JP2018187842A - インクジェット用記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れたインク吸収性を有しつつ、コックリング等の紙変形が低減されるとともに、ベタ印刷などのような用紙全面に印字した際においても画像ムラが抑制されたインクジェット用記録媒体を提供すること。【解決手段】基紙の片面にインク受容層を設けたインクジェット用記録媒体において、JIS−P−8140のコッブ法による吸水試験が、表面(インク受容層側)のCobb30の吸水度が40g/m2以上、該基紙の受容層側のCobb30が5.0g/m2以上20g/m2以下であり、かつCobb60/Cobb30が表面(インク受容層側)および基紙の受容層側ともに1.5以下であり、記録媒体の透気度が10秒以上60秒以下であることを特徴とするインクジェット用記録媒体。【選択図】なし

Description

本発明はインクジェット用記録媒体に関する。
近年、インクジェット記録方式として、インクの微小液的を種々の作動原理により飛翔させて、紙等の記録媒体に付着させ、画像、文字等の記録を行うものが多用されている。この方式の記録装置は、高速低騒音、多色化が容易で記録パターンの融通性も大きく、現像、定着が不要である等の特徴がある。このため、各種画像の記録装置として情報機器をはじめ各種の用途において急速に普及している。
更に、多色インクジェット記録方式により形成される画像は、製版方式による多色印刷や、カラー写真方式による印画と比較しても遜色のない記録を得ることが可能である。このため、作製部数が少ない場合には通常の多色印刷や印画よりも安価であり、フルカラー画像記録の分野にまで広く応用されている。
インクジェット記録方式における画質向上への要望が強くなるにつれ、インクジェット記録媒体と、インクや色材自体の改良、との両面から様々な検討がなされている。インクジェット記録媒体に関しては、顔料粒子であるシリカ粒子やアルミナ水和物粒子をバインダで保持し、インク吸収性で多孔質構造のインク受容層を有する塗工紙の使用が数多く提案されている。
特許文献1には、支持体の受容層側の接触時間30秒におけるコッブ吸水度が0.1g/m2以上10g/m2未満、支持体のその反対面の接触時間30秒後のコッブ吸水度が10g/m2以上とすることで、RC紙を支持体とした記録媒体と同程度のコックリング、風合いを有し、画像滲みを改善するインクジェット記録体が記載されている。
特許文献2には、原紙の表面に少なくとも1層の塗布層を有し、その塗布層が顔料とラテックスバインダーを含有し、かつ接触時間120秒のコッブ吸水度が0.5g/m2以上、2.0g/m2以下であり、J.TAPPI No.5b法で規定する王研式平滑度が2000秒以上とすることで、RC紙を支持体とした記録媒体と同程度のコックリング、平滑性・光沢感、風合いを有し、画像滲みを改善し、リサイクル可能なインクジェット記録体が記載されている。
特許文献3には、原紙と、バインダを含む第1の層、白色顔料と酸とを含む第2の層が順次積層され、第1の層の表面の接触時間120秒のコッブ吸水度が2.0g/m2以下であり、第2の層の表面のブリストー法による接触時間0.5秒間の吸水量が2ml/m2以上8ml/m2以下であり、かつ第2の層の表面のpHが5.5以下とすることで、カールやコックリング等の紙変形、ブロンズや色間混合が防止された記録媒体が記載されている。
特許文献4には、原紙と、バインダを含む第1の層、白色顔料と酸とを含む第2の層が順次積層され、第1の層の表面の接触時間15秒のコッブ吸水度が5.0g/m2以下であり、第2の層の表面のブリストー法による接触時間0.5秒間の吸水量が2ml/m2以上8ml/m2以下である記録媒体上に、色材粒子、水溶性重合性化合物、重合開始剤、および水を含有するインク組成物をインクジェット法で付与することで、画像形成時のカールやコックリングの発生が抑制され、形成される画像の記録媒体への密着性に優れる画像形成方法が記載されている。
特許文献5には、紙支持体上に充填剤とバインダを含有した撥水層、およびインク受容層を設け、撥水層を設けた紙支持体の接触時間30秒におけるコッブ吸水度が最大5g/m2であることで、多量の水が付与されてもたるみが生じない画像受容紙が記載されている。
特許文献6には、支持体となる基紙の両面にポリマーラテックスからなる耐水層および吸水層を順次設け、そのコッブ吸水度が10〜30g/m2以下とすることで、高光沢でインク吸収性に優れ、コックリングが無く耐水性が高いリサイクル可能なインクジェット記録材料が記載されている。
