JP4403131B2 - インクジェット記録シート - Google Patents

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Description

本発明は、インクを用いて記録するアルバム用インクジェット記録シートに関するものである。さらに詳しくは、優れた画像鮮明性と保存性を持ち、且つアルバム製本の加工適性に優れたアルバム用インクジェット記録シートを提供することに関するものでる。
技術背景
インクジェット記録方式は、騒音が少なく、現像や定着等のプロセスを必要とせず、且つ容易にフルカラー記録が行えるため、各種プリンターに利用され、近年急速に普及してきている。特に、コンピューターにより発色画像が形成されることと、記録装置を比較的小型にすることができること、その装置の保守が容易であり、なおかつ駆動音及び記録音の発生が非常に低いという利点により、近年ファクシミリや各種プリンターの記録方式として利用されている。
更に最近では、インクジェット記録方式の高速化・高精細化などの要求による、インクジェット記録装置の性能向上や用途拡大に伴い、インクジェット記録シートに対してもより高度な特性が求められている。
まず、インクジェット記録シートとしては、画像の印字濃度が高く色調が明るく鮮明であること、インクの吸収が早く印字画像の重なった場合においてもインクが流れ出したり滲んだりしないこと、印字ドットの縦方向や横方向への拡散が必要以上に大きくなく且つ周辺が滑らかであることなど、画像鮮明性に優れていることが要求される。
また、保存性に関して、高湿度条件下などや、印字画像部が水に侵された場合にもインクが流れ出さないように、印字画像の耐水性に優れていることが要求される。
このような要求を満たすために、いわゆるコート紙タイプは、支持体である紙の上に、シリカなどの顔料を主体とするインク受理層を設けて、画像鮮明性などを向上させている。また、インク受理層にカチオン性高分子染料定着剤を含有することによって、印字画像の耐水性を向上させている。
インクジェット記録シートにおいては、平均粒子径数十nmから十数μm程度の合成非晶質シリカを主成分とした、数μmから数十μm厚のインク吸収層を基材上に形成させることで、より大きなインク吸収容量と鮮やかな発色性を実現した、いわゆるインクジェット専用紙が主流となっている。
アルバム用インクジェット記録としては、市販のアルバムを購入することなくアルバムを簡単に自作できる自作アルバム(参考文献1参照)の提案がある。しかし、自作アルバムでは、簡単にアルバムが安価に自作できて、手作りの味わいがあるものの、実際にアルバム加工業者の製作するアルバムと比べると簡易であるため高級感に乏しく且つ耐久性がなく見劣りすること、また数冊レベルのアルバム自作では問題にならないとしても、十数冊から数十冊レベルの小ロットのアルバム自作には手数や時間がかかり生産性に劣ることなどの問題がある。
アルバム製本の加工業者において、小ロットのアルバム印刷物を作って欲しいという要望もある。そのため、オンデマンドの小ロットに対応すべく、インクジェット記録方式が注目されている。
しかし、インクジェット記録シートの厚さが足りずに、高級感が出ないという問題がある。また、アルバム製本の加工において、画像を印刷後、裏面を糊付けし、二つ折りに貼り合わせ加工する。このとき、糊の浸透量が多いとアルバム用紙の表面に凸凹が発生する。また、糊の浸透量が少ないと、接着剤が付着しにくく二つ折りした裏面の接着性が悪いという問題がある。アルバム用紙に、特に、いわゆる印画紙のRC(レジンコート)ベースのインクジェット記録シートを用いると、アルバム用紙の表面に凸凹が発生しないものの裏面の撥水性が大きく、糊付け加工における接着性が悪い。また、印画紙ベースのものは、紙ベースのものに比べて折り曲げにくいという問題もある。
印刷画像の保存性をより向上するために、貼り合わせ加工した後に、ポリプロピレン(PP)樹脂などでラミネート処理を行う場合がある。このとき、アルバム用紙の表面に凹凸が大きいと、ラミネート処理がしにくく、きれいにラミネートできないという問題がある。
このように、画像鮮明性と保存性に優れたアルバム用インクジェット記録シートであり、アルバム製本の加工適性に優れたインクジェット記録シートには課題が多いのが現状である。
実用新案登録第3070471号公報
