JP7031915B1 - 中空成形体の製造方法と射出延伸ブロー成形機 - Google Patents

Abstract

【課題】射出延伸ブロー成形機のブロー成形工程におけるブロー型高圧切り換えのステップを、この工程の前半部分に配置し、射出成形工程の短縮や成形性の向上を図る。【解決手段】ブロー成形工程６１Ｂの型閉じしたブロー型の型締め力を昇圧するブロー型高圧切り換え６１Ｂ３を、射出成形工程６２Ａの上型と下型とを開いてプリフォーム３Ｐを離型する上型下型開き６２Ａ１の開始から型閉じした射出成形型の型締め力を昇圧する射出型高圧切り換え６２Ａ３の完了までの間に行なうようにした。【選択図】図８

Description

本発明は、ＰＥＴボトルなどの合成樹脂製の中空成形体の製造方法と射出延伸ブロー成形機に関するものである。

従来からプリフォームの成形から中空成形体の成形までを一連に行なう装置として、射出成形部とブロー成形部と取り出し部とを有する射出延伸ブロー成形機がある。

図１は射出延伸ブロー成形機１を概略的に示して、射出装置２から溶融樹脂を送り込む射出成形部３と、中空成形体をブロー成形するブロー成形部４と、中空成形体を成形機１外へと送り出す取り出し部５とが、リップ型を有した図示しない回転板の回転方向に一定角度の間隔を置いて順に配置されている。図１で矢印を付した移動は回転板の回転方向を示し、リップ型の移動方向を示している。

射出成形部３は、上型（射出コア型）と下型（射出キャビティ型）とにリップ型を組み合わせて構成される射出成形金型を有する。そして、型を閉じて高圧の型締めをした射出成形金型に射出装置から溶融樹脂を送り込んでプリフォームを射出成形する部分である。

射出成形されたプリフォームはリップ型に支持されていて、上型と下型とを開いた上型下型開きの時点で回転板の上昇により離型され、回転板が回転しリップ型の移動でブロー成形部４へ移動する。

ブロー成形部４は、割型で対のブロー型にリップ型を組み合わせて構成されるブロー成形金型を有する。そして、ブロー型の間にプリフォームが位置するようにしてブロー成形金型の型閉じと高圧の型締めとが行なわれ、リップ型で支持されて金型内に配置されたプリフォームに対し、延伸ロッドによる延伸とブローエアの吹き込みとを行なって、中空成形体をブロー成形する部分である。

ブロー成形後にブロー型が開くとともに回転板の上昇により中空成形体が離型し、回転板が回転してリップ型に支持された状態で中空成形体が取り出し部５に移動する。

取り出し部５においては、この取り出し部５に中空成形体を移動させた後にリップ型が開き、中空成形体に対する保持を解く。そして、リップ型から外れた中空成形体は成形機１外へ送り出される。
また、中空成形体を解放したリップ型は、回転板の回転で射出成形部３に移動し、上述した射出成形金型に組み入れられる。

特許文献１で示されているように、回転板では、リップ型を、射出成形部３とブロー成形部４と取り出し部５とのそれぞれに対応するように三か所に配置している。そして、回転板が所定方向に一定回転角度で回転することで、三か所のリップ型それぞれは互いに対応位置が異なりながら一方向に間欠的に移動し、プリフォームを射出成形部３からブロー成形部４へ、また、中空成形体をブロー成形部４から取り出し部５へと移動させている。

そのため、図２に示すように射出延伸ブロー成形機１では、射出成形部３とブロー成形部４と取り出し部５とをたどる中空成形体製造工程６が同時点に複数で進行し、その中空成形体製造工程６それぞれは進みをずらしながら、効率よく中空成形体を製造するように設けられている。
なお、図２において、複数の中空成形体製造工程６の各々に、進みの順に符号６１、６２、６３、６４を付している。
図２では、四つの中空成形体製造工程６１、６２、６３、６４を示しているが、勿論、四つ目の中空成形体製造工程６４で終了するものではなく、その後も他の中空成形体製造工程６が進みをずらしながら順次進行する。そして、中空成形体製造工程６１、６２、６３、６４、…それぞれで中空成形体を製造する。

特開２０１９－１８８６３０号公報

射出延伸ブロー成形機１では一つの回転板が上昇位置で一定回転角度ごとに回転して、リップ型を射出成形部３とブロー成形部４と取り出し部５とに対応させていることから、射出成形部３にリップ型が位置している時間とブロー成形部４にリップ型が位置している時間と取り出し部５にリップ型が位置している時間とは同じとなる。

そして、図２に示されているように中空成形体製造工程６１、６２、６３、６４、…のそれぞれは、射出成形部３でプリフォームを射出成形する射出成形工程６１Ａ、６２Ａ、６３Ａ、６４Ａ、…と、ブロー成形部４で前記プリフォームから中空成形体をブロー成形するブロー成形工程６１Ｂ、６２Ｂ、６３Ｂ、６４Ｂ、…と、ブロー成形された中空成形体を取り出し部５で成形機外へと送り出す取り出し工程６１Ｃ、６２Ｃ、６３Ｃ、６４Ｃ、…とから構成されている。すなわち、中空成形体製造工程６１は、射出成形工程６１Ａ、ブロー成形工程６１Ｂ、取り出し工程６１Ｃを含む。また、中空成形体製造工程６２は、射出成形工程６２Ａ、ブロー成形工程６２Ｂ、取り出し工程６２Ｃを含む。また、中空成形体製造工程６３は、射出成形工程６３Ａ、ブロー成形工程６３Ｂ、取り出し工程６３Ｃを含む。また、中空成形体製造工程６４は、射出成形工程６４Ａ、ブロー成形工程６４Ｂ、取り出し工程６４Ｃを含む。

さらに、射出成形工程６１Ａ、６２Ａ、６３Ａ、６４Ａ、…、またブロー成形工程６１Ｂ、６２Ｂ、６３Ｂ、６４Ｂ、…それぞれは、複数のステップから構成されている。まず、一つの中空成形体製造工程６（６２）の射出成形工程６２Ａについて説明する。
なお、他の中空成形体製造工程６（６１、６３、６４、…）の射出成形工程６１Ａ、６３Ａ、６４Ａ、…のそれぞれも同じである。

（射出成形工程 図３、図４）
図３と図４では、進みがずれている複数の中空成形体製造工程６１、６２、６３、６４、…の射出成形工程６１Ａ、６２Ａ、６３Ａ、６４Ａ、…と、ブロー成形工程６１Ｂ、６２Ｂ、６３Ｂ、６４Ｂ、…の成形フローを表している。

なお、図３と図４に示される成形フローでは、中空成形体製造工程６１より先（前）の中空成形体製造工程５９でのブロー成形工程５９Ｂの一部、中空成形体製造工程６０の射出成形工程６０Ａの一部、中空成形体製造工程６１より後の中空成形体製造工程６４のブロー成形工程６４Ｂの一部、中空成形体製造工程６５の射出成形工程６５Ａの一部も示している。
この点は、実施例で説明する成形フローに関しても同様である。

図３、図４中、区間Ｘで示される範囲それぞれは、例えば、
中空成形体製造工程６１での射出成形工程６１Ａ、
中空成形体製造工程６１でのブロー成形工程６１Ｂ、
中空成形体製造工程６２での射出成形工程６２Ａ、
中空成形体製造工程６２でのブロー成形工程６２Ｂ、
中空成形体製造工程６３での射出成形工程６３Ａ、
中空成形体製造工程６３でのブロー成形工程６３Ｂ、
中空成形体製造工程６４での射出成形工程６４Ａ
を指し示している。

以下、一つの中空成形体製造工程６２の射出成形工程６２Ａについて説明する。
射出成形工程６２Ａが行なわれる射出成形部３は、上型と下型とにリップ型を加えて構成される射出成形金型を備えている。
図３、図４に示すように前記射出成形金型からプリフォーム３Ｐを得る射出成形工程６２Ａは、上型下型開き６２Ａ１（後述の回転Ｒと回転ロックＬに対応する部分を含む）、上型下型締め６２Ａ２、射出型高圧切り換え６２Ａ３、ノズル前進開始６２Ａ４、射出開始６２Ａ５、射出６２Ａ６、冷却６２Ａ７を含む。
他の中空成形体製造工程６の射出成形工程６１Ａ、６３Ａ、６４Ａも、ステップの構成が同じであり、上述したように射出成形部３では、射出成形工程６１Ａ、６２Ａ、６３Ａ、６４Ａ、…が順次進行する。

なお、繰り返される工程の区別を分かり易くするために、射出成形工程、ブロー成形工程、取り出し工程の符号については、中空成形体製造工程に付された符号を一部に用いている。
さらに、射出成形工程およびブロー成形工程の各ステップの符号についても、その射出成形工程およびブロー成形工程を含む中空成形体製造工程に付された符号を一部に用いている。

