JP7017651B2 - ラッピング治具、ラッピング装置およびラッピング方法 - Google Patents

ラッピング治具、ラッピング装置およびラッピング方法 Download PDF

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    • F16H25/20Screw mechanisms
    • F16H25/22Screw mechanisms with balls, rollers, or similar members between the co-operating parts; Elements essential to the use of such members

Description

この発明は、総型加工ツールによりボールねじナットのねじ溝を研削加工してラップ仕上げする際のボールねじナットの保持に関するものである。
従来、産業用ロボットに装備される駆動機構の一つにボールねじ機構がある。このボールねじ機構に用いられるボールねじナットは、内部にボールが転動する螺旋状のねじ溝が形成されている。このねじ溝は、切削加工により所定の形状に形成された後、総型加工ツールによる研削加工、いわゆるラッピング加工によって最終的な寸法に仕上げられる。
このラッピング加工は、例えば特許文献1に示されているようなラッピング装置を使用して行われている。この特許文献1に記載の装置では、3個のチャック爪を備えたチャック手段(本発明の「ラッピング治具」に相当)によってボールねじナットが保持されている。また、チャック手段の上方位置では、軸体構造を有するラップバー(本発明の「総型加工ツール」に相当)の軸心を上下方向に延びる回転中心軸と一致させた状態で当該ラップバーが回転しながら上下方向に往復移動可能に設けられている。そして、回転しているラップバーが所定の回転数と所定の送り速度にて、チャック手段で保持されたボールねじナット内に螺合されていき、それによってラッピング加工が施される。
特開2002-292520号公報(図7)
このように特許文献1のラッピング装置では、ボールねじナットはチャック手段で固定的に保持され、ラップバーは上下方向に延設されたレールに沿って昇降する。つまり、当該ラッピング装置では、チャック手段により保持されたボールねじナットの軸心はラップバーの軸心(回転中心軸)と一致していることを前提としてラッピング加工を行う。したがって、例えばチャック手段によるボールねじナットの保持姿勢およびラップバーの設置姿勢のうちの少なくとも一方が不適切である場合、両者の軸心がずれて不一致となり、十分な加工精度でラッピング加工を行うことが困難である。特に、切削加工と研削加工との間に行われる熱処理によってボールねじナットに歪みが生じると、チャック手段によるボールねじナットの保持姿勢が不良なものとなり、従来装置では対応することができなかった。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、ボールねじナットの保持姿勢を柔軟に調整して総型加工ツールによるラップ仕上げを良好に行うことができるラッピング技術を提供することを目的とする。
本発明の第1態様は、第1方向に延びる回転中心軸まわりに回転しながら第1方向に往復移動する、総型加工ツールによりねじ溝が研削加工されてラップ仕上げされるボールねじナットを保持するラッピング治具であって、回転中心軸上に固定的に配置される治具ベースと、治具ベースに取り付けられ、総型加工ツールの外側面のうちねじ溝に摺接してねじ溝を研削加工している加工領域に倣って治具ベースに対するボールねじナットの姿勢を変化させながらボールねじナットを保持する倣い保持部とを備えることを特徴としている。
また、本発明の第2態様は、第1方向に延びる軸体構造を有する総型加工ツールによりボールねじナットのねじ溝を研削加工してラップ仕上げするラッピング装置であって、上記ラッピング治具と、第1方向に延びる回転中心軸まわりに総型加工ツールを回転させながら総型加工ツールを第1方向にラッピング治具に保持されたボールねじナットに対して往復移動させるツール駆動部とを備えることを特徴としている。
さらに、本発明の第3態様は、第1方向に延びる軸体構造を有する総型加工ツールによりボールねじナットのねじ溝を研削加工してラップ仕上げするラッピング方法であって、上記ラッピング治具によりボールねじナットを保持する第1工程と、第1方向に延びる回転中心軸まわりに総型加工ツールを回転させながら総型加工ツールを第1方向にラッピング治具に保持されたボールねじナットに対して往復移動させる第2工程とを備えることを特徴としている。
このように構成された発明では、第1方向に延びる回転中心軸まわりに総型加工ツールを回転させながら総型加工ツールを第1方向にボールねじナットに対して往復移動させることでボールねじナットのねじ溝が研削加工されてラップ仕上げされる。このラップ仕上げに際し、ボールねじナットは、総型加工ツールの外側面のうちねじ溝に摺接してねじ溝を研削加工している加工領域に倣ってボールねじナットの姿勢を変化させながら保持される。このため、総型加工ツールの軸心とボールねじナットの軸心とが一致した状態でラップ仕上げが行われる。
以上のように、総型加工ツールの外側面のうちねじ溝に摺接してねじ溝を研削加工している加工領域に倣ってボールねじナットの姿勢を変化させながらボールねじナットを保持するラッピング治具を用いてラップ仕上げを行う。したがって、ボールねじナットの保持姿勢を柔軟に調整して総型加工ツールによるラップ仕上げを良好に行うことが可能となっている。
