JP6993900B2 - 燃料噴射装置 - Google Patents

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本開示は、燃料噴射装置に関する。
従来、燃料噴射装置には、ニードル直動式の燃料噴射装置と、油圧サーボ式の燃料噴射装置とがある。ニードル直動式の燃料噴射装置は、ピエゾ素子の積層体からなるアクチュエータを用いてノズルニードルを直接開閉動作させる構造からなる。油圧サーボ式の燃料噴射装置は、ノズルニードルの直上に設けられる制御室と、制御室及び低圧室を連通する連通路を開閉させる制御弁と、制御弁を開閉動作させるアクチュエータとを備えている。油圧サーボ式の燃料噴射装置は、制御弁の開閉動作に基づいて制御室内の燃料圧力を変化させることによりノズルニードルを開閉動作させる構造からなる。このような構造の違いにより、油圧サーボ式の燃料噴射装置よりも、ニードル直動式の燃料噴射装置の方が燃料噴射圧に依存せずにノズルニードルの挙動、すなわち噴射率をコントロールし易いという特徴を有している。しかしながら、ニードル直動式の燃料噴射装置は、油圧サーボ式の燃料噴射装置と比較すると、ノズルニードルの駆動に必要な負荷が大きくなるため、アクチュエータの駆動負荷が増加するという課題を有している。
そこで、下記の特許文献1に記載の燃料噴射装置は、制御弁の開弁動作により制御室を減圧させる油圧サーボ機構と、アクチュエータの駆動力を制御弁及び油圧力を介してノズルニードルに伝達する直動機構とを有することにより、アクチュエータの負荷を低減しつつ、噴射率の自由度を向上させている。
特開2017-2891号公報
ところで、特許文献1に記載の燃料噴射装置では、直動機構を用いてアクチュエータの駆動力によりノズルニードルを直接開弁させる際に、制御室と低圧室とが連通されているため、制御室の燃料圧力が減少する。そのため、アクチュエータの駆動力だけでなく制御室の燃料圧力の変化に基づいてノズルニードルがリフト動作するため、ノズルニードルの開弁量を精度良く制御することが困難である。これが、燃料噴射量の精度を悪化させる要因となっている。
本開示は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、より高い精度でノズルニードルの開弁量を制御することの可能な燃料噴射装置を提供することにある。
上記課題を解決する燃料噴射装置(FI)は、本体(1,15,23,31,48,51)と、ノズルニードル(27)と、制御室(28)と、制御弁(10)と、直動ピストン(21,24,39)と、を備える。本体は、高圧の燃料が流通する高圧燃料通路(3)、高圧燃料通路を流れる燃料よりも低圧の燃料が流通する低圧室(35)、及び高圧燃料通路を流通する燃料を噴射する噴射孔(32)を有する。ノズルニードルは、本体の内部に往復動可能に収容され、噴射孔を開閉する。制御室には、ノズルニードルに閉弁方向の圧力を付与する高圧の燃料が充填される。制御弁は、アクチュエータ(2)が収縮状態である場合に制御室及び低圧室の連通を遮断するとともに、アクチュエータの伸張に基づいて変位することにより制御室及び低圧室を連通させる。直動ピストンは、アクチュエータの伸張に基づいて、ノズルニードルをリフト動作させる油圧力を発生させる。制御弁は、ノズルニードルをリフト動作させる油圧力を直動ピストンにより発生させる際に、制御室及び低圧室を連通させる連通路(212,373)を閉塞する。
この構成によれば、制御弁が開弁方向に変位すると、制御室及び低圧室を連通させる連通路が制御弁により閉塞されるため、アクチュエータの伸張に基づいてノズルニードルをリフト動作させる油圧力を直動ピストンが発生する際に制御室内の燃料圧力が維持され易くなる。これにより、アクチュエータの伸張量とノズルニードルのリフト量との対応関係をより的確に維持することができるため、より高い精度でノズルニードルの開弁量を制御することが可能となる。
なお、上記手段、特許請求の範囲に記載の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
本開示によれば、より高い精度でノズルニードルの開弁量を制御することの可能な燃料噴射装置を提供できる。
図1は、第1実施形態の燃料噴射装置の断面構造を示す断面図である。 図2は、第1実施形態の燃料噴射装置の拡大断面構造を示す断面図である。 図3は、第1実施形態の燃料噴射装置の動作例を示す断面図である。 図4は、第1実施形態の燃料噴射装置の動作例を示す断面図である。 図5は、第1実施形態の燃料噴射装置の動作例を示す断面図である。 図6(A)~(D)は、第1実施形態の燃料噴射装置におけるアクチュエータの伸張量、制御弁アッパの変位量、第1制御室内の燃料圧力、及びノズルニードルのリフト量の推移を示すタイミングチャートである。 図7は、第1実施形態の第1変形例の燃料噴射装置の断面構造を示す断面図である。 図8は、第1実施形態の第2変形例の燃料噴射装置の断面構造を示す断面図である。 図9は、第1実施形態の第3変形例の燃料噴射装置の断面構造を示す断面図である。 図10は、第2実施形態の燃料噴射装置の拡大断面構造を示す断面図である。 図11は、第2実施形態の燃料噴射装置の動作例を示す断面図である。 図12は、第2実施形態の燃料噴射装置の動作例を示す断面図である。
以下、燃料噴射装置の一実施形態について図面を参照しながら説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
<第1実施形態>
はじめに、燃料噴射装置の第1実施形態について説明する。図1に示されるように、本実施形態の燃料噴射装置FIは、インジェクタボディ1と、制御室プレート15と、ピストンプレート23と、ノズルボディ31と、ノズルニードル27と、アクチュエータ2と、駆動部46等を備えている。制御室プレート15、ピストンプレート23、及びノズルボディ31は、ノズルリテーリングナット33により、インジェクタボディ1の下方に固定されている。本実施形態では、インジェクタボディ1、制御室プレート15、ピストンプレート23、及びノズルボディ31により本体が構成されている。以下では、インジェクタボディ1からノズルボディ31に向かう方向を「下方」と称し、その逆の方向を「上方」と称する。
ノズルボディ31は、軸線m1を中心に略筒状に形成されている。ノズルボディ31の内部には、軸線m1を中心に略円柱状に形成されたノズルニードル27が収容されている。したがって、軸線m1はノズルニードル27の中心軸に相当する。ノズルボディ31の内部空間は、ノズルニードル27を収容するニードル収容孔310を構成している。ノズルニードル27は、ニードル収容孔310の内壁面に対して摺動可能に接することにより、軸線m1に沿った方向に往復動可能に支持されている。ニードル収容孔310は、ノズルボディ31の上面において開口している。ニードル収容孔310には、インジェクタボディ1の燃料通路110、制御室プレート15の燃料通路159、及びピストンプレート23の燃料通路232を通じて高圧の燃料が供給されている。以下では、これらの燃料通路110,159,232をまとめて「高圧燃料通路3」とも称する。
ノズルボディ31の先端部には、燃料が噴射される噴射孔32が形成されている。ノズルボディ31の先端部の内壁面には、円錐状の着座面311が形成されている。ノズルニードル27の先端部には、着座面311に着座するシート面270が形成されている。シート面270が着座面311に着座している場合、ノズルニードル27により噴射孔32が閉塞されているため、噴射孔32からの燃料の噴射が遮断された状態となる。シート面270が着座面311から離座すると、噴射孔32が開口して、ニードル収容孔310内の高圧の燃料が噴射孔32から噴射される。このように、ノズルニードル27は、軸線m1に沿った方向に往復動することにより噴射孔32を開閉する。
