JP7029705B2 - タイルユニット - Google Patents
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このタイルユニットは、タイル片の表面に透明シートが貼着されており、まず全部を被着面に貼り付けてから前記透明シートを剥がし、その後、タイル片の目地部に目地材を導入する、というものである。
表裏両面に貼着層を有するベースシートと、
そのベースシートの表面に所定の目地空間を設けて配列され且つそのベースシートの表面に前記貼着層を介して貼着される複数のタイル片と、
厚さが前記タイル片の厚みより小さく且つ前記ベースシートに配列される前記タイル片の配置に合わせて象った貫通額孔を有し、当該貫通額孔に前記タイル片を嵌め入れて自身が前記目地空間内に収まるようになっている網形状の軟質樹脂目地材と、を備えたタイルユニットにおいて、
前記軟質樹脂目地材の前記貫通額孔は、前記タイル片と密に嵌り合う形状に形成され、
一方、前記軟質樹脂目地材と前記ベースシートの表面の貼着層との間には、その軟質樹脂目地材の前記貼着層への貼着を防止する貼着防止手段が設けられており、
その貼着防止手段は、貼着カバー部材で前記ベースシートの前記目地空間に対応する貼着層をカバーするものであり、その貼着カバー部材をベースシートと前記軟質樹脂目地材との間に介在させるようにして前記目地空間に対する前記軟質樹脂目地材の着脱を自在に行い得るようにしたタイルユニットを提供する。
表裏両面に貼着層を有するベースシートと、
そのベースシートの表面に所定の目地空間を設けて配列され且つそのベースシートの表面に前記貼着層を介して貼着される複数のタイル片と、
厚さが前記タイル片の厚みより小さく且つ前記ベースシートに配列される前記タイル片の配置に合わせて象った貫通額孔を有し、当該貫通額孔に前記タイル片を嵌め入れて自身が前記目地空間内に収まるようになっている網形状の軟質樹脂目地材と、を備えたタイルユニットにおいて、
前記軟質樹脂目地材の前記貫通額孔は、前記タイル片と密に嵌り合う形状に形成され、
一方、前記軟質樹脂目地材と前記ベースシートの表面の貼着層との間には、その軟質樹脂目地材の前記貼着層への貼着を防止する貼着防止手段が設けられており、
その貼着防止手段は、前記軟質樹脂目地材を前記目地空間の所定の位置に嵌合させた状態でその軟質樹脂目地材と前記ベースシートの表面の貼着層との間に隙間が形成されるようにしたものであるタイルユニットを提供する。
また、目地空間から軟質樹脂目地材を取り外すことによりタイル片の回りに遊び空間ができるため、タイルユニットが面方向に撓りやすくなる。したがって、タイルユニットの被着面からの引き剥がしが容易になるため、貼り替えによる部屋の模様替えが気軽に行え、或は退去時に原状回復が必要な賃貸マンション等の壁面へも気軽に貼り付けることができる。
以下に、本発明の実施形態1を図1~図5を参照しつつ説明する。
タイルユニット1は、図1~図5に示したように、ベースシート2と、複数のタイル片3,3…と、網形状の軟質樹脂目地材4と、貼着防止手段たる網形状の貼着カバー部材5と、から概略構成されている。
前記ベースシート2は、例えば約150mm×150mmの四角い紙又は合成樹脂製の薄いシートであり、裏面と表面に粘着剤又は接着剤を塗布してなる貼着層(図示せず)を有する。
前記タイル片3は、陶磁器、ガラス、合成樹脂、金属、竹、木、石などで形成されている。また、タイル片3は、表面が装飾面で、裏面がほぼ平らな接合面になっており、前記べースシート2の表面に所定の目地空間6を設けて配列され且つそのベースシート2の表面に前記貼着層を介して貼着される。
