JP7023166B2 - (9e,11z)-9,11-ヘキサデカジエナールの製造方法 - Google Patents
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Description
Millarらは、9-デシン-1-オールから誘導したビニルヨージドと1-ヘキシンを薗頭カップリングした後、アルコール保護、ヒドロホウ素化とそれに続くプロトン化、水酸基の保護基として用いられているテトラヒドロピラニル(THP)基の脱保護及び酸化反応に付すことにより、(9E,11Z)-9,11-ヘキサデカジエナールを製造している(非特許文献1)。また、1,8-オクタンジオールから誘導した1-(テトラヒドロピラニルオキシ)-8-ブロモオクタンと、(E)-1,2-ジクロロエテンと1-ヘキシンを薗頭カップリングして得られた(1E)-1-クロロ-1-オクテン-3-インとの高知―Furstnerカップリングにより、(9E)-1-(テトラヒドロピラニルオキシ)-9-ヘキサデセン-11-インを得た後、ヒドロホウ素化とそれに続くプロトン化、THP基の脱保護及び酸化反応に付すことにより、(9E,11Z)-9,11-ヘキサデカジエナールを製造している(非特許文献2)。
加えて、酸化反応によりアルデヒドを合成した場合は、その後の後処理及び精製に手間がかかり、収率よく単離することが難しい場合がある。例えば、(9E,11Z)-9,11-ヘキサデカジエナールの総収率は、非特許文献1においては29%、非特許文献2においては18%と著しく低い。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、(8E,10Z)-1-ハロ-8,10-ペンタデカジエンから調製された(8E,10Z)-8,10-ペンタデカジエニルマグネシウム=ハライドを用いた効率のよい(9E,11Z)-9,11-ヘキサデカジエナールの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一つの態様によれば、下記一般式(5)
で表される(4E,6Z)-1-ハロ-4,6-ウンデカジエンから調製される(4E,6Z)-4,6-ウンデカジエニルマグネシウム=ハライドと、下記一般式(6)
で表される1,4-ジハロブタンとのカップリング反応により、下記一般式(1)
で表される(8E,10Z)-1-ハロ-8,10-ペンタデカジエンを得る工程と、
前記(8E,10Z)-1-ハロ-8,10-ペンタデカジエン(1)をマグネシウムと反応させて(8E,10Z)-8,10-ペンタデカジエニルマグネシウム=ハライドを得る工程と、
前記(8E,10Z)-8,10-ペンタデカジエニルマグネシウム=ハライドと、下記一般式(2)
で表されるオルトギ酸エステルとの求核置換反応により、下記一般式(3)
で表される(9E,11Z)-1,1-ジアルコキシ-9,11-ヘキサデカジエンを得る工程と、
前記(9E,11Z)-1,1-ジアルコキシ-9,11-ヘキサデカジエン(3)の加水分解反応により、下記式(4)
を少なくとも含む(9E,11Z)-9,11-ヘキサデカジエナールの製造方法が提供される。
従って、(8E,10Z)-1-ハロ-8,10-ペンタデカジエン(1)を製造する際の組み合わせとしては、n=3に相当する(4E,6Z)-1-ハロ-4,6-ウンデカジエンと1,4-ジハロブタン又はn=4に相当する(5E,7Z)-1-ハロ-5,7-ドデカジエンと1,3-ジハロプロパンを原料として用いるのが適切であると考えられた。
しかし、(5E,7Z)-1-ハロ-5,7-ドデカジエンから(5E,7Z)-5,7-ドデカジエニルマグネシウム=ハライドの調製時において、(5E,7Z)-5,7-ドデカジエニルマグネシウム=ハライドが分子内環化した後、1,3-ジハロプロパンとカップリングしたと推定される6-クロロ-1-シクロペンチル-3-ブチル-1-ヘキセン、1-クロロ-4-シクロペンチル-5-デセン等が生成し、目的の(8E,10Z)-1-ハロ-8,10-ペンタデカジエンは、低収率でしか得られなかった。
以上のことから、1-ハロアルカジエンから調製されるアルカジエニルマグネシウム=ハライドとジハロアルカンのカップリング反応は、1-ハロアルカジエンのメチレン鎖長の選択が非常に重要であり、予期せぬ反応が進行する場合があることが新たな知見として得られた。
