さらに、磁性塗料。

バックコート塗料、防錆塗料、その他の潤滑剤塗料など
と混合して使用することも可能である。

本発明の磁気記録媒体において、潤滑剤として用いる構
造式（１）で示される有機化合物は、アルキルカルボジ
イミドとフルオロアルキルアルコールを重付加反応させ
て得られる化合物であり。

構造式（２）で示される有機化合物は、アルキルカルボ
ジイミドとフルオロアルキルアミンを重付加反応させて
得られる化合物であり、構造式（３）で示される有機化
合物は、アルキルカルボジイミドとフルオロアルキルチ
オアルコールを重付加反応させて得られる化合物であり
、いずれも化学的に極めて安定性が高く変質しにくいた
め、磁気記録層を侵すこともなく、磁気記録媒体の長期
保存や腐食環境下での長期放置を経ても潤滑特性の変化
は少なく、また磁気特性の劣化は生じない。

本発明の磁気記録媒体に、潤滑剤として使用する上記構
造式（１）、（２）または（３）で示される有機化合物
において、十分な潤滑性を発揮させるために、水素また
はアルキル基であるＲまたはＲ′の少なくとも一方の炭
素数は８個以上、パーフルオロアルキル基であるＲＦの
炭素数は４個以上必要であり、さらに潤滑性能を向上さ
せるためには、ＲおよびＲ′は直鎖状であることが好ま
しい。また、この有機化合物が液体の場合は、粘度を下
げて磁気ヘットとのスティックスリップや吸着による貼
付きを防止するために、ＲまたはＲ′中に二重結合を有
することが好ましい。この二重結合の数は、多過ぎると
アルキル鎖の自由度が減少して潤滑性が低下するので、
Ｒ，Ｒ’中に合わせて４個以下が適当である。

本発明の磁気記録媒体において、磁気記録層上に、構造
式（１）、（２）または（３）で示される有機化合物を
含む潤滑層を形成させる方法としては、グラビア塗布、
スピン塗布、真空蒸着等の通常の有機物層形成方法がす
べて好適に使用される。また、磁気記録層上に直接形成
する方法のみではなく、裏面に潤滑層を形成して磁気記
録層に転写させたり、磁性塗料やバックコート塗料に含
有させるなどさまざまな方法が適用できる。

また９本発明の磁気記録媒体において、基体上に形成さ
れる磁気記録層は、γ−Ｆｅ２０．粉末。

Ｆｅ、０４粉末、Ｃｏ含有ｙ　−Ｆ、ｅ２０３粉末、Ｃ
ｏ含有Ｆｅ、Ｏ，粉末、Ｆｅ粉末、Ｃｏ粉末、Ｆｅ−Ｎ
ｉ粉末などの磁性粉末を結合剤成分および有機溶剤等と
共に基体上に塗布、乾燥するなどの方法で形成したり、
Ｃｏ、Ｆｅ、Ｎｉなどの単体金属もしくはこれらの金属
を主成分とする合金２例えばＣｏ−Ｎｉ合金、Ｃｏ−Ｃ
ｒ合金、Ｃｏ−Ｐ合金、Ｃｏ−Ｎｉ−Ｐ合金などの強磁
性金属や合金を、真空蒸着、イオンブレーティング、ス
パッタリング、メツキ等の各種の手段によって基体上に
被着するなどの方法で形成される。

さらに本発明の磁気記録媒体において、磁気記録層を形
成する強磁性金属薄膜がＣｏの単体金属あるいはＣｏを
主成分とする合金などからなり。

上記磁気記録層の表面、すなわち磁気記録層と潤滑層と
の間に、Ｇｏなどの不動態層を形成させることもできる
。

本発明の磁気記録媒体としては、ポリエステルフィルム
、ポリイミドフィルムなどの合成樹脂フィルムを基体と
する磁気テープ、あるいはガラス板、アルミニウム板９
合成樹脂板などを基体とする磁気ディスクや磁気ドラム
など、磁気ヘッドと摺接する構造の種々の形態を包含す
るものである。

〔実施例〕

以下に本発明の実施例を挙げ、さらに詳則に説明する。

（実施例１） 厚さ１０燗のポリエステルフィルム基体を真空蒸着装置
にセットし、１Ｏ−ＧＴｏｒｒの真空下でＣ。

８ｏシｔ％−Ｎｉ２Ｑｗｔ％合金を加熱蒸発させ、ポリ
エステルフィルム基体上に厚さ２０００人のＣｏ−Ｎｉ
合金よりなる強磁性金属薄膜層を形成した。その後、酸
素３気圧の雰囲気下に５０時間放置して２強磁性金属薄
膜からなる磁気記録層上に。

