JP4319863B2 - 回転式成形機 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転される移送板をネック型と共に射出キャビティ型に対して昇降させて型開閉する回転式成形機に関する。
【０００２】
【背景技術】
合成樹脂製の中空製品、例えばプラスチック容器は、一般に射出成形された有底円筒状のプリフォームを容器形状のキャビティを有するブロー型内に配置し、高圧エアによってブロー成形することで得られる。近年、プラスチック容器として、二軸延伸ブロー成形されたＰＥＴボトルが多く用いられている。このようなＰＥＴボトル等を生産するブロー成形機として、射出成形されたプリフォームを回転板で間欠搬送し、ＰＥＴボトル等にブロー成形する回転式成形機がよく知られている（例えば、特許文献１参照）。このような回転式成形機の射出成形部においては、射出コア型の下降移動によって移送板及びネック型を射出キャビティ型に対して下降移動させ、型締を行っていた。
【０００３】
このような回転式成形機においては、移送板及びネック型は独立して昇降するものではなく、射出コア型が取り付けられた上部型締板の昇降によって従属的に昇降するものであった。詳細には、上部型締板を昇降させるタイバーに一体配置されたエアダンパーによって移送板を常時上方へ付勢させ、上部型締板の下降によって、射出コア型がネック型に当接することで移送板を下降移動させるものであった。移送板は、回転してネック型を各処理部へと循環搬送するとともに、射出成形部においては、回転方向と直交する方向に昇降移動しなければならないが、このような単純なエアダンパーを用いることによって、回転方向に干渉する部材を有することがない。
【０００４】
また、このエアダンパをタイバーとは別個に有する回転式成形機も提案されている（例えば、特許文献２参照）。この回転式成形機においては、プリフォームから射出コア型を離型する際に、移送板を押すプッシュロッドが提案されている。
【０００５】
しかしながら、近年、回転式成形機においては、成形サイクルの短縮による生産性の向上が求められ、射出金型の開閉動作が高速化されている。しかしながら、射出金型の開閉動作を高速化すると、このような回転式成形機においては射出コア型とネック型との当接が型締板の高速移動中に行われることになり、金型の耐久性の点から改善が求められていた。また、このような回転式成形機においては、移送板は、その回転中心側と回転半径方向外側に別々に設けられた受部材によって保持されており、移送板の昇降移動中の水平維持は、型締板に取り付けられた押圧部材もしくはプッシュロッドによって行われていた。
【０００６】
【特許文献１】
特公平８−２５８６号公報
【特許文献２】
特開２００２−１９２６０３号公報
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、射出金型の型開閉の高速化に対応可能であって、移送板の昇降時における水平維持が可能な回転式成形機を提供することにある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の一態様の回転式成形機は、
機台と、
前記機台の上方で所定角度ごとに配置された複数の移送板と、
前記移送板を間欠的に回転させる回転駆動機構と、
前記移送板の下側面に取り付けられたネック型と、
前記ネック型の一停止位置の機台上に配置された射出キャビティ型と、
前記移送板を前記ネック型と共に前記射出キャビティ型に対して昇降させる昇降機構と、を有する回転式成形機であって、
前記昇降機構は、
前記移送板を保持する受部材と、
前記受部材を昇降させる昇降駆動手段と、
前記受部材から下方に延びる少なくとも２本の昇降ロッドと、を含み、
前記受部材は、前記移送板の回転中心側に配置された内側受部材と、回転半径方向外側に配置された外側受部材と、を含み、
前記昇降ロッドは、前記内側受部材に接続された内側昇降ロッドと、前記外側受部材に接続された外側昇降ロッドと、を含み、
前記内側昇降ロッドと前記外側昇降ロッドは、前記移送板の回転に干渉しない位置で連結部材によって連結されることを特徴とする。
【０００９】
本発明の一態様によれば、昇降機構によって移送板を単独で昇降させることができるので、射出金型の型開閉を高速化してもネック型と他の金型との衝撃力を低減することが可能となる。また、移送板を保持する受部材は、回転の中心側と回転の半径方向外側とに配置されているが、それぞれを昇降ロッドを介して連結板で連結しているので、昇降時においても水平を維持することができる。このように移送板及びネック型の水平を維持することで、ネック型と他の金型との当接を確実に行うことができる。さらに、連結部材は、移送板の回転に干渉しない位置で連結しているので、移送板は、回転方向にも、回転方向と直行する昇降方向にも、移動することができる。
【００１０】
ここで、前記内側昇降ロッドは、前記移送板の回転方向にて間隔をおいて配置された２本の第１、第２の内側昇降ロッドからなり、
前記外側昇降ロッドは、前記移送板の回転方向にて間隔をおいて配置された２本の第１、第２の外側昇降ロッドからなり、
前記連結部材は、前記移送板の回転方向上流側に配置された第１の内側昇降ロッドと第１の外側昇降ロッドとを連結する第１の連結部材と、前記移送板の回転方向下流側に配置された第２の内側昇降ロッドと第２の外側昇降ロッドとを連結する第２の連結部材と、からなることができる。
【００１１】
このような構成とすることで、移送板は、回転方向の上流側及び下流側において受部材によって保持されると共に、回転方向の上流側及び下流側に配置された各内側昇降ロッドと外側昇降ロッドとを連結部材によって連結することで、移送板の水平を確実に維持することができる。
【００１２】
さらに、前記内側昇降ロッドは、前記内側受部材から機台内まで延在し、
前記外側昇降ロッドは、前記外側受部材から機台内まで延在し、
前記連結部材は、前記内側昇降ロッドと前記外側昇降ロッドを機台内で連結し、
前記昇降駆動手段は、前記機台内に固定配置され、前記連結部材を前記機台内で昇降させることで前記内側及び外側昇降ロッド及び前記内側及び外側受部材を昇降させることができる。
【００１３】
このような構成とすることで、機台と移送板との間に形成された射出成形空間を有効に利用することができ、射出キャビティ型などの金型交換も容易に行うことができる。
【００１４】
また、前記移送板の上方には、前記機台に対して型締板が昇降自在に配置され、
前記型締板の下面には、前記ネック型及び前記射出キャビティ型と型締されて１組の射出金型となる射出コア型が固定され、