図2に示されるように、ニードル収容孔310の上方には、ノズルシリンダ25が収容されている。ノズルシリンダ25は、軸線m1を中心に円筒状に形成されている。ノズルシリンダ25は、ノズルボディ31の内部に収容されたスプリング30によりピストンプレート23に向かって付勢されている。ノズルシリンダ25の内部には、直動ピストンロア24が収容されている。
直動ピストンロア24は、軸線m1を中心に略有底円筒状に形成されている。直動ピストンロア24は、その開口部分が下方を向く姿勢でノズルシリンダ25の内部に収容されている。直動ピストンロア24は、ノズルシリンダ25の内壁面に摺動可能に接することにより、軸線m1に沿った方向に往復動可能に支持されている。直動ピストンロア24は、ニードル収容孔310内の燃料圧力及びスプリング29によりピストンプレート23に向かって付勢されている。
ノズルニードル27における先端部とは反対側の基端部は、直動ピストンロア24の下方の開口部から直動ピストンロア24の内部に挿入されている。ノズルニードル27の基端部は、直動ピストンロア24の内壁面に摺動可能に接することにより、軸線m1に沿った方向に往復動可能に支持されている。ノズルニードル27の端面、及び直動ピストンロア24の内壁面により囲まれる空間により第1制御室28が構成されている。第1制御室28には、ノズルニードル27に閉弁方向の圧力を付与するための高圧の燃料が充填されている。
ピストンプレート23は、軸線m1を中心に略円筒状に形成されている。ピストンプレート23の内部空間は、直動ピストンアッパ21及び制御弁ロア16を収容するピストン収容孔230を構成している。直動ピストンアッパ21は、ピストン収容孔230の下方に配置されており、制御弁ロア16は、ピストン収容孔230の上方に配置されている。ピストン収容孔230の内径は、ノズルシリンダ25の内径よりも小さい。本実施形態では、直動ピストンアッパ21及び直動ピストンロア24により直動ピストンが構成されている。以下では、直動ピストンアッパ21及び直動ピストンロア24をまとめて「直動ピストン21,24」とも称する。
直動ピストンアッパ21は、軸線m1を中心に略円柱状に形成されている。直動ピストンアッパ21は、ピストン収容孔230に収容される小径部210と、ノズルシリンダ25の内部に収容される大径部211とを有している。大径部211の上面と制御弁ロア16の底面との間には、隙間が形成されている。大径部211の上面、制御弁ロア16の底面、及びピストン収容孔230の内壁面によって囲まれる空間によりピストン収容室19が構成されている。
小径部210は、大径部211の外径よりも小さい外径を有している。小径部210は、ピストン収容孔230の内壁面に摺動可能に接することにより、軸線m1に沿った方向に往復動可能に支持されている。
大径部211は、ノズルシリンダ25の内径よりも小さい外径を有している。大径部211の底面は、直動ピストンロア24の上面に接している。ニードル収容孔310内の燃料圧力及びスプリング29の付勢力が直動ピストンロア24を介して大径部211に加わることにより、大径部211は、その上面がピストンプレート23の底面に接した状態で保持されている。大径部211の外周面及びノズルシリンダ25の内周面により囲まれる空間により第2制御室26が構成されている。
直動ピストンアッパ21及び直動ピストンロア24には、ピストン収容室19と第1制御室28とを連通させる連通路212,240がそれぞれ形成されている。また、直動ピストンアッパ21には、第2制御室26と連通路212とを連通させる連通路213が形成されている。したがって、第2制御室26は、ピストン収容室19及び第1制御室28に連通されている。以下では、第1制御室28及び第2制御室26をまとめて「制御室26,28」とも称する。
直動ピストンアッパ21の連通路212には、制御室オリフィス22が形成されている。よって、第1制御室28及び第2制御室26内の燃料は、制御室オリフィス22により減圧されてピストン収容室19に流入可能となっている。
制御弁ロア16は、軸線m1を中心に略円柱状に形成されている。制御弁ロア16は、ピストン収容孔230の内壁面に摺動可能に接することにより、軸線m1に沿った方向に往復動可能に支持されている。制御弁ロア16の底面には、ピストン収容室19内に突出する突出部160が形成されている。突出部160は、制御弁ロア16が下方に変位した際に直動ピストンアッパ21に接することにより直動ピストンアッパ21を下方に直接押圧する部分である。
制御弁ロア16の底面と直動ピストンアッパ21の上面との間には、スプリング20が圧縮された状態で収容されている。このスプリング20により制御弁ロア16が上方に付勢されている。
制御弁ロア16には、制御室プレート15に形成された制御弁アッパ収容室13とピストン収容室19とを連通させる連通路18が形成されている。また、制御弁ロア16には、ピストンプレート23に形成された連通路213の一端部に連通される連通路161が形成されている。ピストンプレート23の連通路213の他端部は、高圧燃料通路3に連通されている。したがって、高圧燃料通路3内を流れる高圧の燃料は、ピストンプレート23の連通路213及び制御弁ロア16の連通路161を通じて制御弁アッパ収容室13に流入可能となっている。
制御弁ロア16の連通路161には、インオリフィス17が形成されている。インオリフィス17は、高圧燃料通路3内を流れる高圧の燃料を減圧させて制御弁アッパ収容室13に流入させる。
制御室プレート15には、制御弁収容孔150と、挿通孔151と、低圧ポート11とが形成されている。
制御弁収容孔150は、軸線m1に沿って制御室プレート15の底面から上方に向かって延びるように形成されている。軸線m1に直交する制御弁収容孔150の断面形状は凹字状をなしている。制御弁アッパ収容室13の内部空間は、制御弁アッパ10を収容するための制御弁アッパ収容室13を構成している。
制御弁アッパ10と制御弁ロア16との間には、スプリング14が圧縮された状態で収容されている。このスプリング14の付勢力により、制御弁アッパ10は、制御弁アッパ収容室13の上壁面に形成された断面略円錐状の着座部131に着座した状態で、すなわち閉弁状態で保持されている。以下では、制御弁アッパ10及び制御弁ロア16をまとめて「制御弁10,16」とも称する。
挿通孔151は、制御弁アッパ収容室13の着座部131から軸線m1に沿って制御室プレート15の上面に貫通するように形成されている。挿通孔151には、駆動伝達部材9が軸線m1に沿った方向に往復動可能に挿通されている。駆動伝達部材9の下端部は、制御弁アッパ10に当接している。図1に示されるように、駆動伝達部材9の上端部は、インジェクタボディ1の内部に収容された小径ピストン8に当接している。駆動伝達部材9は、小径ピストン8が下方に変位した際に制御弁アッパ10を下方に押圧することにより、制御弁アッパ10を開弁させる。
図2に示されるように、制御弁アッパ10の底面には、円柱状の突出部120が形成されている。駆動伝達部材9により押圧されることにより制御弁アッパ10が下方に変位した際、突出部120が制御弁ロア16の上面に当接する。これにより、連通路161が閉塞されることにより、高圧燃料通路3と制御弁アッパ収容室13との連通が遮断される。
低圧ポート11は、制御弁アッパ収容室13の着座部131から軸線m1と交差する方向に延びて制御室プレート15の上面に貫通するように形成されている。図1に示されるように、低圧ポート11は、制御弁アッパ収容室13とインジェクタボディ1の内部空間とを連通させている。インジェクタボディ1の内部空間は、高圧燃料通路3を流れる燃料よりも低圧の燃料が充填された低圧室35を構成している。したがって、制御弁アッパ収容室13は、低圧ポート11を介して低圧室35に連通されている。また、制御弁アッパ収容室13は、制御弁ロア16の連通路18、ピストン収容室19、直動ピストンアッパ21の連通路212,213を通じて第1制御室28及び第2制御室26に連通されている。
