JP5698553B2 - アルバム用インクジェット光沢紙 - Google Patents

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Description

本発明は、光沢度が高く、写真ライクな画像が得られ、且つアルバム製本の加工適性に優れたアルバム用インクジェット用光沢紙及びその製造方法を提供することに関するものである。
一般にインクジェット記録方式は、種々の機構によってインクの小滴を吐出し、記録用紙上に付着させることによって、ドットを形成し記録を行うものであるが、ドットインパクトタイプの記録方式に比べて騒音がなく、またフルカラー化が容易である上、高速印字が可能であるなどの利点がある。一方、インクジェット記録に使用されるインクは、通常直接染料や酸性染料などを用いた水性インクであるため乾燥性が悪いという欠点がある。
最近では高解像度のデジタルビデオ、デジタルカメラ、スキャナー及びパーソナルコンピューターの普及によって高精細の画像を取り扱う機会が多くなり、これらのハードコピーをインクジェットプリンターで出力することが多くなっている。これに伴い記録媒体に対しても要求特性が多様化してきており、中でも銀塩写真並の光沢感を有する記録媒体の要望が高くなってきている。
このようなインクジェット記録方式に用いられるインクジェット記録用紙に要求される特性として、インク乾燥速度が速いこと、印字濃度が高いこと、インクの溢れ及び滲みがないこと、更に、インクを吸収することによって用紙が波打ちしないことなどが挙げられる。これらの特性を満たした高画質のインクジェット記録用紙を、キャストコート法によって製造する方法は既に提案されている(例えば、特許文献1又は2を参照。)。
アルバム用紙の分野ではアルバム用インクジェット記録として、市販のアルバムを購入することなくアルバムを簡単に自作できる自作アルバムの提案がある(例えば、特許文献3を参照。)。
さらにアルバム用インクジェット記録シートとして裏面に使用する無機顔料とバインダーなどを規定した提案がある(例えば、特許文献4を参照。)。
特開昭62−95285号公報 特開平5−59694号公報 実用新案登録第3070471号公報 特開2007−125816号公報
特許文献3による自作アルバムでは、簡単にアルバムが安価に自作できて、手作りの味わいがあるものの、実際にアルバム加工業者の製作するアルバムと比べると簡易であるため高級感に乏しく且つ耐久性がなく見劣りすること、また数冊レベルのアルバム自作では問題にならないとしても、十数冊から数十冊レベルの小ロットのアルバム自作には手数と時間がかかり、生産性に劣ることなどの問題がある。
アルバム製本の加工業者において、小ロットのアルバム印刷物を作って欲しいという要望もある。そのため、オンデマンドの小ロットに対応すべく、インクジェット記録方式が注目されている。
しかし、インクジェット記録シートの厚さが足りない場合、高級感が出ないという問題がある。またアルバム製本の加工においては、画像を印刷後、裏面を糊付けし、二つ折りに貼り合わせて加工を施している。ここで貼り合わせに使用する糊は澱粉又は酢酸ビニル系接着剤の単独使用若しくは混合して主に使用されるが、水溶性のため、糊の吸収性のコントロールがアルバム加工適性に大きく影響する。糊の浸透量が多いとアルバム用紙の表面に凸凹が発生する。また、糊の浸透量が少ないと、余剰した糊がはみ出し、また、乾燥不良によって運搬時にズレを生じる。アルバム用紙に印画紙のRC(レジンコート)ベースのインクジェット記録シートを用いると、アルバム用紙の表面に凸凹が発生しないものの裏面の撥水性が大きく、糊付け加工における接着性が悪い。また、印画紙ベースのものは、紙ベースのものに比べて折り曲げにくいという問題もある。更には糊をアクリル系に変更することで接着性は改善するが高価なものとなり実質使用できない。
印刷画像の保存性をより向上するために、貼り合わせ加工した後に、ポリプロピレン(PP)樹脂などでラミネート処理を行う場合がある。このとき、アルバム用紙の表面に凹凸が大きいと、ラミネート処理がしにくく、きれいにラミネートできないという問題がある。
特許文献4によるアルバム用インクジェット記録シートではアルバムで最も重要な写真ライクな光沢感を有するインクジェット面を持つ場合、裏面に糊付けすることでボコつきが目立ち、この記録シートでは使用に耐えない。
このように、アルバム製本の加工適性に優れたインクジェット用光沢紙には課題が多くあるのが現状である。また、キャストコート法でインクジェット記録層を設けたアルバム用インクジェット光沢紙は未だ発明されていない。
従って本発明の課題は、インクジェット印刷において、光沢度が高く、写真ライクな画像が得られ、且つアルバム製本の加工適性に優れたアルバム用インクジェット光沢紙を提供することにある。
本発明者らは、かかる現状を鑑み、アルバム用インクジェット光沢紙を得るために、鋭意検討した結果、光沢面の反対面のコブ吸水度、光沢面の光沢度を規定することで光沢度が高く、写真ライクな画像が得られ、且つアルバム製本の加工適性に優れたアルバム用インクジェット光沢紙を得ることが出来ることを見出し、発明を完成させた。すなわち、本発明に係るアルバム用インクジェット光沢紙は、基紙の片面に1層以上のインク受容層を有し、該インク受容層の最表層上に、キャストコート法によって形成した、顔料と結着剤とを含有する光沢発現層を有するインクジェット光沢紙において、前記基紙が2層以上の多層抄きの基紙であり、前記光沢発現層を設けた光沢面の反対面である裏面のコブ吸水度が30g/m以下であり、かつ、前記インク受容層及び前記光沢発現層を含むシート全体の厚さが130μm以上270μm以下であり、前記裏面に顔料と接着剤を主体とする1層以上のバック層を有し、該バック層が平均粒子径200nm以上1200nm以下の有機顔料を含み、該バック層の最表層の絶乾塗工量が3〜20g/m であり、前記バック層は糊付け面であり、二つ折りにして貼り合わせ加工がなされることを特徴とする。
