JP2018111859A - めっき装置およびめっき方法 - Google Patents

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【課題】めっき膜の均一析出性を向上させることができるめっき装置を得る。【解決手段】めっき液を被めっき物14に向かって噴射する噴流ノズル13と、噴射されためっき液を介して、噴流ノズル13と被めっき物14との間に電圧を印加する電源2Aとを備え、噴流ノズル13は、開口部が形成されたノズル本体と、ノズル本体の開口部に設けられた電極とを有し、電極は、メッシュ状、パンチングメタル状またはエキスパンドメタル状に形成されている。【選択図】図1

Description

この発明は、噴流ノズルを備えためっき装置およびこのめっき装置を用いためっき方法に関する。
従来、金属材料にめっき膜を形成する場合に、電気めっき法が用いられている。一般的に、電気めっき法を用いて被めっき物における被めっき部分にめっき膜を形成する場合に、めっき膜を形成する前の準備として、被めっき物における被めっき部分以外の部分に、絶縁テープ、レジストなどのマスキング材を用いて、被めっき物における被めっき部分以外の部分を保護するマスキング作業が必要である。しかしながら、このマスキング作業によってリードタイムが増加してしまい、生産の整流化が妨げられるという問題点があった。
この問題を解決する技術として、従来、噴流ノズルが導電性を有する被めっき物に向かってめっき液を噴射しながら、めっき液を介して電気的に接続されたノズルと被めっき物との間に電圧を印加し、被めっき物における任意の表面にめっき膜を形成するめっき方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許第3644195号公報
しかしながら、電極となる噴流ノズルの開口部がドーナツ型の構造となっているため、噴流ノズルと被めっき物との間の距離が、被めっき部分の位置によって異なる。その結果、めっき膜の均一析出性が低下するという課題があった。
この発明は、めっき膜の均一析出性を向上させることができるめっき装置およびめっき方法を提供するものである。
この発明に係るめっき装置は、めっき液を被めっき物に向かって噴射する噴流ノズルと、噴射されためっき液を介して、噴流ノズルと被めっき物との間に電圧を印加する電源とを備え、噴流ノズルは、開口部が形成されたノズル本体と、ノズル本体の開口部に設けられた電極とを有し、電極は、メッシュ状、パンチングメタル状またはエキスパンドメタル状に形成されている。
この発明に係るめっき装置によれば、噴流ノズルの電極が、メッシュ状、パンチングメタル状またはエキスパンドメタル状に形成されているので、電極はマクロ的に板状電極と近似することができる。これによって、噴流ノズルと被めっき物との間の距離が、被めっき部位の位置によって異なることが低減され、噴流ノズルと被めっき物との間における陰極電流密度のばらつきが低減される。その結果、めっき膜の均一性析出性を向上させることができる。
この発明の実施の形態1に係るめっき装置を示す斜視図である。 図1のめっき槽の内側を示す斜視図である。 図2の噴流ノズルを示す斜視図である。 図3の噴流ノズルの変形例を示す斜視図である。 図3の噴流ノズルの変形例を示す斜視図である。 図2の被めっき部位が広範囲にわたる場合のめっき槽の内側を示す斜視図である。 この発明の実施の形態2に係るめっき装置を示す斜視図である。 図7のめっき層の内側を示す斜視図である。 図8の噴流ノズルを示す斜視図である。 この発明の実施の形態3に係るめっき装置を示す斜視図である。 図10のめっき層の内側を示す斜視図である。 図11の噴流ノズルを示す斜視図である。 図12の噴流ノズルの変形例を示す斜視図である。 図12の噴流ノズルの変形例を示す斜視図である。
以下、本発明の各実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、図中、同一符号は、同一または対応する部分を示している。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るめっき装置を示す斜視図である。図において、めっき装置100Aは、めっき液が内側に噴射されるめっき槽1と、電圧を印加する電源2Aと、めっき槽1の内側で噴射されためっき液が溜められるリザーブ槽3と、リザーブ槽3に溜められためっき液を加熱するヒータ4と、リザーブ槽3に溜められためっき液の温度を均一化するアジテータ5とを備えている。
また、めっき装置は、めっき液を送るための送液ポンプ6と、リザーブ槽3から送液ポンプ6にめっき液が流れる液排出用配管7と、送液ポンプ6からめっき槽1にめっき液が流れる送液用配管8と、送液ポンプ6からリザーブ槽3にめっき液が流れる流量調節用配管9とを備えている。
