JP7026302B2 - 印刷用クロス及びその製造方法 - Google Patents
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Description
1.少なくとも、隠蔽層もしくは外観調整層/基材/外観調整層/印刷調整層の構成からなり、隠蔽層及び外観調整層にでんぷんを含み、印刷調整層にポリビニルアルコールとアクリル系樹脂とを含み、印刷調整層面の表面粗さが70μm以上で、光沢度が7.0以下であり、印刷調整層側を表紙面とするインクジェット印刷が可能な印刷用クロスであることを特徴とする。
2.基材が織編物である印刷用クロスであることを特徴とする
3.隠蔽層/外観調整層/基材/外観調整層/印刷調整層の構成からなる印刷用クロスであることを特徴とする
4.外観調整層がJIS K 6900に記載された含浸により形成される印刷用クロスであることを特徴とする
5.上記印刷用クロスの製造方法を特徴とする
6.上記印刷用クロスを使用した表紙用ブッククロスとする
7.上記表紙用ブッククロスを使用した装丁材とする
ことにより課題を解決した。
実施例1と同一の基材である、経糸・緯糸が30番手の綿糸で打ち込み本数100本の平織物(基材A)を使用し、外観調整層や隠蔽層や印刷調整層は設けず印刷用クロスとした。
実施例1と同一の基材(基材A)に実施例1と同一塗料同一加工条件で隠蔽層(隠蔽層塗料)の加工を行い、外観調整層と印刷調整層の加工を行わず印刷用クロスを作成した。
印刷調整層の加工を行わなかった以外は実施例2と同一の基材(基材A)に同一の隠蔽層と外観調整層の加工(外観調整塗料B、隠蔽層塗料)を行って印刷用クロスを作成した。
実施例2と同一の基材(基材A)を使用し、実施例2と同一条件で外観調整層(外観調整層塗料B)及び隠蔽層(隠蔽層塗料)を形成し、さらに外観調整層の上に、ポリビニルアルコール(完全鹸化)7.2質量部、粉末シリカ(平均粒子径5~8μm)7.5質量部、二酸化チタン1.5質量部、界面活性剤0.2質量部、消泡剤0.1質量部、水43.0質量部を混合し撹拌作成した印刷調整層用塗料(印刷調整塗料アクリル無)をナイフコーターにて固形分付着量15g/m2となるように塗布し120℃で2分間乾燥した。これにより印刷用クロスを作成した。
実施例2と同一の基材(基材A)を使用し、実施例2と同一条件で外観調整層(外観調整層塗料B)及び隠蔽層(隠蔽層塗料)を形成し、さらに外観調整層の上に、アクリル系樹脂(Tg-10℃、固形分49%のアクリル樹脂エマルジョン)20.0質量部、ポリビニルアルコール(完全鹸化)7.2質量部、界面活性剤0.2質量部、消泡剤0.1質量部、水43.0質量部を混合し撹拌作成した印刷調整層用塗料(印刷調整層塗料シリカチタン無)をナイフコーターにて固形分付着量15g/m2となるように塗布し120℃で2分間乾燥した。これにより印刷用クロスを作成した。
実施例2と同一の基材に同一の外観調整層の加工を行い、隠蔽層の加工を行わず、実施例1と同一の印刷調整層の加工を行ない、印刷用クロスを作成した。
実施例5と同一基材に同一の塗料方法で外観調整層を作成し、また同一の塗料方法で隠蔽層を作成した。さらに外観調整層の上に、アクリル系樹脂(Tg-10℃、固形分49%のアクリル樹脂エマルジョン)20.0質量部、ポリビニルアルコール(完全鹸化)7.2質量部、粉末シリカ(平均粒子径5~8μm)15.0質量部、二酸化チタン1.5質量部、界面活性剤0.2質量部、消泡剤0.1質量部、水43.0質量部を混合し撹拌作成した印刷調整層用塗料(印刷調整塗料シリカ多)をナイフコーターにて塗布120℃で2分間乾燥の工程を3回繰り返し、固形分付着量60g/m2となるようにした。これにより印刷用クロスを作成した。
実施例2と同一の基材を使用し、でんぷん1.0質量部、ポリビニルアルコール(完全鹸化)0.5質量部、水98.5質量部(外観調整層塗料E)からなる外観調整層塗料をナイフコーターにより固形分付着量が1g/m2となるように塗布し140℃で2分間乾燥した以外は実施例2と同一内容で隠蔽層(隠蔽層塗料)と印刷調整層(印刷調整層塗料)の加工を行い、印刷用クロスを作成した。
布の生地目がかもしだす意匠性を判定する。作成した印刷用クロスを目視にて観察した結果、布の織りによる凹凸から立体感が際立ってはっきり見えるものを◎、布の織りによる凹凸感がはっきり見えるものを○、布の織りによる凹凸感がほとんど見えないものを×として判定した。
平織や綾織など生地本来がもつきれいな織目模様を保持できているかどうかを判定する。作成した印刷用クロスにおいて、使用した生地の経糸と緯糸が直角に交差しているかどうかを目視にて観察した結果、経糸と緯糸がほぼ直角に交差しているものを◎、経糸と緯糸が明らかに曲がっており直角に交差しているようには思えないものを×として判定した。
