JP6110977B1 - フローティング装置、およびフローティング装置の制御方法 - Google Patents
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Abstract
Description
そして工場内に搬送されたコイル状の圧延鋼帯は、まず上述した結束バンドが切断された後で、各種の処理工程へと送られることになる。
しかしながら旋回腕によって切断把持ヘッドを結束バンドに押し付ける構成では作業対象品に対するズレを吸収するのに充分とは言えず、ロボットアームによって切断把持ヘッドをより自由に動かす必要が生じてきた。
これらアーム形状の多関節ロボットはその先端部にフローティング装置を搭載可能とされ、これによってロボットアームで自在に移動しつつフローティング装置によって位置ズレを抑制して様々な面形状の作業部位に工具などを倣わせることが可能となっている。
すなわち上記した特許文献に記載のフローティング装置は、大別して、構造が複雑で高価な装置であるか、構造は比較的単純で安価だが面倣い機能・精度が不十分である。前者の例としては、例えばゴムエレメントなど様々な部材・部品を複雑に配置する形態(特許文献2、特許文献3あるいは特許文献6など)や、エアシリンダを用いてその流量を精密に制御する形態(特許文献4など)がある。一方で後者としては、例えばエアーによる圧力でテーパ面と鋼球とを密着させてロックする形態(特許文献5など)などが挙げられる。
本発明は、上記した課題を一例に鑑みて為されたものであり、構造を簡易としつつも信頼性が高く安価で製造が可能なフローティング装置と、このフローティング装置の制御方法を提供することを目的とする。
また、上記(1)又は(2)のフローティング装置においては、(3)前記アタッチメントには前記位置決めピンに対応したピン受け孔が形成されていることが好ましい。
<フローティング装置>
本発明の実施形態にかかるフローティング装置100について、図1〜図5を適宜参照しながら説明する。
まず図1に示すとおり、実施形態にかかるフローティング装置100は、ワーク又は工具とロボットハンドとの間に介在して当該ワークや工具が対象面(例えばワーク載置面や工具の作業面)に倣うようにワークや工具を追従させる機能を備えている。
より具体的に、フローティング装置100は、固定ベース10、支持装置20、およびアタッチメント30を含んで構成されている。そして本実施形態のフローティング装置は、更に規制ピストン31を有して構成されていることにも特徴がある。
すわち、固定ベース10は、第1接続孔11a〜11c、第2接続孔12および接続端13を含んで構成されている。
第1接続孔11a〜11cは、後述する弾性機構22aと接続される孔である。本実施形態では、弾性機構22aは周方向(Z軸周り)にほぼ等間隔で3本配置されるので、この3本の弾性機構22aに対応して周方向に120度間隔でそれぞれ第1接続孔11a〜11cが設けられている。
この弾性機構22aを介して、固定ベース10と支持装置20とが機械的に接続されている。
本実施形態では、第2接続孔12は周方向に6つ設けられ、接続端13を介して位置決めされつつ締結部材14を介して上記したロボットアーム200の接続端部と締結される。
なお締結部材14などのロボットアーム200との締結に用いられる部材は、例えばネジなど公知の部材が適宜用いられる。
図2又は図3に示されるように、支持装置20は、固定ベース10とアタッチメント30との間に介在して設けられている。また、支持装置20は、固定ベース10に対して回動可能な球面軸受33を含んで構成されている。
そして図3に示すように、支持装置20は、一例として、ボディ21、弾性機構22a、接続孔22b、球面軸受用空間23、カバー部材24、位置決めピン25および弾性部材26を含んで構成されている。
弾性機構22aは、後述する接続孔22b内に設置されて、ボディ21と固定ベース10とを接続する機能を有する。また弾性機構22aは、固定ベース10に対してZ方向にボディ21(支持装置20)を移動可能な弾性を有してなる。この弾性機構22aは、周方向(Z軸周り)にほぼ等間隔で3体設けられている。弾性機構22aは、一例として圧縮バネなどの弾性部材とガイドで構成することができるが、これに限られず公知の伸縮機構を適用してもよい。
換言すれば、Z方向において第1接続孔11a〜11cと対向するように、複数の接続孔22bがボディ21に形成されている。
球面軸受用空間23は、後述する球面軸受け33が収容される空間であり、ボディ21の内部に形成されている。これにより、カバー部材24と後述する内輪押え部材33dとの間に所定のクリアランス(隙間)が形成されるとともに、アタッチメント30は球面軸受33の中心を起点にして回転が可能となっている。