前記型締板を昇降させる型締機構は、前記機台から上方に延在し、前記型締板に接続される複数のタイバーを有し、
前記複数のタイバーの各々は、前記内側受部材を貫通して前記内側受部材をその昇降方向に沿って案内する内側タイバーと、前記外側受部材を貫通して前記外側受部材をその昇降方向に沿って案内する外側タイバーと、を含むことができる。
【００１５】
このような構成とすることで、型締用のタイバーによって受部材を案内することで、移送板を射出コア型の開閉方向で高い位置精度を維持しながら昇降させることが可能となる。
【００１６】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【００１７】
図１は、本発明の一実施の形態に係る射出延伸ブロー成形機の概略平面図である。図２は、図１における射出成形部の型開状態を示す概略側面図である。図３は、図２における射出成形部の型締状態を示す概略側面図である。図４は、射出型締装置の概略正面図である。図５は、射出成形部の移送板の保持状態を説明する概略平面図である。図６は、下部可動板及び連結部材を説明する概略平面図である。
【００１８】
本発明の一実施の形態に係る回転式成形機は、例えば、図１に示す射出延伸ブロー成形機１である。射出延伸ブロー成形機１は、機台２と機台２上方の上部基盤１０との間の空間に、複数の処理部として射出成形部４と、温度調整部５と、ブロー成形部６と、取出部７と、が配置されている。上部基盤１０は、ブロー成形部６において機台２上に固定配置された下部基盤と機台２から上方へ立設された図示せぬ複数の支柱によって支持されている。また、機台２の上方であって上部基盤１０の下面には、扇形の４つの移送板１２が所定角度ごとに配置され、上部基盤１０の周囲に固定された複数の受部材上を摺動案内されて移動する。移送板１２は、回転中心Ｏの周りの円環状の移送路を間欠循環移動するものであって、上部基盤１０上に配置された回転駆動機構をなす図示せぬ電動モータによって、間欠的に回転する図示せぬラックが形成された環状歯車１４と回転方向Ａで係合して移動する。また、移送板１２には、図５に示すような長孔１３が形成され、移送板１２の下面に取り付けられたネック型２２に対し、上方から射出コア型２４を挿入することができる。上部基盤１０上には、各処理部に対応する位置に上部型締板３２、図示せぬ加熱コア昇降機構、図示せぬ延伸ロッド昇降機構及びブローコア昇降機構、図示せぬ取出カム昇降機構などが配置されている。
【００１９】
射出成形部４は、射出金型２１と、射出金型２１を開閉及び型締する射出型締装置３０と、樹脂ペレットを混練溶融させて射出金型２１内へ供給する射出装置３が設けられる。同時成形個数は、射出金型２１によって異なるが、本実施の形態においては、１回の射出成形で有底円筒形状のプリフォーム２０を４個同時に成形することができる。射出成形されたプリフォーム２０は、移送板１２の下面に保持されたネック型２２によって図示せぬネック部を保持されたまま、温度調整部５、ブロー成形部６、取出部７へと順次間欠搬送される。
【００２０】
温度調整部５は、ネック型２２に保持されたプリフォーム２０の胴部に対して所望の温度分布を付与するものである。温度調整部５は、例えば図示せぬ温調ポットが配置され、間欠搬送されたプリフォームに対し、加熱処理もしくは冷却処理を施す。温調ポットは、例えば円環状のアルミニウム製の温調ブロックを複数段プリフォーム２０の縦軸方向に重ね、各温調ブロックを別個独立して温度調節するものである。
【００２１】
ブロー成形部６は、例えば、図示せぬブロー型内に配置されたプリフォーム２０内に延伸ロッド及び高圧エアを導入して二軸延伸ブロー成形させ、容器などの図示せぬ中空製品を得る。
【００２２】
取出部７は、図示せぬ取出カムによってネック型２２を型開きさせ、ブロー成形部６で二軸延伸ブロー成形された中空製品を射出延伸ブロー成形機１から取り出す。取出部７で取り出された中空製品等は、例えば図示せぬベルトコンベアなどで搬送され、リークテスタなどの諸試験を受けた後、箱詰めあるいは充填ラインへ搬送される。
【００２３】
（射出成形部４）
射出成形部４について、図２〜図６を用いて以下、詳細に説明する。
【００２４】
図２に示すように、射出成形部４は、射出金型２１と、射出装置３と、射出型締装置３０と、を有する。射出金型２１は、プリフォーム２０の図示せぬネック部を形成するためのネック型２２と、プリフォーム２０の内形状を形成するための射出コア型２４と、プリフォーム２０の胴部外形状を形成するための射出キャビティ型２６と、射出装置３から供給された溶融樹脂を型締された射出キャビティ型２６内へ分配し導くホットランナ型２８と、を有する。射出キャビティ型２６は、ネック型２２の一停止位置すなわち射出成形部４の機台２上にホットランナ型２８を介して配置されている。
【００２５】
射出型締装置３０は、射出金型２１を高速で開閉する高速型開閉機構３１と、移送板１２の下側面に取り付けられたネック型２２を射出キャビティ型２６に対して昇降させる昇降機構４０と、型閉じした射出金型２１を高圧で型締する高圧型締機構３３と、を有する。
【００２６】
（昇降機構４０）
昇降機構４０は、移送板１２を保持する受部材４６Ａ，４６Ｂと、受部材４６Ａ，４６Ｂを昇降させる昇降駆動手段である昇降シリンダ４２と、受部材４６Ａ，４６Ｂから下方に延びる４本の昇降ロッド４４，４５と、を含んでいる。受部材４６Ａ，４６Ｂは、移送板１２の回転中心Ｏ側に配置された内側受部材４６Ｂと、回転半径方向外側に配置された外側受部材４６Ａと、を含んでいる。昇降ロッド４４，４５は、内側受部材４６Ｂに接続された内側昇降ロッド４４と、外側受部材４６Ａに接続された外側昇降ロッド４５と、を含んでいる。内側昇降ロッド４４と外側昇降ロッド４５は、移送板１２の回転に干渉しない位置で連結部材４８Ａ、４８Ｂによって連結される。
【００２７】
内側昇降ロッド４４は、移送板１２の回転方向Ａにて間隔をおいて配置された２本の第１、第２の内側昇降ロッド４４，４４からなり、外側昇降ロッド４５は、移送板の回転方向にて間隔をおいて配置された２本の第１、第２の外側昇降ロッド４５，４５からなる。連結部材４８Ａ、４８Ｂは、移送板１２の回転方向Ａの上流側（図５における下側）に配置された第１の内側昇降ロッド４４と第１の外側昇降ロッド４５とを連結する第１の連結部材４８Ａと、移送板１２の回転方向Ａの下流側（図５における上側）に配置された第２の内側昇降ロッド４４と第２の外側昇降ロッド４５とを連結する第２の連結部材４８Ｂと、からなる。
【００２８】