特許文献7には、支持体が紙基材の表面に顔料と結着剤を含有する塗工層を少なくとも1層有し、その塗工層面の接触時間30秒のコッブ吸水度が20.0g/m2以下である紙支持体であり、その支持体の塗工層上に設けたインク受容層のBETによる細孔容積が0.5ml/g以上、平均粒子径が700nm以下の微細顔料と接着剤を主成分とする塗被層とすることで、記録画像の色濃度および光沢感が優れるとともに、コックリングの生じ難いインクジェット記録体が記載されている
特許文献8には、透気性基材上に、顔料およびバインダを含有する2層以上の塗工層において、第一塗工層を設けた状態でのコッブ法による60秒の吸水度が7〜70g/m2であることで、ボコツキが改善され、高速記録が可能なようにインク吸収性が良く、光沢及び画像濃度に優れた記録体が記載されている。
特許文献9には、吸水性支持体のインク受容層が設けられる側の下塗り層表面の接触時間60秒におけるコッブ吸水度が、5〜50g/2であることで、ひび割れが無く光沢性に優れ、インク吸収が良好な記録材料が記載されている。
特許文献10には、支持体の少なくとも一方の面に顔料塗被層を有し、その顔料塗被層面と水との接触時間10秒としたコッブ法による吸水度が1〜17g/m2であり、その顔料塗被層にカチオン性樹脂を0.02〜5.0g/m2塗被含浸することで、ブリーディング、コックリング及び画像耐水性に優れた印刷用顔料塗被紙が記載されている。
特許文献11には、支持体として天然パルプに合成繊維を混抄した基紙を用い、その表面に目止め処理を施した上でインク受容層を設け、その時の支持体の透気度が10〜100秒とすることで、インク吸収性に優れ、表面の毛羽立ちが無く、コックリングが無いインクジェット記録用シートが記載されている。
特開2010−52190号公報 特開2010−30231号公報 特開2009−125948号公報 特開2011−207003号公報 特開平11−78224号公報 特開2004−291520号公報 特開2007−160758号公報 特開2006−44013号公報 特開2003−251914号公報 特開2004−270104号公報 特開2004−243603号公報
本発明者らの検討によると、特許文献1から5に記載のインクジェット記録体では、塗被層や下塗り層などを設けることで紙支持体へのインク浸透を抑制し、RC紙並みのコックリングといった良好な紙姿勢となる記録媒体を提案しているが、基紙上に設けた塗工層が基紙への吸収を抑制することで良好なインク吸収性が得られないといった課題や、インク受容層側の伸縮と基紙の伸縮のバランスが保てないことでわずかな紙の変形が生じ、ベタ印刷において画像濃度に濃淡が生じて画像ムラが発生するといった課題が生じた。
また、特許文献6から9に記載のインクジェット記録体では、
一方、特許文献10に記載の印刷用顔料塗被紙では、ブリーディングおよびコックリングに優れた記録媒体を提案しているが、良好なインク吸収性を得ることはできなかった。
特許文献11に記載の記録シートでは、コックリングに優れた記録媒体を提案しているが、ベタ印刷などにおいて濃淡が目立つ画像ムラの抑制には至らなかった。
したがって、本発明の目的は基紙を支持体として、その片面にインク受容層を設けるインクジェット記録媒体において、優れたインク吸収性を有しつつ、コックリング等の紙変形が低減されるとともに、ベタ印刷などのような用紙全面に印字した際においても画像ムラが抑制されたインクジェット用記録媒体を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明にかかるインクジェット用記録媒体は、基紙の片面にインク受容層を設けたインクジェット記録媒体において、JIS−P−8140のコッブ法による吸水試験が、表面(インク受容層側)のCobb30の吸水度が40g/m2以上、該基紙の受容層側のCobb30が5.0g/m2以上20g/m2以下であり、かつCobb60/Cobb30が表面(インク受容層側)および基紙の受容層側ともに1.5以下であり、記録媒体の透気度が10秒以上60秒以下であることを特徴とする。
本発明によれば、基紙を支持体として、その片面にインク受容層を設けるインクジェット記録媒体において、優れたインク吸収性を有しつつ、コックリング等の紙変形が低減されるとともに、ベタ印刷などのような用紙全面に印字した際においても画像ムラが抑制されたインクジェット用記録媒体を提供することができる。
以下、好適な実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。
