JP5147076B2 - 海藻種苗の生産方法 - Google Patents
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Description
(1)帯状部と頭部でループ状の緊締状態を実現する結束バンドの該頭部に、海藻の小藻体を着生させるから、ロープやブロックなどの種苗の適用対象物に対する簡便な取付手段を備えた海藻種苗を得ることができる。
(2)結束バンドの帯状部の一端側にある比較的小さな面積の頭部を藻体の着生床とするとともに、それらの複数を支持具により互いに近づけた集合状態とすることで擬似的に一つの広い平面を形成し、この面に対して海藻の生殖細胞を付着させるから、頭部に集中して小藻体を着生させやすく、さらには帯状部の延在方向と反対側の表面部など、頭部の特定の場所だけに着生させることも可能である。このため、帯状部やそれと係合する頭部の係止部付近など、結束バンドのループ状保持機能を阻害する部位への種苗育成中での小藻体の着生を防止できる。
(3)集合状態に置かれた個々の結束バンドは、いつでもその集合状態を解除して個別の結束バンド単位で取り扱うことができるから、個々の結束バンドに対する着生個体数の制御や生育状態の均一化などの個体管理が容易であり、1個の結束バンドに対して藻体1個体の着生も可能である。このような形態の海藻種苗を使用すれば、藻場造成におけるコンクリートブロック等の育成用基盤に適用する場合には、良好な状態の藻体を実必要量に合わせて最適数量を導入すればよく、種苗の無駄を減らすことができる。また、個々の結束バンドは分離状態では軽量となるので、その後の取扱いが容易である。
(4)結束バンドの頭部は比較的小さな面積であり、これを互いに近づけた集合状態にして胞子等の海藻の生殖細胞を個々の頭部に付着させるから、採苗作業において、従来のような1枚のプレートを用いる方法に比べて場所をとらない。したがって、スペースを有効に利用することができ、陸上の水槽内で行う場合には好都合である。
(5)結束バンドの頭部に海藻の生殖細胞を直接付着させ、ここで小藻体にまで生育するので、小藻体を着生させた細い撚糸を併用する従来方法に比べて、作業工程が大幅に簡略化され、海藻種苗の生産効率が向上する。
(6)支持具として網状部を備えるものを使用し、この網状部の所定位置の網目に対して、結束バンドの頭部が網状部表面にほぼ当接する位置まで帯状部の他端側から挿通するようにした場合には、その網目により各頭部の位置が自動的に規制されるので、各頭部が互いに近づいた整列状態を簡単に実現することができる。
(7)複数の結束バンドの頭部を上にして帯状部を下方に向けた状態で海水中に設置するようにした場合には、上方を向いて互いに近づいた状態にある各結束バンドの頭部が、全体としてほぼ平面に近い状態を形成するので、例えばホンダワラ類のように幼胚の落下により基盤に付着する性質の海藻類での適用において、上方から散布した幼胚を効率的に受け止めることができ、散布作業におけるロスを低減することができる。
(8)集合状態にある結束バンドの各頭部上で小藻体にまで育成する過程において、それら頭部間の間隔を適宜時期に拡げるようにした場合には、育成初期には互いに近い位置にあった小藻体同士をその成長に合わせて離間させることが可能になるので、藻体の個体間での光環境の競合が避けられる。したがって、最適な藻体密度での育成が可能になり、より無駄の少ない効率的な種苗生産を行うことができる。
全体としてほぼ平面に近い状態を形成するので、例えばホンダワラ類のように幼胚の落下により基盤に付着する性質の海藻類での適用において、上方から散布した幼胚を効率的に受け止めることができ、散布作業における幼胚の無駄を低減することができる。その後、供水管21と給気管22をそれぞれ開放し、新鮮な海水と空気を水槽20の内部に供給しながら幼胚を育成する点は、第一実施例と同様である。この場合には、育成段階で第二実施例のように、各頭部6間を拡大することが望ましい。
Claims (5)
- ループ状に湾曲可能な帯状部を、一端側に設けられた頭部でループ状態に保持する結束バンドを複数用意し、これら結束バンドの頭部を支持具で互いに近づけた状態に支持しながら海藻の生殖細胞を含む海水中に設置してそれぞれの頭部表面に生殖細胞を付着させ、これら付着した生殖細胞を培養して海藻種苗として適用可能な小藻体に育成することを特徴とする海藻種苗の生産方法。
- 前記支持具が網状部を備え、前記複数の結束バンドが該網状部の所定位置の網目にそれぞれ頭部が当接するまで帯状部の他端側から挿通されることを特徴とする請求項1に記載の海藻種苗の生産方法。
- 前記複数の結束バンドが、頭部を上にして帯状部を下方に向けた並列状態で海水中に設置されることを特徴とする請求項1または2に記載の海藻種苗の生産方法。
- 前記海藻がホンダワラ科の藻類であることを特徴とする請求項3に記載の海藻種苗の生産方法。
- 前記生殖細胞を培養して頭部上で小藻体にまで育成する過程で、前記複数の結束具の頭部間の間隔を拡げることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の海藻種苗の生産方法。
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