JP6995139B2 - めっき装置およびめっき方法 - Google Patents

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Description

この発明は、被めっき物にめっき膜を部分的に形成するめっき装置およびめっき方法に関するものである。
金属材料にめっき膜を形成する場合には、電気めっきが用いられている。電気めっきでは、被めっき部以外にめっき膜が形成されることを抑制する必要がある。そのため、絶縁テープ、レジスト等のマスキング材で保護するマスキング作業が、めっき前の準備作業として行われる。しかし、このマスキング作業によってリードタイムが増加し、生産の整流化を妨げるという問題があった。
このような問題を解決する技術として、例えば、筆めっき法と言われるめっき方法がある。これは、めっき液を塗布した被めっき部に、電極を接触させながら往復動させる方法である。このような従来の筆めっき法では、電気的に接続された電極と被めっき部との間に電圧を印加することにより、任意の表面にめっき膜を形成することができる(例えば特許文献1参照)。
特開平2-170997号公報
しかしながら、特許文献1に示された従来の筆めっき法では、電流密度が高いため、成膜レートが高い。そのため、被めっき部に高電流密度で筆めっきを行うと、往復動ゆえに被めっき部の端部で電界集中する。また、めっき膜厚に関する制御パラメータのコントロールが困難である。例えば、電極の被めっき部への接触時間のコントロールが困難である。それにより、成膜レートが不安定となり、めっき膜厚が被めっき部の面内でバラつく。従って、めっき膜の厚さが不均一になりやすい。
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものである。つまり、めっき膜の厚さが不均一になることを抑制することができるめっき装置およびめっき方法を得ることを目的としている。
この発明に係るめっき装置は、被めっき物の被めっき部にめっき膜を形成するめっき装置であって、回転可能な回転電極と、回転電極に設けられ、めっき液を保持するめっき液保持部と、めっき液保持部に接触する被めっき部と回転電極との間に電圧を印加する電源部と、を備える。
また、この発明に係るめっき方法は、めっき液が保持されためっき液保持部に被めっき物の被めっき部を接触させた状態で、めっき液保持部が設けられた回転電極を回転させながら、被めっき部と回転電極との間に電圧を印加する。
この発明に係るめっき装置およびめっき方法では、電極が回転電極であるから、被めっき部の端部での電界集中を防止することができ、めっき膜の厚さが不均一になることを抑制することができる。
本発明の実施の形態1によるめっき装置を示す構成図である。 図1のA部を示す断面図である。 図2の回転電極を示す上面図である。 本発明の実施の形態2によるめっき装置を示す構成図である。 図4のB部を示す断面図である。 図5の回転電極を示す上面図である。 本発明の実施の形態3によるめっき装置を示す構成図である。 本発明の実施の形態4によるめっき装置を示す構成図である。 本発明による実施例の実施条件を示す図である。 本発明による実施例による実施結果を示す図である。
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるめっき装置を示す構成図である。また、図2は、図1のA部を示す断面図である。さらに、図3は、図2の回転電極を示す上面図である。
実施の形態1のめっき装置は、回転電極1、めっき液保持部2、および電源部3を備える。さらに、めっき装置は、めっき液供給部5、めっき槽14、リザーブ槽15、ヒータ16、およびアジテータ17を備える。
回転電極1は、対象となるめっき液に溶解しないか、または溶解し難い材料で形成されている。回転電極1を形成する材料としては、例えば、白金(Pt)、チタン-白金(Ti-Pt)、チタン-酸化イリジウム(Ti-IrO2)、ステンレス(SUS)、カーボン(C)のいずれか一つが用いられる。チタン白金(Ti-Pt)を回転電極1の材料として使用する場合は、チタン(Ti)基体上に白金(Pt)箔をクラッドしたクラッド電極を回転電極1として使用することが好ましい。また、チタン(Ti)基体上に白金(Pt)めっき膜が形成されためっき電極を回転電極1として使用してもよい。
回転電極1は、平面部1aを有している。また、回転電極1は、回転可能に水平に保持されている。回転電極1を回転可能に保持する構造は、例えば以下の構造であってもよい。
即ち、回転電極1の上面および下面のいずれかの中央部には、軸1cが設けられている。回転電極1は、軸1cを中心として回転可能になっている。回転電極1には、図示しない駆動装置であるモータの回転力が伝えられる。回転電極1の回転数は、適宜調整される。モータの回転力を回転電極1に伝える伝達機構としては、例えばギヤ式の伝達機構、ベルト式の伝達機構が用いられる。ギヤ式の伝達機構では、回転電極1の軸1cまたは回転電極1の外周面に設けられたギヤ歯に伝達用ギヤが噛み合わされる。モータの回転力は、伝達用ギヤの回転をギヤ歯が受けることによって回転電極1に伝達される。ベルト式の伝達機構では、回転電極1の軸1cまたは回転電極1の外周面に無端状のベルトがかけられている。モータの回転力は、ベルトの周回移動によって回転電極1に伝達される。回転電極1には、電圧を印加するための端子が取り付けられている。