「上型下型開き６２Ａ１」
射出成形工程６２Ａでは、まず、上型下型開き６２Ａ１のステップがある。
上型下型開き６２Ａ１は、一つ前で進行した先工程の射出成形工程６１Ａの最終のステップで型閉じしていた射出成形金型に対して高圧の型締め力を解除し、型開きとして上型と下型とを開きながら回転板を上昇させる動作が行なわれる。
そして、先工程の射出成形工程６１Ａで成形したプリフォーム３Ｐをリップ型で支持し回転板を上昇させて離型を行なう。

（回転Ｒ）
上型下型開き６２Ａ１のステップが進む間には、プリフォームを離型して回転板が上方の所定の高さ位置に達してから、一定回転角度（１２０°）で回転する動作部分がある。その回転に対応する部分を図３、図４においてＲと表記して、範囲を矢印で示している。

具体的には、リップ型および先工程の射出成形工程６１Ａで成形されたプリフォーム３Ｐを、射出成形部３からブロー成形部４に移動させて後述のブロー成形金型の上方位置に停止するまでの動作となる。
また、後述のブロー成形工程６１Ｂにおいて、リップ型およびブロー成形工程６０Ｂ（ブロー成形工程６１Ｂの一つ先の工程）で成形された中空成形体４Ｐを、ブロー成形部４から取り出し部５に移動させて取り出し部５での所定の高さ位置に停止するまでの動作でもある。
同じく、この回転Ｒは、取り出し部５で中空成形体４Ｐを解放したリップ型を、射出成形部３に移動させて射出成形金型の上方位置に停止させるまでの動作でもある。

（回転ロックＬ）
さらに回転Ｒに引き続いて回転ロックＬの動作がある。この回転ロックＬも回転板側での動作であって、回転ロック部材によって回転板の回転を一時的にロックする動作を行なう。
図３において、この動作に対応する部分を上型下型開き６２Ａ１のステップ中でＬと表記し、範囲を矢印で示している。

「上型下型締め６２Ａ２」
つぎに、上型下型締め６２Ａ２は、下型（射出キャビティ型）の上にリップ型を載せおくように重ねるとともに、上方からリップ型に上型（射出コア型）を通して下型に組み合わせて、型を閉じるステップである。このステップでの型締め力は低圧である。

「射出型高圧切り換え６２Ａ３」
つぎに、型締め力を高圧に向けて昇圧する射出型高圧切り換え６２Ａ３のステップが続く。
なお、射出型高圧切り換え６２Ａ３のステップが完了した後、その高圧の型締め力は冷却６２Ａ７のステップが終了するまで維持される。

「ノズル前進開始６２Ａ４」
つぎのステップとして、ノズル前進開始６２Ａ４を設定している。ノズル前進開始６２Ａ４のステップは、射出装置２のノズルが射出成形金型側の樹脂受け口部分に当接している圧力を昇圧するために設ける工程であって、この工程によりノズル前進開始の時期（タイミング）を制御している。
瞬時に所定圧力に達するものとして設定する場合や、所定圧力に達するまでとして僅かな時間を設定する場合がある。

「射出開始６２Ａ５」
つぎに連続するステップは射出開始６２Ａ５である。この射出開始６２Ａ５のステップは、溶融樹脂を注入する際の射出開始時期を制御するようにしている。

「射出６２Ａ６」
つぎに、射出６２Ａ６のステップがある。射出６２Ａ６のステップは、溶融樹脂の充填と保圧を行なう部分である。射出成形するプリフォームの大きさ、形状などによってステップの時間は変わる。

「冷却６２Ａ７」
つぎに、冷却６２Ａ７のステップがある。冷却６２Ａ７のステップは、射出成形金型にてプリフォーム３Ｐを射出冷却する動作である。

先工程の射出成形工程６１Ａで射出成形されたプリフォーム３Ｐを、上述したようにリップ型が支持した状態で、現在進行のブロー成形工程６１Ｂにおけるブロー成形部４へ移動させると、ブロー成形部４で中空成形体４Ｐを得る動作が行なわれる。

ブロー成形部４では、割型の対のブロー型であるブロー成形金型を備えていて、リップ型を組み入れることができるように設けられている。このブロー成形金型によって中空成形体４Ｐを得るブロー成形工程６１Ｂは、射出成形工程６２Ａと同時進行する工程である（図２参照）。

（ブロー成形工程６１Ｂ 図３、図４）
ブロー成形工程６１Ｂは、ブロー型閉め開始６１Ｂ１（図５、６参照）、ブロー型早送り６１Ｂ２、ブロー型高圧切り換え６１Ｂ３、ブロー時間６１Ｂ４、ブロー排気６１Ｂ５、ブロー型圧抜き６１Ｂ６、ブロー型開き６１Ｂ７がこの順にして進むように設定されていて、ブロー成形部４でこのブロー成形工程Ｂが繰り返される。
上述したように、現進行のブロー成形工程６１Ｂに対し、先工程のブロー成形工程を符号６０Ｂとして示し、次工程のブロー成形工程は符号６２Ｂとして示している。

「ブロー型閉め開始６１Ｂ１」
先工程のブロー成形工程６０Ｂの最終ステップが完了した時点は、対のブロー型が開いた状態となっている。そして、これに続くブロー成形工程６１Ｂの最初のステップとして、ブロー型閉め開始６１Ｂ１がある（図５、６参照）。

ブロー型閉め開始６１Ｂ１では、上述したように開いている状態の対のブロー型の間から、先工程のブロー成形工程６０Ｂで得られた中空成形体４Ｐをリップ型で支持した状態で回転板の上昇によって離型し、その後に、対のブロー型を互いに近付け始める動作の段階である。
なお、ブロー成形金型から離型した中空成形体４Ｐはリップ型によって取り出し部５へ移動する。

このブロー型閉め開始６１Ｂ１の動作の間として、０．００秒や０．５０秒とすることが可能であり、回転板が上昇位置にあるとき、例えば、上型下型開き６２Ａ１などに対応するように設定している。

なお、図３、図４に示す従来例において、ブロー成形工程６１Ｂの工程初期の段階では、ブロー型閉め開始６１Ｂ１の時期に係る制御はつぎのブロー型を早送りする時期（ブロー型早送り６１Ｂ２）の制御と一体として、ブロー型閉じ開始６１Ｂ１の動きに関して単独の時間を設定することは行なっていない。
この点は、先工程のブロー成形工程６０Ｂや次工程のブロー成形工程６２Ｂにおいても同様である。

「ブロー型早送り６１Ｂ２」
ブロー型早送り６１Ｂ２は、対のブロー型を閉じる動作を行なう部分である。そして、回転板が上昇位置にある時間帯であって、上型下型開き６２Ａ１の回転Ｒなどに対応する時間帯に設定している。
図３、図４の従来例では、このブロー型早送り６１Ｂ２は、射出成形工程６２Ａの回転Ｒ内に対応するタイミングとなるように設定されている。

（プリフォームのブロー型への配置）
ブロー成形部４において、プリフォーム３Ｐをブロー型の内側に位置させるには、回転板に設けられているリップ型及びこのリップ型で支持されているプリフォームが、ブロー成形金型の上方位置にあって、回転板が下降し、リップ型が、ブロー型に重なるようにして組み合わされることで行われる。

そのため、ブロー型へプリフォーム３Ｐを配置する動きは、射出成形工程６１Ａでの回転ロックＬと同じ時点に行なわれることとなる。
そして、ブロー型にプリフォーム３Ｐを配置した時点は、図３、図４の矢印Ｄで示す部分である。

図５にはブロー成形部４が示されている。この図５のブロー成形部４は、ブロー型早送り６１Ｂ２のステップにおいて、低圧の型締め力が付加され、離れている対のブロー型７が近づいて（ａ）、ブロー型７が接合する（ｂ）型閉じの状態が表されている。

このブロー型７が型閉じしている状態では、ブロー型７の上面側にプリフォームを通す開口が形成されているとともに、リップ型８が配置できる部分が形成されている。

そして、ブロー型早送り６１Ｂ２のステップの後、上述した矢印Ｄの時点で、回転板の下降によってプリフォーム３Ｐが下降して、図６に示すようにリップ型８がブロー型７の上部に組み合わされて構成されたブロー成形金型の内部に、プリフォーム３Ｐがブロー型７に配置された状態となる。