本発明に係るアルバム用インクジェット光沢紙では、前記バック層の総顔料の40質量%以上90質量%以下がデラミクレーを含むクレー類であることが好ましい。また、本発明に係るアルバム用インクジェット光沢紙では、前記バック層が合成非晶質シリカを含まないことが好ましい。
本発明に係るアルバム用インクジェット光沢紙では、前記有機顔料がプラスチックピグメントであることが好ましい。
本発明に係るアルバム用インクジェット光沢紙では、前記光沢面の20度光沢度が25%以上であることが好ましい。25%以上とすることで写真ライクな光沢面となりアルバム用紙として適する。
本発明に係るアルバム用インクジェット光沢紙では、前記バック層の最表層における総顔料に対する有機顔料の含有量が3質量%以上30質量%以下であり、かつ、有機顔料の平均粒子径が200nm以上1200nm以下であることが好ましい。この範囲とすることで適正なバック層表面のポーラス性を維持し、より適切な糊の浸透量と乾燥性を保つことが出来る。
本発明に係るアルバム用インクジェット光沢紙では、前記光沢発現層を設けるキャストコート法が、湿潤状態の塗工層を凝固処理によってゲル状態にして、鏡面仕上げした加熱ドラムに圧着し乾燥するゲル化キャスト法(凝固法)であることが好ましい。ゲル化キャスト法(凝固法)とすることで光沢発現層が嵩高となりインクジェットプリンターの吸収性、特に顔料インクの吸収性に適した細孔を確保することができる。
本発明のアルバム用インクジェット光沢紙は、光沢度が高く、写真ライクな画像が得られ、且つアルバム製本の加工適性に優れている。
次に以下本発明について実施形態を示して詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。
本実施形態に係るアルバム用インクジェット光沢紙は、基紙の片面に1層以上のインク受容層を有し、該インク受容層の最表層上に、キャストコート法によって形成した、顔料と結着剤とを含有する光沢発現層を有するインクジェット光沢紙において、前記基紙が2層以上の多層抄きの基紙であり、前記光沢発現層を設けた光沢面の反対面である裏面のコブ吸水度が30g/m以下であり、かつ、前記インク受容層及び前記光沢発現層を含むシート全体の厚さが130μm以上270μm以下であり、前記裏面に顔料と接着剤を主体とする1層以上のバック層を有し、該バック層が平均粒子径200nm以上1200nm以下の有機顔料を含み、該バック層の最表層の絶乾塗工量が3〜20g/m であり、前記バック層は糊付け面であり、二つ折りにして貼り合わせ加工がなされる
支持体としての基紙は、セルロースパルプを主体とする原紙を用いるが、好ましくは紙(塗工紙、未塗工紙など)を用いる。前記紙の原料パルプとして、化学パルプ(針葉樹の晒または未晒クラフトパルプ、広葉樹の晒または未晒クラフトパルプなど)、機械パルプ(グランドパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミサーモメカニカルパルプなど)、脱墨パルプなどを単独または任意の割合で混合して使用することが可能である。また、前記紙のpHは、酸性、中性、アルカリ性のいずれでも良い。また、紙中に填料を含有させると、紙の不透明度が向上する傾向があるため、填料を含有させることが好ましく、填料としては、タルク、カオリン、クレー、焼成クレー、炭酸カルシウム、酸化チタン、水和珪酸、ホワイトカーボン、合成樹脂填料などの公知の填料を使用することができる。
前記支持体を作成するための抄紙機としては、丸網式、長網式などいずれでも可能であるが、2層以上の多層抄きとする。単層では所望する厚さの支持体を生産した場合、地合が悪化して凹凸を生じ、キャレンダー処理で平滑処理したとしても、裏面を糊付けした時に復元し、結果的に光沢面にボコつきを生じることとなる。
支持体には、特に限定するものではないが、使用される内添サイズ剤として強化ロジンサイズ剤、中性ロジンサイズ剤、酸性ロジンサイズ剤、弱酸性ロジンサイズ剤、AKD、ASAなど各種公知のものが使用できる。また外添サイズ剤についてもスチレン系サイズ剤、オレフィン系サイズ剤、アクリレート系サイズ剤、AKD、など各種公知のものが使用できる。前記外添サイズ剤の処理は、サイズプレス、ゲートロール、メタリングサイズプレス、エアーナイフコーター、ロッドコータ、ブレードコーターなどいずれの方式も可能である。
光沢発現層を設けた光沢面の反対面である裏面のコブ吸水度を30g/m以下とし、好ましくは25g/m以下、より好ましくは20g/m以下とする。30g/mを超えると、支持体での糊の浸透が過大となり光沢面にボコ付きを生じる。また、糊の浸透が過大となると乾燥後に反りやバックリングなどの悪影響をもたらす。コブ吸水度のコントロールは主に内添サイズ剤で行ない、外添サイズ剤を補助的に使用する。所望するコブ吸水度とするために各種ロジンサイズ剤はパルプ100質量部に対して0.2質量部〜0.8質量部、AKD及びASAは0.05質量部〜0.2質量部添加することが好ましい。いずれもこの範囲よりも少ない場合は所望するコブ吸水度とならず、逆に多い場合には工程汚れにつながり実質生産することができない。尚、裏面のコブ吸水度の下限は5g/m以上が好ましく、5g/m未満では基紙が水溶性成分をほとんど吸収しないため乾燥時間が膨大となる。また5g/m未満の基紙を製造するにはサイズ剤を多量に必要としかつ薬品による工程汚れが発生するため実質製造することが出来ない。
支持体には、填料の歩留り向上剤、見た目の白さを向上させるための着色顔料や染料、蛍光染料などを使用できる。この歩留り向上剤として、例えば、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、カチオン化でんぷんなどを挙げることができる。さらに必要に応じて、抄紙工程における原料の発泡を防ぐために、消泡剤を添加することも可能である。また、アルバム用インクジェット記録シートの生産性及び保存安定性などを考慮して、分散剤、蛍光染料、pH調整剤、消泡剤、界面活性剤、湿潤剤、保水剤、防腐剤などを添加してもよい。
