JP2659910B2 - カソード体表面への陽極酸化皮膜形成装置 - Google Patents

カソード体表面への陽極酸化皮膜形成装置

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JP2659910B2 JP11636294A JP11636294A JP2659910B2 JP 2659910 B2 JP2659910 B2 JP 2659910B2 JP 11636294 A JP11636294 A JP 11636294A JP 11636294 A JP11636294 A JP 11636294A JP 2659910 B2 JP2659910 B2 JP 2659910B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカソード体表面への酸化
皮膜形成装置に関し、更に詳しくは、所定の電解液が満
たされている電解槽の中にアノード体とカソード体を配
設し、両者間に通電して電解反応を進めることによりカ
ソード体の表面に所定の金属を電析させたのち、その金
属薄層をカソード体の表面から剥離して例えば電解銅箔
のような金属箔を製造する際に、そのカソード体の使用
寿命を長くできるとともに、得られる金属箔の性状も良
好にすることができる酸化皮膜を前記カソード体の表面
に形成するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄,銅,クロム,ニッケルなどの金属
箔、またはこれら金属の合金箔は、一般に、不溶性のカ
ソード体と、同じく不溶性のアノード体との間に、これ
ら金属のイオンを含む所定の電解液を供給しながら電解
反応を行うことにより目的とする金属をカソード体の表
面に所望の厚みだけ電析させて金属薄層を形成し、つい
で、その形成された金属薄層をカソード体の表面から剥
離することによって製造されている。その場合、カソー
ド体としては、ドラム形状のものまたは板状のものが用
いられている。
【0003】ところで、上記した金属箔の製造は、図1
で示したような構造の装置で行われているのが通例であ
る。すなわち、まず、電解槽1の中には、例えば鉛から
成る不溶性のアノード体2と例えばチタン,ステンレス
鋼またはクロム被覆のステンレス鋼などから成りかつド
ラム形状をした不溶性の回転カソード体3が所定間隔の
間隙4を置いて対向配置され、槽内には例えば所定の種
類と濃度の電解液5が満たされている。
【0004】そして、ディストリビュータ(電解液流出
口)6で上記間隙4に電解液5を供給しながら、回転カ
ソード体3を矢印pのように回転させ、アノード体2と
回転カソード体3の間に所定の電流密度で通電して電解
反応が進められる。回転カソード体3の表面3aには所
定の厚みで金属が電析するが、その電析金属の薄層は回
転カソード体3の表面3aから金属箔として剥離され、
得られた金属箔7はガイドローラ8a,8bを介して、
巻取機9で巻き取られ、ここに所望する金属箔が連続的
に製造される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した従
来装置を長時間運転すると、金属の電析と金属箔の剥離
が繰り返されることにより、そのカソード体表面の金属
疲労が起こったり、また、金属箔7が剥離されたのちに
露出した回転カソード体3の裸の表面3aは、アノード
体2から発生する酸素ガスや電解液5の飛沫などを含む
雰囲気に長時間曝されることにより不均一に酸化されて
しまう。その結果、表面3aには、様々な場所に厚みが
ばらついている不均一な酸化皮膜が形成される。そし
て、表面3aに、このような不均一な酸化皮膜が形成さ
れている状態で回転カソード体3に金属が電析すると、
得られる金属箔7には表面ムラやピンホールなどの組織
欠陥が発生する。
【0006】このような問題を解決するために、従来は
装置を所定の時間連続運転したのちに、回転カソード体
3を回転させながら、図1で示したように、その表面3
aに矢印qのように回転するバフ10を当接して表面3
aのバフ研磨を行い、もって表面3aに形成されていた
不均一な酸化皮膜を除去することにより回転カソード体
3の活性な表面を露出させるという処置が採られてい
る。この処置は周期的に行なわれ、そのことによって、
製造される金属箔の品質が一定に保持される。電解銅箔
の製造の際には、通常、例えば約48時間ごとにバフ研
磨が行われている。
【0007】しかしながら、金属箔の品質を一定に保持
するためには、上記バフ研磨を、装置を運転しながら所
定の周期で行うことが不可欠であるため、バフ研磨を行
っている過程で製造される金属箔は製品としての性状を
備えていないために、廃棄せざるを得ない。このような
ことから、金属箔の生産性が低下するという問題が引き
起こされる。
【0008】また、バフ研磨の過程で研磨粉やバフ片の
ような異物が発生するが、これら異物が電解液に混入す
ることが原因で、金属箔に不良品が発生することがあ
る。更には、バフ研磨によってカソード体の表面、とく
にカソード体表面の両端部が摩耗してカソード体の使用
寿命が短縮する。そのため、カソード体の交換頻度は高
くなり、製造コストの上昇が引き起こされる。
【0009】一方、旧東ドイツの公開公報:DD 21
7 828 A1には、銅箔製造に用いるチタンまたは
チタン合金のカソード体に陽極酸化を行って、表面に酸
化皮膜を形成する方法が開示されている。この方法にお
いては、硫酸などの電解液にカソード体の一部または全
部を浸漬し、電解電圧15〜40V,電流密度50〜3
00mA/dm2 の条件で10〜60分の陽極酸化が行われ
る。
【0010】しかしながら、この先行技術はカソード体
の陽極酸化処理を行ったのち、処理後のカソード体を銅
箔製造用の電解槽の中に入れて銅箔製造を行うことを開
示するのみである。また、この先行技術を利用して銅箔
を連続的に製造する場合には、カソード体表面の陽極酸
化処理を行う際に、銅箔製造の工程は、一旦、中断せざ
るを得ない。すなわち、上記先行技術を利用して銅箔製
造を行った場合、長尺な銅箔を連続的に生産する際の生
産性は低くなる。
【0011】本発明は、金属箔を連続的に製造する際に
おける上記した問題を解決し、金属箔の製造装置を運転
しながらでも同時にカソード体の表面に均一な酸化皮膜
を連続的または間欠的に形成することができる装置であ
り、そのことによって、従来のようなバフ研磨を行うこ
となく品質が一定の金属箔を連続的に製造することを可
能にする陽極酸化皮膜形成装置の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明においては、電解反応によりカソード体
の表面に形成された金属薄層を前記カソード体の表面か
ら剥離することによって露出した前記カソード体の表面
に装着され、かつ、前記カソード体の表面を電解酸化し
て、そこに陽極酸化皮膜を連続的または間欠的に形成す
