JP7028550B2 - パターン形成用感光性樹脂組成物、硬化膜、低屈折率膜、光学デバイス、並びにパターン化された硬化膜又は低屈折率膜の形成方法 - Google Patents

パターン形成用感光性樹脂組成物、硬化膜、低屈折率膜、光学デバイス、並びにパターン化された硬化膜又は低屈折率膜の形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、パターン形成用感光性樹脂組成物と、当該パターン形成用感光性樹脂組物を硬化させて形成された硬化膜及び低屈折率膜と、当該硬化膜又は当該低屈折率を備える光学デバイスと、前述のパターン形成用感光性樹脂組成物を用いる硬化膜又は低屈折率膜の製造方法とに関する。
従来より、絶縁膜、保護膜、反射防止膜等の形成等の種々の目的で、パターン形成用感光性樹脂組成物が用いられている。
例えば、イメージセンサー用マイクロレンズを被覆するてや、液晶ディスプレイ、有機EL素子等における反射防止用の低屈折率膜が、パターン形成用の感光性組成物を用いて、所望する形状にパターニングされながら形成される。
上記の反射防止用の低屈折率膜として使用し得るパターン化された硬化膜を形成できる感光性樹脂組成物としては、特定の構造のフッ素含有モノマーを構成モノマーとする重合体(A)と、光重合性化合物(B)と、光重合開始剤(C)と、溶剤(D)とを含有する感光性組成物が提案されている(特許文献1)。
特開2009-271444号公報
しかしながら、イメージセンサーにおけるマイクロレンズの被覆等では、所定の位置に正確な寸法で低屈折率膜としての硬化膜が形成されることが必要であるところ、特許文献1に記載の感光性組成物を用いる場合、現像後にパターン付近に残渣が発生しやすく、その結果、硬化膜のパターンの見かけ上の寸法が、所望の寸法よりも大きくなる場合がある。
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであって、幅広い露光量において、残渣を生じることなく、形状の良好なパターンを所望の寸法で形成しやすい、パターン形成用感光性樹脂組成物と、当該パターン形成用感光性樹脂組物を硬化させて形成された硬化膜及び低屈折率膜と、当該硬化膜又は当該低屈折率を備える光学デバイスと、前述のパターン形成用感光性樹脂組成物を用いる硬化膜又は低屈折率膜の製造方法とを提供することを目的とする。
本発明者らは、樹脂(A)と、光重合性化合物(B)と、重合開始剤(C)とを含むパターン形成用感光性樹脂組成物に、分子量230~1500のヒンダードフェノール系化合物を重合禁止剤(D)として配合することにより上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のものを提供する。
本発明の第1の態様は、樹脂(A)と、光重合性化合物(B)と、重合開始剤(C)と、重合禁止剤(D)と、を含有し、
重合禁止剤(D)が、分子量230~1500であるヒンダードフェノール系化合物を含む、パターン形成用感光性樹脂組成物である。
本発明の第2の態様は、第1の態様にかかるパターン形成用感光性樹脂組成物を硬化させて形成された、硬化膜である。
本発明の第3の態様は、低屈折率膜形成用に用いられる第1の態様にかかるパターン形成用感光性樹脂組成物を硬化させて形成された、低屈折率膜である。
本発明の第4の態様は、第2の態様にかかる硬化膜、又は第3の態様にかかる低屈折率膜を備える、光学デバイスである。
本発明の第5の態様は、
第1の態様にかかるパターン形成用感光性樹脂組成物の塗布膜を形成することと、
塗布膜を、所定のパターンに応じて位置選択的に露光することと、
露光された塗布膜を現像することと、を含む、パターン化された硬化膜又は低屈折率膜の形成方法である。
本発明によれば、幅広い露光量において、残渣を生じることなく、形状の良好なパターンを所望の寸法で形成しやすい、パターン形成用感光性樹脂組成物と、当該パターン形成用感光性樹脂組物を硬化させて形成された硬化膜及び低屈折率膜と、当該硬化膜又は当該低屈折率を備える光学デバイスと、前述のパターン形成用感光性樹脂組成物を用いる硬化膜又は低屈折率膜の製造方法とを提供することができる。
以下、本発明について、好適な実施形態に基づいて説明を行う。なお、本願明細書中における「~」は、とくに断りがなければ以上(下限値)から以下(上限値)を表す。
本願明細書において、単に「感光性樹脂組成物」と記載される場合、特段説明がない限り「パターン形成用感光性組成物」を意味する。
本願明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートと、メタクリレートとの双方を包含する。
本願明細書において、「(メタ)アクリル」は、アクリルと、メタクリルとの双方を包含する。
本願明細書において、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイルと、メタクリロイルとの双方を包含する。
≪パターン形成用感光性樹脂組成物≫
パターン形成用感光性樹脂組成物は、樹脂(A)と、光重合性化合物(B)と、重合開始剤(C)と、重合禁止剤(D)と、を含有する。また、重合禁止剤(D)は、分子量230~1500であるヒンダードフェノール系化合物を含む。
以下、パターン形成用感光性樹脂組成物に含まれる必須、又は任意の成分について説明する。
<樹脂(A)>
パターン形成用感光性樹脂組成物は樹脂(A)を含む。樹脂(A)はパターン形成用感光性樹脂組成物に、塗膜及びパターニングされた膜を形成可能な製膜性を付与する成分である。
樹脂(A)としては、従来よりパターン形成用感光性樹脂組成物に配合されている樹脂であれば特に限定されない。樹脂(A)としては、良好な形状を有するパターン化された硬化膜を形成しやすいことからアルカリ可溶性樹脂が好ましい。
アルカリ可溶性樹脂を含む感光性樹脂組成物はアルカリ現像液に対して可溶である一方で、露光された感光性樹脂組成物は硬化する。このため、位置選択的に露光された感光性樹脂組成物の塗布膜をアルカリ現像液を用いて現像すると、未露光部のみがアルカリ現像液に溶解する一方で、硬化した露光部が残存し、パターン化された硬化膜が形成される。
アルカリ可溶性樹脂とは、樹脂濃度20質量%の樹脂溶液(溶媒:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)により、膜厚1μmの樹脂膜を基板上に形成し、濃度0.05質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液に1分間浸漬した際に、膜厚0.01μm以上溶解するものをいう。
アルカリ可溶性樹脂の好適な例としては、カルド構造を有する樹脂(A1)が挙げられる。カルド構造を有する樹脂(A1)をアルカリ可溶性樹脂として含有する感光性樹脂組成物を用いることにより、耐熱性、機械的特性、耐溶剤性、耐化学薬品性等がバランスよく優れる硬化膜を形成しやすい。
カルド構造を有する樹脂(A1)としては、特に限定されるものではなく、従来公知の樹脂を用いることができる。その中でも、下記式(a-1)で表される樹脂が好ましい。
Figure 0007028550000001
上記式(a-1)中、Xは、下記式(a-2)で表される基を示す。
Figure 0007028550000002
上記式(a-2)中、Ra1は、それぞれ独立に水素原子、炭素原子数1~6の炭化水素基、又はハロゲン原子を示し、Ra2は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を示し、Wは、単結合又は下記式(a-3)で表される基を示す。
Figure 0007028550000003
また、上記式(a-1)中、Yは、ジカルボン酸無水物から酸無水物基(-CO-O-CO-)を除いた残基を示す。ジカルボン酸無水物の例としては、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水クロレンド酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水グルタル酸等が挙げられる。
また、上記式(a-1)中、Zは、テトラカルボン酸二無水物から2個の酸無水物基を除いた残基を示す。テトラカルボン酸二無水物の例としては、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
また、上記式(a-1)中、mは、0~20の整数を示す。
カルド構造を有する樹脂(A1)の質量平均分子量(Mw:ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)のポリスチレン換算による測定値。本明細書において同じ。)は、1000~40000であることが好ましく、2000~30000であることがより好ましい。上記の範囲とすることにより、良好な現像性を得ながら、十分な耐熱性、膜強度を得ることができる。
機械的強度や基板への密着性に優れる膜を形成しやすいことから、(a1)不飽和カルボン酸を少なくとも重合させた共重合体(A2)も、アルカリ可溶性樹脂として好適に使用することができる。
(a1)不飽和カルボン酸としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸等のジカルボン酸;これらジカルボン酸の無水物;等が挙げられる。これらの中でも、共重合反応性、得られる樹脂のアルカリ溶解性、入手の容易性等の点から、(メタ)アクリル酸及び無水マレイン酸が好ましい。これらの(a1)不飽和カルボン酸は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
共重合体(A2)は、(a1)不飽和カルボン酸と(a2)脂環式エポキシ基含有不飽和化合物との共重合体であってもよい。(a2)脂環式エポキシ基含有不飽和化合物としては、脂環式エポキシ基を有する不飽和化合物であれば特に限定されない。脂環式エポキシ基を構成する脂環式基は、単環であっても多環であってもよい。単環の脂環式基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。また、多環の脂環式基としては、ノルボルニル基、イソボルニル基、トリシクロノニル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基等が挙げられる。これらの(a2)脂環式エポキシ基含有不飽和化合物は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
具体的に、(a2)脂環式エポキシ基含有不飽和化合物としては、例えば下記式(a2-1)~(a2-15)で表される化合物が挙げられる。これらの中でも、現像性を適度なものするためには、下記式(a2-1)~(a2-5)で表される化合物が好ましく、下記式(a2-1)~(a2-3)で表される化合物がより好ましい。
Figure 0007028550000004
Figure 0007028550000005
Figure 0007028550000006
上記式中、Ra20は水素原子又はメチル基を示し、Ra21は炭素原子数1~6の2価の脂肪族飽和炭化水素基を示し、Ra22は炭素原子数1~10の2価の炭化水素基を示し、tは0~10の整数を示す。Ra21としては、直鎖状又は分枝鎖状のアルキレン基、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、エチルエチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基が好ましい。Ra22としては、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、エチルエチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、フェニレン基、シクロヘキシレン基、-CH-Ph-CH-(Phはフェニレン基を示す)が好ましい。
共重合体(A2)は、上記(a1)不飽和カルボン酸及び(a2)上記脂環式エポキシ基含有不飽和化合物とともに、エポキシ基を有さない(a3)脂環式基含有不飽和化合物を共重合させたものであってもよい。
(a3)脂環式基含有不飽和化合物としては、脂環式基を有する不飽和化合物であれば特に限定されない。脂環式基は、単環であっても多環であってもよい。単環の脂環式基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。また、多環の脂環式基としては、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、トリシクロノニル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基等が挙げられる。これらの(a3)脂環式基含有不飽和化合物は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
具体的に、(a3)脂環式基含有不飽和化合物としては、例えば下記式(a3-1)~(a3-7)で表される化合物が挙げられる。これらの中でも、現像性を適度なものするためには、下記式(a3-3)~(a3-8)で表される化合物が好ましく、下記式(a3-3),(a3-4)で表される化合物がより好ましい。
Figure 0007028550000007
上記式中、Ra23は水素原子又はメチル基を示し、Ra24は単結合又は炭素原子数1~6の2価の脂肪族飽和炭化水素基を示し、Ra25は水素原子又は炭素原子数1~5のアルキル基を示す。Ra24としては、単結合、直鎖状又は分枝鎖状のアルキレン基、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、エチルエチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基が好ましい。Ra25としては、例えばメチル基、エチル基が好ましい。
また、共重合体(A2)は、上記(a1)不飽和カルボン酸と、脂環式基を有さない(a4)エポキシ基含有不飽和化合物とを含む単量体の重合体であってもよい。
かかる共重合体(A2)は、
上記(a1)不飽和カルボン酸と(a4)エポキシ基含有不飽和化合物との共重合体であってもよく、
上記(a1)不飽和カルボン酸と上記(a2)脂環式エポキシ基含有不飽和化合物と(a4)エポキシ基含有不飽和化合物との共重合体であってもよく、
上記(a1)不飽和カルボン酸と上記(a3)脂環式基含有不飽和化合物と(a4)エポキシ基含有不飽和化合物との共重合体であってもよく、
上記(a1)不飽和カルボン酸と上記(a2)脂環式エポキシ基含有不飽和化合物と上記(a3)脂環式基含有不飽和化合物と(a4)エポキシ基含有不飽和化合物との共重合体であってもよい。
(a4)エポキシ基含有不飽和化合物としては、グリシジル(メタ)アクリレート、2-メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシブチル(メタ)アクリレート、6,7-エポキシヘプチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エポキシアルキルエステル類;α-エチルアクリル酸グリシジル、α-n-プロピルアクリル酸グリシジル、α-n-ブチルアクリル酸グリシジル、α-エチルアクリル酸6,7-エポキシヘプチル等のα-アルキルアクリル酸エポキシアルキルエステル類;等が挙げられる。これらの中でも、共重合反応性、硬化後の樹脂の強度等の点から、グリシジル(メタ)アクリレート、2-メチルグリシジル(メタ)アクリレート、及び6,7-エポキシヘプチル(メタ)アクリレートが好ましい。これらの(a4)エポキシ基含有不飽和化合物は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
また、共重合体(A2)は、上記(a1)不飽和カルボン酸と上記以外の他の化合物とを含む単量体の共重合体であってもよい。
共重合体(A2)は、上記(a1)不飽和カルボン酸と、上記(a2)脂環式エポキシ基含有不飽和化合物、上記(a3)脂環式基含有不飽和化合物、及び上記(a4)エポキシ基含有不飽和化合物からなる群から選択される1種以上の単量体と、上記以外の他の化合物とを含む単量体の共重合体であってもよい。
他の化合物としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、エーテル結合を有する(メタ)アクリレート、上記の他の(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、スチレン類、ジカルボン酸ジエステル類、共役時オレフィン、二トリル基含有重合性化合物、塩素含有重合性化合物等が挙げられる。これらの化合物は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、tert-オクチル(メタ)アクリレート等の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。
(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルとしては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ジメチルヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
エーテル結合を有する(メタ)アクリレートとしては、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、3-メトキシブチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートが挙げられ、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート及びメトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレートが好ましい。
上記の他の(メタ)アクレートとしては、クロロエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレートが挙げられる。
(メタ)アクリルアミド類としては、(メタ)アクリルアミド、N-アルキル(メタ)アクリルアミド、N-アリール(メタ)アクリルアミド、N,N-ジアルキル(メタ)アクリルアミド、N,N-アリール(メタ)アクリルアミド、N-メチル-N-フェニル(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシエチル-N-メチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
アリル化合物としては、酢酸アリル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリル、ラウリン酸アリル、パルミチン酸アリル、ステアリン酸アリル、安息香酸アリル、アセト酢酸アリル、乳酸アリル等のアリルエステル類;アリルオキシエタノール;等が挙げられる。
ビニルエーテル類としては、ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、クロロエチルビニルエーテル、1-メチル-2,2-ジメチルプロピルビニルエーテル、2-エチルブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ブチルアミノエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル;ビニルフェニルエーテル、ビニルトリルエーテル、ビニルクロロフェニルエーテル、ビニル-2,4-ジクロロフェニルエーテル、ビニルナフチルエーテル、ビニルアントラニルエーテル等のビニルアリールエーテル;等が挙げられる。
ビニルエステル類としては、ビニルアセテート、ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルトリメチルアセテート、ビニルジエチルアセテート、ビニルバレレート、ビニルカプロエート、ビニルクロロアセテート、ビニルジクロロアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシアセテート、ビニルフエニルアセテート、ビニルアセトアセテート、ビニルラクテート、ビニル-β-フェニルブチレート、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル、クロロ安息香酸ビニル、テトラクロロ安息香酸ビニル、ナフトエ酸ビニル等が挙げられる。
スチレン類としては、スチレン;メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、シクロヘキシルスチレン、デシルスチレン、ベンジルスチレン、クロロメチルスチレン、トリフルオロメチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチルスチレン等のアルキルスチレン;メトキシスチレン、4-メトキシ-3-メチルスチレン、ジメトキシスチレン等のアルコキシスチレン;クロロスチレン、ジクロロスチレン、トリクロロスチレン、テトラクロロスチレン、ペンタクロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ヨードスチレン、フルオロスチレン、トリフルオロスチレン、2-ブロモ-4-トリフルオロメチルスチレン、4-フルオロ-3-トリフルオロメチルスチレン等のハロスチレン;等が挙げられる。
ジカルボン酸ジエステル類としては、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジブチルが挙げられる。
共役ジオレフィンとしては、ブタジエン、イソプレンが挙げられる。
ニトリル基含有重合性化合物としては、(メタ)アクリロニトリルが挙げられる。
塩素含有重合性化合物としては、塩化ビニル、塩化ビニリデンが挙げられる。
共重合体(A2)について、上記(a1)不飽和カルボン酸と上記以外の他の化合物とを含む単量体の共重合体の中では、上記(a1)不飽和カルボン酸と、上記エーテル結合を有する(メタ)アクリレートとを含む単量体の共重合体が好ましい。
この場合、共重合体(A2)に占めるエーテル結合を有する(メタ)アクリレートに由来する構成単位の割合は、30~90質量%が好ましく、40~80質量%がより好ましい。
共重合体(A2)に占める上記(a1)不飽和カルボン酸由来の構成単位の割合は、1~50質量%であることが好ましく、5~45質量%であることがより好ましい。