従って本発明の課題は、インクジェット印刷において、優れた画像鮮明性と保存性を持ち、且つアルバム製本の加工適性に優れたアルバム用インクジェット記録シートを提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、セルロースパルプを主体とする原紙である支持体上の片面に、合成非晶質シリカとバインダーを主成分とする1層以上のインク受理層を設けたインクジェット記録シートにおいて、該インク受理層と反対側の、二つ折りに貼り合わせ加工される支持体裏面に、デラミクレー、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、及びデラミクレーとタルクとの組合せよりなる群から選ばれる平均粒子径1.9〜15μmの顔料とバインダーのラテックスとしてスチレン−アクリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体又はエチレン酢酸ビニル共重合体を含むバック層を設けてなり、該バック層の絶乾塗工量が8〜25g/m 、かつ、該記録シートの厚さが216〜500μmであることを特徴とするアルバム用インクジェット記録シートが上記の課題を解決することを見出した。
本発明の一つの実施態様においては、上記バック層のバインダーが前記バック層のバインダーがラテックスの他に、水溶性バインダーを含有する
上記の構成のアルバム用インクジェット記録シートは、優れた画像鮮明性と保存性を示し、且つアルバム製本の加工適性に優れている。
本発明では、支持体上の片面に、合成非晶質シリカとバインダーを主成分とする1層以上のインク受理層を設けたインクジェット記録シートにおいて、該インク受理層と反対側の支持体裏面に、クレー、カオリン、タルクおよび炭酸カルシウムよりなる群から選ばれる少なくとも一種を含む顔料とバインダーを含むバック層を設けてなり、該記録シートの厚みが150〜500μmであることを特徴とするものである。インク受理層の反対面に、クレー、カオリン、タルクおよび炭酸カルシウムよりなる群から選ばれる少なくとも一種を含む顔料とバインダーとを含むバック層を設けることで、糊の浸透量をコントロールすることができ、糊付け加工適性を向上させることができる。すなわち、本発明のバック層を設けることによって、糊の均一な塗りの状態ができ、糊成分の支持体への過度な浸透を防ぐことができる。
該記録シートの厚みは、150〜500μmが好ましく、さらに好ましくは200〜400μmである。厚みが150μmより薄いと、折り曲げ加工がしやすいものの、耐久性や高級感、アルバム用紙の波打ち(コックリング)が劣る問題がある。厚みが500μmより厚いと、耐久性や高級感などは良いものの、折り曲げ加工がしにくいという問題がある。
本発明におけるインク受理層の顔料には、充分なインク吸収性を得ることができれば、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、カオリン、焼成クレー、クレー、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等、一般塗工紙分野で公知公用の各種顔料を用いることができる。さらに好ましくは、インク吸収性に優れた合成非晶質シリカを用いることである。
本発明におけるインク受理層の顔料は、平均粒子径3〜20μmである合成非晶質シリカを主体とすることが好ましい。さらに好ましくは、平均粒子径6〜16μmである合成非晶質シリカを主体とすることである。平均粒子径が3μmより小さいと、インク吸収性が劣り、画像の鮮明性が劣る問題がある。平均粒子径が20μmより大きいと、インク吸収性は良いものの、ドットの形状が粗いために、滲みが劣り、画像の鮮明性を低下させるという問題がある。なお、顔料の平均粒子径は光散乱法またはレーザー回折法で測定されるが、ここでは顔料粒子を水に分散させた懸濁液状態でレーザー回折法により測定している。
インク受理層の絶乾塗工量が3〜50g/mであることが好ましく、さらに好ましくは5〜40g/m、特に好ましくは10〜30g/mである。絶乾塗工量が3g/mより少ないと、インク吸収容量の不足によりインクの溢れ、滲み、発色ムラ等を生じる。絶乾塗工量が50g/mより多いと、記録層の強度が低下し、また過剰なインク吸収容量により印字部のドット径が小さくなりすぎるために印字濃度を低下させてしまう問題がある。インク受理層上に、コロイダルシリカやアルミナ等の無機微粒子を主体とする光沢発現層を設けることもできる。
インク受理層のバインダーとして、例えば水溶性バインダーとして、ポリビニルアルコール、カゼイン、大豆蛋白、合成タンパク質類、でんぷん、カルボキシメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、及びラテックスとして、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルの重合体または共重合体等のアクリル系共重合体ラテックス類、酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体等のビニル系ラテックス類の一般に塗工紙に使用できるバインダーを使用してもよい。好ましくは、インク吸収性が良好で、画像の鮮明性に優れるポリビニルアルコールである。
