JP2006168145A - インクジェット記録シート - Google Patents
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Abstract
【課題】 インクジェット印刷において優れた画像鮮明性と保存性を持ち、且つ印刷時の搬送性に優れたインクジェット記録シートの提供。
【解決手段】 この課題は、支持体上の少なくとも片面に、顔料とバインダーを主成分とする1層以上の記録層を設けたインクジェット記録シートにおいて、該記録層の最下層に有機含窒素複素環エステル化合物を含み、該記録層の最上層にカチオン性定着剤とワックスエマルジョンを含み、且つ有機含窒素複素環エステル化合物成分の総量が顔料100部に対して0.5〜20部であり、バインダー成分の総量が顔料100部に対して15〜70部であることを特徴とする、インクジェット記録シートによって解決される。
【解決手段】 この課題は、支持体上の少なくとも片面に、顔料とバインダーを主成分とする1層以上の記録層を設けたインクジェット記録シートにおいて、該記録層の最下層に有機含窒素複素環エステル化合物を含み、該記録層の最上層にカチオン性定着剤とワックスエマルジョンを含み、且つ有機含窒素複素環エステル化合物成分の総量が顔料100部に対して0.5〜20部であり、バインダー成分の総量が顔料100部に対して15〜70部であることを特徴とする、インクジェット記録シートによって解決される。
Description
本発明は、インクを用いて記録するインクジェット記録シートに関するものである。さらに詳しくは、優れた画像鮮明性と保存性を持ち、且つ印刷時の搬送性に優れたインクジェット記録シートを提供することに関するものでる。
インクジェット記録方式は、騒音が少なく、現像や定着等のプロセスを必要とせず、且つ容易にフルカラー記録が行える各種プリンターに利用され、近年急速に普及してきている。特に、コンピューターにより発色画像が形成されることと、記録装置を比較的小型にすることができること、その装置の保守が容易であり、なおかつ駆動音及び記録音の発生が非常に低いという利点により、近年ファクシミリや各種プリンターの記録方式として利用されている。
更に最近では、インクジェット記録方式の高速化・高精細化などの要求による、インクジェット記録装置の性能向上や用途拡大に伴い、インクジェット記録シートに対してもより高度な特性が求められている。
まず、インクジェット記録シートとしては、画像の印字濃度が高く色調が明るく鮮明であること、インクの吸収が早く印字画像の重なった場合においてもインクが流れ出したり滲んだりしないこと、印字ドットの縦方向や横方向への拡散が必要以上に大きくなく且つ周辺が滑らかであることなど、画像鮮明性に優れていることが要求される。
また、保存性に関して、高湿度条件下などや、印字画像部が水に侵された場合にもインクが流れ出さないように、印字画像の耐水性に優れていることが要求される。
このような要求を満たすために、いわゆるコート紙タイプは、支持体である紙の上に、シリカなどの顔料を主体とするインク受容層を設けて、画像鮮明性などを向上させている。また、インク受容層にカチオン性高分子染料定着剤を含有することによって、印字画像の耐水性を向上させている。
インクジェット記録シートにおいては、平均粒子径が数μm〜10数μm程度の合成非晶質シリカを主成分とした、数μmから数十μm厚のインク吸収層を基材上に形成させることで、より大きなインク吸収容量と鮮やかな発色性を実現した、いわゆるインクジェット専用紙が主流となっている。
しかし、上記のようにμmオーダーの平均粒子径を持つ合成非晶質シリカを用いたインクジェット記録用紙は、記録層の表面の摩擦係数が大きく、プリンターに給紙される際に重送トラブルを発生しやすい。
インクジェット記録シートの白色度を高めることは、記録シートとしての外観の見映え、印字画像のコントラストの点から有効である。白色度を高める方法として、インク受理層に蛍光増白剤を多量に配合することが提案されている(例えば、特許文献1)。記録シートの白色度は高くなるが、インク受理層の蛍光増白剤が増すにつれて、インク受理層の表面強度が低下する問題や退色による保存性も悪化する問題がある。
耐光性や耐水性を向上させるために、塩基性オリゴマーを含有させること(例えば、特許文献2)、基材中または基材上の塗工層にポリビニルアミン共重合物を用いること(例えば、特許文献3)等が開示されている。
さらに、屋外ポスターや広告POP用途などで使われる場合、耐水性や耐光性(耐候性)などのより高度な保存性が求められている。しかしながら、画像の鮮明性に優れ、高度な保存性を満足するには未だ至っていない。
特開2002−2101号公報