光沢発現層に含有させる顔料としては、合成非晶質シリカ、球状コロイダルシリカ、球状コロイダルシリカが複数個結合した凝集体コロイダルシリカ、球状コロイダルシリカが複数個鎖状に結合したパールネックレス状コロイダルシリカ、気相法シリカ、アルミナ水和物、アルミナ修飾シリカ、γ−アルミナ、θ−アルミナ、σ−アルミナ、擬ベーマイト、などを使用でき、単独又は併用して用いることができる。前記顔料の粒子径については、光沢感とインク吸収性のバランスから、平均粒子径が1μm以下のものを含有することが好ましい。より好ましくは、平均粒子径が5nm〜800nmのものを、更に好ましくは10nm〜500nmのものを含有することである。平均粒子径が1μmを超えると、光沢感が低下する場合がある。尚、アルバムとして保存することを考慮して顔料インクのインクジェットプリンターで印字する場合が多く、そのインク吸収性の面から気相法シリカやγ−アルミナ、θ−アルミナ、σ−アルミナ、アルミナ水和物、擬ベーマイトなどの各種アルミナを単独若しくは混合使用することが好ましい。中でも気相法シリカは光沢発現層中の全顔料100質量部中50質量部以上使用することで顔料インクのインクジェットプリンターでの印字適性が向上する。
光沢発現層に含有させる結着剤としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、酸化澱粉、エーテル化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク、ポリエチレンイミド系樹脂、ポリビニルピロリドン系樹脂、ポリアクリル酸又はその共重合体、無水マレイン酸共重合体、アクリルアミド系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ系樹脂、エピクロルヒドリン系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルの重合体又は共重合体などのアクリル系重合体ラテックス類、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのビニル系重合体ラテックス類、コロイダルシリカとアクリル樹脂の複合体樹脂、コロイダルシリカとスチレン−アクリル樹脂の複合体樹脂、などが例示され、単独又は併用して用いられる。インク吸収性と優れた光沢感を両立するという観点からポリビニルアルコールを含有することが好ましい。結着剤の使用量は、記録媒体の印字適性、光沢発現層の強度、表面光沢感、塗料液性などを考慮して決定される。通常、顔料100質量部に対し1〜100質量部の範囲で添加される。好ましくは、5〜60質量部程度の範囲で添加され、更に好ましくは10〜50質量部である。1質量部未満であると、塗工層強度が低下する場合がある。100質量部を超えると、インク吸収性が低下する場合がある。
また、光沢発現層には、インクジェット記録用インクを定着させるためのカチオン性ポリマー、分散剤、増粘剤、防腐剤、消泡剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、耐水化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの添加剤を適宜選定して添加することができる。
光沢発現層の塗工量は、固形分換算で3〜20g/m、好ましくは5〜15g/mの範囲が好ましい。塗工量が20g/mを超えると二つ折りとしたときに割れが生じ、また生産性も劣る。塗工量が3g/m未満の場合には十分な光沢面が形成しづらい。
光沢発現層は、公知のキャストコート法によって形成する。キャストコート法には、顔料と結着剤とを主成分とする塗工液を基紙上に塗工してインク受理層となる塗工層を設け、湿潤し、可塑状態の塗工層をキャストドラム(鏡面仕上げの面)に押し当て、光沢仕上げする方法であり、(1)塗工層が湿潤状態にある間に鏡面仕上げした加熱ドラムに圧着して乾燥するウェットキャスト法(直接法)、(2)湿潤状態の塗工層を一旦(半)乾燥した後に再湿潤液によって膨潤可塑化させ、鏡面仕上げした加熱ドラムに圧着し乾燥するリウェットキャスト法(再湿潤法)、(3)湿潤状態の塗工層を凝固処理によってゲル状態にして、鏡面仕上げした加熱ドラムに圧着し乾燥するゲル化キャスト法(凝固法)、の3種類に一般に分けることができる。本実施形態では凝固法であることが好ましい。凝固法は、光沢発現層を塗工して湿潤状態にあるうちに凝固液を塗布して凝固処理してキャストドラムに圧接する方法である。凝固処理においては、凝固剤は、塗工層の結着剤成分と効果的に凝固するものを選定することが重要であり、本発明においてはホウ素化合物が好ましい。より好ましくは、ホウ酸ナトリウム若しくはホウ酸のいずれか一方又はそれら両方である。また、凝固液濃度が高い場合は、凝固力が強くなり、耐傷性がより良化するので好ましい。凝固剤の含有量は、凝固しうる結着剤に対して5質量%以上が好ましい。5質量%未満の場合は、表面強度が低下する恐れがあり、更に好ましくは10質量%以上である。また、凝固液に潤滑剤、インク定着剤などの助剤を添加することも可能である。
また、キャスト処理後にマシンカレンダー、ソフトカレンダー、スーパーカレンダーなどのカレンダー処理を行ってもよいし、カール調整のため、裏面に水、カール調整剤などを塗工したり、加湿したりしてカール調整を行うこともできる。
本実施形態のアルバム用インクジェット用光沢紙は、光沢発現層の下に1層以上のインク受容層を設ける。インク受容層は、白色顔料と結着剤成分とを主成分とする。
インク受容層に用いる顔料としては、公知の白色顔料を1種以上含むものであり、例えば、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、炭酸亜鉛、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪藻土、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、サチンホワイト、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナなどの白色無機顔料、又はアクリル、スチレン、エチレン、塩化ビニル、ナイロンなどの有機顔料が挙げられる。