また、共重合体(A2)が、上記(a2)脂環式エポキシ基含有不飽和化合物由来の構成単位と上記(a4)エポキシ基含有不飽和化合物由来の構成単位とを含有する場合、共重合体(A2)に占める(a2)脂環式エポキシ基含有不飽和化合物由来の構成単位の割合と上記(a4)エポキシ基含有不飽和化合物由来の構成単位の割合との合計は、71質量%以上であることが好ましく、71~95質量%であることがより好ましく、75~90質量%であることがさらに好ましい。特に、共重合体(A2)に占める上記(a2)脂環式エポキシ基含有不飽和化合物由来の構成単位の割合が単独で71質量%以上であることが好ましく、71~80質量%であることがより好ましい。上記(a2)脂環式エポキシ基含有不飽和化合物由来の構成単位の割合を上記の範囲にすることにより、感光性樹脂組成物の経時安定性をより向上させることができる。
また、共重合体(A2)が、(a3)脂環式基含有不飽和化合物由来の構成単位を含有する場合、共重合体(A2)に占める上記(a3)脂環式基含有不飽和化合物由来の構成単位の割合は、1~30質量%であることが好ましく、5~20質量%であることがより好ましい。
共重合体(A2)の質量平均分子量は、2000~200000であることが好ましく、3000~30000であることがより好ましい。上記の範囲とすることにより、感光性樹脂組成物の膜形成能、露光後の現像性のバランスがとりやすい傾向がある。
また、アルカリ可溶性樹脂としては、(A3)上記(a1)不飽和カルボン酸に由来する構成単位と、後述する、光重合性化合物(B)との重合可能部位を有する構成単位とを少なくとも有する共重合体、又は(A4)上記(a1)不飽和カルボン酸に由来する構成単位と、上記(a2)脂環式エポキシ基含有不飽和化合物及び/又は(a4)エポキシ基含有不飽和化合物に由来する構成単位と、後述する光重合性化合物(B)との重合可能部位を有する構成単位とを少なくとも有する共重合体を含む樹脂も好適に使用できる。アルカリ可溶性樹脂が共重合体(A3)、又は共重合体(A4)を含む場合、感光性樹脂組成物を用いて形成される膜の基板への密着性や、感光性樹脂組成物を用いて得られる硬化膜の機械的強度を高めることができる。
共重合体(A3)、及び共重合体(A4)は、共重合体(A2)について他の化合物として記載される、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、スチレン類等をさらに共重合させたものであってもよい。
光重合性化合物(B)との重合可能部位を有する構成単位は、光重合性化合物(B)との重合可能部位としてエチレン性不飽和基を有するものが好ましい。このような構成単位を有する共重合体化は、共重合体(A3)については、上記(a1)不飽和カルボン酸に由来する構成単位を含む重合体に含まれるカルボキシル基の少なくとも一部と、上記(a2)脂環式エポキシ基含有不飽和化合物及び/又は(a4)エポキシ基含有不飽和化合物とを反応させることにより、調製することができる。また、共重合体(A4)は、上記(a1)不飽和カルボン酸に由来する構成単位と、(a2)脂環式エポキシ基含有不飽和化合物及び/又は(a4)エポキシ基含有不飽和化合物に由来する構成単位とを有する共重合体におけるエポキシ基の少なくとも一部と、(a1)不飽和カルボン酸とを反応させることにより、調製することができる。
共重合体(A3)における、(a1)不飽和カルボン酸に由来する構成単位の占める割合は、1~50質量%が好ましく、5~45質量%がより好ましい。共重合体(A3)における、光重合性化合物(B)との重合可能部位を有する構成単位の占める割合は、1~45質量%が好ましく、5~40質量%がより好ましい。共重合体(A3)がこのような比率で各構成単位を含む場合、基板との密着性に優れる膜を形成可能な感光性樹脂組成物を得やすい。
共重合体(A4)における、(a1)不飽和カルボン酸に由来する構成単位の占める割合は、1~50質量%が好ましく、5~45質量%がより好ましい。共重合体(A4)における、(a2)脂環式エポキシ基含有不飽和化合物及び/又は(a4)エポキシ基含有不飽和化合物に由来する構成単位の占める割合は、55質量%以上が好ましく、71質量%以上がより好ましく、71~80質量%が特に好ましい。
共重合体(A4)における、光重合性化合物(B)との重合可能部位を有する構成単位の占める割合は、1~45質量%が好ましく、5~40質量%がより好ましい。共重合体(A4)がこのような比率で各構成単位を含む場合、基板との密着性に優れる膜を形成可能な感光性樹脂組成物を得やすい。
共重合体(A3)、及び共重合体(A4)の質量平均分子量は、2000~50000であることが好ましく、5000~30000であることがより好ましい。上記の範囲とすることにより、感光性樹脂組成物の膜形成能、露光後の現像性のバランスがとりやすい傾向がある。
樹脂(A)の感光性樹脂組成物中の含有量は、後述するフィラー(E)の質量と有機溶剤(S)の質量とを除いた感光性樹脂組成物の質量に対して20~85質量%であることが好ましく、30~70質量%であることがより好ましい。
<光重合性化合物(B)>
光重合性化合物(B)としては、エチレン性不飽和基を有するモノマーを好ましく用いることができる。このエチレン性不飽和基を有するモノマーには、単官能モノマーと多官能モノマーとがある。
単官能モノマーとしては、(メタ)アクリルアミド、メチロール(メタ)アクリルアミド、メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、ブトキシメトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、クロトン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、tert-ブチルアクリルアミドスルホン酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-フェノキシ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロピルフタレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2,2,2-トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、フタル酸誘導体のハーフ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの単官能モノマーは、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
一方、多官能モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、2,2-ビス(4-(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、2-ヒドロキシ-3-(メタ)アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジグリシジルエステルジ(メタ)アクリレート、グリセリントリアクリレート、グリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート(すなわち、トリレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、又はヘキサメチレンジイソシアネート等と2-ビドロキシエチル(メタ)アクリレートとの反応物)、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミドメチレンエーテル、多価アルコールとN-メチロール(メタ)アクリルアミドとの縮合物等の多官能モノマーや、トリアクリルホルマール等が挙げられる。これらの多官能モノマーは、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
これらのエチレン性不飽和基を有するモノマーの中でも、感光性樹脂組成物の基板への密着性、感光性樹脂組成物の硬化後の強度を高める傾向にある点から、3官能以上の多官能モノマーが好ましく、4官能以上の多官能モノマーがより好ましく、5官能以上の多官能モノマーがさらに好ましい。
また、光重合性化合物(B)が、6官能以上の多官能性化合物を含むのが特に好ましい。
例えば、シリコン基板等の半導体基板上に形成されたRGBの着色膜上に形成されたマイクロレンズの表面を硬化膜(低屈折率膜)で被覆する場合、硬化膜の表面に保護テープを貼った状態で、半導体基板の研削が行われることがある。
かかる研削後に、硬化膜の表面から保護テープが剥離されるが、保護テープの剥離によって硬化膜の表面が荒れ、硬化膜の表面が粗面化されやすい。
感光性樹脂組成物の塗布膜を露光して硬化させる際に、硬化膜の表面では酸素による硬化の阻害が生じることにより、硬化膜の表面の硬化度はやや低い。このため、上記の保護テープの剥離による硬化膜の表面の粗面化が生じると思われる。
しかし、感光性樹脂組成物が6官能以上の多官能性化合物を含む光重合性化合物(B)を含有すると、露光による硬化時に、硬化膜の表面で高度な架橋が進行するために、硬く緊密な硬化膜を形成しやすい。
このため、保護テープを硬化膜から剥離させても、硬化膜の表面が荒れにくい。
光重合性化合物(B)の感光性樹脂組成物中の含有量は、後述するフィラー(E)の質量と有機溶剤(S)の質量とを除いた感光性樹脂組成物の質量に対して1~70質量%が好ましく、5~60質量%がより好ましい。上記の範囲とすることにより、感度、現像性、解像性のバランスがとりやすい傾向がある。
<光重合開始剤(C)>
光重合開始剤(C)としては、特に限定されず、従来公知の光重合開始剤を用いることができる。
光重合開始剤(C)として具体的には、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-〔4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル〕-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、1-(4-ドデシルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、ビス(4-ジメチルアミノフェニル)ケトン、2-メチル-1-〔4-(メチルチオ)フェニル〕-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタン-1-オン、O-アセチル-1-[6-(2-メチルベンゾイル)-9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル]エタノンオキシム、O-アセチル-1-[6-(ピロール-2-イルカルボニル)-9-エチル-9Hカルバゾール-3-イル]エタノンオキシム、(9-エチル-6-ニトロ-9H-カルバゾール-3-イル)[4-(2-メトキシ-1-メチルエトキシ)-2-メチルフェニル]メタノンO-アセチルオキシム、2-(ベンゾイルオキシイミノ)-1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-1-オクタノン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、4-ベンゾイル-4’-メチルジメチルスルフィド、4-ジメチルアミノ安息香酸、4-ジメチルアミノ安息香酸メチル、4-ジメチルアミノ安息香酸エチル、4-ジメチルアミノ安息香酸ブチル、4-ジメチルアミノ-2-エチルヘキシル安息香酸、4-ジメチルアミノ-2-イソアミル安息香酸、ベンジル-β-メトキシエチルアセタール、ベンジルジメチルケタール、1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-(O-エトキシカルボニル)オキシム、o-ベンゾイル安息香酸メチル、2,4-ジエチルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン、チオキサンテン、2-クロロチオキサンテン、2,4-ジエチルチオキサンテン、2-メチルチオキサンテン、2-イソプロピルチオキサンテン、2-エチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2-ベンズアントラキノン、2,3-ジフェニルアントラキノン、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキシド、クメンヒドロペルオキシド、2-メルカプトベンゾイミダゾール、2-メルカプトベンゾオキサゾール、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジ(m-メトキシフェニル)-イミダゾリル二量体、ベンゾフェノン、2-クロロベンゾフェノン、p,p’-ビスジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’-ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’-ジクロロベンゾフェノン、3,3-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン-n-ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アセトフェノン、2,2-ジエトキシアセトフェノン、p-ジメチルアセトフェノン、p-ジメチルアミノプロピオフェノン、ジクロロアセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、p-tert-ブチルアセトフェノン、p-ジメチルアミノアセトフェノン、p-tert-ブチルトリクロロアセトフェノン、p-tert-ブチルジクロロアセトフェノン、α,α-ジクロロ-4-フェノキシアセトフェノン、チオキサントン、2-メチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、ジベンゾスベロン、ペンチル-4-ジメチルアミノベンゾエート、9-フェニルアクリジン、1,7-ビス-(9-アクリジニル)ヘプタン、1,5-ビス-(9-アクリジニル)ペンタン、1,3-ビス-(9-アクリジニル)プロパン、p-メトキシトリアジン、2,4,6-トリス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-メチル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-[2-(5-メチルフラン-2-イル)エテニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-[2-(フラン-2-イル)エテニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-[2-(4-ジエチルアミノ-2-メチルフェニル)エテニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-[2-(3,4-ジメトキシフェニル)エテニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-エトキシスチリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-n-ブトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-ビス-トリクロロメチル-6-(3-ブロモ-4-メトキシ)フェニル-s-トリアジン、2,4-ビス-トリクロロメチル-6-(2-ブロモ-4-メトキシ)フェニル-s-トリアジン、2,4-ビス-トリクロロメチル-6-(3-ブロモ-4-メトキシ)スチリルフェニル-s-トリアジン、2,4-ビス-トリクロロメチル-6-(2-ブロモ-4-メトキシ)スチリルフェニル-s-トリアジン等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、光重合開始剤(C)としてオキシムエステル化合物を用いることが、感度の面で特に好ましい。オキシムエステル化合物として、好ましい化合物の例としては、O-アセチル-1-[6-(2-メチルベンゾイル)-9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル]エタノンオキシム、O-アセチル-1-[6-(ピロール-2-イルカルボニル)-9-エチル-9Hカルバゾール-3-イル]エタノンオキシム、及び、2-(ベンゾイルオキシイミノ)-1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-1-オクタノンが挙げられる。
オキシムエステル化合物を光重合開始剤(C)として用いる場合、オキシムエステル化合物と、オキシムエステル化合物以外の他の光重合開始剤とを併用することも好ましい。
オキシムエステル化合物と、他の光重合開始剤とを併用する場合、感光性樹脂組成物の感度を適切な範囲に調整しやすい。このため、露光による過度の硬化の進行が生じにくいので、所望する幅よりも広い幅を有するパターン化された硬化膜が形成されにくい。
オキシムエステル化合物と併用される他の光重合開始剤としては、α-アミノアルキルフェノン系の光重合開始剤が好ましい。α-アミノアルキルフェノン系の光重合開始剤の好適な例としては、2-メチル-1-〔4-(メチルチオ)フェニル〕-2-モルフォリノプロパン-1-オン(イルガキュア907(IR-907)、商品名、BASF社製)、及び2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタン-1-オン(イルガキュア369E(IR-369E)、商品名、BASF社製)が挙げられる。
また、オキシムエステル化合物として、下記式(c1)で表されるオキシムエステル化合物を用いることも好ましい。
Figure 0007028550000008
(Rc1は、1価の有機基、アミノ基、ハロゲン、ニトロ基、及びシアノ基からなる群より選択される基であり、
n1は0~4の整数であり、
n2は0、又は1であり、
c2は、置換基を有してもよいフェニル基、又は置換基を有してもよいカルバゾリル基であり、
c3は、水素原子、又は炭素原子数1~6のアルキル基である。)
式(c1)中、Rc1は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、種々の有機基から適宜選択される。Rc1が有機基である場合の好適な例としては、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、シクロアルコキシ基、飽和脂肪族アシル基、飽和脂肪族アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいフェノキシ基、置換基を有してもよいベンゾイル基、置換基を有してもよいフェノキシカルボニル基、置換基を有してもよいベンゾイルオキシ基、置換基を有してもよいフェニルアルキル基、置換基を有してもよいナフチル基、置換基を有してもよいナフトキシ基、置換基を有してもよいナフトイル基、置換基を有してもよいナフトキシカルボニル基、置換基を有してもよいナフトイルオキシ基、置換基を有してもよいナフチルアルキル基、置換基を有してもよいヘテロシクリル基、アミノ基、1、又は2の有機基で置換されたアミノ基、モルホリン-1-イル基、及びピペラジン-1-イル基、ハロゲン、ニトロ基、及びシアノ基等が挙げられる。n1が2~4の整数である場合、Rc1は同一であっても異なっていてもよい。また、置換基の炭素原子数には、置換基がさらに有する置換基の炭素原子数を含まない。
c1がアルキル基である場合、炭素原子数1~20が好ましく、炭素原子数1~6がより好ましい。また、Rc1がアルキル基である場合、直鎖であっても、分岐鎖であってもよい。Rc1がアルキル基である場合の具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、n-デシル基、及びイソデシル基等が挙げられる。また、Rc1がアルキル基である場合、アルキル基は炭素鎖中にエーテル結合(-O-)を含んでいてもよい。炭素鎖中にエーテル結合を有するアルキル基の例としては、メトキシエチル基、エトキシエチル基、メトキシエトキシエチル基、エトキシエトキシエチル基、プロピルオキシエトキシエチル基、及びメトキシプロピル基等が挙げられる。
c1がアルコキシ基である場合、炭素原子数1~20が好ましく、炭素原子数1~6がより好ましい。また、Rc1がアルコキシ基である場合、直鎖であっても、分岐鎖であってもよい。Rc1がアルコキシ基である場合の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n-ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、sec-ブチルオキシ基、tert-ブチルオキシ基、n-ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、sec-ペンチルオキシ基、tert-ペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、n-ヘプチルオキシ基、n-オクチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec-オクチルオキシ基、tert-オクチルオキシ基、n-ノニルオキシ基、イソノニルオキシ基、n-デシルオキシ基、及びイソデシルオキシ基等が挙げられる。また、Rc1がアルコキシ基である場合、アルコキシ基は炭素鎖中にエーテル結合(-O-)を含んでいてもよい。炭素鎖中にエーテル結合を有するアルコキシ基の例としては、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、メトキシエトキシエトキシ基、エトキシエトキシエトキシ基、プロピルオキシエトキシエトキシ基、及びメトキシプロピルオキシ基等が挙げられる。
c1がシクロアルキル基、又はシクロアルコキシ基である場合、炭素原子数3~10が好ましく、炭素原子数3~6がより好ましい。Rc1がシクロアルキル基である場合の具体例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、及びシクロオクチル基等が挙げられる。Rc1がシクロアルコキシ基である場合の具体例としては、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、及びシクロオクチルオキシ基等が挙げられる。