特開昭60−11389号公報
特開昭64−8085号公報
更に最近では、インクジェット記録方式の高速化・高精細化などの要求による、インクジェット記録装置の性能向上や用途拡大に伴い、インクジェット記録シートに対してもより高度な特性が求められている。
まず、インクジェット記録シートとしては、画像の印字濃度が高く色調が明るく鮮明であること、インクの吸収が早く印字画像の重なった場合においてもインクが流れ出したり滲んだりしないこと、印字ドットの縦方向や横方向への拡散が必要以上に大きくなく且つ周辺が滑らかであることなど、画像鮮明性に優れていることが要求される。
また、保存性に関して、高湿度条件下などや、印字画像部が水に侵された場合にもインクが流れ出さないように、印字画像の耐水性に優れていることが要求される。
このような要求を満たすために、いわゆるコート紙タイプは、支持体である紙の上に、シリカなどの顔料を主体とするインク受容層を設けて、画像鮮明性などを向上させている。また、インク受容層にカチオン性高分子染料定着剤を含有することによって、印字画像の耐水性を向上させている。
インクジェット記録シートにおいては、平均粒子径が数μm〜10数μm程度の合成非晶質シリカを主成分とした、数μmから数十μm厚のインク吸収層を基材上に形成させることで、より大きなインク吸収容量と鮮やかな発色性を実現した、いわゆるインクジェット専用紙が主流となっている。
しかし、上記のようにμmオーダーの平均粒子径を持つ合成非晶質シリカを用いたインクジェット記録用紙は、記録層の表面の摩擦係数が大きく、プリンターに給紙される際に重送トラブルを発生しやすい。
インクジェット記録シートの白色度を高めることは、記録シートとしての外観の見映え、印字画像のコントラストの点から有効である。白色度を高める方法として、インク受理層に蛍光増白剤を多量に配合することが提案されている(例えば、特許文献1)。記録シートの白色度は高くなるが、インク受理層の蛍光増白剤が増すにつれて、インク受理層の表面強度が低下する問題や退色による保存性も悪化する問題がある。
耐光性や耐水性を向上させるために、塩基性オリゴマーを含有させること(例えば、特許文献2)、基材中または基材上の塗工層にポリビニルアミン共重合物を用いること(例えば、特許文献3)等が開示されている。
さらに、屋外ポスターや広告POP用途などで使われる場合、耐水性や耐光性(耐候性)などのより高度な保存性が求められている。しかしながら、画像の鮮明性に優れ、高度な保存性を満足するには未だ至っていない。
従って本発明の課題は、インクジェット印刷において、優れた画像鮮明性と保存性を持ち、且つ印刷時の搬送性に優れたインクジェット記録シートを提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、以下に説明するインクジェト記録シートを発明するに至った。
即ち、請求項1記載の発明では、支持体上の少なくとも片面に、顔料とバインダーを主成分とする1層以上の記録層を設けたインクジェット記録シートにおいて、該記録層の最下層に有機含窒素複素環エステル化合物を含み、該記録層の最上層にカチオン性定着剤とワックスエマルジョンを含み、且つ有機含窒素複素環エステル化合物成分の総量が顔料100部に対して0.5〜20部であり、バインダー成分の総量が顔料100部に対して15〜70部であることを特徴とするインクジェット記録シートであることを要旨とする。
請求項2記載の発明では、カチオン性定着剤がアクリルカチオンポリマー、二級アミンポリマー、アミンエピクロルヒドリン重縮合物、ジメチルジアリルアンモニウムクロライドポリマー、アルキルアミン四級化物並びにジシアンジアミドの群から選ばれる少なくとも一つであり、ワックスエマルジョンがポリエチレンワックスであることを含むものである。請求項3記載の発明では、顔料が平均粒子径7〜16μmである合成非晶質シリカを主体とし、片面の絶乾塗工量が5〜25g/m2であることを含むものである。請求項4記載の発明では、支持体の両面に該記録層を設け、JIS P 8147:1994「紙及び板紙の摩擦係数試験方法」に規定される静摩擦係数が0.3〜0.8であることを含むものである。
即ち、請求項1記載の発明では、支持体上の少なくとも片面に、顔料とバインダーを主成分とする1層以上の記録層を設けたインクジェット記録シートにおいて、該記録層の最下層に有機含窒素複素環エステル化合物を含み、該記録層の最上層にカチオン性定着剤とワックスエマルジョンを含み、且つ有機含窒素複素環エステル化合物成分の総量が顔料100部に対して0.5〜20部であり、バインダー成分の総量が顔料100部に対して15〜70部であることを特徴とするインクジェット記録シートであることを要旨とする。