なお、(4E,6Z)-1-ハロ-4,6-ウンデカジエン(5)は、例えば、(2E)-6-ハロ-2-ヘキセナールと、1-ハロペンタンから誘導されるイリドとのウィッティヒ(Wittig)反応により製造することができる。
(4E,6Z)-1-ハロ-4,6-ウンデカジエン(5)から(4E,6Z)-4,6-ウンデカジエニルマグネシウム=ハライドを調製する際に用いるマグネシウムの使用量は、(4E,6Z)-1-ハロ-4,6-ウンデカジエン(5)1molに対して、反応完結の観点から、好ましくは1.0~2.0グラム原子(24.3~48.6g)である。
溶媒の使用量は、(4E,6Z)-1-ハロ-4,6-ウンデカジエン(5)1molに対して、反応性の観点から、好ましくは100~600gである。
(4E,6Z)-1-ハロ-4,6-ウンデカジエン(5)から(4E,6Z)-4,6-ウンデカジエニルマグネシウム=ハライドの調製時の反応時間は、用いる溶媒や反応スケールにより異なるが、反応性の観点から、好ましくは1~30時間である。
Xの組み合わせとしては、塩素原子と塩素原子、塩素原子と臭素原子、塩素原子とヨウ素原子、臭素原子と臭素原子、臭素原子とヨウ素原子及びヨウ素原子とヨウ素原子が挙げられる。
1,4-ジハロブタン(6)の具体例としては、1,4-ジクロロブタン、1-ブロモ-4-クロロブタン、1-クロロ-4-ヨードブタン、1,4-ジブロモブタン、1-ブロモ-4-ヨードブタン及び1,4-ジヨードブタンが挙げられるが、副生物抑制の観点から、1-ブロモ-4-クロロブタンもしくは1-クロロ-4-ヨードブタンが好ましい。1,4-ジハロブタン(6)は市販のものを使用してもよいし、合成したものを用いても良い。
1,4-ジハロブタン(6)の使用量は、(4E,6Z)-1-ハロ-4,6-ウンデカジエン(5)1molに対して、反応性の観点から、好ましくは1.0~10.0mol、より好ましくは1.0~3.0molである。
Xが異なる場合は、後述する触媒や反応温度を適宜選択することにより、反応性の高いハロゲン原子の方を優先的に反応させながらカップリング反応を行うことができる。例えば、異なるXの組合せが、塩素原子と臭素原子である、又は塩素原子とヨウ素原子である1,4-ジハロブタン(6)を用いれば、上記一般式(1)におけるXを塩素原子とすることができ、臭素原子とヨウ素原子である1,4-ジハロブタン(6)を用いれば、上記一般式(1)におけるXを臭素原子とすることができる。
カップリング反応に用いる触媒としては、塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅等の一価のハロゲン化銅、シアン化第一銅、酸化第一銅等の一価の銅、塩化第二銅、臭化第二銅、ヨウ化第二銅等の二価のハロゲン化銅、シアン化第二銅、酸化第二銅、ジリチウム=テトラクロロキュープレート等の二価の銅が挙げられ、反応性の観点から、ヨウ化第一銅等のハロゲン化銅が好ましい。
触媒の使用量は、(4E,6Z)-1-ハロ-4,6-ウンデカジエン(5)1molに対して、経済性の観点から、好ましくは0.003~0.300mol、より好ましくは0.003~0.030molである。
補触媒の使用量は、(4E,6Z)-1-ハロ-4,6-ウンデカジエン(5)1molに対して、好ましくは0.001~0.500mol、より好ましくは0.001~0.050molである。
溶媒の使用量は、(4E,6Z)-1-ハロ-4,6-ウンデカジエン(5)1molに対して、反応性の観点から、好ましくは50~300gである。
カップリング反応における反応時間は、反応スケールにより異なるが、反応性の観点から、好ましくは0.1~10時間である。
(8E,10Z)-1-ハロ-8,10-ペンタデカジエン(1)から(8E,10Z)-8,10-ペンタデカジエニルマグネシウム=ハライドを調製する際に用いるマグネシウムの使用量は、(8E,10Z)-1-ハロ-8,10-ペンタデカジエン(1)1molに対して、反応完結の観点から、好ましくは1.0~2.0グラム原子(24.3~48.6g)である。
溶媒の使用量は、(8E,10Z)-1-ハロ-8,10-ペンタデカジエン(1)1molに対して、反応性の観点から、好ましくは100~600gである。
(8E,10Z)-1-ハロ-8,10-ペンタデカジエン(1)から(8E,10Z)-8,10-ペンタデカジエニルマグネシウム=ハライドを調製する際の反応時間は、用いる溶媒や反応スケールにより異なるが、反応性の観点から、好ましくは1~30時間である。