インク受容層に含有させる結着剤は、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、酸化澱粉、エーテル化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク、ポリエチレンイミド系樹脂、ポリビニルピロリドン系樹脂、ポリアクリル酸又はその共重合体、無水マレイン酸共重合体、アクリルアミド系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ系樹脂、エピクロルヒドリン系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルの重合体又は共重合体などのアクリル系重合体ラテックス類、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのビニル系重合体ラテックス類などが例示され、単独又は併用して用いられる。結着剤の使用量は、記録媒体の印字適性、インク受容層の強度、塗料液性を考慮して決定される。通常、インク受容層中の顔料100質量部に対し1〜200質量部の範囲で添加される。好ましくは、5〜100質量部程度の範囲で添加される。1質量部未満であると、塗工層強度が低下する場合がある。200質量部を超えると、インク吸収性が低下する場合がある。
インク受容層には、前記顔料及び前記結着剤以外にカチオン性ポリマーを添加することが好ましい。カチオン性ポリマーの作用としては、インク中に使用されている染料中のアニオン性の成分と反応し水に不溶な塩を形成することから、インクをインク受容層に、より強固に定着させ、耐水性が向上する。このようなカチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミン、エピクロルヒドリン変性ポリアルキルアミン、ポリアミン、ポリアミンポリアミドエピクロルヒドリン、ジメチルアミンアンモニアエピクロルヒドリン、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムハライド、ポリジアクリルジメチルアンモニウムハライド、ポリジメチルアミノエチルメタクリレート塩酸塩、ポリビニルピリジウムハライド、カチオン性ポリアクリルアミド、カチオン性ポリスチレン共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド二酸化硫黄共重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドアミド共重合物、ジシアンジアミドホルマリン重縮合物、ジシアンジアミドジエチレントリアミン重縮合物、ポリアリルアミン、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミドエポキシ樹脂、メラミン樹脂酸コロイド、尿素系樹脂、カチオン変性ポリビニルアルコール、アミノ酸型両性界面活性剤、ベタイン型化合物、その他第4級アンモニウム塩類などが用いられる。添加量は、特に限定されないが、インク受容層中の顔料100質量部に対し1〜50質量部の範囲で使用される。好ましくは、5〜40質量部程度の範囲で添加される。1質量部未満であると、印画部の耐水性が低下する場合がある。50質量部を超えると、インク吸収性が劣る場合がある。
その他の添加剤としては、必要に応じて消泡剤、分散剤、湿潤剤、蛍光増白剤、着色染料、着色顔料、増粘剤、防腐剤、耐水化剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などを使用できる。
インク受容層の塗工量は、特に限定されないが、塗工量が少なすぎる場合はインク吸収性が劣ることから、固形分換算で3g/m以上とすることが好ましい。また、塗工量が多すぎる場合は光沢発現層塗工時にバインダーマイグレーションが発生し、光沢発現層表面の耐傷性が低下する恐れがあるので20g/m以下が好ましい。より好ましくは、5〜15g/mである。インク受容層を形成する塗工液を2回以上塗布して、インク受容層を2層以上で構成してもよい。
本発明のアルバム用インクジェット光沢紙の裏面に顔料と接着剤を主体としたバック層を1層以上設けることが好ましい。この場合、バック層が有機顔料を含有することが好ましい。該有機顔料がプラスチックピグメントであることが好ましく、球状であることがより好ましい。ここで球状とは、真球状のみならず、扁平した球形も含む。また密実のみならず、中空であっても外形が球状であれば同様の効果を有する。なお、プラスチックピグメントとは成分がポリスチレン主体の有機顔料である。プラスチックピグメントは粒子表面が平滑であり、疎水性のため糊の浸透をよりコントロールしやすい。また球状であることでバック層に空隙を持たせることが出来糊の浸透をよりコントロールしやすい。