請求項2記載の発明では、カチオン性定着剤がアクリルカチオンポリマー、二級アミンポリマー、アミンエピクロルヒドリン重縮合物、ジメチルジアリルアンモニウムクロライドポリマー、アルキルアミン四級化物並びにジシアンジアミドの群から選ばれる少なくとも一つであり、ワックスエマルジョンがポリエチレンワックスであることを含むものである。請求項3記載の発明では、顔料が平均粒子径7〜16μmである合成非晶質シリカを主体とし、片面の絶乾塗工量が5〜25g/m2であることを含むものである。請求項4記載の発明では、支持体の両面に該記録層を設け、JIS P 8147:1994「紙及び板紙の摩擦係数試験方法」に規定される静摩擦係数が0.3〜0.8であることを含むものである。
本発明を実施することによって、優れた画像鮮明性と保存性を持ち、且つ印刷時の搬送性に優れたインクジェット記録シートを提供することが可能となる。
本発明では、支持体の少なくとも片面に、顔料とバインダーを主成分とする1層以上の記録層を設けたインクジェット記録シートにおいて、該記録層の最下層に有機窒素複素環エステル化合物を含み、該記録層の最上層にカチオン性定着剤とワックスエマルジョンを含むという構成である。逆に最下層にカチオン性定着剤を含有しそして最上層に窒素複素環エステルを含む場合には、画像鮮明性は良いが、保存性が向上し難く、特に耐水性が劣るという問題がある。最下層に窒素複素環エステルを含み、該記録層の最上層にカチオン性定着剤を含むことで、画像の鮮明性と耐光性や耐水性などの保存性を向上できる。そして、最上層にワックスエマルジョンを含むことで、記録層表面の摩擦係数を低下させ、記録シートの摩擦係数を調整することが可能であり、記録シートが重送する問題を回避できる。
本発明で使用される有機窒素複素環エステル化合物とは、保有する複素環中に窒素原子を含むエステル化合物である。有機窒素複素環エステル化合物の総量が顔料100部に対して0.5〜20部であることが好ましく、さらに好ましくは2〜10部である。有機窒素複素環エステル化合物の総量が0.5部より少ないと、インクの定着性が低下し、耐光性や耐水性が劣ってしまう。有機窒素複素環エステル化合物の総量が20部より多いと、保存性は良いものの、印字濃度が低下し、画像の鮮明性が得られないという問題がある。
バインダー成分の総量は、顔料100部に対して15〜70部であることが好ましく、さらに好ましくは20〜50部である。バインダーの総量が10部より少ないと、インク吸収性は良好であるが、記録層の表面強度が弱くなるという問題がある。バインダーの総量が70部より多いと、記録層の表面強度は良いものの、インク吸収性が悪く、画像の鮮明性が劣るという問題がある。
本発明における顔料には、充分なインク吸収性を得ることができれば、合成非晶質シリカ、カオリン、クレー焼成、クレー、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等、一般塗工紙分野で公知公用の各種顔料を用いることができる。さらに好ましくは、インク吸収性に優れた合成非晶質シリカを用いることである。
バインダーとして、例えば、ポリビニルアルコール、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白質類、澱粉、カルボキシメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルの重合体または共重合体等のアクリル系共重合体ラテックス類、酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体等のビニル系ラテックス類の一般に塗工紙に使用できるバインダーを使用してもよい。好ましくは、インク吸収性が良好で、画像の鮮明性に優れるポリビニルアルコールである。更に、受理層には、添加剤として、染料定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤、硬化剤等を適宜配合することもできる。
カチオン性定着剤がアクリルカチオンポリマー、二級アミンポリマー、アミンエピクロルヒドリン重縮合物、ジメチルジアリルアンモニウムクロライドポリマー、アルキルアミン四級化物並びにジシアンジアミドの群から選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。さらに好ましくは、画像の鮮明性と保存性の良好なアクリルカチオンポリマーである。