低圧ポート11には、アウトオリフィス12が形成されている。したがって、制御弁アッパ収容室13内の燃料は、アウトオリフィス12により減圧されて低圧室35に流入可能となっている。図2に示されるように、制御弁アッパ10が閉弁状態であるとき、低圧ポート11と制御弁アッパ収容室13との連通が遮断されている。制御弁アッパ10が駆動伝達部材9により下方に押圧されることにより制御弁アッパ収容室13の着座部131から離座すると、すなわち制御弁アッパ10が開弁状態になると、低圧ポート11及び制御弁アッパ収容室13が連通される。
図1に示されるように、インジェクタボディ1の内部には、軸線m2に沿って延びるように収容孔111が形成されている。収容孔111には、アクチュエータ2と、大径ピストン5と、シリンダアッパ7と、小径ピストン8と、シリンダロア34とが収容されている。
アクチュエータ2は、電荷の充放電により軸線m2に沿った方向に伸縮するピエゾ素子を多数積層してなるピエゾ素子積層体と、ピエゾ素子積層体を保護する筒状の絶縁スリーブと、ピエゾ素子積層体の軸方向の両端に設けられる絶縁基板とを備えている。ピエゾ素子積層体への電圧の印加に基づきピエゾ積層体に電荷が充電されることにより、アクチュエータ2が軸線m2に沿って下方に伸張する。ピエゾ素子積層体への電圧の印加の停止に基づきピエゾ素子から電荷が放電されると、アクチュエータ2が軸線m2に沿って上方に収縮する。アクチュエータ2の伸張変位及び収縮変位が駆動伝達部材4を介して大径ピストン5に伝達されることにより、大径ピストン5が軸線m2に沿った方向に変位する。
シリンダアッパ7は、軸線m2を中心に円筒状に形成されている。シリンダアッパ7の内部には、円柱状の大径ピストン5が収容されている。大径ピストン5は、シリンダアッパ7の内壁面に対して摺動可能に接することにより、軸線m2に沿った方向に往復動可能に支持されている。大径ピストン5の上部には、環状のリング部材45が固定されている。リング部材45とシリンダアッパ7との間には、ピストンスプリング36が配置されている。ピストンスプリング36は、リング部材45を介して大径ピストン5を上方に付勢している。この大径ピストン5に付与されるピストンスプリング36の付勢力により、アクチュエータ2のピエゾ素子積層体にプリセット荷重が付与されている。
シリンダロア34には、小径ピストン8を収容する収容孔340が形成されている。収容孔340は、軸線m1に沿って延びるように形成されている。小径ピストン8は、収容孔340の内壁面に対して摺動可能に接することにより、軸線m1に沿った方向に往復動可能に支持されている。すなわち、小径ピストン8は、大径ピストン5に対して偏芯して配置されている。シリンダロア34の底面とインジェクタボディ1の収容孔111の内壁面とにより囲まれる空間により低圧室35が構成されている。小径ピストン8は、低圧室35の内部まで延びるように配置されている。小径ピストン8の底面には、駆動伝達部材9の上端が当接している。
小径ピストン8の下端部には、フランジ部180が形成されている。フランジ部180とシリンダロア34の底面との間には、スプリング6が圧縮された状態で配置されている。このスプリング6により、小径ピストン8は下方に付勢されている。
大径ピストン5の下端面と小径ピストン8の上端面との間には隙間が形成されている。大径ピストン5の下端面、小径ピストン8の上端面、シリンダアッパ7の内壁面、及びシリンダロア34の内壁面により囲われた空間により、油密室52が形成されている。油密室52には、作動油としての燃料が充填されている。したがって、アクチュエータ2が伸張して大径ピストン5が下方に変位すると、油密室52内の油圧力を介して小径ピストン8が下方に押圧されることにより小径ピストン8が下方に変位する。
また、油密室52では、大径ピストン5に対する受圧面積よりも、小径ピストン8に対する受圧面積の方が小さい。そのため、大径ピストン5の変位量よりも小径ピストン8の変位量の方が大きくなる。これにより、アクチュエータ2及び大径ピストン5の変位量よりも小径ピストン8、駆動伝達部材9、及び制御弁アッパ10の変位量を大きくすることが可能である。このように、大径ピストン5、油密室52、及び小径ピストン8は、アクチュエータ2の変位量よりも制御弁アッパ10の変位量を大きくさせる変位拡大機構を構成している。
図1に示されるように、駆動部46は、アクチュエータ2を駆動させる部分である。駆動部46は、電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)460や、電子駆動装置(EDU:Electronic Driving Unit)461等から構成されている。
ECU460は、CPUやROM、RAM等を有するマイクロコンピュータを中心に構成されている。ECU460は、より上位のECUから受信した信号に基づいてROMに記憶されている制御プログラムを実行する。これにより、ECU460は、燃料噴射装置FIを駆動するための各種制御を実行する。例えば、ECU460は、アクチュエータ2の伸縮駆動を制御する制御信号をEDU461に送信する。
EDU461は、アクチュエータ2に印加させる高電圧を発生する高電圧発生回路と、複数のスイッチング素子とを有している。EDU461は、ECU460からの制御信号である噴射信号に基づいて複数のスイッチング素子のオン及びオフを切り替えることによりアクチュエータ2への電力供給を制御する。すなわち、ECU460からEDU461に送信される制御信号に基づいてアクチュエータ2の駆動が制御される。具体的には、ECU460が制御信号として開弁指令をEDU461に送信すると、EDU461からアクチュエータ2のピエゾ素子積層体に電圧が印加され、アクチュエータ2が伸張する。また、ECU460が制御信号として閉弁指令をEDU461に送信すると、EDU461からアクチュエータ2のピエゾ素子積層体への電圧の印加が停止され、アクチュエータ2が収縮する。
次に、本実施形態の燃料噴射装置FIの動作例について説明する。
ECU460からEDU461に対して閉弁指令が送信されている場合、アクチュエータ2は収縮状態になっている。この場合、大径ピストン5、小径ピストン8、及び駆動伝達部材9は図1に示される位置に配置されているため、図2に示されるように、制御弁アッパ10が制御弁アッパ収容室13の着座部131に着座した閉弁状態になっている。そのため、低圧ポート11を介した制御弁アッパ収容室13と低圧室35との連通が遮断されている。
また、制御弁アッパ10の突出部120が制御弁ロア16の上面から離間しているため、制御弁アッパ収容室13は制御弁ロア16の連通路161及びピストンプレート23の連通路213を通じて高圧燃料通路3に連通されている。そのため、高圧燃料通路3を流れる高圧の燃料が制御弁アッパ収容室13に流入している。また、制御弁アッパ収容室13に流入した高圧の燃料が制御弁ロア16の連通路18、ピストン収容室19、及び直動ピストン21,24の連通路212,213,240を通じて第1制御室28及び第2制御室26に流入することにより、第1制御室28及び第2制御室26には高圧の燃料が充填されている。第1制御室28内の燃料圧力によりノズルニードル27が下方に押圧されることによりノズルニードル27が噴射孔32を閉塞している。すなわち、燃料噴射装置FIは閉弁状態になっている。
この状態でECU460からEDU461に対して開弁指令が送信されると、アクチュエータ2が伸張する。このアクチュエータ2の伸張により、大径ピストン5、小径ピストン8、及び駆動伝達部材9が下方に変位する。これにより、図3に示されるように、制御弁アッパ10が駆動伝達部材9により下方に押圧されるため、制御弁アッパ10は、制御弁アッパ収容室13の着座部131から離座した開弁状態になる。そして、制御弁アッパ10の突出部120が制御弁ロア16の上面に当接することにより、制御弁ロア16の連通路161が閉塞される。すなわち、高圧燃料通路3から制御弁アッパ収容室13への高圧燃料の流入が遮断される。