内側及び外側昇降ロッド４４、４５は、内側及び外側受部材４６Ａ，４６Ｂから機台２上に固定配置された下部型締板３４を貫通して機台２内まで延在し、連結部材４８Ａ，４８Ｂは、内側昇降ロッド４４と外側昇降ロッド４５を機台２内で連結している。昇降シリンダ４２は、下部型締板３４の下面に固定されて機台２内に配置され、第１及び第２の連結部材４８Ａ，４８Ｂを機台２内で昇降させることで内側及び外側昇降ロッド４４，４５と、内側及び外側受部材４６Ａ，４６Ｂと、を昇降させる。昇降シリンダ４２は、例えば、油圧シリンダであって、油圧によって進退駆動される昇降ピストンロッド４３を有する。昇降シリンダ４２から突出した昇降ピストンロッド４３の先端は、図３、図６に示すように、第１及び第２の連結部材４８Ａ，４８Ｂの略中間位置に接続されている。したがって、昇降シリンダ４２によって昇降ピストンロッド４３を進退駆動することで、第１及び第２の連結部材４８Ａ，４８Ｂが下部型締板３４に対して昇降すると共に、第１及び第２の連結部材４８Ａ，４８Ｂに接続された内側及び外側昇降ロッド４４，４５と、内側及び外側昇降ロッド４４，４５の上端に固定された内側及び外側受部材４６Ａ，４６Ｂと、が昇降できる。
【００２９】
（高速型開閉機構３１）
高速型開閉機構３１は、移送板１２の上方に配置された略三角形状の上部型締板３２を機台２に対して昇降移動させるものである。上部型締板３２の下面には、射出コア型固定板２３を介して、ネック型２２及び射出キャビティ型２６と型締されて１組の射出金型２１となる複数例えば４本の射出コア型２４が固定されている。上部型締板３２は、機台２から上方に延在する円柱形状の複数例えば３本のタイバー３８Ａ，３８Ｂの先端に固定されている。タイバー３８Ａ，３８Ｂは、扇形の移送板１２の形状に合わせて、回転中心Ｏ側に１本の内側タイバー３８Ｂと、回転半径方向外側に２本の外側タイバー３８Ａと、が配置され、上部型締板３２の三角形状の各頂点付近で固定されている。
【００３０】
下部型締板３４を貫通して機台２内へ延在する内側及び外側タイバー３８Ａ，３８Ｂは、図３及び図６に示すように、その下端を略三角形状の下部可動板３６の各頂点付近に固定されている。下部可動板３６は、下部型締板３４の下面に端部を固定され機台２の内方に垂下して配置された高速型開閉シリンダ５０によって駆動される高速型開閉ピストンロッド５１の先端に固定されている。高速型開閉シリンダ５０は、油圧シリンダであって、図２及び図３に示すように、その下端から突出した高速型開閉ピストンロッド５１を進退駆動する。高速型開閉シリンダ５０は、回転方向Ａに２本配置される。このように配置することで、複数個取りの射出金型の長手方向に配置されることになるので、各高速型開閉シリンダ５０に対する重量バランスがよい。
【００３１】
したがって、高速型開閉シリンダ５０によって高速型開閉ピストンロッド５１を進退駆動すると、下部可動板３６が下部型締板３４に対して昇降すると共に、下部可動板３６に固定された内側及び外側タイバー３８Ａ，３８Ｂと、内側及び外側タイバー３８Ａ，３８Ｂの上端に固定された上部型締板３２と、を昇降させることができる。高速型開閉シリンダ５０のシリンダ径は、型開閉に伴う駆動力を発生する範囲で小径のものが選択されており、上部型締板３２の昇降動作すなわち型開閉動作を高速で行うことができる。
【００３２】
また、図５に示すように、内側タイバー３８Ｂは、内側受部材４６Ｂを貫通してその昇降方向に案内し、外側タイバー３８Ａは、外側受部材４６Ａを貫通してその昇降方向に案内している。したがって、射出コア型２４を昇降案内する内側及び外側タイバー３８Ａ，３８Ｂに内側及び外側受部材４６Ａ，４６Ｂが案内されているため、ネック型２２も射出コア型２４と正確に位置決めされることになる。
【００３３】
（高圧型締機構３３）
高圧型締機構３３は、図４に示すように、下部型締板３４の下面に形成された高圧型締シリンダ５２と、高圧型締シリンダ５２によって下部可動板３６に対して進退可能な高圧型締ピストン５３と、高圧型締ピストン５３と一体で高圧型締シリンダ５２から突出する高圧型締ピストンロッド５４と、からなる油圧シリンダを有している。さらに、高圧型締機構３３は、図６に示すように、下部可動板３６に、射出金型２１が型閉じ状態のときに高圧型締ピストンロッド５４と下部可動板３６の間の圧受位置に進退可能な圧受板６２と、圧受板６２を圧受位置と高圧型締ピストン５３に接触しない待避位置とに進退させる進退駆動シリンダ６０と、を含んでいる。
【００３４】
下部可動板３６は、図６に示すように、略三角形の中心に高圧型締ピストンロッド５４の外径よりも大きな内径を有する孔部３７を有している。圧受板６２は、孔部３７を覆うよう２枚の圧受板６２からなり、下部可動板３６の上面に固定配置された２つの進退駆動シリンダ６０によって、下部可動板３６の上面をスライド移動可能である。圧受板６２の進退経路の両側には、圧受板６２の上方と側方への移動を規制し、進退方向へ案内する２つのガイド部材６３が下部可動板の上面に固定されている。
【００３５】
高圧型締シリンダ５２は、高速型開閉シリンダ５０よりもはるかに大径で、高圧型締ピストンロッド５４を短いストローク例えば約２０ｍｍ移動させるのに必要な長さに形成されている。したがって、射出金型２１が型閉じ状態のときに、下部可動板３６を圧受板６２を介して型締ピストンロッド５４で押し下げるので、上部型締板３２と下部型締板３４との間で射出金型２１に対し大きな型締力を発生させることができる。
【００３６】
（射出成形部４の動作）
（型開き状態）
射出成形部４は、図２に示すように、射出成形されたプリフォーム２０をネック型２２で保持した状態で、射出金型２１は型開きしている。射出金型２１の型開き状態において、射出コア型２４は、上部型締板３２と共に移送板１２よりも上方へ上昇した状態にある。圧受板６２は、進退駆動シリンダ６０によってガイド部材６３に沿って後退された退避位置（図６参照）に配置されている。したがって、下部可動板３６に形成された孔部３７は、開口し、高圧型締ピストンロッド５４を収容している。そして、型開き状態のまま図示せぬ電動モータによって、プリフォーム２０を保持したネック型２２及び移送板１２を温度調整部５へ回転移動させると共に、取出部７で中空製品を排出した空のネック型２２が移送板１２と共に射出成形部４へと回転搬送され、所定位置で停止する。
【００３７】
（型閉じ工程）