本発明に係るラッピング装置の第1実施形態を示す図である。 図1に示すラッピング装置で使用されるラッピング治具を示す斜視図である。 図1に示すラッピング装置の電気的構成を示すブロック図である。 ラップ仕上げ中におけるラッピング治具の動作を模式的に示す図である。 ラップ仕上げ前後におけるラッピング治具2の動作を模式的に示す図である。 図1に示すラッピング装置によるラップ仕上げの手順を示すフローチャートである。 図1に示すラッピング装置によるラップ仕上げの手順を模式的に示す図である。 本発明の第2実施形態に係るラッピング装置によるラップ仕上げの追加手順を模式的に示す図である。
図1は本発明に係るラッピング装置の第1実施形態を示す図である。また、図2は図1に示すラッピング装置で使用されるラッピング治具を示す斜視図である。さらに、図3は図1に示すラッピング装置の電気的構成を示すブロック図である。ラッピング装置1は、鉛直方向Zに延設された軸体構造を有する総型加工ツール(以下単に「加工ツール」という)100の軸心AX1を回転中心軸ARと一致させた状態で加工ツール100を回転中心軸ARまわりに回転させながらZ方向に往復移動させてラッピング治具2に保持されたボールねじナット200(以下、単に「ナット200」という)のねじ溝201を加工ツール100により研削加工してラップ仕上げを行うものである。なお、図1および図2では、各図の方向関係を明確にするために、XYZ直角座標軸が示されている。これらの図には、鉛直方向Zは本発明の「第1方向」の一例に相当するものであり、Z方向の矢印Z1は加工ツール100の往路方向を向いており、Z方向の矢印Z2は加工ツール100の復路方向を向いている。この鉛直方向ZならびにZ方向と直交する水平方向X、YによりXYZ直角座標軸が図1および図2に示されている。また、Y方向は本発明の「第2方向」の一例に相当するものであり、Y方向の矢印Y1は正面側から見てラッピング装置1の左側を向いており、Y方向の矢印Y2はラッピング装置1の右側を向いている。また、X方向は本発明の「第3方向」の一例に相当するものであり、X方向の矢印X1はラッピング装置1の正面側を向いており、X方向の矢印X2はラッピング装置1の背面側を向いている。さらに、図1中の矢印Rは加工ツール100の回転方向を示している。
ラッピング装置1は、図1に示すように、基台3と、この基台3の正面側上部に装着されたボールねじナット用支持装置4と、基台3の背面側上部に立設された上部支持台5と、この上部支持台5に昇降装置6を介して支持された昇降ヘッド7と、この昇降ヘッド7に設けられた回転駆動装置8とを備えている。これらのうちボールねじナット用支持装置4では、操作用レバー41を操作することによりテーブル42が鉛直方向Zに昇降するように構成されている。そして、テーブル42の上面にラッピング治具2が固定されるとともに、当該ラッピング治具2によりナット200を着脱自在に保持可能となっている。なお、ラッピング治具2の詳しい構成および動作については、後で詳述する。
ナット200を保持するラッピング治具2の上方では、図1に示すように、昇降ヘッド7が鉛直方向Zに往復移動可能に設けられ、昇降装置6により昇降駆動される。昇降装置6は、図1に示すように鉛直方向Zに延びる上部支持台5の正面(X1方向側)に取付けられた左右一対のスライドレール61、61(図1ではY2方向側のみを図示)と、これらのスライドレール61、61に昇降自在に支持されたスライダ62と、このスライダ62における左右方向Yの中央部に取付けられたボールねじナット63と、このボールねじナット63を貫通して鉛直方向Zに延びるボールねじ軸64と、このボールねじ軸64の上端部に接続された昇降用モータ65などによって構成されている。そして、ラッピング装置1全体を制御する制御装置9からの指令に応じて昇降用モータ65が正回転することで次のように構成される昇降ヘッド7を往路方向(Z1方向側)に移動させる一方、逆回転することで昇降ヘッド7を復路方向(Z2方向側)に移動させることが可能となっている。
昇降ヘッド7は、図1に示すように、スライダ62の前面に取付けられたスピンドルハウジング71と、このスピンドルハウジング71の内部に軸受(図示省略)によって回転自在に支持された筒状のスピンドル72と、このスピンドル72に取付けられたタップチャック73などによって構成されている。スピンドルハウジング71の上端部であって両側部には、ワイヤ74を介して重量相殺用のウエイト75が接続されている。ワイヤ74は、上部支持台5の上端部に設けられたプーリ76、76に架け渡され、上部支持台5内に収容されたウエイト75とスピンドルハウジング71とを接続している。
スピンドル72の上端部はスピンドルハウジング71の上端部から上方に突出し、スピンドル72の下端部はスピンドルハウジング71の下端部から下方に突出している。スピンドル72の上端部には加工ツール100を回転させるための回転駆動装置8が接続されている。この回転駆動装置8は、スピンドルハウジング71の上端部から前方(X1方向側)に延びる支持板81に取付けられた減速機82と、この減速機82の上に装備された回転駆動用モータ83と、減速機82からスピンドル72の上端部に動力を伝達するためのベルト式伝動装置84などによって構成されている。このため、制御装置9からの指令に応じて回転駆動用モータ83が作動することでスピンドル72を回転中心軸ARまわりに回転させることが可能となっている。