るために用いられる陽極酸化皮膜形成装置であって、前
記電解酸化時に用いる電解処理液が前記カソード体の表
面と接液するように前記電解処理液を保持する電解処理
液保持部と、前記電解処理液保持部の電解処理液中に配
置され、前記カソード体の動作電位よりも低い電位で電
解電流が通電される対極体と、前記電解処理液保持部へ
電解処理液を供給する電解処理液供給手段とを備えてい
ることを特徴とするカソード体表面への陽極酸化皮膜形
成装置が提供される。
【0013】本発明装置の最大の特徴は、金属箔の製造
装置を運転しつつ、金属箔が剥離されたカソード体の露
出表面に装着され、カソード体表面への金属の電析にと
って害とならない程度の厚みでかつ、その厚みも均一な
陽極酸化皮膜を一様に形成できることである。とくに、
本発明の装置を用いると、カソード体の露出表面をオン
ラインで陽極酸化することができるので、カソード体の
表面には、一定の厚みの極めて薄い酸化皮膜を確保する
ことができ、そのことにより、機械特性が比較的安定し
た薄い電解金属箔を長時間に亘って製造することができ
るという利点がある。
【0014】この均一な陽極酸化皮膜はそれ自体が耐食
性を備えている。したがって、金属箔製造時における電
解反応の進行中にアノード体から発生する酸素ガスや電
解液の飛沫微粒子に長時間曝されたとしても、金属箔剥
離後のカソード体の露出表面に不均一な酸化皮膜が形成
されることを防止する保護膜として機能する。その結
果、製造された金属箔には表面ムラやピンホールなどの
組織欠陥の発生が有効に防止される。
【0015】また、この陽極酸化皮膜は、この上に形成
される金属薄層との剥離性が良好であるため、金属の電
析−金属箔の剥離の反復に基づくカソード体の表面にお
ける金属疲労の発生を有効に抑制する。したがって、こ
の陽極酸化皮膜が形成されていないカソード体の場合に
は時として起こっているカソード体表面の局部的破損と
いう事態が防止される。
【0016】このように、本発明装置を用いれば、前記
した極めて薄い均一な陽極酸化皮膜がオンラインで連続
または必要に応じて間欠的にカソード体の表面に形成さ
れるので、カソード体の表面を長期間に亘って安定で均
一な状態に保持することができる。したがって、従来の
ようにバフ研磨を短い周期で行わなくてもよくなる。こ
の陽極酸化皮膜は、後述する陽極酸化皮膜形成装置を、
カソード体の表面のうち、金属箔の剥離後に露出した表
面に装着し、その装置を連続的または間欠的に作動させ
ることによって形成される。
【0017】その場合、陽極酸化皮膜形成装置11は、
図2で示したように、カソード体3の表面3aが電解液
5と接触する前段の位置に装着される。したがって、カ
ソード体3への金属の電析は、電解反応に先立ち上記陽
極酸化皮膜形成装置を作動させることによって形成され
ている陽極酸化皮膜の上で進行する。ここで、本発明の
陽極酸化皮膜形成装置の1例を図3に示す。この例の場
合、装置は、中心に装置装着用のシャフト12を有し、
陽極酸化時に、回転カソード体3に対向する対極体とし
て機能する導電性のロール13,この導電性ロールを取
り囲んで配設された陽極酸化用の電解処理液保持部1
4、および、この電解処理液保持部に陽極酸化用の電解
処理液15aを供給するための電解処理液供給手段15
であるパイプで構成されている。そして、電解処理液保
持部14が仮想線で示した回転カソード体3の表面3a
と接触した状態で、前記シャフト12を図示しない手段
で回転可能に支持することにより装置11の全体が、図
2で示したように、回転カソード体3の表面3aに装着
されている。
【0018】導電性ロール13としては、全体がチタ
ン,ニッケル,クロム,銅,ステンレスのような耐食性
を有する材料から成るロール、またはこれら材料の表面
を、例えば、銀,銀合金,金,金合金,パラジウム,パ
ラジウム合金などの導電性を有すると同時に陽極酸化に
用いる電解処理液に対して耐食性を有する材料で被覆し
たものを使用することもできる。また、ポリプロピレ
ン,ポリ塩化ビニルなど、非導電性のプラスチック材か
ら成るロールの表面を、導電性と耐食性を有する材料の
箔や線材やメッシュで覆ったもの、あるいは、上記ロー
ル表面に導電性と耐食性を有する材料をめっき,溶射,
塗布したものを使用することができる。要は、少なくと
も表面は導電性と耐食性を有しているロールが、カソー
ド体表面の電解酸化用の対極体として使用される。
【0019】この導電性ロール(対極体)13を取り囲
んでいる電解処理液保持部14は、通液性を有するとと
もに適当な弾性を備えている。この電解処理液保持部1
4は、用いる電解処理液に対して耐食性を備えた材料、
例えば、ポリウレタン,ポリビニルホルマールやポリエ
ステルのフェルト,不織布,スプリットヤーンなどで導
電性ロール13の周囲を被覆して形成される。
【0020】この電解処理液保持部14の上方には、電
解処理液保持部14の軸方向に複数個の開口15bが穿
設されているパイプ15が配置され、このパイプ15に
は、ポンプ15cによって所定の電解処理液15aが供
給されるようになっている。供給される電解処理液15
aは格別限定されるものではないが、金属箔製造に用い
ている電解液と混合してもその金属箔製造に害を与えな
いものが用いられ、例えば、金属箔の製造においてカソ
ード体の表面に金属を電析するために現に用いている電
解液と同一のもの、あるいは前記電解液と成分は同一で
あるがその成分比が異なっているものを使用することが
できる。
【0021】前記電解液としては、例えば、電解銅箔の
製造時には硫酸銅水溶液、ニッケル箔の製造時には硫酸
ニッケル水溶液やスルファミン酸ニッケル水溶液、亜鉛
箔の製造時には硫酸亜鉛水溶液などを使用することがで
きる。なお、これらの現に金属薄層の形成に用いている
電解液、あるいはそれと同一成分であるが成分比が異な
っている電解液を使用した場合には、その温度を、その
電解液に溶解している電解質の析出温度よりも高い温度
に設定することが好ましい。
【0022】電解液の温度を前記電解液に溶解している
電解質の析出温度よりも低い温度にすると、電解質の析
出が起こり、それがカソード体の表面に付着して陽極酸
化を妨げ、そのことが原因となって金属箔には局部的に
ミクロな組織欠陥が発生することにより、金属箔の機械
特性の低下や金属箔表面への瘤状組織が生じやすくなる
からである。
【0023】また、前記電解処理液15aとしては、カ
ソード体3の表面3aに電析する金属のイオンを含まな
いものを用いることもできる。このような電解処理液と
しては、例えば、硫酸水溶液,リン酸水溶液,塩酸水溶
液のような酸性水溶液や、硫酸ナトリウム,硫酸カリウ
ム,塩化ナトリウム,塩化カリウムなどが溶解する中性
水溶液をあげることができる。なかでも、銅箔製造に際
しては、硫酸水溶液は好適である。
【0024】なお、陽極酸化用電解処理液の供給手段と