高速型開閉機構３１の高速型開閉シリンダ５０へ作動油を供給することで、高速型開閉ピストンロッド５１を下降駆動させて下部可動板３６を下降させ、内側及び外側タイバー３８Ａ，３８Ｂによって上部型締板３２を牽引して射出コア型２４を下部型締板３４上に配置された射出キャビティ型２５に対して下降移動させる。この射出コア型２４の下降駆動と同時もしくは、多少遅れて昇降シリンダ４２へ作動油を供給することで、昇降ピストンロッド４３を下降駆動させて第１及び第２の連結部材４８Ａ、４８Ｂを下降させ、内側及び外側昇降ロッド４４，４５によって内側及び外側受部材４６Ａ，４６Ｂを牽引して移送板１２及びネック型２２を下降移動させる。高速型開閉シリンダ５０及び昇降シリンダ４２は、射出コア型２４及びネック型２２が、射出キャビティ型２６に対して型閉じする直前にスローダウン制御されて、低速で型閉じする。したがって、ネック型２２と射出コア型２４の昇降手段とは、別の昇降手段を有するため、高速型閉じ時における衝撃も減少させることができる。特に第１及び第２の連結部材４８Ａ，４８Ｂによって、移送板１２及びネック型２２の下降移動時における水平状態を正確に維持することができる。
【００３８】
（型締工程）
射出金型２１が型閉じされると、高圧型締ピストンロッド５４と下部可動板３６の間には、高さ方向で多少例えば約２５ｍｍ程度の間隔がある。このわずかな間隔に進退駆動シリンダ６０によって圧受板６２をスライド移動させる。このスライド移動によって、圧受板６２は、下部可動板３６に形成された孔部３７の開口を塞ぐ。そして、高圧型締シリンダ５２に作動油を供給することで、高圧型締ピストン５３を下部可動板３６側へ下降駆動する。図４に示すように、高圧型締ピストンロッド５４の下端は、圧受位置で停止した圧受板６２に当接し、下部型締板３４と上部型締板３２の間で射出金型２１に対し型締力を発生させる。射出金型２１が所定の高圧で型締された後、射出装置３から溶融樹脂をホットランナ型２８を介して射出金型２１内へ射出する。
【００３９】
（型開工程）
溶融樹脂の射出後、所定時間経過した後、高圧型締ピストン５３を後退させて高圧型締ピストンロッド５４と下部可動板３６の当接を解除する。そして、圧受板６２を進退駆動シリンダ６０によって後退移動させると、圧受板６２は、ガイド部材６３を摺動案内されることで退避位置（図６参照）に戻る。圧受板６２の後退によって、孔部３７が開口するので、高速型開閉シリンダ５０によって高速型開閉ピストンロッド５１を後退駆動して、上部型締板３２を上昇させ、同時に昇降シリンダ４２によって昇降ピストンロッド４３を上昇駆動させて、移送板１２を上昇させる。この上部型締板３２と移送板１２の上昇によって、射出コア型２４及びネック型２２が射出キャビティ型２６と型開されて図２に示す状態になる。この際、上部型締板３２から移送板１２側へ垂下して配置された複数例えば４本の押圧部材２５を図示せぬ駆動機構によって下降駆動することで、ネック型２２に保持されたプリフォーム２０から射出コア型２４を離型駆動させることができる。また、内側及び外側受部材４６Ａ，４６Ｂには、移送板１２の回転移動を案内すると共に、移送板１２の上方への移動を規制する逆Ｌ字型に形成したガイド部材４７（図５参照）が複数例えば４個固定されている。
【００４０】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
【００４１】
例えば、上記実施の形態においては、高速型開閉機構３１及び高圧型締機構３３は、油圧シリンダを用いたが、これに限らず、例えばトグル式の型締機構や電動モータによるボールねじ機構を用いてもよい。
【００４２】
また、例えば、昇降機構４０は、油圧シリンダを用いたが、これに限らず、例えばトグル式の昇降機構や電動モータによるボールねじ機構を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図１】図１は、本発明の一実施の形態に係る射出延伸ブロー成形機の概略平面図である。
【図２】図２は、図１における射出成形部の型開状態を示す概略側面図（一部縦断面図）である。
【図３】図３は、図２における射出成形部の型締状態を示す概略側面図（一部縦断面図）である。
【図４】図４は、射出装置側から見た射出型締装置の概略正面（一部縦断面図）図である。
【図５】図５は、上部型締板及び上部基盤を省略した図２におけるＶ-Ｖ’断面図である。（射出成形部の移送板の保持状態を説明する概略平面図である。）
【図６】図６は、下部可動板及び連結部材を説明する概略平面図（図３におけるＶI−ＶI’断面図）である。
【符号の説明】
１ 射出延伸ブロー成形機
２ 機台
３ 射出装置
４ 射出成形部
５ 温度調整部
６ ブロー成形部
７ 取出部
１０ 上部基盤
１１ 下部基盤
１２ 移送板
１３ 長孔
１４ 環状歯車
１６ 嵌合孔
１８ 連結子
２０ プリフォーム
２１ 射出金型
２２ ネック型
２３ 射出コア型固定板
２４ 射出コア型
２５ 押圧部材
２６ 射出キャビティ型
２８ ホットランナ型
３０ 射出型締装置
３１ 高速型開閉機構
３２ 上部型締板
３３ 高圧型締機構
３４ 下部型締板
３６ 下部可動板
３７ 孔部
３８Ａ、３８Ｂ 内側及び外側タイバー
４０ 昇降機構
４２ 昇降シリンダ
４３ 昇降ピストンロッド
４４ 内側昇降ロッド
４５ 外側昇降ロッド
４６Ａ，４６Ｂ 内側及び外側受部材
４７ ガイド部材
４８Ａ、４８Ｂ 第１及び第２の連結部材
５０ 高速型開閉シリンダ
５１ 高速型開閉ピストンロッド
５２ 高圧型締シリンダ
５３ 高圧型締ピストン
５４ 高圧型締ピストンロッド
６０ 進退駆動シリンダ
６２ 圧受板
６３ ガイド部材
Ｏ 回転中心
Ａ 回転方向
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転される移送板をネック型と共に射出キャビティ型に対して昇降させて型開閉する回転式成形機に関する。
【０００２】
【背景技術】
合成樹脂製の中空製品、例えばプラスチック容器は、一般に射出成形された有底円筒状のプリフォームを容器形状のキャビティを有するブロー型内に配置し、高圧エアによってブロー成形することで得られる。近年、プラスチック容器として、二軸延伸ブロー成形されたＰＥＴボトルが多く用いられている。このようなＰＥＴボトル等を生産するブロー成形機として、射出成形されたプリフォームを回転板で間欠搬送し、ＰＥＴボトル等にブロー成形する回転式成形機がよく知られている（例えば、特許文献１参照）。このような回転式成形機の射出成形部においては、射出コア型の下降移動によって移送板及びネック型を射出キャビティ型に対して下降移動させ、型締を行っていた。
【０００３】
このような回転式成形機においては、移送板及びネック型は独立して昇降するものではなく、射出コア型が取り付けられた上部型締板の昇降によって従属的に昇降するものであった。詳細には、上部型締板を昇降させるタイバーに一体配置されたエアダンパーによって移送板を常時上方へ付勢させ、上部型締板の下降によって、射出コア型がネック型に当接することで移送板を下降移動させるものであった。移送板は、回転してネック型を各処理部へと循環搬送するとともに、射出成形部においては、回転方向と直交する方向に昇降移動しなければならないが、このような単純なエアダンパーを用いることによって、回転方向に干渉する部材を有することがない。