このスピンドル72の下端部には、図1への図示を省略するが、テーパーソケットが下方に向けて開口するように形成されており、タップチャック73のテーパーシャンクが取付けられている。そして、タップチャック73に対して加工ツール100の上端部が把持され、軸心AX1を回転中心軸ARと一致させた状態で加工ツール100がタップチャック73に装着される。そして、制御装置9からの指令に応じて、回転駆動用モータ83が作動することで加工ツール100は回転中心軸ARまわりに回転するとともに昇降用モータ65が作動することで加工ツール100は鉛直方向Zに往復移動、つまりZ軸移動する。このように加工ツール100を回転中心軸ARまわりに回転させながら鉛直方向Zに往復移動させることで加工ツール100の外側面に電着や接着などにより付着された砥粒がナット200のねじ溝201を研削加工する。こうしてナット200に対するラップ仕上げを実行可能となっている。なお、ラップ仕上げを行っている間、次に説明するように、ナット200は加工ツール100の外側面に倣い、ナット200の軸心AX2(図2、図6参照)が回転中心軸AR(加工ツール100の軸心AX1)と一致するようにナット200の姿勢を調整可能となっている。一方、ラップ仕上げ前後においては、ナット200はラッピング治具2により所定の初期姿勢で保持される。このようにナット200を保持するラッピング治具2の構成および動作について図2、図4Aおよび図4Bを参照しつつ説明する。
図4Aおよび図4Bは図2に示すラッピング治具の部分断面図であり、図4Aはラップ仕上げ中におけるラッピング治具2の動作を模式的に示し、図4Bはラップ仕上げ前後におけるラッピング治具2の動作を模式的に示している。ラッピング治具2は、図2、図4Aおよび図4Bに示すように、加工ツール100の回転中心軸ARの延長線上においてテーブル42の上面に固定的に配置される治具ベース21と、後で詳述するように加工ツール100の外側面の形状に倣って治具ベース21に対するナット200の姿勢を変化させながらナット200を保持する倣い保持部22とを備えている。
治具ベース21は鉛直上方(Z2方向側)からの平面視で額縁形状を有する枠体であり、その中央空間でナット200がナット保持部材23に保持されている。本実施形態では、ナット保持部材23は治具台231と支持枠232とを有しており、ナット200を保持する治具台231が水平方向から取り囲まれた状態で支持枠232により支持されている。そして、このナット保持部材23を変位させてナット200の姿勢を調整するために、倣い保持部22は以下のように構成されて、回転中心軸ARに対するナット200の傾斜姿勢を調整する傾斜調整機能と、回転中心軸ARに対するナット200の水平位置を調整する水平調整機能とを兼ね備えている。
倣い保持部22は、可動枠240と第1揺動支軸241と第2揺動支軸242とで構成されたジンバル機構24を有している。より詳しくは、可動枠240は治具ベース21と同様に額縁形状を有する枠体であり、治具ベース21の中央空間でナット保持部材23を水平方向から取り囲むように配置されている。この可動枠240と治具ベース21との間において第1揺動支軸241がY方向で離間する2個所に設けられている。これら2つの揺動支軸241は、図4Aおよび図4Bに示すように、いずれもインナーブッシュ241a、スライドシャフト241bおよび連結ピン241cを有しており、ナット保持部材23で保持されたナット200を挟んで対称配置されている。このため、ここではY2方向側の第1揺動支軸241の構成を説明し、Y1方向側については説明を省略する。
治具ベース21のY2方向側の側壁では、X方向における略中央位置でY方向に貫通孔が設けられるとともに当該貫通孔に円筒状のインナーブッシュ241aがY方向に嵌挿されている。このインナーブッシュ241aの中空部分にスライドシャフト241bがインナーブッシュ241aに対してY方向にスライド自在に挿入されている。スライドシャフト241bには貫通孔がY方向に穿設されている。そして、当該貫通孔に連結ピン241cがY2方向側からY1方向側に向けて挿通され、その先端部が可動枠240のY2方向側の側壁に連結されている。また、Y1方向側についてもY2方向側と同様に、第1揺動支軸241が設けられている。このため、これら2つの第1揺動支軸241により可動枠240は治具ベース21に対してY方向まわりに揺動自在となるとともに、可動枠240、スライドシャフト241bおよび連結ピン241cが一体的にY方向にスライド自在となっている。
また、可動枠240とナット保持部材23との間において第2揺動支軸242がX方向で離間する2個所に設けられている。これら2つの揺動支軸242は、図4Aおよび図4Bに示すように、いずれもインナーブッシュ242a、スライドシャフト242bおよび連結ピン242cを有しており、ナット保持部材23で保持されたナット200を挟んで対称配置されている。このため、ここではX2方向側の第2揺動支軸242の構成を説明し、X1方向側については説明を省略する。