また、めっき装置は、液排出用配管7に流れるめっき液の流量を調節するバルブ10と、送液用配管8を流れるめっき液の流量を調節するバルブ11と、流量調節用配管9を流れるめっき液の流量を調節するバルブ12とを備えている。
図2は図1のめっき槽1の内側を示す斜視図である。めっき装置は、送液用配管8に取り付けられめっき液が噴射する噴流ノズル13と、噴流ノズル13から噴射されためっき液が当てられる被めっき物14が固定されるステージ15とを備えている。被めっき物14には、めっき膜16が形成される。
噴流ノズル13は、めっき液によって溶解せず、また、めっき液によって形状が変化しない材料から構成されている。この例では、噴流ノズル13は、塩化ビニルを主成分とする材料から構成されている。噴流ノズル13は、めっき液が噴射するノズル本体と、電源2Aに電気的に接続された電極とを有している。
ステージ15には、電源2Aから電圧が印加されるための電極が取り付けられている。電源2Aは、ステージ15と噴流ノズル13との間に、めっき液を介して電圧を印加する。
図1に示すように、リザーブ槽3は、ステージ15よりも下側に設けられている。リザーブ槽3は、噴流ノズル13から噴射されためっき液を回収し、また、噴流ノズル13へのめっき液を供給する。
噴流ノズル13へのめっき液の供給は、送液ポンプ6の駆動によって行われる。バルブ11およびバルブ12を調整することによって、噴流ノズル13から噴射されるめっき液の噴射量およびめっき液の流速が制御される。
噴流ノズル13の電極は、めっき液によって溶解せず、また、めっき液によって溶解し難い材料で構成されている。噴流ノズル13の電極は、例えば、白金(Pt)、チタン−白金(Ti−Pt)、チタン−酸化イリジウム(Ti−IrO2)、ステンレス(SUS)、カーボン(C)などから構成されている。
特に、チタン−白金(Ti−Pt)を噴流ノズル13の電極に使用する場合は、チタン(Ti)の基体上に白金(Pt)のめっき膜が形成されためっき電極でもよいが、チタン(Ti)の基体上に白金(Pt)の箔をクラッドしたクラッド電極が好ましい。
図3は図2の噴流ノズル13を示す斜視図である。噴流ノズル13の電極131は、メッシュ状に形成されている。なお、噴流ノズル13は、メッシュ状の電極131に限らず、図4に示すようなパンチングメタル状の電極132、または、図5に示すようなエキスパンドメタル状の電極133を有してもよい。
メッシュ状の電極131のメッシュサイズは、25〜100メッシュとなっている。電極131のメッシュサイズをこのようにすることによって、めっき膜の均一析出性が向上される。電極131のメッシュサイズが25メッシュよりも小さい場合、めっき膜の形成時における陰極電流密度のばらつきが大きくなるため、めっき膜の均一析出性が低下する。一方、電極131のメッシュサイズが100メッシュを超える場合、一般的に適正なメッシュ開口率を満たさないため、噴流ノズル13から噴射されるめっき液の吐出流量が低下し、めっき膜の形成時の成膜レートが低下する。その結果、生産効率が低下する。また、電極131のメッシュサイズが100メッシュを超え、かつ、適正なメッシュ開口率を満たす場合であっても、メッシュの線径が小さくなるため、メッシュがめっき液の吐出力に耐えられない。その結果、電極131が変形した場合に、めっき膜の形成時における陰極電流密度のばらつきが生じ、めっき膜の均一析出性を確保することができない。
メッシュの開口率は、10%〜55%に設定されている。これによって、めっき膜の均一析出性が向上する。メッシュの開口率が10%よりも小さくなった場合、噴流ノズル13から噴射されるめっき液の吐出流量が低下し、めっき膜の形成時の成膜レートが低下する。その結果、生産効率が低下する。また、メッシュの開口率が55%よりも大きい場合、被めっき物14におけるめっき膜が形成される部位である被めっき部位における電極131と被めっき物14との極間距離の差が、被めっき部位によって異なるため、めっき膜の均一析出性が低下する。
パンチングメタル状の電極132、エキスパンドメタル状の電極133を使用する場合においても、メッシュ状の電極131にならったメッシュサイズ、開口率に合わせることによって、同様の効果が得られる。
このような構成によれば、噴流ノズル13の先端の電極がメッシュ状、パンチングメタル状、エキスパンドメタル状となっているのため、被めっき物14における陰極密度分布が均一化され、析出するめっき膜の膜厚の均一性が向上する。
次に、めっき装置100Aを使用しためっき方法について説明する。なお、この例では、汎用性が高い方法である、銅合金に銀めっき膜を形成する方法について説明するが、このめっき装置100Aを使用しためっき方法は、銀めっき膜を形成する方法に限らない。また、このめっき装置100Aは、めっき工程のみにおいて使用され、前処理工程である、脱脂工程、酸洗浄工程、中和工程および水洗工程では使用されない。水洗工程は、脱脂工程、酸洗浄工程および中和工程のそれぞれの工程の間において実施される。