ワックスエマルジョンは、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、カルナウバワックスなど各種公知のものが使用できる。すべり性向上の観点から、ポリエチレンワックスが好ましい。その使用量は記録シートの十分な搬送性を達成し得る程度であるが、カチオン性定着剤100重量部に対して、ワックスエマルジョン1〜10重量部使用するのが好ましい。1重量部より少ないと磨耗係数が高くなり、10重量部より多いと画像鮮明性が劣る。
本発明における顔料は、平均粒子径7〜16μmである合成非晶質シリカを主体とすることが好ましい。さらに好ましくは、平均粒子径8〜12μmである合成非晶質シリカを主体とすることである。平均粒子径が7μmより小さいと、インク吸収性が劣り、画像の鮮明性が劣る問題がある。平均粒子径が16μmより大きいと、インク吸収性は良いものの、ドットの形状が粗いために、滲みが劣り、画像の鮮明性を低下させるという問題がある。なお、顔料の平均粒子径は光散乱法またはレーザー回折法で測定されるが、ここでは顔料粒子を水に分散させた懸濁状態でレーザー回折法で測定している。
片面の絶乾塗工量(最下層の絶乾塗工量が最上層の絶乾塗工量に比較して非常に多く、実質的に絶乾塗工量は最下層の絶乾塗工量を意味する)5〜25g/m2であることが好ましく、さらに好ましくは8〜20g/m2である。絶乾塗工量が5g/m2より少ないと、インク吸収容量の不足によりインクの溢れ、滲み、発色ムラ等を生じる。絶乾塗工量が25g/m2より多いと、記録層の強度が低下し、また過剰なインク吸収容量により印字部のドット径が小さくなりすぎるために印字濃度を低下させてしまう問題がある。
支持体の両面に該記録層を設け、JIS P 8147:1994に規定される静摩擦係数が0.3〜0.8であることが好ましく、さらに好ましくは、静摩擦係数が0.4〜0.7である。静摩擦係数が0.3より小さいと、用紙が滑りすぎて紙揃えが悪く扱いにくいという問題がある。静摩擦係数が0.8より大きいと、実用上何枚も印字する際に、記録シートが2枚以上重送する問題がある。支持体の片面だけに該記録層を設けた場合にも、その塗工面について上記の静摩擦係数が好ましく、その範囲を逸脱する場合には、両面塗工した場合と同様に上述の問題が生じる。
記録層の形成は、記録層を形成する成分を適当な溶媒中に分散させて調液した塗工液を、各種公知の塗工または含浸する方法を用いてよい。例えば、各種ブレードコータ、ロールコータ、エアーナイフコータ、バーコータ、ロッドブレードコータ、カーテンコータ等の各種装置のマシンで用いることができる。
セルロースパルプを主体とする支持体である紙は、特に限定するものではないが、使用される内添サイズ剤及び外添サイズ剤としては、中性ロジンサイズ剤またはAKD、ASA、強化ロジンサイズ剤など各種公知のものが使用できる。サイズ剤を紙に内添及び外添する方法は、サイズ剤の種類によって適宜選択されて良い。
抄紙機としては、丸網式、長網式いずれでも可能である。表面サイズ剤の処理は、サイズプレス、ゲートロール、メタリングサイズプレス、エアーナイフコータ、ロッドコータ、ブレードコータなどいずれも可能である。
填料の歩留り向上剤、見た目の白さを向上させるための着色顔料や染料、蛍光染料などを使用できる。この歩留り向上剤として、例えば、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、カチオン化澱粉などを挙げることができる。さらに必要に応じて、抄紙工程における原料の発泡を防ぐために、消泡剤を添加することも可能である。また、インクジェット記録シートの生産性及び保存安定性などを考慮して、分散剤、蛍光染料、pH調整剤、消泡剤、界面活性剤、湿潤剤、保水剤、防腐剤などを添加してもよい。
以下に実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また実施例に於いて示す「部」及び「%」は特に明示しない限り絶乾重量部及び絶乾重量%を示す。
〔支持体の形成〕
広葉樹晒クラフトパルプL−BKPからなるパルプスラリー中の絶乾パルプ100%に対し、炭酸カルシウム(タマパールTP−121:奥多摩工業社製)5%、カチオン化澱粉(ケート308:日本NSC社製)0.8%、中性ロジンサイズ剤(NT−85:荒川化学社製)0.4%の配合で抄紙し、坪量80g/m2の原紙を抄造した。
〔記録層の最下層の形成〕
平均粒子径9.5μmのシリカ(サイロジェットP−409:グレースジャパン社製)100部、ポリビニルアルコール(PVA−117:クラレ社製)30部、有機含窒素環エステル化合物(E−3199:日華化学社製)3.5部と水を混合し、固形分15%の塗工液を得た。該記録層の塗工液を絶乾塗工量10g/m2となるように、支持体上に塗工して、記録層の最下層を形成した。
〔記録層の最上層の形成〕