しては、上記したパイプ形式に限るものではなく、例え
ば、導電性ロール13を中空体とし、その周面に多数の
開口を穿設し、導電性ロール13の中空部に電解処理液
を供給することにより、その周面の開口から電解処理液
保持部14に内側から電解処理液を供給できるようなも
のであってもよい。
【0025】装置11を用いた場合、カソード体表面へ
の陽極酸化皮膜は次のようにして形成される。まず、矢
印pのように回転している回転カソード体3の表面3a
に、装置11の電解処理液保持部14を弾力性をもたせ
て接触させる。したがって電解処理液保持部14は図の
矢印r方向に自動的に回転する。この状態を維持したま
まパイプ(電解処理液供給手段)15に所定の電解処理
液15aが供給される。
【0026】電解処理液15aは開口15bから電解処
理液保持部14に滴下されて電解処理液保持部14の内
部にまで含浸し、そこに保持される。その結果、導電性
ロール(電解酸化用の対極体)13と回転カソード体3
の表面3aとの間は、電解処理液15aを介して導通状
態になる。
【0027】ついで、導電性ロール13に付設されてい
る端子13a,13aを電源(図示せず)のマイナス側
に、回転カソード体3の表面3aを電源のプラス側に接
続し、導電性ロール13と回転カソード体の表面3aの
間に電解電流を通電して表面3aを陽極酸化する。この
とき、上記導電性ロール(対極体)は、回転カソード体
の表面に金属箔を電析させているときの電位よりも低い
電位になるような状態で通電し、同時にアノード体の電
位は回転カソード体の電位よりも高くすることが必要で
ある。アノード体の電位よりもカソード体の電位を高く
すると、カソード体の表面に金属箔が電析しなかった
り、あるいは、回転カソード体の電位よりも導電性ロー
ルの電位が高くなるような通電を行うと、導電性ロール
13がプラス極に、また、回転カソード体3の表面3a
がマイナス極となり、回転カソード体3の表面3aが陽
極酸化されないという不都合が生ずるからである。
【0028】このようにして、回転カソード体の表面3
aには所望する厚みの陽極酸化皮膜が形成される。例え
ば、回転カソード体がチタンで構成されている場合、形
成する陽極酸化皮膜の厚みは1.4〜140Åであること
が好ましい。この皮膜の厚みを140Åより厚くする
と、皮膜が電気絶縁性になりはじめるとともに、その絶
縁性が不均一になり、回転カソード体の表面に電析して
得られた金属箔には表面ムラが起こり、ピンホールが発
生しやすくなる。その結果、抗張力や伸びなど、金属箔
の機械特性が劣化するからである。また、厚みが1.4Å
より薄くなると、アノード体から発生する酸素ガスや電
解液の飛沫から回転カソード体の表面を保護するための
保護皮膜としての機能や、また、金属の電析−金属薄層
の剥離の反復に伴う回転カソード体表面の金属疲労を抑
制するという機能などが失われてくるからである。
【0029】陽極酸化皮膜の好ましい厚みは、チタン製
回転カソード体表面の粗さや組織の均質さ、あるいは形
成する金属薄層の厚みによっても異なるが、50Å程度
である。厚みが50Å程度の陽極酸化皮膜は、酸化チタ
ン特有のアナターゼ型結晶構造をほとんどとらずに、比
較的エピタキシャルな、またはアモルファスな皮膜構造
になるため、その上に形成されている金属薄層にミクロ
な組織欠陥は全く発生せず、かつ組織が緻密になるから
であると考えられる。
【0030】また、チタン製の回転カソード体の表面に
陽極酸化皮膜を形成する場合、その表面粗さは、JIS
B0601で規定するRz値で2.0μm以下であること
が好ましい。鏡面であることを最適とするが、Rzが1.
0μm程度であれば充分である。この陽極酸化皮膜の形
成は、連続的に行ってもよいし、また間欠的に行っても
よい。
【0031】所定厚みの陽極酸化皮膜が形成されている
回転カソード体の表面に目的金属が電析され、その後そ
の金属薄層が剥離されると、陽極酸化皮膜の一部も同時
に金属箔側に剥離していくので、電析−剥離の反復によ
り陽極酸化皮膜の厚みは少しずつ薄くなっていく。した
がって、この薄くなる状態を補完するために、陽極酸化
皮膜の形成は、連続的または間欠的に行われることが必
要になる。
【0032】上記した陽極酸化を行う方法としては、定
電流法と定電圧法とがある。これらの方法のうち、電位
を一定に保持する定電圧法を採用することにより、カソ
ード体の表面から金属薄層を剥離したときに、その金属
薄層に取り去られる酸化皮膜の分を自動的かつ即座に補
完することができ、なおかつ、必要以上の厚みにまでそ
の酸化皮膜の厚みが成長するという事態を抑制すること
もできる。
【0033】とくに、カソード体の表面に形成された金
属薄層の厚みが薄ければ薄いほど、金属薄層のカソード
体表面からの剥離性が悪くなり、そのため、その金属薄
層が取り去る陽極酸化皮膜の厚みも厚くなる傾向を示す
ので、このような場合には、上記した定電圧法を適用す
ることが好適である。図4は、本発明の陽極酸化皮膜形
成装置の他の例をカソード体の表面に装着した状態を示
す一部切欠斜視図である。
【0034】この装置16の場合、電解処理液保持部1
6は箱型の容器であり、その一方の面が開口していて、
この開口部16aが回転カソード体3の表面3aと液密
に摺接または近接して配置されている。したがって、容
器16の両側部16b,16cが回転カソード体3の表
面3aと摺接または近接する個所は、この回転カソード
体3の表面3aの曲率に合わせた屈曲面になっている。
【0035】容器16は、用いる電解処理液に対して耐
食性を有する材料、例えば、ポリ塩化ビニルやポリプロ
ピレンなどで製造されていることが好ましい。また、容
器16を回転カソード体3の表面3aに摺接して配置す
る場合には、耐摩耗性.潤滑性,弾力性を備えている材
料、例えばポリエチレン,ポリエステル,ポリウレタ
ン,シリコーンゴムなどで容器16を構成することが好
ましい。この容器16の中には、例えばチタンやステン
レス鋼から成る、電解酸化用の対極体17が配置され、
この対極体17は容器16の開口部16aから容器16
の内部に露出している回転カソード体3の表面3aと対
向している。
【0036】また、容器16の側壁には、電解処理液の
供給管18aが付設され、また上壁には電解処理液の排
出管18bが付設されることにより両者で電解処理液供
給手段18が構成されている。陽極酸化皮膜形成用の電
解処理液は、供給管18aから容器16内に供給されて
容器16内に充満し、回転カソード体3の表面3aを覆
い排出管18bから系外に流出していく。
【0037】電解処理液を容器16内に流しながら、対
極体17と回転カソード体3の間に通電することによ
り、容器16の開口部16aから露出している回転カソ
ード体の表面3aを陽極酸化することができる。このと
き、容器16の開口部16aと回転カソード体3の表面
3aとの間に若干のクリアランスが形成されるように容
器16を装着すると、供給された電解処理液の一部はそ
