JP7029306B2 - ロボット用エンドエフェクタの取付構造及びロボット側固定部材 - Google Patents
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Description
ロボット用のエンドエフェクタとしては、操作対象物の形態又は性質や、操作対象物に行う操作の態様等に応じた各種のものがある。例えば、操作対象物を把持可能なグリッパー型のエンドエフェクタや操作対象物を吸着可能な吸引型のエンドエフェクタ等がある。
ロボット用のエンドエフェクタは、例えば、特許文献1の図1のようなツールチェンジャーを用いて着脱可能な状態で取り付けられ、交換できるようになっているものが多い。
また、多品種になればなるほど、ストックするエンドエフェクタが多数必要となる。その場合、それに応じた多大なストックスペースを確保すれば良いが、工場によっては、限られたスペースしか確保できない問題もある。
また、多品種になればなるほど、ストックするエンドエフェクタに応じて重量が重くなり、その分、エンドエフェクタ置き場の骨組みの強度も高める必要もある。
また、ストックするエンドエフェクタが多数になれば、その分、ツールチェンジャーの費用が発生しコストも嵩んでしまう。
さらに、ツールチェンジャーなどを介してエンドエフェクタを取り付ける場合、ツールチェンジャーを介さない場合と比べるとモーメントが大きくなり、それによるロボットの負荷も大きくなる。
第1突起部が設けられたアダプタ部を有するロボット側固定部材と、第2突起部が設けられた被アダプタ部を有するエンドエフェクタとを備え、
前記ロボット側固定部材は、前記エンドエフェクタ側に動力を伝達する動力伝達手段を備え、
前記アダプタ部は、前記第1突起部と前記第2突起部とを係合させて前記エンドエフェクタを前記ロボット側固定部材側に引き付けるアダプタ駆動手段を備え、
前記第1突起部と前記第2突起部とが係合していない状態でどちらか一方を他方に接近させ、前記第1突起部と前記第2突起部とが係合可能な所定角度まで回転させ、アダプタ駆動手段によってアダプタ部を駆動させ、被アダプタ部を引き付けることで、前記第1突起部と前記第2突起部とが係合するとともに、エンドエフェクタとロボット側固定部材が強固に結合状態を保つことを特徴とするロボット用エンドエフェクタの取付構造を提供することによって解決される。
このロボット側固定部材は、上述した本発明のロボット用エンドエフェクタの取付構造におけるロボット側固定部材として好適に用いることができるものとなっている。
なお、説明で方向を表す際、特に言及しない限り、ロボット側固定部材(ロボット等に取り付ける)側を「後」とし、エンドエフェクタ側を「前」とする。また、中心軸L1、L2が延びる方向を「軸方向」とし、中心軸L1、L2に対して半径ないし直径の方向を「径方向」とする。また、「径方向内側」は、径方向のうち、ロボット側固定部材またはエンドエフェクタの中心側、つまり中心軸L1、L2が有る側を示し、「径方向外側」は、ロボット側固定部材またはエンドエフェクタの外周側を示す。
図3は、本発明の取付構造に用いるロボット側固定部材を示した概略斜視図であり、図4は、図3における矢印Y-Y線で切断した概略図であり、図5は、本発明のロボット用エンドエフェクタの取付構造に用いるロボット側固定部材を、アダプタ部が設けられた側(図3の紙面に向かって上側)から見た状態を示した図である。
また、ロボット側固定部材10の内部は、第1ボディ11とエンドプレート12とピストン13とでシリンダ状に形成されている。
また、空圧空間Sは、ピストン13によって、ピストン13の後側を空圧空間S1、反対側の前側を空圧空間S2とに区分けされている。
それによって、第1ボディ11の厚み部分内に設けられた貫通穴Hは、エンドプレート12とサブピストン17とで密閉された密閉空間となっている。