c1が飽和脂肪族アシル基、又は飽和脂肪族アシルオキシ基である場合、炭素原子数2~20が好ましく、炭素原子数2~7がより好ましい。Rc1が飽和脂肪族アシル基である場合の具体例としては、アセチル基、プロパノイル基、n-ブタノイル基、2-メチルプロパノイル基、n-ペンタノイル基、2,2-ジメチルプロパノイル基、n-ヘキサノイル基、n-ヘプタノイル基、n-オクタノイル基、n-ノナノイル基、n-デカノイル基、n-ウンデカノイル基、n-ドデカノイル基、n-トリデカノイル基、n-テトラデカノイル基、n-ペンタデカノイル基、及びn-ヘキサデカノイル基等が挙げられる。Rc1が飽和脂肪族アシルオキシ基である場合の具体例としては、アセチルオキシ基、プロパノイルオキシ基、n-ブタノイルオキシ基、2-メチルプロパノイルオキシ基、n-ペンタノイルオキシ基、2,2-ジメチルプロパノイルオキシ基、n-ヘキサノイルオキシ基、n-ヘプタノイルオキシ基、n-オクタノイルオキシ基、n-ノナノイルオキシ基、n-デカノイルオキシ基、n-ウンデカノイルオキシ基、n-ドデカノイルオキシ基、n-トリデカノイルオキシ基、n-テトラデカノイルオキシ基、n-ペンタデカノイルオキシ基、及びn-ヘキサデカノイルオキシ基等が挙げられる。
c1がアルコキシカルボニル基である場合、炭素原子数2~20が好ましく、炭素原子数2~7がより好ましい。Rc1がアルコキシカルボニル基である場合の具体例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n-プロピルオキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、n-ブチルオキシカルボニル基、イソブチルオキシカルボニル基、sec-ブチルオキシカルボニル基、tert-ブチルオキシカルボニル基、n-ペンチルオキシカルボニル基、イソペンチルオキシカルボニル基、sec-ペンチルオキシカルボニル基、tert-ペンチルオキシカルボニル基、n-ヘキシルオキシカルボニル基、n-ヘプチルオキシカルボニル基、n-オクチルオキシカルボニル基、イソオクチルオキシカルボニル基、sec-オクチルオキシルカルボニル基、tert-オクチルオキシカルボニル基、n-ノニルオキシカルボニル基、イソノニルオキシカルボニル基、n-デシルオキシカルボニル基、及びイソデシルオキシカルボニル基等が挙げられる。
c1がフェニルアルキル基である場合、炭素原子数7~20が好ましく、炭素原子数7~10がより好ましい。またRc1がナフチルアルキル基である場合、炭素原子数11~20が好ましく、炭素原子数11~14がより好ましい。Rc1がフェニルアルキル基である場合の具体例としては、ベンジル基、2-フェニルエチル基、3-フェニルプロピル基、及び4-フェニルブチル基が挙げられる。Rc1がナフチルアルキル基である場合の具体例としては、α-ナフチルメチル基、β-ナフチルメチル基、2-(α-ナフチル)エチル基、及び2-(β-ナフチル)エチル基が挙げられる。Rc1が、フェニルアルキル基、又はナフチルアルキル基である場合、Rc1は、フェニル基、又はナフチル基上にさらに置換基を有していてもよい。
c1がヘテロシクリル基である場合、ヘテロシクリル基は、1以上のN、S、Oを含む5員又は6員の単環であるか、かかる単環同士、又はかかる単環とベンゼン環とが縮合したヘテロシクリル基である。ヘテロシクリル基が縮合環である場合は、環数3までのものとする。かかるヘテロシクリル基を構成する複素環としては、フラン、チオフェン、ピロール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、チアジアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、イソインドール、インドリジン、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、カルバゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、フタラジン、シンノリン、及びキノキサリン等が挙げられる。Rc1がヘテロシクリル基である場合、ヘテロシクリル基はさらに置換基を有していてもよい。
c1が1、又は2の有機基で置換されたアミノ基である場合、有機基の好適な例は、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数3~10のシクロアルキル基、炭素原子数2~20の飽和脂肪族アシル基、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいベンゾイル基、置換基を有してもよい炭素原子数7~20のフェニルアルキル基、置換基を有してもよいナフチル基、置換基を有してもよいナフトイル基、置換基を有してもよい炭素原子数11~20のナフチルアルキル基、及びヘテロシクリル基等が挙げられる。これらの好適な有機基の具体例は、Rc1と同様である。1、又は2の有機基で置換されたアミノ基の具体例としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、n-プロピルアミノ基、ジ-n-プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n-ブチルアミノ基、ジ-n-ブチルアミノ基、n-ペンチルアミノ基、n-ヘキシルアミノ基、n-ヘプチルアミノ基、n-オクチルアミノ基、n-ノニルアミノ基、n-デシルアミノ基、フェニルアミノ基、ナフチルアミノ基、アセチルアミノ基、プロパノイルアミノ基、n-ブタノイルアミノ基、n-ペンタノイルアミノ基、n-ヘキサノイルアミノ基、n-ヘプタノイルアミノ基、n-オクタノイルアミノ基、n-デカノイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、α-ナフトイルアミノ基、及びβ-ナフトイルアミノ基等が挙げられる。
c1に含まれる、フェニル基、ナフチル基、及びヘテロシクリル基がさらに置換基を有する場合の置換基としては、炭素原子数1~6のアルキル基、炭素原子数1~6のアルコキシ基、炭素原子数2~7の飽和脂肪族アシル基、炭素原子数2~7のアルコキシカルボニル基、炭素原子数2~7の飽和脂肪族アシルオキシ基、炭素原子数1~6のアルキル基を有するモノアルキルアミノ基、炭素原子数1~6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、モルホリン-1-イル基、ピペラジン-1-イル基、ハロゲン、ニトロ基、及びシアノ基等が挙げられる。Rc1に含まれる、フェニル基、ナフチル基、及びヘテロシクリル基がさらに置換基を有する場合、その置換基の数は、本発明の目的を阻害しない範囲で限定されないが、1~4が好ましい。Rc1に含まれる、フェニル基、ナフチル基、及びヘテロシクリル基が、複数の置換基を有する場合、複数の置換基は、同一であっても異なっていてもよい。
c1の中では、化学的に安定であることや、立体的な障害が少なく、オキシムエステル化合物の合成が容易であること等から、炭素原子数1~6のアルキル基、炭素原子数1~6のアルコキシ基、及び炭素原子数2~7の飽和脂肪族アシル基からなる群より選択される基が好ましく、炭素原子数1~6のアルキルがより好ましく、メチル基が特に好ましい。
c1がフェニル基に結合する位置は、Rc1が結合するフェニル基について、フェニル基とオキシムエステル化合物の主骨格との結合手の位置を1位とし、メチル基の位置を2位とする場合に、4位、又は5位が好ましく、5位がよりに好ましい。また、n1は、0~3の整数が好ましく、0~2の整数がより好ましく、0、又は1が特に好ましい。
c2は、置換基を有してもよいフェニル基、又は置換基を有してもよいカルバゾリル基である。また、Rc2が置換基を有してもよいカルバゾリル基である場合、カルバゾリル基上の窒素原子は、炭素原子数1~6のアルキル基で置換されていてもよい。
c2において、フェニル基、又はカルバゾリル基が有する置換基は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。フェニル基、又はカルバゾリル基が、炭素原子上に有してもよい好適な置換基の例としては、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数1~20のアルコキシ基、炭素原子数3~10のシクロアルキル基、炭素原子数3~10のシクロアルコキシ基、炭素原子数2~20の飽和脂肪族アシル基、炭素原子数2~20のアルコキシカルボニル基、炭素原子数2~20の飽和脂肪族アシルオキシ基、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいフェノキシ基、置換基を有してもよいフェニルチオ基、置換基を有してもよいベンゾイル基、置換基を有してもよいフェノキシカルボニル基、置換基を有してもよいベンゾイルオキシ基、置換基を有してもよい炭素原子数7~20のフェニルアルキル基、置換基を有してもよいナフチル基、置換基を有してもよいナフトキシ基、置換基を有してもよいナフトイル基、置換基を有してもよいナフトキシカルボニル基、置換基を有してもよいナフトイルオキシ基、置換基を有してもよい炭素原子数11~20のナフチルアルキル基、置換基を有してもよいヘテロシクリル基、置換基を有してもよいヘテロシクリルカルボニル基、アミノ基、1、又は2の有機基で置換されたアミノ基、モルホリン-1-イル基、及びピペラジン-1-イル基、ハロゲン、ニトロ基、及びシアノ基等が挙げられる。
c2がカルバゾリル基である場合、カルバゾリル基が窒素原子上に有してもよい好適な置換基の例としては、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数3~10のシクロアルキル基、炭素原子数2~20の飽和脂肪族アシル基、炭素原子数2~20のアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいベンゾイル基、置換基を有してもよいフェノキシカルボニル基、置換基を有してもよい炭素原子数7~20のフェニルアルキル基、置換基を有してもよいナフチル基、置換基を有してもよいナフトイル基、置換基を有してもよいナフトキシカルボニル基、置換基を有してもよい炭素原子数11~20のナフチルアルキル基、置換基を有してもよいヘテロシクリル基、及び置換基を有してもよいヘテロシクリルカルボニル基等が挙げられる。これらの置換基の中では、炭素原子数1~20のアルキル基が好ましく、炭素原子数1~6のアルキル基がより好ましく、エチル基が特に好ましい。
フェニル基、又はカルバゾリル基が有してもよい置換基の具体例について、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、シクロアルコキシ基、飽和脂肪族アシル基、アルコキシカルボニル基、飽和脂肪族アシルオキシ基、置換基を有してもよいフェニルアルキル基、置換基を有してもよいナフチルアルキル基、置換基を有してもよいヘテロシクリル基、及び1、又は2の有機基で置換されたアミノ基に関しては、Rc1と同様である。
c2において、フェニル基、又はカルバゾリル基が有する置換基に含まれるフェニル基、ナフチル基、及びヘテロシクリル基がさらに置換基を有する場合の置換基の例としては、炭素原子数1~6のアルキル基;炭素原子数1~6のアルコキシ基;炭素原子数2~7の飽和脂肪族アシル基;炭素原子数2~7のアルコキシカルボニル基;炭素原子数2~7の飽和脂肪族アシルオキシ基;フェニル基;ナフチル基;ベンゾイル基;ナフトイル基;炭素原子数1~6のアルキル基、モルホリン-1-イル基、ピペラジン-1-イル基、及びフェニル基からなる群より選択される基により置換されたベンゾイル基;炭素原子数1~6のアルキル基を有するモノアルキルアミノ基;炭素原子数1~6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基;モルホリン-1-イル基;ピペラジン-1-イル基;ハロゲン;ニトロ基;シアノ基が挙げられる。フェニル基、又はカルバゾリル基が有する置換基に含まれるフェニル基、ナフチル基、及びヘテロシクリル基がさらに置換基を有する場合、その置換基の数は、本発明の目的を阻害しない範囲で限定されないが、1~4が好ましい。フェニル基、ナフチル基、及びヘテロシクリル基が、複数の置換基を有する場合、複数の置換基は、同一であっても異なっていてもよい。
c2の中では、感度に優れる光重合開始剤を得やすい点から、下記式(c2)、又は(c3)で表される基が好ましく、下記式(c2)で表される基がより好ましく、下記式(c2)で表される基であって、AがSである基が特に好ましい。
Figure 0007028550000009
(Rc4は、1価の有機基、アミノ基、ハロゲン、ニトロ基、及びシアノ基からなる群より選択される基であり、AはS又はOであり、n3は、0~4の整数である。)
Figure 0007028550000010
(Rc5及びRc6は、それぞれ、1価の有機基である。)
式(c2)におけるRc4が有機基である場合、本発明の目的を阻害しない範囲で、種々の有機基から選択できる。式(c2)においてRc4が有機基である場合の好適な例としては、炭素原子数1~6のアルキル基;炭素原子数1~6のアルコキシ基;炭素原子数2~7の飽和脂肪族アシル基;炭素原子数2~7のアルコキシカルボニル基;炭素原子数2~7の飽和脂肪族アシルオキシ基;フェニル基;ナフチル基;ベンゾイル基;ナフトイル基;炭素原子数1~6のアルキル基、モルホリン-1-イル基、ピペラジン-1-イル基、及びフェニル基からなる群より選択される基により置換されたベンゾイル基;炭素原子数1~6のアルキル基を有するモノアルキルアミノ基;炭素原子数1~6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基;モルホリン-1-イル基;ピペラジン-1-イル基;ハロゲン;ニトロ基;シアノ基が挙げられる。
c4の中では、ベンゾイル基;ナフトイル基;炭素原子数1~6のアルキル基、モルホリン-1-イル基、ピペラジン-1-イル基、及びフェニル基からなる群より選択される基により置換されたベンゾイル基;ニトロ基が好ましく、ベンゾイル基;ナフトイル基;2-メチルフェニルカルボニル基;4-(ピペラジン-1-イル)フェニルカルボニル基;4-(フェニル)フェニルカルボニル基がより好ましい。
また、式(c2)において、n3は、0~3の整数が好ましく、0~2の整数がより好ましく、0、又は1であるのが特に好ましい。n3が1である場合、Rc4の結合する位置は、Rc4が結合するフェニル基が酸素原子又は硫黄原子と結合する結合手に対して、パラ位であるのが好ましい。
式(c3)におけるRc5は、本発明の目的を阻害しない範囲で、種々の有機基から選択できる。Rc5の好適な例としては、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数3~10のシクロアルキル基、炭素原子数2~20の飽和脂肪族アシル基、炭素原子数2~20のアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいベンゾイル基、置換基を有してもよいフェノキシカルボニル基、置換基を有してもよい炭素原子数7~20のフェニルアルキル基、置換基を有してもよいナフチル基、置換基を有してもよいナフトイル基、置換基を有してもよいナフトキシカルボニル基、置換基を有してもよい炭素原子数11~20のナフチルアルキル基、置換基を有してもよいヘテロシクリル基、及び置換基を有してもよいヘテロシクリルカルボニル基等が挙げられる。
c5の中では、炭素原子数1~20のアルキル基が好ましく、炭素原子数1~6のアルキル基がより好ましく、エチル基が特に好ましい。
式(c3)におけるRc6は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、種々の有機基から選択できる。Rc6として好適な基の具体例としては、炭素原子数1~20のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいナフチル基、及び置換基を有してもよいヘテロシクリル基が挙げられる。Rc6として、これらの基の中では置換基を有してもよいフェニル基がより好ましく、2-メチルフェニル基が特に好ましい。
c4、Rc5、又はRc6に含まれる、フェニル基、ナフチル基、及びヘテロシクリル基がさらに置換基を有する場合の置換基としては、炭素原子数1~6のアルキル基、炭素原子数1~6のアルコキシ基、炭素原子数2~7の飽和脂肪族アシル基、炭素原子数2~7のアルコキシカルボニル基、炭素原子数2~7の飽和脂肪族アシルオキシ基、炭素原子数1~6のアルキル基を有するモノアルキルアミノ基、炭素原子数1~6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、モルホリン-1-イル基、ピペラジン-1-イル基、ハロゲン、ニトロ基、及びシアノ基等が挙げられる。Rc4、Rc5、又はRc6に含まれる、フェニル基、ナフチル基、及びヘテロシクリル基がさらに置換基を有する場合、その置換基の数は、本発明の目的を阻害しない範囲で限定されないが、1~4が好ましい。Rc4、Rc5、又はRc6に含まれる、フェニル基、ナフチル基、及びヘテロシクリル基が、複数の置換基を有する場合、複数の置換基は、同一であっても異なっていてもよい。
式(c1)におけるRc3は、水素原子、又は炭素原子数1~6のアルキル基である。Rc3としては、メチル基、又はエチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
式(c1)で表されるオキシムエステル化合物は、pが0である場合、例えば、下記スキーム1に従って合成することができる。具体的には、下記式(c1-1)で表される芳香族化合物を、下記式(c1-2)で表されるハロカルボニル化合物を用いて、フリーデルクラフツ反応によりアシル化して、下記式(c1-3)で表されるケトン化合物を得、得られたケトン化合物(c1-3)を、ヒドロキシルアミンによりオキシム化して下記式(c1-4)で表されるオキシム化合物を得、次いで式(c1-4)のオキシム化合物中のヒドロキシ基をアシル化して、下記式(c1-7)で表されるオキシムエステル化合物を得ることができる。アシル化剤としては、下記式(c1-5)で表される酸無水物((Rc3CO)O)、又は下記式(c1-6)で表される酸ハライド(Rc3COHal、Halはハロゲン。)を用いるのが好ましい。なお、下記式(c1-2)において、Halはハロゲンであり、下記式(c1-1)、(c1-2)、(c1-3)、(c1-4)、及び(c1-7)において、Rc1、Rc2、Rc3、及びn1は、式(c1)と同様である。
<スキーム1>
Figure 0007028550000011
式(c1)で表されるオキシムエステル化合物は、n2が1である場合、例えば、下記スキーム2に従って合成することができる。具体的には、下記式(c2-1)で表されるケトン化合物に、塩酸の存在下に下記式(c2-2)で表される亜硝酸エステル(RONO、Rは炭素原子数1~6のアルキル基。)を反応させて、下記式(c2-3)で表されるケトオキシム化合物を得、次いで、下記式(c2-3)で表されるケトオキシム化合物中のヒドロキシ基をアシル化して、下記式(c2-6)で表されるオキシムエステル化合物を得ることができる。アシル化剤としては、下記式(c2-4)で表される酸無水物((Rc3CO)O)、又は下記式(c2-5)で表される酸ハライド(Rc3COHal、Halはハロゲン。)を用いるのが好ましい。なお、下記式(c2-1)、(c2-3)、(c2-4)、(c2-5)、及び(c2-6)において、Rc1、Rc2、Rc3、及びn1は、式(c1)と同様である。
<スキーム2>
Figure 0007028550000012
また、式(c1)で表されるオキシムエステル化合物は、n2が1であり、Rc1がメチル基であって、Rc1が結合するベンゼン環に結合するメチル基に対して、Rc1がパラ位に結合する場合、例えば、下記式(c2-7)で表される化合物を、スキーム1と同様の方法で、オキシム化、及びアシル化することによって合成することもできる。なお、下記式(c2-7)において、Rc2は、式(c1)と同様である。
Figure 0007028550000013
式(c1)で表されるオキシムエステル化合物の中でも特に好適な化合物としては、下記のPI-1~PI-42が挙げられる。
Figure 0007028550000014
Figure 0007028550000015
Figure 0007028550000016
Figure 0007028550000017
Figure 0007028550000018
Figure 0007028550000019
また、下記式(c4)で表されるオキシムエステル化合物も、光重合開始剤として好ましい。
Figure 0007028550000020
(Rc7は水素原子、ニトロ基又は1価の有機基であり、Rc8及びRc9は、それぞれ、置換基を有してもよい鎖状アルキル基、置換基を有してもよい環状有機基、又は水素原子であり、Rc8とRc9とは相互に結合して環を形成してもよく、Rc10は1価の有機基であり、Rc11は、水素原子、置換基を有してもよい炭素原子数1~11のアルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基であり、n4は0~4の整数であり、n5は0又は1である。)
ここで、式(c4)のオキシムエステル化合物を製造するためのオキシム化合物としては、下式(c5)で表される化合物が好適である。
Figure 0007028550000021
(Rc7、Rc8、Rc9、Rc10、n4、及びn5は、式(c4)と同様である。)
式(c4)及び(c5)中、Rc7は、水素原子、ニトロ基又は1価の有機基である。Rc7は、式(c4)中のフルオレン環上で、-(CO)n5-で表される基に結合する6員芳香環とは、異なる6員芳香環に結合する。式(c4)中、Rc7のフルオレン環に対する結合位置は特に限定されない。式(c4)で表される化合物が1以上のRc7を有する場合、式(c4)で表される化合物の合成が容易であること等から、1以上のRc7のうちの1つがフルオレン環中の2位に結合するのが好ましい。Rc7が複数である場合、複数のRc7は同一であっても異なっていてもよい。
