JP2017115168A - アルミニウム箔の製造方法およびアルミニウム箔製造用陰極ドラム - Google Patents
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また、アルミニウム箔のエッジ部の亀裂の問題は、アルミニウム箔を切断(スリット)によりエッジ部をトリミングする際に亀裂等の不良部の切捨てが必要なり、切り捨て量が増大し歩留低下という問題に繋がる。
前記中央部の粗面部は表面粗さRaCが0.1μm〜0.6μm、両端部の平滑部は表面粗さRaEが0.01μm〜0.10μm、その両端部の平滑部のそれぞれの幅が前記粗面部の幅の0.1%〜10.0%であることが好ましい。
前記電析面は、チタンからなることが好ましい。
前記中央部の粗面部は表面粗さRaCが0.1μm〜0.6μm、両端部の平滑部は表面粗さRaEが0.01μm〜0.10μm、その両端部の平滑部のそれぞれの幅が前記粗面部の幅の0.1%〜10.0%であることが好ましい。
前記電析面は、チタンからなることが好ましい。
この従来の粗面化処理された陰極ドラムを用いてアルミニウム箔を製造する場合は、陰極ドラムの電析面の両側は絶縁材で被覆されている。そして、両端の絶縁材の間の電析面にアルミニウム被膜が形成される。
しかしながら、粗面化処理された陰極ドラムの場合は、陰極ドラムの電析面に析出するアルミニウム被膜は、陰極ドラムの表面と絶縁材との境界部に電解電流が集中することにより、陰極ドラムの表面と絶縁材との隙間にも電解析出が生じる場合がある。このような場合、アルミニウム被膜を剥離する際に引っ掛かりを生じるため、アルミニウム被膜の剥離性は低下する。したがって、従来の粗面化処理された陰極ドラムを用いると、陰極ドラムに電析されたアルミニウム被膜を剥離しようとする際、アルミニウム被膜のエッジ部から亀裂を生じ、この亀裂が過度の場合はアルミニウム被膜が破断してしまうことがある。
そして、本発明では、アルミニウム箔のエッジ部の破断が抑制されるため、電解析出を停止する必要がなく、連続してアルミニウム箔が得られ、製造効率の向上に寄与できる。
また、本発明では、得られるアルミニウム箔のエッジ部をトリミングするスリット幅が必要最小限になり、歩留低下を抑制することができる。
ここで、本発明でいう表面粗さは、JIS B 0601(2001)で規定される算術平均粗さ(Ra)で表わす。
陰極ドラムの電析面に形成される平滑部1Eの表面粗さRaEを0.01μm未満にするためには、平滑化のための研磨作業に相当な時間を要するため、製造効率が低下するといった問題が生じる。本発明では、電析面に形成される平滑部1Eの表面粗さRaEを0.01μm以上にすることで、容易に実現が可能なため、研磨作業に要する時間を短縮でき、製造効率が向上するという効果を得ることができる。
一方、陰極ドラムの電析面の両端部に形成される平滑部1Eの表面粗さRaEが0.10μmを超える場合には、陰極ドラムの表面と絶縁材1iとの隙間への電解析出が生じて、アルミニウム被膜のエッジ部から亀裂が生じ、この亀裂が過度の場合はアルミニウム被膜が破断するといった問題が生じる。本発明では、陰極ドラムの電析面に形成される平滑部1Eの表面粗さRaEが0.10μm以下にすることで、陰極ドラムの表面と絶縁材1iとの隙間への電解析出を抑制できるという効果を得ることができる。
一方、陰極ドラムの電析面に形成される平滑部1Eの幅が粗面部の幅の10.0%を超える場合には、得られるアルミニウム箔のエッジ部をトリミングする幅が大きくなり、歩留低下という問題が生じる。本発明では、陰極ドラムの電析面に形成される平滑部1Eの幅を粗面部の幅の10.0%以下にすることで、得られるアルミニウム箔のエッジ部をトリミングする幅が小さくなり、歩留低下を小さくするという効果を得ることができる。尚、このトリミングでは、中央部の粗面部で形成されたアルミニウム被膜部分のみとなるようにエッジ部を切断することにより、両面が同程度に粗面化処理されたアルミニウム箔を得ることができる。
一方、電析面の中央部の粗面部1Cの表面粗さRaCが0.6μmを超えると、アルミニウム被膜と電析面の密着性が増加することによって、アルミニウム被膜の剥離が困難となり、アルミニウム箔を巻き取る際に、破断しやすくなるといった問題が生じる。本発明では、電析面の中央部の粗面部1Cの表面粗さRaCを0.6μm以下とすることで、安定して両面が粗化形状をなすアルミニウム箔を製造可能となる。尚、アルミニウム箔の電析面(粗面部1Cから剥離された面)に対向する表面の表面粗さは、例えば、先行技術文献に開示された方法等により、粗化形状とすることができる。