のクリアランスから回転カソード体3の表面3aを伝っ
て流出していき、その過程で開口部16a内に露出する
回転カソード体の表面3aには厚みが均一な電解液の液
膜が形成されるようになり、陽極酸化皮膜の形成条件が
安定化するので好適である。
【0038】ところで、容器16内に供給する電解液
は、通常、金属箔製造用の電解液をポンプで汲みあげて
それがそのまま使用される。その場合、陽極酸化皮膜を
形成しているときに、対極体17の表面には電解液に含
まれている金属が電析することがある。そして皮膜形成
時の条件によっては、金属粉として異常析出することが
ある。そして、対極体17に析出しているこれら金属粉
は、供給される電解液の流勢によって対極体17の表面
から離脱し、回転カソード体の表面3a、すなわち陽極
酸化皮膜が形成されつつある個所へ移動することがあ
る。
【0039】このような事態が発生すると、これら金属
粉が回転カソード体の表面3aで共析して、形成された
陽極酸化皮膜に瘤状組織が混在するようになる。図5
は、図4で示した装置を改良して、上記した問題の発生
を防止するに有効なタイプの装置を示すものであり、そ
の改良型装置を回転カソード体の表面に装着した状態を
示す一部切欠斜視図である。
【0040】この装置16では、図4における容器の開
口部16aが、複数個の電解液噴出孔19aが穿設され
ていて、かつ、回転カソード体3の表面3aの曲率に合
わせた屈曲面を有する多孔板体19で覆われている。そ
して、容器16の略中央には、金属粉除去フィルタ20
が介装され、容器16の内部を2つの空間に画分し、上
部の空間21aの中に対極体17が配置されている。
【0041】上部空間21aには、供給管18cから電
解液が供給されて排出管18bから流出していき、また
下部空間21bには供給管18aから電解液が供給さ
れ、多孔板体19の孔19aから回転カソード体の表面
3aに向けて噴出していく。したがって、対極対17で
金属粉が異常析出してそれが対極対17の表面から離脱
したとしても、それら金属粉は、金属粉除去フィルタ2
0で捕捉または遮断されるので、下部空間21b側、す
なわち回転カソード体の表面3aの側に移動していくこ
とはない。
【0042】このような働きをする金属粉除去フィルタ
20としては微細孔を有する膜であってもよく、また、
イオン交換樹脂膜あるいは金属粉は通さないが金属イオ
ンは透過できる耐食性の布地であってもよい。イオン交
換樹脂膜を使用する場合は、上記した金属粉の移動防止
という効果とともに、対極体17での金属電着を起こさ
せないという効果も得られる。
【0043】この場合は、上部空間21aには金属箔製
造用の電解液を電解処理液としてそのまま供給し、しか
も、下部空間21bには、前記電解液とは成分比が異な
る電解液や金属イオンを含まない電解液を供給するとい
うように、電解処理液の供給態様を変化させてもよい。
この容器16は、回転カソード体3の表面3aと多孔板
体19の端部19bが摺接するように装着されてもよい
し、また、表面3aと多孔板体19の間に若干のクリア
ランスが形成されるように装着されてもよい。
【0044】ただし、前者の装着態様の場合は、回転カ
ソード体3の表面3aにおける両側端に絶縁性の材料で
製作した板状または環状の端部3bを取付け、この端部
3bと多孔板体19の端部が摺接するようにして、多孔
板体19の他の部分と回転カソード体の表面3aとの間
には若干のクリアランスを形成するようにする。あるい
は、装置自体の両端部に下記に示す耐摩耗性,潤滑性,
弾力性に富む例えば発泡ポリエチレンのような発泡プラ
スチックなどを取り付けてもよい。
【0045】後者の場合は、孔19aから噴出する電解
処理液によって回転カソード体の表面3aにはクリアラ
ンスに相当する均一な厚みの電解処理液の液膜が形成さ
れる。なお、多孔板体19の周縁は、回転カソード体の
表面3aと摺接させることもあるので、耐摩耗性,潤滑
性,弾力性に富むポリエチレン,ポリエステル,ポリウ
レタン,シリコーンゴムなどの材料で構成することが好
ましい。
【0046】図6および図6のVII−VII線に沿う断面
図である図7は、本発明の別の装置例を回転カソード体
の表面に装着した状態を示す図である。この装置22
は、電解処理液保持部が樋状容器23になっている。こ
の樋状容器23は、上部が開口し、長手方向における両
端部23a,23bは封止されている。端部23aには
電解処理液の供給管24が付設されて電解処理液供給手
段になっている。そして、桶状容器23の一側23c
は、他側23dよりもその高さが低くなっている。
【0047】樋状容器23は、その長手方向を回転カソ
ード体3の幅方向と一致させ、また、その一側23cが
回転カソード体の表面3aとの間で若干のクリアランス
を形成するように近接して装着されている。樋状容器2
3の他側23dには陽極酸化用の対極体17が配置さ
れ、また、図5で示した装置例の場合と同じ理由で、対
極体17と回転カソード体の表面3aとの間には前記し
たと同様な金属粉除去フィルタ20が介装されている。
その結果、樋状容器23の中は、対極体17が配置され
る空間23eと回転カソード体の表面3a側に位置する
空間23fとに画分される。
【0048】供給管24から樋状容器23に供給された
電解処理液は、樋状容器23を満たしたのち、一側23
cから溢れて、矢印p方向に回転している回転カソード
体の表面3aを伝って流下していく。したがって、この
過程で、回転カソード体の表面3aには均一な厚みの電
解処理液の液膜が連続的に形成されることになる。
【0049】なお、電解処理液は金属箔の製造に用いて
いる電解液をそのまま使用してもよいが、樋状容器23
の内部に形成されている空間23e,23fにそれぞれ
連結する電解処理液供給管を付設し、それぞれの供給管
から例えば空間23eには金属箔製造用の電解液を供給
し、また空間23fには組成が異なる電解液や金属イオ
ンを含まない電解液を供給してもよい。
【0050】また、樋状容器23の断面形状は、図6,
図7で示したように三角形に限定されるものではなく、
例えば四角形や六角形などの多角形、または半円形であ
ってもよい。要は、容器23内に満たされた電解液がそ
の一側23cから溢れて、回転カソード体の表面3aに
液膜を形成できるような形状であればよい。図8および
図8のIX−IX線に沿う断面図である図9は、本発明の更
に別の装置例を回転カソード体の表面に装着した状態を
示す図である。
【0051】この装置25においては、電解処理液保持
部26は、断面が凸レンズ形状をした細長い密閉容器に
なっている。すなわち、この密閉容器26は、湾曲した
曲板26aの背部に陽極酸化用の対極体の取付け部26
bが液密に装着され、長手方向における両端部26c,
26dが封止され、容器の略中央位置には電解処理液の
供給管27が付設され、前記曲板26aの先端には電解
液の噴出手段26eが形成されていて、これら全体で回