c7が有機基である場合、Rc7は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、種々の有機基から適宜選択される。Rc7が有機基である場合の好適な例としては、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、シクロアルコキシ基、飽和脂肪族アシル基、飽和脂肪族アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいフェノキシ基、置換基を有してもよいベンゾイル基、置換基を有してもよいフェノキシカルボニル基、置換基を有してもよいベンゾイルオキシ基、置換基を有してもよいフェニルアルキル基、置換基を有してもよいナフチル基、置換基を有してもよいナフトキシ基、置換基を有してもよいナフトイル基、置換基を有してもよいナフトキシカルボニル基、置換基を有してもよいナフトイルオキシ基、置換基を有してもよいナフチルアルキル基、置換基を有してもよいヘテロシクリル基、置換基を有してもよいヘテロシクリルカルボニル基、1、又は2の有機基で置換されたアミノ基、モルホリン-1-イル基、及びピペラジン-1-イル基等が挙げられる。
c7がアルキル基である場合、アルキル基の炭素原子数は、1~20が好ましく、1~6がより好ましい。また、Rc7がアルキル基である場合、直鎖であっても、分岐鎖であってもよい。Rc7がアルキル基である場合の具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、n-デシル基、及びイソデシル基等が挙げられる。また、Rc7がアルキル基である場合、アルキル基は炭素鎖中にエーテル結合(-O-)を含んでいてもよい。炭素鎖中にエーテル結合を有するアルキル基の例としては、メトキシエチル基、エトキシエチル基、メトキシエトキシエチル基、エトキシエトキシエチル基、プロピルオキシエトキシエチル基、及びメトキシプロピル基等が挙げられる。
c7がアルコキシ基である場合、アルコキシ基の炭素原子数は、1~20が好ましく、1~6がより好ましい。また、Rc7がアルコキシ基である場合、直鎖であっても、分岐鎖であってもよい。Rc7がアルコキシ基である場合の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n-ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、sec-ブチルオキシ基、tert-ブチルオキシ基、n-ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、sec-ペンチルオキシ基、tert-ペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、n-ヘプチルオキシ基、n-オクチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec-オクチルオキシ基、tert-オクチルオキシ基、n-ノニルオキシ基、イソノニルオキシ基、n-デシルオキシ基、及びイソデシルオキシ基等が挙げられる。また、Rc7がアルコキシ基である場合、アルコキシ基は炭素鎖中にエーテル結合(-O-)を含んでいてもよい。炭素鎖中にエーテル結合を有するアルコキシ基の例としては、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、メトキシエトキシエトキシ基、エトキシエトキシエトキシ基、プロピルオキシエトキシエトキシ基、及びメトキシプロピルオキシ基等が挙げられる。
c7がシクロアルキル基又はシクロアルコキシ基である場合、シクロアルキル基又はシクロアルコキシ基の炭素原子数は、3~10が好ましく、3~6がより好ましい。Rc7がシクロアルキル基である場合の具体例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、及びシクロオクチル基等が挙げられる。Rc7がシクロアルコキシ基である場合の具体例としては、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、及びシクロオクチルオキシ基等が挙げられる。
c7が飽和脂肪族アシル基又は飽和脂肪族アシルオキシ基である場合、飽和脂肪族アシル基又は飽和脂肪族アシルオキシ基の炭素原子数は、2~21が好ましく、2~7がより好ましい。Rc7が飽和脂肪族アシル基である場合の具体例としては、アセチル基、プロパノイル基、n-ブタノイル基、2-メチルプロパノイル基、n-ペンタノイル基、2,2-ジメチルプロパノイル基、n-ヘキサノイル基、n-ヘプタノイル基、n-オクタノイル基、n-ノナノイル基、n-デカノイル基、n-ウンデカノイル基、n-ドデカノイル基、n-トリデカノイル基、n-テトラデカノイル基、n-ペンタデカノイル基、及びn-ヘキサデカノイル基等が挙げられる。Rc7が飽和脂肪族アシルオキシ基である場合の具体例としては、アセチルオキシ基、プロパノイルオキシ基、n-ブタノイルオキシ基、2-メチルプロパノイルオキシ基、n-ペンタノイルオキシ基、2,2-ジメチルプロパノイルオキシ基、n-ヘキサノイルオキシ基、n-ヘプタノイルオキシ基、n-オクタノイルオキシ基、n-ノナノイルオキシ基、n-デカノイルオキシ基、n-ウンデカノイルオキシ基、n-ドデカノイルオキシ基、n-トリデカノイルオキシ基、n-テトラデカノイルオキシ基、n-ペンタデカノイルオキシ基、及びn-ヘキサデカノイルオキシ基等が挙げられる。
c7がアルコキシカルボニル基である場合、アルコキシカルボニル基の炭素原子数は、2~20が好ましく、2~7がより好ましい。Rc7がアルコキシカルボニル基である場合の具体例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n-プロピルオキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、n-ブチルオキシカルボニル基、イソブチルオキシカルボニル基、sec-ブチルオキシカルボニル基、tert-ブチルオキシカルボニル基、n-ペンチルオキシカルボニル基、イソペンチルオキシカルボニル基、sec-ペンチルオキシカルボニル基、tert-ペンチルオキシカルボニル基、n-ヘキシルオキシカルボニル基、n-ヘプチルオキシカルボニル基、n-オクチルオキシカルボニル基、イソオクチルオキシカルボニル基、sec-オクチルオキシカルボニル基、tert-オクチルオキシカルボニル基、n-ノニルオキシカルボニル基、イソノニルオキシカルボニル基、n-デシルオキシカルボニル基、及びイソデシルオキシカルボニル基等が挙げられる。
c7がフェニルアルキル基である場合、フェニルアルキル基の炭素原子数は、7~20が好ましく、7~10がより好ましい。また、Rc7がナフチルアルキル基である場合、ナフチルアルキル基の炭素原子数は、11~20が好ましく、11~14がより好ましい。Rc7がフェニルアルキル基である場合の具体例としては、ベンジル基、2-フェニルエチル基、3-フェニルプロピル基、及び4-フェニルブチル基が挙げられる。Rc7がナフチルアルキル基である場合の具体例としては、α-ナフチルメチル基、β-ナフチルメチル基、2-(α-ナフチル)エチル基、及び2-(β-ナフチル)エチル基が挙げられる。Rc7が、フェニルアルキル基、又はナフチルアルキル基である場合、Rc7は、フェニル基、又はナフチル基上にさらに置換基を有していてもよい。
c7がヘテロシクリル基である場合、ヘテロシクリル基は、1以上のN、S、Oを含む5員又は6員の単環であるか、かかる単環同士、又はかかる単環とベンゼン環とが縮合したヘテロシクリル基である。ヘテロシクリル基が縮合環である場合は、環数3までのものとする。ヘテロシクリル基は、芳香族基(ヘテロアリール基)であっても、非芳香族基であってもよい。かかるヘテロシクリル基を構成する複素環としては、フラン、チオフェン、ピロール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、チアジアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、イソインドール、インドリジン、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、カルバゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、フタラジン、シンノリン、キノキサリン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ピペリジン、テトラヒドロピラン、及びテトラヒドロフラン等が挙げられる。Rc7がヘテロシクリル基である場合、ヘテロシクリル基はさらに置換基を有していてもよい。
c7がヘテロシクリルカルボニル基である場合、ヘテロシクリルカルボニル基に含まれるヘテロシクリル基は、Rc7がヘテロシクリル基である場合と同様である。
c7が1又は2の有機基で置換されたアミノ基である場合、有機基の好適な例は、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数3~10のシクロアルキル基、炭素原子数2~21の飽和脂肪族アシル基、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいベンゾイル基、置換基を有してもよい炭素原子数7~20のフェニルアルキル基、置換基を有してもよいナフチル基、置換基を有してもよいナフトイル基、置換基を有してもよい炭素原子数11~20のナフチルアルキル基、及びヘテロシクリル基等が挙げられる。これらの好適な有機基の具体例は、Rc7と同様である。1、又は2の有機基で置換されたアミノ基の具体例としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、n-プロピルアミノ基、ジ-n-プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n-ブチルアミノ基、ジ-n-ブチルアミノ基、n-ペンチルアミノ基、n-ヘキシルアミノ基、n-ヘプチルアミノ基、n-オクチルアミノ基、n-ノニルアミノ基、n-デシルアミノ基、フェニルアミノ基、ナフチルアミノ基、アセチルアミノ基、プロパノイルアミノ基、n-ブタノイルアミノ基、n-ペンタノイルアミノ基、n-ヘキサノイルアミノ基、n-ヘプタノイルアミノ基、n-オクタノイルアミノ基、n-デカノイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、α-ナフトイルアミノ基、及びβ-ナフトイルアミノ基等が挙げられる。
c7に含まれる、フェニル基、ナフチル基、及びヘテロシクリル基がさらに置換基を有する場合の置換基としては、炭素原子数1~6のアルキル基、炭素原子数1~6のアルコキシ基、炭素原子数2~7の飽和脂肪族アシル基、炭素原子数2~7のアルコキシカルボニル基、炭素原子数2~7の飽和脂肪族アシルオキシ基、炭素原子数1~6のアルキル基を有するモノアルキルアミノ基、炭素原子数1~6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、モルホリン-1-イル基、ピペラジン-1-イル基、ハロゲン、ニトロ基、及びシアノ基等が挙げられる。Rc7に含まれる、フェニル基、ナフチル基、及びヘテロシクリル基がさらに置換基を有する場合、その置換基の数は、本発明の目的を阻害しない範囲で限定されないが、1~4が好ましい。Rc7に含まれる、フェニル基、ナフチル基、及びヘテロシクリル基が、複数の置換基を有する場合、複数の置換基は、同一であっても異なっていてもよい。
以上説明した基の中でも、Rc7としては、ニトロ基、又はRc12-CO-で表される基であると、感度が向上する傾向があり好ましい。Rc12は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、種々の有機基から選択できる。Rc12として好適な基の例としては、炭素原子数1~20のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいナフチル基、及び置換基を有してもよいヘテロシクリル基が挙げられる。Rc12として、これらの基の中では、2-メチルフェニル基、チオフェン-2-イル基、及びα-ナフチル基が特に好ましい。
また、Rc7が水素原子であると、透明性が良好となる傾向があり好ましい。なお、Rc7が水素原子であり且つRc10が後述の式(c4a)又は(c4b)で表される基であると透明性はより良好となる傾向がある。
式(c4)中、Rc8及びRc9は、それぞれ、置換基を有してもよい鎖状アルキル基、置換基を有してもよい環状有機基、又は水素原子である。Rc8とRc9とは相互に結合して環を形成してもよい。これらの基の中では、Rc8及びRc9として、置換基を有してもよい鎖状アルキル基が好ましい。Rc8及びRc9が置換基を有してもよい鎖状アルキル基である場合、鎖状アルキル基は直鎖アルキル基でも分岐鎖アルキル基でもよい。
c8及びRc9が置換基を持たない鎖状アルキル基である場合、鎖状アルキル基の炭素原子数は、1~20が好ましく、1~10がより好ましく、1~6が特に好ましい。Rc8及びRc9が鎖状アルキル基である場合の具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、n-デシル基、及びイソデシル基等が挙げられる。また、Rc8及びRc9がアルキル基である場合、アルキル基は炭素鎖中にエーテル結合(-O-)を含んでいてもよい。炭素鎖中にエーテル結合を有するアルキル基の例としては、メトキシエチル基、エトキシエチル基、メトキシエトキシエチル基、エトキシエトキシエチル基、プロピルオキシエトキシエチル基、及びメトキシプロピル基等が挙げられる。
c8及びRc9が置換基を有する鎖状アルキル基である場合、鎖状アルキル基の炭素原子数は、1~20が好ましく、1~10がより好ましく、1~6が特に好ましい。この場合、置換基の炭素原子数は、鎖状アルキル基の炭素原子数に含まれない。置換基を有する鎖状アルキル基は、直鎖状であるのが好ましい。
アルキル基が有してもよい置換基は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。置換基の好適な例としては、シアノ基、ハロゲン原子、環状有機基、及びアルコキシカルボニル基が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。これらの中では、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が好ましい。環状有機基としては、シクロアルキル基、芳香族炭化水素基、ヘテロシクリル基が挙げられる。シクロアルキル基の具体例としては、Rc7がシクロアルキル基である場合の好適な例と同様である。芳香族炭化水素基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、アントリル基、及びフェナントリル基等が挙げられる。ヘテロシクリル基の具体例としては、Rc7がヘテロシクリル基である場合の好適な例と同様である。Rc7がアルコキシカルボニル基である場合、アルコキシカルボニル基に含まれるアルコキシ基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、直鎖状が好ましい。アルコキシカルボニル基に含まれるアルコキシ基の炭素原子数は、1~10が好ましく、1~6がより好ましい。
鎖状アルキル基が置換基を有する場合、置換基の数は特に限定されない。好ましい置換基の数は鎖状アルキル基の炭素原子数に応じて変わる。置換基の数は、典型的には、1~20であり、1~10が好ましく、1~6がより好ましい。
c8及びRc9が環状有機基である場合、環状有機基は、脂環式基であっても、芳香族基であってもよい。環状有機基としては、脂肪族環状炭化水素基、芳香族炭化水素基、ヘテロシクリル基が挙げられる。Rc8及びRc9が環状有機基である場合に、環状有機基が有してもよい置換基は、Rc8及びRc9が鎖状アルキル基である場合と同様である。
c8及びRc9が芳香族炭化水素基である場合、芳香族炭化水素基は、フェニル基であるか、複数のベンゼン環が炭素-炭素結合を介して結合して形成される基であるか、複数のベンゼン環が縮合して形成される基であるのが好ましい。芳香族炭化水素基が、フェニル基であるか、複数のベンゼン環が結合又は縮合して形成される基である場合、芳香族炭化水素基に含まれるベンゼン環の環数は特に限定されず、3以下が好ましく、2以下がより好ましく、1が特に好ましい。芳香族炭化水素基の好ましい具体例としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、アントリル基、及びフェナントリル基等が挙げられる。
c8及びRc9が脂肪族環状炭化水素基である場合、脂肪族環状炭化水素基は、単環式であっても多環式であってもよい。脂肪族環状炭化水素基の炭素原子数は特に限定されないが、3~20が好ましく、3~10がより好ましい。単環式の環状炭化水素基の例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、トリシクロノニル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基、及びアダマンチル基等が挙げられる。
c8及びRc9がヘテロシクリル基である場合、ヘテロシクリル基は、1以上のN、S、Oを含む5員又は6員の単環であるか、かかる単環同士、又はかかる単環とベンゼン環とが縮合したヘテロシクリル基である。ヘテロシクリル基が縮合環である場合は、環数3までのものとする。ヘテロシクリル基は、芳香族基(ヘテロアリール基)であっても、非芳香族基であってもよい。かかるヘテロシクリル基を構成する複素環としては、フラン、チオフェン、ピロール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、チアジアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、イソインドール、インドリジン、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、カルバゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、フタラジン、シンノリン、キノキサリン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ピペリジン、テトラヒドロピラン、及びテトラヒドロフラン等が挙げられる。
c8とRc9とは相互に結合して環を形成してもよい。Rc8とRc9とが形成する環からなる基は、シクロアルキリデン基であるのが好ましい。Rc8とRc9とが結合してシクロアルキリデン基を形成する場合、シクロアルキリデン基を構成する環は、5員環~6員環であるのが好ましく、5員環であるのがより好ましい。
c8とRc9とが結合して形成する基がシクロアルキリデン基である場合、シクロアルキリデン基は、1以上の他の環と縮合していてもよい。シクロアルキリデン基と縮合していてもよい環の例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、ピリジン環、ピラジン環、及びピリミジン環等が挙げられる。
以上説明したRc8及びRc9の中でも好適な基の例としては、式-A-Aで表される基が挙げられる。式中、Aは直鎖アルキレン基であり、Aは、アルコキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、環状有機基、又はアルコキシカルボニル基である挙げられる。
の直鎖アルキレン基の炭素原子数は、1~10が好ましく、1~6がより好ましい。Aがアルコキシ基である場合、アルコキシ基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、直鎖状が好ましい。アルコキシ基の炭素原子数は、1~10が好ましく、1~6がより好ましい。Aがハロゲン原子である場合、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましく、フッ素原子、塩素原子、臭素原子がより好ましい。Aがハロゲン化アルキル基である場合、ハロゲン化アルキル基に含まれるハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましく、フッ素原子、塩素原子、臭素原子がより好ましい。ハロゲン化アルキル基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、直鎖状が好ましい。Aが環状有機基である場合、環状有機基の例は、Rc8及びRc9が置換基として有する環状有機基と同様である。Aがアルコキシカルボニル基である場合、アルコキシカルボニル基の例は、Rc8及びRc9が置換基として有するアルコキシカルボニル基と同様である。
c8及びRc9の好適な具体例としては、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、及びn-オクチル基等のアルキル基;2-メトキシエチル基、3-メトキシ-n-プロピル基、4-メトキシ-n-ブチル基、5-メトキシ-n-ペンチル基、6-メトキシ-n-ヘキシル基、7-メトキシ-n-ヘプチル基、8-メトキシ-n-オクチル基、2-エトキシエチル基、3-エトキシ-n-プロピル基、4-エトキシ-n-ブチル基、5-エトキシ-n-ペンチル基、6-エトキシ-n-ヘキシル基、7-エトキシ-n-ヘプチル基、及び8-エトキシ-n-オクチル基等のアルコキシアルキル基;2-シアノエチル基、3-シアノ-n-プロピル基、4-シアノ-n-ブチル基、5-シアノ-n-ペンチル基、6-シアノ-n-ヘキシル基、7-シアノ-n-ヘプチル基、及び8-シアノ-n-オクチル基等のシアノアルキル基;2-フェニルエチル基、3-フェニル-n-プロピル基、4-フェニル-n-ブチル基、5-フェニル-n-ペンチル基、6-フェニル-n-ヘキシル基、7-フェニル-n-ヘプチル基、及び8-フェニル-n-オクチル基等のフェニルアルキル基;2-シクロヘキシルエチル基、3-シクロヘキシル-n-プロピル基、4-シクロヘキシル-n-ブチル基、5-シクロヘキシル-n-ペンチル基、6-シクロヘキシル-n-ヘキシル基、7-シクロヘキシル-n-ヘプチル基、8-シクロヘキシル-n-オクチル基、2-シクロペンチルエチル基、3-シクロペンチル-n-プロピル基、4-シクロペンチル-n-ブチル基、5-シクロペンチル-n-ペンチル基、6-シクロペンチル-n-ヘキシル基、7-シクロペンチル-n-ヘプチル基、及び8-シクロペンチル-n-オクチル基等のシクロアルキルアルキル基;2-メトキシカルボニルエチル基、3-メトキシカルボニル-n-プロピル基、4-メトキシカルボニル-n-ブチル基、5-メトキシカルボニル-n-ペンチル基、6-メトキシカルボニル-n-ヘキシル基、7-メトキシカルボニル-n-ヘプチル基、8-メトキシカルボニル-n-オクチル基、2-エトキシカルボニルエチル基、3-エトキシカルボニル-n-プロピル基、4-エトキシカルボニル-n-ブチル基、5-エトキシカルボニル-n-ペンチル基、6-エトキシカルボニル-n-ヘキシル基、7-エトキシカルボニル-n-ヘプチル基、及び8-エトキシカルボニル-n-オクチル基等のアルコキシカルボニルアルキル基;2-クロロエチル基、3-クロロ-n-プロピル基、4-クロロ-n-ブチル基、5-クロロ-n-ペンチル基、6-クロロ-n-ヘキシル基、7-クロロ-n-ヘプチル基、8-クロロ-n-オクチル基、2-ブロモエチル基、3-ブロモ-n-プロピル基、4-ブロモ-n-ブチル基、5-ブロモ-n-ペンチル基、6-ブロモ-n-ヘキシル基、7-ブロモ-n-ヘプチル基、8-ブロモ-n-オクチル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、及び3,3,4,4,5,5,5-ヘプタフルオロ-n-ペンチル基等のハロゲン化アルキル基が挙げられる。