まず、脱脂工程について説明する。脱脂工程では、予め設定された形状に加工された銅合金材を準備する。その後、銅合金材の脱脂処理を行う。銅合金材の脱脂処理を行うことによって、銅合金材の表面から有機異物などの表面汚染物が除去され、液ぬれ性が確保される。脱脂処理で用いられる脱脂処理剤としては、水酸化ナトリウム系、炭酸ナトリウム系などの市販されるアルカリ脱脂処理剤を使用することができる。
次に、酸洗浄工程について説明する。酸洗浄工程は、脱脂工程の後に行われる。酸洗浄工程では、銅合金材の酸洗浄処理を行う。銅合金材の酸洗浄処理を行うことによって、銅合金材の表面から無機異物などの表面汚染物である酸化膜が除去され、活性な金属表面が露出されて、液ぬれ性が確保される。これにより、めっき工程で形成されるめっき膜と素地である銅合金材との密着性が確保される。酸洗浄処理剤としては、硝酸または硫酸を希釈したエッチング液を使用することができる。また、酸洗浄処理剤としては、市販されているものを使用することができる。
次に、中和工程について説明する。中和工程は、酸洗浄工程の後に行われる。中和工程では、銅合金材の中和処理を行う。銅合金材の中和処理を行うことによって、銅合金材の表面に残存している酸の痕跡が除去され、銅合金材の腐食が抑制される。中和処理剤としては、シアン化ナトリウムなどのシアン系の液、または、水酸化ナトリウム系の液を希釈調合した洗浄液を使用することができる。また、中和処理剤としては、市販されているものを使用することができる。
次に、めっき工程について説明する。めっき工程は、中和工程の後に行われる。めっき工程では、銅合金材における予め設定された部位である被めっき部位に、膜厚均一性が高い銀めっき膜を形成する。すなわち、めっき工程は、めっき装置100Aを使用して、被めっき物14の被めっき部位に銀めっき液を噴射して、膜厚均一性が高い銀めっき膜を被めっき部位に形成する工程である。
めっき工程で用いられる銀めっき液は、銀めっきのための従来公知のめっき液を使用することができる。銀めっき液としては、例えば、金属塩として1wt%〜5wt%の銀イオン、30wt%〜40wt%のヨウ化カリウム、1wt%〜5wt%のメタンスルホン酸を用いてpHを7に調整しためっき液を使用することができる。この発明において、特に断りがない限り、wt%は、調整した溶液全体に対する値をいう。
めっき工程における条件として、銅合金材への銀めっき液の噴射時間および銀めっき液の温度である液温は、予め設定された膜厚の銀めっき膜が得られるように、適宜設定される。具体的には、例えば、液温を30℃〜50℃、電流密度を15A/dm2、噴射時間を30秒とすることで、5μmの銀めっき膜が得られる。めっき工程を行う場合は、上述の温度の範囲で行うことが望ましいが、銅合金材の状態に合わせて適宜、液温を調整してもよい。
次に、めっき装置100Aを使用しためっき方法について説明する。この例では、銅合金材の大きさを、10mm×10mm×10mmから100mm×100mm×100mmまでを対象として説明する。まず、めっき装置100Aから供給される銀めっき液を準備する。建浴を終えた銀めっき液をリザーブ槽3に供給する。リザーブ槽3に供給された銀めっき液を予め設定された温度になるまで上昇させるために、リザーブ槽3に備え付けられているヒータ4をオフ状態からオン状態に変更し、同時に、加温した銀めっき液の温度を均一にするために、アジテータ5をオフ状態からオン状態に変更する。その後、銀めっき液を撹拌しながら、銀めっき液の温度が予め設定された値に到達するまで待機する。銀めっき液の温度が予め設定された値に到達した後、めっき装置100Aの立上げが完了する。なお、めっき装置100Aに使用されるヒータ4は温度調整機能を有しており、一定温度を保持することが望ましい。
その後、中和工程の後、水洗処理が完了した被めっき物14をステージ15に取り付ける。被めっき物14がステージ15に取り付けられた後、電源2Aをオフ状態からオン状態に変更する。電源2Aをオン状態にした後、送液ポンプ6を作動させる。なお、送液ポンプ6は被めっき物14をステージ15に取り付ける前に空運転を行い、流量調整を行うことが望ましい。送液ポンプ6を作動させることによって、リザーブ槽3に溜められた銀めっき液が送液用配管8を通って噴流ノズル13に到達し、噴流ノズル13から被めっき物14に向かって噴射される。噴射された銀めっき液が被めっき物14に到達した瞬間に噴流ノズル13を陽極(アノード)、被めっき物14を陰極(カソード)として両電極の間に銀めっき液を介して通電が開始され、めっき膜16の形成が開始される。