厚さ５０人のＣｏ不動態層を形成させた。ついで。

上記強磁性金属薄膜層を形成したポリエステルフィルム
基体を、グラビア塗布装置にセットし１強磁性金属薄膜
層を形成した面に、潤滑剤塗料として下記の構造式（１
）−１で示される有機化合物の０．１ｗｔ％ＩＰＡ（イ
ソプロピルアルコール）溶液を塗布し乾燥させて２強磁
性金属薄膜層上に厚さ１５Ｃ）Ａの潤滑層を形成した後
、所定の幅に裁断して磁気テープを作製した。

Ｃ１Ｈ７ＣＨ＝ＣＨＣｉｏＨ２ｏＮ　　Ｃ０ＣＨ２Ｃ７
Ｆ１ｓ　　・・・・＋　（１）　　１　　ＮＨ （実施例２） 潤滑剤塗料として下記の構造式（１）−２で示される有
機化合物の０　、１　ｔｉｔ％ＩＰＡ溶液を使用した他
は、実施例１と同様にして磁気テープを作製した。

Ｃ１，Ｎ３、Ｎ−Ｃ−〇Ｃ２Ｈ４Ｃ，Ｆ工、　　・・・
・・・・・・・・　（１）−２ＨＮＣ５Ｈ工。

（実施例３） 実施例１における潤滑剤塗料に用いた上記の構造式（１
）−１で示される有機化合物と、パーフルオロポリエー
テル〔モンテジソン社製フォツブリン（Ｆｏｍｂｌｉｎ
）　Ｚ　−ＡＭ　２００１　）とを重量比１：１で混合
した０、１ｔｚｔ％ＺＳ９０　［フッ素系の溶剤（モン
テジソン社製）］溶液を使用した他は、実施例１と同様
にして磁気テープを作製した。

（実施例４） 潤滑剤塗料として下記の構造式（２）−１で示される有
機化合物の０．１ｗｔ％ＩＰＡ溶液を使用した他は、実
施例１と同様にして磁気テープを作製した。

Ｃ，Ｈ，ＣＨ＝ＣＨＣ１，Ｈ２ｏＮ−Ｃ−ＮＣＨ２Ｃ，
Ｆ、５　・−＜２）−１！Ｉ ＮＨＨ （実施例５） 潤滑剤塗料として下記の構造式（２）−２で示される有
機化合物の０．１νｔ％ＩＰＡ溶液を使用した他は、実
施例１と同様にして磁気テープを作製した。

Ｃユ、１Ｈ３７Ｎ−Ｃ−、ＮＣ２Ｈ，Ｃ，Ｆ□３　　・
・・・・・（２）−２ＨＮＣ，Ｈ，、Ｈ （実施例６） 潤滑剤塗料として下記の構造式（３）−１で示される有
機化合物の０．１ｖｔ％ＩＰＡ溶液を使用した他は、実
施例１と同様にして磁気テープを作製した。

Ｃ３Ｈ，ＣＨ＝ＣＨＣ１，Ｈ２ｏＮ−Ｃ−５ＣＨ２Ｃ７
Ｆ、、　　・　（３）−１ＮＨ （実施例７） 潤滑剤塗料として下記の構造式（３）−２で示される有
機化合物の０　、１　ｗｔ％ＩＰＡ溶液を使用した他は
、実施例１と同様にして磁気テープを作製した。

Ｃ工、Ｈ３□Ｎ−Ｃ−３Ｃ２Ｈ，ＣＧＦ工、　・・・・
・・・・・・・・（３）−２ＨＮＣ，Ｈｌ。

（実施例８） 実施例４において用いた構造式（２）−１で示される有
機化合物と、パーフルオロポリエーテル〔モンテジソン
社製フオツブリン（Ｆ　ｏｍｂｌｉｎ）　Ｚ−ＡＭ２０
０１）とを重量比１：１で混合したＱ、１ｗｔ％ＺＳ９
０溶液を使用した他は、実施例１と同様にして磁気テー
プを作製した。

（比較例１） 実施例１における潤滑剤塗料として、フオツブリンＺ−
ＡＭ２００１の０．１讐ｔ％ＺＳ９０溶液を使用した他
は、実施例１と同様にして磁気テープを作製した。

（比較例２） 実施例１における潤滑剤塗料として、ステアリン酸の０
　、１　ｗｔ％ＩＰＡ溶液を使用した他は、実施例１と
同様にして磁気テープを作製した。

（実施例３） 実施例１における潤滑層の形成を省いた他は。

実施例１と同様にして磁気テープを作製した。

以上の実施例１〜８および比較例１〜３によって作製し
た磁気テープを９０分仕様として、８ｍｍＶＴＲカセッ
トハーフに組み込んで実機にて走行試験を行った。評価
は、再生出力が６ｄＢ低下した延べ走行時間（出力劣化
時間Ｔ、）、スチル再生で出力が６ｄＢ低下した時間（
スチル寿命Ｔ２）。