オルトギ酸エステル(2)の具体例としては、オルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル、オルトギ酸プロピル、オルトギ酸ブチル、オルトギ酸ペンチル及びオルトギ酸ヘキシル等の直鎖状のアルキル基を有するオルトギ酸エステル、オルトギ酸イソプロピル等の分岐状のアルキル基を有するオルトギ酸エステル等が挙げられるが、入手のしやすさの観点から、オルトギ酸メチルもしくはオルトギ酸エチルが好ましい。オルトギ酸エステル(2)は市販のものを使用してもよいし、合成したものを用いても良い。
オルトギ酸エステル(2)の使用量としては、(8E,10Z)-1-ハロ-8,10-ペンタデカジエン(1)1molに対して、反応性の観点から、好ましくは1.0~3.0molである。
溶媒の使用量は、(8E,10Z)-1-ハロ-8,10-ペンタデカジエン(1)1molに対して、反応性の観点から、好ましくは100~800gである。
求核置換反応における反応時間は、用いる溶媒や反応スケールにより異なるが、反応性の観点から、好ましくは3~35時間である。
(9E,11Z)-1,1-ジアルコキシ-9,11-ヘキサデカジエン(3)の具体例としては、(9E,11Z)-1,1-ジメトキシ-9,11-ヘキサデカジエン、(9E,11Z)-1,1-ジエトキシ-9,11-ヘキサデカジエン、(9E,11Z)-1,1-ジプロポキシ-9,11-ヘキサデカジエン、(9E,11Z)-1,1-ジイソプロポキシ-9,11-ヘキサデカジエン等が挙げられる。製造のし易さの観点から、(9E,11Z)-1,1-ジメトキシ-9,11-ヘキサデカジエン、(9E,11Z)-1,1-ジエトキシ-9,11-ヘキサデカジエンが好ましい。
加水分解反応に用いる酸としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸等の無機酸類、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、酢酸、ギ酸、シュウ酸、ヨードトリメチルシラン、四塩化チタン等が挙げられるが、反応性の観点から、塩酸、硫酸、p-トルエンスルホン酸、酢酸、ギ酸、シュウ酸、ヨードトリメチルシランが好ましい。
酸の使用量は、(9E,11Z)-1,1-ジアルコキシ-9,11-ヘキサデカジエン(3)1molに対して、反応性の観点から、好ましくは0.01~10.00molである。
溶媒の使用量は、(9E,11Z)-1,1-ジアルコキシ-9,11-ヘキサデカジエン(3)1molに対して、反応性の観点から、好ましくは0~3000gである。
加水分解反応における反応時間は、用いる溶媒や反応スケールにより異なるが、反応性の観点から、好ましくは1~10時間である。
合成例1
(4E,6Z)-1-クロロ-4,6-ウンデカジエン(5:X=Cl)の製造
反応器に1-ブロモペンタン(299g,1.94mol)、トリフェニルホスフィン(519g,1.94mol)、N,N-ジメチルホルムアミド(436g)を加え、110~115℃で6時間撹拌し、ペンチルトリフェニルホスホニウム=ブロミドを調製した。反応液を20~30℃まで冷却し、テトラヒドロフラン(1870g)を加えた。続いて0~10℃に冷却し、カリウム=t-ブトキシド(224g,1.94mol)を加え、10~15℃で30分間撹拌した後、(2E)-6-クロロ-2-ヘキセナール(263g,1.41mol)を-5~5℃で滴下した。滴下終了後3時間撹拌し、その後、反応液に水(1040g)を加えることにより反応を停止し、分液して水層を除去し、有機層を減圧下濃縮した。濃縮後、ヘキサン(1150g)を加えることにより、トリフェニルホスフィンオキシドを析出させ、ろ過した。ろ液を減圧下濃縮して残渣を減圧蒸留することにより、(4E,6Z)-1-クロロ-4,6-ウンデカジエン(5:X=Cl)(297g、1.26mol)が収率90.0%で得られた。
〔核磁気共鳴スペクトル〕1H-NMR(500MHz,CDCl3):δ0.91(3H,t,J=6.9Hz),1.30-1.40(4H,m),1.87(2H,tt,J=6.9,6.9Hz),2.17(2H,dt,J=6.9,6.9Hz),2.26(2H,dt,J=6.9,6.9Hz),3.54(2H,t,J=6.9Hz),5.34(1H,dt,J=10.7,6.9Hz),5.60(1H,dt,J=15.3,6.9Hz),5.94(1H,dd,J=10.7,10.7Hz),6.36(1H,dd,J=15.3,10.7Hz);13C-NMR(75.6MHz,CDCl3):13.93,22.28,27.39,29.88,31.83,32.12,44.35,127.01,128.15,130.97,131.89
