JPH07102271A - 潤滑剤及び磁気記録媒体 - Google Patents

潤滑剤及び磁気記録媒体

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JPH07102271A
JPH07102271A JP5269771A JP26977193A JPH07102271A JP H07102271 A JPH07102271 A JP H07102271A JP 5269771 A JP5269771 A JP 5269771A JP 26977193 A JP26977193 A JP 26977193A JP H07102271 A JPH07102271 A JP H07102271A
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JP
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perfluoropolyether
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amine
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JP5269771A
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Kazunobu Chiba
一信 千葉
Kenichi Sato
研一 佐藤
Tsutomu Takeda
勉 武田
Yukari Yamada
ゆかり 山田
Hirofumi Kondo
洋文 近藤
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式1又は2で表されるように、末端にカ
ルボキシル基を持つパーフルオロポリエーテルの第3ア
ミン塩化合物からなる潤滑剤、及びこれを保有した磁気
記録媒体。 【効果】 良好な潤滑作用を発揮して摩擦係数を低減す
る。また、この潤滑作用は低温下等の厳しい条件下にお
いても損なわれることはない。さらに、このアミン塩化
合物とすることにより、経時変化のない安定した保存特
性を示す。従って、この末端にカルボキシル基を持つパ
ーフルオロポリエーテルのアミン塩化合物を潤滑剤とす
る磁気記録媒体は、末端にカルボキシル基を持つパーフ
ルオロポリエーテルのアミン塩化合物の前記潤滑効果に
より、走行性の改善が図られ、長期間の保存安定性に優
れ、耐久性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、潤滑剤及び磁気記録媒体(磁気
テープ、磁気ディスク等)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】強磁性金属材料を蒸着等の手法により非
磁性支持体上に被着し、これを磁性層とした、いわゆる
金属薄膜型の磁気記録媒体では、磁性層表面の平滑性が
極めて良好であるため、磁気ヘッドやガイドローラー等
の摺動部材に対する実質的な接触面積が大きく、従って
摩擦係数が大きくなり、凝着現象(いわゆる張り付き)
が起き易く、走行性や耐久性に欠ける等、問題点が多
い。
【0003】そこで、これら問題点を改善するために、
各種の潤滑剤を使用することが検討されており、従来よ
り高級脂肪酸やそのエステル等を上記磁気記録媒体の磁
性層にトップコートすることにより、摩擦係数を抑えよ
うとする試みがされている。
【0004】ところで、磁気記録媒体に使用される潤滑
剤には、その性質上、非常に厳しい特性が要求され、従
来用いられている潤滑剤では対応することが難しいのが
現状である。
【0005】即ち、磁気記録媒体に使用される潤滑剤に
は、 (1) 寒冷地での使用に際して所定の潤滑効果が確保され
るように、低温特性に優れること。 (2) 磁気ヘッドとのスペーシングが問題となるので、極
めて薄く塗布できることと、その場合にも十分な潤滑特
性が発揮されること。 (3) 長期間、あるいは長時間の使用に耐え、潤滑効果が