従来技術では基紙等の支持体上に目止め処理や塗被層等を設け、その上にインク受容層を設けることで、インク吸収性を確保した上で基紙へのインク成分の浸透を抑制し、カールやコックリング等の紙変形を抑制している。しかし、本発明者らが検討したところ、近年の微小なインク液滴によって画像形成されるインクジェットプリンターにおいては、インクが記録媒体上に吐出、吸収される際にごくわずかにではあるが紙変形が発生することで、ベタ印刷等において濃淡が顕著に現れるといった画像ムラが発生することが分かった。
上記従来技術で発生していた技術課題を解決するために、本発明者らは印字開始から終了までに相当する数十秒程度の期間における記録媒体の吸水性、特にインク受容層表面および基紙の吸水性を検討した。
インク吸収性を向上させるためには、インク受容層側の吸水性を向上させることが有効であり、コックリング等の紙変形を抑制するためには、基紙等の支持体へのインク吸収を抑制すれば良い。しかし、このような構成では、インクが記録媒体上に吐出、吸収され、記録媒体がプリンター内で搬送し続けている印刷中において、インク受容層だけでなく基紙側へもインク吸収による伸縮が起こり、インク受容層と基紙の伸縮のバランスが保ちにくい状況となる。その結果、記録媒体が微小ではあるが高さ方向へ上下動して、記録媒体上のインクドット径が不揃いとなり、ベタ印字部において濃淡が生じて画像ムラとして認識されることが分かった。
この画像ムラに対しては、印字から比較的短い時間における初期の吸収挙動に影響するインク受容層表面および基紙のCobb30の吸水度だけでなく、プリンタ内で印刷されている時間に近い接触時間60秒におけるCobb60の吸水度との変化比率が画像ムラに大きく影響することが分かった。
また、インク受容層表面から吸収、浸透したインクが、インク受容層表面だけでなく、基紙などの支持体を通過して反対面から乾燥する過程も影響していることが分かった。
その結果、基紙の片面にインク受容層を設けたインクジェット記録媒体において、JIS−P−8140のコッブ法による吸水試験が、表面(インク受容層側)のCobb30の吸水度が40g/m2以上、該基紙の受容層側のCobb30が5.0g/m2以上20g/m2以下であり、かつCobb60/Cobb30が表面(インク受容層側)および基紙の受容層側ともに1.5以下であり、記録媒体の透気度が10秒以上60秒以下であるインクジェット記録媒体とすることで、従来技術で発生した技術課題が解決することができた。
以上のように、各構成が相乗的に効果を及ぼし合うことによって、本発明の効果を達成することが可能となる。
以下、本発明の記録媒体を構成する各成分について、それぞれ説明する。
[記録媒体]
(基紙)
具体的には、基紙の主材料としてLBKP、NBKP、NBSP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ、等の木材パルプ、ケナフ、バガス、コットンなどの非木材パルプを使用できる。
この基紙を得る際には、例えば、上記パルプのような主材料と、従来公知の顔料、バインダおよびサイズ剤や定着剤、歩留まり向上剤、カチオン化剤、紙力増強剤等の各種添加剤を1種類以上、用いて混合して紙料を得る。
なかでも、基紙へのインク浸透に作用する材料としては、サイズ剤を使用することが好ましく、脂肪酸塩、ロジン、強化ロジンなどのロジン誘導体、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸、スチレン−アクリル系エマルション、アクリル系エマルション等の樹脂エマルション系サイズ剤などが挙げられるが、製造直後のサイズ性の立ち上がり挙動などのように経時安定性の面を考慮すると、ロジン系サイズ剤、樹脂エマルション系サイズ剤が好ましい。また、この紙料中には、その他の添加剤として、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、浸透剤、着色顔料、着色染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、耐水化剤、染料定着剤等を、必要に応じて適宜に含有させることができる。そして、この紙料を長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等の各種装置により抄造する。また、上記基紙表面には、澱粉、ポリビニルアルコール、カルボキシルメチルセルロース等の高分子化合物、およびアルキルケテンダイマー、スチレンアクリル酸、スチレンマレイン酸、オレフィン系化合物など表面サイズ剤を含有する液をサイズプレス、ゲートロールコーター等で含浸・塗工することが好ましい。