〔マススペクトル〕EI-マススペクトル(70eV):m/z 186(M+),157,143,130,107,95,81,67,55,41,27
〔赤外吸収スペクトル〕(NaCl):νmax 3018,2956,2928,2856,1464,1377,1309,983,949,728,653
<(8E,10Z)-1-クロロ-8,10-ペンタデカジエン(1:X=Cl)の製造>
反応器にマグネシウム(17.8g、0.733グラム原子)、テトラヒドロフラン(198g)を加え60~65℃で30分間撹拌した。撹拌後、(4E,6Z)-1-クロロ-4,6-ウンデカジエン(5:X=Cl)(124g、0.667mol)を60~70℃にて滴下し、70~75℃にて6時間撹拌することにより、(4E,6Z)-4,6-ウンデカジエニルマグネシウム=クロリドを調製した。次に、別の反応器にヨウ化第一銅(1.27g、0.00667mol)、亜りん酸トリエチル(2.66g、0.0160mol)、1-ブロモ-4-クロロブタン(131g、0.767mol)、テトラヒドロフラン(66.1g)を加え、0~5℃で30分間撹拌した。その後、前述の(4E,6Z)-4,6-ウンデカジエニルマグネシウム=クロリドのテトラヒドロフラン溶液を5~15℃にて滴下した。滴下終了後、5~10℃で2時間撹拌した後、反応液に、塩化アンモニウム(6.29g)、20重量%塩化水素水(10.1g)、水(176g)を加えることにより反応を停止した。分液して水層を除去した後、有機層を減圧下濃縮して残渣を減圧蒸留することにより、(8E,10Z)-1-クロロ-8,10-ペンタデカジエン(1:X=Cl)(145g、0.596mol)が収率89.3%で得られた。
〔核磁気共鳴スペクトル〕1H-NMR(500MHz,CDCl3):δ0.91(3H,t,J=6.9Hz),1.29-1.46(12H,m),1.77(2H,tt,J=6.9,6.9Hz),2.10(2H,dt,J=6.9,6.9Hz),2.16(2H,dt,J=6.9,6.9Hz),3.53(2H,t,J=6.9Hz),5.31(1H,dt,J=10.7,7.7Hz),5.64(1H,dt,J=15.3,6.9Hz),5.94(1H,dd,J=10.7,10.7Hz),6.30(1H,dd,J=15.3,10.7Hz);13C-NMR(75.6MHz,CDCl3):13.94,22.30,26.80,27.37,28.72,28.98,29.25,31.88,32.59,32.78,45.10,125.71,128.52,130.13,134.38
〔マススペクトル〕EI-マススペクトル(70eV):m/z 242(M+),158,144,123,109,95,81,67,55,41,27
〔赤外吸収スペクトル〕(NaCl):νmax 3018,2955,2928,2856,1465,1377,1309,982,948,727,654
<(9E,11Z)-1,1-ジエトキシ-9,11-ヘキサデカジエン(3:R=C2H5)の製造>
反応器にマグネシウム(7.82g、0.322グラム原子)、テトラヒドロフラン(87.8g)を加え、60~65℃で30分間撹拌した。撹拌後、(8E,10Z)-1-クロロ-8,10-ペンタデカジエン(1:X=Cl)(71.1g、0.293mol)を60~70℃にて滴下し、滴下終了後70~75℃にて2時間撹拌することにより、(8E,10Z)-8,10-ペンタデカジエニルマグネシウム=クロリドを調製した。続いて、反応器にトルエン(136g)、オルト蟻酸エチル(56.4g、0.380mol)を75~85℃で加え、90~100℃において17時間撹拌した。0~10℃に冷却後、反応液に、20重量%塩化水素水(40.5g)、水(43.9g)、酢酸(8.08g)を加え、得られた反応液を分液して水層を除去した後、有機層を8重量%水酸化ナトリウム水溶液(48.4g)で洗浄した。有機層を減圧下濃縮して残渣を減圧蒸留することにより、(9E,11Z)-1,1-ジエトキシ-9,11-ヘキサデカジエン(3:R=C2H5)(67.1g、0.216mol)が収率73.8%で得られた。