「ブロー型高圧切り換え６１Ｂ３」
ブロー型高圧切り換え６１Ｂ３は、対のブロー型に加える型締め力を昇圧するステップである。

そして、昇圧して所定の型締め力に達した後（ブロー型高圧切り換え完了）は、後述のブロー型圧抜き６１Ｂ６まで、その高圧の型締め力を維持される。

「ブロー時間６１Ｂ４」
つぎに、ブロー時間６１Ｂ４と称するステップは、図７（ａ）で示すようにブロー成形金型９内の上記プリフォーム３Ｐに延伸ロッド１０を進入させてプリフォーム３Ｐを延伸すると共に、プリフォーム３Ｐにブローエア１１を吹き込み、中空成形体４Ｐをブロー成形する部分である。図においてブローエア１１は、中空成形体４Ｐ内の矢印で表現している。

なお、このステップの部分を「ブロー時間」という用語を用いて表現しているが、上述のように延伸とブローエア吹き込みとからなるブロー成形の動作を行なうことを表現しているものであり、単に時間のみを表現しているわけではない。

「ブロー排気６１Ｂ５」
つぎのブロー排気６１Ｂ５のステップは、図７（ｂ）で示すブロー成形金型９の内部に送り込んだブローエアを抜く動作の部分である。図７（ｂ）においてブローエアを抜くことを矢印１２で概略的に示している。

「ブロー型圧抜き６１Ｂ６」
つぎのブロー型圧抜き６１Ｂ６のステップは、閉じた対のブロー型に加えていた型締め力を解除する動作の部分である。

「ブロー型開き６１Ｂ７」
つぎのブロー型開き６１Ｂ７のステップは、閉じていた対のブロー型を開く動作の部分である。

上述したように射出延伸ブロー成形機１では、射出成形部３で射出成形されたプリフォーム３Ｐをブロー成形部４に移し、そのブロー成形部４でプリフォーム３Ｐから中空成形体４Ｐをブロー成形し、さらにブロー成形された中空成形体４Ｐは取り出し部５へと移され、その取り出し部５において成形機外へ送り出される。

射出延伸ブロー成形機１では、図３、図４に示すように射出成形部３で射出成形工程（６１Ａ、６２Ａ、６３Ａ、６４Ａ、…）を繰り返してプリフォーム３Ｐの射出成形が行なわれ、ブロー成形部４においてもブロー成形工程（６０Ｂ、６１Ｂ、６２Ｂ、６３Ｂ、…）が繰り返されており、射出成形部３からのプリフォーム３Ｐを中空成形体４Ｐへとブロー成形している。

そして、図３、図４では射出成形工程６１Ａ、６２Ａ、６３Ａ、６４Ａ、…とブロー成形工程６０Ｂ、６１Ｂ、６２Ｂ、６３Ｂ、…の各ステップの成形フローを示していて、射出成形工程６１Ａ、６２Ａ、６３Ａ、６４Ａ、…の各ステップの進行を順にし、各ステップの時間を長さとして表している。また、ブロー成形工程６０Ｂ、６１Ｂ、６２Ｂ、６３Ｂ、…の各ステップの進行のタイミングを、射出成形工程６１Ａ、６２Ａ、６３Ａ、６４Ａ、…側のステップと対応付けし、同様に各ステップの時間を長さとして表している。

この成形フローで示すように従来の射出延伸ブロー成形機１では、例えば射出成形工程６２Ａの射出型高圧切り換え６２Ａ３が完了するタイミングに合わせて、ブロー成形工程６１Ｂのブロー型高圧切り換え６１Ｂ３を開始させている。

なぜならば、射出成形工程６２Ａにおいて、ノズル前進開始６２Ａ４から冷却６２Ａ７までのステップが終了するタイミングと、ブロー成形工程６１Ｂにおいて、ブロー型高圧切り換え６１Ｂ３からブロー型開き６１Ｂ７までのステップが終了するタイミングを揃えるためである。

即ち、射出成形工程６２Ａとブロー成形工程６１Ｂとの終了タイミングを揃える理由は、そうすることで、工程の終了待ち時間（例えば、射出成形工程６２Ａがブロー成形工程６１Ｂより前に終了してしまう場合、射出成形工程６２Ａに設定されるブロー成形工程６１Ｂの終了を待つ時間）を設けずに回転板を上昇させることができるからである。

なお、図３、図４の成形フローにおいて、射出成形工程６１Ａ、６２Ａ、６３Ａ、６４Ａとブロー成形工程６０Ｂ、６１Ｂ、６２Ｂ、６３Ｂとの終わりのタイミングが揃えられた状態で示されているが、それぞれの工程が終わるときに、射出成形部３とブロー成形部４との機械動作が同一に停止する必要はなく、射出成形部３側やブロー成形部４側に待ち時間が構成されるようにしてもよいものである。この点は、後述の第一、第二の実施例においても同様である。

ところで、射出延伸ブロー成形機１に射出装置を接続する方式において、ノズル前進開始のステップに対する時間配分として０．００秒とすることが多くなってきている。

しかし、一方で、例えば射出成形工程６２Ａとブロー成形工程６１Ｂとの終了タイミングを揃えるために、射出成形工程６２Ａでの上記ノズル前進開始６２Ａ４のステップを、図示の成形フローで示すように、例えば０．３０秒に調整しているのが、現状である。

一つの射出成形工程の全時間は、プリフォーム３Ｐの成形サイクルＸ（区間Ｘ）に影響を及ぼす。即ち、一つの射出成形工程の全時間はプリフォーム３Ｐの成形サイクルとなるので、射出延伸ブロー成形機１による中空成形体の製造効率に影響する。

本発明者にあっては、例えばブロー型高圧切り換え６１Ｂ３のステップ（昇圧のステップ）に入るタイミングを、従来の射出型高圧切り換え６２Ａ３のステップが完了する前にすれば、ブロー成形工程６１Ｂでの後ろ側の一連のステップの時間配分を行なう上でブロー時間６１Ｂ４のステップを開始するタイミングを早めたりこのブロー時間６１Ｂ４のステップに対して設定する時間を長く確保できるなどの点に着目して、本発明に至った。

そこで、本発明は、射出延伸ブロー成形機のブロー成形工程におけるブロー型高圧切り換えのステップを、ブロー成形工程の前半部分に配置することを課題とし、射出成形工程の短縮や成形性の向上を図ることを目的とする。

本発明は上記課題を考慮してなされたもので、上型と下型とリップ型とを組み合わせた射出成形金型を有する射出成形部と、ブロー型と前記リップ型とを組み合わせたブロー成形金型を有するブロー成形部とを基盤上に配置して、前記射出成形部でプリフォームを射出成形する射出成形工程と、前記ブロー成形部でプリフォームから中空成形体をブロー成形するブロー成形工程とを含む、複数の中空成形体製造工程が同時に行なわれる射出延伸ブロー成形機を用いていて、
前記ブロー成形部は、
ブロー成形金型を型開閉する型締め機構を備えるブロー装置と、
基盤における該ブロー装置の載置面に沿った方向に、前記ブロー装置を横押しするブロー装置位置決めストッパーと、
を備え、
前記ブロー装置は、該ブロー装置の載置面に沿った方向に高圧の型締め力が加えられるブロー成形金型におけるリップ型配置位置が前記ブロー装置位置決めストッパーによりブロー成形部でのリップ型降下位置に対応するように位置決めされていて、
前記複数の中空成形体製造工程のうちの第１の中空成形体製造工程における射出成形工程が射出成形部で行なわれる際、第１の中空成形体製造工程より先の第２の中空成形体製造工程におけるブロー成形工程がブロー成形部で行なわれ、
前記第１の中空成形体製造工程における射出成形工程中の射出型開きの開始から、射出型高圧切り換えの完了までに、ブロー装置の載置面に沿った方向の高圧の型締め力を、リップ型降下位置に対応するように位置決めされているブロー装置のブロー成形金型に加えて、前記第２の中空成形体製造工程におけるブロー成形工程中のブロー型高圧切り換えを行なうことを特徴とする中空成形体の製造方法を提供して、上記課題を解消するものである。

そして、本発明において、前記第２の中空成形体製造工程におけるブロー成形工程中のブロー型高圧切り換えが、型閉じしたブロー型の型締め力を昇圧するものであることが良好である。
さらに、本発明において、前記ブロー装置位置決めストッパーが、
上下方向に対して傾斜する斜面を前記ブロー装置側の端部に有する固定体と、
前記固定体に上下方向に移動可能に重ねられて、降下しながら前記斜面に案内されて、前記ブロー装置の前記載置面に沿った方向に押し出される押圧体と、
を備え、
前記押圧体が、前記ブロー装置を押すものであることが良好である。