バック層を設けた場合、その最表層における総顔料に対する有機顔料の含有量が3質量%以上30質量%以下であり、かつ、有機顔料の平均粒子径が200nm以上1200nm以下であることが好ましい。有機顔料としては、密実のタイプと中空のタイプのいずれでもよく、種類によって、好ましい配合量と平均粒子径が変わる。その最表層の有機顔料が、例えば密実の有機顔料の場合、バック層の最表層における総顔料に対する有機顔料の含有量が10質量%以上30質量%以下であることが好ましく、13質量%以上27質量%以下がより好ましい。10質量%未満の場合、バック層表面のポーラス性に欠き糊の浸透量が低く乾燥し難いため、貼り合わせたときに糊がはみ出し、また、製品を移動した場合ズレを生じる。30質量%を超えると、バック層が嵩高になり過ぎその結果ポーラス性が高く糊の浸透量が過大となり光沢面にボコつきを生じ、糊の乾燥後に反りやバックリングを生じる。例えば中空の有機顔料の場合、その最表層の有機顔料が、バック層の最表層における総顔料に対する有機顔料の含有量が3質量%以上13質量%以下であることが好ましく、5質量%以上8質量%以下がより好ましい。3質量%未満の場合、バック層表面のポーラス性に欠き糊の浸透量が低く乾燥し難いため、貼り合わせたときに糊がはみ出し、また、製品を移動した場合ズレを生じる。13質量%を超えると、バック層が嵩高になり過ぎその結果ポーラス性が高く糊の浸透量が過大となり光沢面にボコつきを生じ、糊の乾燥後に反りやバックリングを生じる。なお、密実の有機顔料と中空の有機顔料とを併用してもよい。また、種類の異なる密実の有機顔料を併用してもよい。種類の異なる中空の有機顔料を併用してもよい。
密実の有機顔料の平均粒子径は200nm以上500nm以下が好ましく、250μm以上450μm以下がよりに好ましい。平均粒子径が200nmより小さいと、バック層表面のポーラス性に欠き糊の浸透量が低く乾燥し難いため、製品を移動した場合ズレを生じる。平均粒子径が500nmより大きいと、バック層が嵩高になり過ぎその結果ポーラス性が高く糊の浸透量が過大となり光沢面にボコつきを生じる。また、中空の有機顔料の平均粒子径は500nm以上1200nm以下が好ましく、700μm以上1100μm以下がよりに好ましい。平均粒子径が500nmより小さいと、バック層表面のポーラス性に欠き糊の浸透量が低く乾燥し難いため、製品を移動した場合ズレを生じる。平均粒子径が1200nmより大きいと、バック層が嵩高になり過ぎその結果ポーラス性が高く糊の浸透量が過大となり光沢面にボコつきを生じる。なお、2種類以上の有機顔料を使用している場合は、その混合した平均粒子径をここでは示す。また、ここで測定される平均粒子径はHORIBA LA−920レーザー分布測定装置を用い、体積平均値とする。
密実の有機顔料及び中空の有機顔料のいずれについても、有機顔料100質量部中におけるポリスチレン比率が80質量部以上とすることで有機顔料の硬さを保持でき、糊の吸収量をコントロールしやすくなる。80質量部未満では有機顔料粒子が柔らかくなり変形しやすく、結果として糊の吸収量をコントロールし難くなる。ポリスチレン比率は99質量部以上がより好ましい。ここで、ポリスチレン比率とは、有機顔料がスチレンモノマーと酸モノマーとの共重合体である場合に、スチレンモノマーの質量/(スチレンモノマーの質量+酸モノマー等のその他成分の質量)で求まるものである。例えば、スチレンモノマー85部、アクリル酸10部、その他重合成分5部で共重合を行ったとすれば、ポリスチレン比率は85%となる。また、有機顔料が実質的にスチレンモノマーを原料として合成された場合には、ポリスチレン比率が略100%である。なお、ポリスチレン比率は、スチレン−アクリル系共重合体などのスチレン系共重合体又は変性スチレン系共重合体の比率を含む。
バック層を設けた場合、バック層の顔料は有機顔料のほかにカオリン、クレー、特にデラミネーションを施したクレーを好ましく使用する。デラミクレーを含むクレー類はバック層の総顔料にして40質量%以上90質量%以下が好ましく、55質量%以上80質量%以下がより好ましい。デラミクレーを含むクレー類は表面を緻密にしやすいため加減が必要であるが、有機顔料を使用することによってポーラス性のコントロールがやり易くなる。デラミクレーを含むクレー類がバック層の総顔料にして40質量%未満であると、デラミクレーが扁平であることの被膜性が乏しくなるため、有機顔料を使用することでの効果が得にくくなる問題があり、90質量%を超えるとバック層が緻密になりすぎ有機顔料を使用しても効果が得られにくくなる問題がある。
デラミクレーを含むクレー類の平均粒子径は0.3〜10μmが好ましく、1〜5μmがより好ましい。平均粒子径が0.3μmより小さいと、バインダー量を多く必要であり、塗工層の粉落ちの問題がある。平均粒子径が10μmより大きいと、塗工面の平滑性が低く、結果的に光沢面がボコつく原因となりえる。また、ここで測定される平均粒子径はHORIBA LA−920レーザー分布測定装置を用いた。平均粒子径の求め方は有機顔料の場合と同じである。
バック層を設けた場合、バック層の顔料には有機顔料、クレー類のほか炭酸カルシウム、酸化チタンなどの白色顔料を適宜配合して、ポーラス性、平滑性や摩擦係数を調整することができる。充分な糊付け加工適性を得ることができれば、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、水酸化アルミニウムなど、一般塗工紙分野で公知公用の各種顔料を併用しても良い。しかし、合成非晶質シリカのような高吸収性の顔料を、バック層の主体として用いると、糊の浸透が大きくなるため、アルバム加工適性が劣るという問題があるため、合成非晶質シリカを主体としては用いない、例えばバック層の総顔料にして50質量%未満とすることが好ましい。
バック層を設けた場合、バック層のバインダーとしては、ポリビニルアルコール、カゼイン、大豆蛋白、合成タンパク質類、でんぷん、カルボキシメチルセルロースやメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルの重合体又は共重合体などのアクリル系共重合体ラテックス類、酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体などのビニル系ラテックス類の一般に塗工紙に使用できる1種類以上のバインダーを使用してもよい。前記バック層のバインダーは、ラテックス及び水溶性バインダーを含有していることが好ましい。本実施形態でいうラテックスとは合成ゴム及び熱可塑性樹脂の乳濁液の合成ラテックスである。適するラテックスは、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルの重合体又は共重合体などのアクリル系共重合体ラテックス類、酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体などのビニル系ラテックス類の一般に塗工紙に使用できるバインダーを使用してもよい。糊付け加工適性の観点から、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体などのラテックス類がさらに好ましい。前記バインダーはラテックス以外に、水溶性バインダー、例えばポリビニルアルコール、カゼイン、大豆蛋白、合成タンパク質類、でんぷん、カルボキシメチルセルロースやメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルピロリドンの少なくとも1種を含有していることが好ましい。