(インク受容層)
本発明の記録媒体は、基材上にインク受容層を有する。インク受容層は、無機顔料、バインダ、架橋剤、各種添加剤および着色用染料または顔料を含むことができる。また、インク受容層が、顔料とバインダを主成分とし、固形分量が10/m2以上、30g/m2以下であることが好ましい。
(顔料)
この顔料としては例えば、無機顔料として、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナ水和物、水酸化マグネシウム等を挙げることができる。また、有機顔料としては例えば、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン粒子、マイクロカプセル粒子、尿素樹脂粒子、メラミン樹脂粒子等を挙げることができる。上記の中でも、顔料としては、透明性、発色性の点から、シリカ、アルミナ水和物を用いることが好ましい。
(バインダ)
インク受容層に用いられるバインダとしては、インク受容層塗工時の作業環境を考慮すると水系塗工液が好ましく、塗工液の粘度増加の抑制や塗工液の高濃度化による乾燥工程の負荷低減を考慮すると、水溶性樹脂または、水分散体(エマルジョン、ラテックス)であることが好ましい。
例えば、ポリビニルアルコール(PVA)及びその変性物、澱粉及びその変性物、ゼラチン及びそれらの変性物、カゼイン、プルラン、アラビアゴム、カラヤゴム、アルブミン等の天然高分子樹脂又はこれらの誘導体、カチオン変性、SBRラテックス、NBRラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のラテックス類、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等のビニルポリマー、ポリエチレンイミン、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、無水マレイン酸又はその共重合体等を挙げることができ、1種もしくは2種以上を組みあわせて用いることができる。
上記したバインダの中でも、PVA又はその変性物が好ましい。変性したPVAとしては、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール等のポリビニルアルコール誘導体等が挙げられる。
バインダの含有量は、インク吸収性の点から、インク受容層に用いる無機顔料分100質量部に対して50質量部が好ましく、30質量部以下がより好ましい。また、インク受容層の塗膜強度の点からは、2.0質量部以上が好ましく、5質量部以上であることがより好ましい。
また、インク受容層中には、ホウ酸およびホウ酸塩の少なくとも一方を含有させることができる。インク受容層中にこれらのホウ酸およびホウ酸塩を含有させることにより、インク受容層中でのクラック発生を抑制することができる。
(添加剤)
インク受容層は、インク受容層用塗工液を塗工して形成することが好ましい。インク受容層用塗工液には、上述の顔料やバインダ等に加えて、その他の添加剤としては、酸化防止剤、有機溶剤、防腐剤、pH調整剤、界面活性剤、および消泡剤等の従来公知の添加剤を本発明の効果が大きく変化しない範囲で適宜、使用することができる。
[記録媒体の製造方法]
本発明において、記録媒体を製造する方法は、特に限定されないが、インク受容層用の塗工液を調製する工程、及び、インク受容層用塗工液を基材に塗工する工程を有する記録媒体の製造方法が好ましい。以下、記録媒体の製造方法について説明する。
<基材の作製方法>
本発明において、基紙の作製方法としては、一般的に用いられている抄紙方法を適用することができる。抄紙装置としては、例えば長網抄紙機、丸網抄紙機、円胴、ツインワイヤーなどが挙げられる。基紙の表面平滑性を高めるために、抄紙工程中又は抄紙工程後に、熱及び圧力を加えて表面処理してもよい。具体的な表面処理方法としては、マシンカレンダーやスーパーカレンダーといったカレンダー処理が挙げられる。
<インク受容層の形成方法>
本発明の記録媒体において、基材にインク受容層を形成する方法としては、例えば以下の方法を挙げることができる。まず、インク受容層用塗工液を調製する。そして、基材に上記塗工液を塗工及び乾燥することで、本発明の記録媒体を得ることができる。塗工液の塗工方法としては、なお、基紙にインク受容層を塗工する方法としては特に限定されるわけではなく、刷毛やスポンジ状ローラー、各種ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、ロッドブレードコーター、カーテンコーター、グラビアコーター、エクストルージョン方式を用いたダイコーター、スライドホッパー方式を用いたコーター、サイズプレス等の各種塗工装置を適宜、選択して用いることができる。