したがって、空圧空間S3の空圧を高めると、サブピストン17が前側にスライドし、サブピストン17の先端が大きく突出した状態となる一方、空圧空間S4の空圧を高くすると、サブピストン17が後側にスライドし、サブピストン17の突出量が小さくなるようになっている。空圧空間S3、S4の空圧は、図示省略の空圧制御手段により制御される。
図6は、本発明のロボット用エンドエフェクタの取付構造に用いるエンドエフェクタを示した概略斜視図であり、図7は、図6における矢印Z-Z線で切断した概略図であり、図8は、本発明のロボット用エンドエフェクタの取付構造に用いるエンドエフェクタを、被アダプタ部が設けられた側(図6の紙面に向かって下側)から見た状態を示した図である。
また、被アダプタ部22の後端部近傍の外周部には、複数個(同図の例では3個)の第二突起部22aが外向きに突出するように設けられている。このため、被アダプタ部22は、花弁状の外周形状を有するようになっている。
ここで、第二突起部22aの個数は、通常、第一突起部14aの個数と同一とされる。
すなわち、操作部ベース24は、プランジャー23が中心軸L2の軸方向に移動すると径方向に開閉を行い、それに伴って、操作部25も開閉するようになっている。
頭部23aは、中央から放射状に操作部ベース24に向かって張り出す複数個(同図の例では3個)の張出部23cを有している。各張出部23cの張出端側は、前側から後側に行くにつれて次第に中心軸から離れるように傾斜状に形成され、操作部ベース24と係合可能に設けられている。
具体的には、コイルバネBの一端がカバー27に当接されており、他端がバネ孔23dの底部に当接されており、コイルバネBはプランジャー23を常時後側(ロボット側固定部材10側)に付勢している。
ロボット側固定部材10のピストン13とサブピストン17は空圧制御によって、前側(エンドエフェクタ20側)に駆動されている。
エンドエフェクタ20側のプランジャー23は、コイルバネBによって後側(ロボット側固定部材10側)に付勢されている。
産業用ロボットアームの先端に取り付けられたロボット側固定部材10をエンドエフェクタ20との取付時の位相から60度回転させる。このとき、ロボット側固定部材10の中心軸L1とエンドエフェクタ20の中心軸L2は一致している。
[手順2]
手順1の状態で、ロボット側固定部材10を軸方向に移動させ、エンドエフェクタ20に近づけていくと、ロボット側固定部材10のピストンヘッド13aがプランジャー23の嵌合孔23eに入っていき、そして、嵌合孔23eの末端面に当接する。
[手順3]
手順2の状態からさらに、ロボット側固定部材10をエンドエフェクタ20側に近づけていき、ロボット側固定部材10のアダプタ部14の内側をエンドエフェクタ20の被アダプタ部22が通り抜けるまで近づけていく。すなわち、ピストンヘッド13とプランジャー23の嵌合孔23eの末端面は、当接したままプランジャー23が前側に移動していく。このとき、コイルバネBはプランジャー23の移動に伴って縮んでいっている。
[手順4]
次に、ロボット側固定部材10の中心軸L1とエンドエフェクタ20の中心軸L2とを一致させた状態のまま、手順1の回転方向と逆方向にロボット側固定部材10を60度回転させる。このとき、ロボット側固定部材10の位相決めピン16とエンドエフェクタ20の位相決め孔26は対向した状態となっている。
また、ピストンヘッド13の第一突出部13bとプランジャー23の第二突出部23fとが嵌合しており、さらに、アダプタ部14の第一突起部14aと被アダプタ部22の第二突起部22aとが係合している。
[手順5]
次に、サブピストン17を空圧制御によって、後側に下げていく。
このとき、上述の第一突出部13bと第二突出部23fとが嵌合しており、第一突起部14aと第二突起部22aとが係合しているため、エンドエフェクタ20がロボット側固定部材10側に引き付けられる。