更に、受理層には、添加剤として、染料定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤、硬化剤等を適宜配合することもできる。好ましくは、保存性向上の観点から、インクの定着性に優れたカチオン性の染料定着剤を用いることである。
特に、水性インクの染料分である水溶性直接染料や水溶性酸性染料中のスルホン酸基、カルボキシル基、アミノ基などと不溶な塩を形成する2級アミン、3級アミン、4級アンモニウム塩からなるカチオン性染料定着剤を配合すると、インク受理層にて染料が捕獲されるために、色彩性の向上や不溶な塩の形成により水の滴下や湿度によるインクの流れ出しや滲み出しを抑制するので好ましい。例えば、アクリルカチオンポリマーと二級アミンポリマー、アミンエピクロルヒドリン重縮合物、ジメチルジアリルアンモニウムクロライドポリマー、アルキルアミン四級化物、ジシアンジアミド等が挙げられる。但し、顔料インクの場合、染料インクに比べて、耐水性や耐光性などの保存特性に優れるので、染料定着剤を必要以上に用いることはない。特にアルバム用途では、保存特性が求められるので、顔料インクを用いることが好ましい。さらに、より高い保存特性を必要とする場合、画像を印刷後に、ポリプロピレン(PP)樹脂などのラミネート処理することが好ましい。
本発明のアルバム用インクジェット記録シートのバック層はクレー、カオリン、タルクおよび炭酸カルシウムの群から選ばれる少なくとも一種を含む顔料を含有する。好ましくは、クレーとタルクを含む顔料が好ましい。デラミクレーとタルクを含む顔料が更に好ましい。クレー、カオリン、タルクおよび炭酸カルシウムの群から選ばれる少なくとも一種を含む顔料を適宜配合して、平滑性や摩擦係数を調整することができる。クレー、カオリン、タルクおよび炭酸カルシウムの平均粒子径0.5〜15μmが好ましく、1〜10μmがさらに好ましい。平均粒子径が0.5μmより小さいと、バインダー量を多く必要であり、塗工層の粉落ちの問題がある。平均粒子径が15μmより大きいと、塗工面の平滑性が低く、触感が劣るという問題がある。
本発明におけるバック層の顔料には、クレー、カオリン、タルクおよび炭酸カルシウムの群から選ばれる少なくとも一種を含む顔料が好ましいが、充分な糊付け加工適性を得ることができれば、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム等、一般塗工紙分野で公知公用の各種顔料を追加的に用いても良い。しかし、合成非晶質シリカのような高吸収性の顔料を、バック層の主体として用いると、糊の浸透が大きくなるため、アルバム加工適性が劣るという問題がある。
バック層のバインダーとしては、ポリビニルアルコール、カゼイン、大豆蛋白、合成タンパク質類、でんぷん、カルボキシメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルの重合体または共重合体等のアクリル系共重合体ラテックス類、酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体等のビニル系ラテックス類の一般に塗工紙に使用できる1種類以上のバインダーを使用してもよい。前記バック層のバインダーは、ラテックスおよび水溶性バインダーを含有しているのが好ましい。本発明で言うラテックスは合成ゴムおよび熱可塑性樹脂の乳濁液の合成ラテックスである。適するラテックスは、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルの重合体または共重合体等のアクリル系共重合体ラテックス類、酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体等のビニル系ラテックス類の一般に塗工紙に使用できるバインダーを使用してもよい。糊付け加工適性の観点から、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体等のラテックス類がさらに好ましい。前記バインダーはラテックス以外に、水溶性バインダー、例えばポリビニルアルコール、カゼイン、大豆蛋白、合成タンパク質類、でんぷん、カルボキシメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドンの少なくとも1種を含有していることが好ましい。