なお、塗工時に、塗工液を加温してもよい。また、塗工後の乾燥方法としては、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤーなどの熱風乾燥機を使用する方法や、赤外線、加熱ドライヤー、マイクロ波などを利用した乾燥機を使用する方法などが挙げられる。
本発明の記録媒体に含まれる基材の坪量としては、プリンタ内での搬送性に問題が生じるように極端に薄くなければ、特に制限はないが、カール、コックリング等の紙変形が抑制される範囲としては、坪量が60g/m2以上、300g/m2以下であることが好ましく、より好ましくは100g/m2以上、300g/m2以下である。
また、インク受容層の塗工量は、インク吸収性や発色性に問題が生じるように少なくなければ特に制限はないが、良好なインクジェット適性を有する範囲としては、5g/m2以上、40g/m2以下であることが好ましく、10g/m2以上、30g/m2以下がより好ましい。
本発明の記録媒体は基紙の片面に対してインク受容層を設ける際に、目止め層や、耐水層等の塗工層を別途設けることなく、基紙上に直接インク受容層を設けることで安価にインクジェット記録媒体を得られる構成であることが好ましい。さらに、基紙はサイズプレスやゲートロールコーター等の塗工方式によりサイズ性を付与されることで、表裏区別することなく使用できる抄紙方式によって製造された基紙を用いることが好ましい。
[実施例]
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に詳細に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。尚、以下の実施例の記載において、「部」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
[記録媒体の作製]
<基紙の作製>
−基紙1−
フリーネスを350mlC.S.Fに調整したLBKP100部のパルプスラリー中に対し、軽質炭酸カルシウム5部、カチオン化澱粉2部、ロジン系中性サイズ剤(サイズパインNT−78:荒川化学工業製)0.3部を添加して抄紙原料とした。
この抄紙原料を、長網多筒式抄紙機を用いてシェイキングされたワイヤー部へ吐出、抄紙し、水100質量%に対して、酸化澱粉5.0質量%、エマルション型スチレン−アクリル系表面サイズ剤(SE2220:星光PMC製)0.1質量%を添加した混合液をサイズプレスで両面に固形分3g/m2塗工、乾燥して坪量150g/m2の基紙を作製した。
−基紙2−
エマルション型スチレン−アクリル系表面サイズ剤を0.08質量%に変更した以外は基紙1と同様にして基紙2を得た。
−基紙3−
エマルション型スチレン−アクリル系表面サイズ剤を0.06質量%に変更した以外は基紙1と同様にして基紙3を得た。
−基紙4−
ロジン系中性サイズ剤を0.5部、エマルション型スチレン−アクリル系表面サイズ剤を0.15質量%に変更した以外は基紙1と同様にして基紙4を得た。
−基紙5−
ロジン系中性サイズ剤を0.2質量%に変更した以外は基紙4と同様にして基紙5を得た。
−基紙6−
エマルション型スチレン−アクリル系表面サイズ剤を0.15質量%に変更した以外は基紙1と同様にして基紙6を得た。
−基紙7−
水100質量%に対して、ポリビニルアルコールPVA−105(クラレ社製)3質量%をサイズプレスで両面に固形分2g/m 塗工、乾燥した以外は基紙1と同様にして基紙7を得た。
−基紙8−
フリーネスを300mlC.S.Fに調整した以外は基紙1と同様にして基紙8得た。
−基紙9−
ロジン系中性サイズ剤を0.75部、エマルション型スチレン−アクリル系表面サイズ剤を0.18質量%に変更した以外は基紙1と同様にして基紙9を得た。
−基紙10−
ロジン系中性サイズ剤を0.1質量%、エマルション型スチレン−アクリル系表面サイズ剤を0.15質量%に変更した以外は基紙1と同様にして基紙10を得た。
−基紙11−
坪量が80g/m2であること以外は基紙1と同様にして基紙11を得た。
−基紙12−
フリーネスを400mlC.S.Fに調整した以外は基紙8と同様にして基紙12を得た。
−基紙13−
酸化澱粉を0質量%とした以外は基紙1と同様にして基紙13を得た。
<インク受容層用塗工液の調製>
−塗工液1−