そして、被アダプタ部22の後端面が、第1ボディ11に取り付けられているロケート板18の前端面に当接すると、被アダプタ部22の第二突起部22aはアダプタ部14の第一突起部14aとロケート板18とで挟まれる状態となる。
また、同時に、エンドエフェクタ20の位相決め孔26にロボット側固定部材10の位相決めピン16が挿入されることで位置決めがなされ、取付が完了となる。
次に、エンドエフェクタがロボット側固定部材に取り付けられた後の動作について図9を用いて説明する。図9は、本発明のロボット用エンドエフェクタの取付構造に用いて、ロボット側固定部材にエンドエフェクタを取り付けた後の動作を示した図であり、(a)はピストンが駆動していない状態、(b)はピストンが駆動している状態を示している。
このとき、ピストン13とプランジャー23は嵌合しているため、プランジャー23も中心軸L2の軸方向前側へスライドする。プランジャー23のスライドに伴って、プランジャー23と操作部ベース24は楔形状に係合されており、且つ、操作部ベース24は第2ボディ21の径方向の規制溝21aに支持されているため、操作部ベース24は、プランジャー23の伝達力を径方向の力に変換し径方向外側へスライドする(図9(b))。
逆に、操作部ベース24を径方向内側へスライドする場合は、先ほどの手順と反対に空圧空間S2にエアを供給することで実現可能となる。
また、ツールチェンジャーの不要により、モーメントが小さくなり、それによるロボットの負荷も小さくできる。
さらに、可搬重量が小さい無人搬送台車などでも多くのエンドエフェクタを搭載することができる。
また、ピストンヘッドは、ピストンと一体形成されていても良い。
さらに、プランジャーは軸方向の力を径方向の力に変換する構造としているが、これに限らず、単に軸方向の力に変換しても良いし、ピストンからの動力を受けるエンドプレート側は種々の機構にしても構わない。
13 ピストン(動力伝達手段の一例)
13b 第一突出部
14 アダプタ部
14a 第一突起部
15 アダプタ駆動手段
18 ロケート板
20 エンドエフェクタ
22 被アダプタ部
22a 第二突起部
23 プランジャー(動力伝達手段の一例)
23f 第二突出部
Claims (3)
- 第1ボディと該第1ボディ内に軸方向に移動可能に収容され、且つ中心軸周りに複数設けられるアダプタ駆動手段と該各アダプタ駆動手段に取り付けられるアダプタ部とを有し、産業用ロボットアームに取り付けられるロボット側固定部材と、
被アダプタ部を有し、前記ロボット側固定部材に着脱可能なエンドエフェクタと、
を備え、
前記アダプタ部は、円環状の部材からなり、内周部から内向きに突出する複数の第1突起部を備え、
前記被アダプタ部は、円環状の部材からなり、外周部から外向きに突出する複数の第2突起部を備え、
前記ロボット側固定部材は、前記エンドエフェクタ側に動力を伝達する動力伝達手段を備え、
前記ロボット側固定部材は、中心部に軸方向に移動可能なピストンを備え、
前記エンドエフェクタは、プランジャーを備え、
前記動力伝達手段は、前記ピストンと前記プランジャーとを備え、
前記ピストンの先端の外周部は、外向きに突出する複数の第一突出部を備え、
前記プランジャーの後端面には、孔部が設けられ、該孔部の内周部は、内向きに突出する複数の第二突出部を備え、
前記ピストンの先端とプランジャの後端面は、前記プランジャと前記ピストンとが連動可能となるように係合可能な形状であり、
前記ロボット側固定部材の前記アダプタ部が前記エンドエフェクタの前記被アダプタ部と向き合い、
且つ前記アダプタ部の第1突起部が前記被アダプタ部の第2突起部に対して、中心軸に平行な方向において重ならず、
且つ前記ピストンの第一突出部が前記プランジャーの第二突出部に対して、中心軸に平行な方向において重なっていない状態で、
前記被アダプタ部の第2突起部が前記アダプタ部の第1突起部を通過するまで前記ロボット側固定部材を前記エンドエフェクタ側に向かって軸方向前側に移動させ、