【０００４】
また、このエアダンパをタイバーとは別個に有する回転式成形機も提案されている（例えば、特許文献２参照）。この回転式成形機においては、プリフォームから射出コア型を離型する際に、移送板を押すプッシュロッドが提案されている。
【０００５】
しかしながら、近年、回転式成形機においては、成形サイクルの短縮による生産性の向上が求められ、射出金型の開閉動作が高速化されている。しかしながら、射出金型の開閉動作を高速化すると、このような回転式成形機においては射出コア型とネック型との当接が型締板の高速移動中に行われることになり、金型の耐久性の点から改善が求められていた。また、このような回転式成形機においては、移送板は、その回転中心側と回転半径方向外側に別々に設けられた受部材によって保持されており、移送板の昇降移動中の水平維持は、型締板に取り付けられた押圧部材もしくはプッシュロッドによって行われていた。
【０００６】
【特許文献１】
特公平８−２５８６号公報
【特許文献２】
特開２００２−１９２６０３号公報
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、射出金型の型開閉の高速化に対応可能であって、移送板の昇降時における水平維持が可能な回転式成形機を提供することにある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の一態様の回転式成形機は、
機台と、
前記機台の上方で所定角度ごとに配置された複数の移送板と、
前記移送板を間欠的に回転させる回転駆動機構と、
前記移送板の下側面に取り付けられたネック型と、
前記ネック型の一停止位置の機台上に配置された射出キャビティ型と、
前記移送板を前記ネック型と共に前記射出キャビティ型に対して昇降させる昇降機構と、を有する回転式成形機であって、
前記昇降機構は、
前記移送板を保持する受部材と、
前記受部材を昇降させる昇降駆動手段と、
前記受部材から下方に延びる少なくとも２本の昇降ロッドと、を含み、
前記受部材は、前記移送板の回転中心側に配置された内側受部材と、回転半径方向外側に配置された外側受部材と、を含み、
前記昇降ロッドは、前記内側受部材に接続された内側昇降ロッドと、前記外側受部材に接続された外側昇降ロッドと、を含み、
前記内側昇降ロッドと前記外側昇降ロッドは、前記移送板の回転に干渉しない位置で連結部材によって連結されることを特徴とする。
【０００９】
本発明の一態様によれば、昇降機構によって移送板を単独で昇降させることができるので、射出金型の型開閉を高速化してもネック型と他の金型との衝撃力を低減することが可能となる。また、移送板を保持する受部材は、回転の中心側と回転の半径方向外側とに配置されているが、それぞれを昇降ロッドを介して連結板で連結しているので、昇降時においても水平を維持することができる。このように移送板及びネック型の水平を維持することで、ネック型と他の金型との当接を確実に行うことができる。さらに、連結部材は、移送板の回転に干渉しない位置で連結しているので、移送板は、回転方向にも、回転方向と直行する昇降方向にも、移動することができる。
【００１０】
ここで、前記内側昇降ロッドは、前記移送板の回転方向にて間隔をおいて配置された２本の第１、第２の内側昇降ロッドからなり、
前記外側昇降ロッドは、前記移送板の回転方向にて間隔をおいて配置された２本の第１、第２の外側昇降ロッドからなり、
前記連結部材は、前記移送板の回転方向上流側に配置された第１の内側昇降ロッドと第１の外側昇降ロッドとを連結する第１の連結部材と、前記移送板の回転方向下流側に配置された第２の内側昇降ロッドと第２の外側昇降ロッドとを連結する第２の連結部材と、からなることができる。
【００１１】
このような構成とすることで、移送板は、回転方向の上流側及び下流側において受部材によって保持されると共に、回転方向の上流側及び下流側に配置された各内側昇降ロッドと外側昇降ロッドとを連結部材によって連結することで、移送板の水平を確実に維持することができる。
【００１２】
さらに、前記内側昇降ロッドは、前記内側受部材から機台内まで延在し、
前記外側昇降ロッドは、前記外側受部材から機台内まで延在し、
前記連結部材は、前記内側昇降ロッドと前記外側昇降ロッドを機台内で連結し、
前記昇降駆動手段は、前記機台内に固定配置され、前記連結部材を前記機台内で昇降させることで前記内側及び外側昇降ロッド及び前記内側及び外側受部材を昇降させることができる。
【００１３】
このような構成とすることで、機台と移送板との間に形成された射出成形空間を有効に利用することができ、射出キャビティ型などの金型交換も容易に行うことができる。
【００１４】
また、前記移送板の上方には、前記機台に対して型締板が昇降自在に配置され、
前記型締板の下面には、前記ネック型及び前記射出キャビティ型と型締されて１組の射出金型となる射出コア型が固定され、
前記型締板を昇降させる型締機構は、前記機台から上方に延在し、前記型締板に接続される複数のタイバーを有し、
前記複数のタイバーの各々は、前記内側受部材を貫通して前記内側受部材をその昇降方向に沿って案内する内側タイバーと、前記外側受部材を貫通して前記外側受部材をその昇降方向に沿って案内する外側タイバーと、を含むことができる。
【００１５】
このような構成とすることで、型締用のタイバーによって受部材を案内することで、移送板を射出コア型の開閉方向で高い位置精度を維持しながら昇降させることが可能となる。
【００１６】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【００１７】
図１は、本発明の一実施の形態に係る射出延伸ブロー成形機の概略平面図である。図２は、図１における射出成形部の型開状態を示す概略側面図である。図３は、図２における射出成形部の型締状態を示す概略側面図である。図４は、射出型締装置の概略正面図である。図５は、射出成形部の移送板の保持状態を説明する概略平面図である。図６は、下部可動板及び連結部材を説明する概略平面図である。
【００１８】