めっき液保持部2は、回転電極1上に載置されている。また、めっき液保持部2は、めっき液を含浸保持する。めっき液保持部2としては、例えば織布、不織布が用いられている。めっき液を含浸保持できるものであれば、織布、不織布以外のものもめっき液保持部2として使用できる。回転電極1の大きさは、被めっき物4のめっき面積よりも大きくなっている。つまり、被めっき物4の被めっき部4aの全面がめっき液保持部2を介して回転電極1に載せられる。
回転電極1およびめっき液保持部2は、図1に示すように、めっき槽14に収容されている。
電源部3は、電気めっき用電源である。電源部3は、回転電極1と被めっき物4との間に電圧を印加する直流電源である。電源部3は、回転電極1に接触する端子と被めっき物4とに電気的に接続されている。
めっき液供給部5は、めっき液保持部2にめっき液を供給する。また、めっき液供給部5は、液供給配管6、ポンプ7、液供給バルブ8、流量調整バルブ9、流量調整配管10、液送出配管11、液送出バルブ12、および流量計13を備えている。
めっき液を溜めるリザーブ槽15には、液送出配管11を介してポンプ7が接続されている。ポンプ7には、液供給配管6が接続されている。液供給配管6および液送出配管11は、使用するめっき液で、溶解せず、変形しない材料で構成されている。例えば、塩化ビニルを主成分とする材料によって、液供給配管6および液送出配管11が構成されている。液供給配管6のめっき液出口側先端部は、めっき液の吐出口6aになっている。吐出口6aは、めっき槽14内に挿入されている。また、吐出口6aは、回転電極1の上方に配置されている。リザーブ槽15に溜められためっき液は、ポンプ7の駆動力によって液送出配管11および液供給配管6の順に流れた後、吐出口6aから回転電極1に向けて噴射される。吐出口6aから噴射されためっき液は、回転電極1に載せられためっき液保持部2に含浸保持される。
回転電極1に対する吐出口6aの設置位置は、めっき液をめっき液保持部2に効果的に含浸保持させるために調整できる。例えば、回転電極1の回転速度が速い場合、吐出口6aを回転電極1の中心部の上方に設置することが好ましい。このようにすれば、回転電極1の回転による遠心力により、吐出口6aから吐出しためっき液を回転電極1の中心部からめっき液保持部2の全体に含浸保持させることが可能となる。
また、回転電極1の回転速度が遅い場合、回転電極1に載せられている被めっき物4の位置を含む円形状の経路の上方に吐出口6aを設置することが好ましい。即ち、回転電極1の回転速度が遅い場合、回転電極1が回転しているときの回転電極1における被めっき物4の円形の軌跡の上方に吐出口6aを設置することが好ましい。吐出口6aの設置位置は、吐出口6aからのめっき液の吐出流量に応じて適宜変更可能である。例えば、吐出口6aからのめっき液の吐出流量が少ない場合、回転電極1への拡散によるめっき液濃度の低下を抑制するため、めっき液の吐出直後にめっき液が被めっき物4に接触するように吐出口6aを配置することが好ましい。つまり、その場合、回転電極1の回転方向に対し、被めっき物4の背面に近づけて吐出口6aを設置することが好ましい。
液供給配管6には、液供給バルブ8および流量計13が取り付けられている。また、液供給配管6とリザーブ槽15との間には、流量調整配管10が接続されている。流量調整配管10には、流量調整バルブ9が取り付けられている。吐出口6aからめっき液保持部2に供給されるめっき液の供給量は、液供給バルブ8と流量調整バルブ9とを調整することにより調整できる。
めっき槽14内での余分のめっき液は、リザーブ槽15に戻される。これにより、めっき液供給部5は、めっき液保持部2に供給しためっき液を回収してめっき液保持部2に再び供給可能に構成されている。リザーブ槽15には、めっき液を加熱するためのヒータ16と、めっき液の温度を均一化するためのアジテータ17と、が取り付けられている。
なお、めっき装置は、回転電極1、めっき液保持部2、および電源部3のみで構成されていてもよい。また、回転電極1、めっき液保持部2、および電源部3に加えて、必要に応じて、めっき液供給部5、めっき槽14、およびリザーブ槽15のいずれか、またはこれらの全部がめっき装置に備えられていてもよい。
次に、上記めっき装置を使用しためっき方法について、各工程を詳しく説明する。ここでは、めっき処理の対象として汎用性が高い例、即ち銅合金材に銀めっきを行う例について説明する。ただし、めっき処理の対象は、銅合金材に限定されるわけではない。さらに、上記めっき装置を使用しためっき方法は、銀めっきを行う方法に限定されるわけではない。また、上記めっき装置は、めっき工程のみにおいて使用する。従って、上記めっき装置は、前処理工程である、脱脂工程、酸洗浄工程および中和工程では使用しない。さらに、上記めっき装置は、めっき方法の各工程間において実施される水洗工程でも使用しない。
<脱脂工程>
まず、設定形状に加工された銅合金材を被めっき物4として準備する。そして、脱脂処理剤を用いて被めっき物4の脱脂処理を行う。これにより、被めっき物4の表面から有機異物等の表面汚染物を除去して、液ぬれ性を確保する。脱脂処理剤として、例えば水酸化ナトリウム系、炭酸ナトリウム系の市販アルカリ脱脂剤を使用することができる。
<酸洗浄工程>
次に、酸洗浄剤を用いて被めっき物4の酸洗浄処理を行う。これにより、銅合金材の表面から無機異物等の表面汚染物、酸化膜を除去する。酸洗浄工程では、活性な金属表面を露出させることで液ぬれ性を確保し、後のめっき工程で形成されるめっき膜と素地である被めっき物4との密着性を確保する。酸洗浄剤として、例えば硝酸または硫酸を希釈したエッチング液、市販酸洗浄剤を使用することができる。
<中和工程>