持続すること。 等が要求される。
【0006】ところが、従来より使用されていた高級脂
肪酸やそのエステル等は、0℃以下のような低温条件下
では、凍結して固化し、潤滑剤としての機能が損なわれ
たり、長時間の耐久性に欠ける傾向にある。
【0007】このような中で、アミン塩化合物の潤滑効
果を使用した技術等が提案されている。例えば、特開平
5−73897号公報には、カルボキシル基をもつ炭化
水素系ポリエーテルのアミン塩を潤滑剤として用いるこ
とが述べられている。このアミン塩は、上記した要求を
ある程度は満たすが、経時変化により潤滑剤が飛散(蒸
発)することがある。これは、アミン塩の合成過程から
くる制約で、炭化水素系ポリエーテルの重合時にその繰
り返し単位の数に限界があり、分子量が数100から最大
でも1200程度にしかならないこと、熱的、化学的安定性
が不十分となり易いこと等が、その原因であると考えら
れる。
【0008】他方、パーフルオロポリエーテル(Rf)
を分子内に導入したアミン塩を潤滑剤として用いること
が、特開平5−2737号及び同93059号公報に記
載されている。これらの場合、潤滑剤は、CF2 −O−
CF2 エーテル結合がフレキシブルであるために、分子
量が同じときにはその粘度が低く、かつ、幅広い温度領
域で粘度が変化し難い。それに加えて、化学的に不活性
であること、蒸気圧が低いこと、熱的あるいは化学的安
定性が高いこと、表面エネルギーが低いこと、境界潤滑
特性が良いこと、それに撥水性が良いことなどの特長が
ある。
【0009】しかしながら、これらの公知技術では、初
期の潤滑特性に優れるものの、長期保存に於ける摩擦係
数の増加という潤滑特性に問題があり、対策が望まれて
いた。この原因としては、塩を形成するアミンについて
十分に検討がなされていないためであると考えられる。
【0010】即ち、特開平5−2737号公報に示され
たアミンは第4級アンモニウム塩を形成するものであっ
て、長期保存時に特性が変化し易いことに加えて、その
潤滑剤の合成に3工程以上を要するために合成が難し
く、コスト高にもなる。
【0011】また、特開平5−93059号公報におい
ては、第1アミン(1級アミン)や第2アミン(2級ア
ミン)を用いているので、その構成元素である水素(活
性水素)が主骨格のパーフルオロポリエーテルと反応し
て潤滑剤分子の構造が変化し、摩擦係数を増大させた
り、潤滑剤分子からアミンが遊離してその潤滑性能が変
化し易く、また、例えば磁気記録媒体作製時のエージン
グにおいてアミンの活性水素がバックコート層に含まれ
る硬化剤やバインダ樹脂と反応してバックコート層から
の粉落ちや磁性層への剥離粉の転着を誘発する可能性が
ある。
【0012】従って、アミンを用いた潤滑剤、特にパー
フルオロポリエーテルのアミン塩の特徴を生かしなが
ら、上記の如き問題点を改善することが強く望まれる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明はの目的は、各
種使用条件下において優れた潤滑性が保たれるととも
に、長時間にわたり潤滑効果が持続され、走行性、耐摩
耗性、耐久性等に優れ、長期間の保存安定性に優れた潤
滑剤、及びこれを用いた磁気記録媒体を提供することに
ある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成せんものと鋭意研究を重ねた結果、末端にカルボ
キシル基を持つパーフルオロポリエーテルのアミン塩化
合物を特定し、これが上記の目的に適合することを見出
し、本発明を完成するに至ったものである。
【0015】即ち、本発明は、下記一般式1で表される
第3アミン塩化合物と、下記一般式2で表される第3ア
ミン塩化合物との少なくとも一方からなる潤滑剤、及び
この潤滑剤を磁性層の少なくとも表面側に保有した磁気
記録媒体に係るものである。一般式1:
【化3】 一般式2:
【化4】 (但し、上記一般式1及び上記一般式2において、Rf
はパーフルオロポリエーテル基を示し、R1 及びR2
炭素数10未満の炭化水素基を示しかつ互いに異なってい