本発明の一実施の形態に係る回転式成形機は、例えば、図１に示す射出延伸ブロー成形機１である。射出延伸ブロー成形機１は、機台２と機台２上方の上部基盤１０との間の空間に、複数の処理部として射出成形部４と、温度調整部５と、ブロー成形部６と、取出部７と、が配置されている。上部基盤１０は、ブロー成形部６において機台２上に固定配置された下部基盤と機台２から上方へ立設された図示せぬ複数の支柱によって支持されている。また、機台２の上方であって上部基盤１０の下面には、扇形の４つの移送板１２が所定角度ごとに配置され、上部基盤１０の周囲に固定された複数の受部材上を摺動案内されて移動する。移送板１２は、回転中心Ｏの周りの円環状の移送路を間欠循環移動するものであって、上部基盤１０上に配置された回転駆動機構をなす図示せぬ電動モータによって、間欠的に回転する図示せぬラックが形成された環状歯車１４と回転方向Ａで係合して移動する。また、移送板１２には、図５に示すような長孔１３が形成され、移送板１２の下面に取り付けられたネック型２２に対し、上方から射出コア型２４を挿入することができる。上部基盤１０上には、各処理部に対応する位置に上部型締板３２、図示せぬ加熱コア昇降機構、図示せぬ延伸ロッド昇降機構及びブローコア昇降機構、図示せぬ取出カム昇降機構などが配置されている。
【００１９】
射出成形部４は、射出金型２１と、射出金型２１を開閉及び型締する射出型締装置３０と、樹脂ペレットを混練溶融させて射出金型２１内へ供給する射出装置３が設けられる。同時成形個数は、射出金型２１によって異なるが、本実施の形態においては、１回の射出成形で有底円筒形状のプリフォーム２０を４個同時に成形することができる。射出成形されたプリフォーム２０は、移送板１２の下面に保持されたネック型２２によって図示せぬネック部を保持されたまま、温度調整部５、ブロー成形部６、取出部７へと順次間欠搬送される。
【００２０】
温度調整部５は、ネック型２２に保持されたプリフォーム２０の胴部に対して所望の温度分布を付与するものである。温度調整部５は、例えば図示せぬ温調ポットが配置され、間欠搬送されたプリフォームに対し、加熱処理もしくは冷却処理を施す。温調ポットは、例えば円環状のアルミニウム製の温調ブロックを複数段プリフォーム２０の縦軸方向に重ね、各温調ブロックを別個独立して温度調節するものである。
【００２１】
ブロー成形部６は、例えば、図示せぬブロー型内に配置されたプリフォーム２０内に延伸ロッド及び高圧エアを導入して二軸延伸ブロー成形させ、容器などの図示せぬ中空製品を得る。
【００２２】
取出部７は、図示せぬ取出カムによってネック型２２を型開きさせ、ブロー成形部６で二軸延伸ブロー成形された中空製品を射出延伸ブロー成形機１から取り出す。取出部７で取り出された中空製品等は、例えば図示せぬベルトコンベアなどで搬送され、リークテスタなどの諸試験を受けた後、箱詰めあるいは充填ラインへ搬送される。
【００２３】
（射出成形部４）
射出成形部４について、図２〜図６を用いて以下、詳細に説明する。
【００２４】
図２に示すように、射出成形部４は、射出金型２１と、射出装置３と、射出型締装置３０と、を有する。射出金型２１は、プリフォーム２０の図示せぬネック部を形成するためのネック型２２と、プリフォーム２０の内形状を形成するための射出コア型２４と、プリフォーム２０の胴部外形状を形成するための射出キャビティ型２６と、射出装置３から供給された溶融樹脂を型締された射出キャビティ型２６内へ分配し導くホットランナ型２８と、を有する。射出キャビティ型２６は、ネック型２２の一停止位置すなわち射出成形部４の機台２上にホットランナ型２８を介して配置されている。
【００２５】
射出型締装置３０は、射出金型２１を高速で開閉する高速型開閉機構３１と、移送板１２の下側面に取り付けられたネック型２２を射出キャビティ型２６に対して昇降させる昇降機構４０と、型閉じした射出金型２１を高圧で型締する高圧型締機構３３と、を有する。
【００２６】
（昇降機構４０）
昇降機構４０は、移送板１２を保持する受部材４６Ａ，４６Ｂと、受部材４６Ａ，４６Ｂを昇降させる昇降駆動手段である昇降シリンダ４２と、受部材４６Ａ，４６Ｂから下方に延びる４本の昇降ロッド４４，４５と、を含んでいる。受部材４６Ａ，４６Ｂは、移送板１２の回転中心Ｏ側に配置された内側受部材４６Ｂと、回転半径方向外側に配置された外側受部材４６Ａと、を含んでいる。昇降ロッド４４，４５は、内側受部材４６Ｂに接続された内側昇降ロッド４４と、外側受部材４６Ａに接続された外側昇降ロッド４５と、を含んでいる。内側昇降ロッド４４と外側昇降ロッド４５は、移送板１２の回転に干渉しない位置で連結部材４８Ａ、４８Ｂによって連結される。
【００２７】
内側昇降ロッド４４は、移送板１２の回転方向Ａにて間隔をおいて配置された２本の第１、第２の内側昇降ロッド４４，４４からなり、外側昇降ロッド４５は、移送板の回転方向にて間隔をおいて配置された２本の第１、第２の外側昇降ロッド４５，４５からなる。連結部材４８Ａ、４８Ｂは、移送板１２の回転方向Ａの上流側（図５における下側）に配置された第１の内側昇降ロッド４４と第１の外側昇降ロッド４５とを連結する第１の連結部材４８Ａと、移送板１２の回転方向Ａの下流側（図５における上側）に配置された第２の内側昇降ロッド４４と第２の外側昇降ロッド４５とを連結する第２の連結部材４８Ｂと、からなる。
【００２８】
内側及び外側昇降ロッド４４、４５は、内側及び外側受部材４６Ａ，４６Ｂから機台２上に固定配置された下部型締板３４を貫通して機台２内まで延在し、連結部材４８Ａ，４８Ｂは、内側昇降ロッド４４と外側昇降ロッド４５を機台２内で連結している。昇降シリンダ４２は、下部型締板３４の下面に固定されて機台２内に配置され、第１及び第２の連結部材４８Ａ，４８Ｂを機台２内で昇降させることで内側及び外側昇降ロッド４４，４５と、内側及び外側受部材４６Ａ，４６Ｂと、を昇降させる。昇降シリンダ４２は、例えば、油圧シリンダであって、油圧によって進退駆動される昇降ピストンロッド４３を有する。昇降シリンダ４２から突出した昇降ピストンロッド４３の先端は、図３、図６に示すように、第１及び第２の連結部材４８Ａ，４８Ｂの略中間位置に接続されている。したがって、昇降シリンダ４２によって昇降ピストンロッド４３を進退駆動することで、第１及び第２の連結部材４８Ａ，４８Ｂが下部型締板３４に対して昇降すると共に、第１及び第２の連結部材４８Ａ，４８Ｂに接続された内側及び外側昇降ロッド４４，４５と、内側及び外側昇降ロッド４４，４５の上端に固定された内側及び外側受部材４６Ａ，４６Ｂと、が昇降できる。
【００２９】
（高速型開閉機構３１）