カチオン性定着剤(ジェットフィックス200A:アクリルカチオンポリマー:里田化工社製)100部、ポリエチレンワックス(ハイテックE−2000:東邦化学工業社製)5部と水を混合し、固形分3%の塗工液を得た。該記録層の最上層の塗工液を絶乾塗工量1g/m2となるように、該記録層の最下層上に塗工して、記録層の最上層を形成した。
本発明で使用される有機窒素複素環エステル化合物とは、保有する複素環中に窒素原子を含むエステル化合物である。有機窒素複素環エステル化合物の総量が顔料100部に対して0.5〜20部であることが好ましく、さらに好ましくは2〜10部である。有機窒素複素環エステル化合物の総量が0.5部より少ないと、インクの定着性が低下し、耐光性や耐水性が劣ってしまう。有機窒素複素環エステル化合物の総量が20部より多いと、保存性は良いものの、印字濃度が低下し、画像の鮮明性が得られないという問題がある。
バインダー成分の総量は、顔料100部に対して15〜70部であることが好ましく、さらに好ましくは20〜50部である。バインダーの総量が10部より少ないと、インク吸収性は良好であるが、記録層の表面強度が弱くなるという問題がある。バインダーの総量が70部より多いと、記録層の表面強度は良いものの、インク吸収性が悪く、画像の鮮明性が劣るという問題がある。
本発明における顔料には、充分なインク吸収性を得ることができれば、合成非晶質シリカ、カオリン、クレー焼成、クレー、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等、一般塗工紙分野で公知公用の各種顔料を用いることができる。さらに好ましくは、インク吸収性に優れた合成非晶質シリカを用いることである。
バインダーとして、例えば、ポリビニルアルコール、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白質類、澱粉、カルボキシメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルの重合体または共重合体等のアクリル系共重合体ラテックス類、酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体等のビニル系ラテックス類の一般に塗工紙に使用できるバインダーを使用してもよい。好ましくは、インク吸収性が良好で、画像の鮮明性に優れるポリビニルアルコールである。更に、受理層には、添加剤として、染料定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤、硬化剤等を適宜配合することもできる。
カチオン性定着剤がアクリルカチオンポリマー、二級アミンポリマー、アミンエピクロルヒドリン重縮合物、ジメチルジアリルアンモニウムクロライドポリマー、アルキルアミン四級化物並びにジシアンジアミドの群から選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。さらに好ましくは、画像の鮮明性と保存性の良好なアクリルカチオンポリマーである。
ワックスエマルジョンは、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、カルナウバワックスなど各種公知のものが使用できる。すべり性向上の観点から、ポリエチレンワックスが好ましい。その使用量は記録シートの十分な搬送性を達成し得る程度であるが、カチオン性定着剤100重量部に対して、ワックスエマルジョン1〜10重量部使用するのが好ましい。1重量部より少ないと磨耗係数が高くなり、10重量部より多いと画像鮮明性が劣る。
本発明における顔料は、平均粒子径7〜16μmである合成非晶質シリカを主体とすることが好ましい。さらに好ましくは、平均粒子径8〜12μmである合成非晶質シリカを主体とすることである。平均粒子径が7μmより小さいと、インク吸収性が劣り、画像の鮮明性が劣る問題がある。平均粒子径が16μmより大きいと、インク吸収性は良いものの、ドットの形状が粗いために、滲みが劣り、画像の鮮明性を低下させるという問題がある。なお、顔料の平均粒子径は光散乱法またはレーザー回折法で測定されるが、ここでは顔料粒子を水に分散させた懸濁状態でレーザー回折法で測定している。
片面の絶乾塗工量(最下層の絶乾塗工量が最上層の絶乾塗工量に比較して非常に多く、実質的に絶乾塗工量は最下層の絶乾塗工量を意味する)5〜25g/m2であることが好ましく、さらに好ましくは8〜20g/m2である。絶乾塗工量が5g/m2より少ないと、インク吸収容量の不足によりインクの溢れ、滲み、発色ムラ等を生じる。絶乾塗工量が25g/m2より多いと、記録層の強度が低下し、また過剰なインク吸収容量により印字部のドット径が小さくなりすぎるために印字濃度を低下させてしまう問題がある。