るか或いは同じであってもよい。一般式1において、R
1 とR2 とが互いに異なっている場合には、いずれも脂
肪族炭化水素基からなる。)
【0016】本発明によれば、上記の末端にカルボキシ
ル基を有するパーフルオロポリエーテルと上記の第3ア
ミン(3級アミン)との塩によって潤滑剤を形成してい
ることが極めて特徴的である。
【0017】まず、このパーフルオロポリエーテルの存
在によって、幅広い温度領域で安定となり、化学的にも
不活性である等の効果を奏し、かつその繰り返し単位
(例えば(CF2 O)n や(C2 4 O)n 等)を増や
しても重合可能であってその分子量を大きくできる。
【0018】このパーフルオロポリエーテルは、単官
能、多官能のいずれも使用することが可能であり、例え
ば単官能の例としては、 多官能のパーフルオロポリエーテルとしては、HOOCCF
2(OC2F4)p(OCF2)qOCF2COOH等があるが、何らこれに限定
されるものではない。
【0019】ここで、上記パーフルオロポリエーテルの
化学構造式中のl、m、n、p、qは、1以上の整数を
示す。また、その分子量としては特に限定はしないが、
600から5000程度が好ましい。分子量が大きくなりすぎ
ると、末端基の効果が小さくなり、小さいとフッ素の効
果が薄れる。
【0020】本発明の潤滑剤は、上記のパーフルオロポ
リエーテルに対し塩を形成するアミンを第3アミンとし
ていることが極めて重要である。即ち、使用するアミン
が第3アミンであることから、活性水素を含まず、潤滑
剤分子から遊離したり化学的に変化することがなく、ま
た、既述したエージング時の問題も生じない等、長時間
にわたって潤滑効果を保持し、媒体の性能を安定化す
る。
【0021】そして、この第3アミンは、上記のR1
びR2 の炭素数が10未満と特定しているため、潤滑剤と
して安定した性能を発揮でき、多数回走行時の安定性が
一層向上する。これは、10以上の炭素数のアミン塩化合
物は常温または例えば−5℃の様な低温で固体となりや
すく、多数回走行時の安定性で劣る場合があるためであ
る。第3アミンの場合は、アルキル基の炭素数が大きく
なると、より大きな効果を示し、特にR1 及びR2 の各
炭化水素基の炭素数を6以上とするのが効果が大きい。
【0022】この場合、R1 及びR2 は互いに異なって
いてよいが、同じであってもよい。同じであるときに
は、走行性、潤滑性が比較的良好となるために望まし
い。
【0023】また、この第3アミンは、その合成が容易
であって、1工程で合成可能であり、コスト的にも有利
である。
【0024】この第3アミンは、分子量、分岐構造、不
飽和結合、異性体構造、脂環構造によらず選択すること
ができる。具体的には、後記の表1にその構造を示す。
【0025】この第3アミンとパーフルオロポリエーテ
ルの塩化合物は、例えばカルボキシル基を持つパーフル
オロポリエーテルとアミン化合物とを加熱混合するか、
あるいは有機溶媒に溶解させた後、溶媒を除去すること
により、得ることができる。
【0026】本発明による磁気記録媒体は、上記の潤滑
剤を非磁性支持体上に設けられた磁性層の少なくとも表
面側に保有するものである。この磁気記録媒体は、上記
潤滑剤によって、高温高湿或いは低温低湿等の過酷な使
用条件下においても優れた走行性、耐摩耗性、耐久性を
発揮し、しかもその特性が劣化しないものである。
【0027】ここで、「磁性層の少なくとも表面側」と
は、磁性層の表面を意味することは勿論であるが、磁性
層中であってもこの表面領域或いは層全体に潤滑剤を存
在させてもよいことも意味する。
【0028】本発明が適用される磁気記録媒体として
は、例えば図1に示すように、非磁性支持体1の表面に
蒸着等の手法により磁性塗膜が磁性層2として形成され
る、いわゆる金属薄膜型の磁気記録媒体に適用すること
が可能である。また、この金属薄膜型の磁気記録媒体に
おいては、非磁性支持体と磁性層との間に下地層を介し
た構成の磁気記録媒体に適用することもできる。また、
塗布型磁気記録媒体に対しても応用が可能である。