可動枠240のX2方向側の側壁では、Y方向における略中央位置でX方向に貫通孔が設けられるとともに当該貫通孔に円筒状のインナーブッシュ242aがX方向に嵌挿されている。このインナーブッシュ242aの中空部分にスライドシャフト242bがインナーブッシュ242aに対してX方向にスライド自在に挿入されている。スライドシャフト242bには、貫通孔がX方向に穿設されており、当該貫通孔に連結ピン242cがX2方向側からX1方向側に向けて挿通され、その先端部が支持枠232のX2方向側の側壁に連結されている。また、X1方向側についてもX2方向側と同様に、第2揺動支軸242が設けられている。このため、これら2つの第2揺動支軸242により支持枠232は可動枠240に対してX方向まわりに揺動自在となるとともに、支持枠232、スライドシャフト242bおよび連結ピン242cが一体的にX方向にスライド自在となっている。
このように本実施形態では、ジンバル機構24を設けたことでナット保持部材23を回転中心軸ARに対して傾斜させてナット200の傾斜姿勢を変化させることが可能となっている。また、第1揺動支軸241および第2揺動支軸242がそれぞれY方向およびX方向のすべり軸受構造を有し、本発明の「移動機構」として機能し、ナット保持部材23をY方向およびX方向に移動させることが可能となっている。つまり、移動機構によって回転中心軸ARに対するナット200の水平位置を変化させることが可能となっている。このため、図4Aに示すように、可動枠240および支持枠232が自由に変位できるときには、ラップ仕上げを実行するために加工ツール100の外側面がナット200のねじ溝201に摺接して研削加工が実行される際に、加工ツール100の外側面に倣ってナット200が傾斜したり、水平移動したりする。このため、後で説明する図6に示すようにナット200の軸心AX2が回転中心軸AR(加工ツール100の軸心AX1)と一致するようにナット200の姿勢を調整可能となっている。なお、本明細書では、このように加工ツール100に倣ってナット200の姿勢を変化させることができるモードを「倣い設定モード」と称する。
ここで、ラップ仕上げのみを考慮すると、ラッピング治具2を常時倣い設定モードに設定しておくことも考えられる。しかしながら、ラッピング治具2にナット200を装着する際の作業性、ラップ仕上げを実行するために加工ツール100をナット200のねじ溝201に挿入する際の位相確保やラップ仕上げ終了後にナット200を取り外す際の作業性などを考慮すると、ラップ仕上げの前後においてナット200を位相確保などに好適な初期位置に位置決めするとともに当該初期位置からナット200が変位するのを規制するのが望ましい。そこで、本実施形態では、上記倣い設定モード以外に、ナット200を初期位置に位置決めするとともに初期位置からの変位を規制する「初期設定モード」を設け、これらを切り替えるためのモード切替機構25を設けている。
モード切替機構25は、X方向においてナット200を初期位置に位置決めして固定するエアシリンダ251と、Y方向においてナット200を初期位置に位置決めして固定するエアシリンダ252とを有している。エアシリンダ251のピストン部251pに対応し、貫通孔211、2401および凹部2321がそれぞれ治具ベース21、可動枠240および支持枠232のY1方向側の壁部に設けられ、ナット200が初期位置に位置した際には、これらはY方向に直線状に並ぶ。したがって、加工ツール100に倣って可動枠240および支持枠232が治具ベース21に対してX方向に変位していたとしても、制御装置9からの指令に応じてエアシリンダ251のピストン部251pがY2方向側に伸長することでX方向において可動枠240および支持枠232を初期位置に戻す。つまり、貫通孔211、2401および凹部2321へのピストン部251pの進入により、治具ベース21、可動枠240および支持枠232がピストン部251pによりY方向に串刺され、その過程で図4Aに示す状態から図4Bに示す状態に移行してX方向においてナット200は初期位置に位置決めされる。
また、Y方向における位置決めについてもX方向と同様である。すなわち、エアシリンダ252のピストン部252pに対応し、貫通孔212および凹部2402がそれぞれ治具ベース21および可動枠240のX2方向側の壁部に設けられ、ナット200が初期位置に位置した際には、これらはX方向に直線状に並ぶ。したがって、加工ツール100に倣って可動枠240および支持枠232が治具ベース21に対してY方向に変位していたとしても、制御装置9からの指令に応じてエアシリンダ252のピストン部252pがX1方向側に伸長することでY方向において可動枠240および支持枠232を初期位置に戻す。つまり、貫通孔212および凹部2402へのピストン部252pの進入により、治具ベース21および可動枠240がピストン部252pによりX方向に串刺され、その過程で図4Aに示す状態から図4Bに示す状態に移行してY方向においてナット200は初期位置に位置決めされる。
このようにエアシリンダ251、252の伸長動作によって、図4Bに示すように、ピストン部251p、252pが進入してナット保持部材23は水平方向において初期位置に位置決めする。これによって、設計上では、ナット保持部材23に保持されるナット200の軸心(図2、図6中の符号AX2)は加工ツール100の回転中心軸ARと一定の範囲内で一致する。こうした位置決め動作と同時に、その位置で回転中心軸ARに対するナット200の水平移動および傾斜が規制される、つまりジンバル機構24がロックされる(初期設定モード)。