次に、中和処理剤を用いて被めっき物4の中和処理を行う。これにより、銅合金材の表面に残存している酸の痕跡を除去し、銅合金素材の腐食を抑制する。中和処理剤として、シアン系のシアン化ナトリウム、希釈調合した水酸化ナトリウム系洗浄液、または、市販中和処理剤を使用することができる。
<めっき工程>
次に、銀めっき液を用いて被めっき物4の銀めっき処理を行う。めっき工程では、被めっき物4の被めっき部4aに、膜厚均一性が高い銀めっき膜を形成する。電気銀めっき手法の特徴として、めっき処理で一般的に行われている陰極電解処理を行う。
電気銀めっき条件として、めっき時間、電流密度および液温を適宜設定できる。なお、めっき時間は、銀めっき液を含浸保持させためっき液保持部2に被めっき物4を接触させる時間である。例えば、めっき時間を30秒とし、電流密度を20A/dm2とし、液温を25℃とすることで、5μmの銀めっき膜4bが得られる。銀めっき処理を行う場合は、上記温度付近で用いることが好ましい。被めっき物4の状態にあわせて適宜、液温を調整してもよい。
めっき工程で用いる銀めっき液としては、従来公知の銀めっき用めっき液が使用できる。例えば、金属塩として1wt%~5wt%の銀イオン、30wt%~40wt%のヨウ化カリウム、1wt%~5wt%のメタンスルホン酸を用いてpHを7に調整しためっき液が銀めっき用めっき液として使用できる。また、金属塩として3wt%~15wt%の銀イオン、5wt%~15wt%の遊離シアン、2wt%~7wt%の炭酸カリウムを用いて調整しためっき液が銀めっき用めっき液として使用できる。この発明において特に断らない限り、wt%は調整した溶液全体に対する値をいう。
めっき処理を行う時には、まず、被めっき物4を図示しないアームにより保持する。この時、被めっき物4は、めっき液保持部2から離しておく。被めっき物4を保持する、図示しないアームを含む機構は、めっき液保持部2に対する被めっき部4aの接触圧を調整可能に構成されている。これにより、被めっき部4aに形成されるめっき膜4bの膜厚が健全で狙いの膜厚とすることができる。接触圧としては、1.2kgf~4.2kgfであることが好ましい。接触圧が1.2kgf未満である場合、特に銀めっき膜では、めっき膜の焼けが発生し易く、健全なめっき膜が得られない問題がある。また、接触圧が4.2kgfより大きい場合、析出しためっき膜4bとめっき液保持部2との磨耗によりめっき膜4bの成長が妨げられ、狙いのめっき厚が得られない問題が生じる。
めっき液保持部2に対する被めっき部4aの接触圧を調整した後、回転電極1を回転させる。回転電極1の回転速度は、互いに接触する被めっき物4と回転電極1との相対速度が12.5m/sec~17.5m/secの範囲となることが好ましい。前記相対速度が12.5m/sec未満である場合、特に銀めっきにおいては、めっき膜の焼けが発生し、健全なめっき膜が得られない問題がある。また、前記相対速度が17.5m/secより大きい場合、析出しためっき膜4bとめっき液保持部2との磨耗が大きくなる。それにより、めっき膜4bの成長が妨げられ、狙いのめっき厚が得られない問題が生じる。
次に、めっき液保持部2へのめっき液の供給量の調整を行う。ポンプ7を作動させ、液供給バルブ8と流量調整バルブ9とを調整することにより、めっき液の供給量の調整を行う。ポンプ7が作動すると、リザーブ槽15にあるめっき液が、液送出配管11、ポンプ7、液供給配管6の順に流れ、吐出口6aに達する。そして、めっき液は、回転電極1上に載置されためっき液保持部2に吐出口6aから供給される。吐出口6aから供給されためっき液は、回転電極1上に載置されためっき液保持部2に含浸保持される。めっき液の温度は、狙いの銀めっき膜厚が得られるように、適宜設定できる。例えば、めっき液の温度は25℃に設定される。銀めっき処理を行う場合は、上記温度付近で用いることが好ましいが、銅合金材である被めっき物4の状態にあわせて、適宜、液温を調整してもよい。
めっき液の供給量は、回転電極1および被めっき物4の大きさにあわせて、適宜調整する。例えば、回転電極1の大きさがφ500mm、被めっき部4aの面積が0.1dm2である場合、めっき液の供給量は5cm3/min~20cm3/minであることが好ましい。めっき液の供給量が5cm3/min未満である場合、めっき液の供給量が不足する。その結果、成膜レートの低下、またはめっき焼けが生じ、狙いのめっき膜が得られない問題が生じる。また、めっき液の供給量が20cm3/minより大きい場合、めっき液の供給量が過剰となる。これにより、被めっき物4の被めっき部4a以外の部分、即ちめっき膜の形成を望まない被めっき物4の部位にもめっき液が付着し、置換めっきの析出により、部分析出性が低下する問題が生じる。
上記調整終了後、電源部3をオフ状態からオン状態にする。電源部3をオン状態にした後、被めっき物4を保持しているアームを動作させ、被めっき部4aをめっき液保持部2に接触させる。このとき、被めっき物4の被めっき部4aが回転電極1に接触した瞬間に通電が開始される。その状態で、回転電極が回転しながら、銀めっきが行われる。めっき時間は、狙いのめっき膜厚により、適宜決定する。例えば、めっき時間は30秒とする。
被めっき部4aに銀めっき膜4bを形成後、必要に応じて後処理を行い、水洗工程を経ることで、銀めっき膜4bを得ることができる。
上記のように構成された実施の形態1のめっき装置およびめっき方法によれば、めっき液が含浸されためっき液保持部2に被めっき物4の被めっき部4aが接触しながら、回転電極1が一定の速度で安定して回転する。その結果、膜厚均一性が高いめっき膜4bを被めっき部4aに形成することができる。
実施の形態2.