c8及びRc9として、上記の中でも好適な基は、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、2-メトキシエチル基、2-シアノエチル基、2-フェニルエチル基、2-シクロヘキシルエチル基、2-メトキシカルボニルエチル基、2-クロロエチル基、2-ブロモエチル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、及び3,3,4,4,5,5,5-ヘプタフルオロ-n-ペンチル基である。
c10の好適な有機基の例としては、Rc7と同様に、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、シクロアルコキシ基、飽和脂肪族アシル基、アルコキシカルボニル基、飽和脂肪族アシルオキシ基、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいフェノキシ基、置換基を有してもよいベンゾイル基、置換基を有してもよいフェノキシカルボニル基、置換基を有してもよいベンゾイルオキシ基、置換基を有してもよいフェニルアルキル基、置換基を有してもよいナフチル基、置換基を有してもよいナフトキシ基、置換基を有してもよいナフトイル基、置換基を有してもよいナフトキシカルボニル基、置換基を有してもよいナフトイルオキシ基、置換基を有してもよいナフチルアルキル基、置換基を有してもよいヘテロシクリル基、置換基を有してもよいヘテロシクリルカルボニル基、1、又は2の有機基で置換されたアミノ基、モルホリン-1-イル基、及びピペラジン-1-イル基等が挙げられる。これらの基の具体例は、Rc7について説明したものと同様である。また、Rc10としてはシクロアルキルアルキル基、芳香環上に置換基を有していてもよいフェノキシアルキル基、芳香環上に置換基を有していてもよいフェニルチオアルキル基、も好ましい。フェノキシアルキル基、及びフェニルチオアルキル基が有していてもよい置換基は、Rc7に含まれるフェニル基が有していてもよい置換基と同様である。
有機基の中でも、Rc10としては、アルキル基、シクロアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、又はシクロアルキルアルキル基、芳香環上に置換基を有していてもよいフェニルチオアルキル基が好ましい。アルキル基としては、炭素原子数1~20のアルキル基が好ましく、炭素原子数1~8のアルキル基がより好ましく、炭素原子数1~4のアルキル基が特に好ましく、メチル基が最も好ましい。置換基を有していてもよいフェニル基の中では、メチルフェニル基が好ましく、2-メチルフェニル基がより好ましい。シクロアルキルアルキル基に含まれるシクロアルキル基の炭素原子数は、5~10が好ましく、5~8がより好ましく、5又は6が特に好ましい。シクロアルキルアルキル基に含まれるアルキレン基の炭素原子数は、1~8が好ましく、1~4がより好ましく、2が特に好ましい。シクロアルキルアルキル基の中では、シクロペンチルエチル基が好ましい。芳香環上に置換基を有していてもよいフェニルチオアルキル基に含まれるアルキレン基の炭素原子数は、1~8が好ましく、1~4がより好ましく、2が特に好ましい。芳香環上に置換基を有していてもよいフェニルチオアルキル基の中では、2-(4-クロロフェニルチオ)エチル基が好ましい。
また、Rc10としては、-A-CO-O-Aで表される基も好ましい。Aは、2価の有機基であり、2価の炭化水素基であるのが好ましく、アルキレン基であるのが好ましい。Aは、1価の有機基であり、1価の炭化水素基であるのが好ましい。
がアルキレン基である場合、アルキレン基は直鎖状でも分岐鎖状でもよく、直鎖状が好ましい。Aがアルキレン基である場合、アルキレン基の炭素原子数は1~10が好ましく、1~6がより好ましく、1~4が特に好ましい。
の好適な例としては、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数7~20のアラルキル基、及び炭素原子数6~20の芳香族炭化水素基が挙げられる。Aの好適な具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、フェニル基、ナフチル基、ベンジル基、フェネチル基、α-ナフチルメチル基、及びβ-ナフチルメチル基等が挙げられる。
-A-CO-O-Aで表される基の好適な具体例としては、2-メトキシカルボニルエチル基、2-エトキシカルボニルエチル基、2-n-プロピルオキシカルボニルエチル基、2-n-ブチルオキシカルボニルエチル基、2-n-ペンチルオキシカルボニルエチル基、2-n-ヘキシルオキシカルボニルエチル基、2-ベンジルオキシカルボニルエチル基、2-フェノキシカルボニルエチル基、3-メトキシカルボニル-n-プロピル基、3-エトキシカルボニル-n-プロピル基、3-n-プロピルオキシカルボニル-n-プロピル基、3-n-ブチルオキシカルボニル-n-プロピル基、3-n-ペンチルオキシカルボニル-n-プロピル基、3-n-ヘキシルオキシカルボニル-n-プロピル基、3-ベンジルオキシカルボニル-n-プロピル基、及び3-フェノキシカルボニル-n-プロピル基等が挙げられる。
以上、Rc10について説明したが、Rc10としては、下記式(c4a)又は(c4b)で表される基が好ましい。
Figure 0007028550000022
(式(c4a)及び(c4b)中、Rc13及びRc14はそれぞれ有機基であり、n6は0~4の整数であり、Rc13及びRがベンゼン環上の隣接する位置に存在する場合、Rc13とRc14とが互いに結合して環を形成してもよく、n7は1~8の整数であり、n8は1~5の整数であり、n9は0~(n8+3)の整数であり、Rc15は有機基である。)
式(c4a)中のRc13及びRc14についての有機基の例は、Rc7と同様である。Rc13としては、アルキル基又はフェニル基が好ましい。Rc13がアルキル基である場合、その炭素原子数は、1~10が好ましく、1~5がより好ましく、1~3が特に好ましく、1が最も好ましい。つまり、Rc13はメチル基であるのが最も好ましい。Rc13とRc14とが結合して環を形成する場合、当該環は、芳香族環でもよく、脂肪族環でもよい。式(c4a)で表される基であって、Rc13とRc14とが環を形成している基の好適な例としては、ナフタレン-1-イル基や、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-5-イル基等が挙げられる。上記式(c4a)中、n6は0~4の整数であり、0又は1であるのが好ましく、0であるのがより好ましい。
上記式(c4b)中、Rc15は有機基である。有機基としては、Rc7について説明した有機基と同様の基が挙げられる。有機基の中では、アルキル基が好ましい。アルキル基は直鎖状でも分岐鎖状でもよい。アルキル基の炭素原子数は1~10が好ましく、1~5がより好ましく、1~3が特に好ましい。Rc15としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等が好ましく例示され、これらの中でも、メチル基であることがより好ましい。
上記式(c4b)中、n8は1~5の整数であり、1~3の整数が好ましく、1又は2がより好ましい。上記式(c4b)中、n9は0~(n8+3)であり、0~3の整数が好ましく、0~2の整数がより好ましく、0が特に好ましい。上記式(c4b)中、n7は1~8の整数であり、1~5の整数が好ましく、1~3の整数がより好ましく、1又は2が特に好ましい。
式(c4)中、Rc11は、水素原子、置換基を有してもよい炭素原子数1~11のアルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基である。Rc11がアルキル基である場合に有してもよい置換基としては、フェニル基、ナフチル基等が好ましく例示される。また、Rc7がアリール基である場合に有してもよい置換基としては、炭素原子数1~5のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等が好ましく例示される。
式(c4)中、Rc11としては、水素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、フェニル基、ベンジル基、メチルフェニル基、ナフチル基等が好ましく例示され、これらの中でも、メチル基又はフェニル基がより好ましい。
式(c4)で表される化合物は、前述の式(c5)で表される化合物に含まれるオキシム基(>C=N-OH)を、>C=N-O-CORc11で表されるオキシムエステル基に変換する工程を含む方法により製造される。Rc11は、式(c4)中のRc11と同様である。
オキシム基(>C=N-OH)の、>C=N-O-CORc11で表されるオキシムエステル基への変換は、前述の式(c5)で表される化合物と、アシル化剤とを反応させることにより行われる。
-CORc11で表されるアシル基を与えるアシル化剤としては、(Rc11CO)Oで表される酸無水物や、Rc11COHal(Halはハロゲン原子)で表される酸ハライドが挙げられる。
一般式(c4)で表される化合物は、n5が0である場合、例えば、下記スキーム3に従って合成することができる。スキーム3では、下記式(c3-1)で表されるフルオレン誘導体を原料として用いる。Rc7がニトロ基又は1価の有機基である場合、式(c3-1)で表されるフルオレン誘導体は、9位をRc8及びRc9で置換されたフルオレン誘導体に、周知の方法によって、置換基Rc7を導入して得ることができる。9位をRc8及びRc9で置換されたフルオレン誘導体は、例えば、Rc8及びRc9がアルキル基である場合、特開平06-234668号公報に記載されるように、アルカリ金属水酸化物の存在下に、非プロトン性極性有機溶媒中で、フルオレンとアルキル化剤とを反応させて得ることができる。また、フルオレンの有機溶媒溶液中に、ハロゲン化アルキルのようなアルキル化剤と、アルカリ金属水酸化物の水溶液と、ヨウ化テトラブチルアンモニウムやカリウムtert-ブトキシドのような相間移動触媒とを添加してアルキル化反応を行うことで、9,9-アルキル置換フルオレンを得ることができる。
式(c3-1)で表されるフルオレン誘導体に、フリーデルクラフツアシル化反応により、-CO-Rc10で表されるアシル基を導入し、式(c3-3)で表されるフルオレン誘導体が得られる。を、-CO-Rc10で表されるアシル基を導入するためのアシル化剤は、ハロカルボニル化合物であってもよく、酸無水物であってもよい。アシル化剤としては、式(c3-2)で表されるハロカルボニル化合物が好ましい。式(c3-2)中、Halはハロゲン原子である。フルオレン環上にアシル基が導入される位置は、フリーデルクラフツ反応の条件を適宜変更したり、アシル化される位置の他の位置に保護及び脱保護を施したりする方法で、選択することができる。
次いで、得られる式(c3-3)で表されるフルオレン誘導体中の-CO-Rc10で表される基を、-C(=N-OH)-Rc10で表される基に変換し、式(c3-4)で表されるオキシム化合物を得る。-CO-Rc10で表される基を、-C(=N-OH)-Rc10で表される基に変換する方法は特に限定されないが、ヒドロキシルアミンによるオキシム化が好ましい。式(c3-4)のオキシム化合物と、下式(c3-5)で表される酸無水物((Rc11CO)O)、又は下記式(c3-6)で表される酸ハライド(Rc11COHal、Halはハロゲン原子。)とを反応させて、下記式(c3-7)で表される化合物を得ることができる。
なお、式(c3-1)、(c3-2)、(c3-3)、(c3-4)、(c3-5)、(c3-6)、及び(c3-7)において、Rc7、Rc8、Rc9、Rc10、及びRc11は、式(c4)と同様である。
また、スキーム3において、式(c3-2)、式(c3-3)、及び式(c3-4)それぞれに含まれるRc10は、同一であっても異なってもいてもよい。つまり、式(c3-2)、式(c3-3)、及び式(c3-4)中のRc10は、スキーム3として示される合成過程において、化学修飾を受けてもよい。化学修飾の例としては、エステル化、エーテル化、アシル化、アミド化、ハロゲン化、アミノ基中の水素原子の有機基による置換等が挙げられる。Rc10が受けてもよい化学修飾はこれらに限定されない。
<スキーム3>
Figure 0007028550000023
式(c4)で表される化合物は、n5が1である場合、例えば、下記スキーム4に従って合成することができる。スキーム4では、下記式(c4-1)で表されるフルオレン誘導体を原料として用いる。式(c4-1)で表されるフルオレン誘導体は、スキーム3と同様の方法によって、式(c3-1)で表される化合物に、フリーデルクラフツ反応によって-CO-CH-Rc10で表されるアシル基を導入して得られる。アシル化剤としては、式(c3-8):Hal-CO-CH-Rc10で表されるカルボン酸ハライドが好ましい。次いで、式(c4-1)で表される化合物中の、Rc10とカルボニル基との間に存在するメチレン基をオキシム化して、下式(c4-3)で表されるケトオキシム化合物を得る。メチレン基をオキシム化する方法は特に限定されないが、塩酸の存在下に下記一般式(c4-2)で表される亜硝酸エステル(RONO、Rは炭素原子数1~6のアルキル基。)を反応させる方法が好ましい。次いで、下記式(c4-3)で表されるケトオキシム化合物と、下記式(c4-4)で表される酸無水物(Rc11CO)O)、又は下記式(c4-5)で表される酸ハライド(Rc11COHal、Halはハロゲン原子。)とを反応させて、下記式(c4-6)で表される化合物を得ることができる。なお、下記式(c4-1)、(c4-3)、(c4-4)、(c4-5)、及び(c4-6)において、Rc7、Rc8、Rc9、Rc10、及びRc11は、式(c4)と同様である。
n5が1である場合、式(c4)で表される化合物を含有する感光性樹脂組成物を用いて形成されるパターン中での異物の発生をより低減できる傾向がある。
また、スキーム4において、式(c3-8)、式(c4-1)、及び式(c4-3)それぞれに含まれるRc10は、同一であっても異なってもいてもよい。つまり、式(c3-8)、式(c4-1)、及び式(c4-3)中のRc10は、スキーム4として示される合成過程において、化学修飾を受けてもよい。化学修飾の例としては、エステル化、エーテル化、アシル化、アミド化、ハロゲン化、アミノ基中の水素原子の有機基による置換等が挙げられる。Rc10が受けてもよい化学修飾はこれらに限定されない。
<スキーム4>
Figure 0007028550000024
式(c4)で表される化合物の好適な具体例としては、以下のPI-43~PI-83が挙げられる。
Figure 0007028550000025
Figure 0007028550000026
光重合開始剤(C)の含有量は、後述する有機溶剤(S)の質量を除いた感光性樹脂組成物の質量に対して0.5~30質量%であることが好ましく、1~20質量%であることがより好ましい。光重合開始剤(C)の含有量を上記の範囲とすることにより、硬化性が良好であり、パターン形状の不良が生じにくい感光性樹脂組成物を得ることができる。
光重合開始剤(C)として、オキシム系エステル化合物と、オキシムエステル化合物以外の他の光重合開始剤とを併用する場合、光重合開始剤(C)の質量に対するオキシムエステル化合物の質量の比率は、50質量%以下が好ましく、1質量%以上50質量%以下がより好ましく、3質量%以上30質量%以下が特に好ましく、5質量%以上20質量%以下が最も好ましい。
光重合開始剤(C)にかかる範囲内の量のオキシムエステル化合物を含有させる場合、特に、所望する幅よりも広い幅を有するパターン化された硬化膜が形成されにくい。
光重合開始剤(C)に、光開始助剤を組み合わせてもよい。光開始助剤としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4-ジメチルアミノ安息香酸メチル、4-ジメチルアミノ安息香酸エチル、4-ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4-ジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシル、安息香酸2-ジメチルアミノエチル、N,N-ジメチルパラトルイジン、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、9,10-ジメトキシアントラセン、2-エチル-9,10-ジメトキシアントラセン、9,10-ジエトキシアントラセン、2-エチル-9,10-ジエトキシアントラセン、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-メルカプトベンゾオキサゾール、2-メルカプトベンゾイミダゾール、2-メルカプト-5-メトキシベンゾチアゾール、3-メルカプトプロピオン酸、3-メルカプトプロピオン酸メチル、ペンタエリストールテトラメルカプトアセテート、3-メルカプトプロピオネート等のチオール化合物等が挙げられる。これらの光開始助剤は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
<重合禁止剤(D)>
感光性樹脂組成物は、分子量230~1500であるヒンダードフェノール系化合物を含有する重合禁止剤(D)を含む。
理由は不明であるが、感光性樹脂組成物が上記の所定の範囲内の分子量を有するヒンダードフェノール系化合物を重合禁止剤(D)として含有することにより、幅広い露光量において、残渣を生じることなく、形状の良好なパターンを所望の寸法で形成しやすい。
なお、重合禁止剤(D)の分子量が過小であると、パターン形成時に残渣が生じやすい。重合禁止剤(D)の分子量が過大であると、感光性樹脂組成物中で、重合禁止剤(D)が局在化してしまうため、重合禁止剤(D)の使用による所望する効果を得にくい場合がある。
ヒンダードフェノールとは、フェノール性水酸基の2つのオルト位の少なくとも一方に水素原子及びメチル基以外のかさ高い置換基を有するものである。かさ高い置換基としては、例えばメチル基以外のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環式基、アルコキシ基、アリールオキシ基、置換アミノ基、チオアルキル基、チオフェニル基等が挙げられる
分子量230~1500であるヒンダードフェノール系化合物は、所定の範囲内の分子量を有し、重合禁止剤としての作用を奏するヒンダードフェノール系化合物であれば特に限定されない。
分子量230~1500であるヒンダードフェノール系化合物の具体例としては、2,5-ビス(1,1,3,3-テトラメチルブチル)ハイドロキノン(334.5)、2,5-ビス(1,1-ジメチルブチル)ハイドロキノン(250.4)、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート](1177.6)、N,N’-へキサン-1,6-ジイルビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド](637.0)、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン(784.1)、4,4’,4”-(1-メチルプロパニル-3-イリデン)トリス(6-tert-ブチル-m-クレゾール(544.8)、6,6’-ジ-tert-ブチル-4,4’-ブチリデンジ-m-クレゾール(382.6)、オクタデシル 3-(3,5-ジ-tetr-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート(530.9)、3,9-ビス{2-[3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ]-1,1-ジメチルエチル}-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(741.0)、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルメチル)-2,4,6-トリメチルベンゼン(775.2)、2,2’-チオジエチルビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート](642.9)、イソオクチル 3-(3,5-ジ-tetr-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート(390.6)、カルシウムビス[3,5-ジ(tert-ブチル)-4-ヒドロキシベンジル(エトキシ)ホスフィナート](692.8)、ビス[3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオン酸][エチレンビス(オキシエチレン)](586.8)、1,6-ヘキサンジオールビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート](638.9)、及び4-[[4,6-ビス(オクチルチオ)-1,3,5-トリアジン-2-イル]アミノ]-2,6-ジ-tert-ブチルフェノール(589.0)が挙げられる。
各化合物名の直後の括弧内の数値は、各化合物の分子量である。
重合禁止剤(D)は、分子量230~1500であるヒンダードフェノール系化合物を2種以上組み合わせて含んでいてもよい。
重合禁止剤(D)は、分子量230~1500であるヒンダードフェノール系化合物以外の他の重合禁止剤を含んでいてもよい。