位置決めピン25は、弾性部材26によってアタッチメント30側に押圧されている。そしてこの位置決めピン25が後述するピン受け孔35に収容されることで、アタッチメント30の球面軸受33による回転(特にZ軸周り)がある程度抑制される。この位置決めピン25は、周方向(Z軸周り)にほぼ等間隔で3個設けられている。
また、本実施形態の位置決めピン25は、Z方向において、上記した弾性機構22aと干渉しないように配置されている。換言すれば、支持装置20は少なくとも3本の弾性機構22aを介して固定ベース10と接続されており、位置決めピン25が伸びる方向(Z方向)に関して弾性機構22aと重ならないように位置決めピン25は支持装置20に設けられているといえる。つまり本実施形態では、弾性機構22aの位置と、位置決めピン25の位置は、Z方向において互いに一致しないようになっている。
弾性部材26は、ボディ21に固定して設けられて位置決めピン25をアタッチメント30側に付勢する機能を有している。弾性部材26の具体例としては、例えば圧縮バネが例示されるがこれに限られず電気的な駆動機構や磁力を用いた機構としてもよい。
また、アタッチメント30に設置可能な工具としては特に制限はなく、種々の加工に必要な公知の工具が当該アタッチメント30に取り付け可能である。
また、本実施形態のフローティング装置100を搭載したシステムは様々な載置面に対して倣うことが可能なため、様々な仕掛品や部品などのワークを取り付けられる。
規制ピストン31は、アタッチメント30の収容空間32内に配置される。そして規制ピストン31は、収容空間32内で、支持装置20に接触可能な第1の位置と、支持装置20から離間した第2の位置とで移動可能とされている。
球面軸受33は、支持装置20に対してアタッチメント30を回転又は揺動可能とさせる機能を有している。具体的に本実施形態の球面軸受33は、軸33a、内輪33b、外輪33cおよび内輪押え部材33dを含んで構成されている。
内輪33bは、球体の一部のごとき形状であって軸33aが挿入可能な開口を有し、当該開口に軸33aが挿入されている。なお、軸33aのうち内輪33bが設置される部位の径は、軸33aにおける他の部位の径よりも小さくなっている。そして内輪33bが軸33aに設置された状態で内輪押え部材34が締結部材37を介して軸33aに固定されることで、内輪33bは軸33aの下部と内輪押え部材33dとに挟持される。これにより、内輪33bが軸33aに対してズレること無く、内輪33bを軸33aの所望の位置に固定することが可能となっている。
そして本実施形態では、カバー部材24が締結部材38を介してボディ21に締め付け固定されることで、外輪33cはカバー部材24と突き当て部22cとに挟まれて支持されることになる。換言すれば、本実施形態のカバー部材24と締結部材38は、外輪33cを押さえる外輪押え部材として機能している。
以上説明した詳細な構成により、アタッチメント30は、球面軸受33を中心に支持装置20に対して回転(揺動)が可能となっている。
ピン受け孔35は、支持装置20の位置決めピン25と対向するようにアタッチメント30に設けられている。換言すれば、支持装置20はアタッチメント30に対する球面軸受33の可動範囲を規制する位置決めピン25を有する一方で、アタッチメント30には位置決めピン25に対応したピン受け孔35が形成されているといえる。
なお位置決めピン25は、弾性部材26によって下方に付勢されているため、常時ピン受け孔35内に収容されている。なお位置決めピン25がピン受け孔35内で微小に揺動が可能な程度に両者の間に隙間が形成されているため、球面軸受33の揺動が阻害されることはない。
なお、圧縮気体の具体例については特に制限はないが、コストパフォーマンスや取り扱いの容易性の観点から圧縮エアーが好適である。
気体導入路36bは、気体導入口36aと収容空間32を結ぶ気体の流路としてアタッチメント30内に形成されている。
まず図5(b)に示すとおり、本実施形態の規制ピストン31は、開口31a、第2上面31b、第1上面31c、側面31d、底面31eおよび底面突起部31fを含んで構成されている。
開口31aは、球面軸受33が通過可能なように規制ピストン31の中央に形成されている。すなわち、本実施形態の規制ピストン31は、いわゆるドーナツ状(中空の円筒状)となっている。換言すれば、規制ピストン31は、支持装置20と接触する頂面(第1上面31c)と、この頂面と反対側で圧縮気体の作用を受ける底面31eを備えた円筒状であるといえる。
なお本実施形態では、周方向(Z軸周り)で連続した周壁となっているが、これに限られずに周方向で断続的な周壁となっていてもよい。