転カソード体3の表面3aへの電解液供給手段が構成さ
れている。なお、上記した噴出手段26eとしては、例
えば、曲板26aの長手方向に沿って穿設された複数個
の孔や、所定幅で曲板26aの長手方向に形成されたス
リットなどをあげることができる。
【0052】取付け部26bには対極体17が配置さ
れ、容器全体は、その長手方向を回転カソード体3の幅
方向と一致させ、また、その曲板26aに形成されてい
て噴出手段26eが回転カソード体3の表面3aと所定
の間隔を置いて対向するように配置される。
【0053】ポンプアップなどにより、供給管27から
容器26内に送入された電解処理液は、容器26内を満
たしたのち噴出手段26eから噴出し、矢印p方向に回
転する回転カソード体3の表面3aに吹き当り、表面3
aに沿って下方に流下することにより、そこに均一な厚
みの液膜を形成する。
【0054】なお、電解処理液としては、金属薄膜の製
造に用いている電解液をそのまま使用してもよいが、必
要に応じては、他の電解液、例えば希硫酸水溶液などを
用いてもよい。この状態を維持しつつ、回転カソード体
3を陽極,対極体17を陰極にして、両極間に所定電圧
を印加することにより、回転カソード体の表面3aは陽
極酸化される。そして、回転カソード体3は図の矢印p
方向に回転しているので、表面3aには連続的または間
欠的に陽極酸化皮膜が形成される。
【0055】なお、この実施例装置では、回転カソード
体の表面3aとの対向面を曲面にしているが、その形状
はこれに限定されるものではなく、内部に充満した電解
処理液が回転カソード体の表面3aに向かって噴出でき
るような形状であればよい。また、容器26の内部に、
電解処理液を均一に分散させるような手段、例えば、パ
イプに均一な小孔を穿設し、このパイプに電解処理液を
供給して前記小孔から噴出させるような手段を設けても
よい。更には、供給管27の付設位置は装置25の中央
位置でなくてもよく、噴出手段26eから電解処理液が
均一に噴出できるような位置であればどこでもよい。
【0056】また、対極体17と噴出手段26eとの間
に、前記したと同様な金属粉除去フィルタを設けて、対
極体に電着した金属粉が回転カソード体3の表面3aに
流れ出さないようにしてもよい。この実施例装置は、陽
極酸化用電解処理液として、金属濃度の比較的高い金属
箔製造用の電解液を用いる場合に、噴出手段26eの噴
出口を極力小さくすることにより、電解液の使用量を少
なくすることができ、かつ、そのことにより電解液の飛
散量を少なくして、使用電解液中の金属塩が析出するこ
とを極力抑制することができるという効果を奏する。
【0057】例えば、電解銅箔の製造時には、銅濃度が
比較的高い硫酸銅溶液が電解液として使用されている
が、その電解液を陽極酸化用の電解処理液として使用し
た場合、温度が低くなると硫酸銅の結晶が生成して、そ
れが装置や銅箔に付着し、装置の円滑な運転を阻害する
ことがある。そのため、図8,図9で示した実施例装置
では、噴出手段26eの形状およびカソード体表面3a
との距離を変えるだけで、上記した不都合を容易に解消
することができる。
【0058】
【実施例】
実施例1 図2で示した電解銅箔の製造装置において、回転カソー
ド体3を直径3000mm,長さ1500mmのチタン製ド
ラムとした。そして、このドラムの表面をバフ研磨し
た。
【0059】ついで、図3で示したように、直径250
mm,長さ1500mmのステンレス鋼のパイプ13の周囲
を厚み10mmのポリエステルフェルト14で被覆し、こ
のポリエステルフェルト14を前記チタン製ドラム3の
研磨表面3aに接触させ、ポリエステルフェルト14の
上方に、直径2mmの開口15bが10mm間隔で穿設され
ている直径30mmのポリ塩化ビニル製のパイプ15を配
置した。
【0060】パイプ15に、濃度10g/lの硫酸水溶
液(液温50℃)を陽極酸化用の電解処理液として供給
し、開口15bからポリエステルフェルト14に流下
し、チタン製ドラム3を回転させながら端子13a,1
3aとチタン製ドラム3との電解電圧を2Vと一定に保
持して、厚みがほぼ28Åの酸化皮膜が得られるように
ドラム3回転分の陽極酸化処理(合計の処理時間は3
秒)を行った。
【0061】チタン製ドラム3の表面は均一な比較的薄
い金色に変色し、ドラム表面にはチタンの酸化物から成
る陽極酸化皮膜の形成が確認された。その後、電解電圧
を0.5Vと一定にして連続的に陽極酸化処理を行った。
ついで、チタン製ドラム3の表面3aを順次図2の電解
装置の方に回転移動させ、そこで、Cu:80g/l,
2 SO4 :80g/l,ニカワ2ppmから成り、液
温55℃の電解液を用い、電流密度50A/dm2 ,流量
2m/sec の条件で表面3aに銅を電析して銅薄層を形
成したのち、それをチタン製ドラム3の表面3aから剥
離し、かつ、前記した0.5Vの連続的な陽極酸化処理を
継続しながら、厚み18μmの電解銅箔7を連続的に製
造した。
【0062】この作業を15日間継続したが、その間、
1度もバフ研磨をする必要はなかった。得られた電解銅
箔の引張強さ(kg/mm2),伸び率(%),シャイニー面
の粗さ(Rz),耐折強さ(回)を測定した。その結果
を表1にした。比較のために、チタン製ドラムに陽極酸
化処理を施すことなく、24時間周期でバフ研磨を行
い、得られた電解銅箔につきその特性を測定した(比較
例1)。その結果も表1に併記した。
【0063】なお、陽極酸化皮膜の厚みは、オージェ分
光分析装置を用いて測定した。この測定方法によると、
陽極酸化時の電解電圧と形成される陽極酸化皮膜の厚み
との間では、電解電圧1V当り厚み約14Åの皮膜が形
成されるという関係のあることが確認された。以下の実
施例においても、陽極酸化皮膜の厚みは上記と同様にし
て測定される値である。
【0064】
【表1】 *1:JISC6511に準拠 *2:JISC6
511に準拠 *3:JISB0601に準拠 *4:JISP8
115に準拠 表1のデータから明らかなように、本発明装置を用いて
製造した電解銅箔は、従来のものに比べて、引張強さが
優れていて、銅張積層板用の銅箔として有用である。
【0065】なお、実施例1は陽極酸化皮膜の形成を連
続的に行うものであるが、陽極酸化を、自動タイマを用
いることにより1時間,6時間,12時間ごとにドラム
1周分につき断続的に行ったが、得られた電解銅箔の性
状は実施例1のものと同等であった。
【0066】実施例2 ステンレス鋼パイプ13に代えて、直径200mmのポリ
塩化ビニルパイプの外周に厚み68μmの銅箔が貼着さ
れているものを用いたこと、陽極酸化用の電解処理液1
5aが濃度1g/lの硫酸水溶液(液温60℃)であっ
たこと、パイプ15の開口15bの径が2.5mmであった
こと、ドラム3回転分の陽極酸化処理(合計の処理時間
は6秒)時の電解電圧が5Vの一定値(陽極酸化皮膜の