実施形態のタイル片3は、表面に釉薬を施して焼成した陶磁製で、約23mm×23mm×6.5mmの四角い板状であり、前記ベースシート2の表面に2mm~3mmの目地空間6を設けて6個×6個配列されている。
なお、タイル片3,3…の目地空間6は、被着面7の縁に用いる特殊なもの(これについては後述する。)を除いて、ベースシート2の角を挟んで隣合う二辺(図において左辺と下辺)にはない。これにより、複数のタイルユニット1,1…を横や上下に並べて連続させた場合に、タイルユニット1,1…同士の継ぎ目の目地空間6が二本分に連なる(太くなる)不具合を回避することができる。
前記軟質樹脂目地材4は、例えば軟質の塩化ビニル樹脂を主成分とする白色系のものであり、耐水性と適度な弾性を有する。この軟質樹脂目地材4は、厚みがタイル片3の厚みより小さく(実施形態ではほぼ1/3(約1.8mm))、外寸が前記ベースシート2とほぼ同じで、ベースシート2に配列される前記タイル片3,3…の形状と配置に合わせて厚さ方向に真っ直ぐ象った貫通額孔40,40…を有する格子型の網形状である。かかる軟質樹脂目地材4は、当該貫通額孔40,40…にタイル片3を密に嵌め入れて自身が目地空間6内に収まると共に弾性による突っ張り力でその目地空間6内に止まるようになっている。
貼着カバー部材5は、前記軟質樹脂目地材4と前記ベースシート2の表面の貼着層との間に介在してベースシート2の貼着層をカバーし、そうして軟質樹脂目地材4の貼着層への貼着を防止するものである。この貼着カバー部材5は、前記軟質樹脂目地材4とほぼ同形状(したがって貫通額孔40とほぼ同様の貫通額孔50を有する。)で同じ性質の材料(実施形態では同一材料)であるものの、厚みが、軟質樹脂目地材4との合算でタイル片3の厚みを越えない、具体的には約3.5mmであり、ベースシート2の貼着層に貼着された状態で目地空間6の内部に収まっている。
したがって、軟質樹脂目地材4は、いつでも自由に繰り返し着脱し得るため、目地空間6から軟質樹脂目地材4を取り外して洗浄し、そうして綺麗になった軟質樹脂目地材4を目地空間6に嵌め戻すことが可能であり、また、目地空間6から軟質樹脂目地材4を取り外すことによりタイル片3,3…の回りに遊び空間ができて面方向に撓りやすくなるため、タイルユニット1の被着面7からの引き剥がしが容易になる。
次に、実施形態1のタイルユニット1を例えば建物室内の壁面等の被着面7に貼着する方法について製造段階から順に説明する。
まず、ベースシート2の表裏両面の貼着層は、剥離可能な剥離紙(図示せず)で保護されているため、表面の剥離紙を剥がしてその表面の貼着層に貼着カバー部材5を貼着する。
次に、その貼着カバー部材5の貫通額孔50,50…にタイル片3,3…を嵌めてベースシート2の貼着層に押し付ける。これによりタイル片3がベースシート2の表面に貼着層を介して貼着される。
次に、軟質樹脂目地材4の貫通額孔40,40…にタイル片3,3…を通して目地空間6に軟質樹脂目地材4を嵌め入れる。
こうして製造されたタイルユニット1は、図1の斜視図に示したようにベースシート2の表面に貼着された全てのタイル片3,3…が軟質樹脂目地材4の貫通額孔40,40…に殆ど隙間なく嵌っており、しかも軟質樹脂目地材4はタイル片3の表面より若干凹んだ位置にあるため、外観上、軟質樹脂目地材4がモルタル製の目地のごとくに見える。
このタイルユニット1からベースシート2の裏面の剥離紙を剥がして被着面7に貼着する。被着面7がタイルユニット1より広い場合には、複数枚のタイルユニット1を縦横に並べて被着面7を覆うように貼り付ける。
次に、実施形態1のタイルユニット1の貼着方法2について図5により説明する。