逆に、エアシリンダ251、252の収縮動作によって、図4Aに示すように、ピストン部251p、252pがそれぞれ治具ベース21の貫通孔211、212に後退し、上記ジンバル機構24のロックが解除される。この状態でラップ仕上げを実行するために加工ツール100がナット200のねじ溝201に挿入されて往復移動すると、当該ナット200は加工ツール100に倣って回転中心軸ARに対して水平移動するとともに傾斜し、ナット200の軸心AX2が回転中心軸AR(加工ツール100の軸心AX1)と一致した状態で加工ツール100の外側面がねじ溝201に適切に摺接する(倣い設定モード)。そして、加工ツール100の往復動作に伴って加工ツール100の外側面に付着する砥粒によってねじ溝201が良好に研削される。
このように構成されたラッピング装置1を制御するために、制御装置9が設けられている。この制御装置9は、はCPU(Central Processing Unit)により構成される演算処理部91を備えている。演算処理部91には、記憶部92、モータ制御部93と、シリンダ制御部94と、外部入出力部95と、表示部96と、入力部97とがそれぞれ接続されている。そして、演算処理部91は、記憶部92に予め記憶されているプログラムにしたがって装置各部を制御してラップ仕上げを実行する。
モータ制御部93は、昇降用モータ(Z軸モータ)65を駆動させて加工ツール100を昇降させ、また回転駆動用モータ(R軸モータ)83を駆動させて加工ツール100を回転中心軸ARまわりに回転させる。また、モータ制御部93はモータ65、83を駆動制御する際の電流値をモータトルクに関連する情報として演算処理部91に与える。したがって、演算処理部91は当該情報に基づいて加工ツール100の回転に異常が発生しているか否かを高精度に検出することが可能となっている。
シリンダ制御部94は、エアシリンダ251、252に与える圧縮空気を制御することによりピストン部251p、252pを伸縮させ、初期設定モードと倣い設定モードとの間でモード切替を行う。
外部入出力部95は、いわゆるインターフェースであって、ラッピング装置1に設けられる各種センサ類951から出力される検出信号が取り込まれるように構成されている。これらの検出信号にはタップチャック73の位置を検出する近接センサ951aからの信号が含まれおり、当該信号に基づいて演算処理部91はタップチャック73でのフローティング異常の有無を検出することが可能となっている。
表示部96は、表示画面を有する液晶表示装置等から構成され、ラッピング装置1の状態等を表示画面上に表示する。入力部97は、キーボード等から構成され、オペレータの手動による操作によって外部からの入力を受け付けるようになっている。
上記のように構成されたラッピング装置1では、記憶部92に記憶されたプログラムが演算処理部91に読み出され、演算処理部91によって装置各部が以下のように制御されてナット200のラップ仕上げが実行される。以下、図4A、図4B、図5および図6を参照しつつラッピング装置1によるラップ仕上げについて説明する。
図5は図1に示すラッピング装置によるラップ仕上げの手順を示すフローチャートである。また、図6は図1に示すラッピング装置によるラップ仕上げの手順を模式的に示す図である。なお、同図の(a)、(b)、(d)欄中の白抜き矢印はエアシリンダ251、252の伸長動作によってジンバル機構24に対してロックが作用している状態を示し、同図の(c)欄中の破線はエアシリンダ251、252の収縮動作によってジンバル機構24のロックが解除されて回転中心軸ARに対するナット200の水平移動動作および傾斜動作が自由となっている状態を示している。
オペレータはラップ仕上げ前のナット200の一方端面202を加工ツール100に向けた状態で当該ナット200をラッピング治具2にセットする(本発明の「第1工程」の一例に相当)。このとき、ラッピング装置1の各部は原点位置に位置している。つまり、図1に示すように、昇降ヘッド7に取り付けられた加工ツール100は回転を停止した状態でラッピング治具2から鉛直上方、つまりZ2方向に離れた原点位置P1(図6)に位置決めされている。また、ラッピング治具2では、エアシリンダ251、252が伸長し(図4B)、ジンバル機構24をロックしている。これによって、回転中心軸ARに対するナット保持部材23の水平移動および傾斜を防止し、オペレータによるナット保持部材23へのナット200の装着を容易なものとしている。
ラッピング治具2へのナット200のセットが完了すると、オペレータによりラップ仕上げの開始指令が入力部97を介して制御装置9に与える。これを受けて、制御装置9の演算処理部91は装置各部を以下のように制御してナット200のラップ仕上げを実行する。まず、昇降用モータ(Z軸モータ)65が作動し、図6の(a)欄に示すように、加工ツール100を原点位置P1からナット200の直上位置P2まで降下させる(ステップS1)。この加工ツール100の降下は比較的高速で実行される一方、加工ツール100の回転は停止されている。
直上位置P2への降下が完了すると、昇降用モータ65は回転速度を落とし、加工ツール100の降下速度を低速に切り替える。また、この低速降下に同期して回転駆動用モータ(R軸モータ)83が作動して加工ツール100の正回転を開始させる(ステップS2)。ここで、「正回転」とは加工ツール100を降下させながら加工ツール100の外側面に付着する砥粒でねじ溝201を研削してラッピングさせる方向を意味し、「正回転」と反対の「逆回転」とは加工ツール100を上昇させながら加工ツール100の外側面に付着する砥粒でねじ溝201を研削してラッピングさせる方向を意味する。