制御弁アッパ10が開弁状態になることにより、制御弁アッパ収容室13内の高圧の燃料がアウトオリフィス12によって減圧されつつ低圧ポート11を通じて低圧室35に流入するため、制御弁アッパ収容室13内の燃料圧力が低下する。これに伴い、ピストン収容室19内の燃料が制御弁ロア16の連通路18を通じて制御弁アッパ収容室13内に流入することにより、ピストン収容室19内の燃料圧力が低下する。これにより、第1制御室28及び第2制御室26内の燃料が制御室オリフィス22によって減圧されつつ直動ピストンアッパ21の連通路212,213を通じてピストン収容室19に流入するため、第1制御室28及び第2制御室26内の燃料圧力が徐々に低下する。したがって、第1制御室28内の燃料圧力とニードル収容孔310内の燃料圧力との差圧により、ノズルニードル27に上方の力が付与されるため、ノズルニードル27が上方に変位する。よって、噴射孔32が開放されるため、噴射孔32から高圧の燃料が噴射される。すなわち、燃料噴射装置FIは開弁状態になる。図3に示される状態では、燃料噴射装置FIは、第1制御室28内の燃料圧力の低下に基づいてノズルニードル27を開弁方向にリフト動作させる油圧サーボ駆動で動作する。
図3に示される状態から更にアクチュエータ2に電圧が印加され続けることによりアクチュエータ2が伸張して大径ピストン5が下方に変位すると、小径ピストン8、駆動伝達部材9、及び制御弁アッパ10が更に下方に変位する。これにより、図4に示されるように、制御弁アッパ10の突出部120により制御弁ロア16が下方に押圧されることで、制御弁ロア16が下方に変位するため、制御弁ロア16の突出部160が直動ピストンアッパ21の上面に当接することにより、制御弁ロア16が直動ピストンアッパ21の押圧を開始する。この際、制御弁ロア16の連通路212が閉塞されるため、制御室26,28とピストン収容室19との連通が遮断される。すなわち、制御弁ロア16は、直動ピストンアッパ21の押圧を開始するのと同時に連通路212を閉塞する。連通路212が閉塞されることにより、第1制御室28及び第2制御室26は、直動ピストン21,24の連通路212,213,240を通じて互いに連通された油密室を構成する。
これ以降、アクチュエータ2の伸張に基づき制御弁アッパ10が下方に変位すると、制御弁アッパ10と一体となって制御弁ロア16、直動ピストンアッパ21、及び直動ピストンロア24も下方に変位する。直動ピストンロア24が下方に変位することにより、図5に示されるように、第2制御室26の容積が増加するため、第1制御室28内の燃料が直動ピストン21,24の連通路212,213,240を通じて第2制御室26内に流入する。そのため、第1制御室28の容積が減少する。この第1制御室28の容積の減少に基づきノズルニードル27が上方に更に変位する。すなわち、ノズルニードル27が開弁方向に更にリフト動作するため、噴射孔32から噴射される燃料量が増加する。このように、直動ピストンアッパ21及び直動ピストンロア24は、アクチュエータ2の伸張に基づいてノズルニードル27をリフト動作させる油圧力を発生させる。図5に示される状態では、燃料噴射装置FIは、アクチュエータ2の駆動力を第1制御室28の油圧力を介してノズルニードル27に伝達することによりノズルニードル27を開弁方向にリフト動作させる直動駆動で動作する。
なお、図5に示されるように、軸線m1に直交する第1制御室28の断面積を「S11」とし、軸線m1に直交する第2制御室26の断面積を「S12」とすると、直動ピストンロア24の変位量が「L10」である場合、ノズルニードル27のリフト量は「L10×(S12/S11)」となる。ここで、本実施形態の燃料噴射装置FIでは、第1制御室28の断面積S11よりも、第2制御室26の断面積S12の方が大きく設定されているため、「S12/S11」が「1」よりも大きい値となる。すなわち、ノズルニードル27のリフト量を、直動ピストンロア24の変位L10よりも大きくすることができる。本実施形態の燃料噴射装置FIでは、このような構造により、直動ピストンロア24の変位量よりもノズルニードル27の変位量を大きくすることの可能な変位拡大機構が構成されている。
その後、ECU460からEDU461に対して閉弁指令が送信されると、アクチュエータ2が収縮する。アクチュエータ2の収縮により大径ピストン5、小径ピストン8、駆動伝達部材9が上方に変位することにより、制御弁アッパ10が図2に示される状態に戻る。これにより、高圧燃料通路3を流れる高圧の燃料が、制御弁ロア16の連通路161、制御弁アッパ収容室13、制御弁ロア16の連通路18、ピストン収容室19、及び直動ピストン21,24の連通路212,213,240を通じて第1制御室28及び第2制御室26に流入する。よって、第1制御室28及び第2制御室26に高圧の燃料が充填される。これにより、第1制御室28内の燃料圧力によりノズルニードル27が下方に押圧されて噴射孔32を閉塞する。すなわち、燃料噴射装置FIは閉弁状態になる。
次に、本実施形態の燃料噴射装置FIの作用及び効果について説明する。
本実施形態の燃料噴射装置FIでは、図6(A)に示されるように、時刻t10でアクチュエータ2の伸張が開始されたとすると、図6(B)に示されるように、時刻t10から制御弁アッパ10が開弁方向に変位する。これにより、図6(C)に示されるように、第1制御室28内の燃料圧力が低下するため、図6(D)に示されるように、ノズルニードル27のリフト量が増加する。この際、ノズルニードル27は、第1制御室28内の燃料圧力の変化に基づいて緩やかにリフト動作する。すなわち、燃料噴射装置FIは油圧サーボ駆動で動作する。燃料噴射装置FIは、時刻t10から時刻t11までの期間、油圧サーボ駆動を継続する。時刻t11は、制御弁ロア16の突出部160が直動ピストンアッパ21の上面に当接することにより直動ピストンアッパ21の連通路212が閉塞される時刻に相当する。
時刻t11で制御弁ロア16の突出部160が直動ピストンアッパ21の連通路212を閉塞すると、第1制御室28からの燃料の流出が抑制されるため、図6(C)に示されるように、第1制御室28内の燃料圧力が維持される。これにより、アクチュエータ2の駆動力が制御室26,28の油圧力を介してノズルニードル27に伝達されることによりノズルニードル27が開弁方向にリフト動作ようになる。すなわち、燃料噴射装置FIは直動駆動で動作する。これにより、図6(A),(D)に示されるように、アクチュエータ2の伸張量とノズルニードル27のリフト量とが対応するようになる。燃料噴射装置FIが直動駆動で動作している場合、図6(D)に示されるように、油圧サーボ駆動で動作している場合と比較すると、より速くノズルニードル27がリフト動作する。
図6(A)~(D)に示されるように、時刻t11以降、第1制御室28内の燃料圧力が維持されたまま、アクチュエータ2が伸張及び停止を繰り返すことにより、ノズルニードル27のリフト量が調整される。そして、時刻t12以降、アクチュエータ2が収縮することにより、制御弁アッパ10及びノズルニードル27が元の位置に戻るとともに、第1制御室28内の燃料圧力が元の圧力に戻る。
ここで、従来の燃料噴射装置の構造、すなわちアクチュエータの駆動力を制御室の油圧力を介してノズルニードルに伝達させる際に制御室内の燃料圧力が低下する構造の場合、図6(C)に二点鎖線で示されるように、時刻t11以降、制御室の燃料圧力が徐々に低下する。したがって、図6(D)に二点鎖線で示されるように、制御室の燃料圧力の低下に基づいてノズルニードル27がリフト動作するため、ノズルニードル27の開弁量を制御し難くなる。