まず、貼着方法1と同様にベースシート2の表面の剥離紙を剥がしてその表面の貼着層に貼着カバー部材5を貼着する。
次に、その貼着カバー部材5の貫通額孔50,50…にタイル片3,3…を嵌めてベースシート2の貼着層に押し付ける。これによりタイル片3がベースシート2の表面に貼着層を介して貼着される。
次に、ベースシート2の裏面の剥離紙を剥がして前記被着面7にそれを貼着し、もって軟質樹脂目地材4を嵌める前のタイルユニット1の中間体10を被着面7に先付けする。この作業を繰り返して被着面7をタイル片3,3…で覆う。
次に、先付けしたタイル片3,3…に貫通額孔40,40…を通して目地空間6に軟質樹脂目地材4を嵌め込む。なお、上記のように貼着カバー部材5は、軟質樹脂目地材4と同じ性質の材料でほぼ同形状であるため、この工程を省略して貼着カバー部材5を外部に露出させておき、そうして深い位置に目地があるいわゆる「深目地」のような仕上がりにすることもできる。したがって貼着カバー部材5は、その形状、材質、使用態様、機能等から第二軟質樹脂目地材と読み替えることもできる。
この貼着方法2では、ベースシート2に貼着カバー部材5とタイル片3,3…を貼着するまでの工程を工場で行い、そのタイルユニット1の中間体10と完成に必要な軟質樹脂目地材4とをセットにして市場に流通させ、最終的に需要者が、上記の要領で被着面7にタイル片3,3…を貼着した後、そのタイル片3,3…に貫通額孔40,40…を通して目地空間6に軟質樹脂目地材4を嵌め込んで仕上げる。
この場合、図5に示したように、ベースシート2の二枚分以上に対応し得る大きさの軟質樹脂目地材4を用いれば、タイルユニット1とタイルユニット1の継ぎ目が軟質樹脂目地材4で隠れるため、より本物の目地材に近い仕上がりになる。もちろん軟質樹脂目地材4は、被着面7の大きさに近くして多くの中間体10を一枚でカバーするほど前記継ぎ目を目立たせなくすることができる。
この貼着方法によれば、ベースシート2に貼着カバー部材5を貼着するまでの工程を工場で行い、その貼着カバー部材5とベースシート2の中間体10と、必要数(貼着カバー部材5の貫通額孔50の数と同数以上)のタイル片3,3…とのセットを購入した需要者が、前記のように自宅の壁等の被着面7にタイル片3,3…のない中間体10を先付けし、そうして貫通額孔50,50…にタイル片3,3…を自由に配置しながら嵌め込めば、タイル貼りしたオリジナルの壁面が施工できる。
実施形態2のタイルユニット1は、実施形態1の貼着防止手段たる貼着カバー部材5に代えて、図6に示したように前記軟質樹脂目地材4の裏面に貼着剤の貼着を困難にする例えばフッ素樹脂の離型層8を設けたものである。この場合、ベースシート2にタイル片3を貼着してから軟質樹脂目地材4を目地空間6に嵌め込むようにすればよい。もちろん軟質樹脂目地材4を目地空間6に嵌め込むタイミングは、上記貼着方法1、2の何れでもよい。
実施形態2のタイルユニット1は、軟質樹脂目地材4の裏面がベースシート2の貼着層に接しても殆ど貼り付かず簡単に剥がれるため、実施形態1の貼着カバー部材5と同様な作用効果を発揮する。
実施形態3のタイルユニット1は、実施形態1の貼着防止手段たる貼着カバー部材5に代えて、図7に示したように、軟質樹脂目地材4を目地空間6の所定の位置に嵌合させた状態でその軟質樹脂目地材4とベースシート2の表面の貼着層との間に隙間sが形成されるようにしたものである。この場合も実施形態2と同様にベースシート2にタイル片3を貼着してから軟質樹脂目地材4を目地空間6に嵌め込むようにすればよく、軟質樹脂目地材4を目地空間6に嵌め込むタイミングも上記貼着方法1、2の何れでもよい。