バック層を設けた場合、バック層には、添加剤として、染料定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤、硬化剤などを適宜配合することもできる。
バック層を設けた場合、バック層の最表層の絶乾塗工量が3〜20g/mであることが好ましく、さらに好ましくは、6〜17g/mである。バック層の絶乾塗工量が3g/mより低いと、糊付け加工したときの糊の支持体への浸透量が大きく、アルバム用紙の波打ちや表面の凸凹が生じやすいという問題がある。また、所望する平滑性が得られない。20g/mより大きいと、アルバム用紙の波打ちや表面の凸凹は良好であるが、塗工層の強度が劣り剥離するという問題がある。
バック層を設ける場合、バック層の塗設を容易にするなどの目的で予め下塗り層を設けても良い。下塗り層で使用される顔料、バインダー、添加剤などはバック層を設ける資材として上述にて示した資材から選択されるが、クレー系、炭酸カルシウム系の顔料などの安価な資材が主に使用される。
光沢発現層、インク受理層及びバック層などの形成は、各々の塗工液を、各種公知の塗工または含浸する方法を用いてよい。例えば、各種ブレードコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、コンマコーター、カーテンコーター、同時多層塗工機などの各種装置のマシンで用いることができる。
アルバム用インクジェット光沢紙の厚みは、130μm以上270μm以下が好ましく、さらに好ましくは150以上250μm以下である。厚みが130μmより薄いと、折り曲げ加工がしやすいものの、耐久性や高級感、アルバム用紙の波打ち(コックリング)が劣る問題がある。厚みが270μmより厚いと、耐久性や高級感などは良いものの、折り曲げ加工がしにくいという問題がある。なお、シートの厚みは支持体の米坪の調整の他、抄紙機上でのプレス脱水工程の加圧調整やキャレンダー処理などで行う。
光沢面の20度光沢度が、25%以上であることが好ましく、より好ましくは30%以上であり、さらに好ましくは35%以上である。20%未満では写真ライクな光沢が得られず、アルバム写真として不適当となる。キャスト処理せずキャレンダーなどの加圧装置を用いても所望する光沢感は得られず、キャスト処理が必要となる。
次に、実施例および比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また実施例および比較例に於いて示す「部」及び「%」は特に明示しない限り絶乾質量部及び絶乾質量%を示す。
(実施例1)
<支持体の形成>
フリーネスをCSFは450mlに調整した広葉樹晒クラフトパルプL−BKPからなるパルプスラリー中の絶乾パルプ100%に対し、タルク(NTL:日本タルク社製)5部、硫酸バンド1部、カチオン化でんぷん(ケート308:日本NSC社製)0.5部、酸性ロジンサイズ剤(AL1212、星光PMC社製)0.5部の配合で調整した紙料を各々長網抄紙機にて抄紙し、坪量90g/mの2層を抄き合わせ180g/mの基紙を製造した。
<サイズ液の塗布>
酸化澱粉(王子エースA:王子コーンスターチ社製)糊液をサイズ液とし、基紙の両面に乾燥塗工量が片面当たり1g/mとなるようにサイズプレスで塗布し、シリンダードライヤーで乾燥した。スチールカレンダーを用いて線圧40kg/cm、25℃、2ニップ1パスの条件で表面処理を行った。
<バック層下塗りの形成>
平均粒子径3.3μmのデラミクレー(CAPIM−NP:イメリス ミネラルズ・ジャパン社製)100部の顔料にラテックス(L−1537:旭化成ケミカルズ社製)15部と水を混合し、固形分70%の塗工液を得た。該バック層の塗工液を絶乾塗工量10g/mとなるように、インク受理層と反対側の支持体裏面に塗工・乾燥して、バック層の下塗りを形成した。
<バック層最表層の形成>
平均粒子径3.3μmのデラミクレー(CAPIM−NP:イメリス ミネラルズ・ジャパン社製)70部、平均粒子径350nmの有機顔料(L−8900:旭化成ケミカルズ社製、変性スチレン系共重合体のプラスチックピグメント、密実タイプ)20部、軽質炭酸カルシウム(TP123CS:奥多摩工業社製)10部の顔料に、ラテックス(L−1537:旭化成ケミカルズ社製)15部及び水を混合し、固形分50%の塗工液を得た。最表層バック層の塗工液を絶乾塗工量10g/mとなるように、インク受理層と反対側のバック層下塗り層を形成した裏面に塗工・乾燥して、バック層の最表層を形成した。
<インク受容層の形成>
サイズプレス処理した支持体に、顔料として合成シリカ(ミズカシルP−78A、水澤化学工業社製)100部、結着剤としてポリビニルアルコール(PVA117:クラレ社製)10部及びエチレン−酢酸ビニル(ポリゾールEVA AD−10:昭和高分子社製)40部、更にカチオン性ポリマー(パピオゲンP−105:センカ社製)10部を用い、固形分濃度22%のインク受容層用塗工液を得た。続いて、このインク受容層用塗工液をエアーナイフコーターで絶乾塗工量10g/mとなるように塗布・乾燥してインク受容層を塗設した。
<光沢発現層の形成>