また、第1上面31cの上にゴムリングなどの弾性リング部材を配置してもよい。これにより支持装置20が損傷することなどが抑制される。
第2上面31bは、支持装置20に対向するように形成されている。しかしながら本実施形態では後述する第1上面31cが支持装置20と接触するため、第2上面31bは所定の間隙を有して支持装置20と対向するように設けられている。
底面31eは、第1上面31cや第2上面32bとは反対側の面である。
底面突起部31fは、規制ピストン31のうち底面31e側に設けられている。後述する第2の位置P2に規制ピストン31が位置付けられるとき、この底面突起部31fが収容空間32の底面に接触する。
すなわち図3に示すように、規制ピストン31の第1上面31cが第1の位置P1に位置するとき、支持装置20のボディ21の一部(底面)に規制ピストン31の第1上面31cが押圧されている状態となる。このとき、第1上面31cは規制ピストン31の周囲で環状となっているため支持装置20に対して安定して押圧することが可能となっている。
なお、このとき気体導入口36aからは、圧縮気体供給源から第1の供給圧力で上記した圧縮気体が供給されている。
このとき圧縮気体供給源からの供給圧力は、第1の供給圧力よりも低い第2の供給圧力となっている。なお第2の供給圧力としては、好適にはゼロである。しかしながらこの第2の供給圧力は、必ずしもゼロである必要はなく、支持装置20に対する球面軸受33を介したアタッチメント30の回転(揺動)動作が阻害されなければゼロとせずともよい。
このように本実施形態では、所定の圧縮気体供給源から気体導入口36aへ供給される圧縮気体の供給圧力を多段階で切り替えることで、支持装置20に対してアタッチメント30をロックし又は当該ロックを解除することが可能となっている。
図5は、上記した第1の位置P1における規制ピストン31の状態(ロック状態)と、第2の位置P2における規制ピストン31の状態(アンロック状態)とを比較した概念図である。すなわち同図では、中心線より左側がロック状態であり、右側がアンロック状態を示している。一方、位置決めピン25は、上述したとおり弾性部材26で常にアタッチメント30側に付勢されているため、ロック状態とアンロック状態で変化はない。
まず第1の工程として、気体導入口36aに対して第1の供給圧力で圧縮気体を供給することで、規制ピストン31(第1上面31c)を収容空間32における第1の位置P1に移動させて当該規制ピストン31を支持装置20に接触させる工程を有している。これによりアタッチメント30が支持装置20に対してロック状態となる。
すなわち、環状の面としての第1上面31cが、支持装置20の底面の比較的広い領域を押さえるため、支持装置20に対するアタッチメント30の回転(揺動)を効率的に停止させることが可能となっている。
次に図6および図7を用いて本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態で説明した構成と同じ構成については、同一の参照番号を付すとともに適宜その説明を省略する。
図6は、本発明の第2実施形態にかかる結束バンド処理システムBCSを示す模式図である。
結束バンド切断装置300は、コイル状等に巻かれた圧延鋼帯を結束する結束バンドを処理する機能を備えており、例えば特開昭57−104537号公報などに開示される切断刃を含んで構成されている。
制御装置400は、第1実施形態で説明したフローティング装置100の動作を制御するとともに、上記したロボットアーム200の動作および結束バンド切断装置300の動作も統括して制御する。具体的に制御装置400は、例えば演算機能や記憶手段などを備えたコンピューターが適用可能である。
次に図7を用いて結束バンドBDの切断方法について説明する。なお本実施形態の結束バンドBDの切断方法では、フローティング装置100を用いることで、圧延鋼帯SB表面の相対的に大きなうねりや傾きに対して追従することが可能となるとともに、結束バンド切断装置300を結束バンドBDの表面に対して均一な力で押圧が可能となる。
より具体的には、例えば結束バンド切断装置300に設けられた不図示の測距センサー(光学センサー)によって圧延鋼帯SB表面の凹凸状体を計測し、この計測結果に基づいて制御装置400は結束バンドBDの位置を検出する。
そしてステップ3においては、結束バンドBDの位置を未だ検出できていない場合にはこの検出動作を繰り返し、一方で結束バンドBDの位置を検出した場合にはステップ4の処理を実行する。
換言すれば、本実施形態では、結束バンド切断装置300も支持装置20に対して回転(揺動)が可能なアンロック状態となる。