高速型開閉機構３１は、移送板１２の上方に配置された略三角形状の上部型締板３２を機台２に対して昇降移動させるものである。上部型締板３２の下面には、射出コア型固定板２３を介して、ネック型２２及び射出キャビティ型２６と型締されて１組の射出金型２１となる複数例えば４本の射出コア型２４が固定されている。上部型締板３２は、機台２から上方に延在する円柱形状の複数例えば３本のタイバー３８Ａ，３８Ｂの先端に固定されている。タイバー３８Ａ，３８Ｂは、扇形の移送板１２の形状に合わせて、回転中心Ｏ側に１本の内側タイバー３８Ｂと、回転半径方向外側に２本の外側タイバー３８Ａと、が配置され、上部型締板３２の三角形状の各頂点付近で固定されている。
【００３０】
下部型締板３４を貫通して機台２内へ延在する内側及び外側タイバー３８Ａ，３８Ｂは、図３及び図６に示すように、その下端を略三角形状の下部可動板３６の各頂点付近に固定されている。下部可動板３６は、下部型締板３４の下面に端部を固定され機台２の内方に垂下して配置された高速型開閉シリンダ５０によって駆動される高速型開閉ピストンロッド５１の先端に固定されている。高速型開閉シリンダ５０は、油圧シリンダであって、図２及び図３に示すように、その下端から突出した高速型開閉ピストンロッド５１を進退駆動する。高速型開閉シリンダ５０は、回転方向Ａに２本配置される。このように配置することで、複数個取りの射出金型の長手方向に配置されることになるので、各高速型開閉シリンダ５０に対する重量バランスがよい。
【００３１】
したがって、高速型開閉シリンダ５０によって高速型開閉ピストンロッド５１を進退駆動すると、下部可動板３６が下部型締板３４に対して昇降すると共に、下部可動板３６に固定された内側及び外側タイバー３８Ａ，３８Ｂと、内側及び外側タイバー３８Ａ，３８Ｂの上端に固定された上部型締板３２と、を昇降させることができる。高速型開閉シリンダ５０のシリンダ径は、型開閉に伴う駆動力を発生する範囲で小径のものが選択されており、上部型締板３２の昇降動作すなわち型開閉動作を高速で行うことができる。
【００３２】
また、図５に示すように、内側タイバー３８Ｂは、内側受部材４６Ｂを貫通してその昇降方向に案内し、外側タイバー３８Ａは、外側受部材４６Ａを貫通してその昇降方向に案内している。したがって、射出コア型２４を昇降案内する内側及び外側タイバー３８Ａ，３８Ｂに内側及び外側受部材４６Ａ，４６Ｂが案内されているため、ネック型２２も射出コア型２４と正確に位置決めされることになる。
【００３３】
（高圧型締機構３３）
高圧型締機構３３は、図４に示すように、下部型締板３４の下面に形成された高圧型締シリンダ５２と、高圧型締シリンダ５２によって下部可動板３６に対して進退可能な高圧型締ピストン５３と、高圧型締ピストン５３と一体で高圧型締シリンダ５２から突出する高圧型締ピストンロッド５４と、からなる油圧シリンダを有している。さらに、高圧型締機構３３は、図６に示すように、下部可動板３６に、射出金型２１が型閉じ状態のときに高圧型締ピストンロッド５４と下部可動板３６の間の圧受位置に進退可能な圧受板６２と、圧受板６２を圧受位置と高圧型締ピストン５３に接触しない待避位置とに進退させる進退駆動シリンダ６０と、を含んでいる。
【００３４】
下部可動板３６は、図６に示すように、略三角形の中心に高圧型締ピストンロッド５４の外径よりも大きな内径を有する孔部３７を有している。圧受板６２は、孔部３７を覆うよう２枚の圧受板６２からなり、下部可動板３６の上面に固定配置された２つの進退駆動シリンダ６０によって、下部可動板３６の上面をスライド移動可能である。圧受板６２の進退経路の両側には、圧受板６２の上方と側方への移動を規制し、進退方向へ案内する２つのガイド部材６３が下部可動板の上面に固定されている。
【００３５】
高圧型締シリンダ５２は、高速型開閉シリンダ５０よりもはるかに大径で、高圧型締ピストンロッド５４を短いストローク例えば約２０ｍｍ移動させるのに必要な長さに形成されている。したがって、射出金型２１が型閉じ状態のときに、下部可動板３６を圧受板６２を介して型締ピストンロッド５４で押し下げるので、上部型締板３２と下部型締板３４との間で射出金型２１に対し大きな型締力を発生させることができる。
【００３６】
（射出成形部４の動作）
（型開き状態）
射出成形部４は、図２に示すように、射出成形されたプリフォーム２０をネック型２２で保持した状態で、射出金型２１は型開きしている。射出金型２１の型開き状態において、射出コア型２４は、上部型締板３２と共に移送板１２よりも上方へ上昇した状態にある。圧受板６２は、進退駆動シリンダ６０によってガイド部材６３に沿って後退された退避位置（図６参照）に配置されている。したがって、下部可動板３６に形成された孔部３７は、開口し、高圧型締ピストンロッド５４を収容している。そして、型開き状態のまま図示せぬ電動モータによって、プリフォーム２０を保持したネック型２２及び移送板１２を温度調整部５へ回転移動させると共に、取出部７で中空製品を排出した空のネック型２２が移送板１２と共に射出成形部４へと回転搬送され、所定位置で停止する。
【００３７】
（型閉じ工程）
高速型開閉機構３１の高速型開閉シリンダ５０へ作動油を供給することで、高速型開閉ピストンロッド５１を下降駆動させて下部可動板３６を下降させ、内側及び外側タイバー３８Ａ，３８Ｂによって上部型締板３２を牽引して射出コア型２４を下部型締板３４上に配置された射出キャビティ型２５に対して下降移動させる。この射出コア型２４の下降駆動と同時もしくは、多少遅れて昇降シリンダ４２へ作動油を供給することで、昇降ピストンロッド４３を下降駆動させて第１及び第２の連結部材４８Ａ、４８Ｂを下降させ、内側及び外側昇降ロッド４４，４５によって内側及び外側受部材４６Ａ，４６Ｂを牽引して移送板１２及びネック型２２を下降移動させる。高速型開閉シリンダ５０及び昇降シリンダ４２は、射出コア型２４及びネック型２２が、射出キャビティ型２６に対して型閉じする直前にスローダウン制御されて、低速で型閉じする。したがって、ネック型２２と射出コア型２４の昇降手段とは、別の昇降手段を有するため、高速型閉じ時における衝撃も減少させることができる。特に第１及び第２の連結部材４８Ａ，４８Ｂによって、移送板１２及びネック型２２の下降移動時における水平状態を正確に維持することができる。
【００３８】
（型締工程）
射出金型２１が型閉じされると、高圧型締ピストンロッド５４と下部可動板３６の間には、高さ方向で多少例えば約２５ｍｍ程度の間隔がある。このわずかな間隔に進退駆動シリンダ６０によって圧受板６２をスライド移動させる。このスライド移動によって、圧受板６２は、下部可動板３６に形成された孔部３７の開口を塞ぐ。そして、高圧型締シリンダ５２に作動油を供給することで、高圧型締ピストン５３を下部可動板３６側へ下降駆動する。図４に示すように、高圧型締ピストンロッド５４の下端は、圧受位置で停止した圧受板６２に当接し、下部型締板３４と上部型締板３２の間で射出金型２１に対し型締力を発生させる。射出金型２１が所定の高圧で型締された後、射出装置３から溶融樹脂をホットランナ型２８を介して射出金型２１内へ射出する。