次いで、光沢発現層塗料の顔料として、気相法シリカ(レオロシールQS30、トクヤマ社製)70部及びパールネックレス状コロイダルシリカ(スノーテックスPS−M、日産化学工業社製)30部、結着剤としてポリビニルアルコール(PVA−124:クラレ社製)6部及びアクリル樹脂(ビニブラン2684、ガラス転移温度20℃:日信化学社製)6部を用いて固形分20%の光沢発現層用塗工液を得た。この光沢発現層用塗工液をエアーナイフコーターで絶乾塗工量10g/mとなるように塗布した。次いで、凝固剤としてホウ酸を1%及びホウ酸ナトリウム1%を含む水溶液を凝固液として絶乾塗布量1.5g/mとなるように更に塗布して凝固処理を行ったのち、得られた塗工層表面が湿潤状態にあるうちに表面温度105℃のキャストドラムに圧着し、所謂ゲル化キャスト法(凝固法)によって実施例1のインクジェット記録用光沢紙を作製した。ここで得られた光沢紙の紙厚は190μmとなった。
(実施例2)
支持体の形成で使用する酸性サイズ剤を0.25部とした以外は実施例1と同様にアルバム用インクジェット光沢紙を得た。
(実施例3)
バック層の有機顔料を20部から10部、デラミクレーを70部から80部とした以外は実施例1と同様にアルバム用インクジェット光沢紙を得た。
(実施例4)
バック層の有機顔料を20部から30部、デラミクレーを70部から60部とした以外は実施例1と同様にアルバム用インクジェット光沢紙を得た。
(実施例5)
バック層の有機顔料を平均粒子径200nmのL−8999(旭化成ケミカルズ社製、変性スチレン系共重合体のプラスチックピグメント、密実タイプ)とした以外は実施例1と同様にアルバム用インクジェット光沢紙を得た。
(実施例6)
バック層の有機顔料を平均粒子径500nmのL−8801(旭化成ケミカルズ社製、変性スチレン系共重合体のプラスチックピグメント、密実タイプ)とした以外は実施例1と同様にアルバム用インクジェット光沢紙を得た。
(実施例7)
光沢発現層を形成するときのキャスト温度を95℃とした以外は実施例1と同様にアルバム用インクジェット光沢紙を得た。
(実施例8)
支持体の形成する時の坪量を60g/mの3層を抄き合わせ180g/mとした以外は実施例1と同様にアルバム用インクジェット光沢紙を得た。
(実施例9)
バック層の下塗り層を設けなかった以外は実施例1と同様にアルバム用インクジェット光沢紙を得た。
(実施例10)
光沢発現層を形成するときのキャスト法をリウェットキャスト法(再湿潤法)とした以外は実施例1と同様にアルバム用インクジェット光沢紙を得た。リウェットキャスト法の具体的条件としては、実施例1と同様に光沢発現層用塗工液をエアーナイフコーターで絶乾塗工量10g/mとなるように塗布したのち、アーチドライヤーで水分6%前後となるまで乾燥、温水をリウェット液として再湿潤し、キャストドラム温度110℃でキャスト処理して、実施例10のインクジェット記録用光沢紙を作製した。ここで得られた光沢紙の紙厚は190μmとなった。
(実施例11)
光沢発現層を形成するための塗工液に使用する顔料を気相法シリカ(レオロシールQS30、トクヤマ社製)30質量部、パールネックレス状コロイダルシリカ(スノーテックスPS−M、日産化学工業社製)70質量部とした以外は実施例1と同様にアルバム用インクジェット光沢紙を得た。
(実施例12)
支持体を形成する際、坪量60g/mの2層を抄き合わせ120g/mの基紙に変更した以外は、実施例1と同様にアルバム用インクジェット光沢紙を得た。ここで得られた光沢紙の紙厚は130μmとなった。
(実施例13)
支持体を形成する際、坪量90g/mの3層を抄き合わせ270g/mの基紙に変更した以外は、実施例1と同様にアルバム用インクジェット光沢紙を得た。ここで得られた光沢紙の紙厚は270μmとなった。
(実施例14)
支持体を形成する際、酸性ロジンサイズ剤(AL1212、星光PMC社製)を0.5部から1.0部に変更した以外は、実施例1と同様にアルバム用インクジェット光沢紙を得た。ここで得られた光沢紙のコブ吸収度は5g/mとなった。
(実施例15)
バック層の有機顔料を平均粒子径1000nmのローペイクHP1055(ローム・アンド・ハーツ社製、スチレン−アクリル系有機顔料、中空タイプ)とし、かつその有機顔料を20部から3部、デラミクレーを70部から97部とした以外は実施例1と同様にアルバム用インクジェット光沢紙を得た。
(実施例16)
バック層の有機顔料を平均粒子径1000nmのローペイクHP1055(ローム・アンド・ハーツ社製、スチレン−アクリル系有機顔料、中空タイプ)とし、かつその有機顔料を20部から13部、デラミクレーを70部から87部とした以外は実施例15と同様にアルバム用インクジェット光沢紙を得た。
(実施例17)
バック層の有機顔料を平均粒子径500nmのニッポールMH5055(日本ゼオン社製、スチレン−アクリル系有機顔料、中空タイプ)20部から7部、デラミクレーを70部から93部とした以外は実施例1と同様にアルバム用インクジェット光沢紙を得た。
(実施例18)
バック層の有機顔料を平均粒子径1100nmのAE852(JSR社製、スチレン−アクリル系有機顔料、中空タイプ)とした以外は実施例17と同様にアルバム用インクジェット光沢紙を得た。
(比較例1)
光沢発現層塗料を塗工後キャスト処理せずに、熱風乾燥した後キャレンダーで平滑処理をした以外は実施例1と同様にアルバム用インクジェット光沢紙を得た。
(比較例2)
支持体の形成で使用する酸性サイズ剤を0.1質量部とした以外は実施例1と同様にアルバム用インクジェット光沢紙を得た。
(比較例3)
支持体の形成で単層抄きとし180g/mの基紙を製造したとした以外は実施例1と同様にアルバム用インクジェット光沢紙を得た。
このようにして得られたアルバム用インクジェット記録シートにおいて、厚さ、テーバー剛度、光沢度、インクジェット印字品質、アルバム製本の加工適性をそれぞれ下記の方法で評価し、表1に示した。
<厚さ>
JISP 8118:1998「紙及び板紙‐厚さ及び密度の試験方法」で規定する測定方法に従い、紙の厚さを測定した。
<支持体裏面層の吸水度測定>