図4は、この発明の実施の形態2によるめっき装置を示す構成図である。また、図5は、図4のB部を示す断面図である。さらに、図6は、図5の回転電極を示す上面図である。図4~図6において、上記実施の形態1と同様の部分は、同一符号を付して説明を省略する。実施の形態2によるめっき装置の基本的な構造は、実施の形態1に示した装置と同じである。実施の形態2の実施の形態1に対する違いは、回転電極1が、水平に配置された円板状の平面部1aと、平面部1aの端部に設けられた第1の垂直部1bと、平面部1aの中心部に設けられた第2の垂直部1dと、を備えることである。第1の垂直部1bおよび第2の垂直部1dは、平面部1aに対して垂直に配置されている。また、第1の垂直部1bは、平面部1aの端部から上方へ延在している。第2の垂直部1dは、平面部1aの中心部から上方へ延在している。さらに、第1の垂直部1bは、平面部1aの外周部に沿って環状に配置されている。第2の垂直部1dは、平面部1aの中心部に棒状に配置されている。第2の垂直部は、軸1cと同軸に配置されている。また、めっき液保持部2は、第1の垂直部1bで囲まれた空間に配置されている。めっき液保持部2は、平面部1aおよび第1の垂直部1bによって保持されている。
次に、当該めっき装置を使用しためっき方法について説明する。ここでは、めっき処理の対象として汎用性が高い例、即ち銅合金材に銀めっきを行う例について説明する。このめっき装置を使用しためっき方法は、実施の形態1と同様に、銀めっきに限定されるわけではない。当該めっき装置は、上記の実施の形態1と同様に、めっき工程のみにおいて使用する。従って、前処理工程である、脱脂工程、酸洗浄工程および中和工程と、各工程間において実施される水洗工程とでは当該めっき装置を使用しない。先の実施の形態1では、脱脂工程、酸洗浄工程、中和工程およびめっき工程について説明した。実施の形態2における脱脂工程、酸洗浄工程および中和工程は、実施の形態1と同様であり、脱脂工程、酸洗浄工程および中和工程については説明を省略する。
めっき処理を実施する前に、上記実施の形態1と同様に、被めっき物4である銅合金材と回転電極1との接触圧、回転電極の回転数、および、めっき液供給量の調整を行う。また、被めっき物4の寸法に合わせて、回転電極1の電極径、めっき液供給量を適宜調整することが好ましい。
<めっき工程>
このようなめっき装置を使用し、上記で説明しためっき方法を使用することで、被めっき物4の被めっき部4aに対する置換析出を抑制できる原理について説明する。めっき装置の回転電極1の平面部1aの端部には、第1の垂直部1bが設置されている。めっき装置の回転電極1の平面部1aの中心部には、第2の垂直部1dが設置されている。銀めっき液は置換析出性が高く、銀めっき液と被めっき物4との置換反応により、被めっき部4a以外に置換銀めっき膜が形成される可能性がある。これに対し、実施の形態2では、被めっき部4a以外の部位に銀めっき液が付着しても、電気めっき膜4bを形成することで置換めっき膜の析出を抑制することができる。即ち、被めっき部4a以外の部位、例えば、被めっき物4の側面に銀めっき液が付着しても、回転電極1に第1の垂直部1bおよび第2の垂直部1dがあるため、第1の垂直部1bおよび第2の垂直部1dから被めっき物4の側面に電流が供給できる。その結果、電気めっき膜4bが形成でき、置換めっき膜の析出は抑制できる。従って、密着力が高いめっき膜4bを被めっき物4に形成することができる。
上記のように構成された実施の形態2のめっき装置、および当該装置を使用しためっき方法によれば、置換析出を抑制して、密着力が高い電気めっきによる銀めっき膜4bを形成できる。このため、被めっき物4に形成されためっき膜4bの剥離を防止することができる。
実施の形態3.