厚み約70Åに相当)であったこと、銅電析用の電解液
がCu:100g/l,H2 SO 4 :100g/l,ニ
カワ3ppmから成り、液温60℃であったこと、電解
条件が、電流密度60A/dm2 ,流量2m/sec であっ
たことを除いては、実施例1と同様にして、陽極酸化処
理時の電解電圧を0.5Vと一定値に保ちながら、厚み3
5μmの電解銅箔を連続的に製造した。
【0067】この作業を1ケ月間継続したが、その間、
1度もバフ研磨をする必要がなかった。得られた電解銅
箔の引張強さ(kg/mm2),伸び率(%),シャイニー面
の粗さ(Rz),耐折強さ(回)を測定した。その結果
を表2にした。比較のために、チタン製ドラムに陽極酸
化処理を施すことなく、40時間周期でバフ研磨を行
い、得られた電解銅箔につきその特性を測定した(比較
例2)。その結果も表2に併記した。
【0068】
【表2】 表2のデータから明らかなように、実施例2の条件で製
造した電解銅箔も、従来のものに比べて、引張強さが優
れていて、銅張積層板用の銅箔として有用である。
【0069】なお、実施例2は陽極酸化皮膜の形成を連
続的に行うものであるが、0.5Vの陽極酸化を、自動タ
イマを用いることにより12時間,24時間ごとにドラ
ム1周分につき断続的に行ったが、得られた電解銅箔の
性状は実施例2のものと同等であった。
【0070】実施例3 図3の装置において、ポリ塩化ビニルパイプ13の直径
が150mmであったこと、パイプ15の開口15bの径
が1.5mmであったこと、初期ドラム3回転分の陽極酸化
処理(合計の処理時間は12秒)時の電解電圧が10V
の一定値(陽極酸化皮膜の厚みは約140Åに相当)で
あったこと、銅電析時における電解条件が、電流密度7
0A/dm2 ,流量3m/sec であったことを除いては、
実施例2と同様の条件で、厚み70μmの電解銅箔を連
続的に製造した。
【0071】この作業を1ケ月間継続したが、その間、
1度もバフ研磨をする必要がなかった。得られた電解銅
箔の引張強さ(kg/mm2),伸び率(%),シャイニー面
の粗さ(Rz),耐折強さ(回)を測定した。その結果
を表3にした。比較のために、チタン製ドラムに陽極酸
化処理を施すことなく、50時間周期でバフ研磨を行
い、得られた電解銅箔につきその特性を測定した(比較
例3)。その結果も表3に併記した。
【0072】
【表3】 表3のデータから明らかなように、実施例3の条件で製
造した電解銅箔も、従来のものに比べて、引張強さが優
れていて、銅張積層板用の銅箔として有用である。
【0073】なお、実施例3は陽極酸化皮膜の形成を連
続的に行うものであるが、ドラム3回転分の陽極酸化を
10Vで行ったのち、1Vの陽極酸化を、自動タイマを
用いることにより12時間,24時間ごとにドラム1周
分につき断続的に行ったが、得られた電解銅箔の性状は
実施例3のものと同等であった。
【0074】他の比較例として、電解銅箔製造用の電解
槽とは別の電解槽の中に実施例3で用いた硫酸水溶液を
満たし、ここに表面をバフ研磨したドラムを浸漬して電
解電圧10Vの一定値で陽極酸化処理を行った。処理後
のドラムを電解銅箔製造用の電解槽にセットし、実施例
3と同様にして連続的に電解銅箔を製造した(比較例
4)。
【0075】実施例3の場合には、陽極酸化処理−電解
銅箔の製造を連続して行うことができるが、上記した比
較例の場合には、処理後のドラムを電解銅箔製造用の
電解槽に移動する作業などのために、銅箔製造を24時
間中断せざるを得なかった。
【0076】実施例4 実施例1の陽極酸化皮膜形成装置において、パイプ15
の開口15bの径を3mmとし、動作時における電解電圧
を1Vと一定(陽極酸化皮膜の厚みは約14Åに相当)
にしてカソードドラム3の表面3aを4回転分(合計の
処理時間は2.5秒)連続酸化し、また銅電析時における
電解条件は実施例3と同じ条件にしたことを除いては実
施例1と同様にして、陽極酸化処理の電解電圧を0.1V
の一定値に保って連続的な陽極酸化処理を継続しなが
ら、厚み12μmの電解銅箔を連続的に製造した。
【0077】この作業を1週間継続したが、その間、1
度もバフ研磨をする必要がなかった。得られた電解銅箔
の引張強さ(kg/mm2),伸び率(%),シャイニー面の
粗さ(Rz),耐折強さ(回)を測定した。その結果を
表4にした。比較のために、チタン製ドラムに陽極酸化
処理を施すことなく、24時間周期でバフ研磨を行い、
得られた電解銅箔につきその特性を測定した(比較例
5)。その結果も比較例5として表4に併記した。
【0078】また、別の陽極酸化処理槽で、電解電圧1
Vの陽極酸化処理を行うことにより予め表面に陽極酸化
皮膜を形成し、このチタン製ドラムを、銅箔製造ライン
にセットし、実施例4と同一の条件下で厚み12μmの
電解銅箔を製造した。3時間位の運転後、電解銅箔の剥
離が悪くなり、電解銅箔の引き剥がし張力は部分的に不
均一になり、得られた電解銅箔には皺の発生が認められ
た。そこで、ドラムをラインから取り外し、再度、ドラ
ム表面に陽極酸化処理を行うことが必要になった。
【0079】このように、予めライン外で陽極酸化処理
を施す場合には、3時間ごとに陽極酸化処理を行わなけ
ればならず、そのため、1回の連続運転で製造される電
解銅箔の長さは高々600m程度であり、長尺物を連続
して製造することができず、作業性のみならず生産性も
低下してしまう。得られた電解銅箔の特性を比較例6と
して表4に併記した。
【0080】
【表4】
【0081】実施例5 図5で示した陽極酸化皮膜形成装置を、バフ研磨が施さ
れているチタン製ドラム3の表面3aに、多孔板体19
と表面3aとのクリアランスが1mmとなるようにして装
着した。対極体17はステンレス鋼板であり、金属粉除
去フィルタ20は孔径1μmの微細孔が分布している微
多孔膜である。
【0082】実施例1で用いた電解液を、供給管18c
から電解処理液として上部空間21aに供給したのち排
出管18bから排出させてそれを再び電解槽に還流し、
またフィルタを介した上記電解液を供給管18aから下
部空間21bに供給して多孔板体19の孔19aから回
転カソード体の表面3aに噴出させ、そこに電解液の液
膜を形成した。
【0083】この状態を、チタン製ドラム3とステンレ
ス鋼板(対極体)17との電解電圧を2Vと一定に保持
して、厚みが約28Åの陽極酸化皮膜が得られるように
陽極酸化処理を行い、引き続き、この陽極酸化皮膜の上
に実施例1と同様の条件で厚み35μmの電解銅箔を形
成した。この作業を1ケ月間継続したが、その間、1度
もバフ研磨をする必要がなかった。
【0084】得られた電解銅箔の引張強さ(kg/mm2),
伸び率(%),シャイニー面の粗さ(Rz),耐折強さ
(回)を測定した。その結果を表5にした。比較のため
に、チタン製ドラムに陽極酸化処理を施すことなく、4
8時間周期でバフ研磨を行い、得られた電解銅箔につき
その特性を測定した(比較例7)。その結果も表5に併