【００３９】
（型開工程）
溶融樹脂の射出後、所定時間経過した後、高圧型締ピストン５３を後退させて高圧型締ピストンロッド５４と下部可動板３６の当接を解除する。そして、圧受板６２を進退駆動シリンダ６０によって後退移動させると、圧受板６２は、ガイド部材６３を摺動案内されることで退避位置（図６参照）に戻る。圧受板６２の後退によって、孔部３７が開口するので、高速型開閉シリンダ５０によって高速型開閉ピストンロッド５１を後退駆動して、上部型締板３２を上昇させ、同時に昇降シリンダ４２によって昇降ピストンロッド４３を上昇駆動させて、移送板１２を上昇させる。この上部型締板３２と移送板１２の上昇によって、射出コア型２４及びネック型２２が射出キャビティ型２６と型開されて図２に示す状態になる。この際、上部型締板３２から移送板１２側へ垂下して配置された複数例えば４本の押圧部材２５を図示せぬ駆動機構によって下降駆動することで、ネック型２２に保持されたプリフォーム２０から射出コア型２４を離型駆動させることができる。また、内側及び外側受部材４６Ａ，４６Ｂには、移送板１２の回転移動を案内すると共に、移送板１２の上方への移動を規制する逆Ｌ字型に形成したガイド部材４７（図５参照）が複数例えば４個固定されている。
【００４０】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
【００４１】
例えば、上記実施の形態においては、高速型開閉機構３１及び高圧型締機構３３は、油圧シリンダを用いたが、これに限らず、例えばトグル式の型締機構や電動モータによるボールねじ機構を用いてもよい。
【００４２】
また、例えば、昇降機構４０は、油圧シリンダを用いたが、これに限らず、例えばトグル式の昇降機構や電動モータによるボールねじ機構を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図１】図１は、本発明の一実施の形態に係る射出延伸ブロー成形機の概略平面図である。
【図２】図２は、図１における射出成形部の型開状態を示す概略側面図（一部縦断面図）である。
【図３】図３は、図２における射出成形部の型締状態を示す概略側面図（一部縦断面図）である。
【図４】図４は、射出装置側から見た射出型締装置の概略正面（一部縦断面図）図である。
【図５】図５は、上部型締板及び上部基盤を省略した図２におけるＶ-Ｖ’断面図である。（射出成形部の移送板の保持状態を説明する概略平面図である。）
【図６】図６は、下部可動板及び連結部材を説明する概略平面図（図３におけるＶI−ＶI’断面図）である。
【符号の説明】
１ 射出延伸ブロー成形機
２ 機台
３ 射出装置
４ 射出成形部
５ 温度調整部
６ ブロー成形部
７ 取出部
１０ 上部基盤
１１ 下部基盤
１２ 移送板
１３ 長孔
１４ 環状歯車
１６ 嵌合孔
１８ 連結子
２０ プリフォーム
２１ 射出金型
２２ ネック型
２３ 射出コア型固定板
２４ 射出コア型
２５ 押圧部材
２６ 射出キャビティ型
２８ ホットランナ型
３０ 射出型締装置
３１ 高速型開閉機構
３２ 上部型締板
３３ 高圧型締機構
３４ 下部型締板
３６ 下部可動板
３７ 孔部
３８Ａ、３８Ｂ 内側及び外側タイバー
４０ 昇降機構
４２ 昇降シリンダ
４３ 昇降ピストンロッド
４４ 内側昇降ロッド
４５ 外側昇降ロッド
４６Ａ，４６Ｂ 内側及び外側受部材
４７ ガイド部材
４８Ａ、４８Ｂ 第１及び第２の連結部材
５０ 高速型開閉シリンダ
５１ 高速型開閉ピストンロッド
５２ 高圧型締シリンダ
５３ 高圧型締ピストン
５４ 高圧型締ピストンロッド
６０ 進退駆動シリンダ
６２ 圧受板
６３ ガイド部材
Ｏ 回転中心
Ａ 回転方向
Claims (4)
- 機台と、
前記機台の上方で所定角度ごとに配置された複数の移送板と、
前記移送板を間欠的に回転させる回転駆動機構と、
前記移送板の下側面に取り付けられたネック型と、
前記ネック型の一停止位置の機台上に配置された射出キャビティ型と、
前記移送板を前記ネック型と共に前記射出キャビティ型に対して昇降させる昇降機構と、を有し、
前記昇降機構は、
前記移送板を保持する受部材と、
前記受部材を昇降させる昇降駆動手段と、
前記受部材から下方に延びる少なくとも２本の昇降ロッドと、を含み、
前記受部材は、前記移送板の回転中心側に配置された内側受部材と、回転半径方向外側に配置された外側受部材と、を含み、
前記昇降ロッドは、前記内側受部材に接続された内側昇降ロッドと、前記外側受部材に接続された外側昇降ロッドと、を含み、
前記内側昇降ロッドと前記外側昇降ロッドは、前記移送板の回転に干渉しない位置で連結部材によって連結されることを特徴とする回転式成形機。 - 請求項１において、
前記内側昇降ロッドは、前記移送板の回転方向にて間隔をおいて配置された２本の第１、第２の内側昇降ロッドからなり、
前記外側昇降ロッドは、前記移送板の回転方向にて間隔をおいて配置された２本の第１、第２の外側昇降ロッドからなり、
前記連結部材は、前記移送板の回転方向上流側に配置された第１の内側昇降ロッドと第１の外側昇降ロッドとを連結する第１の連結部材と、前記移送板の回転方向下流側に配置された第２の内側昇降ロッドと第２の外側昇降ロッドとを連結する第２の連結部材と、からなることを特徴とする回転式成形機。 - 請求項１または２において、
前記内側昇降ロッドは、前記内側受部材から機台内まで延在し、
前記外側昇降ロッドは、前記外側受部材から機台内まで延在し、
前記連結部材は、前記内側昇降ロッドと前記外側昇降ロッドを機台内で連結し、
前記昇降駆動手段は、前記機台内に固定配置され、前記連結部材を前記機台内で昇降させることで前記内側及び外側昇降ロッド及び前記内側及び外側受部材を昇降させることを特徴とする回転式成形機。 - 請求項１〜３のいずれかにおいて、
前記移送板の上方には、前記機台に対して型締板が昇降自在に配置され、
前記型締板の下面には、前記ネック型及び前記射出キャビティ型と型締されて１組の射出金型となる射出コア型が固定され、
前記型締板を昇降させる型締機構は、前記機台から上方に延在し、前記型締板に接続される複数のタイバーを有し、
前記複数のタイバーの各々は、前記内側受部材を貫通して前記内側受部材をその昇降方向に沿って案内する内側タイバーと、前記外側受部材を貫通して前記外側受部材をその昇降方向に沿って案内する外側タイバーと、を含むことを特徴とする回転式成形機。
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