めっき膜16の形成を実施する際、陽極(アノード)と陰極(カソード)との間の距離である極間距離の調整が必要である。10mm×10mm×10mmから100mm×100mm×100mmまでの被めっき物14を対象とする場合、極間距離が100mm以下となるように噴流ノズル13の位置を設定することが望ましい。極間距離が100mmよりも大きくなった場合、噴流ノズル13から吐出された銀めっき液の形状の制御が困難となるので、両電極の間の通電が維持できなくなる可能性がある。その結果、予め設定された形状にめっき膜16を形成することができない。
噴流ノズル13の管径は、めっき膜16の均一析出性を向上させることができる流量、形状を確保できれば制限はないが、10mm×10mm×10mmから100mm×100mm×100mmまでの被めっき物14を対象とする場合、φ5mm〜φ15mmが望ましい。このような値に設定することによって、流量と銀めっき液の適正な形状を容易に確保することができる。なお、φ5mm〜φ15mmの管径の噴流ノズル13を使用した場合、流速を0.5m/sec〜5m/secに調整することが望ましい。流速を0.5m/secより小さくした場合、めっき膜16の成膜レートが低下する。また、この場合、銀めっき液の形状の維持が不安定となるので、めっき膜16の均一析出性が低下し、また、生産効率が低下する。一方、流速を5m/secより大きくした場合、銀めっき液の形状の制御が困難となる。また、この場合、噴流ノズル13の先端に取り付けてある電極に変形が生じる場合があるため、好ましくない。
被めっき物14の寸法が大きくなった場合、寸法に合わせて噴流ノズル13の管径、噴流ノズル13と被めっき物14との間の距離である極間距離、噴流ノズル13から噴射される銀めっき液の吐出流量を適宜調整することが望ましい。
図6に示すように予め設定された被めっき部位が広範囲にわたる場合は、噴流ノズル13を移動させて、予め設定された被めっき部位に銀めっき液を噴射する。この場合、所望のめっき膜16を得るために、噴流ノズル13を連続的に往復させ、被めっき部位への銀めっき液の噴射時間を、噴流ノズル13を静止させた場合と同様の噴射時間となるように調整する。例えば、100mm×10mmの範囲でめっき膜16を形成する場合、液温を30℃〜50℃、電流密度を15A/dm2、噴流ノズル13の移動速度を50mm/sec、流速を2m/sec、噴射時間を5分とする。これにより、5μmのめっき膜16が形成される。所望の領域にめっき膜16が形成された後、必要に応じて後処理を行い、水洗工程を経ることで、所望の部位にめっき膜16を得ることができる。
次に、本発明のめっき装置100Aを使用し本発明のめっき方法を使用することによって、予め設定された領域のみに膜厚均一性が高いめっき膜16を形成することができる原理について説明する。めっき装置100Aの噴流ノズル13には、メッシュ状の電極131、パンチングメタル状の電極132またはエキスパンドメタル状の電極133が使用されている。予め設定された開口率を有する電極を使用することによって、電極と被めっき物14との間の極間距離が板状電極と被めっき物14との間の極間距離とほぼ同一となる。つまり、マクロ的に、メッシュ状の電極131、パンチングメタル状の電極132およびエキスパンドメタル状の電極133は、板状電極と近似できるため、めっき膜16の形成時における陰極電流密度のばらつきを低減させることができ、析出されるめっき膜16の膜厚の均一性を向上させることができる。
また、めっき膜16の膜厚の均一性を向上させるためには、銀めっき液の噴出速度が重要となる。噴出速度が低下する場合、被めっき物14の被めっき部位で銀イオンの陰極への拡散速度が低下するため、成膜レートが低下する。つまり、被めっき部位に銀めっき液が衝突する際、被めっき部位において衝突速度が異なる場合、めっき膜16の成膜レートが異なるため、めっき膜16の均一析出性が低下することになる。しかしながら、本発明では、開口率が適切なメッシュ状の電極131、パンチングメタル状の電極132またはエキスパンドメタル状の電極133を使用しているため、マクロ的に筒状電極と近似することができる。その結果、被めっき物14における衝突部位において、衝突速度に差がなくなり、めっき膜16の均一析出性を向上させることができる。
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係るめっき装置100Aによれば、銀めっき液を被めっき物14に向かって噴射する噴流ノズル13と、噴射された銀めっき液を介して、噴流ノズル13と被めっき物14との間に電圧を印加する電源2Aとを備え、噴流ノズル13は、開口部が形成されたノズル本体と、ノズル本体の開口部に設けられた電極とを有し、電極は、メッシュ状、パンチングメタル状またはエキスパンドメタル状に形成されているので、電極はマクロ的に板状電極と近似することができる。これによって、噴流ノズル13と被めっき物14との間の距離が、被めっき部位の位置によって異なることが低減され、噴流ノズル13と被めっき物14との間における陰極電流密度のばらつきが低減される。その結果、めっき膜の均一性析出性を向上させることができる。
実施の形態2.