他の重合禁止剤の具体例としては、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール(BHT);ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、2,5-ジ-t-ブチルハイドロキノン、t-ブチルハイドロキノン等のハイドロキノン化合物;p-ベンゾキノン、メチル-p-ベンゾキノン、t-ブチルベンゾキノン、2,5-ジフェニル-p-ベンゾキノン等のベンゾキノン化合物;2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾ-ル系化合物;N-ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、N-ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩等のニトロソアミン系化合物;フェノチアジン、ジチオベンゾイルスルフィド、ジベンジルテトラスルフィド等の有機硫黄化合物;ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピぺリジル)[{3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル}メチル]ブチルマロネ-ト等のヒンダードアミン系化合物;p-フェニレンジアミン、N,N-ジフェニル-p-フェニレンジアミン等の芳香族アミン;トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)[1,1-ビフェニル]-4,4’-ジイルビスホスフォネート等のリン系化合物等が挙げられる。
重合禁止剤(D)は、分子量230~1500であるヒンダードフェノール系化合物以外の他の重合禁止剤を2種以上組み合わせて含んでいてもよい。
重合禁止剤(D)における、分子量230~1500であるヒンダードフェノール系化合物の含有量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。重合禁止剤(D)における、分子量230~1500であるヒンダードフェノール系化合物の含有量は、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上が特に好ましく、100質量%であるのが最も好ましい。
感光性樹脂組成物における重合禁止剤(D)の含有量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。感光性樹脂組成物における重合禁止剤(D)の含有量は、後述するフィラー(E)の質量と、有機溶剤(S)の質量とを除いた感光性樹脂組成物の質量に対して0.001~1質量%であることが好ましく、0.01~1質量%であることがより好ましい。重合禁止剤(D)の含有量を上記の範囲とすることにより、感光性樹脂組成物の硬化性を良好な範囲に維持しつつ、幅広い露光量において、残渣を生じることなく、形状の良好なパターンを所望の寸法で形成しやすい。
<フィラー(E)>
感光性樹脂組成物は、硬化膜の機械的特性の向上や、硬化膜の低屈折率化の点からフィラー(E)を含んでいてもよい。フィラー(E)は、本発明の目的を阻害しない範囲で、従来より感光性樹脂組成物に配合されているフィラーから適宜選択される。かかるフィラー(E)として、中空粒子又は多孔質粒子が好ましい。
フィラー(E)としては、1種類の粒子を用いてもよく、2種以上の粒子を組み褪せて用いてもよい。また、フィラー(E)として、中空粒子と、多孔質粒子とを組み合わせて用いてもよい。
中空粒子は、外殻により囲まれた空洞を内部に有する粒子を指す。多孔質粒子は、多数の空隙を内部に有する多孔質の粒子を指す。
中空粒子又は多孔質粒子の空隙率は、フィラー(E)の耐久性が良好である点と、低屈折率の硬化膜を形成しやすい点とから、10~80%が好ましく、20~60%がより好ましく、30~60%が特に好ましい。
中空粒子と、多孔質粒子とでは、硬化膜の屈折率をより低くしやすいことから中空粒子がより好ましい。
例えば、中空シリカ粒子の屈折率は、通常のシリカの屈折率1.46よりも著しく低い。これは、中空シリカ粒子が、1.0の低い屈折率を示す空気を内部に含むためである。
フィラー(E)の平均粒子径は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。フィラー(E)の平均粒子径は、1~200nmが好ましく、10~100nmがより好ましい。
フィラー(E)の平均粒子径は、分散したフィラー粒子を透過型電子顕微鏡で観察して得られる画像から求められる。具体的には、以下の手順1)~3)
1)複数個のフィラー粒子それぞれについて投影面積を求める。
2)求められた投影面積から各フィラー粒子の円相当径を求める。
3)複数個のフィラー粒子の円相当径の数平均値を算出し、フィラー(E)の平均粒子径とする。
なお、平均粒子径の測定は、典型的には300個以上のフィラー粒子を対象に行われる。
フィラー(E)の比表面積は、10~2000m/gが好ましく、20~1800m/gがより好ましく、50~1500m/gが特に好ましい。
フィラー(E)が中空粒子又は多孔質粒子である場合、その屈折率は、1.10~1.40が好ましく、1.15~1.35がより好ましく、1.15~1.30が特に好ましい。ここでの屈折率は粒子全体としての屈折率であり、粒子が中空粒子である場合、中空粒子を形成している外殻のみの屈折率を表すものではない。粒子が多孔質粒子である場合、多孔質粒子の屈折率は、アッベ屈折率計(アタゴ社製)を用いて測定できる。
中空粒子又は多孔質粒子の材質は、硬化膜の低屈折率化の点から、無機材料であるのが好ましい。かかる無機材料としては、フッ化マグネシウムやシリカの粒子が挙げられる。無機材料は、結晶性材料でもアモルファス材料でもよい。
屈折率の低い硬化膜を形成しやすいことと、感光性樹脂組成物中で安定して分散させやすいことと、安価であることとから、無機材料からなる中空粒子又は多孔質粒子としては、中空シリカ粒子又は多孔質シリカ粒子が好ましい。
無機中空粒子又は無機多孔質粒子の平均一次粒子径は、1~100nmが好ましく、1~60nmがより好ましい。
無機中空粒子又は多孔質シリカ粒子は、単分散粒子であってもよく、一次粒子が凝集した凝集体を含んでいてもよい。
フィラー(E)が無機粒子である場合、フィラー(E)の分散液中や、感光性樹脂組成物中でのフィラー(E)の分散安定性を向上させる目的や、樹脂(A)等の成分との親和性や結合性を高める目的で、無機粒子の表面に、プラズマ放電処理やコロナ放電処理のような物理的表面処理、界面活性剤やカップリング剤等による化学的表面処理を施してもよい。
かかる表面処理の中では、カップリング剤を用いる化学的表面処理が好ましい。
カップリング剤としては、チタンカップリング剤、シランカップリング剤等が好ましく、シランカップリング剤がより好ましい。
例えば、シリカ粒子をシランカップリング剤で処理すると、シランカップリング剤と、シリカ粒子表面のシラノール基との反応により、オルガノシリル基がシリカ粒子の表面に結合する。
シランカップリング剤の処理により導入される有機基としては、不飽和結合を有していてもよい炭素原子数1~18の炭化水素基、不飽和結合を有していてもよい炭素原子数1~18のハロゲン化炭化水素基等が挙げられる。
カップリング剤による表面処理は、フィラー(E)である無機粒子が感光性樹脂組成物に配合される前に行われてもよい。また、カップリング剤を感光性樹脂組成物に添加することによりフィラー(E)の表面処理を行ってもよい。
無機粒子等のフィラー(E)は、凝集を防ぎ、感光性組成物中での分散が容易であることから、感光性樹脂組成物を調製する前に、あらかじめ媒体中で分散されているのが好ましい。
フィラー(E)としてシリカ粒子を用いる場合、市販のシリカ粒子を好適に使用可能である。
市販のシリカ粒子の具体例としては、例えば、日揮触媒化成(株)製のスルーリアシリーズ(イソプロパノール(IPA)分散液、4-メチル-2-ペンタノン(MIBK)分散液等);日揮触媒化成(株)製のOSCALシリーズ;日産化学(株)製のスノーテックスシリーズ(IPA分散液、エチレングリコール分散液、メチルエチルケトン(MEK)分散液、ジメチルアセトアミド分散液、MIBK分散液、プロピレングリコールモノメチルアセテート分散液、プロピレングリコールモノメチルエーテル分散液、メタノール分散液、酢酸エチル分散液、酢酸ブチル分散液、キシレン-n-ブタノール分散液、トルエン分散液等);日鉄鉱業(株)製のシリナックス;扶桑化学工業(株)製のPLシリーズ(IPA分散液、トルエン分散液、プロピレングリコールモノメチルエーテル分散液、メチルエチルケトン分散液等);EVONIK社製のアエロジルシリーズ(プロピレングリコールアセテート分散液、エチレングリコール分散液、MIBK分散液等);が挙げられる。
前述の通りフィラー(E)は、媒体中に分散された分散液として感光性樹脂組成物に配合されるのが好ましい。
シリカ粒子を分散液として感光性樹脂組成物に配合する場合、分散液中のシリカ粒子の含有量は、10~50質量%が好ましく、15~40質量%がより好ましく、15~30質量%が特にに好ましい。
フィラー(E)を媒体中又は感光性樹脂組成物中で分散させる場合、分散剤を用いてもよい。
分散剤の具体例としては、ポリアミドアミン、ポリアミドアミンの塩、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリエステル、変性ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル系共重合体、及びナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物等の分散樹脂が挙げられる。
また、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルカノールアミン等の化合物を分散剤として用いることができる。
上記の分散剤の中では、分散樹脂が好ましい。分散樹脂は、その構造から、直鎖状高分子、末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子に分類することができる。
分散樹脂は、フィラー粒子の表面に吸着され、フィラー粒子の凝集を防止するように作用する。このため、フィラー粒子表面へのアンカー部位を有する末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子が好ましい構造として挙げることができる。
分散樹脂の質量平均分子量(GPC法で測定されたポリスチレン換算値)は、1000~200000が好ましく、2000~100000がより好ましく、5000~50000が特に好ましい。
分散樹脂は、市販品として入手可能である。
市販される分散樹脂の具体例としては、
BYKChemie社製の、Disperbyk-101(ポリアミドアミン燐酸塩)、Disperbyk-107(カルボン酸エステル)、Disperbyk-110(酸基を含む共重合物)、Disperbyk-111(ポリアミド)、Disperbyk-130(ポリアミド)、Disperbyk-161(高分子共重合物)、Disperbyk-162(高分子共重合物)、Disperbyk-163(高分子共重合物)、Disperbyk-164(高分子共重合物)、Disperbyk-165(高分子共重合物)、Disperbyk-166(高分子共重合物)、Disperbyk-170(高分子共重合物)、BYK-P104(高分子量不飽和ポリカルボン酸)、BYK-P105(高分子量不飽和ポリカルボン酸);
EFKA社製の、EFKA4047(ポリウレタン)、EFKA4050~4010~4165(ポリウレタン)、EFKA4330~4340(ブロック共重合体)、EFKA4400~4402(変性ポリアクリレート)、EFKA5010(ポリエステルアミド)、EFKA5765(高分子量ポリカルボン酸塩)、EFKA6220(脂肪酸ポリエステル)、EFKA6745(フタロシアニン誘導体)、EFKA6750(アゾ顔料誘導体);
味の素ファンテクノ社製の、アジスパーPB821、アジスパーPB822;
共栄社化学社製の、フローレンTG-710(ウレタンオリゴマー)、ポリフローNo.50E(アクリル系共重合体)、ポリフローNo.300(アクリル系共重合体);
楠本化成社製の、ディスパロンKS-860(高分子ポリエステルアミン塩)、ディスパロンKS-873SN(高分子ポリエステルアミン塩)、ディスパロンKS-874(高分子ポリエステルアミン塩)、ディスパロン2150(脂肪族多価カルボン酸)、ディスパロン7004(ポリエーテルエステル)、ディスパロンDA-703-50、ディスパロンDA-705、ディスパロンDA-725;
花王社製の、デモールRN(ナフタレンスルホン酸ホルマリン重縮合物)、デモールN(ナフタレンスルホン酸ホルマリン重縮合物)、デモールMS(芳香族スルホン酸ホルマリン重縮合物)、デモールC(芳香族スルホン酸ホルマリン重縮合物)、デモールSN-B(芳香族スルホン酸ホルマリン重縮合物)、ホモゲノールL-18(高分子ポリカルボン酸)、エマルゲン920(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)、エマルゲン930(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)、エマルゲン935(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)、エマルゲン985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)、アセタミン86(ステアリルアミンアセテート);
ルーブリゾール社製の、ソルスパース5000(フタロシアニン誘導体)、ソルスパース22000(アゾ顔料誘導体)、ソルスパース13240(ポリエステルアミン)、ソルスパース3000(末端変性ポリマー)、ソルスパース17000(末端変性ポリマー)、ソルスパース27000(末端変性ポリマー)、ソルスパース24000(グラフト型高分子)、ソルスパース28000(グラフト型高分子)、ソルスパース32000(グラフト型高分子)、ソルスパース38500(グラフト型高分子);
日光ケミカル社製の、ニッコールT106(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、MYS-IEX(ポリオキシエチレンモノステアレート);
森下産業社製の、EFKA-46、EFKA-47、EFKA-47EA、EFKAポリマー100、EFKAポリマー400、EFKAポリマー401、EFKAポリマー450;
サンノプコ社製の、ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100;
が挙げられる。
また、分散剤としては、ノニオン性、アニオン性、カチオン性界面活性剤を用いることができる。これらの界面活性剤は市販品として入手可能である。
市販される界面活性剤の具体例としては、
EFKA社製のEFKA-745;
信越化学工業社製のオルガノシロキサンポリマーKP341;
共栄社油脂化学工業社製の重合体ポリフローNo.75、重合体ポリフローNo.90、重合体ポリフローNo.95;
裕商社製のW001、W004、W005、W017;
日本ルブリゾール社製のソルスパース3000、ソルスパース5000、ソルスパース9000、ソルスパース12000、ソルスパース13240、ソルスパース13940、ソルスパース17000、ソルスパース24000、ソルスパース26000、ソルスパース28000;
ADEKA社製のアデカプルロニックL31、アデカプルロニックF38、アデカプルロニックL42、アデカプルロニックL44、アデカプルロニックL61、アデカプルロニックL64、アデカプルロニックF68、アデカプルロニックL72、アデカプルロニックP95、アデカプルロニックF77、アデカプルロニックP84、アデカプルロニックF87、アデカプルロニックP94、アデカプルロニックL101、アデカプルロニックP103、アデカプルロニックF108、アデカプルロニックL121、アデカプルロニックP-123;
三洋化成社製のイソネットS-20;
川研ファインケミカル社製のヒノアクトT-8000E;
青木油脂工業社製のELEBASE BA-100、ELEBASE BA-200、ELEBASE BCP-2、ELEBASE BUB-3、ELEBASE BUB-4、ELEBASE CP-800K、ELEBASE EDP-475、ELEBASE HEB-5、ファインサーフ270、ファインサーフ7045、ファインサーフ7085、ブラウノンDSP-12.5、ブラウノンDT-03、ブラウノンL-205、ブラウノンLPE-1007、ブラウノンO-205、ブラウノンS-202、ブラウノン S-204、ブラウノンS-207、ブラウノン S-205T;
花王社製のエマルゲンA-500、エマルゲンPP-290、アミート102、アミート105、アミート302、アミート320、アミノーンPK-02S、エマノーンCH-25、エマルゲン104P、エマルゲン108、エマルゲン404、エマルゲン408、エマルゲンA-60、エマルゲンA-90、エマルゲンB-66、エマルゲンLS-106、エマルゲンLS-114、レオドール430V、レオドール440V、レオドール460V、レオドールTW-S106、レオドールTW-S120V、レオドールスーパーTW-L120、フォスファノールML-200、エマール20T、エマールE-27、ネオペレックスGS、ペレックスNBL、ぺレックスSS-H、ぺレックスSS-L、ポイズ532A、ラムテルASK、ラムテルE-118B、ラムテルE-150;
竹本油脂社製のニューカルゲン3000S、ニューカルゲンFS-3PG、ニューカルゲンFE-7PG、パイオニンD-6414、パイオニンA-24-EA、パイオニンA-28-B、パイオニンA-29-M、パイオニンA-44-B、パイオニンA-44TW;
日信化学工業社製のダイノール604、オルフィンPD-002W、サーフィノール2502、サーフィノール440、サーフィノール465、サーフィノール485、サーフィノール61;
クラリアント社製のEMULSOGEN COL-020、EMULSOGEN 070、EMULSOGEN 080、
第一工業製薬社製のプライサーフA208B、プライサーフA210B、プライサーフA210G、プライサーフA219B、プライサーフAL、ラベリンFC-45;
日本サーファクタンと工業社製のAKYPO RLM100NV、AKYPO RLM45、AKYPO RLM45NV、AKYPO ECT-3、AKYPO ECT-3NEX、AKYPO ECT-7、ホステンHLP、ホステンHLP-1、ホス店HLP-TEA;
が挙げられる。
これらの分散剤は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
感光性樹脂組成物における分散剤の含有量は、フィラーの質量に対して1~100質量%であることが好ましく、5~80質量%がより好ましく、10~60質量%であることが特に好ましい。分散剤が分散樹脂である場合、分散剤の使用量は、フィラーの質量に対して、5~100質量%が好ましく、10~80質量%がより好ましい。
感光性樹脂組成物がフィラー(E)を含む場合、感光性樹脂組成物におけるフィラー(E)の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。感光性樹脂組成物におけるフィラー(E)の含有量は、後述する有機溶剤(S)の質量を除いた感光性樹脂組成物の質量に対して、80質量%以下が好ましく、20~80質量%がより好ましく、30~70質量%が特に好ましい。
<酸発生剤(F)>
感光性樹脂組成物は、酸発生剤(F)を含んでいてもよい。
例えば、シリコン基板等の半導体基板上に形成されたRGBの着色膜上に形成されたマイクロレンズの表面を硬化膜(低屈折率膜)で被覆する場合、硬化膜の表面に保護テープを貼った状態で、半導体基板の研削が行われることがある。
かかる研削後に、硬化膜の表面から保護テープが剥離されるが、保護テープの剥離によって硬化膜の表面が荒れ、硬化膜の表面が粗面化されやすい。
感光性樹脂組成物の塗布膜を露光して硬化させる際に、硬化膜の表面では酸素による硬化の阻害が生じることにより、硬化膜の表面の硬化度はやや低い。このため、上記の保護テープの剥離による硬化膜の表面の粗面化が生じると思われる。
しかし、感光性樹脂組成物がエポキシ基等の酸の作用により架橋し得る官能基を有する場合、感光性樹脂組成物が酸発生剤(F)を含むと、露光により発生する酸により、架橋性基間の架橋が硬膜の表面でも進行し、硬化膜の表面が十分に硬化する。
このため、保護テープを硬化膜から剥離させても、硬化膜の表面が荒れにくい。
酸発生剤(F)は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物であり、光により直接又は間接的に酸を発生する化合物であれば特に限定されない。酸発生剤(F)としては、以下に説明する、第一~第五の態様の酸発生剤が好ましい。以下、感光性樹脂組成物が含んでいてもよい酸発生剤(F)のうち好適なものについて、第一から第五の態様として説明する。
〔第一の態様〕
酸発生剤(F)における第一の態様としては、下記式(f1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0007028550000027
上記式(f1)中、Xf1は、原子価gの硫黄原子又はヨウ素原子を表し、gは1又は2である。hは括弧内の構造の繰り返し単位数を表す。Rf1は、Xf1に結合している有機基であり、炭素原子数6~30のアリール基、炭素原子数4~30の複素環基、炭素原子数1~30のアルキル基、炭素原子数2~30のアルケニル基、又は炭素原子数2~30のアルキニル基を表し、Rf1は、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アリールチオカルボニル、アシロキシ、アリールチオ、アルキルチオ、アリール、複素環、アリールオキシ、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキレンオキシ、アミノ、シアノ、ニトロの各基、及びハロゲンからなる群より選ばれる少なくとも1種で置換されていてもよい。Rf1の個数はg+h(g-1)+1であり、Rf1はそれぞれ互いに同じであっても異なっていてもよい。また、2個以上のRf1が互いに直接、又は-O-、-S-、-SO-、-SO-、-NH-、-NRf2-、-CO-、-COO-、-CONH-、炭素原子数1~3のアルキレン基、若しくはフェニレン基を介して結合し、Xf1を含む環構造を形成してもよい。Rf2は炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数6~10のアリール基である。
f2は下記式(f2)で表される構造である。
Figure 0007028550000028