図7は、この発明の実施の形態3によるめっき装置を示す構成図である。図7のC部を示す断面図は、実施の形態1における図2と同じである。また、図7の回転電極1およびめっき液保持部2を示す上面図は、実施の形態1における図3と同じである。図7において、上記実施の形態1と同様の部分は、同一符号を付して説明を省略する。実施の形態3によるめっき装置の基本的な構造は、実施の形態1に示した装置と同じである。実施の形態3の実施の形態1に対する違いは、前記被めっき部と前記回転電極との間に電圧を印加している時に、めっき処理中に少なくとも1回以上、前記被めっき部と前記回転電極との間で、陽極と陰極とを入れ替える制御を行う制御部3aを含む電源部3を備えていることである。制御部3aは、前記被めっき部と前記回転電極との間に印加する直流電圧の極性を、めっき処理中に少なくとも1回以上入れ替える。
次に、上記めっき装置を使用しためっき方法について説明する。ここでは、めっき処理の対象として汎用性が高い例、即ち銅合金材に対して銀めっきを行う例について説明する。ただし、被めっき物4は、銅合金材に限定されない。さらに、この装置を使用しためっき方法は、銀めっきに限定されない。
先の実施の形態1では、脱脂工程、酸洗浄工程、中和工程およびめっき工程について説明した。脱脂工程、酸洗浄工程および中和工程は、実施の形態3でも実施の形態1と同じ処理を行う。従って、実施の形態3では、実施の形態1と異なるめっき工程のみ説明する。
めっき工程を実施する前に、被めっき物4である銅合金材と回転電極1との接触圧、回転電極の回転数の調整を行う。
<めっき工程>
めっき工程では、被めっき部4aと回転電極1との間に電圧を印加している時に、めっき処理中に少なくとも1回以上、被めっき部4aと回転電極1との間で、陽極と陰極とを入れ替える制御であるPR制御を行う。
まず、電流密度を調整する。回転電極1を陽極とし、銅合金材である被めっき物4を陰極とした時の電流密度は、回転電極1を陰極とし、被めっき物4を陽極とした時の電流密度の50%~100%とすることが好ましい。回転電極1を陽極とした時の電流密度が、回転電極1を陰極とした時の電流密度の上記50%未満の場合、前記被めっき物の溶出量が大きくなる。この場合、めっき液に不純物として蓄積する銅イオン量が多くなるため、銀めっき膜4bの純度および析出性が低下する。また、回転電極1を陽極とした時の電流密度が、回転電極1を陰極とした時の電流密度の100%よりも大きくなると、ささくれ状めっき膜の除去率が低下し、めっき膜の部分析出性が低下することとなる。
また、めっき時間について、回転電極1を陰極とし、被めっき物4を陽極とする時間は、回転電極1を陽極とし、被めっき物4を陰極とする時間の20%~50%とすることが好ましい。めっき時間が上記20%未満になった場合、ささくれ状めっき膜の除去率が低下し、めっき膜の部分析出性が低下することとなる。めっき時間が上記50%よりも大きくなった場合、被めっき物4の溶出量が大きくなり、めっき液に不純物として蓄積する銅イオン量が多くなる。その結果、銀めっき膜4bの純度および析出性が低下する。
銀めっき液の供給量について、回転電極1を陽極とし、被めっき物4を陰極とした時の供給量は、回転電極1を陰極とし、被めっき物4を陽極とした時の供給量の50%~100%とすることが好ましい。回転電極1を陽極とした時の供給量が、回転電極1を陰極とした時の供給量の上記50%未満の場合、回転電極1を陰極としたときに供給しためっき液の飛散量が大きくなり、電解制御できない部位での置換めっき膜析出が生じる。また、回転電極1を陽極とした時の供給量が、回転電極1を陰極とした時の供給量の上記100%よりも大きくなった場合、ささくれ状めっき膜の溶解レートが小さくなる。また、この場合、めっき液が被めっき部4aを覆う範囲が小さくなるため、置換銀めっき膜の溶出範囲が小さくなる。従って、置換析出した銀めっき膜の完全除去ができなくなるため、部分析出性が低下する問題が生じる。
このようにPR制御の電流密度、めっき時間、めっき液の供給量を設定することで、析出めっき膜の部分析出性を向上させることができる。
例えば、電流密度、めっき時間及び供給量を以下の条件にすることができる。
電流密度について、回転電極1を陽極とし、被めっき物4を陰極とした時は、15A/dm2とした。また、回転電極1を陰極、被めっき物4を陽極とした時は20A/dm2とした。
めっき時間について、回転電極1を陽極とし、被めっき物4を陰極とした時の1回のめっき時間は15秒間とした。また、回転電極1を陰極、被めっき物を陽極とした時の1回のめっき時間は3秒間とした。
銀めっき液の供給量について、回転電極1を陽極、被めっき物4を陰極としたときの銀めっき液の供給量は10cm3/minとした。また、回転電極1を陰極とし、被めっき物4を陽極とした時のめっき液の供給量は15cm3/minとした。