前記バック層の絶乾塗工量が3〜25g/mであることが好ましく、さらに好ましくは、8〜20g/mである。バック層の絶乾塗工量が3g/mより低いと、糊付け加工したときの糊の支持体への浸透量が大きく、アルバム用紙の波打ちや表面の凸凹が生じやすいという問題がある。25g/mより大きいと、アルバム用紙の波打ちや表面の凸凹は良好であるが、塗工層の強度が劣り剥離するという問題がある。
前記バック層には、添加剤として、染料定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤、硬化剤等を適宜配合することもできる。
本発明におけるインク受理層とバック層等の形成は、各層を形成する成分を適当な溶媒中に分散させて調液した塗工液を、各種公知の塗工または含浸する方法を用いてよい。例えば、各種ブレードコータ、ロールコータ、エアーナイフコータ、バーコータ、ロッドブレードコータ、カーテンコータ等の各種装置のマシンで用いることができる。
本発明における支持体として、セルロースパルプを主体とする原紙を用いる。該原紙には、特に限定するものではないが、使用される内添サイズ剤及び外添サイズ剤として、中性ロジンサイズ剤またはAKD、ASA、強化ロジンサイズ剤など各種公知のものが使用できる。サイズ剤を原紙に内添及び外添する方法は、サイズ剤の種類によって適宜選択されて良い。
前記原紙を作成するための抄紙機としては、丸網式、長網式などいずれでも可能である。前記外添サイズ剤の処理は、サイズプレス、ゲートロール、メタリングサイズプレス、エアーナイフコータ、ロッドコータ、ブレードコータなどいずれの方式も可能である。
また、前記原紙には、填料の歩留り向上剤、見た目の白さを向上させるための着色顔料や染料、蛍光染料などを使用できる。この歩留り向上剤として、例えば、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、カチオン化でんぷんなどを挙げることができる。さらに必要に応じて、抄紙工程における原料の発泡を防ぐために、消泡剤を添加することも可能である。また、アルバム用インクジェット記録シートの生産性及び保存安定性などを考慮して、分散剤、蛍光染料、pH調整剤、消泡剤、界面活性剤、湿潤剤、保水剤、防腐剤などを添加してもよい。
以下に実施例および比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また実施例および比較例に於いて示す「部」及び「%」は特に明示しない限り絶乾質量部及び絶乾質量%を示す。
〔支持体の形成〕
広葉樹晒クラフトパルプL−BKPからなるパルプスラリー中の絶乾パルプ100%に対し、炭酸カルシウム(タマパールTP−121:奥多摩工業社製)5%、カチオン化でんぷん(ケート308:日本NSC社製)0.8%、中性ロジンサイズ剤(NT−85:荒川化学社製)0.4%の配合で抄紙し、坪量150g/mの原紙を形成した。
〔インク受理層の形成〕
平均粒子径9.5μmのシリカ(サイロジェットP−409:グレースジャパン社製)100部、ポリビニルアルコール(PVA−117:クラレ社製)30部、染料定着剤(SR−1001:住友化学工業社製)15部と水を混合し、固形分15%の塗工液を得た。該インク受理層の塗工液を絶乾塗工量12g/mとなるように、支持体上の片方の面に塗工して、インク受理層を形成した。
〔バック層の形成〕
平均粒子径3.3μmのデラミクレー(CAPIM−NP:富士タルク工業社製)100部、ラテックス(L−1537:旭化成ケミカルズ社製)15部、ポリビニルアルコール(PVA―117:クラレ社製)5部と水を混合し、固形分40%の塗工液を得た。該バック層の塗工液を絶乾塗工量14g/mとなるように、インク受理層と反対側の支持体裏面に塗工して、バック層を形成した。
〔インクジェット記録シートの作成〕
支持体の表裏両面に、上述の通り、それぞれインク受理層とバック層を順次形成し、本発明のアルバム用インクジェット記録シートを得た。
支持体の坪量を300g/mとしたこと以外は実施例1と同じ処方および同じ方法でアルバム用インクジェット記録シートを得た。
バック層のバインダーをラテックス(L−1537:旭化成ケミカルズ社製)10部とポリビニルアルコール(PVA−117:クラレ社製)10部としたこと以外は実施例1と同じ処方および同じ方法でアルバム用インクジェット記録シートを得た。
バック層のバインダーをエチレン酢酸ビニル(スミカフレックス455HQ:住友化学工業社製)15部としたこと以外は実施例1と同じ処方および同じ方法でアルバム用インクジェット記録シートを得た。