これに対し、本実施形態の燃料噴射装置FIでは、直動駆動で動作する際に、すなわちノズルニードル27をリフト動作させる油圧力をアクチュエータ2の伸張に基づいて直動ピストン21,24により発生させる際に制御室26,28の油圧力が維持されるため、アクチュエータ2の伸張量とノズルニードル27のリフト量との対応関係をより的確に維持することができる。よって、より高い精度でノズルニードル27の開弁量を制御することが可能となる。
(第1変形例)
次に、第1実施形態の燃料噴射装置FIの第1変形例について説明する。
図7に示されるように、本変形例の燃料噴射装置FIは、第1実施形態の制御弁ロア16に代えて、制御弁ミドル100及び制御弁ロア101を備えている。制御弁ミドル100は、第1実施形態の制御弁ロア16と略同一の構造を有している。ただし、制御弁ミドル100は、その底面に溝状の着座部130を有している点で第1実施形態の制御弁ロア16と異なる。着座部130は、上方に向かうほど幅が狭くなるように略円錐状に形成されている。
制御弁ロア101の上部140は、球面状に形成されている。制御弁ロア101には、フランジ部141が形成されている。フランジ部141と直動ピストンアッパ21の上面との間には、スプリング20が圧縮された状態で収容されている。このスプリング20により、制御弁ロア101が制御弁ミドル100の着座部130に向かって付勢されており、制御弁ロア101の球面状の上部140が着座部130に当接している。
本変形例の燃料噴射装置FIによれば、アクチュエータ2の伸張に基づき制御弁アッパ10が下方に変位して制御弁ミドル100の上面に当接した後、制御弁アッパ10が更に下方に変位すると、制御弁ミドル100が制御弁アッパ10により押圧される。これにより、制御弁ミドル100及び制御弁ロア101が一体となって下方に変位するため、制御弁ロア101の突出部160に当接する。この際、制御弁ロア101が制御弁ミドル100に対して相対変位することにより、より確実に制御弁ロア101の突出部160の底面が直動ピストンアッパ21の上面に面接触するようになる。そのため、直動ピストンアッパ21の上面に対する制御弁ロア101の突出部160のシール性を向上させることができる。これにより、より的確に制御室26,28の燃料圧力の低下を抑制することができるため、結果的により高い精度でノズルニードル27の開弁量を制御することが可能となる。
(第2変形例)
次に、第1実施形態の燃料噴射装置FIの第2変形例について説明する。
図8に示されるように、本変形例の燃料噴射装置FIでは、制御弁ロア101の突出部160が球面状に形成されている。直動ピストンアッパ21の上面には、略円錐状の溝からなる着座部214が形成されている。
本変形例の燃料噴射装置FIでは、制御弁ロア101の突出部160が下方に変位した際に、突出部160の外面が着座部214の内壁面に接触するため、突出部160と着座部214との間のシール性を向上させることができる。これにより、より的確に制御室26,28の燃料圧力の低下を抑制することができるため、結果的により高い精度でノズルニードル27の開弁量を制御することが可能となる。
(第3変形例)
次に、第1実施形態の燃料噴射装置FIの第3変形例について説明する。なお、以下では、ピストンプレート23を「ピストンプレートアッパ23」と称する。
第1実施形態の燃料噴射装置FIでは、ピストン収容室19内の燃料圧力が低下した際に、ピストン収容室19内の燃料圧力と第1制御室28内の燃料圧力との差に応じた油圧力が直動ピストン21,24に加わる。したがって、直動ピストン21,24を下方に変位させるためには、上記油圧力よりも大きな力をアクチュエータ2が直動ピストン21,24に付与する必要があるため、アクチュエータ2の駆動負荷が大きくなる。本変形例の燃料噴射装置FIでは、直動ピストン21,24に加わる油圧力を小さくすることにより、アクチュエータ2の駆動負荷を小さくしている。
具体的には、図9に示されるように、本実施形態の燃料噴射装置FIでは、直動ピストンアッパ21の小径部210が管状に形成されている。よって、直動ピストンアッパ21の小径部210の外径はピストン収容孔230の内径と比較して極めて小さい。
ピストンプレートアッパ23とノズルボディ31との間には、ピストンプレートロア47が配置されている。ピストンプレートロア47には、直動ピストンアッパ21の小径部210が挿通される挿通孔470が形成されている。また、ピストンプレートロア47には、ピストンプレート23の燃料通路232をニードル収容孔310に連通させるための燃料通路471が形成されている。この燃料通路471は高圧燃料通路3の一部を構成している。
直動ピストンアッパ21の大径部211の上面は、ピストンプレートロア47の底面に接触している。直動ピストンロア24には、その内部に形成された連通路240と第2制御室26とを連通させる連通路241が形成されている。
本変形例の燃料噴射装置FIでは、制御弁ロア101が下方に変位して直動ピストンアッパ21の小径部210の上面に接触した後、制御弁ロア101により直動ピストンアッパ21の小径部210が下方に押圧されることにより、直動ピストンアッパ21が下方に変位する。この際、直動ピストンアッパ21の小径部210の外径が極めて小さければ、ピストン収容室19内の燃料圧力が低圧になった際に、直動ピストンアッパ21においてピストン収容室19内の低圧の燃料圧力が作用する面積を小さくすることができる。また、直動ピストンアッパ21の上面がピストンプレートロア47の底面から離間した際に、第2制御室26内の燃料圧力が直動ピストンアッパ21の上面に加わる。これにより、直動ピストンアッパ21及び直動ピストンロア24に加わる油圧力を小さくすることができるため、結果的にアクチュエータ2の駆動負荷を軽減することができる。
<第2実施形態>
次に、燃料噴射装置FIの第2実施形態について説明する。以下、第1実施形態の燃料噴射装置FIとの相違点を中心に説明する。なお、以下では、ピストンプレート23を「ピストンプレートアッパ23」と称する。また、制御室プレート15を「制御室プレートアッパ15」と称する。
図10に示されるように、ピストンプレートアッパ23とノズルボディ31との間にはピストンプレートロア48が配置されている。また、ピストンプレートアッパ23と制御室プレートアッパ15との間には制御室プレートロア51が配置されている。本実施形態では、インジェクタボディ1、制御室プレートアッパ15、ピストンプレートアッパ23、ノズルボディ31、ピストンプレートロア48、及び制御室プレートロア51により本体が構成されている。
ピストンプレートロア48には、燃料通路487が形成されている。燃料通路487は、ピストンプレート23の燃料通路232をノズルボディ31の連通路314を通じてニードル収容孔310に連通させている。したがって、燃料通路487は高圧燃料通路3の一部を構成している。ピストンプレートロア48には、ピストン収容孔480と、制御弁収容孔481とが形成されている。
ピストン収容孔480は、軸線m1に沿ってピストンプレートロア48の底面からその上面に貫通するように形成されている。ピストン収容孔480の内部には、円柱状の直動ピストンロア24が収容されている。直動ピストンロア24は、ピストン収容孔480の内壁面に摺動可能に接することにより、軸線m1に沿った方向に往復動可能に支持されている。直動ピストンロア24の両端面は、平面状に形成されている。
制御弁収容孔481は、軸線m3に沿ってピストンプレートロア48の底面から上方に延びるように形成されている。軸線m3に直交する制御弁収容孔481の断面形状は凹字状をなしている。軸線m3は、軸線m2に対して軸線m1が位置する方向とは反対側にずれて位置している。制御弁収容孔481の内部空間は、制御弁ロア16を収容するための制御弁ロア収容室485を構成している。制御弁ロア16は、制御弁収容孔481の内部に収容されたスプリング20により制御弁収容孔481の上壁面に向かって付勢されている。これにより、制御弁ロア16は、制御弁収容孔481の上壁面に形成された断面略円錐状の溝からなる着座部484に着座した状態、すなわち閉弁状態になっている。本実施形態では、制御弁ロア16が第2制御弁に相当する。