図7はこの発明の実施の形態2に係るめっき装置を示す斜視図、図8は図7のめっき層の内側を示す斜視図、図9は図8の噴流ノズルを示す斜視図である。実施の形態1と同様の部分は、同一符号を付して、その説明を省略する。噴流ノズル13は、実施の形態1と同様に、使用するめっき液によって溶解せず、また、めっき液によって形状が変化しない材質、例えば、塩化ビニルを主成分とする材料から作られたノズルと、リング状の電極134とから構成されている。めっき装置は、電圧を印加する電源2Bを備えている。電源2Bは、陰極と陽極の極性を周期的に反転できるPR(Periodic Reversal)制御機能を有している。
噴流ノズル13の先端部に取り付けられたリング状の電極134は、めっき液に溶解せず、また、めっき液に溶解し難い材料から構成されていればよい。具体的には、リング状の電極134は、白金(Pt)、チタン−白金(Ti−Pt)、チタン−酸化イリジウム(Ti−IrO2)、ステンレス(SUS)、カーボン(C)などから構成されていればよい。特に、チタン−白金(Ti−Pt)から構成されるリング状の電極134を使用する場合は、チタン(Ti)の基体上に白金(Pt)のめっき膜が形成されためっき電極でもよいが、チタン(Ti)の基体上に白金(Pt)の箔をクラッドしたクラッド電極が好ましい。
次に、めっき装置100Bを使用しためっき方法について説明する。なお、この例では、汎用性が高い方法である、銅合金材に銀めっき膜を形成する方法について説明する。実施の形態1と同様に、めっき装置100Bを使用しためっき方法は、めっき膜16を形成する方法に限らない。めっき装置100Bは、実施の形態と同様に、めっき工程のみにおいて使用され、前処理工程である脱脂工程、酸洗浄工程、中和工程およびこれらの各工程の間において実施される水洗工程では使用されない。実施の形態1では、脱脂工程、酸洗浄工程、中和工程およびめっき工程について説明した。実施の形態2では、めっき工程のみが実施の形態1と異なるため、脱脂工程、酸洗浄工程および中和工程については説明を省略する。
めっき工程では、銅合金材における予め設定された部位である被めっき部位に、部分成膜性が高いめっき膜16を形成する。すなわち、めっき工程は、めっき装置100Bを使用して、被めっき物14の被めっき部位に銀めっき液を噴射し、部分成膜性が高いめっき膜16を被めっき部位に形成する工程である。
めっき工程で用いられる銀めっき液は、実施の形態1で用いられる銀めっき液と同一である。
めっき工程の特徴として、電源2Bが以下のようなPR制御を行う。噴流ノズル13を陽極、被めっき物14を陰極とする電流密度値は、噴流ノズル13を陰極とし、被めっき物14を陽極とする電流密度値の0.5倍〜1.0倍とすることが好ましい。めっき処理時間については、噴流ノズル13を陰極とし、被めっき物14を陽極とする時間が、噴流ノズル13を陽極とし、被めっき物14を陰極とする時間の20%〜50%とすることが好ましい。噴流ノズル13から噴射される銀めっき液の流量に関しては、噴流ノズル13を陽極とし、被めっき物14を陰極とする場合の流量を、噴流ノズル13を陰極とし、被めっき物14を陽極とする場合の流量の50%〜100%とすることが好ましい。このように、PR制御における電流密度値、めっき処理時間および銀めっき液の流量を設定することで、析出されるめっき膜16の部分成膜性が向上する。
PR制御条件が上記の制御条件を逸脱した場合、特に、噴流ノズル13を陽極とし被めっき物14を陰極とする電流密度値が、噴流ノズル13を陰極とし被めっき物14を陽極とする電流密度値の0.5倍よりも小さい場合、被めっき物14の溶出量が大きくなり、銀めっき液に不純物として蓄積する銅イオン量が多くなる。そのため、めっき膜16の純度、析出性が低下する。また、噴流ノズル13を陽極とし被めっき物14を陰極とする電流密度値が、噴流ノズル13を陰極とし被めっき物14を陽極とする電流密度値の1.0倍よりも大きい場合、被めっき部位以外に形成されためっき膜16の除去率が低下し、めっき膜16の部分成膜性が低下する。
めっき処理時間について、噴流ノズル13を陰極とし被めっき物14を陽極とする時間が、噴流ノズル13を陽極とし被めっき物14を陰極とする時間の20%よりも小さい場合、被めっき部位以外に形成されためっき膜16の除去率が低下し、めっき膜16の部分成膜性が低下する。一方、噴流ノズル13を陰極とし被めっき物14を陽極とする時間が、噴流ノズル13を陽極とし被めっき物14を陰極とする時間の50%よりも大きい場合、被めっき物14の溶出量が大きくなり、銀めっき液に不純物として蓄積する銅イオン量が多くなる。そのため、めっき膜16の純度、析出性が低下する。