こうして、加工ツール100を正回転させながら降下させていくと、図6の(b)欄に示すように、加工ツール100の先端部がナット200のZ2方向側の端部をすべりながらねじ溝201と位相が合致して進入する。このとき、加工ツール100の軸心AX1とナット200の軸心AX2とが大きくずれている場合や加工ツール100の先端部がねじ溝201に対して位相不一致となっている場合、加工ツール100に対して回転方向(R軸方向)に多大なトルクが付加されるという問題(R軸トルク異常)や加工ツール100と接続されたタップチャック73が想定以上に伸縮するという問題(フローティング異常)が発生する。これらの問題が発生したまま動作を実行すると、ラップ仕上げの不良、加工ツール100の短寿命化や装置故障などを引き起こす。そこで、本実施形態では、図6の(b)欄に示すように、加工ツール100が予め設定した初期挿入位置P3まで降下して初期挿入量(例えばナット200に対して1/3程度の挿入した量)だけナット200に挿入されるまでに、昇降用モータ65の電流値をモニターすることでR軸トルク異常を監視するとともに近接センサ951aによりフローティング異常を監視している(ステップS3、S4)。ここで、R軸トルク異常を検出するために、加工ツール100に付加されるトルクをトルクセンサにより直接計測してもよい。また、フローティング異常を検出するセンサは近接センサ951aに限定されるものではなく、位置検出センサ全般を用いることができる。
上記ステップS3でR軸トルク異常およびフローティング異常のうちの少なくとも一方が検出されると、制御装置9は昇降用モータ65および回転駆動用モータ83を停止するとともに表示部96に異常発生による装置停止を報知する(ステップS5)。このアラーム報知を確認したオペレータは入力部97を介して昇降用モータ65や回転駆動用モータ83などを操作して上記異常の解消を図りつつ加工ツール100を原点位置P1に戻すなどにより装置各部を原点復帰させる。そして、異常が解消されてラップ仕上げの再トライの準備が完了すると、オペレータは入力部97を操作して再スタート指令を制御装置9に与える。この再スタート指令を受け付ける(ステップS6で「YES」)と、制御装置9はステップS1に戻ってラップ仕上げを再トライする。
一方、R軸トルク異常およびフローティング異常が発生することなく、加工ツール100の初期挿入が完了する(ステップS4で「YES」)と、エアシリンダ251、252が収縮して(図4A)、ジンバル機構24のロックを解除する(ステップS7)。このとき、ナット保持部材23に保持されているナット200の軸心AX2が加工ツール100の回転中心軸ARと一致している場合にはナット保持部材23の移動はなく、その位置が維持される。一方、不一致となっている場合には、加工ツール100の外側面に倣ってナット保持部材23が回転中心軸ARに対して水平移動および/または傾斜し、その結果、ナット保持部材23に保持されているナット200の軸心AX2が加工ツール100の回転中心軸ARと一致する。
ジンバル機構24のロック解除後、ラップ仕上げに適合する回転速度および移動速度で加工ツール100の回転およびZ方向への往復移動(以下「加工ツール100の回転往復移動」という)が開始される(ステップS8)。つまり、加工ツール100は正回転で回転されながらラップ仕上げに適した速度でZ1方向に降下されることで、加工ツール100の外側面のうちZ方向における中央領域101(図6の(c)欄)が本発明の「加工領域」としてねじ溝201に摺接し、当該中央領域101に付着する砥粒によりねじ溝201が研削される。逆に、加工ツール100は逆回転で回転されながらZ2方向に上昇することで、上記中央領域101がねじ溝201に摺接して当該中央領域101に付着する砥粒によりねじ溝201が研削される。このように正逆回転する加工ツール100が往復移動する際、ナット200のねじ溝201は加工ツール100の外側面に倣い、回転中心軸ARに対する水平移動および傾斜が適宜実行されてナット200の軸心AX2が加工ツール100の回転中心軸ARと一致した状態でラップ仕上げが実行される(本発明の「第2工程」の一例に相当)。
こうしてラップ仕上げを行っている間にR軸トルク異常が発生する可能性がある。そこで、本実施形態では、上記回転往復移動の回数が予めオペレータにより指摘された値だけ繰り返される間、演算処理部91は昇降用モータ65の電流値に基づいてR軸トルク異常の発生を監視する(ステップS9、S10)。そして、R軸トルク異常が発生したとき(ステップS9で「YES」)、演算処理部91は昇降用モータ65および回転駆動用モータ83の駆動を一時的に停止して加工ツール100の回転往復移動を中断し、それに続いて一定量だけ低速で反転駆動する。例えば加工ツール100を正回転させつつZ1方向に降下させている際にR軸トルク異常が発生すると、加工ツール100を一定量だけ逆回転させつつZ2方向に上昇させる。一方、加工ツール100を逆回転させつつZ2方向に上昇させている際にR軸トルク異常が発生すると、加工ツール100を一定量だけ正回転させつつZ1方向に降下させる。その後で、ステップS8に戻って加工ツール100の回転往復移動が再開される。