制御弁ロア収容室485は、ノズルボディ31に形成された連通路312を通じて高圧燃料通路3に連通されている。したがって、制御弁ロア収容室485には、高圧燃料通路3から連通路312を通じて高圧の燃料が供給されている。
ピストンプレートロア48には、制御弁ロア収容室485の着座部484から軸線m3に沿ってピストンプレートロア48の上面に貫通する挿通孔482が形成されている。挿通孔482には、駆動伝達部材49が挿通されている。駆動伝達部材49の下端は、制御弁ロア16に接している。駆動伝達部材49の上端は、ピストンプレートアッパ23の制御弁ミドル収容室236内に収容された制御弁ミドル40に接している。駆動伝達部材49は、制御弁ミドル40が下方に変位した際に制御弁ロア16を下方に押圧することにより、制御弁ロア16を着座部484から離座させる、すなわち制御弁ロア16を開弁状態にする。
ピストンプレートロア48には、制御弁ロア収容室485の着座部484から軸線m3と交差する方向に延びてピストンプレートロア48の上面に貫通する連通路483が形成されている。連通路483は、制御弁ロア収容室485と、ピストンプレートアッパ23に形成された連通路231とを連通させている。連通路483には、制御室オリフィス22が設けられている。
ノズルボディ31の上面には、ピストンプレートロア48のピストン収容孔480に連通される溝313が形成されている。溝313の内壁面、ノズルニードル27の上部、及び直動ピストンロア24の底面により囲まれる空間により第1油密室43が構成されている。
ピストンプレートアッパ23には、第1ピストン収容孔230と、第2ピストン収容孔233とが形成されている。
第1ピストン収容孔230は、軸線m1を中心に延びるように形成されている。第1ピストン収容孔230は、ピストンプレートアッパ23の底面からその上面に貫通するように形成されている。第1ピストン収容孔230の下端部は、ピストンプレートロア48のピストン収容孔480に連通されている。
第1ピストン収容孔230には、直動ピストンアッパ21と、直動ピストンミドル39とが収容されている。直動ピストンミドル39は、直動ピストンアッパ21の下方に配置されている。直動ピストンアッパ21及び直動ピストンミドル39は、軸線m1を中心に円柱状に形成されている。直動ピストンアッパ21の外径は直動ピストンミドル39の外径よりも小さい。直動ピストンアッパ21及び直動ピストンミドル39は、第1ピストン収容孔230の内壁面に摺動可能に接することにより、軸線m1に沿った方向に往復動可能に支持されている。
直動ピストンミドル39の下端部は、球面状に形成されている。直動ピストンミドル39の下端部は、直動ピストンロア24の上端部に接している。直動ピストンミドル39の上端部は、平面状に形成されている。直動ピストンミドル39の上端部は、直動ピストンアッパ21の下端部に接している。直動ピストンアッパ21の下端部は、球面状に形成されている。直動ピストンミドル39の上面、直動ピストンアッパ21の底面、及び第1ピストン収容孔230により囲まれる空間によって制御室28が構成されている。
直動ピストンアッパ21の上方には、ピストン収容室19が形成されている。ピストン収容室19は、直動ピストンアッパ21の上面、第1ピストン収容孔230の内壁面、及び制御室プレートロア51の底面により囲まれる空間からなる。ピストン収容室19には、スプリング30が圧縮された状態で収容されている。このスプリング30の付勢力によって直動ピストンアッパ21が下方に押圧されることにより、直動ピストンアッパ21、直動ピストンミドル39、直動ピストンロア24、及びノズルニードル27が互いに接した状態が保持されている。
ピストン収容室19は、直動ピストンミドル39に形成された連通路234を通じてピストンプレート23の燃料通路232に連通されている。したがって、ピストン収容室19には、高圧燃料通路3から連通路234を通じて高圧の燃料が供給されている。
第2ピストン収容孔233は、軸線m3を中心に延びるように形成されている。第2ピストン収容孔233は、ピストンプレートアッパ23の底面から上面に貫通するように形成されている。第2ピストン収容孔233には、制御ピストン37と、制御弁ミドル40とが収容されている。
制御ピストン37は、軸線m3を中心に円柱状に形成されている。制御ピストン37は、第2ピストン収容孔233の内壁面に摺動可能に接することにより、軸線m3に沿った方向に往復動可能に支持されている。制御弁ミドル40は、制御ピストン37の底面、第2ピストン収容孔233の内壁面、及びピストンプレートロア48の上面により囲まれる空間に収容されている。以下では、制御弁ミドル40が収容されている空間を制御弁ミドル収容室236とも称する。
制御弁ミドル40は、制御ピストン37の底面に形成された略円錐状の溝からなる着座部370に対向するように配置されている。制御ピストン37と制御弁ミドル40との間にはスプリング41が圧縮された状態で収容されている。このスプリング41の付勢力により、制御弁ミドル40は、着座部370から離座した状態で、すなわち開弁状態で保持されている。
制御ピストン37には、その底面から上面に貫通する連通路373が形成されている。この連通路373により、制御弁ミドル収容室236が制御室プレートロア51の制御弁アッパ収容室13に連通されている。
制御ピストン37の外周面には、断面凹字状の連通溝371,372が形成されている。連通溝371は、制御ピストン37の内部に形成された連通路375を通じて着座部370に連通されている。また、連通溝371は、ピストンプレート23に形成された連通路235を通じて制御室28に連通されている。したがって、制御弁ミドル収容室236と制御室28との間で燃料が流通することが可能となっている。また、連通溝371は、ピストンプレートアッパ23の連通路231及びピストンプレートロア48の連通路483を通じて制御弁ロア収容室485に連通されている。
連通溝372は、制御ピストン37の内部に形成された連通路374を通じて制御室プレートロア51の制御弁アッパ収容室13に連通されている。また、連通溝372は、ピストンプレート23に形成された連通路237を通じてピストン収容室19に連通されている。したがって、高圧燃料通路3を流れる高圧の燃料は、ピストンプレート23の連通路234、ピストン収容室19、ピストンプレート23の連通路237、制御ピストン37の連通溝372、及び連通路374を通じて制御弁アッパ収容室13に流入可能となっている。連通路374には、インオリフィス17が形成されている。
制御室プレートロア51には、制御室プレートアッパ15の燃料通路159とピストンプレート23の燃料通路232とを連通させる燃料通路510が形成されている。燃料通路510は、高圧燃料通路3の一部を構成している。また、制御室プレートロア51には、制御弁収容孔150と、ピストン収容孔152とが形成されている。
制御弁収容孔150は、軸線m2に沿って制御室プレートロア51の底面から上方に延びるように形成されている。軸線m2に直交する制御弁収容孔150の断面形状は凹字状をなしている。制御弁収容孔150の内部空間は、制御弁アッパ10を収容するための制御弁アッパ収容室13を構成している。制御弁アッパ10と制御ピストン37との間には、スプリング14が圧縮された状態で配置されている。このスプリング14の付勢力により、制御弁アッパ10は、制御弁収容孔150の上壁面に形成された断面略円錐状の溝からなる着座部153に着座した状態で、すなわち閉弁状態で保持されている。制御弁アッパ10の突出部120は、制御ピストン37の上面に形成された連通路374の開口部に対向して配置されている。すなわち、制御弁アッパ10が開弁して突出部120が制御ピストン37の上面に当接することにより、連通路374が閉塞される。本実施形態では、制御弁アッパ10が第1制御弁に相当する。