銀めっき液の流量については、噴流ノズル13を陽極とし被めっき物14を陰極とする場合の流量が、噴流ノズル13を陰極とし被めっき物14を陽極とする場合の流量の50%よりも小さい場合、特に被めっき物14を陽極とした電解時であって銀めっき液が被めっき物14に噴射された時に銀めっき液の飛散量、飛散距離が大きくなる。そのため、電解制御できない範囲で、置換銀めっき膜が析出する不具合が生じる。一方、噴流ノズル13を陽極とし被めっき物14を陰極とする場合の流量が、噴流ノズル13を陰極とし被めっき物14を陽極とする場合の流量の100%よりも大きい場合、被めっき部位以外に析出した置換銀めっき膜の溶解レートが小さくなり、また、銀めっき液が被めっき部位を覆う範囲が小さくなる。そのため、置換銀めっき膜の溶出範囲が小さくなり、被めっき部位以外の部分に析出した置換銀めっき膜の完全除去ができなくなる。その結果、部分成膜性が低下する。
例えば、噴流ノズル13を陽極とし被めっき物14を陰極としたときの電流密度値を15A/dm2とし、噴流ノズル13を陰極とし被めっき物14を陽極としたときの電流密度値を20A/dm2とし、噴流ノズル13を陽極とし被めっき物14を陰極としたときの1回の処理時間を15秒とし、噴流ノズル13を陰極として被めっき物14を陽極としたときの1回の処理時間を3秒とした反転を3回繰り返し、噴流ノズル13を陽極とし被めっき物14を陰極としたときの銀めっき液の流速を2m/secとし、噴流ノズル13を陰極とし被めっき物14を陽極としたときの銀めっき液の流速を3m/secとしたPR制御を実施することで、被めっき部位に5μmのめっき膜16を形成することができる。
実施の形態1と同様に、被めっき物14の寸法が大きくなった場合、寸法に合わせて噴流ノズル13の管径、噴流ノズル13と被めっき物14との極間距離、吐出流量を適宜調整することが好ましい。
被めっき物14における被めっき部位が広範囲にわたる場合は、噴流ノズル13を移動させ、被めっき部位に銀めっき液を噴射する。この場合、めっき膜16における予め設定された膜厚を得るために、噴流ノズル13を連続的に往復させ、被めっき部位の銀めっき液の噴射時間が、噴流ノズル13を静止させた場合と同様の時間が確保できるように調整する。被めっき部位にめっき膜16を形成した後、必要に応じて後処理を行い、水洗工程を経ることで被めっき部位にめっき膜16を得ることができる。
次に、本発明のめっき装置100Bを使用し本発明のめっき方法を使用することによって、予め設定された領域のみに部分成膜性が高いめっき膜16を形成することができる原理について説明する。めっき装置100Bは、PR制御が可能な電源2Bを備えている。噴流ノズル13を陽極とし被めっき物14を陰極として銀めっきをした場合、実施の形態1と同様にめっき膜16が形成される。しかしながら、銀めっき液は置換析出性が高いため、被めっき物14における予め設定された被めっき部位以外の部分に、銀めっき液と銅合金材との置換反応によって、置換銀めっき膜が形成される可能性がある。形成された置換銀めっき膜は、噴流ノズル13を陰極とし被めっき物14を陽極とすることで、被めっき物14の上に形成された置換銀めっき膜が溶解し、除去される。置換銀めっき膜は、電気銀めっきにより形成されているわけではないため、膜厚の成長はなく、最大膜厚が0.1μmであるため、PR制御により、噴流ノズル13を陰極とし被めっき物14を陽極とする短時間処理で除去することができる。これにより、めっき膜16の部分成膜性を向上させることができる。
以上説明したように、この発明の実施の形態2に係るめっき装置100Bによれば、銀めっき液を被めっき物14に向かって噴射する噴流ノズル13と、噴射された銀めっき液を介して、噴流ノズル13と被めっき物14との間に電圧を印加する電源2Bとを備え、噴流ノズル13は、開口部が形成されたノズル本体と、ノズル本体の開口部に設けられた電極134とを有し、電源2Bは、噴流ノズル13と被めっき物14との間に印加する電圧が反転可能となっているので、析出した置換銀めっき膜をPR制御により溶解除去することが可能となるため、めっき膜16の部分成膜性を向上させることができる。
実施の形態3.