およびテープ鳴きの程度により行った。なお、テープ鳴
きの評価基準は、○：鳴かない、△：時々鳴く、Ｘ：鳴
く、の３段階に別けて評価した。また、磁気テープの作
製直後と、６０℃、９０％ＲＨに２週間放置した後のス
テンレス（ＳＵＳ）ピンに対する磁気記録層の摩擦係数
を調べ、磁気テープの経時安定性を評価した。その結果
を第１表に示す。

第１表 第１表より明らかなように９本発明の実施例１〜８で得
られた磁気テープは、比較例１〜３の磁気テープに比べ
て出力劣化時間Ｔ工、スチル寿命Ｔ２が共に長く耐久性
に優れ、かつテープ鳴きが少なく、摩擦係数の変化のな
い良好な磁気記録媒体であることを示している。一方、
比較例１の磁気テープは耐久性は比較的良好であるがテ
ープ鳴きが多く、また比較例２の磁気テープは耐食性が
著しく劣り、さらに比較例３の磁気テープは耐久性が著
しく劣ることを示している。したがって。

本発明によれば走行性ならびに耐食性が良好で耐久性に
優れた磁気記録媒体を実現することができる。

〔発明の効果〕

以上詳細に説明したごとく９本発明の潤滑層を有する磁
気記録媒体は、出力劣化時間およびスチル寿命が長く耐
食性ならびに耐久性に優れ、かつ摩擦係数の変化がほと
んどなく、テープ鳴きの少ない走行安定性に優れた信頼
性の高い磁気記録媒体が得られる。

代理人弁理士　　中　村　純之助

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、非磁性基体上に、直接もしくは下地層を介して形成
   された磁気記録層を有する磁気記録媒体において、上記
   磁気記録層上に、下記の構造式（１）で示される有機化
   合物を含む潤滑層を設けたことを特徴とする磁気記録媒
   体。 ▲数式、化学式、表等があります▼・・・・・・・・・
   （１） （式中、Ｒ、Ｒ′は水素またはアルキル基であり、かつ
   少なくともその一方は炭素数が８個以上のアルキル基で
   あり、Ｒ＿Ｆは炭素数が４個以上のパーフルオロアルキ
   ル基であり、ｎは０〜３の整数を表す。） ２、非磁性基体上に、直接もしくは下地層を介して形成
   された磁気記録層を有する磁気記録媒体において、上記
   磁気記録層上に、下記の構造式（２）で示される有機化
   合物を含む潤滑層を設けたことを特徴とする磁気記録媒
   体。 ▲数式、化学式、表等があります▼Ｒ・・・・・・（２
   ） （式中、Ｒ、Ｒ′は水素またはアルキル基であり、かつ
   少なくともその一方は炭素数が８個以上のアルキル基で
   あり、Ｒ＿Ｆは炭素数が４個以上のパーフルオロアルキ
   ル基であり、ｎは０〜３の整数を表す。） ３、非磁性基体上に、直接もしくは下地層を介して形成
   された磁気記録層を有する磁気記録媒体において、上記
   磁気記録層上に、下記の構造式（３）で示される有機化
   合物を含む潤滑層を設けたことを特徴とする磁気記録媒
   体。 ▲数式、化学式、表等があります▼・・・・・・・・・
   （３） （式中、Ｒ、Ｒ′は水素またはアルキル基であり、かつ
   少なくともその一方は炭素数が８個以上のアルキル基で
   あり、Ｒ＿Ｆは炭素数が４個以上のパーフルオロアルキ
   ル基であり、ｎは０〜３の整数を表す。） ４、請求の範囲第１項、第２項または第３項記載の有機
   化合物中のＲおよびＲ′は、分枝のない直鎖状のアルキ
   ル基であることを特徴とする磁気記録媒体。 ５、請求の範囲第１項、第２項、第３または第４項記載
   の有機化合物中のＲおよびＲ′は、二重結合を合わせて
   １〜４個持つことを特徴とする磁気記録媒体。 ６、請求の範囲第１項、第２項、第３項、第４項または
   第５項記載の有機化合物中のＲおよびＲ′の一部もしく
   は全部の水素がフッ素に置換されたアルキル基であるこ
   とを特徴とする磁気記録媒体。 ７、請求の範囲第１項ないし第６項のいずれか１項記載
   の磁気記録媒体において、磁気記録層がＣｏ、Ｆｅまた
   はＮｉの単体金属もしくは上記の金属を主成分とする合
   金のうちより選択される少なくとも１種の金属もしくは
   合金からなる強磁性金属薄膜であることを特徴とする磁
   気記録媒体。 ８、請求の範囲第７項記載の磁気記録媒体において、磁
   気記録層を形成する強磁性金属薄膜がＣｏの単体金属も
   しくはＣｏを主成分とする合金からなり、上記磁気記録
   層の表面、すなわち磁気記録層と潤滑層との間に、Ｃｏ
   不動態層を形成したことを特徴とする磁気記録媒体。