ピストン収容孔152は、軸線m2に沿って制御室プレートロア51の上面から下方に向かって延びるように形成されている。軸線m2に直交するピストン収容孔152の断面形状は凹字状をなしている。ピストン収容孔152の内部空間は、円柱状のバルブピストン42を収容するためのピストン収容室154を構成している。バルブピストン42は、ピストン収容孔152の内壁面に摺動可能に接することにより、軸線m3に沿った方向に摺動可能に支持されている。
制御室プレートロア51には、制御弁収容孔150の上壁面に形成された着座部153からピストン収容孔152の底面に貫通する挿通孔155が形成されている。したがって、制御弁アッパ収容室13及びピストン収容室154は、挿通孔155を通じて連通されている。
挿通孔155には、駆動伝達部材50が挿通されている。駆動伝達部材50の上端部はバルブピストン42に接している。駆動伝達部材50の下端部は制御弁アッパ10に接している。駆動伝達部材50は、バルブピストン42が下方に変位した際に制御弁アッパ10を下方に押圧することにより、制御弁アッパ10を着座部153から離座させる、すなわち制御弁アッパ10を開弁状態にする。
制御室プレートロア51には、制御弁アッパ収容室13を制御室プレートアッパ15の低圧ポート11に連通させる連通路156が形成されている。連通路156には、アウトオリフィス12が設けられている。
制御室プレートロア51の上面には、制御室プレートアッパ15の挿通孔151に連通される溝157が形成されている。溝157の底面には、ピストン収容孔152の上端部が開口している。このピストン収容孔152を通じて、バルブピストン42の上面が溝157の内部に露出している。制御室プレートアッパ15の挿通孔151の内壁面、挿通孔151に挿通される駆動伝達部材9の底面、溝157の内壁面、及びバルブピストン42の上面により囲まれる空間により第2油密室44が構成されている。
第2油密室44は、制御室プレートロア51に形成された連通路158、ピストンプレートアッパ23に形成された連通路238、及びピストンプレートロア48に形成された連通路486を通じてノズルボディ31の第1油密室43に連通されている。第1油密室43及び第2油密室44は、高圧燃料通路3及び低圧室35に連通されていない閉空間からなる。第1油密室43及び第2油密室44には、燃料が充填されている。
なお、ピストンプレートロア48のピストン収容孔480の内壁面、直動ピストンロア24の上面、及び直動ピストンミドル39の底面により囲まれる空間も第1油密室43及び第2油密室44に連通されている。
次に、本実施形態の燃料噴射装置FIの動作例について説明する。
ECU460からEDU461に対して閉弁指令が送信されている場合、アクチュエータ2は収縮状態になっている。この場合、図10に示されるように、制御弁アッパ10が制御弁アッパ収容室13の着座部153に着座した閉弁状態になっている。制御弁アッパ10が閉弁状態である場合、低圧ポート11を介した制御弁アッパ収容室13と低圧室35との連通が遮断されている。
また、制御弁アッパ10の突出部120が制御ピストン37の上面から離間しているため、制御弁アッパ収容室13は、制御ピストン37の連通路374、連通溝372、ピストンプレート23の連通路237、ピストン収容室19、及びピストンプレート23の連通路234を通じて高圧燃料通路3に連通されている。そのため、制御弁アッパ収容室13には高圧の燃料が供給されている。この制御弁アッパ収容室13内の高圧の燃料は、制御ピストン37の連通路373、制御弁ミドル収容室236、制御ピストン37の連通路375、連通溝371、ピストンプレート23の連通路235を通じて制御室28に供給されている。したがって、制御室28には、高圧の燃料が充填されている。制御室28内の燃料圧力により直動ピストンミドル39及び直動ピストンロア24を介してノズルニードル27が下方に押圧されることによりノズルニードル27が噴射孔32を閉塞している。すなわち、燃料噴射装置FIは閉弁状態になっている。
この状態でECU460からEDU461に対して開弁指令が送信されると、アクチュエータ2が伸張する。アクチュエータ2の伸張により駆動伝達部材9が下方に変位すると、図11に示されるように、第2油密室44の油圧力によりバルブピストン42が下方に押圧される。これにより、制御弁アッパ10は、制御弁アッパ収容室13の着座部153から離座した開弁状態になる。また、制御弁アッパ10の突出部120が制御ピストン37の上面に当接するため、制御ピストン37の連通路374が閉塞される。すなわち、高圧燃料通路3から制御弁アッパ収容室13への高圧燃料の流入が遮断される。
制御弁アッパ10が開弁状態になることにより、制御弁アッパ収容室13内の高圧の燃料がアウトオリフィス12によって減圧されつつ低圧ポート11を通じて低圧室35に流入するため、制御弁アッパ収容室13内の燃料圧力が低下する。これに伴い、制御弁ミドル収容室236内の燃料が制御ピストン37の連通路373を通じて制御弁アッパ収容室13内に流入することにより、制御弁ミドル収容室236内の燃料圧力が低下する。さらに、制御室28内の燃料がピストンプレート23の連通路235、制御ピストン37の連通溝371、及び連通路375を通じて制御弁ミドル収容室236に流入することにより、制御室28内の燃料圧力が低下する。これにより、制御室28内の燃料圧力によりノズルニードル27に付与されている閉弁方向の力が減少するため、ノズルニードル27が上方に変位する。よって、噴射孔32が開放されるため、噴射孔32から高圧の燃料が噴射される。すなわち、燃料噴射装置FIが開弁状態になる。図11に示される状態では、燃料噴射装置FIは、第1制御室28内の燃料圧力の低下に基づいてノズルニードル27を開弁方向にリフト動作させる油圧サーボ駆動で動作する。
図11に示される状態から更にアクチュエータ2に電圧が印加され続けることによりアクチュエータ2が伸張して駆動伝達部材9が更に下方に変位すると、図12に示されるように、第2油密室44の油圧力によりバルブピストン42が更に下方に押圧される。このバルブピストン42に加わる押圧力が駆動伝達部材50及び制御弁アッパ10を介して制御ピストン37に加わることにより、制御ピストン37が下方に変位する。これにより、制御ピストン37の着座部370に制御弁ミドル40が当接することにより、制御ピストン37が閉弁状態になる。そのため、制御室28から制御弁ミドル収容室236への燃料の流出が停止される。
また、制御ピストン37に加わる押圧力が制御弁ミドル40及び駆動伝達部材49を介して制御弁ロア16に加わることにより、制御弁ロア16がピストンプレートロア48の着座部484から離座する。すなわち、制御弁ロア16が開弁状態になる。これにより、高圧燃料通路3を流れる高圧の燃料がノズルボディ31の連通路312、制御弁ロア収容室485、ピストンプレートロア48の連通路483、ピストンプレートアッパ23の連通路231、制御ピストン37の連通溝371、ピストンプレートアッパ23の連通路235を通じて制御室28に流入する。したがって、制御室28は、高圧の燃料が充填された状態になる。
一方、駆動伝達部材9が下方に変位するほど、第2油密室44内の容積が減少するとともに、減少した容積分の燃料が第1油密室43内に流入する。この第1油密室43に流入する燃料により、直動ピストンロア24が上方に押し上げられるため、ノズルニードル27が更に上方に変位する。すなわち、ノズルニードル27が開弁方向に更にリフト動作するため、噴射孔32から噴射される燃料量が増加する。図12に示される状態では、燃料噴射装置FIは、アクチュエータ2の駆動力を第1油密室43及び第2油密室44の油圧力を介してノズルニードル27に直接伝達することによりノズルニードル27を開弁方向に変位させる直動駆動で動作する。