上記加工ツール100の回転往復移動の回数が指摘値に到達してナット200のラップ仕上げが完了する(ステップS10で「YES」)と、加工ツール100は逆回転されつつZ2方向に上昇され、原点位置P1に戻った(ステップS12)後で、加工ツール100の回転および移動を停止する。また、ラッピング治具2では、エアシリンダ251、252が伸長し(図4B)、ジンバル機構24をロックする。こうして1つのナット200に対する一連の処理が完了する。
以上のように、本実施形態では、加工ツール100の外側面のうちねじ溝201の研削加工を行う中央領域101(本発明の「加工領域」に相当)に倣ってナット保持部材23を回転中心軸ARに対して水平移動および傾斜させている。これによって、ラップ仕上げ中において、ナット200の軸心AX2が加工ツール100の回転中心軸ARと一致するようにナット200の姿勢は調整される。したがって、加工ツール100の軸心とナット200の軸心が一致した状態でねじ溝201を研削加工することができ、加工ツール100によるナット200のラップ仕上げを高精度に行うことができる。
また、加工ツール100の軸心AX1とナット200の軸心AX2とが一致した状態でラップ仕上げが行われるため、ラップ仕上げ中に加工ツール100に対して余分な外力、例えば曲げ応力が作用するのを防止することができ、加工ツール100の寿命を伸ばすことができる。
また、ナット200をラッピング治具2にセットする際に、モード切替機構25により初期設定モードに切り替えられている。つまりジンバル機構24をロックしてナット保持部材23に保持されたナット200を初期位置に位置決めており、この状態でナット200を安定してラッピング治具2にセットすることができる。
また、加工ツール100の回転往復移動によりラップ仕上げを行う前にねじ溝201と位相を合せながら加工ツール100の先端部をナット200に挿入する必要があるが、本実施形態では初期設定モードを維持したまま上記した初期挿入が行われる。したがって、ナット200の変位を規制しつつ初期挿入を安定して行うことが可能となっている。
さらに、ラップ仕上げを終了した後に、モード切替機構25によって倣い設定モードから初期設定モードに戻される。したがって、ラップ仕上げ済のナット200をラッピング治具2から安定して取り外すことができる。
上記した実施形態では、回転中心軸ARが本発明の「第1方向に延びる回転中心軸」の一例に相当している。また、昇降装置6と回転駆動装置8との組み合わせが本発明の「ツール駆動部」として機能している。また、ナット200のZ2方向側の端面202が本発明の「ボールねじナットの一方端面」の一例に相当し、ナット200のZ1方向側の端面203が本発明の「ボールねじナットの他方端面」の一例に相当している。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したものに対して種々の変更を加えることが可能である。例えば、上記実施形態では、ナット200の一方端面202を加工ツール100に向いた状態でのみ回転往復移動を指定回数、例えば2N回行ってラップ仕上げしているが、第1実施形態と同様にしてラップ仕上げを行った後で、ラッピング治具2を上限反転させ、例えば図7に示すようにナット200の他方端面203を加工ツール100に向いた状態でラップ仕上げを行ってもよい(第2実施形態)。このように互いに異なる2態様でラップ仕上げを行うことで仕上げ精度をさらに向上させることができる。また、第2実施形態における回転往復移動の回数については、ナット200の一方端面202を加工ツール100に向いた状態でN回行い、ナット200の他方端面203を加工ツール100に向いた状態でN回行うように構成してもよい。
また、上記実施形態では、倣い保持部22がナット保持部材23を回転中心軸ARに対して傾斜させてナット200の傾斜姿勢を変化させる傾斜機能以外に、ナット保持部材23をY方向およびX方向に移動させて回転中心軸ARに対して水平シフトさせてナット200の水平姿勢を変化させる移動機能を付加している。この変形例として、ナット保持部材23をX方向にシフト移動させる移動機構のみを付加したり、逆にナット保持部材23をY方向にシフト移動させる移動機構のみを付加したりしてもよい。
また、倣い保持部22がナット保持部材23をY方向およびX方向に移動させて回転中心軸ARに対して水平シフトさせてナット200の水平姿勢を変化させる移動機能のみを有するように構成してもよい。
また、上記実施形態では、互いに直交するZ方向、Y方向およびX方向を本発明の「第1方向」、「第2方向」および「第3方向」として設定しているが、Y方向またはX方向を本発明の「第1方向」に設定し、残りの2方向をそれぞれ「第2方向」および「第3方向」として設定してもよい。また、本発明の「第1方向」、「第2方向」および「第3方向」が互いに直交していることは必須事項ではなく、互いに交差するように設定してもよい。
この発明は、総型加工ツールによりボールねじナットのねじ溝を研削加工してラップ仕上げするラッピング技術全般に適用可能である。
1…ラッピング装置
2…ラッピング治具
6…昇降装置(ツール駆動部)
8…回転駆動装置(ツール駆動部)
21…治具ベース
22…倣い保持部
23…ナット保持部材
24…ジンバル機構
25…モード切替機構
100…(総型)加工ツール
101…中央領域(加工領域)
200…(ボールねじ)ナット
201…ねじ溝
202…(一方)端面
203…(他方)端面