また、本発明の陰極ドラムの胴体は、製造するアルミニウム箔の寸法を考慮して、適宜設定することができ、例えば、直径が100mm〜3000mm、長さが100mm〜2000mmのものが適用できる。
そして、アルミニウム被膜が電解析出される電析面の中央部の粗面部1Cは、例えばブラストを用いて、表面粗さRaCが0.1μm〜0.6μmとなるように調整されることが好ましい。また、電析面の両端から幅が粗面部の幅の0.1%〜10.0%の部分は、例えば研磨紙を用いて、表面粗さRaEが0.01μm〜0.10μmの平滑部1Eが形成されることが好ましい。
図2において、陰極ドラム1には、予め、電析面の少なくとも一部にリード材8を形成させておくことが好ましい。そして、リード材8の先端を剥離させた陰極ドラム1を、電解浴槽4に入れて陽極板2と対向して配置させ、リード材8が密着している陰極ドラム1の電析面の少なくとも一部をアルミニウム電解液5に浸漬させて、陰極ドラム1から剥離されたリード材8の先端を巻取りリール7に固定しておく。
次に、通電の開始によってアルミニウム電解液5に接しているリード材8の表面にアルミニウム被膜3を形成させながら、陰極ドラム1と巻取りリール7の回転を開始させ、巻取りリール7の引張力によって、リード材8を巻取り、アルミニウム電解液5の液面から露出したアルミニウム被膜3を連続して陰極ドラム1から剥離して巻取りリール7に巻取ることでアルミニウム箔を得ることができる。ここで、リード材8が全て陰極ドラムから剥離された後は、電析面に形成されたアルミニウム被膜そのものが剥離して巻取られる。
本実施例では、直径が140mm、胴長が300mmのチタン製の陰極ドラムを用いた。その陰極ドラムの胴体全面を、ブラスト法によってRa=0.3μmに粗化処理を行なった。次に、その粗化処理をした陰極ドラムの電析面の両端部に、研磨紙を用いて、RaE=0.08μmとなるように研磨を行なった。そして、絶縁テープを用いて製造するアルミニウム箔の幅が200mmとなるように陰極ドラムの両側に絶縁材を固定した。これにより、電析面は、中央部の幅が180mmの粗面部(RaC=0.3μm)と、その両端に粗面部の幅の5.6%となるように、それぞれ幅が10mmの平滑部(RaE=0.08μm)が形成される構成とした。
本発明の製造方法では、陰極ドラムの電析面からのアルミニウム箔の剥離性が改善され、アルミニウム被膜のエッジ部が陰極ドラムの電析面の両端部に固着せず、アルミニウム箔の破断やエッジ部に亀裂が発生することがなかった。そして、表裏面が粗化形状のアルミニウム箔を製造することができた。
2.陽極板
3.アルミニウム被膜
4.電解浴槽
5.アルミニウム電解液
6.箔引出し口
7.巻取りリール
8.リード材
Claims (6)
- 電解によってアルミニウム被膜を陰極ドラムの表面に析出させた後、前記アルミニウム被膜を前記陰極ドラムから剥離してアルミニウム箔を製造する方法において、前記陰極ドラムの前記アルミニウム被膜が析出する電析面は、中央部の粗面部と両端部の平滑部とを有する前記陰極ドラムを用いてアルミニウム箔を得ることを特徴とするアルミニウム箔の製造方法。
- 前記中央部の粗面部は表面粗さRaCが0.1μm〜0.6μm、前記両端部の平滑部は表面粗さRaEが0.01μm〜0.10μm、前記両端部の平滑部のそれぞれの幅が前記粗面部の幅の0.1%〜10.0%であることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム箔の製造方法。
- 前記電析面は、チタンからなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のアルミニウム箔の製造方法。
- 陰極ドラムの電析面に形成されたアルミニウム被膜を剥離してアルミニウム箔を製造するために用いられる陰極ドラムにおいて、前記陰極ドラムの電析面は、中央部の粗面部と両端部の平滑部とを有することを特徴とするアルミニウム箔製造用陰極ドラム。
- 前記中央部の粗面部は表面粗さRaCが0.1μm〜0.6μm、前記両端部の平滑部は表面粗さRaEが0.01μm〜0.10μm、前記両端部の平滑部のそれぞれの幅が前記粗面部の幅の0.1%〜10.0%であることを特徴とする請求項4に記載のアルミニウム箔製造用陰極ドラム。
- 前記電析面は、チタンからなることを特徴とする請求項4または請求項5に記載のアルミニウム箔製造用陰極ドラム。
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CN111763963A (zh) * | 2020-06-19 | 2020-10-13 | 广东嘉元科技股份有限公司 | 一种铜箔厚度均匀性处理方法、铜箔表面处理方法 |
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