また、もう一つの発明は、上型と下型とリップ型とを組み合わせた射出成形金型を有する射出成形部と、ブロー型とリップ型とを組み合わせたブロー成形金型を有するブロー成形部とを基盤上に配置し、
前記ブロー成形部は、
ブロー成形金型を型開閉する型締め機構を備えるブロー装置と、
基盤における該ブロー装置の載置面に沿った方向に、前記ブロー装置を横押しするブロー装置位置決めストッパーと、
を備え、
前記ブロー装置は、該ブロー装置の載置面に沿った方向に高圧の型締め力が加えられるブロー成形金型におけるリップ型配置位置が前記ブロー装置位置決めストッパーによりブロー成形部でのリップ型降下位置に対応するように位置決めされていることを特徴とする射出延伸ブロー成形機を提供して、上記課題を解消するものである。
そして、上記発明において、前記ブロー装置位置決めストッパーが、
上下方向に対して傾斜する斜面を前記ブロー装置側の端部に有する固定体と、
前記固定体に上下方向に移動可能に重ねられて、降下しながら前記斜面に案内されて、前記ブロー装置の前記載置面に沿った方向に押し出される押圧体と、
を備え、
前記押圧体が、前記ブロー装置を押すものであることが良好である。

本発明によれば、ブロー型でのブロー型高圧切り換えを、射出成形工程での射出成形金型の上型下型開きの開始から射出成形金型の射出型高圧切り換えの完了までの間に対応するタイミングで行なう。

例えば、射出成形工程中での上型下型開きのステップや回転板の回転時に対応するように、ブロー成形工程中でブロー型高圧切り換えのタイミングを設定する。
そうすることによって、ブロー成形工程でのブロー時間とブロー排気とブロー型圧抜きとブロー型開きとの一連のステップの開始を、早めた位置に変更することができる。

そして、ブロー成形工程での終了に揃えるように、射出成形工程の終了のタイミングも早めることが可能であって、例えば、ノズル前進開始のステップを短縮とすることができる。

さらに、本発明の射出延伸ブロー成形機では、ブロー成形金型のリップ配置位置がブロー成形部でのリップ型降下位置に対応するようにして、ブロー装置を高精度に位置決めできる。その結果、従来の射出延伸ブロー成形機に比べて、ブロー型高圧切り換えのタイミングを前に設定しても、射出成形部から搬送されるプリフォームをブロー型内に適切に収めることができる。

（成形サイクルの短縮）
このようにブロー成形工程に要する時間が短縮でき、これに合わせて射出成形工程が短縮できる。即ち、プリフォームの成形サイクルが短縮され、射出延伸ブロー成形機で中空成形体を製造するときの効率が向上する。

（成形性の向上）
また、ブロー成形工程の最終ステップのブロー型開きのステップを早めない代わりに、ブロー時間を延長できるようになる。そして、ブロー時間を延長することで、成形品（中空成形体）の賦形性の向上や成形品の冷却性の向上が図られ、よって成形品の成形性が向上するようになる。

さらに、プリフォームの離型からブロー吹き込み開始の時間（ブロー型閉め開始のステップからブロー時間のステップ開始までの時間）が短縮したことにより、プリフォームのスキン層がより冷たい状態でブロー成形の開始が可能となり、成形性の向上となるという効果を奏するものである。

射出延伸ブロー成形機の射出成形部とブロー成形部と取り出し部とを概略的に示す説明図である。 射出延伸ブロー成形機における同時進行する複数の中空成形体製造工程を概略的に示す説明図である。 従来における射出成形工程とブロー成形工程との成形フローを示す説明図である。 同じく従来における射出成形工程とブロー成形工程との成形フローを示す説明図である。 従来のブロー成形工程におけるブロー型早送りのステップを示すもので、（ａ）は対のブロー型が近づく状態を示す説明図、（ｂ）は低圧型締め力付加の下で対のブロー型が型閉じした状態を示す説明図である。 従来のブロー成形部における型閉じした対のブロー型にプリフォームを配置する状態を示す説明図である。 従来のブロー成形部での動作を示すもので、（ａ）はブロー成形工程におけるブロー時間のステップでの延伸と吹き込みとを概略的に示す説明図、（ｂ）はブロー排気のステップを概略的に示す説明図である。 本発明の第一の実施例における射出成形工程とブロー成形工程との成形フローを示す説明図である。 同じく第一の実施例における射出成形工程とブロー成形工程との成形フローを示す説明図である。 本発明でのブロー成形部での動作を示すもので、（ａ）はブロー型に高圧型締め力が加えた状態を概略的に示す説明図、（ｂ）はブロー型の上方にプリフォームが位置した状態を概略的に示す説明図、（ｃ）はブロー成形金型内にプリフォームが配置された状態を概略的に示す説明図である。 本発明の第二の実施例における射出成形工程とブロー成形工程との成形フローを示す説明図である。 同じく第二の実施例における射出成形工程とブロー成形工程との成形フローを示す説明図である。 ブロー装置位置決めストッパーを概略的に示す説明図である。 同じくブロー装置位置決めストッパーを分解して斜視状態で示す説明図である。

つぎに本発明を実施する射出延伸ブロー成形機１は、前述のようにプリフォームを射出成形する射出成形部３と、プリフォームからＰＥＴボトルや広口瓶などの中空成形体がブロー成形されるブロー成形部４と、前記中空成形体を成形機外へと送り出す取り出し部５とを有している。

そして、射出成形部３とブロー成形部４と取り出し部５との位置に対応する三か所にして配置したリップ型を備える回転板が一定の回転角度での回転と昇降とを繰り返し、リップ型によってプリフォームを射出成形部３からブロー成形部４へと移し、中空成形体をブロー成形部４から取り出し部５へ移し、取り出し部５においてリップ型が中空成形体を解放し、この中空成形体を解放したリップ型が回転板の回転によって射出成形部３へ移動するように設けられている。

射出延伸ブロー成形機１において、射出成形部３とブロー成形部４と取り出し部５とを等角度間隔の配置にし、リップ型が射出成形部３とブロー成形部４と取り出し部５とに順に対応しながら回転移動する基本構成の点は、先に説明した従来の射出延伸ブロー成形機１と同じである。

また、射出成形部３において、上型と下型とにリップ型が組み合わされて射出成形金型を構成する点や、ブロー成形部４において、対のブロー型にリップ型が組み合わされてブロー成形金型を構成する点も、従来の射出延伸ブロー成形機１と同じである。

本発明において、射出延伸ブロー成形機１では、従来と同じく図２に示すようにプリフォームを射出成形する射出成形工程６１Ａ（６２Ａ、６３Ａ、６４Ａ、…）と、この射出成形工程６１Ａ（６２Ａ、６３Ａ、６４Ａ、…）で得られたプリフォームに対して延伸と吹き込みを行なって、中空成形体をブロー成形するブロー成形工程６１Ｂ（６２Ｂ、６３Ｂ、６４Ｂ、…）とを備えていて、この射出成形工程６１Ａ（６２Ａ、６３Ａ、６４Ａ、…）とブロー成形工程６１Ｂ（６２Ｂ、６３Ｂ、６４Ｂ、…）とを連続させて、プリフォーム成形から中空成形体成形を連続させるようにしており、さらには、中空成形体を取り出し部５から成形機外へと送り出す取り出し工程６１Ｃ（６２Ｃ、６３Ｃ、６４Ｃ、…）も連続させている。

よって、射出延伸ブロー成形機１は、射出成形工程６１Ａ（６２Ａ、６３Ａ、６４Ａ、…）とブロー成形工程６１Ｂ（６２Ｂ、６３Ｂ、６４Ｂ、…）と取り出し工程６１Ｃ（６２Ｃ、６３Ｃ、６４Ｃ、…）とを順に経ることで中空成形体を製造する中空成形体製造工程６（６１、６２、６３、６４、…）を備えているものである。

中空成形体製造工程６を継続的に繰り返すために、射出成形工程は６１Ａ、６２Ａ、６３Ａ、６４Ａ、…となって繰り返され、ブロー成形工程は６１Ｂ、６２Ｂ、６３Ｂ、６４Ｂ、…となって繰り返され、取り出し工程は６１Ｃ、６２Ｃ、６３Ｃ、６４Ｃ、…となって繰り返される。

さらに、射出成形部３でプリフォーム３Ｐを射出成形する一つの工程として射出成形工程６２Ａを例に挙げると、この射出成形工程６２Ａと、ブロー成形部４で中空成形体４Ｐをブロー成形するブロー成形工程６１Ｂとは、従来と同じように、そして、図８、図９に示されているように同時に進行する工程である。図示されていないが、取り出し工程も同時に進行する。

射出延伸ブロー成形機１において、上述のように射出成形部３とブロー成形部４と取り出し部５とが等角度の間隔で配置され、三か所のリップ型が互いに対応位置が異なりながら移動するので、従来例で図２に基づいて説明したように三つの中空成形体製造工程６の進行が一工程分（プリフォーム成形サイクル分）ズレながら進んで、その中空成形体製造工程６ごとに中空成形体が製造される。