記した。
【0085】
【表5】
【0086】実施例6 実施例5の装置において、金属粉除去フィルタ20とし
てアニオン交換樹脂膜(徳山曹達(株)製の高温タイプ
AMH)を用いて、また、多孔板体19の端部19bと
チタン製ドラムの表面3aとの間に柔軟な発泡ポリエチ
レンシートを介装して装置16とチタン製ドラムの表面
3aとを摺接状態にした。
【0087】供給した電解液の液漏れはほとんど起こら
ず、電解液の有効利用が可能となった。上部空間21a
には供給管18cから1g/lの硫酸水溶液をポンプで
循環供給し、また、下部空間21bには、電解銅箔製造
用の電解液であって、Cu:100g/l,H2
4 :90g/l,ニカワ4ppmから成り液温が65
℃の電解液を供給管18aから供給し、チタン製ドラム
3とステンレス鋼板17との電解電圧を5Vと一定に保
持して厚みが約70Åの酸化皮膜が得られるように陽極
酸化処理を行い、引き続き、この陽極酸化皮膜の上に、
上記電解液を用い、電流密度50A/dm2 ,流量1m/
sec の条件で厚み35μmの電解銅箔を形成した。
【0088】チタン製ドラムの表面3aにドラム2回転
分(合計の処理時間は4秒)の陽極酸化処理を行ったの
ち、約15日間、電解銅箔の製造を連続的に行ったが、
その間、1度もバフ研磨をする必要がなかった。得られ
た電解銅箔の引張強さ(kg/mm2),伸び率(%),シャ
イニー面の粗さ(Rz),耐折強さ(回)を測定した。
その結果を表6にした。
【0089】比較のために、チタン製ドラムに陽極酸化
処理を施すことなく、48時間周期でバフ研磨を行い、
得られた電解銅箔につきその特性を測定した(比較例
8)。その結果も表6に併記した。
【0090】
【表6】
【0091】実施例7 長さ1500mm,幅30mm,厚み5mmの耐熱ポリ塩化ビ
ニル板と、長さ1500mm,幅50mm,厚み5mmの耐熱
ポリ塩化ビニル板とのそれぞれの側部を長手方向に溶接
し、また両端部にも同様のポリ塩化ビニル板を溶接し
て、断面形状が図7で示したような三角形をしている樋
状容器23を製造した。
【0092】この樋状容器23の他側23dにステンレ
ス鋼製の対極体17を配置した。しかし、金属粉除去フ
ィルタ20は介装することなくこの樋状容器23を図
6,図7で示したようにチタン製ドラムの表面3aに近
接して装着し、ここに実施例5の電解液を供給してそれ
を一側23cからあふれさせながら、電解電圧0.5Vの
定電圧で陽極酸化処理を行なって厚みが7Åの陽極酸化
皮膜を形成し、引き続き、この酸化皮膜の上に、実施例
1と同様の条件で厚み18μmの電解銅箔を形成した。
【0093】この作業を1ケ月間継続したが、その間、
1度もバフ研磨をする必要はなかった。そしてその間に
得られた電解銅箔の機械特性は、実施例1で得られた電
解銅箔の値とほぼ同じであった。
【0094】実施例8 実施例7において、対極体17とチタン製ドラムの表面
3aとの間には孔径1μmの微細孔が分布している微多
孔膜を金属粉除去フィルタ20として介装したことを除
いては、実施例7と同じようにして、陽極酸化皮膜の形
成、電解銅箔の形成を行った。
【0095】この作業を1ケ月間継続したが、1度もバ
フ研磨をする必要はなかった。そしてその間に得られた
電解銅箔の機械特性は実施例1で得られた電解銅箔のそ
れと略同じであった。
【0096】実施例9 耐熱ポリ塩化ビニル材を用いて、全体の形状が長さ15
00mm,幅200mm,厚み100mmで、曲板26aの先
端には、幅2mm,長さ1400mmのスリット26eが長
手方向に形成され、直径25mmの供給管27が付設され
ている、図8および図9で示した密封容器26を製造し
た。この容器26の内部には、長さ1400mm,幅10
0mm,厚み1mmの銅板が対極体17として配置されてい
る。
【0097】実施例1と同じ寸法形状で、表面にバフ研
磨を施したチタン製ドラム3に、この容器26を、スリ
ット26eがドラム面と対向するように装着した。実施
例1で用いた電解液を、供給管27から容器26内に供
給して充満させたのち、スリット26eからチタン製ド
ラム3の表面3aに噴出させ、そこに電解液の液膜を形
成した。
【0098】この状態で、直流安定化電源により電解電
圧を5Vに保持し、チタン製ドラム2回転分陽極酸化処
理(合計の処理時間は8秒)を行いながら、厚み68μ
mの電解銅箔を24時間製造したのち、電解電圧2Vの
陽極酸化処理を3回転分(合計の処理時間は12秒)行
い、その後、電解電圧を0.5Vと一定に保持したまま、
厚み18μmの電解銅箔を実施例1と同様の条件で製造
した。この作業を2週間継続したが、その間1度も、バ
フ研磨をする必要はなかった。そして、得られた銅箔も
実施例1と同様な性能を備えていた。
【0099】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明装
置によりカソード体の表面に形成された陽極酸化皮膜
は、均一で、耐食性に優れた保護膜として機能する。そ
のため、金属箔の製造時に、カソード体表面への不均一
な酸化皮膜生成に伴って起こる金属箔の表面ムラやピン
ホールなどの組織欠陥が有効に防止され、良質な金属箔
を製造することができる。
【0100】そして、従来のようなカソード体表面へ短
い周期で行うバフ研磨も不要となり、バフ研磨作業に伴
う材料費や作業コストも節減され、カソード体それ自体
の損耗も少なくなるので使用寿命も長くなり、カソード
体の交換頻度も少なくなり、金属箔の生産性を著しく高
めることができる。また、実施例1〜4で示したよう
に、カソード体が回転ドラムであり、陽極酸化皮膜形成
装置の対極体が導電性ロールである場合には、この導電
性ロールは回転ドラムの回転に応じて自動的に回転する
ことができるため、駆動用の手段を付設する必要はな
い。
【0101】また、実施例5〜7で用いたような陽極酸
化皮膜形成装置の場合は、電解処理液として、金属箔製
造用の比較的金属イオン濃度の高い電解液を用いること
ができる。そしてその電解液が金属箔製造用の電解槽に
混入しても同一液なので不都合な問題は起こらず、特別
な液混入防止装置を取付ける必要性もない。更には陽極
酸化皮膜形成用の電解処理液を別途調製することも必要
ではなく、電解処理液は、直接電解槽から取り出して用
いることができるという利点がある。また、対極体とカ
ソード体の表面との間にイオン交換膜を金属粉除去フィ
ルタとして介装することにより、対極体に金属が電着す
るという事態を防止できるし、導電性ロールを用いた場
合と同様に金属箔の製造にとって悪影響を与える対極体
で発生する金属粉のカソード体への移動も防止すること
ができる。
【0102】また、実施例9で用いた装置の場合は、陽
極酸化用の電解処理液が金属箔の製造に用いている電解
液であっても、スリットの幅を狭くしてその噴出量を少
なくし、また噴出させるカソード体の面積を極小にする