【0029】磁性層2上に潤滑剤3を保有せしめる方法
として、最も一般的な方法としては、金属磁性薄膜表面
に潤滑剤層をディップコーティングする方法が挙げられ
る。この場合、潤滑剤の塗布量としては、 0.5から100m
g/m2の範囲であることが望ましく、1から20mg/m2 であ
ることがより好ましい。
【0030】本発明が適用可能な金属薄膜型の磁気記録
媒体の非磁性支持体、金属磁性薄膜は何等限定されるも
のではなく、従来より知られるものが何でも使用でき
る。
【0031】例示するならば、非磁性支持体としては、
塗布型の磁気記録媒体と同様のものが使用可能である。
この場合、非磁性支持体にAl合金板やガラス板等の剛
性を有する基板を使用した場合には、基板表面にアルマ
イト処理等の酸化皮膜やNi−P皮膜等を形成してその
表面を硬くするようにしてもよい。
【0032】金属磁性薄膜は、メッキやスパッタリン
グ、真空蒸着等のPVDの手法により連続膜として形成
されるもので、Fe、Co、Ni等の金属やCo−Ni系合金、Co
−Pt系合金、Co−Pt−Ni系合金、Fe−Co系合金、Fe−Ni
系合金、Fe−Co−Ni系合金、Fe−Ni−B系合金、Fe−Co
−B系合金、Fe−Co−Ni−B系合金等からなる面内磁化
記録金属磁性膜やCo−Cr系合金薄膜が例示される。
【0033】特に、面内磁化記録金属磁性薄膜の場合、
予め非磁性支持体上にBi、Sb、Pb、Sn、Ga、In、Ge、S
i、Tl等の低融点非磁性材料の下地層を形成しておき、
金属磁性材料を垂直方向から蒸着あるいはスパッタし、
金属磁性薄膜中にこれら低融点非磁性材料を拡散せし
め、配向性を解消して面内等方性を確保するとともに、
抗磁性を向上するようにしても良い。
【0034】また、ハードディスクとする場合には、金
属磁性薄膜表面に、カーボン膜、ダイヤモンド状あるい
はアモルファス状カーボン膜、酸化クロム膜、ZrO2
膜、SiO2 膜等の硬質保護膜を形成するようにしても
よい。
【0035】かかる、金属薄膜型の磁気記録媒体に前記
潤滑剤を保有せしめる方法としては、金属磁性薄膜表面
や前記保護膜表面に潤滑剤層をディップ又はトップコー
トする方法が挙げられる。
【0036】この場合、潤滑剤の塗布量としては、 0.5
から100mg/m2であることが望ましく、1〜20mg/m2 であ
ることがより好ましい。
【0037】前記潤滑剤は、単独で磁気記録媒体の潤滑
剤として用いてもよいが、従来公知の潤滑剤と組み合わ
せて用いてもよい。
【0038】さらに、より厳しい条件に対処し、潤滑効
果を持続させるために、重量比30:70〜70:30程度の配
合比で極圧剤を併用してもよい。極圧剤は、境界潤滑領
域において部分的に金属接触を生じたときに、これに伴
う摩擦熱によって金属面と反応し、反応生成物皮膜を形
成することにより、摩擦、摩耗防止作用を行うものであ
って、リン系極圧剤、硫黄系極圧剤、ハロゲン系極圧
剤、有機金属系極圧剤、複合系極圧剤等のいずれも使用
できる。
【0039】また、上述の潤滑剤、極圧剤の他、必要に
応じて、防錆剤を併用してもよい。防錆剤としては、通
常この種の磁気記録媒体の防錆剤として使用されるもの
であればいずれも使用でき、例えばフェノール類、ナフ
トール類、キノン類、窒素原子を含む複素環化合物、酸
素原子を含む複素環化合物、硫黄原子を含む複素環化合
物等である。
【0040】ところで、上述の金属薄膜型の磁気記録媒
体において、磁性層である金属磁性薄膜の他に、バック
コート層(図1に仮想線4で示す。)や下塗層等が必要
に応じて形成されていてもよい。
【0041】例えば、バックコート層は、磁性塗膜と同
様に、樹脂結合剤に導電性を付与するためのカーボン系
微粉末や表面粗度をコントロールするための無機顔料を
添加し、塗布形成されるものである。
【0042】本発明においては、このバックコート層に
上述の、潤滑剤を内添、あるいはトップコートにより保
有せしめてもよい。あるいは、磁性塗膜、金属磁性薄膜
とバックコート層にいずれも、上述の潤滑剤を内添、ト
ップコートする等、種々の組み合わせも可能である。ま