合成シリカ(商品名:ミズカシルP−78A、水澤化学工業(株)製)を100部、、ポリビニルアルコール(商品名:PVA−117、クラレ(株)製)40部、カチオン系サイズ剤(ポリマロン360、荒川化学工業製)2部、染料定着剤(PAS−J−81、日東紡績(株)製)5部を混合して、固形分濃度が20%のインク受容層用の塗工液を得た。
−塗工液2−
ポリビニルアルコールを35部にした以外は塗工液1と同様にして塗工液2を得た。
−塗工液3−
ポリビニルアルコールを30部、カチオン系サイズ剤を3部とした以外は塗工液1と同様にして塗工液3を得た。
−塗工液4−
ポリビニルアルコールを45部とした以外は塗工液1と同様にして塗工液4を得た。
−塗工液5−
カチオン系サイズ剤を1部とした以外は塗工液1と同様にして塗工液5を得た。
<記録媒体の作製>
上記で得た基紙上に、上記で調製したインク受容層用塗工液を塗工し、その後100℃の熱風で乾燥し、記録媒体を得た。
上記の基紙およびインク受容層用塗工液を使用して、実施例および比較例を作製した。その時の構成および塗工液の塗工量を表1に記す。また、下記の評価結果についても合わせて記す。
[評価]
(コッブ吸水度)
コッブ吸水度の測定は、JIS−P−8140のコッブ法に準拠し、基紙およびインク受容層を設けたインクジェット用記録媒体について測定した。
(ガーレー法透気度)
ガーレー法透気度の測定は、JIS−P−8117のガーレー法に準拠し、インクジェット記録媒体について測定した。
(インク吸収性)
上記実施例、比較例で作製したインクジェット記録媒体の記録面に、フォト用プリンタ
(商品名:PIXUS IP8600、インク:BCI−7、キヤノン製)を使用して印
字した。シアン単色からマゼンタ単色までの中間色8階調をパッチ状にして印字し、記録
物を作製した。作製した記録物の各パッチに対して、画像品位を目視により下記判定基準
により判定した。
[判定基準]
5:パッチ内の濃淡の均一性が特に優れている。
4:パッチ内で殆ど濃淡が見当たらず、均一性に優れている。
3:パッチ内で少し濃淡がある。
2:パッチ内で濃淡が認められる。
1:実使用上問題となるレベル。
(画像ムラの評価)
インクジェット方式を用いたフォト用プリンタ(商品名:PIXUS MG5530キヤノン製)を用いて、マットフォトペーパーモード(標準設定、フチなし)にて、PhotoShop7.0のRGBモードで、(R,G,B)=(85,85,85)のグレーで塗りつぶした画像をA4判サイズで印字した。
上記画像を用いて、以下の基準に準じて目視により評価した。
<評価基準>
5:印字方向に対して用紙先端部分に濃淡や白く抜ける部分がなく、画像ムラに特に優れている
4:印字方向に対して用紙先端部分にほとんど濃淡や白く抜ける部分がなく、画像ムラに優れている。
3:印字方向に対して用紙先端部分に少し濃淡や白く抜ける部分がある。
2:印字方向に対して用紙先端部分に濃淡や白く抜ける部分がある。
1:印字方向に対して用紙先端部分に濃淡や白く抜ける部分があり、実用上得問題がありレベル。
表1から明らかなように、実施例1から実施例11のインクジェット記録媒体において、インク優れたインク吸収性を有しつつ、画像ムラが良好なインクジェット用記録媒体が得られた。
以上の結果から、本発明により、インクジェット印刷において、良好なインク吸収性と画像ムラが良好なインクジェット記録媒体を得ることができる。

Claims (4)

  1. 基紙の片面にインク受容層を設けたインクジェット用記録媒体において、JIS−P−8140のコッブ法による吸水試験が、表面(インク受容層側)のCobb30の吸水度が40g/m2以上、該基紙の受容層側のCobb30が5.0g/m2以上20g/m2以下であり、かつCobb60/Cobb30が表面(インク受容層側)および基紙の受容層側ともに1.5以下であり、記録媒体の透気度が10秒以上60秒以下であることを特徴とするインクジェット用記録媒体。
  2. 前記インク受容層が、顔料とバインダを主成分とし、固形分量が10/m2以上、30g/m2以下とすることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用記録媒体。
  3. 前記記録媒体の坪量が、100g/m2以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット用記録媒体。
  4. 前記基紙の片面に直接インク受容層を設けることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のインクジェット用記録媒体。
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