図８、図９では、射出成形工程とブロー成形工程とのそれぞれの工程が繰り返されている状態が示されている。
そして、例えば、射出成形工程６２Ａおよびブロー成形工程６１Ｂとが現時点で進行している工程とすると、射出成形工程６２Ａの一つ先（前）の工程が６１Ａとして示され、ブロー成形工程６１Ｂの一つ先（前）の工程が６０Ｂとして示されている。
また、射出成形工程６２Ａの次（後）の工程が６３Ａであり、ブロー成形工程６１Ｂの次（後）の工程が６２Ｂである。

即ち、射出延伸ブロー成形機１における一つの工程である中空成形体製造工程６２を第１の中空成形体製造工程とすると、この第１の中空成形体製造工程（中空成形体製造工程６２）での射出成形部３でプリフォーム３Ｐを射出成形する射出成形工程６２Ａと、前記第１の中空成形体製造工程（中空成形体製造工程６２）の先工程とする第２の中空成形体製造工程（中空成形体製造工程６１）の射出成形工程６１Ａで射出成形されたプリフォーム３Ｐをブロー成形部４で受けて、このプリフォーム３Ｐから中空成形体４Ｐをブロー成形するブロー成形工程６１Ｂと、が同時に進行する。

図８、図９では、射出成形工程６１Ａ、６２Ａ、６３Ａ、６４Ａが繰り返されていることが示され、ブロー成形工程６０Ｂ、６１Ｂ、６２Ｂ、６３Ｂが繰り返されていることが示されている。

繰り返しの説明となるが、図８、９ではプリフォーム３Ｐの移動（搬送）と中空成形体４Ｐの移動（搬送）も表現している。成形されたプリフォーム３Ｐと中空成形体４Ｐの移動を説明すると、一つ前に進行した先工程の射出成形工程６１Ａで成形したプリフォーム３Ｐは、現進行のブロー成形工程６１Ｂでのブロー成形部４に移る。
また、現進行の射出成形工程６２Ａで成形されるプリフォーム３Ｐは、中空成形体製造工程６２中での次工程のブロー成形工程６２Ｂでのブロー成形部４に移る。
また、一つ先に進行した先工程のブロー成形工程６０Ｂでブロー成形した中空成形体４Ｐは、現進行の取り出し工程（不図示）の取り出し部５に移る。
また、現進行のブロー成形工程６１Ｂでブロー成形する中空成形体４Ｐは、中空成形体製造工程６１中での次工程の取り出し工程（不図示）の取り出し部５に移る。

本発明にあっては、中空成形体製造工程６１、６２、６３、６４、…における射出成形工程６１Ａ、６２Ａ、６３Ａ、６４Ａ、…と、ブロー成形工程６１Ｂ、６２Ｂ、６３Ｂ、６４Ｂ、…とでステップの構成が、従来例と異なっている。図８、図９は、第一の実施例における成形フローを示している。

なお、射出成形工程６１Ａ、６２Ａ、６３Ａ、６４Ａ、…は繰り返しであるので、以降、現進行の射出成形工程６２Ａを挙げてその構成を説明する。同様に、ブロー成形工程６１Ｂ、６２Ｂ、６３Ｂ、６４Ｂ、…もの繰り返しであるので、以降、現進行のブロー成形工程６１Ｂを挙げてその構成を説明する。

（第一の実施例）
（射出成形工程６２Ａ）
図８、図９に示す第一の実施例において、まず、第１の中空成形体製造工程とする中空成形体製造工程６２での射出成形工程６２Ａの構成が、先に説明した従来例の射出成形工程６２Ａの構成（図３、図４参照）と異なっている。
この第一の実施例での射出成形工程６２Ａ（現進行中の射出成形工程）は、上型下型開き６２Ａ１、上型下型締め６２Ａ２、射出型高圧切り換え６２Ａ３、射出開始６２Ａ５、射出６２Ａ６、冷却６２Ａ７を含む。

「上型下型開き６２Ａ１」
最初の上型下型開き６２Ａ１のステップでは、一つ先に進行した射出成形工程６１Ａの最終段階で型閉じしていた射出成形金型に対して型締め力を解除し、上型と下型とを開きながら回転板の上昇でプリフォーム３Ｐ（前進行の射出成形工程６１Ａで成形されたプリフォーム）を離型することが行なわれる。
そして、この上型下型開き６２Ａ１のステップにおいて、プリフォームを支持していないリップ型を組み入れるために、上型と下型とが開いた状態が維持されるようにしている。
この上型下型開き６２Ａ１の動作自体は、従来と同じである。

「回転Ｒ」
回転板側の動作として、プリフォームを離型して上方に回転板が所定の高さ位置に達してから、回転板の一定回転角度で回転する。従来例の場合と同様に図８、図９において、この回転に対応する部分をＲとして表記し、且つその範囲を矢印で示している。
この回転Ｒは、上型下型開き６２Ａ１のステップ中に行なわれるものであり、回転板が所定高さの高さ位置に達した後に行なわれる。

射出延伸ブロー成形機１において、この回転時の動作は、具体的には従来例で説明したように、先工程の射出成形工程６１Ａで成形されたプリフォーム３Ｐおよびこのプリフォーム３Ｐを支持するリップ型を射出成形部３からブロー成形部４のブロー成形金型を構成する位置の上方までに移動させ、停止するまでの動きである。
同じく、リップ型と中空成形体４Ｐ（先工程のブロー成形工程６０Ｂで成形した中空成形体）をブロー成形部４から取り出し部５に移動させ、取り出し部５の所定の高さ位置に停止させるまでの動きでもある。
同じく、取り出し部５で中空成形体を解放したリップ型が射出成形部３に移動して、射出成形金型を構成する位置の上方で停止するまでの動きでもある。

「回転ロックＬ」
さらに回転ロックＬは引き続き回転板側の動作として、上型下型開き６２Ａ１中に、回転板が一定回転角度の回転を終えた後、回転ロック部材によって回転板の回転を一時的にロックするものである。
図において、これに対応する部分をＬとして表記し、且つその範囲を矢印で示している。
この回転ロックＬは上記回転Ｒに続いて行なわれる。

このように図での上型下型開き６２Ａ１のステップは、従来例と同様にプリフォーム３Ｐを支持するリップ型を備える不図示の回転板が所定の回転角度（１２０°）で回転する時間と、回転板の回転をロックする時間とを含むように示されている。

「上型下型締め６２Ａ２」
上記上型下型開き６２Ａ１での回転ロックＬの段階に対して、上型下型締め６２Ａ２のステップが連続する。
上述したように上型下型締め６２Ａ２は、下型の上にリップ型を載せて重ねるようにするとともに、その上方からリップ型に上型を通して下型に組み合わせて、型を閉じるステップである。このステップでの型締め力は低圧である。

「射出型高圧切り換え６２Ａ３」
第一の実施例における射出成形工程６２Ａでは上型下型締め６２Ａ２の次に射出型高圧切り換え６２Ａ３を連続させている。
図３、図４で示す従来例と同じく、この実施例での射出型高圧切り換え６２Ａ３は、低圧とされていた射出成形金型での型締め力を昇圧する動作が行なわれる部分であり、上型下型締め６２Ａ２に連続するステップである。
なお、射出型高圧切り換え６２Ａ３のステップが完了した後についても、従来例と同様にその高圧の型締め力は冷却６２Ａ７のステップが終了するまで維持される。

「射出開始６２Ａ５」
第一の実施例における射出成形工程６２Ａでは、射出型高圧切り換え６２Ａ３のステップの次に射出開始６２Ａ５のステップが連続する。
この射出開始６２Ａ５は溶融樹脂を注入する際の射出開始時期を制御する部分である。このステップでの動作自体は従来例のものと同じである。

「射出６２Ａ６」
つぎに上記射出開始６２Ａ５に連続して射出６２Ａ６のステップがある。この射出６２Ａ６は溶融樹脂の充填と保圧を行なう部分である。射出成形するプリフォームの大きさ、形状などによってこのステップの時間は変わる。このステップでの動作自体は従来例のものと同じである。

「冷却６２Ａ７」
第一の実施例では射出６２Ａ６に続いて冷却６２Ａ７のステップがある。射出成形工程６２Ａ中、この冷却６２Ａ７で示されるステップの部分では、充填された溶融樹脂からなるプリフォーム３Ｐを、冷媒が通されている射出成形金型で冷却する。

本発明を実施する射出延伸ブロー成形機１において、冷却６２Ａ７でプリフォーム３Ｐを冷却する時間は、プリフォーム３Ｐの表層（スキン層）と内層（コア層）との両者が共に固化するまでとはしていない。
具体的には、プリフォーム３Ｐの表層にある程度の硬さを確保しながらプリフォームの離型のタイミングを早めることのできる冷却時間に設定している。