エプソン社製SureColorT5250プリンターで水性顔料インクを使用して印字して、文字の滲みや発色性を確認し、画像の鮮明性や、印刷面を指でこすっても色落ちがしないインクの乾燥性や、プリンターを問題なく走行するかどうかの走行安定性などについて目視にて観察した。その結果、画像の鮮明性やインクの乾燥性や走行安定性に異常が見られなかったものを◎、画像の鮮明性やインクの乾燥性や走行安定性に実用上問題ないと判断したものを○、画像の鮮明性やインクの乾燥性や走行安定性に明らかに異常があり実用上使用できないと判断されるものを×、として判定した。
裏打ち紙を使用せず本発明の印刷用クロスを表紙用ブッククロスとして直接板紙に貼るため、板紙に貼り付けても表面から板紙部分の状態が透けて見えることがないかどうかを判定する。机の上に黒で文字等を印刷した白色のコピー用紙の上に隠蔽層が下面となるようにして、作成した印刷用クロスを置く。印刷調整層面側から眺めたときコピー用紙の文字が判読できるものを×、コピー用紙の文字が判読できないものを◎として判定した。
本発明の印刷用クロスを表紙用ブッククロスとして製本を行う工程で異常が発生しないかどうかを判定する。作成した印刷用クロスを折り曲げると割れが生じたり、隠蔽層面にニカワを使用して板紙に貼りつけるにあたって、接着しないなど製本工程で不良が発生すると判断されるものを×。折り曲げた時に割れずニカワを使用して板紙に貼りつけるにあたって接着できるなど製本工程で不良発生がないと判断されるものを◎として判定した。
インクジェット印刷時の走行性や、製本をするにあたって本発明の印刷用クロスからなる表紙用ブッククロスがカールすることによって引き起こされる不良を未然に防ぐために判定する。作成した印刷用クロスを直径150mmの円形にカットし、サンプルの両面を平らなアクリル板ではさんで20℃×65%で24時間放置後、アクリル板からはずした後20℃×65%で24時間放置する。放置後のサンプルにおいて、サンプルのカール状態を保持したままサンプルの中心を通り最も短い直径aを測定する。その結果K=((150-a)/150)×100を計算してその値をカール度Kとする。Kが6以上を×。6未満を◎とした。
印刷用クロスを製造するにあたって使用する塗料の作成可否や粘性や安定性や加工時の加工方法との相性などを判定する。塗料の作成ができない、塗料の粘度が高すぎたり低すぎたりしてナイフコーターやマングルによる含浸加工ができないものを×。ナイフコーターやマングルによる含浸が行えるものを◎。とした。
印刷用クロスの表面外観にぎらつきがなく落ち着いた雰囲気を有しているかどうかを客観的に判定する。JIS Z8741に基づき測定を行い、7.0以下を◎。7.0未満を×とした。
印刷用クロスが立体感のある意匠性を有しているかどうかを客観的に判定する。JISB-0651に規定される触針式表面粗さ測定器を使用し、JIS B-0601に規定される10点平均表面粗さを測定はした。70μm以上を◎、70μm未満を×とした。
印刷用クロスが表紙用ブッククロス素材として充分な表面強度を保持しているかどうかを客観的に判定する。JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法No1:2000「紙及び板紙-ワックスによる表面強さ試験方法」に準拠し、印刷調整層面の表面強さを測定した。10A以上を◎。10A未満を×として判定した。
各評価結果に基づいて、1つでも×のあるものは×、○と◎のみが混在するものは○、◎のみのものは◎として評価結果を示した。
Claims (7)
- 少なくとも、隠蔽層もしくは外観調整層/基材/外観調整層/印刷調整層の構成からなり、隠蔽層及び外観調整層にでんぷんを含み、印刷調整層にポリビニルアルコールとアクリル系樹脂とを含み、印刷調整層面の表面粗さが70μm以上で、光沢度が7.0以下であり、印刷調整層側を表紙面とすることを特徴とするインクジェット印刷が可能な印刷用クロス。
- 基材が織編物であることを特徴とする請求項1記載の印刷用クロス。
- 隠蔽層/外観調整層/基材/外観調整層/印刷調整層 の構成からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷用クロス。
- 外観調整層がJIS K 6900に記載された含浸により形成されることを特徴とする請求項3記載の印刷用クロス。
- 基材に、JIS K 6900に記載された含浸を行うことによりでんぷんを含む外観調整層を形成する工程と、塗布によりでんぷんを含む隠蔽層を形成する工程と、塗布によりポリビニルアルコールとアクリル系樹脂とを含む印刷調整層を形成する工程とからなり、印刷調整層面の表面粗さが70μm以上で、光沢度が7.0以下であるインクジェット印刷が可能な、隠蔽層/外観調整層/基材/外観調整層/印刷調整層の構成からなる印刷用クロスの製造方法。
- 請求項1~5いずれかに記載の印刷用クロスを使用した表紙用ブッククロス。
- 請求項6記載の表紙用ブッククロスを使用した装丁材。
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