た、本発明は塗布型の媒体にも適用可能である。
【0043】
【発明の作用効果】本発明の潤滑剤は、上記一般式1又
は2で表されるように、末端にカルボキシル基を持つパ
ーフルオロポリエーテルの第3アミン塩化合物であるか
ら、良好な潤滑作用を発揮して摩擦係数を低減する。ま
た、この潤滑作用は低温下等の厳しい条件下においても
損なわれることはない。さらに、このアミン塩化合物と
することにより、経時変化のない安定した保存特性を示
す。従って、この末端にカルボキシル基を持つパーフル
オロポリエーテルのアミン塩化合物を潤滑剤とする磁気
記録媒体は、末端にカルボキシル基を持つパーフルオロ
ポリエーテルのアミン塩化合物の前記潤滑効果により、
走行性の改善が図られ、長期間の保存安定性に優れ、耐
久性が向上する。本発明の潤滑剤は、上記一般式2のも
のは多官能のパーフルオロポリエーテルのアミン塩であ
るため、一般式1のものに比べて経時変化の面で優れる
傾向がある。一般式1及び一般式2のものを併用するこ
とは可能である。
【0044】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例を説明する
が、本発明はこの実施例に限定されるものではないこと
はいうまでもない。
【0045】下記の表1〜表2に示す潤滑剤(合成物)
を使用して、以下に示す磁気記録媒体を作成した。ここ
では、金属薄膜型磁気記録媒体(蒸着テープ)に適用し
た実施例について説明する。
【0046】実施例1 まず、潤滑剤の合成を次のようにして行った。パーフル
オロポリエーテル100gを広口ガラス瓶に秤量し、これと
等モルの(C2 5 3 Nを5.06g秤量し、上記の広口
ガラス瓶に入れた。これを混合、攪拌しながら80℃のウ
ォーターバス中に入れ、1時間保持した。その後、室温
まで徐冷し、合成を終了した。こうして合成物1を得
た。
【0047】10μ厚のポリエチレンテレフタレートフィ
ルムに、斜方蒸着法によりCoを被着させ、膜厚200nm
の強磁性金属薄膜を形成した。次に、磁性薄膜表面に、
上記の合成物1をノルマルヘキサンとエタノールの重量
比1:1混合溶媒に溶解したものを、塗布量が5mg/m2
となるように塗布し、8ミリ幅に裁断してサンプルテー
プを作製した。
【0048】実施例2〜実施例11 実施例1において、潤滑剤として使用した合成物1を下
記の表1に示す合成物2〜合成物11にそれぞれ変えて、
他は実施例1と同様の方法により、対応する各サンプル
テープを作製した。
【0049】実施例12〜実施例13 実施例6で用いた潤滑剤を、磁性薄膜上に15nm厚にスパ
ッタ法で設けたカーボン保護膜上に塗布し(実施例1
2)、また、実施例11で用いた潤滑剤を、磁性塗膜上に1
5nm厚にスパッタ法で設けたカーボン保護膜上に塗布し
(実施例13)、他は同様にして対応する磁気記録媒体を
作製した。
【0050】実施例14 実施例1において、下記のバックコート層用塗料を調製
した。 顔 料:カーボンブラック 100重量部 バインダー:ポリウレタン 100重量部 溶 剤:メチルエチルケトン 150重量部 シクロヘキサノン 50重量部
【0051】この塗料は、ボールミルにて24時間混合
し、その後、塗布前に硬化剤:コロネートL50を10重量
部混合し、ベースフィルムの裏面に所定の塗布厚に塗布
した。その他は、実施例1と同様にしてサンプルテープ
を作製した。
【0052】比較例1〜比較例14 また、比較例として、下記の表2に示すように、全く潤
滑剤を使用していないブランクテープ(比較例1)を作
製し、また、末端にカルボキシル基を有するパーフルオ
ロポリエーテルを潤滑剤として使用した場合(比較例2
〜4)、このようなパフルオロポリエーテルと第1アミ
ン又は第2アミンとの塩化合物を使用した場合(比較例
5〜7)、実施例1の潤滑剤に対してアミンのR1 、R
2 を炭素数10以上とした場合(比較例8、9)、実施例
6の潤滑剤に対してR1 としてフェニル基を用いた場合
(比較例10)、下記の表3に示すように炭化水素系のポ
リエーテルの第4アンモニウム塩(比較例11)又は第3