JIS P−8140:1998「紙及び板紙−吸水度試験方法−コッブ法」で規定する測定方法に従い、裏面の吸水度を測定した。尚、接触時間は30秒とした。
<光沢度測定>
JIS Z―8741:1997「鏡面光沢度−測定方法」規定する測定方法に従い、アルバム用インクジェット光沢紙の表面の鏡面光沢度を測定した。尚、入射角は20度で測定した。
<インクジェット印字品質>
PX−G5300(セイコーエプソン社製)で印字して、印字の滲みの度合いを主体として目視評価した。
◎:滲みがなく、非常に明瞭に文字が読み取れる。(実用レベル)
○:滲みが少なく、明瞭に文字が読み取れる。(実用レベル)
△:滲みがややあり、少し文字が読み取りにくく、劣る。(使用下限)
×:滲みがあり、文字が読み取りにくく、劣る。(使用不可)
<アルバム製本の加工適性>
得られたアルバム用インクジェット記録シートについて、
1.A3判のインクジェット記録シートに画像をインクジェット印字後、折機(スタール:ハイデル社製)にて印字面を谷折の二つ折りでA4判とし、これを10枚準備する。
2.糊丁合い機(全自動丁合い機:ミタニ社製)で糊付け、丁合いし10枚重ねる。
3.圧着加工後、背固め加工(背固め機:芳野社製)したサンプルについて端面のずれ及び糊のは見出し等に付いて視感評価し加工適性を評価した。
◎:端面のズレや糊のはみ出しは無く非常にきれいにアルバム加工できる。(実用レベル)
○:端面のズレ若しくは糊のはみ出しはほぼ無くアルバム加工できる。(実用レベル)
△:端面のズレ若しくは糊のはみ出しが多少あるがアルバム加工できる。(使用下限)
×:端面のズレ若しくは糊のはみ出しがあり使用できない。(使用不可)
<紙癖>
アルバム製本の加工適性を評価したサンプルを平置きとし、台からの浮き具合等により紙癖(反り)について評価した。
◎:各ページについて全くそりが無く、製本した状態でも各ページ間に全く隙間が無く良好。(実用レベル)
○:各ページについて若干反りはあるが、製本した状態は各ページ間に全く隙間が無く良好。(実用レベル)
△:各ページについてやや反りはあるが、製本した状態でも各ページ間に若干隙間がある程度で使用可能。(使用下限)
×:各ページについて反りが大きく、製本した状態でも各ページ間に隙間が出来、使用不可。(使用不可)
<コックリング>
得られたアルバム用インクジェット記録シートのコックリングについて評価した。具体的には、・・・・糊付け加工後の印刷面を観察しそのボコツキの程度を視感評価した。
◎:ボコツキが全く無く良好。(実用レベル)
○:ボコツキが無く良好。(実用レベル)
△:多少ボコツキがあるが使用可能レベル。(使用下限)
×:ボコツキが大きく使用不可。(使用不可)
Figure 0005698553
PP:プラスチックピグメント
表1より、実施例1〜18が優れた性質を達成しており好ましいことが判る。比較例1〜3は上記条件から外れるもので、本発明のアルバム用インクジェット記録シートとしては不適である。即ち、比較例1の場合にはキャスト処理をしないため写真ライクとならずアルバム用紙としての機能を果たさない。比較例2の場合はコブ吸水度が高くなったため糊の吸収が過大となり結果的に光沢面がボコついてしまう。比較例3の場合は単層抄きとしたため地合が悪化し、裏面に糊付けしたときに助長され、結果的に光沢面がボコついてしまう。
以上に説明した通り、本発明を実施することで、光沢度が高く、写真ライクな画像が得られ、且つアルバム製本の加工適性に優れたアルバム用インクジェット用光沢紙を提供することができる。

Claims (7)

  1. 基紙の片面に1層以上のインク受容層を有し、該インク受容層の最表層上に、キャストコート法によって形成した、顔料と結着剤とを含有する光沢発現層を有するインクジェット光沢紙において、
    前記基紙が2層以上の多層抄きの基紙であり、前記光沢発現層を設けた光沢面の反対面である裏面のコブ吸水度が30g/m以下であり、かつ、前記インク受容層及び前記光沢発現層を含むシート全体の厚さが130μm以上270μm以下であり、
    前記裏面に顔料と接着剤を主体とする1層以上のバック層を有し、該バック層が平均粒子径200nm以上1200nm以下の有機顔料を含み、該バック層の最表層の絶乾塗工量が3〜20g/m であり、
    前記バック層は糊付け面であり、二つ折りにして貼り合わせ加工がなされることを特徴とするアルバム用インクジェット光沢紙。
  2. 前記バック層の総顔料の40質量%以上90質量%以下がデラミクレーを含むクレー類であることを特徴とする請求項1に記載のアルバム用インクジェット光沢紙。
  3. 前記バック層が合成非晶質シリカを含まないことを特徴とする請求項1又は2に記載のアルバム用インクジェット光沢紙。
  4. 前記有機顔料がプラスチックピグメントであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のアルバム用インクジェット光沢紙。
  5. 前記光沢面の20度光沢度が25%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のアルバム用インクジェット光沢紙。
  6. 前記バック層の最表層における総顔料に対する有機顔料の含有量が3質量%以上30質量%以下であり、かつ、有機顔料の平均粒子径が200nm以上1200nm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のアルバム用インクジェット光沢紙。
  7. 前記光沢発現層を設けるキャストコート法が、湿潤状態の塗工層を凝固処理によってゲル状態にして、鏡面仕上げした加熱ドラムに圧着し乾燥するゲル化キャスト法(凝固法)であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つ記載のアルバム用インクジェット光沢紙。
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