支持体の両面に該記録層を設け、JIS P 8147:1994に規定される静摩擦係数が0.3〜0.8であることが好ましく、さらに好ましくは、静摩擦係数が0.4〜0.7である。静摩擦係数が0.3より小さいと、用紙が滑りすぎて紙揃えが悪く扱いにくいという問題がある。静摩擦係数が0.8より大きいと、実用上何枚も印字する際に、記録シートが2枚以上重送する問題がある。支持体の片面だけに該記録層を設けた場合にも、その塗工面について上記の静摩擦係数が好ましく、その範囲を逸脱する場合には、両面塗工した場合と同様に上述の問題が生じる。
記録層の形成は、記録層を形成する成分を適当な溶媒中に分散させて調液した塗工液を、各種公知の塗工または含浸する方法を用いてよい。例えば、各種ブレードコータ、ロールコータ、エアーナイフコータ、バーコータ、ロッドブレードコータ、カーテンコータ等の各種装置のマシンで用いることができる。
セルロースパルプを主体とする支持体である紙は、特に限定するものではないが、使用される内添サイズ剤及び外添サイズ剤としては、中性ロジンサイズ剤またはAKD、ASA、強化ロジンサイズ剤など各種公知のものが使用できる。サイズ剤を紙に内添及び外添する方法は、サイズ剤の種類によって適宜選択されて良い。
抄紙機としては、丸網式、長網式いずれでも可能である。表面サイズ剤の処理は、サイズプレス、ゲートロール、メタリングサイズプレス、エアーナイフコータ、ロッドコータ、ブレードコータなどいずれも可能である。
填料の歩留り向上剤、見た目の白さを向上させるための着色顔料や染料、蛍光染料などを使用できる。この歩留り向上剤として、例えば、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、カチオン化澱粉などを挙げることができる。さらに必要に応じて、抄紙工程における原料の発泡を防ぐために、消泡剤を添加することも可能である。また、インクジェット記録シートの生産性及び保存安定性などを考慮して、分散剤、蛍光染料、pH調整剤、消泡剤、界面活性剤、湿潤剤、保水剤、防腐剤などを添加してもよい。
以下に実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また実施例に於いて示す「部」及び「%」は特に明示しない限り絶乾重量部及び絶乾重量%を示す。
〔支持体の形成〕
広葉樹晒クラフトパルプL−BKPからなるパルプスラリー中の絶乾パルプ100%に対し、炭酸カルシウム(タマパールTP−121:奥多摩工業社製)5%、カチオン化澱粉(ケート308:日本NSC社製)0.8%、中性ロジンサイズ剤(NT−85:荒川化学社製)0.4%の配合で抄紙し、坪量80g/m2の原紙を抄造した。
〔記録層の最下層の形成〕
平均粒子径9.5μmのシリカ(サイロジェットP−409:グレースジャパン社製)100部、ポリビニルアルコール(PVA−117:クラレ社製)30部、有機含窒素環エステル化合物(E−3199:日華化学社製)3.5部と水を混合し、固形分15%の塗工液を得た。該記録層の塗工液を絶乾塗工量10g/m2となるように、支持体上に塗工して、記録層の最下層を形成した。
〔記録層の最上層の形成〕
カチオン性定着剤(ジェットフィックス200A:アクリルカチオンポリマー:里田化工社製)100部、ポリエチレンワックス(ハイテックE−2000:東邦化学工業社製)5部と水を混合し、固形分3%の塗工液を得た。該記録層の最上層の塗工液を絶乾塗工量1g/m2となるように、該記録層の最下層上に塗工して、記録層の最上層を形成した。
〔インクジェット記録シートの作成〕
支持体の表裏両面に、それぞれ記録層の最下層と最上層を順次形成し、スーパーカレンダーにより線圧100kg/cmにてカレンダー処理を行い、インクジェット記録シートを得た。
支持体の表裏両面に、それぞれ記録層の最下層と最上層を順次形成し、スーパーカレンダーにより線圧100kg/cmにてカレンダー処理を行い、インクジェット記録シートを得た。
実施例1において、有機複素環エステル化合物のE−3199を2部としたこと以外は実施例1と同じ方法でインクジェット記録シートを得た。
実施例1において、有機複素環エステル化合物のE−3199を7部としたこと以外は実施例1と同じ方法でインクジェット記録シートを得た。
実施例1において、ポリビニルアルコールのPVA117の部数を20部としたこと以外は実施例1と同じ方法でインクジェット記録シートを得た。
実施例1において、ポリビニルアルコールのPVA117の部数を40部としたこと以外は実施例1と同じ方法でインクジェット記録シートを得た。
実施例1において、カチオン性定着剤のジェットフィックス200Aをカチオン性定着剤のジェットフィックス90X(アミンエピクロルヒドリン重縮合物:里田化工社製)としたこと以外は実施例1と同じ方法でインクジェット記録シートを得た。