次いで、ステップ6では、制御装置400は、結束バンド切断装置300を制御して圧延鋼帯SBを結束する結束バンドBDを切断する処理を実行する。
以上のシーケンスによって、迅速に且つ圧延鋼帯SBを損傷せずに当該圧延鋼帯SBから結束バンドBDが切断されて除去される。
例えば上述したフローティング装置100では、弾性機構22aの数と、位置決めピン25の数は等しくしたが、これらの数を互いに異ならせてもよい。
また、結束バンド切断装置300にも圧縮気体の供給が必要である場合には、フローティング装置100のアタッチメント30に設けられた気体導入口36aからの圧縮気体を分岐させることで使用してもよい。より具体的には、気体導入口36aに通じる気体導入路36bを分岐させて切り替え弁などを設ける構成が考えられる。そして気体導入口36aを介して圧縮気体供給源から流入する圧縮気体を、収容空間32へ流入させる経路と、結束バンド切断装置300へ流入させる経路とに分けて流す構成としてもよい。
また、本実施形態のフローティング装置100は、結束バンドBDの切断処理に限られず、例えば自動車や電子部品の製造工程にも適用してもよい。
11a〜11c 第1接続孔
12 第2接続孔
13 接続端
14 締結部材
20 支持装置
21 ボディ
22a 弾性機構
22b 接続孔
22c 突き当て部
23 球面軸受用空間
24 カバー部材(外輪押え部材)
25 位置決めピン
26 弾性部材
30アタッチメント
31 規制ピストン
32 収容空間
33 球面軸受
33a 軸
33b 内輪
33c 外輪
33d 内輪押え部材
34 接続部材
35 ピン受け孔
36a 気体導入口
36b 気体導入路
37 締結部材
38 締結部材(外輪押え部材)
100 フローティング装置
200 ロボットアーム
300 結束バンド切断装置
BD 結束バンド
BCS 結束バンド切断システム
SB 圧延鋼帯
Claims (5)
- ロボットアームと接続が可能な固定ベースと、
圧縮気体が供給される気体導入口と当該圧縮気体が導入される収容空間とが形成されるとともに、ワーク又は工具と接続が可能なアタッチメントと、
前記固定ベースと前記アタッチメントとの間に介在して設けられるとともに、前記固定ベースに対して回動可能な球面軸受を備えた支持装置と、
前記アタッチメントの収容空間内に配置され、前記支持装置に接触可能な第1の位置と前記支持装置から離間した第2の位置とで移動可能な規制ピストンと、を含み、
前記支持装置は、前記アタッチメントに対する前記球面軸受の可動範囲を規制する位置決めピンを有するとともに、少なくとも3本の弾性機構を介して前記固定ベースと接続されており、
前記位置決めピンが伸びる方向に関して前記弾性機構と重ならないように、前記位置決めピンは前記支持装置に設けられていることを特徴とするフローティング装置。 - 前記規制ピストンは、前記支持装置と接触する頂面と、前記頂面と反対側で前記圧縮気体の作用を受ける底面を備えた円筒状である請求項1に記載のフローティング装置。
- 前記アタッチメントには前記位置決めピンに対応したピン受け孔が形成されている請求項1又は2に記載のフローティング装置。
- 所定の圧縮気体供給源から前記気体導入口へ供給される前記圧縮気体の供給圧力を多段階で切り替えることで、前記支持装置に対して前記アタッチメントがロックされ又は当該ロックが解除される請求項1〜3のいずれか一項に記載フローティング装置。
- ロボットアームと接続される固定ベース、圧縮気体が供給される気体導入口と当該圧縮気体が導入される収容空間とが形成されたアタッチメント、前記固定ベースと前記アタッチメントとの間に介在して設けられて前記固定ベースに対して回動可能な球面軸受を備える支持装置、及び前記アタッチメントの収容空間内に配置された規制ピストンを含むフローティング装置の制御方法であって、
前記支持装置は、前記アタッチメントに対する前記球面軸受の可動範囲を規制する位置決めピンを有するとともに、少なくとも3本の弾性機構を介して前記固定ベースと接続されており、
前記位置決めピンが伸びる方向に関して前記弾性機構と重ならないように、前記位置決めピンは前記支持装置に設けられ、
前記気体導入口に対して第1の供給圧力で前記圧縮気体を供給することで、前記規制ピストンを前記収容空間における第1の位置に移動させて当該規制ピストンを前記支持装置に接触させる工程と、
前記供給圧力を前記第1の供給圧力よりも低い第2の供給圧力に変更することで、前記規制ピストンを前記第1の位置とは異なる第2の位置に移動させて当該規制ピストンを前記支持装置から離間させる工程と、
を含むことを特徴とするフローティング装置の制御方法。
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