（従来との相違部分）
先に説明した従来例の射出成形工程６２Ａ（図３）は、射出型高圧切り換え６２Ａ３のステップの後にノズル前進開始６２Ａ４のステップを連続させ、このノズル前進開始６２Ａ４のステップの後に射出開始６２Ａ５のステップを連続させている。
一方、第一の実施例の上記射出成形工程６２Ａでは、射出型高圧切り換え６２Ａ３のステップに射出開始６２Ａ５のステップを連続させていて、この点で従来の射出成形工程６２Ａの構成と第一の実施例での射出成形工程６２Ａとが相違している。

即ち、この第一の実施例では、後述するように従来例の射出成形工程６２Ａ中のノズル前進開始６２Ａ４のステップ用として設定していた時間（従来例として例えば０．３０秒）を０．００秒にして、ノズル前進開始６２Ａ４に掛かる時間を省く。これにより、ノズル（射出装置）前進開始時期と射出開始６２Ａ５とが、同タイミングで行われる。

（ノズル前進開始６２Ａ４を省く理由）
そして、第一の実施例は、ノズル前進開始６２Ａ４のステップを単純に省いたというものではない。
後述するように本発明によって、ブロー成形工程６１Ｂの最終のステップが完了するタイミングを早めることができる。この完了するタイミングを早めたブロー成形工程６１Ｂの完了部分に、射出成形工程６２Ａの終了のステップの完了のタイミングを早めて揃えている。
射出成形工程６２Ａの終了のステップの完了を早めるために、上記ノズル前進開始６２Ａ４の時間配分を省いている。
よって、後述するように射出成形工程６２Ａでの期間Ｘ（区間Ｘ）が短かくなり、プリフォームの成形サイクルが短かくなっている。

（ブロー成形工程６１Ｂ）
つぎに、第一の実施例でのブロー成形工程６１Ｂ（ブロー成形部４にて、第２の中空成形体製造工程とする中空成形体製造工程６１内の工程であって、現進行中のブロー成形工程）は、先の従来例と同じくブロー型閉め開始６１Ｂ１、ブロー型早送り６１Ｂ２、ブロー型高圧切り換え６１Ｂ３、ブロー時間６１Ｂ４、ブロー排気６１Ｂ５、ブロー型圧抜き６１Ｂ６、ブロー型開き６１Ｂ７のステップを含む。

「ブロー型閉め開始６１Ｂ１」
従来例で説明したように先工程のブロー成形工程６０Ｂの最終のステップ（ブロー型開き）が完了していて、中空成形体４Ｐを上方に離型できるように対のブロー型が開いている。
これに続くブロー成形工程６１Ｂのブロー型閉め開始６１Ｂ１のステップ中、回転板が上昇して、リップ型に支持された中空成形体４Ｐがブロー型から上方に向けて離型する。
そして、この先工程のブロー成形工程６０Ｂで成形した中空成形体４Ｐの離型が行なわれた後に、ブロー型閉め開始６１Ｂ１のステップでは、対のブロー型を近付けるように型閉めの動きが開始されるようにしている。

勿論、ブロー型閉め開始６１Ｂ１の動作自体は従来例の場合と同じであり、先工程で成形して離型する中空成形体４Ｐをリップ型が移動して取り出し部５に移す点も同じである。
なお、従来例のブロー成形工程６１Ｂでは、ブロー型閉め開始６１Ｂ１を０．００秒にして、ブロー型を閉じる時期の制御をつぎのブロー型早送り６１Ｂ２の時期の制御と一体となるように設け、ブロー型閉め開始６１Ｂ１に係る時間を単独では設定していない。

「ブロー型早送り６１Ｂ２」
つぎに第一の実施例でのブロー成形工程６１Ｂではブロー型閉め開始６１Ｂ１に続いて、ブロー型早送り６１Ｂ２のステップがある。このステップでは、ブロー型に低圧の型締め力を加えた状態の下で型を閉じる動作が行なわれる（従来例の図５参照）。
このステップが進行する際、射出成形工程６２Ａでの上型下型開き６２Ａ１も行われる。そして、回転板の回転で移動するプリフォーム３Ｐや中空成形体４Ｐと、閉じるブロー型の動きとは干渉しないので、ブロー型早送り６１Ｂ２は、回転板が回転しているとき（回転Ｒ時）であっても構わない。

「ブロー型高圧切り換え６１Ｂ３」
上記ブロー型早送り６１Ｂ２のステップに続いてブロー型高圧切り換え６１Ｂ３のステップが連続するように設けられている。即ち、ブロー型高圧切り換え６１Ｂ３の開始タイミングが、従来より前に設定されている。
この点が、従来例のブロー成形工程６１Ｂの構成（図３、図４）と大きく異なっている。

図３、図４の従来例のブロー型高圧切り換え６１Ｂ３のステップでは、リップ型を組み入れた射出成形型に対する射出型高圧切り換え６２Ａ３が完了した後となる部分に対応するようにして設けられている。

一方、本実施例のブロー型高圧切り換え６１Ｂ３のステップは、射出型高圧切り換え６２Ａ３のステップの前であって、且つこの射出型高圧切り換え６２Ａ３のステップに重ならない部分となるようにしている。
さらに、図８、図９に示されているように射出成形工程６２Ａの回転ロックＬに対応する部分より前の時点であって、ブロー型の内側にプリフォーム３Ｐを配置する前の時点にしていて、上記ブロー型早送り６１Ｂ２のステップに連続している。

このブロー成形工程６１Ｂでのブロー型高圧切り換え６１Ｂ３も、対のブロー型に加える型締め力を昇圧するステップである。

（高圧型締め力維持－逆止弁）
ブロー型高圧切り換え６１Ｂ３のステップを経て高圧に昇圧された型締め力（
ブロー型高圧切り換え６１Ｂ３の完了後）は、ブロー型圧抜き６１Ｂ６まで所定の高圧の状態を、ブロー型圧抜き６１Ｂ６のステップを開始するまで維持する。

そして、ブロー型高圧切り換え６１Ｂ３を終えてからブロー型圧抜き６１Ｂ６を開始するまでの間、このブロー型の高圧型締めを維持するために、本実施例では、射出延伸ブロー成形機１でのブロー型閉め油圧回路に逆止弁を追加している。この逆止弁により、ブロー型高圧切り換えＢ３を終えてからブロー型圧抜き６１Ｂ６が開始されるまでの間、高圧の型締め油圧回路圧が保持されるようにしている。

図３、図４に示すように従来例では、射出成形工程６２Ａの射出型高圧切り換え６２Ａ３のステップが完了したタイミングの後、ブロー型高圧切り換え６１Ｂ３のステップが行われるため、ブロー型の型締め力を高圧に保持している圧力回路側に、射出型の型締め力を変動させる動作が影響を及ぼすことはない。

一方、この第一の実施例では、ブロー型高圧切り換え６１Ｂ３のステップが完了した後に、射出成形工程６２Ａにおいて射出型高圧切り換え６２Ａ３が行なわれるようにしていて、射出型を高圧の型締め力に向けて昇圧する圧力機器側の動作が、ブロー型を高圧の型締め力で型締めしている油圧回路に影響を及ぼす可能性がある。

そこで、ブロー型閉め油圧回路に逆止弁を追加して、ブロー型高圧切り換え６１Ｂ３を終えてからブロー型圧抜き６１Ｂ６を開始するまでの一定時間の間、高圧となった型締め油圧回路圧を維持するように設けられている。

図１０は本発明でのブロー成形部４を示している。そして、図１０（ａ）はブロー型高圧切り換え６１Ｂ３のステップを示していて、型閉じされた対のブロー型７に図示のようにブロー装置１６の載置面１７Ｓに沿った方向である高圧の型締め力１３を加えた状況を概略的に表現している。
この時点で対のブロー型７は型閉じされている状態であるので、従来例において説明したようにブロー型の上面側には、プリフォームを挿入させることができる開口が形成され、また、リップ型８を載せ置くことができる部分も形成されている。

図１０（ｂ）は、ブロー型７に所定の高圧の型締め力１３が加えられたブロー成形部４の上方に、プリフォーム３Ｐとこれを支持するリップ型８とが位置した状態を表現している。

さらに、図１０（ｃ）は、回転板の下降によってリップ型８が高圧型締め状態のブロー型７に重ね合わされてブロー成形金型９を形成し、この内部にプリフォーム３Ｐが配置された状態を表現している。
上記図１０（ｂ）（ｃ）は、図８、図９のブロー成形工程６１Ｂ、６２Ｂ、６３Ｂにおいて矢印Ｄで示す時点での動作が表現されている。