上記の条件において、回転電極1と被めっき物4との間で極性の入れ替えを3回繰返した。電圧を印加した時間は、回転電極1を陽極として15秒間、回転電極1を陰極として3秒間の計18秒間を2回実施し、全体で36秒間とした。その結果、被めっき部4aに5μmの銀めっき膜4bを形成することができた。
被めっき部4aに銀めっき膜4bを形成後、必要に応じて後処理を行い、水洗工程を経ることで銀めっき膜4bを得ることができる。
このようなめっき装置を使用し、上記説明しためっき方法を使用することで、特定の領域のみに部分析出性が高い銀めっき膜を形成することができる原理について説明する。めっき装置は、PR制御が可能な制御部3aを含む電源部3を備えている。回転電極1を陽極とし、被めっき物4を陰極とすると、被めっき部4aにめっき膜4bが形成される。この際、めっきが被めっき部4aの底面に延長して水平状に成長し、ささくれ状のめっき膜が形成される場合がある。この不要なめっき膜は、回転電極1を陰極とし、被めっき物4を陽極とすることで、溶解除去できる。ささくれ状のめっき膜は、被めっき部4aに形成された健全なめっき膜4bと比較するとめっき膜厚は0.5μm以下と薄い。また、ささくれ状の被めっき部4aの端部からのはみ出しは、被めっき部の面積に対し10%程度である。そのため、上記同様、回転電極1を陰極とし、被めっき物4を陽極とする短時間処理で除去することができ、めっき膜の部分析出性を向上することができる。
上記めっき工程後、必要に応じて後処理を行い、水洗工程を経ることで特定の部位に銀めっき膜4bを得ることができる。
上記のように構成された実施の形態3のめっき装置、および当該装置を使用しためっき方法によれば、ささくれ状のめっき膜をPR制御により溶解除去することが可能となる。これにより、銅合金材の被めっき部4aに、膜厚均一性が高く、部分析出性が高いめっき膜を形成することができる。
なお、被めっき物4の寸法に合わせて、回転電極1の電極径、めっき液供給量を適宜調整することが好ましい。
実施の形態4.
図8は、この発明の実施の形態4によるめっき装置を示す構成図である。図8のD部を示す断面図は、実施の形態2における図5と同じである。また、図8の回転電極1およびめっき液保持部2を示す上面図は、実施の形態2における図6と同じである。図8において、上記実施の形態1と同様な部分は同一符号を付して説明を省略する。実施の形態4のめっき装置は、実施の形態1に対し、実施の形態2で説明した回転電極1と、実施の形態3で説明したPR制御を行う制御部3aを含む電源部3と、の両方を有した構成である。
つまり、回転電極については、先の実施の形態1に対し、先の実施の形態2における、平面部1aと、平面部1aの端部に設けられた第1の垂直部1bと、平面部1aの中心部に設けられた第2の垂直部1dとを有する回転電極1に置換えたものである。また、めっき処理の制御については、先の実施の形態1に対し、先の実施の形態3における、PR制御が可能な制御部3aを含む電源部3に置換えたものである。
上記のめっき装置およびめっき方法により、被めっき部4a以外の部位、例えば被めっき物4の側面も含めて、被めっき部の均一析出性とささくれ部位の形成の抑制を、実施の形態1および2より向上させることができる。
上記のめっき装置およびめっき方法により、均一析出性が高く、ささくれ部位の形成を抑制した健全な銀めっき膜4bを形成することができる原理について説明する。回転電極1は、平面部1aの端部に設けられた第1の垂直部1bと、平面部1aの中心部に設けられた第2の垂直部1dとを有している。電源部3は、PR制御が可能な制御部3aを含んでいる。めっき析出部位にめっき膜厚のばらつきが生じた場合、回転電極を陰極、被めっき物を陽極として電圧を印加した際、電解集中し易い、めっき膜厚が厚い箇所を中心に溶解が進む。その結果、溶解により、均一析出性は低下せず、向上させることが可能となる。
また、水平状に析出したささくれ部位は、先に説明した回転電極1の平面部1aの端部の第1の垂直部1bと、平面部1aの中心部の第2の垂直部1dと、PR制御を行う制御部3aを含む電源部3と、により、電解集中し易くなる。それにより、溶解時の電流密度が向上するため、実施の形態1よりも効果的にささくれ部位の形成を抑制することができる。また、被めっき部4a以外の部位、例えば被めっき物4の側面に、微量ながら置換めっき膜が形成される場合もある。その場合は、被めっき面の側面に効果的に作用する回転電極1の第1の垂直部1bおよび第2の垂直部1dがあるため、被めっき物4の側面には置換めっき膜ではない、密着力が高い健全な電気めっき膜4bを形成することが可能となる。
以下、本発明の実施例をあげて説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1~3は、上記に示した実施の形態1に基づくものである。具体的には、被めっき物の材料は無酸素銅である。ここでは、無酸素銅としてC1011材を使用した。また、被めっき物の大きさは100mm×100mm×100mmの角材である。被めっき物の被めっき部は角材の表面の100mm×100mmの平面である。上記実施の形態1にて示しためっき装置およびめっき方法でめっきを銅材に行った。