240…可動枠
241…第1揺動支軸
242…第2揺動支軸
AR…回転中心軸
AX1…(加工ツールの)軸心
AX2…(ボールねじナットの)軸心
X…水平方向(第3方向)
Y…左右方向(第2方向)
Z…鉛直方向(第1方向)

Claims (11)

  1. 第1方向に延びる回転中心軸まわりに回転しながら前記第1方向に往復移動する、総型加工ツールによりねじ溝が研削加工されてラップ仕上げされるボールねじナットを保持するラッピング治具であって、
    前記回転中心軸上に固定的に配置される治具ベースと、
    前記治具ベースに取り付けられ、前記総型加工ツールの外側面のうち前記ねじ溝に摺接して前記ねじ溝を研削加工している加工領域に倣って前記治具ベースに対する前記ボールねじナットの姿勢を変化させながら前記ボールねじナットを保持する倣い保持部と
    を備えることを特徴とするラッピング治具。
  2. 請求項1に記載のラッピング治具であって、
    前記倣い保持部は、前記ボールねじナットを保持するナット保持部材と、前記第1方向と交差する第2方向まわり並びに前記第1方向および前記第2方向と交差する第3方向まわりに前記ナット保持部材を揺動させて前記回転中心軸に対する前記ボールねじナットの傾斜を変化させるジンバル機構とを有するラッピング治具。
  3. 請求項2に記載のラッピング治具であって、
    前記ジンバル機構は、
    可動枠と、
    前記治具ベースと前記可動枠との間において前記第2方向で離間する2個所に設けられて前記治具ベースに対して前記可動枠を前記第2方向まわりに揺動自在に支持する第1揺動支軸と、
    前記可動枠と前記ナット保持部材との間において前記第3方向で離間する2個所に設けられて前記可動枠に対して前記ナット保持部材を前記第3方向まわりに揺動自在に支持する第2揺動支軸と
    を有するラッピング治具。
  4. 請求項3に記載のラッピング治具であって、
    前記第1揺動支軸は前記可動枠と一体的に前記治具ベースに対して前記第2方向にスライド自在に設けられているラッピング治具。
  5. 請求項3または4に記載のラッピング治具であって、
    前記第2揺動支軸は前記ナット保持部材と一体的に前記可動枠に対して前記第3方向にスライド自在に設けられているラッピング治具。
  6. 請求項1に記載のラッピング治具であって、
    前記倣い保持部は、前記ボールねじナットを保持するナット保持部材と、前記第1方向と交差する第2方向並びに前記第1方向および前記第2方向と交差する第3方向に前記ナット保持部材を移動させて前記第2方向および前記第3方向を含む平面内での前記ボールねじナットの位置をシフト移動させる移動機構とを有するラッピング治具。
  7. 請求項2ないし6のいずれか一項に記載のラッピング治具であって、
    前記第2方向は前記第1方向に対して直交する方向であり、
    前記第3方向は前記第1方向および前記第2方向に対して直交する方向であるラッピング治具。
  8. 請求項1ないし7のいずれか一項に記載のラッピング治具であって、
    前記倣い保持部に保持される前記ボールねじナットを前記治具ベースに対して予め設定された初期位置に位置決めしつつ前記ボールねじナットの変位を規制する初期設定モードと、前記ボールねじナットの変位の規制を解除して前記ボールねじナットの姿勢の変化を許容する倣い設定モードとを切り替えるモード切替機構をさらに備えるラッピング治具。
  9. 第1方向に延びる軸体構造を有する総型加工ツールによりボールねじナットのねじ溝を研削加工してラップ仕上げするラッピング装置であって、
    請求項1ないし8のいずれか一項に記載のラッピング治具と、
    前記第1方向に延びる回転中心軸まわりに前記総型加工ツールを回転させながら前記総型加工ツールを前記第1方向に前記ラッピング治具に保持された前記ボールねじナットに対して往復移動させるツール駆動部と
    を備えることを特徴とするラッピング装置。
  10. 第1方向に延びる軸体構造を有する総型加工ツールによりボールねじナットのねじ溝を研削加工してラップ仕上げするラッピング方法であって、
    請求項1ないし8のいずれか一項に記載のラッピング治具により前記ボールねじナットを保持する第1工程と、
    前記第1方向に延びる回転中心軸まわりに前記総型加工ツールを回転させながら前記総型加工ツールを前記第1方向に前記ラッピング治具に保持された前記ボールねじナットに対して往復移動させる第2工程とを備えることを特徴とするラッピング方法。
  11. 請求項10に記載のラッピング方法であって、
    前記第1工程は、前記第1方向における前記ボールねじナットの一方端面が前記総型加工ツールを向いた状態で前記ボールねじナットを保持する工程であり、
    前記第2工程は、
    前記ボールねじナットの一方端面が前記総型加工ツールを向いた状態で前記総型加工ツールを往復移動させる工程と、
    前記ラッピング治具を反転させて前記第1方向における前記ボールねじナットの他方端面が前記総型加工ツールを向くように前記ラッピング治具を位置決めする工程と、
    前記ボールねじナットの前記他方端面が前記総型加工ツールを向いた状態で前記総型加工ツールを往復移動させる工程と
    を有するラッピング方法。
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