アミン塩(比較例12)、パーフルオロポリエーテルの第
4アンモニウム塩(比較例13)を使用した場合、比較例
5において実施例14と同様のバックコート層を形成した
場合(比較例14)について、上記と同様にして対応する
各比較テープを作製した。
【0053】上述のようにして作製された各テープにつ
いて、温度25℃、湿度60%のとき、温度−5℃のとき、
温度40℃、湿度80%のときの摩擦係数(測定項目1)、
スチル耐久性(測定項目2)、シャトル耐久性(測定項
目3)について測定を行った。スチル耐久性は、ポーズ
状態での出力の−3dBまでの減衰時間を評価した。シャ
トル耐久性は、1回につき2分間のシャトル走行を行
い、出力が3dB低下するまでのシャトル回数で評価し
た。さらに、温度40℃、湿度80%環境下で20日間の保存
を行い、その後、潤滑剤の経時変化を確認するため、測
定項目1、2、3と同様の測定を行った(それぞれ、測
定項目4、5、6と記す)。この耐久性測定結果を下記
の表4〜表10に示す。
【0054】
【表1】表1(合成した潤滑剤)
【0055】
【表2】表2
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】上記の結果から明らかなように、潤滑剤と
して、末端にカルボキシル基を持つパーフルオロポリエ
ーテルを単独で用いた場合や、パーフルオロポリエーテ
ルの第1、第2アミン塩化合物や第4アンモニウム塩を
用いる場合に比べて、アミンの炭素数を10未満に限定し
た本発明に基づく、末端にカルボキシル基を持つパーフ
ルオロポリエーテルの第3アミン塩化合物を使用するこ
とにより、摩擦係数、スチル耐久性、シャトル耐久性等
は、各種条件でも劣化することなく非常に良好な初期特
性が得られ、かつ、3級アミンを使用したことで経時変
化も少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体の一例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1・・・非磁性支持体 2・・・金属磁性薄膜 3・・・潤滑剤層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年12月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正内容】
【0054】
【表1】
フロントページの続き (72)発明者 山田 ゆかり 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 近藤 洋文 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式1で表される第3アミン塩化
    合物と、下記一般式2で表される第3アミン塩化合物と
    の少なくとも一方からなる潤滑剤。一般式1: 【化1】 一般式2: 【化2】 (但し、上記一般式1及び上記一般式2において、Rf
    はパーフルオロポリエーテル基を示し、R1 及びR2
    炭素数10未満の炭化水素基を示しかつ互いに異なってい
    るか或いは同じであってもよい。一般式1において、R
    1 とR2 とが互いに異なっている場合には、いずれも脂
    肪族炭化水素基からなる。)
  2. 【請求項2】 Rfの分子量が 600〜5000である、請求
    項1に記載した潤滑剤。
  3. 【請求項3】 R1 及びR2 の炭素数が6以上である、
    請求項1又は2に記載した潤滑剤。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載した
    潤滑剤が磁性層の少なくとも表面側に保有されている磁
    気記録媒体。
  5. 【請求項5】 0.5〜100mg/m2の塗布量で潤滑剤が磁性
    層の表面に塗布されている、請求項4に記載した磁気記
    録媒体。
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