（ブロー装置位置決めストッパー）
上述のように本発明を実施するブロー成形部４では、ブロー型高圧切り換え６１Ｂ３のステップを、プリフォーム３Ｐを対のブロー型７の内側に配する前に進行させ、高圧の型締め力で型合わせ状態の対のブロー型７の上面側の開口部分に、プリフォーム３Ｐを通すようにしてこのプリフォームを降下させている。

そして、降下するプリフォーム３Ｐとブロー型７とが干渉しないように、また、型合わせ状態の対のブロー型７での適正位置にリップ型８が重なるようにしている。

そのため、対のブロー型７、底型１４、型締め機構１５などを備えるブロー装置１６が、射出延伸ブロー成形機１の基盤１７上の所定位置に正確に取り付けられている必要がある。
そこで、ブロー成形部４は、図１０に示すようにブロー装置位置決めストッパー１８を備える。これにより、ブロー装置１６は、基盤１７に正確に位置決めされる。

上記ブロー装置位置決めストッパー１８は、図１３と図１４に示されるように上下方向に対して傾斜する斜面１９を端部に有する固定体２０と、この固定体２０に上下方向に移動可能に重ねられて、降下しながら斜面１９に案内されて横方向（ブロー装置１６等を載せ置く載置面１７Ｓに沿う方向）に押し出される押圧体２１と、前記固定体２０と押圧体２１を貫通して基盤１７にねじ付けされる調節ねじ２２と、調節ねじ２２の頭部と押圧体２１との間に位置して調節ねじ２２の降下を押し下げ力にして押圧体２１を押すスプリング２３とを備えている。

そして、このブロー装置位置決めストッパー１８が、基盤１７に配置したブロー装置１６の底部近傍位置に設けられている。調節ねじ２２を基盤１７にねじ付け操作する際、その調節ねじ２２が押圧体２１に上方から圧力を加えるようになる。さらに、加えられる圧力によって押圧体２１の受け面２４が固定体２０の上記斜面１９に案内されるとともに、固定体２０の側面に突設したボス２５を移動可能に嵌め入れて斜面１９と同じ傾斜角度で傾いている長孔２６が前記ボス２５に案内されて横方向に移動し、ブロー装置１６の底部部分に当接して載置面１７Ｓに沿った方向にこの底部部分を横押しするようにしている。

本発明を実施する射出延伸ブロー成形機１では、ブロー型７が型閉じしたときに形成するリップ型配置部分が、リップ型８の降下位置に一致するように、上記ブロー装置位置決めストッパー１８での調節を行なってブロー装置１６の位置決めを高精度にして行なっている。その結果、型閉じされたブロー型７の前記開口部分に射出成形部３から搬送されたプリフォーム３Ｐを、ブロー型７に干渉させることなく挿入することができる。これにより、従来の射出延伸ブロー成形機に比べて、ブロー型高圧切り換え６１Ｂ３のタイミングを前に設定しても、射出成形部３から搬送されるプリフォーム３Ｐをブロー型７内に適切に収めることができる。

「ブロー時間６１Ｂ４」
本実施例のブロー時間６１Ｂ４のステップは、延伸とブローエア吹き込みとによるブロー成形を行なう部分である（図７（ａ）参照）。
このブロー時間６１Ｂ４での動作自体は従来例のブロー時間６１Ｂ４の動作と同じであるが、開始するタイミングが従来例とは異なっていて、本実施例では、射出成形工程６２Ａの射出型高圧切り換え６２Ａ３が完了したときにタイミングを合わせてブロー時間６１Ｂ４のステップを開始するように設定している。

そのため、ブロー成形工程６１Ｂでのブロー時間６１Ｂ４を開始するタイミングは、従来のブロー成形工程６１Ｂに比べて早い段階としている。

「ブロー排気６１Ｂ５」
ブロー時間６１Ｂ４のステップが完了するとこれに続いてブロー排気６１Ｂ５のステップとなる。このブロー排気６１Ｂ５のステップでは、ブロー成形金型の内部に送り込んだブローエアを抜く動作が行なわれる。このステップは従来例でのブロー排気６１Ｂ５と同じである（図７（ｂ））。

「ブロー型圧抜き６１Ｂ６」
つぎのブロー型圧抜き６１Ｂ６のステップでは、閉じた対のブロー型に加えていた型締め力を解除する動作が行なわれる。このステップは従来例でのブロー排圧抜き６１Ｂ６と同じである。

「ブロー型開き６１Ｂ７」
つぎのブロー型開き６１Ｂ７のステップでは、閉じていた対のブロー型を開く動作が行なわれる。このステップは従来例でのブロー型開き６１Ｂ７と同じである。

上述したようにブロー時間６１Ｂ４を開始するタイミングが、従来例のブロー成形工程６１Ｂに比べて早まる。そして、第一の実施例では図８、図９に示されているようにブロー時間６１Ｂ４とブロー排気６１Ｂ５とブロー型圧抜き６１Ｂ６とブロー型開き６１Ｂ７とが一連に連続している。
ブロー成形工程６１Ｂ中、ブロー時間６１Ｂ４とブロー排気６１Ｂ５とブロー型圧抜き６１Ｂ６とブロー型開き６１Ｂ７の各ステップに対応させる時間も従来例と同じである。そのため、第一の実施例では、ブロー成形工程Ｂのブロー型開き６１Ｂ７のステップが完了するタイミングも早められる。

この早められたブロー成形工程６１Ｂの最終のステップが完了するタイミングに、射出成形工程６２Ａの最終のステップが完了する時点が同じとなる。具体的には、射出成形工程６２Ａとブロー成形工程６１Ｂとの最終のステップが完了するタイミングを同じにするため、上述したように射出成形工程６２Ａにおけるノズル前進開始６２Ａ４の動作に要する時間として０．００秒にしている。
即ち、ノズル前進開始時期の制御と射出開始６２Ａ５に対する時期の制御とを一体としてノズル前進開始６２Ａ４のステップを省いている。

このように第一の実施例では、ブロー型高圧切り換え６１Ｂ３をブロー型早送り６１Ｂ２に連続させて、ブロー型高圧切り換え６１Ｂ３のタイミングを早めることでブロー成形工程Ｂを短縮している。
そして、これによって、射出成形工程６２Ａ中、上記ノズル前進開始６２Ａ４のステップを省いて、射出成形工程６２Ａを短縮することが可能となり、プリフォームの成形サイクルを短縮し、中空成形体の製造効率を向上させる。

（第二の実施例）
つぎに第二の実施例を説明する。第二の実施例は、ブロー成形工程６１Ｂ中、ブロー型高圧切り換え６１Ｂ３のステップの開始を、ブロー型早送り６１Ｂ２のステップの完了に連続させている点に関しては、第一の実施例と同じである。
そして、以下に説明するように射出成形工程６２Ａについて、ノズル前進開始６２Ａ４のステップに単独の動作時間を設定する構成とするとともに、ブロー成形工程６１Ｂについて、ブロー時間６１Ｂ４のステップに設定する時間を変更している点で、第一の実施例の場合と相違する。

図１１、図１２は、第二の実施例での射出成形工程６２Ａとブロー成形工程６１Ｂとを、成形フローの形態で示している。

（射出成形工程６２Ａ）
この第二の実施例において、射出成形工程６２Ａは、上型下型開き６２Ａ１、上型下型締め６２Ａ２、射出型高圧切り換え６２Ａ３、ノズル前進開始６２Ａ４、射出開始６２Ａ５、射出６２Ａ６、冷却６２Ａ７の各ステップが連続して構成されている。

上記の上型下型開き６２Ａ１、上型下型締め６２Ａ２、射出型高圧切り換え６２Ａ３、射出開始６２Ａ５、射出６２Ａ６、冷却６２Ａ７の各ステップの動きは、第一の実施例と同じである。
また、この第二の実施例では、ノズル前進開始６２Ａ４のステップについて単独の動作時間を例えば０．３０秒にしてノズル前進開始の開始時期について制御を行なうように設けられている。
なお、第二の実施例における射出成形工程６２Ａの構成については、従来例での射出成形工程６２Ａの構成と同じとしている。

（ブロー成形工程６１Ｂ）
第二の実施例において、ブロー成形工程６１Ｂを、ブロー型閉め開始６１Ｂ１、ブロー型早送り６１Ｂ２、ブロー型高圧切り換え６１Ｂ３、ブロー時間６１Ｂ４、ブロー排気６１Ｂ５、ブロー型圧抜き６１Ｂ６、ブロー型開き６１Ｂ７のステップを備えており、ステップ６１Ｂ１から６１Ｂ７を備えている点では、第一の実施例と同じである。
また、上述したように、ブロー型高圧切り換え６１Ｂ３のステップの開始を、ブロー型早送り６１Ｂ２のステップの完了に連続させている点で、第一の実施例と同じである。