実施例1において、記録層の最下層の絶乾塗工量を15g/m2としたこと以外は実施例1と同じ方法でインクジェット記録シートを得た。
実施例1において、有機複素環エステル化合物のE−3199を0部としたこと以外は実施例1と同じ方法でインクジェット記録シートを得た。
実施例1において、有機複素環エステル化合物のE−3199を25部としたこと以外は実施例1と同じ方法でインクジェット記録シートを得た。
実施例1において、ポリビニルアルコールのPVA117の部数を10部としたこと以外は実施例1と同じ方法でインクジェット記録シートを得た。
実施例1において、ポリビニルアルコールのPVA117の部数を75部としたこと以外は実施例1と同じ方法でインクジェット記録シートを得た。
実施例1において、カチオン性定着剤のジェットフィックス200A(アクリルカチオンポリマー:里田化工社製)の部数を0部としたこと以外は実施例1と同じ方法でインクジェット記録シートを得た。
実施例1において、ワックスエマルジョンのハイテックE−2000の部数を0部としたこと以外は実施例1と同じ方法でインクジェット記録シートを得た。
実施例1において、シリカのサイロジェットP−409を平均粒子径5.2μmのサイロジェットP−405としたこと以外は実施例1と同じ方法でインクジェット記録シートを得た。
実施例1において、シリカのサイロジェットP−409を平均粒子径19.3μmのサイロジェットP−416としたこと以外は実施例1と同じ方法でインクジェット記録シートを得た。
実施例1において、記録層の最下層の絶乾塗工量を4g/m2としたこと以外は実施例1と同じ方法でインクジェット記録シートを得た。
実施例1において、記録層の最下層の絶乾塗工量を30g/m2としたこと以外は実施例1と同じ方法でインクジェット記録シートを得た。
このようにして得られたインクジェット記録シートにおいて、画像鮮明性、滲み、表面強度、耐水性、耐光性、搬送性、静摩擦係数をそれぞれ下記の方法で評価し、表1及び表2に示した。インクジェットプリンターは、キヤノン社製PIXUS950i機で印字した。
「画像鮮明性」PIXUS950iで印字して、印字画像の鮮明性を目視評価した。
このようにして得られたインクジェット記録シートにおいて、画像鮮明性、滲み、表面強度、耐水性、耐光性、搬送性、静摩擦係数をそれぞれ下記の方法で評価し、表1及び表2に示した。インクジェットプリンターは、キヤノン社製PIXUS950i機で印字した。
「画像鮮明性」PIXUS950iで印字して、印字画像の鮮明性を目視評価した。
◎:印字画像が非常に鮮明でコントラストがはっきりしている。
○:印字画像が鮮明でコントラストがある。
△:印字画像が鮮明であるがコントラストがあまりはっきりしなく、やや白ボケ気味である。
△:印字画像が鮮明であるがコントラストがあまりはっきりしなく、やや白ボケ気味である。
×:印字画像が鮮明でなく、白ボケ気味である。
「滲み」PIXUS950iで印字して、印字の滲みを目視評価した。
「滲み」PIXUS950iで印字して、印字の滲みを目視評価した。
◎:混色印字部の滲みがほとんどなく、非常に明瞭に文字が読み取れる。
・ :混色印字部の滲みが少なく、明瞭に文字が読み取れる。
・ :混色印字部の滲みがややあり、少し文字が読み取りにくい。
×:混色印字部の滲みがあり、文字が読み取りにくい。
「表面強度」塗工面を指で擦り、粉落ちを評価した。
「表面強度」塗工面を指で擦り、粉落ちを評価した。
◎:塗工面の粉落ちがなく、指にも付着せず非常に良好である。
・ :塗工面の粉落ちが少なく、指にもあまり付着せず良好である。
・ :塗工面の粉落ちがややあり、指に少し付着している。
×:塗工面の粉落ちが多くあり、指にも付着している。
「耐水性」ベタ印字部を水に5秒間浸し、濾紙でふき取り、インクの流れ出しを評価した。
「耐水性」ベタ印字部を水に5秒間浸し、濾紙でふき取り、インクの流れ出しを評価した。
◎:インクの流れ出しがなく、非常に耐水性が良好である。
・ :インクの流れ出しが目立たず、耐水性が良好である。
・ :インクの流れ出しが二次色で生ずるなど、耐水性がやや悪い。
×:インクの流れ出しが全般に生じ、耐水性が非常に悪い。
「耐光性」ベタ印字部をウェザーメーターに8時間照射し、インクの退色を評価した。
「耐光性」ベタ印字部をウェザーメーターに8時間照射し、インクの退色を評価した。
◎:インクの退色がなく、非常に耐光性が良好である。
・ :インクの退色が目立たず、耐光性が良好である。
・ :インクの退色が二次色で生ずるなど、耐光性がやや悪い。
×:インクの退色が全般に生じ、耐光性が非常に悪い。