ことができる。そのため、電解液から金属塩がカソード
体の端部または周縁の絶縁体などの表面に析出せず、得
られる金属箔には金属塩が付着するような事態を防ぐこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の金属箔製造装置の例を示す断面図であ
る。
【図2】本発明の陽極酸化皮膜形成装置を装着した金属
箔製造装置の例を示す断面図である。
【図3】本発明の陽極酸化皮膜形成装置の1例を示す切
欠斜視図である。
【図4】本発明の陽極酸化皮膜形成装置の他の例を示す
一部切欠斜視図である。
【図5】図4の装置の改良型を示す一部切欠斜視図であ
る。
【図6】本発明の陽極酸化皮膜形成装置の別の例を示す
一部切欠斜視図である。
【図7】図6のVII−VII線に沿う断面図である。
【図8】本発明の陽極酸化皮膜形成装置の更に別の例を
示す一部切欠斜視図である。
【図9】図8のIX−IX線に沿う断面図である。
【符号の説明】
1 電解槽 2 アノード体 3 回転カソード体 3a 回転カソード体3の表面 3b 回転カソード体3の端部 4 間隙 5 電解液 6 ディストリビュータ(電解液流出
口) 7 金属箔 8a,8b ガイドローラ 9 巻取機 10 バフ 11 本発明の陽極酸化皮膜形成装置 12 シャフト 13 導電性ロール(対極体) 13a 導電性ロールの端子 14 フェルト(電解処理液保持部) 15 パイプ(電解処理液供給手段) 15a 電解処理液 15b 開口 15c ポンプ 16 容器(本発明の他の陽極酸化皮膜形
成装置) 16a 容器16の開口部 16b,16c 容器16の側部 17 対極体 18 電解処理液供給手段 18a 電解処理液供給管 18b 電解処理液排出管 18c 電解処理液供給管 19 多孔板体 19a 電解処理液噴出用の孔 19b 多孔板体19の端部 20 金属粉除去フィルタ 21a 上部空間 21b 下部空間 22 本発明の別の陽極酸化皮膜形成装置 23 樋状容器(電解処理液保持部) 23a,23b 桶状容器23の両端部 23c 樋状容器23の一側 23d 樋状容器23の他側 23e 空間(対極体17が配置される) 23f 空間(回転カソード体の表面3a側
に位置する) 24 供給管 25 本発明の更に別の陽極酸化皮膜形成
装置 26 密閉容器(電解処理液保持部) 26a 曲板 26b 取付け部(対極体の) 26c,26d 密封容器26の両端部 26e 噴出手段 27 電解液供給管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 芦澤 公一 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古河電気工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−228996(JP,A) 実開 平4−81968(JP,U) 特公 昭48−43014(JP,B1)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解反応によりカソード体の表面に形成
    された金属薄層を前記カソード体の表面から剥離するこ
    とによって露出した前記カソード体の表面に装着され、
    かつ、前記カソード体の表面を電解酸化して、そこに陽
    極酸化皮膜を連続的または間欠的に形成するために用い
    られる陽極酸化皮膜形成装置であって、前記電解酸化時
    に用いる電解処理液が前記カソード体の表面と接液する
    ように前記電解処理液を保持する電解処理液保持部と、
    前記電解処理液保持部の電解処理液中に配置され、前記
    カソード体の動作電位よりも低い電位で電解電流が通電
    される対極体と、前記電解処理液保持部へ電解処理液を
    供給する電解処理液供給手段とを備えていることを特徴
    とするカソード体表面への陽極酸化皮膜形成装置。
  2. 【請求項2】 前記対極体は少なくとも表面が導電性の
    ロール体であり、前記電解処理液保持部は繊維またはス
    ポンジ状高分子材から成り、前記ロール体は前記電解処
    理液保持部で囲繞されている請求項1のカソード体表面
    への陽極酸化皮膜形成装置。
  3. 【請求項3】 前記電解処理液保持部は少なくとも一部
    が開口する箱型形状の容器であり、前記容器は、その開
    口部側を前記カソード体の表面と摺接または近接して装
    着され、前記容器の中には、前記カソード体の露出した
    表面と対向して前記対極体が配置されている請求項1の
    カソード体表面への陽極酸化皮膜形成装置。
  4. 【請求項4】 前記容器の開口部には、複数個の孔が形
    成され、前記カソード体の露出した表面の曲率で屈曲す
    る多孔板体が配設されている請求項のカソード体表面
    への陽極酸化皮膜形成装置。
  5. 【請求項5】 前記開口部と前記対極体との間には、金
    属粉除去フィルタが介装されている請求項3または4の
    カソード体表面への陽極酸化皮膜形成装置。
  6. 【請求項6】 前記電解処理液保持部は、上部が開口し
    両端部が封止されている細長い樋状容器であり、前記樋
    状容器は、その長手方向が前記カソード体の幅方向と一
    致した状態で、一側を前記カソード体の表面と近接して
    装着され、前記樋状容器の他側には前記対極体が配置さ
    れ、前記樋状容器の前記一側からは電解処理液が溢れ出
    て前記カソード体の表面に電解処理液の液膜が形成され
    る請求項1のカソード体表面への陽極酸化皮膜形成装
    置。
  7. 【請求項7】 前記樋状容器の一側と前記対極体との間
    には金属粉除去フィルタが介装されている請求項6のカ
    ソード体表面への陽極酸化皮膜形成装置。
  8. 【請求項8】 前記電解処理液保持部は、内部に前記対
    極体を備え、かつ前記対極体と対向する面には電解処理
    液の噴出手段が形成されている密閉容器から成り、前記
    密閉容器は前記電解処理液の噴出手段側の面を前記カソ
    ード体の表面と近接して配置され、前記電解処理液の噴
    出手段から前記カソード体の表面に電解処理液が噴出さ
    れる請求項1のカソード体表面への陽極酸化皮膜形成装
    置。
  9. 【請求項9】 前記噴出手段が、密閉容器の長手方向に
    形成されている小孔群またはスリット開口である請求項
    8のカソード体表面への陽極酸化皮膜形成装置。
  10. 【請求項10】 前記対極体と前記噴出手段である小孔
    群またはスリット開口部との間には、金属粉除去フィル
    タが介装されている請求項8または9のカソード体表面
    への陽極酸化皮膜形成装置。
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