なお、図12に示されるように、軸線m1に直交する第1油密室43の断面積を「S21」とし、軸線m1に直交する第2油密室44の断面積を「S22」とすると、駆動伝達部材9の変位量が「L20」である場合、ノズルニードル27のリフト量は「L20×(S22/S21)」となる。ここで、本実施形態の燃料噴射装置FIでは、第1油密室43の断面積S21よりも、第2油密室44の断面積S22の方が大きく設定されているため、「S22/S21」が「1」よりも大きい値になる。すなわち、ノズルニードル27のリフト量を、駆動伝達部材9の変位L20よりも大きくすることができる。本実施形態の燃料噴射装置FIでは、このような構造により、駆動伝達部材9の変位量よりもノズルニードル27の変位量を大きくすることの可能な変位拡大機構が構成されている。
その後、ECU460からEDU461に対して閉弁指令が送信されると、アクチュエータ2が収縮する。このアクチュエータ2の収縮により駆動伝達部材9が上方に変位することにより、制御弁アッパ10が図10に示される状態に戻る。このとき、第2油密室44の容積が増加するため、第1油密室43内の燃料が第2油密室44に流れることにより、第1油密室43の容積が減少する。これにより、ノズルニードル27が下方に変位して噴射孔32を閉塞する。すなわち、燃料噴射装置FIは閉弁状態になる。
このように、本実施形態の燃料噴射装置FIでは、直動駆動で動作する際に、すなわちノズルニードル27をリフト動作させる油圧力をアクチュエータ2の伸張に基づいて直動ピストン21,24,39により発生させる際に制御室28の油圧力が維持されるため、アクチュエータ2の伸張量とノズルニードル27のリフト量との対応関係をより的確に維持することができる。よって、より高い精度でノズルニードル27の開弁量を制御することが可能となる。
なお、本実施形態の燃料噴射装置FIでは、制御弁アッパ10を開弁状態にするためにアクチュエータ2への充電を開始する第1充電モード開始時期から、制御弁ロア16を開弁状態にするためにアクチュエータ2への充電を開始する第2充電モード開始時期までの時間が第1設定時間として設定されている。また、制御弁アッパ10を開弁状態にした後に制御室28内の燃料圧力がノズルニードル27の開弁圧まで低下するまでの時間が第2設定時間として設定されている。そして、第1設定時間が第2設定時間よりも長い時間に設定されている。これにより、制御室28内の燃料圧力の低下によりノズルニードル27をリフト動作させた後、燃料噴射装置FIが直動駆動を開始するまでの間に、制御室28内の燃料圧力を高圧状態に回復させることができる。よって、制御室28が高圧状態である状態をより確実に実現しつつ燃料噴射装置FIの直動駆動を開始することができるため、より高い精度でノズルニードルの開弁量を制御することが可能となる。
<他の実施形態>
本開示は上記の具体例に限定されるものではない。上記の具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素、及びその配置、条件、形状等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
FI:燃料噴射装置
1:インジェクタボディ(本体)
2:アクチュエータ
3:高圧燃料通路
10:制御弁アッパ(制御弁、第1制御弁)
15:制御室プレート、制御室プレートアッパ(本体)
16:制御弁ロア(第2制御弁)
21:直動ピストンアッパ(直動ピストン)
23:ピストンプレート、ピストンプレートアッパ(本体)
24:直動ピストンロア(直動ピストン)
26:第2制御室
27:ノズルニードル
28:第1制御室、制御室
31:ノズルボディ(本体)
32:噴射孔
35:低圧室
39:直動ピストンミドル(直動ピストン)
43:第1油密室
44:第2油密室
48:ピストンプレートロア(本体)
51:制御室プレートロア(本体)
212:連通路
373:連通路

Claims (6)

  1. 高圧の燃料が流通する高圧燃料通路(3)、前記高圧燃料通路を流れる燃料よりも低圧の燃料が流通する低圧室(35)、及び前記高圧燃料通路を流通する燃料を噴射する噴射孔(32)を有する本体(1,15,23,31,48,51)と、
    前記本体の内部に往復動可能に収容され、前記噴射孔を開閉するノズルニードル(27)と、
    前記ノズルニードルに閉弁方向の圧力を付与する高圧の燃料が充填される制御室(28)と、
    アクチュエータ(2)が収縮状態である場合に前記制御室及び前記低圧室の連通を遮断するとともに、前記アクチュエータの伸張に基づいて変位することにより前記制御室及び前記低圧室を連通させる制御弁(10,16)と、
    前記アクチュエータの伸張に基づいて、前記ノズルニードルをリフト動作させる油圧力を発生させる直動ピストン(21,24,39)と、を備え、
    前記制御弁は、前記ノズルニードルをリフト動作させる油圧力を前記直動ピストンにより発生させる際に、前記制御室及び前記低圧室を連通させる連通路(212,373)を閉塞する
    燃料噴射装置。
  2. 前記制御室を第1制御室とするとき、
    前記第1制御室に連通され、且つ前記直動ピストンの変位に基づき容積の変化する第2制御室(26)を更に備え、
    前記ノズルニードルの中心軸に直交する前記第2制御室の断面積が、前記ノズルニードルの中心軸に直交する前記第1制御室の断面積よりも大きい
    請求項1に記載の燃料噴射装置。
  3. 前記直動ピストンは、前記制御弁により直接押圧されることにより、前記ノズルニードルをリフト動作させる油圧力を発生させるものであり、
    前記制御弁は、前記直動ピストンを押圧するのと同時に前記連通路を閉塞する
    請求項1又は2に記載の燃料噴射装置。
  4. 作動油が充填され、前記直動ピストンの変位に基づいて容積の変化する第1油密室(43)と、
    前記アクチュエータの伸張に基づいて変位する駆動伝達部材と、
    前記第1油密室に連通され、前記駆動伝達部材の変位に基づいて容積の変化する第2油密室(44)と、を備え、
    前記ノズルニードルの中心軸に直交する第2油密室の断面積が、前記ノズルニードルの中心軸に直交する前記第1油密室の断面積よりも大きい
    請求項1に記載の燃料噴射装置。
  5. 前記制御弁には、
    前記アクチュエータが収縮状態である場合に前記制御室及び前記低圧室の連通を遮断する閉弁状態であるとともに、前記アクチュエータの伸張に基づいて開弁することにより前記制御室及び前記低圧室を連通させる第1制御弁(10)と、
    前記アクチュエータが収縮状態である場合に前記制御室及び前記高圧燃料通路の連通を遮断する閉弁状態である第2制御弁(16)と、が含まれ、
    前記第2制御弁は、前記第1制御弁が開弁方向に変位することに基づいて開弁することにより前記制御室及び前記高圧燃料通路を連通させる
    請求項4に記載の燃料噴射装置。
  6. 前記第1制御弁を開弁状態にするために前記アクチュエータへの充電を開始する第1充電モード開始時期から、前記第2制御弁を開弁状態にするために前記アクチュエータへの充電を開始する第2充電モード開始時期まで時間を第1設定時間とし、
    前記第1制御弁を開弁状態にした後に前記制御室内の燃料圧力が前記ノズルニードルの開弁圧まで低下するまでの時間を第2設定時間とするとき、
    前記第1設定時間が前記第2設定時間よりも長い時間に設定されている
    請求項5に記載の燃料噴射装置。
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