「搬送性」記録シートが、重送などがなく、スムーズに搬送されるかを評価した。
◎:重送がほとんどなく(100枚当り重送0〜1枚)、非常にスムーズに搬送される。
○:重送は少しあるが(100枚当り重送2〜4枚)、スムーズに搬送される。
△:重送が多少あり(100枚当り重送5〜9枚)、あまりスムーズに搬送されない。
×:重送が多く(100枚当り重送10枚以上)、スムーズに搬送されない。
「静摩擦係数」
得られた記録シートの記録面同士の静摩擦係数を、ストログラフ(商品名:STROGRAPH−R2、東洋精機社製)を用いてJISP 8147:1994(水平条件)に準じて測定した。
「搬送性」記録シートが、重送などがなく、スムーズに搬送されるかを評価した。
◎:重送がほとんどなく(100枚当り重送0〜1枚)、非常にスムーズに搬送される。
○:重送は少しあるが(100枚当り重送2〜4枚)、スムーズに搬送される。
△:重送が多少あり(100枚当り重送5〜9枚)、あまりスムーズに搬送されない。
×:重送が多く(100枚当り重送10枚以上)、スムーズに搬送されない。
「静摩擦係数」
得られた記録シートの記録面同士の静摩擦係数を、ストログラフ(商品名:STROGRAPH−R2、東洋精機社製)を用いてJISP 8147:1994(水平条件)に準じて測定した。
顔料の合成非晶質シリカが粒子径7〜16μmである実施例1〜7においては画像鮮明性も良好で滲みないが、粒子径が5.2μmの比較例7および19.3μmの比較例8の場合には画像鮮明性に問題があるかまたは滲みが生じる。絶乾塗工量が片面当たり5〜25g/m2である実施例1〜7においては画像鮮明性がありかつ滲みも生じないが、絶乾塗工量が4g/m2の比較例9および30g/m2の比較例10の場合には画像鮮明性に問題がありかつ絶乾塗工量が少ない比較例9の場合には滲みも生じている。JIS P 8147:1994に規定される静摩擦係数が0.3〜0.8である実施例1〜7の場合には優れた搬送性を示すが、静摩擦係数が1.01である比較例6の場合には、搬送性が悪い。
Claims (4)
- 支持体上の少なくとも片面に、顔料とバインダーを主成分とする1層以上の記録層を設けたインクジェット記録シートにおいて、該記録層の最下層に有機含窒素複素環エステル化合物を含み、該記録層の最上層にカチオン性定着剤とワックスエマルジョンを含み、且つ有機含窒素複素環エステル化合物成分の総量が顔料100部に対して0.5〜20部であり、バインダー成分の総量が顔料100部に対して15〜70部であることを特徴とする、インクジェット記録シート。
- カチオン性定着剤がアクリルカチオンポリマー、二級アミンポリマー、アミンエピクロルヒドリン重縮合物、ジメチルジアリルアンモニウムクロライドポリマー、アルキルアミン四級化物並びにジシアンジアミドの群から選ばれる少なくとも一つであり、ワックスエマルジョンがポリエチレンワックスであることを特徴とする、請求項1記載のインクジェット記録シート。
- 顔料が平均粒子径7〜16μmである合成非晶質シリカを主体とし、片面の絶乾塗工量が5〜25g/m2であることを特徴とする、請求項1または請求項2記載のインクジェット記録シート。
- 支持体の両面に該記録層を設け、JIS P 8147:1994に規定される静摩擦係数が0.3〜0.8であることを特徴とする、請求項1〜請求項3記載のいずれか一つに記載のインクジェット記録シート。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004362824A JP2006168145A (ja) | 2004-12-15 | 2004-12-15 | インクジェット記録シート |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009291968A (ja) * | 2008-06-03 | 2009-12-17 | Daio Paper Corp | 昇華捺染型転写紙 |
JP2010037697A (ja) * | 2008-08-07 | 2010-02-18 | Daio Paper Corp | 昇華型捺染転写紙 |
US10844236B2 (en) | 2016-07-20 | 2020-11-24 | Hewlett-Packard Development Company, L.P. | Liquid bonding agent for liquid ink |
-
2004
- 2004-12-15 JP JP2004362824A patent/JP2006168145A/ja active Pending
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