初めに脱脂処理を行った。脱脂処理工程においては、有機物除去のため、脱脂剤ELC-400((株)ワールドメタル製)を用いて、脱脂処理を実施した。その後、純水に銅材を浸漬して1分間放置した後、取出した。
次に、上記実施の形態1に説明した酸洗浄処理に従い、酸洗浄を実施した。酸洗浄は、30wt%硝酸を用いて酸洗浄処理を実施し、その後、純水に上記銅材を浸漬して1分間放置した後取出した。
次に、上記実施の形態1において説明した中和処理に従い、中和処理を実施した。中和処理は、酸洗浄工程後の水洗工程で除去しきれなかった酸の痕跡を除去するため、中和剤#411Y(ディップソール(株)製)を用いて中和処理を実施した。その後、純水に銅材を浸漬して1分間放置した。
その後、上記実施の形態1にて説明しためっき方法にて、銀めっき膜4bを厚さ2μm、5μm、10μmの3種類を成膜した。銀めっき膜4bにおいては、シアン銀めっき液30820((株)アイコー製)を用いて、実施の形態1に示した標準条件で処理した。後処理の水洗処理として、純水に銅材を浸漬して1分間放置した。
銅材を乾燥させた後、目視で銅材の外観を確認した。外観確認後、銀めっきの膜厚均一性を評価するため、銀めっき膜4bの中心とめっき面の端部10mmの上下左右4箇所の計5箇所について蛍光X線膜厚計を使用して膜厚を評価した。また、光学顕微鏡を使用してめっき焼け、めっき膜のささくれの有無を確認した。最後に被めっき物の側面に形成された銀めっき膜の密着力評価を行った。
実施例4~6は、上記に示した実施の形態2に基づくものである。実施例4~6では、上記実施例1~3と同様の銅材を使用した。めっき装置は、上記実施の形態2にて示した回転電極1を備えためっき装置を使用した。従って、実施例4~6では、平面部1aと、平面部1aの端部に設けられた第1の垂直部1bと、平面部1aの中心部に設けられた第2の垂直部1dとを有する回転電極1を使用した。また、回転電極1は、大きさがφ500mmの電極を使用した。めっき方法は、実施の形態1に示しためっき方法を行った。脱脂処理から中和処理まで実施例1と同様の処理を実施した。中和処理後、厚さ2μm、5μm、10μmの3種類の銀めっき膜4bを得た。以降、後処理、めっき後の評価方法も実施例1~3と同様である。
実施例7~9は、上記に示した実施の形態3に基づくものである。実施例7~9では、上記実施例1~6と同様の銅材を使用した。めっき装置は、上記実施の形態3にて示した電源部3を備えためっき装置を使用した。従って、実施例7~9では、PR制御が可能な制御部3aを含む電源部3を使用した。回転電極1は、大きさがφ500mmの電極を使用した。めっき方法は、実施の形態3に示しためっき方法を行った。脱脂処理から中和処理まで実施例1と同様の処理を実施した。中和処理後、厚さ2μm、5μm、10μmの3種類の銀めっき膜4bを得た。以降、後処理、めっき後の評価方法も実施例1~6と同様である。
実施例10~12は、上記に示した実施の形態4に基づくものである。実施例10~12では、上記実施例1~9と同様の銅材を使用した。めっき装置は、上記実施例2で示した回転電極と、上記実施例3で使用した電源部3と、を備えるめっき装置を使用した。従って、実施例10~12では、平面部1aと、平面部1aの端部に設けられた第1の垂直部1bと、平面部1aの中心部に設けられた第2の垂直部1dとを有する回転電極1を使用した。回転電極1は、大きさがφ500mmの電極を使用した。また、実施例10~12では、PR制御が可能な制御部3aを含む電源部3を使用した。めっき方法は、実施の形態3に示しためっき方法を行った。中和処理後、厚さ2μm、5μm、10μmの3種類の銀めっき膜4bを得た。以後、後処理、めっき後の評価方法も実施例1~9と同様である。
実施例1~12の実施条件を図9に示す。なお、電流密度は、回転電極1を陽極とした場合の電流密度を記載した。
次に、本願発明による実施例1~12のめっき条件で得られた各実施例について、膜厚計測、観察、評価を行った。結果を図10に示す。
まず、蛍光X線膜厚計による膜厚計測を実施した。銀めっき膜厚の計測部位は、被めっき面の中心、および、端部から10mmの上下左右の4箇所、計5箇所として、銀めっき膜厚を計測した。計5箇所の膜厚データについて、σと平均を求め、σ/平均を計算して、各実施例の代表値とした。
次に、実施例での結果を比較例と比較する。
従来技術である筆状電極の比較例13~15に対し、回転電極を備えた実施の形態1である実施例1~3では、膜厚ばらつきが大幅に低減された。実施の形態2~4の実施例4~12における膜厚のばらつきについても、比較例の13~15より低減されていた。また、実施例4~12の膜厚のばらつきは、実施例1~3に対し、さらに低減していた。特に、平面部1a、第1の垂直部1b及び第2の垂直部1dを有する回転電極1と、PR制御が可能な制御部3aを含む電源部3と、を備えた実施の形態4である実施例9~12は、膜厚のばらつきが最も低減されていた。