且つ前記ピストンの第一突出部が前記プランジャーの孔部の第二突出部を通過するまで移動された状態において、
第1突起部が第2突起部に対して、中心軸に平行な方向において重なり、
且つ第一突出部が第二突出部に対して、中心軸に平行な方向において重なり、
且つ前記ピストンの先端とプランジャの後端面は、前記プランジャと前記ピストンとが連動可能となるように係合した状態となるように、
前記エンドエフェクタに対して前記ロボット側固定部材を中心軸周りに所定角度回転させ、
前記アダプタ駆動手段によって、アダプタ部を軸方向後側に移動させることで、第2突起部が第1突起部と第1ボディとで挟まれた状態となり、
これにより前記エンドエフェクタと前記ロボット側固定部材とが強固に結合され、
且つ前記プランジャーが前記ピストンと連動可能となることで、前記ロボット側固定部材から前記エンドエフェクタに動力を伝達可能となることを特徴とするロボット用エンドエフェクタの取付構造。 - 第1ボディは、当該第1ボディの前端面にロケート板が固定され、
前記ロケート板は、前記エンドエフェクタと前記ロボット側固定部材との結合時における摩耗を抑制する、鋼材からなり、
第2突起部が第1突起部と前記ロケータとで強固に挟まれ、エンドエフェクタとロボット側固定部材が強固に結合状態を保つことを特徴とする請求項1に記載のロボット用エンドエフェクタの取付構造。 - 第1ボディと該第1ボディ内に軸方向に移動可能に収容される複数のアダプタ駆動手段と該各アダプタ駆動手段に取り付けられるアダプタ部とを有し、産業用ロボットアームに取り付けられ、
前記アダプタ部は、エンドエフェクタの被アダプタ部と係合可能に構成され、
前記アダプタ部は、円環状の部材からなり、内周部から内向きに突出する複数の第1突起部を備え、
前記被アダプタ部は、円環状の部材からなり、外周部から外向きに突出する複数の第2突起部を備え、
前記エンドエフェクタ側に動力を伝達する動力伝達手段を備え、
第1ボディは、中心部に軸方向に移動可能なピストンを備え、
前記エンドエフェクタは、プランジャーを備え、
前記動力伝達手段は、前記ピストンと前記プランジャーとを備え、
前記ピストンの先端の外周部は、外向きに突出する複数の第一突出部を備え、
前記プランジャーの後端面には、孔部が設けられ、該孔部の内周部は、内向きに突出する複数の第二突出部を備え、
前記ピストンの先端とプランジャの後端面は、前記プランジャと前記ピストンとが連動可能となるように係合可能な形状であり、
前記アダプタ部が前記被アダプタ部と向き合い、
且つ前記アダプタ部の第1突起部が前記被アダプタ部の第2突起部に対して、中心軸に平行な方向において重ならず、
且つ前記ピストンの第一突出部が前記プランジャーの第二突出部に対して、中心軸に平行な方向において重なっていない状態で、
前記被アダプタ部の第2突起部が前記アダプタ部の第1突起部を通過するまで前記エンドエフェクタ側に向かって軸方向前側に移動させ、
且つ前記ピストンの第一突出部が前記プランジャーの孔部の第二突出部を通過するまで移動された状態において、
第1突起部が第2突起部に対して、中心軸に平行な方向において重なり、
且つ第一突出部が第二突出部に対して、中心軸に平行な方向において重なり、
且つ前記ピストンの先端とプランジャの後端面は、前記プランジャと前記ピストンとが連動可能となるように係合した状態となるように、
前記エンドエフェクタに対して中心軸周りに所定角度回転させ、
前記アダプタ駆動手段によって、アダプタ部を軸方向後側に移動させることで、第2突起部が第1突起部と第1ボディとで挟まれた状態となり、
これにより前記エンドエフェクタと強固に結合され、
且つ前記プランジャーが前記ピストンと連動可能となることで、前記エンドエフェクタ側にピストンからの動力を伝達可能となることを特徴とするロボット側固定部材。
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