バック層の顔料を平均粒子径1.9μmのカオリン(UW−90:エンゲルハード社製)100部としたこと以外は実施例1と同じ処方および同じ方法でアルバム用インクジェット記録シートを得た。
バック層の顔料を平均粒子径7.7μmのタルク(LMS−100:イメリス ミネラルズ・ジャパン社製)100部としたこと以外は実施例1と同じ処方および同じ方法でアルバム用インクジェット記録シートを得た。
バック層の顔料を平均粒子径3.4μmの炭酸カルシウム(白艶華PZ:白石カルシウム社製)100部としたこと以外は実施例1と同じ処方および同じ方法でアルバム用インクジェット記録シートを得た。
バック層の顔料を平均粒子径3.3μmのデラミクレー(CAPIM−NP:富士タルク工業社製)50部と平均粒子径7.7μmのタルク(LMS−100:イメリス ミネラルズ・ジャパン社製)50部としたこと以外は実施例1と同じ処方および同じ方法でアルバム用インクジェット記録シートを得た。
バック層の顔料を平均粒子径3.3μmのデラミクレー(CAPIM−NP:富士タルク工業社製)90部と平均粒子径9.5μmのシリカ(サイロジェットP−409:グレースジャパン社製)10部としたこと以外は実施例1と同じ処方および同じ方法でアルバム用インクジェット記録シートを得た。
インク受理層の絶乾塗工量を8g/mとしたこと以外は実施例1と同じ処方および同じ方法でアルバム用インクジェット記録シートを得た。
インク受理層の絶乾塗工量を20g/mとしたこと以外は実施例1と同じ処方および同じ方法でアルバム用インクジェット記録シートを得た。
バック層の絶乾塗工量を8g/mとしたこと以外は実施例1と同じ処方および同じ方法でアルバム用インクジェット記録シートを得た。
バック層の絶乾塗工量を20g/mとしたこと以外は実施例1と同じ処方および同じ方法でアルバム用インクジェット記録シートを得た。
比較例1
支持体の坪量を80g/mとしたこと以外は実施例1と同じ処方および同じ方法でインクジェット記録シートを得た。得られた記録シートの厚さは144μmであった。
比較例2
支持体の坪量を500g/mとしたこと以外は実施例2と同じ処方および同じ方法でインクジェット記録シートを得た。得られた記録シートの厚さは541μmであった。
比較例3
バック層を水のみ塗工としたこと以外は実施例1と同じ処方および同じ方法でインクジェット記録シートを得た。
比較例4
バック層の顔料が平均粒子径9.5μmのシリカ(サイロジェットP−409:グレースジャパン社製:合成非晶質シリカ)100部としたこと以外は実施例1と同じ処方および同じ方法でインクジェット記録シートを得た。
比較例5
バック層の絶乾塗工量を1g/mとしたこと以外は実施例1と同じ処方および同じ方法でインクジェット記録シートを得た。
比較例6
バック層の絶乾塗工量を35g/mとしたこと以外は実施例1と同じ処方および同じ方法でインクジェット記録シートを得た。
このようにして得られたアルバム用インクジェット記録シートにおいて、厚さ、画像鮮明性、滲み、表面強度、耐水性、コックリング、アルバム製本の加工適性をそれぞれ下記の方法で評価し、表1及び表2、表3に示した。
「厚さ」
得られたアルバム用インクジェット記録シートの厚さは、紙厚さ計(商品名:TW−21、東西精器社製)を用いてJISP 8118:1998「紙及び板紙−厚さ及び密度の試験方法」に準じて測定した。単位はμmで表した。
「画像鮮明性」
PX−G5000で印字して、印字画像の鮮明性を目視評価した。
◎:印字画像が非常に鮮明でコントラストがはっきりしている。
○:印字画像が鮮明でコントラストがある。
△:印字画像が鮮明であるがコントラストがあまりはっきりしておらず、やや白ボケ気味で劣る。
×:印字画像が鮮明でなく、白ボケ気味で劣る。
「滲み」
PX−G5000で印字して、印字の滲みを目視評価した。
◎:混色印字部の滲みがほとんどなく、非常に明瞭に文字が読み取れる。
○:混色印字部の滲みが少なく、明瞭に文字が読み取れる。
△:混色印字部の滲みがややあり、少し文字が読み取りにくく、劣る。
×:混色印字部の滲みがあり、文字が読み取りにくく、劣る。
「表面強度」
塗工面を指で擦り、粉落ちを評価した。
◎:塗工面の粉落ちがなく、指にも付着せず非常に良好である。
○:塗工面の粉落ちが少なく、指にもあまり付着せず良好である。
△:塗工面の粉落ちがややあり、指に少し付着していて、劣る。
×:塗工面の粉落ちが多くあり、指にも付着していて、劣る。
「耐水性」
ベタ印字部を水に5秒間浸し、濾紙でふき取り、インクの流れ出しを評価した。