さらに、めっき焼けとめっき膜のささくれの有無を、光学顕微鏡で倍率100倍で観察した。その結果、従来技術である筆状電極の比較例13~15ではめっき焼けが発生したのに対し、回転電極を備えた実施の形態1である実施例1~12の全ての実施例でめっき焼けの発生がなかった。めっき膜のささくれについて、PR制御を行った全ての実施例、つまり実施例7~12でめっき膜のささくれは発生しなかった。
最後に、被めっき物の側面に形成された銀めっき膜の密着力評価を行った。密着力評価はJIS規格に則った。ニチバンのセロテープ(登録商標)を使用し、銅材の側面全周のめっき膜にセロテープを密着させた後、引き剥がすテープ剥離試験を行った。その結果、第1の垂直部1bと第2の垂直部1dとを有さない回転電極1を使用した全ての実施例、つまり実施例1~3および7~9で、めっき膜の剥離が発生した。一方、第1の垂直部1bおよび第2の垂直部1dを有する回転電極1を備える全ての実施例、つまり実施例4~6および10~12において、めっき膜の剥離は発生しなかった。
1 回転電極、1a 平面部、1b 第1の垂直部、1c 軸、1d 第2の垂直部、2 めっき液保持部、3 電源部、3a 制御部、4 被めっき物、4a 被めっき部、4b めっき膜、5 めっき液供給部、6 液供給配管、6a 吐出口、7 ポンプ、8 液供給バルブ、9 流量調整バルブ、10 流量調整配管、11 液送出配管、12 液送出バルブ、13 流量計、14 めっき槽、15 リザーブ槽、16 ヒータ、17 アジテータ。

Claims (10)

  1. 被めっき物の被めっき部にめっき膜を形成するめっき装置であって、
    回転可能な回転電極と、
    前記回転電極上に設けられ、めっき液を含浸して保持するめっき液保持部と、
    前記めっき液保持部を介して前記被めっき物が前記回転電極に載せられた状態で、前記めっき液保持部に接触する前記被めっき部と前記回転電極との間に電圧を印加する電源部と、
    前記めっき液保持部にめっき液を供給するめっき液供給部と、を備え、
    前記回転電極は、軸を中心として回転可能になっており、
    前記めっき液供給部は、めっき液を吐出する吐出口を有しており、
    前記吐出口は、前記軸の上方に前記軸に沿った方向に設置された液供給配管の端部であるめっき装置。
  2. 前記回転電極の大きさは、前記被めっき物のめっき面積よりも大きくなっており、
    前記回転電極に対する前記被めっき部の軌跡は、円形である請求項1に記載されためっき装置。
  3. 前記被めっき物を保持する機構は、前記めっき液保持部に対する前記被めっき部の接触圧を調整可能に構成されている請求項1又は請求項2に記載されためっき装置。
  4. 前記回転電極は、平面部と、前記平面部の端部から垂直方向に延在する第1の垂直部と、前記平面部の中心部から垂直方向に延在する第2の垂直部とを含み、
    前記めっき液保持部は、前記回転電極の前記平面部と前記第1の垂直部とで保持される請求項1から3までのいずれか一項に記載されためっき装置。
  5. 前記電源部は、めっき処理中に、前記被めっき部と前記回転電極との間で、陽極と陰極とを入れ替える制御を行う制御部を含む、請求項1から4までのいずれか一項に記載されためっき装置。
  6. 前記回転電極は、白金、チタン-白金、チタン-酸化イリジウム、ステンレス、カーボンのいずれか一つから構成されている請求項1から5までのいずれか一項に記載されためっき装置。
  7. めっき液が保持されためっき液保持部を介して被めっき物を回転電極に載せて、前記被めっき物の被めっき部を前記めっき液保持部に接触させた状態で、前記めっき液保持部が設けられた回転電極を軸を中心として回転させながら、前記被めっき部と前記回転電極との間に電圧を印加するめっき方法であって、
    前記軸の上方に設置された吐出口から前記めっき液保持部にめっき液を供給して、前記めっき液を前記回転電極の中心部から含浸するめっき方法。
  8. 前記めっき液は、銀めっき用めっき液であり、
    前記被めっき物と前記回転電極との相対速度が12.5m/sec~17.5m/secの範囲となる請求項7に記載のめっき方法。
  9. 前記回転電極の大きさは、前記被めっき物のめっき面積よりも大きくなっており、
    前記回転電極に対する前記被めっき部の軌跡は、円形である請求項7又は請求項8に記載のめっき方法。
  10. 前記被めっき部と前記回転電極との間に電圧を印加している時に、めっき処理中に少なくとも1回以上、前記被めっき部と前記回転電極との間で、陽極と陰極とを入れ替える制御を行う請求項7から9までのいずれか一項に記載のめっき方法。
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