上記式(f2)中、Xf4は炭素原子数1~8のアルキレン基、炭素原子数6~20のアリーレン基、又は炭素原子数8~20の複素環化合物の2価の基を表し、Xf4は炭素原子数1~8のアルキル、炭素原子数1~8のアルコキシ、炭素原子数6~10のアリール、ヒドロキシ、シアノ、ニトロの各基、及びハロゲンからなる群より選ばれる少なくとも1種で置換されていてもよい。Xf5は-O-、-S-、-SO-、-SO-、-NH-、-NRf2-、-CO-、-COO-、-CONH-、炭素原子数1~3のアルキレン基、又はフェニレン基を表す。hは括弧内の構造の繰り返し単位数を表す。h+1個のXf4及びh個のXf5はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。Rf2は前述の定義と同じである。
f3-はオニウムの対イオンであり、下記式(f17)で表されるフッ素化アルキルフルオロリン酸アニオン又は下記式(f18)で表されるボレートアニオンが挙げられる。
Figure 0007028550000029
上記式(f17)中、Rf3は水素原子の80%以上がフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。jはその個数を示し、1~5の整数である。j個のRf3はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
Figure 0007028550000030
上記式(f18)中、Rf4~Rf7は、それぞれ独立にフッ素原子又はフェニル基を表し、該フェニル基の水素原子の一部又は全部は、フッ素原子及びトリフルオロメチル基からなる群より選ばれる少なくとも1種で置換されていてもよい。
上記式(f1)で表される化合物中のオニウムイオンとしては、トリフェニルスルホニウム、トリ-p-トリルスルホニウム、4-(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウム、ビス[4-(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド、ビス〔4-{ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホニオ}フェニル〕スルフィド、ビス{4-[ビス(4-フルオロフェニル)スルホニオ]フェニル}スルフィド、4-(4-ベンゾイル-2-クロロフェニルチオ)フェニルビス(4-フルオロフェニル)スルホニウム、7-イソプロピル-9-オキソ-10-チア-9,10-ジヒドロアントラセン-2-イルジ-p-トリルスルホニウム、7-イソプロピル-9-オキソ-10-チア-9,10-ジヒドロアントラセン-2-イルジフェニルスルホニウム、2-[(ジフェニル)スルホニオ]チオキサントン、4-[4-(4-tert-ブチルベンゾイル)フェニルチオ]フェニルジ-p-トリルスルホニウム、4-(4-ベンゾイルフェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウム、ジフェニルフェナシルスルホニウム、4-ヒドロキシフェニルメチルベンジルスルホニウム、2-ナフチルメチル(1-エトキシカルボニル)エチルスルホニウム、4-ヒドロキシフェニルメチルフェナシルスルホニウム、フェニル[4-(4-ビフェニルチオ)フェニル]4-ビフェニルスルホニウム、フェニル[4-(4-ビフェニルチオ)フェニル]3-ビフェニルスルホニウム、[4-(4-アセトフェニルチオ)フェニル]ジフェニルスルホニウム、オクタデシルメチルフェナシルスルホニウム、ジフェニルヨードニウム、ジ-p-トリルヨードニウム、ビス(4-ドデシルフェニル)ヨードニウム、ビス(4-メトキシフェニル)ヨードニウム、(4-オクチルオキシフェニル)フェニルヨードニウム、ビス(4-デシルオキシ)フェニルヨードニウム、4-(2-ヒドロキシテトラデシルオキシ)フェニルフェニルヨードニウム、4-イソプロピルフェニル(p-トリル)ヨードニウム、又は4-イソブチルフェニル(p-トリル)ヨードニウム、等が挙げられる。
上記式(f1)で表される化合物中のオニウムイオンのうち、好ましいオニウムイオンとしては下記式(f19)で表されるスルホニウムイオンが挙げられる。
Figure 0007028550000031
上記式(f19)中、Rf8はそれぞれ独立に水素原子、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアリール、アリールカルボニル、からなる群より選ばれる基を表す。Xf2は、上記式(f1)中のXf2と同じ意味を表す。
上記式(f19)で表されるスルホニウムイオンの具体例としては、4-(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウム、4-(4-ベンゾイル-2-クロロフェニルチオ)フェニルビス(4-フルオロフェニル)スルホニウム、4-(4-ベンゾイルフェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウム、フェニル[4-(4-ビフェニルチオ)フェニル]4-ビフェニルスルホニウム、フェニル[4-(4-ビフェニルチオ)フェニル]3-ビフェニルスルホニウム、[4-(4-アセトフェニルチオ)フェニル]ジフェニルスルホニウム、ジフェニル[4-(p-ターフェニルチオ)フェニル]ジフェニルスルホニウムが挙げられる。
上記式(f17)で表されるフッ素化アルキルフルオロリン酸アニオンにおいて、Rf3はフッ素原子で置換されたアルキル基を表し、好ましい炭素原子数は1~8、さらに好ましい炭素原子数は1~4である。アルキル基の具体例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、オクチル等の直鎖アルキル基;イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル等の分岐アルキル基;さらにシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクヘキシル等のシクロアルキル基等が挙げられ、アルキル基の水素原子がフッ素原子に置換された割合は、通常、80%以上、好ましくは90%以上、さらに好ましくは100%である。フッ素原子の置換率が80%未満である場合には、上記式(f1)で表されるオニウムフッ素化アルキルフルオロリン酸塩の酸強度が低下する。
特に好ましいRf3は、炭素原子数が1~4、且つフッ素原子の置換率が100%の直鎖状又は分岐状のパーフルオロアルキル基であり、具体例としては、CF、CFCF、(CFCF、CFCFCF、CFCFCFCF、(CFCFCF、CFCF(CF)CF、(CFCが挙げられる。Rf3の個数jは、1~5の整数であり、好ましくは2~4、特に好ましくは2又は3である。
好ましいフッ素化アルキルフルオロリン酸アニオンの具体例としては、[(CFCFPF、[(CFCFPF、[((CFCF)PF、[((CFCF)PF、[(CFCFCFPF、[(CFCFCFPF、[((CFCFCFPF、[((CFCFCFPF、[(CFCFCFCFPF、又は[(CFCFCFPFが挙げられ、これらのうち、[(CFCFPF、[(CFCFCFPF、[((CFCF)PF、[((CFCF)PF、[((CFCFCFPF、又は[((CFCFCFPFが特に好ましい。
上記式(f18)で表されるボレートアニオンの好ましい具体例としては、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート([B(C)、テトラキス[(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート([B(CCF)、ジフルオロビス(ペンタフルオロフェニル)ボレート([(CBF)、トリフルオロ(ペンタフルオロフェニル)ボレート([(C)BF)、テトラキス(ジフルオロフェニル)ボレート([B(C)等が挙げられる。これらの中でも、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート([B(C)が特に好ましい。
〔第二の態様〕
酸発生剤(F)における第二の態様としては、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-ピペロニル-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-[2-(2-フリル)エテニル]-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-[2-(5-メチル-2-フリル)エテニル]-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-[2-(5-エチル-2-フリル)エテニル]-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-[2-(5-プロピル-2-フリル)エテニル]-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-[2-(3,5-ジメトキシフェニル)エテニル]-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-[2-(3,5-ジエトキシフェニル)エテニル]-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-[2-(3,5-ジプロポキシフェニル)エテニル]-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-[2-(3-メトキシ-5-エトキシフェニル)エテニル]-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-[2-(3-メトキシ-5-プロポキシフェニル)エテニル]-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-[2-(3,4-メチレンジオキシフェニル)エテニル]-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-(3,4-メチレンジオキシフェニル)-s-トリアジン、2,4-ビス-トリクロロメチル-6-(3-ブロモ-4-メトキシ)フェニル-s-トリアジン、2,4-ビス-トリクロロメチル-6-(2-ブロモ-4-メトキシ)フェニル-s-トリアジン、2,4-ビス-トリクロロメチル-6-(2-ブロモ-4-メトキシ)スチリルフェニル-s-トリアジン、2,4-ビス-トリクロロメチル-6-(3-ブロモ-4-メトキシ)スチリルフェニル-s-トリアジン、2-(4-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(4-メトキシナフチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-[2-(2-フリル)エテニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-[2-(5-メチル-2-フリル)エテニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-[2-(3,5-ジメトキシフェニル)エテニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-[2-(3,4-ジメトキシフェニル)エテニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(3,4-メチレンジオキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、トリス(1,3-ジブロモプロピル)-1,3,5-トリアジン、トリス(2,3-ジブロモプロピル)-1,3,5-トリアジン等のハロゲン含有トリアジン化合物、並びにトリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレート等の下記式(f3)で表されるハロゲン含有トリアジン化合物が挙げられる。
Figure 0007028550000032
上記式(f3)中、Rf9、Rf10、Rf11は、それぞれ独立にハロゲン化アルキル基を表す。
〔第三の態様〕
酸発生剤(F)における第三の態様としては、α-(p-トルエンスルホニルオキシイミノ)-フェニルアセトニトリル、α-(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)-2,4-ジクロロフェニルアセトニトリル、α-(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)-2,6-ジクロロフェニルアセトニトリル、α-(2-クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)-4-メトキシフェニルアセトニトリル、α-(エチルスルホニルオキシイミノ)-1-シクロペンテニルアセトニトリル、並びにオキシムスルホネート基を含有する下記式(f4)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0007028550000033
上記式(f4)中、Rf12は、1価、2価、又は3価の有機基を表し、Rf13は、置換若しくは未置換の飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基、又は芳香族性化合物基を表し、nは括弧内の構造の繰り返し単位数を表す。
上記式(f4)中、芳香族性化合物基とは、芳香族化合物に特有な物理的・化学的性質を示す化合物の基を示し、例えば、フェニル基、ナフチル基等のアリール基や、フリル基、チエニル基等のヘテロアリール基が挙げられる。これらは環上に適当な置換基、例えばハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基等を1個以上有していてもよい。また、Rf13は、炭素原子数1~6のアルキル基が特に好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられる。特に、Rf12が芳香族性化合物基であり、Rf13が炭素原子数1~4のアルキル基である化合物が好ましい。
上記式(f4)で表される酸発生剤としては、n=1のとき、Rf12がフェニル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基のいずれかであって、Rf13がメチル基の化合物、具体的にはα-(メチルスルホニルオキシイミノ)-1-フェニルアセトニトリル、α-(メチルスルホニルオキシイミノ)-1-(p-メチルフェニル)アセトニトリル、α-(メチルスルホニルオキシイミノ)-1-(p-メトキシフェニル)アセトニトリル、〔2-(プロピルスルホニルオキシイミノ)-2,3-ジヒドロキシチオフェン-3-イリデン〕(o-トリル)アセトニトリル等が挙げられる。n=2のとき、上記式(f4)で表される酸発生剤としては、具体的には下記式で表される酸発生剤が挙げられる。
Figure 0007028550000034
〔第四の態様〕
酸発生剤(F)における第四の態様としては、カチオン部にナフタレン環を有するオニウム塩が挙げられる。この「ナフタレン環を有する」とは、ナフタレンに由来する構造を有することを意味し、少なくとも2つの環の構造と、それらの芳香族性が維持されていることを意味する。このナフタレン環は炭素原子数1~6の直鎖状又は分岐状のアルキル基、水酸基、炭素原子数1~6の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基等の置換基を有していてもよい。ナフタレン環に由来する構造は、1価基(遊離原子価が1つ)であっても、2価基(遊離原子価が2つ)以上であってもよいが、1価基であることが望ましい(ただし、このとき、上記置換基と結合する部分を除いて遊離原子価を数えるものとする)。ナフタレン環の数は1~3が好ましい。
このようなカチオン部にナフタレン環を有するオニウム塩のカチオン部としては、下記式(f5)で表される構造が好ましい。
Figure 0007028550000035
上記式(f5)中、Rf14、Rf15、Rf16のうち少なくとも1つは下記式(f6)で表される基を表し、残りは炭素原子数1~6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、水酸基、又は炭素原子数1~6の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシ基を表す。あるいは、Rf14、Rf15、Rf16のうちの1つが下記式(f6)で表される基であり、残りの2つはそれぞれ独立に炭素原子数1~6の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、これらの末端が結合して環状になっていてもよい。
Figure 0007028550000036
上記式(f6)中、Rf17、Rf18は、それぞれ独立に水酸基、炭素原子数1~6の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシ基、又は炭素原子数1~6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を表し、Rf19は、単結合又は置換基を有していてもよい炭素原子数1~6の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基を表す。l及びmは、それぞれ独立に0~2の整数を表し、l+mは3以下である。ただし、Rf17が複数存在する場合、それらは互いに同じであっても異なっていてもよい。また、Rf18が複数存在する場合、それらは互いに同じであっても異なっていてもよい。
上記Rf14、Rf15、Rf16のうち上記式(f6)で表される基の数は、化合物の安定性の点から好ましくは1つであり、残りは炭素原子数1~6の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、これらの末端が結合して環状になっていてもよい。この場合、上記2つのアルキレン基は、硫黄原子を含めて3~9員環を構成する。環を構成する原子(硫黄原子を含む)の数は、好ましくは5~6である。
また、上記アルキレン基が有していてもよい置換基としては、酸素原子(この場合、アルキレン基を構成する炭素原子とともにカルボニル基を形成する)、水酸基等が挙げられる。
また、フェニル基が有していてもよい置換基としては、水酸基、炭素原子数1~6の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基、炭素原子数1~6の直鎖状又は分岐状のアルキル基等が挙げられる。
これらのカチオン部として好適なものとしては、下記式(f7)、(f8)で表されるもの等を挙げることができ、特に下記式(f8)で表される構造が好ましい。
Figure 0007028550000037
このようなカチオン部としては、ヨードニウム塩であってもスルホニウム塩であってもよいが、酸発生効率等の点からスルホニウム塩が望ましい。
従って、カチオン部にナフタレン環を有するオニウム塩のアニオン部として好適なものとしては、スルホニウム塩を形成可能なアニオンが望ましい。
このような酸発生剤のアニオン部としては、水素原子の一部又は全部がフッ素化されたフルオロアルキルスルホン酸イオン又はアリールスルホン酸イオンである。
フルオロアルキルスルホン酸イオンにおけるアルキル基は、炭素原子数1~20の直鎖状でも分岐状でも環状でもよく、発生する酸の嵩高さとその拡散距離から、炭素原子数1~10であることが好ましい。特に、分岐状や環状のものは拡散距離が短いため好ましい。また、安価に合成可能なことから、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基等を好ましいものとして挙げることができる。
アリールスルホン酸イオンにおけるアリール基は、炭素原子数6~20のアリール基であって、アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもされていなくてもよいフェニル基、ナフチル基が挙げられる。特に、安価に合成可能なことから、炭素原子数6~10のアリール基が好ましい。好ましいものの具体例として、フェニル基、トルエンスルホニル基、エチルフェニル基、ナフチル基、メチルナフチル基等を挙げることができる。
上記フルオロアルキルスルホン酸イオン又はアリールスルホン酸イオンにおいて、水素原子の一部又は全部がフッ素化されている場合のフッ素化率は、好ましくは10~100%、より好ましくは50~100%であり、特に水素原子を全てフッ素原子で置換したものが、酸の強度が強くなるので好ましい。このようなものとしては、具体的には、トリフルオロメタンスルホネート、パーフルオロブタンスルホネート、パーフルオロオクタンスルホネート、パーフルオロベンゼンスルホネート等が挙げられる。
これらの中でも、好ましいアニオン部として、下記式(f9)で表されるものが挙げられる。
Figure 0007028550000038
上記式(f9)において、Rf20は、下記式(f10)、(f11)、及び(f12)で表される基である。
Figure 0007028550000039
上記式(f10)中、xは1~4の整数を表す。また、上記式(f11)中、Rf21は、水素原子、水酸基、炭素原子数1~6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素原子数1~6の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシ基を表し、yは1~3の整数を表す。これらの中でも、安全性の観点からトリフルオロメタンスルホネート、パーフルオロブタンスルホネートが好ましい。
また、アニオン部としては、下記式(f13)、(f14)で表される窒素を含有するものを用いることもできる。
Figure 0007028550000040
上記式(f13)、(f14)中、Xは、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状又は分岐状のアルキレン基を表し、該アルキレン基の炭素原子数は2~6であり、好ましくは3~5、最も好ましくは炭素原子数3である。また、Y、Zは、それぞれ独立に少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状又は分岐状のアルキル基を表し、該アルキル基の炭素原子数は1~10であり、好ましくは1~7、より好ましくは1~3である。