◎:インクの流れ出しがなく、非常に耐水性が良好である。
○:インクの流れ出しが目立たず、耐水性が良好である。
△:インクの流れ出しが二次色で生ずるなど、耐水性がやや悪く、劣る。
×:インクの流れ出しが全般に生じ、耐水性が非常に悪く、劣る。
「コックリング」
PX−G5000で印字して、アルバム用紙の波打ち度合いを評価した。
◎:アルバム用紙の波打ちがなく、非常にコックリングが良好である。
○:アルバム用紙の波打ちが目立たず、コックリングが良好である。
△:アルバム用紙の波打ちが二次色で生ずるなど、コックリングがやや悪く、劣る。
×:アルバム用紙の波打ちが全般に生じ、コックリングが非常に悪く、劣る。
「アルバム製本の加工適性」
得られたアルバム用インクジェット記録シートについて、画像を印刷後、裏面(バック層)に糊付けをして、裏面同士を二つ折りに貼り合わせ加工して、その糊付け加工適性、貼り合わせ加工適性を評価した。
◎:糊付け加工、貼り合わせ加工が問題なくでき、非常にきれいにアルバム加工できる。
○:糊付け加工、貼り合わせ加工に少し問題あるが、比較的きれいにアルバム加工できる。
△:糊付け加工、貼り合わせ加工に多少問題があり、あまりきれいにアルバム加工できず、劣る。
×:糊付け加工、貼り合わせ加工に問題が多く、きれいにアルバム加工できず、劣る。
Figure 0004403131
Figure 0004403131
Figure 0004403131
表1および表2から、実施例1〜13が、支持体上の片面に、合成非晶質シリカとバインダーを主成分とする1層以上のインク受理層を設けたインクジェット記録シートにおいて、該インク受理層と反対側の支持体裏面に、クレー、カオリン、タルクおよび炭酸カルシウムの群から選ばれる少なくとも一種を含む顔料とバインダーを含むバック層を設けてなり、該記録シートの厚みが150〜500μmであることを特徴とするアルバム用インクジェット記録シートが優れた性質を達成しており好ましいことが判る。表3からは、比較例1〜4は上記条件から外れるもので、本発明のアルバム用インクジェット記録シートとしては不適である。即ち、比較例1および2の場合には記録シートの厚さが請求項1で規定する150〜500μmから外れて、それぞれ144μmと541μmであり、両者はアルバム加工適性が不足しそして前者は更にコックリングがやや悪く、本発明の課題を達成し得ない。バック層を設けていない比較例3の場合には、アルバム製本の加工適性が悪い。バック層の顔料として合成非晶質シリカを使用した比較例4の場合には、アルバム加工適性が劣っている。
バック層塗工量によるバック層の機能について以下に検討する。バック層の厚さの相違する実施例1、12お13並びに比較例5および6を表4に示す。
Figure 0004403131
表4から、バック層のバインダーがラテックスおよび水溶性バインダーを含有し、該バック層の絶乾塗工量が3〜25g/mである場合に、バック層が機能していることが判る。即ち、上記範囲内にある実施例1、実施例12および13の場合には優れた表面強度およびアルバム加工適性を有しているが、バック層が1g/mである比較例5の場合にはアルバム加工適性が悪くそして35g/mである比較例6の場合には、表面強度が劣っている。
以上に説明した通り、本発明を実施することで、優れた画像鮮明性と保存性を持ち、且つ且つアルバム製本の加工適性に優れたアルバム用インクジェット記録シートを提供することができる。

Claims (2)

  1. セルロースパルプを主体とする支持体上の片面に、合成非晶質シリカとバインダーを主成分とする1層以上のインク受理層を設けたインクジェット記録シートにおいて、該インク受理層と反対側の、二つ折りに貼り合わせ加工される支持体裏面に、デラミクレー、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、及びデラミクレーとタルクとの組合せよりなる群から選ばれる平均粒子径1.9〜15μmの顔料とバインダーのラテックスとしてスチレン−アクリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体又はエチレン酢酸ビニル共重合体を含むバック層を設けてなり、該バック層の絶乾塗工量が8〜25g/m 、かつ、該記録シートの厚さが216〜500μmであることを特徴とするアルバム用インクジェット記録シート。
  2. 前記バック層のバインダーがラテックスの他に、水溶性バインダーを含有することを特徴とする請求項1記載のアルバム用インクジェット記録シート。
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