図８、図９、図１１、図１２に示すように第一の実施例および第二の実施例では、共に射出型高圧切り換え６２Ａ３の完了に連続するタイミングで、ブロー時間６１Ｂ４を開始するように設けられている。
しかし、上述したように第二の実施例では、ブロー時間６１Ｂ４のステップに対して設定されている時間が、第一の実施例の場合と相違している。

第二の実施例では、図１１、図１２に示すようにこのブロー時間６１Ｂ４のステップに要する時間を、第一の実施例でのブロー時間６１Ｂ４のステップに相当する時間と、射出成形工程６２Ａのノズル前進開始６２Ａ４のステップに相当する時間とを合わせた時間にしている。
即ち、第一の実施例でのブロー成形工程６１Ｂでのブロー時間６１Ｂ４に設定した時間に比べて、第二の実施例のブロー時間６１Ｂ４に設定した時間を延長している。

そして、この第二の実施例では、ブロー成形工程６１Ｂの最終のステップであるブロー型開き６１Ｂ７のステップの完了が、射出成形工程６２Ａの最終のステップである冷却６２Ａ７の完了と揃うようにしている。

このように第二の実施例では、ブロー時間６１Ｂ４のステップ、即ち、冷却が図られている対のブロー型内に配置されたプリフォームに対する延伸とブローエアの吹き込みを行なって中空成形体にブロー成形する時間を長くしているので、成形品の賦形性が向上し、冷却性が向上する。

第一、第二の実施例では共に、射出成形工程６２Ａの回転Ｒの動作中であって、ブロー型早送り６１Ｂ２の完了に連続してブロー型高圧切り換え６１Ｂ３が行なわれるように設定されているが、本発明は上記例に限定されるものではない。

例えば、ブロー型閉め開始６１Ｂ１とブロー型早送り６１Ｂ２とのステップに対して設定している時間を短縮して、ブロー型高圧切り換え６１Ｂ３を、射出成形工程６２Ａの上型下型開き６２Ａ１を行なう部分に対応する時間帯に設定することも可能である。

そして、本発明では、ブロー型高圧切り換え６１Ｂ３が、射出成形工程６２Ａの上記上型下型開き６２Ａ１の開始から射出型高圧切り換え６２Ａ３の完了までの部分に対応するブロー成形工程上の時間帯で設定することも可能である。

射出延伸ブロー成形機１では中空成形体製造工程６（６１、６２、６３、６４、…）が繰り返されることから、説明を容易にするために、中空成形体製造工程６１のブロー成形工程６１Ｂを挙げるとともに、中空成形体製造工程６２の射出成形工程６２Ａを挙げているが、勿論、上述した第一、第二の実施例は、ブロー成形工程６１Ｂに限定されないとともに、射出成形工程６２Ａに限定されない。

１…射出延伸ブロー成形機
２…射出装置
３…射出成形部
４…ブロー成形部
５…取り出し部
６、６１、６２、６３、６４…中空成形体製造工程
７…ブロー型
８…リップ型
９…ブロー成形金型
１３…高圧の型締め力
１４…底型
１６…ブロー装置
１７…基盤
１８…ブロー装置位置決めストッパー
６０Ａ、６１Ａ、６２Ａ、６３Ａ、６４Ａ、６５Ａ…射出成形工程
６１Ａ１、６２Ａ１、６３Ａ１、６４Ａ１、６５Ａ１…上型下型開き
６１Ａ２、６２Ａ２、６３Ａ２、６４Ａ２…上型下型締め
６１Ａ３、６２Ａ３、６３Ａ３、６４Ａ３…射出型高圧切り換え
６１Ａ４、６２Ａ４、６３Ａ４、６４Ａ４…ノズル前進開始
６１Ａ５、６２Ａ５、６３Ａ５、６４Ａ５…射出開始
６０Ａ６、６１Ａ６、６２Ａ６、６３Ａ６、６４Ａ６…射出
６０Ａ７、６１Ａ７、６２Ａ７、６３Ａ７、６４Ａ７…冷却
Ｒ…回転
Ｌ…回転ロック
５９Ｂ、６０Ｂ、６１Ｂ、６２Ｂ、６３Ｂ、６４Ｂ…ブロー成形工程
６０Ｂ１、６１Ｂ１、６２Ｂ１、６３Ｂ１、６４Ｂ１…ブロー型閉め開始
６０Ｂ２、６１Ｂ２、６２Ｂ２、６３Ｂ２、６４Ｂ２…ブロー型早送り
６０Ｂ３、６１Ｂ３、６２Ｂ３、６３Ｂ３、６４Ｂ３…ブロー型高圧切り換え
６０Ｂ４、６１Ｂ４、６２Ｂ４、６３Ｂ４、６４Ｂ４…ブロー時間
５９Ｂ５、６０Ｂ５、６１Ｂ５、６２Ｂ５、６３Ｂ５、６４Ｂ５…ブロー排気
５９Ｂ６、６０Ｂ６、６１Ｂ６、６２Ｂ６、６３Ｂ６、６４Ｂ６…ブロー型圧抜き
５９Ｂ７、６０Ｂ７、６１Ｂ７、６２Ｂ７、６３Ｂ７、６４Ｂ７…ブロー型開き
３Ｐ…プリフォーム
４Ｐ…中空成形体

Claims (5)

1. 上型と下型とリップ型とを組み合わせた射出成形金型を有する射出成形部と、ブロー型と前記リップ型とを組み合わせたブロー成形金型を有するブロー成形部とを基盤上に配置して、前記射出成形部でプリフォームを射出成形する射出成形工程と、前記ブロー成形部でプリフォームから中空成形体をブロー成形するブロー成形工程とを含む、複数の中空成形体製造工程が同時に行なわれる射出延伸ブロー成形機を用いていて、
   前記ブロー成形部は、
   ブロー成形金型を型開閉する型締め機構を備えるブロー装置と、
   基盤における該ブロー装置の載置面に沿った方向に、前記ブロー装置を横押しするブロー装置位置決めストッパーと、
   を備え、
   前記ブロー装置は、該ブロー装置の載置面に沿った方向に高圧の型締め力が加えられるブロー成形金型におけるリップ型配置位置が前記ブロー装置位置決めストッパーによりブロー成形部でのリップ型降下位置に対応するように位置決めされていて、
   前記複数の中空成形体製造工程のうちの第１の中空成形体製造工程における射出成形工程が射出成形部で行なわれる際、第１の中空成形体製造工程より先の第２の中空成形体製造工程におけるブロー成形工程がブロー成形部で行なわれ、
   前記第１の中空成形体製造工程における射出成形工程中の射出型開きの開始から、射出型高圧切り換えの完了までに、ブロー装置の載置面に沿った方向の高圧の型締め力を、リップ型降下位置に対応するように位置決めされているブロー装置のブロー成形金型に加えて、前記第２の中空成形体製造工程におけるブロー成形工程中のブロー型高圧切り換えを行なうことを特徴とする中空成形体の製造方法。
2. 前記第２の中空成形体製造工程におけるブロー成形工程中のブロー型高圧切り換えが、型閉じしたブロー型の型締め力を昇圧するものである
   請求項１に記載の中空成形体の製造方法。
3. 前記ブロー装置位置決めストッパーが、
   上下方向に対して傾斜する斜面を前記ブロー装置側の端部に有する固定体と、
   前記固定体に上下方向に移動可能に重ねられて、降下しながら前記斜面に案内されて、前記ブロー装置の前記載置面に沿った方向に押し出される押圧体と、
   を備え、
   前記押圧体が、前記ブロー装置を押す
   請求項１又は２に記載の中空成形体の製造方法。
4. 上型と下型とリップ型とを組み合わせた射出成形金型を有する射出成形部と、ブロー型とリップ型とを組み合わせたブロー成形金型を有するブロー成形部とを基盤上に配置し、
   前記ブロー成形部は、
   ブロー成形金型を型開閉する型締め機構を備えるブロー装置と、
   基盤における該ブロー装置の載置面に沿った方向に、前記ブロー装置を横押しするブロー装置位置決めストッパーと、
   を備え、
   前記ブロー装置は、該ブロー装置の載置面に沿った方向に高圧の型締め力が加えられるブロー成形金型におけるリップ型配置位置が前記ブロー装置位置決めストッパーによりブロー成形部でのリップ型降下位置に対応するように位置決めされていることを特徴とする射出延伸ブロー成形機。
5. 前記ブロー装置位置決めストッパーが、
   上下方向に対して傾斜する斜面を前記ブロー装置側の端部に有する固定体と、
   前記固定体に上下方向に移動可能に重ねられて、降下しながら前記斜面に案内されて、前記ブロー装置の前記載置面に沿った方向に押し出される押圧体と、
   を備え、
   前記押圧体が、前記ブロー装置を押す
   請求項４に記載の射出延伸ブロー成形機。

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