〔核磁気共鳴スペクトル〕1H-NMR(500MHz,CDCl3):δ0.90(3H,t,J=7.3Hz),1.20(6H,t,J=7.3Hz),1.29-1.39(14H,m),1.57-1.62(2H,m),2.08(2H,dt,J=7.3,7.3Hz),2.16(2H,dt,J=7.3,7.3Hz),3.45-3.51(2H,m),3.60-3.66(2H,m),4.47(1H,t,J=5.8Hz),5.29(1H,dt,J=10.7,7.3Hz),5.64(1H,dt,J=14.9,7.3Hz),5.93(1H,dd,J=10.7,10.7Hz),6.29(1H,dd,J=14.9,10.7Hz);13C-NMR(75.6MHz,CDCl3):13.94,15.33(2C),22.30,24.73,27.36,29.13,29.40(2C),31.88,32.84,33.57,43.87,60.78(2C),102.93,125.60,128.56,130.02,134.57
〔マススペクトル〕EI-マススペクトル(70eV):m/z 264(M+-46),220,175,149,121,103,85,67,47,29
〔赤外吸収スペクトル〕(NaCl):νmax 3019,2974,2927,2856,1465,1374,1344,1128,1062,982,948,843,725
<(9E,11Z)-9,11-ヘキサデカジエナール(4)の製造>
反応器に(9E,11Z)-1,1-ジエトキシ-9,11-ヘキサデカジエン(3:R=C2H5)(146g、0.469mol)、テトラヒドロフラン(469g)、シュウ酸二水和物(177g、1.41mol)、水(469g)を加え60~65℃で3時間撹拌した。40~50℃に冷却後、ヘキサン(138g)を加え、得られた反応液を分液して水層を除去した後、有機層を食塩(4.27g)、水(286g)で洗浄した。減圧下濃縮して残渣を減圧蒸留することにより、(9E,11Z)-9,11-ヘキサデカジエナール(4)(93.0g、0.394mol)が収率83.9%で得られた。
〔核磁気共鳴スペクトル〕1H-NMR(500MHz,CDCl3):δ0.90(3H,t,J=6.9Hz),1.29-1.41(12H,m),1.62(2H,tt,J=7.3,7.3Hz),2.08(2H,dt,J=6.9,6.9Hz),2.15(2H,dt,J=7.3,7.3Hz),2.41(2H,td,J=7.3,1.9Hz),5.29(1H,dt,J=10.7,6.9Hz),5.63(1H,dt,J=14.9,7.3Hz),5.93(1H,dd,J=10.7,10.7Hz),6.29(1H,dd,J=14.9,10.7Hz),9.75(1H,t,J=1.9Hz);13C-NMR(75.6MHz,CDCl3):13.92,22.01,22.28,27.34,28.93,29.06,29.16,29.26,31.86,32.77,43.85,125.67,128.51,130.09,134.38,202.80
〔マススペクトル〕EI-マススペクトル(70eV):m/z 236(M+),151,135,123,109,95,81,67,55,41,29
〔赤外吸収スペクトル〕(NaCl):νmax 3018,2927,2855,2714,1727,1465,1410,1102,983,949,832,726
Claims (1)
- 下記一般式(5)
で表される(4E,6Z)-1-ハロ-4,6-ウンデカジエンから調製される(4E,6Z)-4,6-ウンデカジエニルマグネシウム=ハライドと、下記一般式(6)
で表される1,4-ジハロブタンとのカップリング反応により、下記一般式(1)
で表される(8E,10Z)-1-ハロ-8,10-ペンタデカジエンを得る工程と、
前記(8E,10Z)-1-ハロ-8,10-ペンタデカジエン(1)をマグネシウムと反応させて(8E,10Z)-8,10-ペンタデカジエニルマグネシウム=ハライドを得る工程と、
前記(8E,10Z)-8,10-ペンタデカジエニルマグネシウム=ハライドと、下記一般式(2)
で表されるオルトギ酸エステルとの求核置換反応により、下記一般式(3)
で表される(9E,11Z)-1,1-ジアルコキシ-9,11-ヘキサデカジエンを得る工程と、
前記(9E,11Z)-1,1-ジアルコキシ-9,11-ヘキサデカジエン(3)の加水分解反応により、下記式(4)
を少なくとも含む(9E,11Z)-9,11-ヘキサデカジエナールの製造方法。
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