図10はこの発明の実施の形態3に係るめっき装置を示す斜視図、図11は図10のめっき層の内側を示す斜視図、図12は図11の噴流ノズルを示す斜視図、図13は図12の噴流ノズルの変形例を示す斜視図、図14は図12の噴流ノズルの変形例を示す斜視図である。実施の形態1および実施の形態2と同様の部分は、同一符号を付して、その説明を省略する。実施の形態3では、めっき装置100Cは、実施の形態1に記載の噴流ノズル13と、実施の形態2に記載されたPR制御が可能な電源2Bとを備えている。つまり、噴流ノズル13は、実施の形態1と同様である。言い換えれば、実施の形態3では、めっき装置100Cは、実施の形態2に記載のめっき装置100Bにおける噴流ノズル13のみを実施の形態1に記載の噴流ノズル13に置き換えたものである。したがって、めっき装置100Cを使用しためっき方法は、実施の形態2と同様である。
本発明のめっき装置100Cを使用し、本発明のめっき方法を使用することによってめっき膜16の均一析出性および部分成膜性について、実施の形態1および実施の形態2よりも向上させることができる。
次に、本発明のめっき装置100Cを使用し本発明のめっき方法を使用することによって、予め設定された領域のみに均一析出性が高く、かつ、部分成膜性が高いめっき膜16を形成することができる原理について説明する。めっき装置100Cは、PR制御が可能な電源2Bを備えている。噴流ノズル13には、メッシュ状の電極131、パンチングメタル状の電極132またはエキスパンドメタル状の電極133が使用されている。予め設定された開口率を有する電極を使用することによって、電極と被めっき物14との間の極間距離が、板状電極と被めっき物14との間の極間距離と近似する。つまり、マクロ的にメッシュ状の電極131、パンチングメタル状の電極132、エキスパンドメタル状の電極133は板状電極と近似できるため、噴流ノズル13と被めっき物14との間の陰極電流密度のばらつきを低減させることができ、析出されるめっき膜16の膜厚の均一性を向上させることができる。
被めっき部位においてめっき膜16の膜厚のばらつきが生じた場合には、メッシュ状の電極131、パンチングメタル状の電極132、エキスパンドメタル状の電極133を使用し、かつ、PR制御を行っているため、噴流ノズル13を陰極とし被めっき物14を陽極として印加した際に、電解集中し易い、めっき膜16の膜厚が大きい箇所を中心に溶解が進む。また、マクロ的にメッシュ状の電極131、パンチングメタル状の電極132、エキスパンドメタル状の電極133が板状電極と近似できるため、溶解により膜厚均一性が向上した後、電流密度が被めっき部位の溶解部位で均一となる。溶解によって、膜厚均一性を向上させることが可能となる。また、実施の形態2で示した、置換銀めっき膜の除去についても可能であるが、実施の形態3では、メッシュ状の電極131、パンチングメタル状の電極132またはエキスパンドメタル状の電極133を使用しているため、実施の形態2のリング状の電極134を使用した場合よりも電流密度分布が均一化され、置換銀めっき膜の除去効率が向上し、部分成膜性をさらに向上させることができる。
以上説明したように、この発明の実施の形態3に係るめっき装置100Cによれば、銀めっき液を被めっき物14に向かって噴射する噴流ノズル13と、噴射された銀めっき液を介して、噴流ノズル13と被めっき物14との間に電圧を印加する電源2Bとを備え、噴流ノズル13は、開口部が形成されたノズル本体と、ノズル本体の開口部に設けられた電極とを有し、電極は、メッシュ状、パンチングメタル状またはエキスパンドメタル状に形成されており、電源2Bは、噴流ノズル13と被めっき物14との間に印加する電圧が反転可能となっているので、めっき膜16の部分成膜性をさらに向上させることができる。
Figure 2018111859
以下、表1を用いて、本発明の実施例と、実施例と比較するための比較例とについて説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。実施例1から実施例3までは、実施の形態1に係るめっき装置100Aを使用したものである。具体的には、被めっき物14の材料が無酸素銅(C1011材)であり、被めっき物14の大きさが100mm×100mm×10mmの角材であり、被めっき物14の被めっき部位の形状が角材の最表面におけるφ10mmのスポット状である。
実施の形態1に係るめっき装置100Aおよび実施の形態1に係るめっき方法を使用して銅材に銀めっきを行った。メッシュ状の電極131としては、大きさがφ10mmであり、材料が白金(Pt)であり、55メッシュである電極を使用した。まず、脱脂工程を行った。脱脂工程では、有機物除去のため、脱脂剤ELC−400((株)ワールドメタル製)を用いた。脱脂工程の後、水洗工程を行った。具体的には、純水に銅材を浸漬して1分間放置し、その後、銅材を純水から取り出した。
その後、酸洗浄工程を行った。酸洗浄工程では、30wt%硝酸を用いた。酸洗浄工程後、水洗工程を行った。純水に銅材を浸漬して1分間放置し、その後、銅材を純水から取り出した。
その後、中和工程を行った。中和工程では、酸洗浄工程の後の水洗工程で除去しきれなかった酸の痕跡を除去するため、中和剤NCベース(奥野製薬工業(株)製)を用いた。中和工程の後、水洗工程を行った。具体的には、純水に銅材を浸漬して1分間放置した。