のアルキレン基の炭素原子数、又はY、Zのアルキル基の炭素原子数が小さいほど有機溶剤への溶解性も良好であるため好ましい。
また、Xのアルキレン基又はY、Zのアルキル基において、フッ素原子で置換されている水素原子の数が多いほど、酸の強度が強くなるため好ましい。該アルキレン基又はアルキル基中のフッ素原子の割合、すなわちフッ素化率は、好ましくは70~100%、より好ましくは90~100%であり、最も好ましくは、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキレン基又はパーフルオロアルキル基である。
このようなカチオン部にナフタレン環を有するオニウム塩として好ましいものとしては、下記式(f15)、(f16)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0007028550000041
〔第五の態様〕
酸発生剤(F)における第五の態様としては、ビス(p-トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1-ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4-ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン等のビススルホニルジアゾメタン類;p-トルエンスルホン酸2-ニトロベンジル、p-トルエンスルホン酸2,6-ジニトロベンジル、ニトロベンジルトシレート、ジニトロベンジルトシラート、ニトロベンジルスルホナート、ニトロベンジルカルボナート、ジニトロベンジルカルボナート等のニトロベンジル誘導体;ピロガロールトリメシラート、ピロガロールトリトシラート、ベンジルトシラート、ベンジルスルホナート、N-メチルスルホニルオキシスクシンイミド、N-トリクロロメチルスルホニルオキシスクシンイミド、N-フェニルスルホニルオキシマレイミド、N-メチルスルホニルオキシフタルイミド等のスルホン酸エステル類;N-ヒドロキシフタルイミド、N-ヒドロキシナフタルイミド等のトリフルオロメタンスルホン酸エステル類;ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスファート、(4-メトキシフェニル)フェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、ビス(p-tert-ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスファート、(4-メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、(p-tert-ブチルフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート等のオニウム塩類;ベンゾイントシラート、α-メチルベンゾイントシラート等のベンゾイントシレート類;その他のジフェニルヨードニウム塩、トリフェニルスルホニウム塩、フェニルジアゾニウム塩、ベンジルカルボナート等が挙げられる。
感光性樹脂組成物が酸発生剤(F)を含む場合、感光性樹脂組成物における酸発生剤(F)の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。感光性樹脂組成物における酸発生剤(F)の含有量は、後述する有機溶剤(S)の質量を除いた感光性樹脂組成物の質量に対して、5質量%以下が好ましく、0.01~3質量%がより好ましく、0.1~1質量%が特に好ましい。
<有機溶剤(S)>
感光性樹脂組成物は、塗布性の改善や、粘度調整のため、有機溶剤(S)を含むことが好ましい。
有機溶剤(S)として具体的には、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール等のアルカンモノオール;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、3-メトキシ-n-ブタノール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の他のエーテル類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2-ヘプタノン、3-ヘプタノン等のケトン類;2-ヒドロキシプロピオン酸メチル、2-ヒドロキシプロピオン酸エチル等の乳酸アルキルエステル類;2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸エチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸メチル、3-メトキシブチルアセテート、3-メチル-3-メトキシブチルアセテート、3-メチル-3-メトキシブチルプロピオネート、酢酸エチル、酢酸n-プロピル、酢酸i-プロピル、酢酸n-ブチル、酢酸i-ブチル、蟻酸n-ペンチル、酢酸i-ペンチル、酢酸ベンジル、プロピオン酸n-ブチル、酪酸エチル、酪酸n-プロピル、酪酸i-プロピル、酪酸n-ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸n-プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2-オキソブタン酸エチル等の他のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルイソブチルアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、N-メチルカプロラクタム、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ピリジン、及びN,N,N’,N’-テトラメチルウレア等含窒素極性有機溶剤;等が挙げられる。
これらの中でも、アルカンモノオール、アルキレングリコールモノアルキルエーテル類、アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、上述した他のエーテル類、乳酸アルキルエステル類、上述した他のエステル類が好ましく、アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、上述した他のエーテル類、酢酸ベンジル等の上述した他のエステル類がより好ましい。
また、各成分の溶解性等の点で、有機溶剤(S)が、含窒素極性有機溶剤を含むのも好ましい。含窒素極性有機溶剤としては、N,N,N’,N’-テトラメチルウレア等を用いることができる。
これらの溶剤は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
有機溶剤(S)の含有量は、特に限定されず、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定される。有機溶剤(S)は、例えば、感光性樹脂組成物の粘度は1~500cpであることが好ましく、1~50cpであることがより好ましく、1~30cpであることがさらに好ましい。また、固形分濃度は1~50質量%であることが好ましく、1~20質量%であることがより好ましい。
<その他の成分>
感光性樹脂組成物には、必要に応じて、界面活性剤、密着性向上剤、熱重合禁止剤、消泡剤、着色剤、シランカップリング剤等の添加剤を含有させることができる。いずれの添加剤も、従来公知のものを用いることができる。
感光性樹脂組成物は、透明な硬化膜を形成するために透明であることが好ましいが、着色されていてもよい。このため、感光性樹脂組成物は、本願発明の目的を阻害しない範囲で顔料、染料等の着色剤を含んでいてもよい。着色剤の色相は特に限定されず、感光性樹脂組成物を用いて形成される硬化膜の用途に応じて適宜選択される。
さらに、感光性樹脂組成物は、形状が良好で、基板への密着性に優れる硬化膜を形成しやすいことから、シランカップリング剤を含むものが好ましい。シランカップリング剤としては、従来知られるものを特に制限なく使用することができる。
界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系等の化合物が挙げられ、熱重合禁止剤としては、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノエチルエーテル等が挙げられ、消泡剤としては、シリコーン系、フッ素系化合物等が挙げられる。
<感光性樹脂組成物の調製方法>
以上説明した感光性樹脂組成物は、上記各成分を、それぞれ所定量混合した後、撹拌機で均一に混合することにより得られる。なお、得られた混合物がより均一なものとなるようフィルタを用いて濾過してもよい。
≪硬化膜の製造方法≫
硬化膜の製造方法としては、(B)光重合性化合物を含む感光性樹脂組成物を用いる、従来知られる硬化膜の製造方法を、特に限定なく採用することができる。
硬化膜の好適な製造方法としては、
前述の感光性樹脂組成物の塗布膜を形成することと、
塗布膜を、所定のパターンに応じて位置選択的に露光することと、
露光された塗布膜を現像することと、を含む方法が挙げられる。
感光性樹脂組成物を用いて硬化膜を形成するためには、まず、感光性樹脂組成物を、硬化膜の用途に応じて選択された基板上に塗布して塗布膜を形成する。
基板としては、イメージセンサーを形成する場合、例えば、シリコン等の半導体層上にRGBの着色膜を備え、当該着色膜上にマイクロレンズを備える基板が用いられる。
塗布膜の形成方法は特に限定されないが、例えば、ロールコータ、リバースコータ、バーコータ等の接触転写型塗布装置やスピンナー(回転式塗布装置)、カーテンフローコータ等の非接触型塗布装置を用いて行われる。
塗布された感光性樹脂組成物は、必要に応じて乾燥され、塗布膜を構成する。乾燥方法は、特に限定されず、例えば、(1)ホットプレートにて80~120℃、好ましくは90~100℃の温度にて60~120秒間乾燥させる方法、(2)室温にて数時間~数日間放置する方法、(3)温風ヒータや赤外線ヒータ中に数十分間~数時間入れて溶剤を除去する方法等が挙げられる。
次いで塗布膜に対する露光が行われる。露光は、紫外線、エキシマレーザー光等の活性エネルギー線を照射して行われる。露光は、例えば、ネガ型のマスクを介して露光を行う方法等により、位置選択的に行われる。
塗布膜を位置選択的に露光した後、露光後の膜を現像液により現像することによって、未露光部が現像液に溶解して除去され、パターン化された硬化膜が形成される。現像方法は、特に限定されず、例えば、浸漬法、スプレー法等を用いることができる。現像液は、感光性樹脂組成物の組成に応じて適宜選択される。現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア、4級アンモニウム塩等の塩基性の水溶液を用いることができる。
次いで、パターン化された硬化膜に対するベーク(ポストベーク)を行ってもよい。ベーク温度は、特に限定されないが、180~250℃が好ましく、220~230℃がより好ましい。ベーク時間は、典型的には、10~90分であり、20~60分が好ましい。
以上のようにベークを行うことにより、感光性樹脂組成物の硬化膜が得られる。
このようにして形成される硬化膜は、例えば、低屈折率膜として好適に使用されうる。硬膜が低屈折率膜として使用される場合、硬化膜の屈折率(波長633nm、測定温度25℃)は1.35以下が好ましく、1.23~1.34がより好ましく、1.25~1.33が特に好ましい。
上記の低屈折率膜は、例えばイメージセンサー等の光学デバイスにおいて好ましく使用されうる。イメージセンサーにおいて、上記の低屈折率膜をRGBの着色膜上に形成されたマイクロレンズを被覆する被覆層として適用すると、マイクロレンズに入射する光の反射がよくされることによって、イメージセンサーにおけるフレアの発生が抑制される。
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は、これらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例11は参考例11と読み替えるものとする。
〔実施例1~11、及び比較例1~4〕
表1に記載の種類及び量の樹脂(A)と、表1に記載の種類及び量の光重合性化合物(B)と、表1に記載の種類及び量の光重合開始剤(C)と、表1に記載の種類及び量の重合禁止剤(D)と、表1に記載の量の下記のフィラー(E)と、下記の界面活性剤1質量部とを、有機溶剤(S)に混合して、各実施例及び比較例の感光性樹脂組成物を得た。
実施例1~4、及び比較例1~4では、有機溶剤(S)として、プロピレングリコールモノメチルエーテル92.7質量%と、3-メトキシブチルアセテート3.3質量%と、3-メトキシ-n-ブタノール3.3質量%と、メタノール0.7質量%とからなる混合溶剤を用いて、固形分濃度が13.5質量%となるように感光性樹脂組成物を調製した。
実施例5~11では、有機溶剤(S)として、プロピレングリコールモノメチルエーテル96.3質量%と、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート3.0質量%と、メタノール0.7質量%とからなる混合溶剤を用いて、固形分濃度が10.9質量%となるように感光性樹脂組成物を調製した。
なお、実施例3では、感光性樹脂組成物の調製時に、さらに酸発生剤(F)である、N-ヒドロキシナフタルイミドのトリフルオロメタンスルホン酸エステル0.5質量部を加えた。
また、実施例5~11では、感光性樹脂組成物の調製時に、さらに密着増強剤である、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1質量部を加えた。
実施例、及び比較例において、樹脂((A)成分)として下記A1及びA2を用いた。
A1:
Figure 0007028550000042
A2:
Figure 0007028550000043
光重合性化合物((B)成分)としては、以下のB1及びB2を用いた。
B1:トリメチロールプロパントリアクリレート
B2:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
光重合開始剤((C)成分)としては、以下のC1及びC2を用いた。
C1:2-メチル-1-〔4-(メチルチオ)フェニル〕-2-モルフォリノプロパン-1-オン
C2:2-(ベンゾイルオキシイミノ)-1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-1-オクタノン
重合禁止剤((D)成分)としては、
D1:ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート](分子量:1177.6)
D2:1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン(分子量:784.1)
D3:3,9-ビス{2-[3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ]-1,1-ジメチルエチル}-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(分子量:741.0)
D4:2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール(BHT)(分子量:220.4)
D5:メチルハイドロキノン(分子量:124.1)
フィラー((E)成分)としては、A2SL-03TO(製品名、日揮触媒化成(株)製、平均一次粒径60nmの中空シリカ粒子の分散液、固形分濃度20質量%)を用いた。
界面活性剤としては、下記構造のフッ素系界面活性剤を用いた。
Figure 0007028550000044
Figure 0007028550000045
得られた各実施例及び比較例の感光性樹脂組成物を用いて、下記方法に従って硬化膜を製造した。得られた硬化膜の屈折率を測定したところ、いずれの実施例及び比較例の感光性樹脂組成物を用いて形成された硬化膜でも、屈折率の値は1.32~1.40の範囲内であった。
(屈折率の測定)
感光性樹脂組成物を、シリコンウエハ上に、スピンコーターを用いて塗布膜厚が800nmとなるように塗布した。形成された塗布膜を、ホットプレートにより90℃で2分間加熱した後、i線ステッパーで500mJ/cmにて位置選択的に露光した。
露光後の塗布膜を、濃度0.2質量%のテトラメチルアンモニウム水酸化物水溶液で1分間現像した。現像して得られたパターン化された膜をホットプレートにより220℃で5分加熱し硬化膜を得た。得られた硬化膜の屈折率を屈折率測定装置(分光エリプソメータ、J.A.Woollam社製、VUV-VASE VU-302)を用いて測定した。
また、各実施例及び比較例の感光性組成物を用いて、以下の方法に従って露光量、50μm解像性、残膜率、残渣未発生露光量を評価した。これらの評価結果を表2に記す。
(50μm解像性評価)
屈折率の測定と同様の方法でパターンを形成し、線幅50μmのラインパターンを解像できた場合を○、解像できなかった場合を×とした。
(残膜率評価)
屈折率の測定と同様の方法でパターンを形成し、プリベーク後の膜厚を100%とした時の現像後の膜厚を残膜率とした。
(残渣未発生露光量評価)
露光量を可変させることの他は、屈折率の測定と同様の方法でパターンを形成し、残渣を発生させることなくパターンを現像できる最大の露光量を求めた。
例えば、実施例1の場合、175mJ/cm超で露光すると残渣がでるが、175mJ/cm以下で露光すれば残渣がでない。
Figure 0007028550000046
表2から分かる通り、分子量230~1500であるヒンダードフェノール系化合物を重合禁止剤(D)として含む実施例の感光性樹脂組成物は、残渣未発生露光量の上限値が高く、幅広い露光量において、残渣を生じることなく、形状の良好なパターンを所望の寸法で形成しやすいことが分かる。
他方、分子量が230~1500の範囲から外れる重合禁止剤を含んでいたり、重合禁止剤を含まなかったりする比較例の感光性樹脂組成物は、残渣未発生露光量の上限値が低く、残渣を生じさせないために露光量のシビアなコントロールが必要であり、パターン形成時に残渣が発生しやすいことが分かる。

Claims (9)

  1. 樹脂(A)と、光重合性化合物(B)と、重合開始剤(C)と、重合禁止剤(D)と、フィラー(E)と、を含有し、
    前記フィラー(E)が、中空粒子を含み、
    前記重合禁止剤(D)が、分子量230~1500であるヒンダードフェノール系化合物を含み、
    下記条件で硬化膜としたときの屈折率(波長633nm、測定温度25℃)が1.35以下であり、
    光学デバイスを構成する低屈折率膜を形成するために用いられる、パターン形成用感光性樹脂組成物。
    条件:
    前記パターン形成用感光性樹脂組成物をシリコンウエハ上に塗布膜厚が800nmとなるように塗布して形成された塗布膜を90℃で2分間加熱した後、i線を500mJ/cm にて露光し、220℃で5分加熱して硬化膜を得る。
  2. 前記パターン形成用感光性樹脂組成物の固形分の質量に対する前記重合禁止剤(D)の質量の比率が、0.01~1質量%である、請求項1に記載のパターン形成用感光性樹脂組成物。
  3. 前記重合開始剤(C)がオキシムエステル化合物を含む、請求項1又は2に記載のパターン形成用感光性樹脂組成物。
  4. 前記中空粒子の平均一次粒子径が1~100nmである、請求項1~3のいずれか1項に記載のパターン形成用感光性樹脂組成物。
  5. 前記重合禁止剤(D)が、分子量230~1500である前記ヒンダードフェノール系化合物として、2,5-ビス(1,1,3,3-テトラメチルブチル)ハイドロキノン、2,5-ビス(1,1-ジメチルブチル)ハイドロキノン、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’-へキサン-1,6-ジイルビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン、4,4’,4”-(1-メチルプロパニル-3-イリデン)トリス(6-tert-ブチル-m-クレゾール、オクタデシル 3-(3,5-ジ-tetr-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,9-ビス{2-[3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ]-1,1-ジメチルエチル}-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルメチル)-2,4,6-トリメチルベンゼン、2,2’-チオジエチルビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート]、イソオクチル 3-(3,5-ジ-tetr-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、カルシウムビス[3,5-ジ(tert-ブチル)-4-ヒドロキシベンジル(エトキシ)ホスフィナート]、ビス[3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオン酸][エチレンビス(オキシエチレン)]、1,6-ヘキサンジオールビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート]、及び4-[[4,6-ビス(オクチルチオ)-1,3,5-トリアジン-2-イル]アミノ]-2,6-ジ-tert-ブチルフェノールからなる群から選択される1又は2以上の化合物を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のパターン形成用感光性樹脂組成物。
  6. 前記光重合性化合物(B)が、6以上の重合性官能基を有する化合物を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載のパターン形成用感光性樹脂組成物。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載パターン形成用感光性樹脂組成物を硬化させて形成された、硬化膜。
  8. 請求項7に記載の硬化膜を備える、光学デバイス。
  9. 請求項1~6のいずれか1項に記載のパターン形成用感光性樹脂組成物の塗布膜を形成することと、
    前記塗布膜を、所定のパターンに応じて位置選択的に露光することと、
    露光された前記塗布膜を現像することと、を含む、パターン化された硬化膜の形成方法。
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