この実施形態3のタイルユニット1は、隙間sの存在によって軟質樹脂目地材4の裏面がベースシート2の貼着層にそもそも接することが無く、当然貼り付かないため、実施形態1の貼着カバー部材5と同様な作用効果を発揮する。
また、実施形態1~3は、単独で実施しても適宜に組み合わせて実施してもよい。例えば、実施形態2の離型層8と実施形態3の隙間sを組み合わせれば、仮に軟質樹脂目地材4が設定以上に押し込まれた場合でも軟質樹脂目地材4とベースシート2の貼着層との貼着を防止することができる。
2 …ベースシート
3 …タイル片
4 …軟質樹脂目地材
40 …貫通額孔
5 …貼着カバー部材(貼着防止手段)
50 …貫通額孔
6 …目地空間
8 …離型層(貼着防止手段)
s …隙間(貼着防止手段)
Claims (5)
- 表裏両面に貼着層を有するベースシートと、
そのベースシートの表面に所定の目地空間を設けて配列され且つそのベースシートの表面に前記貼着層を介して貼着される複数のタイル片と、
厚さが前記タイル片の厚みより小さく且つ前記ベースシートに配列される前記タイル片の配置に合わせて象った貫通額孔を有し、当該貫通額孔に前記タイル片を嵌め入れて自身が前記目地空間内に収まるようになっている網形状の軟質樹脂目地材と、を備えたタイルユニットにおいて、
前記軟質樹脂目地材の前記貫通額孔は、前記タイル片と密に嵌り合う形状に形成され、
一方、前記軟質樹脂目地材と前記ベースシートの表面の貼着層との間には、その軟質樹脂目地材の前記貼着層への貼着を防止する貼着防止手段が設けられており、
その貼着防止手段は、貼着カバー部材で前記ベースシートの前記目地空間に対応する貼着層をカバーするものであり、その貼着カバー部材をベースシートと前記軟質樹脂目地材との間に介在させるようにして前記目地空間に対する前記軟質樹脂目地材の着脱を自在に行い得るようにしたことを特徴とするタイルユニット。 - 前記貼着カバー部材と前記軟質樹脂目地材との間に、前記ベースシートと貼着カバー部材の前記貼着層による貼着力より小さい貼着力で両者を貼着可能且つ剥離可能な弱貼着性貼着層を介在させるようにしたことを特徴とする請求項1記載のタイルユニット。
- 表裏両面に貼着層を有するベースシートと、
そのベースシートの表面に所定の目地空間を設けて配列され且つそのベースシートの表面に前記貼着層を介して貼着される複数のタイル片と、
厚さが前記タイル片の厚みより小さく且つ前記ベースシートに配列される前記タイル片の配置に合わせて象った貫通額孔を有し、当該貫通額孔に前記タイル片を嵌め入れて自身が前記目地空間内に収まるようになっている網形状の軟質樹脂目地材と、を備えたタイルユニットにおいて、
前記軟質樹脂目地材の前記貫通額孔は、前記タイル片と密に嵌り合う形状に形成され、
一方、前記軟質樹脂目地材と前記ベースシートの表面の貼着層との間には、その軟質樹脂目地材の前記貼着層への貼着を防止する貼着防止手段が設けられており、
その貼着防止手段は、前記軟質樹脂目地材を前記目地空間の所定の位置に嵌合させた状態でその軟質樹脂目地材と前記ベースシートの表面の貼着層との間に隙間が形成されるようにしたものであることを特徴とするタイルユニット。 - 前記軟質樹脂目地材の裏面を貼着剤の貼着を困難にする離型層でカバーするものであることを特徴する請求項3記載のタイルユニット。
- 前記軟質樹脂目地材は、前記タイル片が貼着されたベースシート二枚分以上に対応し得る大きさであることを特徴とする請求項1~4の何れか1つに記載のタイルユニット。
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