その後、実施の形態1に係るめっき方法を用いて、膜厚が2μm、5μm、10μmとなる3種類のめっき膜16を形成するめっき工程を行った。めっき膜16の形成は、ノンシアン銀めっきダインシルバーAG−PL30(大和化成(株))を用いた。めっき工程の後、水洗工程を経ずに、後処理工程を実施した。後処理工程では、後処理剤AG−SAT20(大和化成(株))の原液に銅材を浸漬した。後処理工程の後、水洗工程を行った。具体的には、純水に銅材を浸漬して1分間放置した。水洗工程の後、銅材を乾燥させた。その後、目視により銅材の外観を確認し、外観確認後に、めっき膜16の膜厚均一性を評価するために、スポット状のめっき膜16の中心を通るように断面加工し、断面SEM観察で銀めっき膜厚を評価した。
実施例4から実施例6までは、実施の形態2に係るめっき装置100Bを使用したものである。実施例4から実施例6まででは、実施例1から実施例3までと同様の銅材を使用した。
実施の形態2に係るめっき装置100Bおよび実施の形態2に係るめっき方法を使用して銅材にめっきを行った。リング状の電極134としては、大きさがφ10mm、材料が白金(Pt)の電極を使用した。脱脂工程から中和工程までは、実施例1から実施例3までと同様である。中和工程の後、実施の形態2に係るめっき方法を用いて、膜厚が2μm、5μm、10μmとなる3種類のめっき膜16を形成するめっき工程を行った。後処理工程は、実施例1から実施例3までと同様である。
実施例7から実施例9までは、実施の形態3に係るめっき装置100Cを使用したものである。実施例7から実施例9まででは、実施例1から実施例6までと同様の銅材を使用した。
実施の形態3に係るめっき装置100Cおよび実施の形態3に係るめっき方法を使用して銅材にめっきを行った。膜厚が2μm、5μm、10μmとなる3種類のめっき膜16を形成するめっき工程を行った。後処理工程は、実施例1から実施例6までと同様である。
比較例1から比較例3までは、本発明と比較するためのものである。比較例1から比較例3は、実施例1から実施例9までと同様の銅材を使用し、実施の形態2に係るめっき装置100Bにおけるリング状の電極134を使用し、実施の形態1に係るめっき装置100Aと同様にPR制御ができないめっき装置を使用した。めっき工程を除いた脱脂工程から後処理工程までは、実施例1から実施例9と同様である。
次に、本発明の実施例1から実施例9までと、比較例1から比較例3までとを比較した。具体的には、実施例1から実施例9までのめっき膜16の断面と、比較例1から比較例3までのめっき膜16の断面とを、SEMを用いて観察した。めっき膜16の膜厚の計測部位としては、スポット状のめっき膜16の中心と、中心から2.5mm離れた位置と、中心から5mm離れた位置と、中心から7.5mm離れた位置と、中心から10mm離れた位置と、中心から12.5mm離れた位置と、中心から15mm離れた位置とした。なお、めっき膜16の膜厚が0.05μmより小さい箇所は、めっき膜16の析出がないと判断した。
Figure 2018111859
めっき膜16の膜厚の測定結果を表2に示す。表2に示すように、比較例1から比較例3まででは、めっき膜16の中心から5mmの範囲における膜厚のばらつきが、実施例1から実施例9までの膜厚のばらつきよりも大きかった。また、比較例1から比較例3まででは、被めっき部位ではない部分である、中心から10mm離れた位置および中心から15mm離れた位置における析出されためっき膜16の膜厚が、実施例1から実施例9までのものよりも大きかった。
実施例7から実施例9まででは、被めっき部位の膜厚の均一性が、比較例1から比較例3までのものと比較して高かった。また、実施例7から実施例9まででは、被めっき部位以外において置換銀めっき膜の析出が見られなかった。
実施例では、メッシュ状の電極131を用いたが、パンチングメタル状の電極132、エキスパンドメタル状の電極133を使用した場合も同様であった。
1 めっき槽、2A、2B 電源、3 リザーブ槽、4 ヒータ、5 アジテータ、6 送液ポンプ、7 液排出用配管、8 送液用配管、9 流量調節用配管、10、11、12 バルブ、13 噴流ノズル、14 被めっき物、15 ステージ、16 めっき膜、17 めっき膜、100A、100B、100C めっき装置、131、132、133、134 電極。

Claims (5)

  1. めっき液を被めっき物に向かって噴射する噴流ノズルと、
    噴射された前記めっき液を介して、前記噴流ノズルと前記被めっき物との間に電圧を印加する電源と
    を備え、
    前記噴流ノズルは、開口部が形成されたノズル本体と、前記ノズル本体の前記開口部に設けられた電極とを有し、
    前記電極は、メッシュ状、パンチングメタル状またはエキスパンドメタル状に形成されているめっき装置。
  2. 前記電源は、前記噴流ノズルと前記被めっき物との間に印加する電圧が反転可能となっている請求項1に記載のめっき装置。
  3. めっき液を被めっき物に向かって噴射する噴流ノズルと、
    噴射された前記めっき液を介して、前記噴流ノズルと前記被めっき物との間に電圧を印加する電源と
    を備え、
    前記噴流ノズルは、開口部が形成されたノズル本体と、前記ノズル本体の前記開口部に設けられた電極とを有し、
    前記電源は、前記噴流ノズルと前記被めっき物との間に印加する電圧が反転可能となっているめっき装置。
  4. 前記電極は、白金、チタン−白金、チタン−酸化イリジウム、ステンレスまたはカーボンから構成されている請求項1から請求項3までの何れか一項に記載のめっき装置。
  5. 噴流ノズルが被めっき物に向かってめっき液を噴射しながら、噴射された前記めっき液を介して、前記噴流ノズルと前記被めっき物との間に電圧を印加するめっき工程を有するめっき方法であって、
    前記めっき工程では、前記噴流ノズルと前記被めっき物との間に印加される電圧を反転させるめっき方法。
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