JP4297879B2 - インジェクタ - Google Patents

インジェクタ Download PDF

Info

Publication number
JP4297879B2
JP4297879B2 JP2005049318A JP2005049318A JP4297879B2 JP 4297879 B2 JP4297879 B2 JP 4297879B2 JP 2005049318 A JP2005049318 A JP 2005049318A JP 2005049318 A JP2005049318 A JP 2005049318A JP 4297879 B2 JP4297879 B2 JP 4297879B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
piston
needle
chamber
control
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005049318A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006233853A (ja
Inventor
文明 有川
正孝 錦織
修 菱沼
修一 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Soken Inc
Original Assignee
Denso Corp
Nippon Soken Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp, Nippon Soken Inc filed Critical Denso Corp
Priority to JP2005049318A priority Critical patent/JP4297879B2/ja
Priority to DE200610000078 priority patent/DE102006000078A1/de
Publication of JP2006233853A publication Critical patent/JP2006233853A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4297879B2 publication Critical patent/JP4297879B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
    • F02M63/00Other fuel-injection apparatus having pertinent characteristics not provided for in groups F02M39/00 - F02M57/00 or F02M67/00; Details, component parts, or accessories of fuel-injection apparatus, not provided for in, or of interest apart from, the apparatus of groups F02M39/00 - F02M61/00 or F02M67/00; Combination of fuel pump with other devices, e.g. lubricating oil pump
    • F02M63/0012Valves
    • F02M63/0014Valves characterised by the valve actuating means
    • F02M63/0015Valves characterised by the valve actuating means electrical, e.g. using solenoid
    • F02M63/0026Valves characterised by the valve actuating means electrical, e.g. using solenoid using piezoelectric or magnetostrictive actuators
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
    • F02M47/00Fuel-injection apparatus operated cyclically with fuel-injection valves actuated by fluid pressure
    • F02M47/02Fuel-injection apparatus operated cyclically with fuel-injection valves actuated by fluid pressure of accumulator-injector type, i.e. having fuel pressure of accumulator tending to open, and fuel pressure in other chamber tending to close, injection valves and having means for periodically releasing that closing pressure
    • F02M47/027Electrically actuated valves draining the chamber to release the closing pressure

Description

本発明は、内燃機関に高圧燃料を噴射するインジェクタに関する。
ピエゾアクチュエータを用いたインジェクタの従来技術として、例えば、特許文献1がある。この特許文献1に開示されたインジェクタは、図6に示す様に、ニードル100の上部に連結されたニードルピン110を有し、このニードルピン110の上側には、高圧通路120に通じる上部室130が形成され、この上部室130に高圧燃料が導入されている。一方、ニードルピン110の下側には、高圧燃料に満たされた下部室140が形成され、この下部室140が連通路150を介して油圧室160に連通している。
上記の構成において、図示しないピエゾアクチュエータに通電されると、ピエゾアクチュエータに連結されたピエゾピストン170が押し下げられて、油圧室160の燃料が加圧されるため、下部室140の燃料圧力が上昇してニードル100を押し上げる開弁力が大きくなり、その開弁力がニードル100を押し下げる閉弁力を上回った時点で、ニードル100が押し上げられて開弁する。
米国特許第6520423号明細書
ところが、上記のインジェクタは、油圧室160の高圧がピエゾピストン170を介して常時ピエゾアクチュエータに作用しているため、ピエゾアクチュエータが高圧に耐えきれず、圧縮破壊することがある。
また、上記の対応策として、ピエゾピストン170の断面積をピエゾアクチュエータの断面積より小さくして、ピエゾアクチュエータに作用する力を小さくする方法が考えられる。しかしながら、この方法では、油圧室160の作動油の圧縮性によって伝達ロスが大きくなり、ニードル100のリフト量が低下するため、圧送量を増加させるためには、大きなピエゾアクチュエータが必要となる。
上記の結果から、ピエゾアクチュエータが破損したり、ピエゾアクチュエータの大型化に伴い、インジェクタの体格が大きくなる問題があった。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、アクチュエータを小型化して、インジェクタの体格を小さくすることにある。
(請求項1の発明)
本発明は、燃料を噴射するための噴孔を有するボディと、このボディの内部に挿入されるニードルピストンを有し、このニードルピストンと一体にボディの内部を往復動可能に設けられた弁ユニットと、この弁ユニットを閉弁方向に付勢するスプリングと、ニードルピストンの一端側に低圧が導入される低圧室と、ニードルピストンの他端側に低圧の制御油圧が導入される制御室と、この制御室とボディの内部に形成される低圧空間とを連通する連通路と、この連通路に設けられ、制御室の制御油圧が連通路を通って低圧空間へ流出することを防止する逆止弁と、制御室の制御油圧を制御する油圧制御手段とを備えるインジェクタであって、弁ユニットは、ニードルピストンの一端側に連結されるバランスピストンと、ニードルピストンの他端側に連結されるニードルとを有し、バランスピストンの一端面に高圧が作用して閉弁方向に付勢されると共に、バランスピストンの断面積が、ニードルの断面積より小さく設けられ、油圧制御手段は、ボディの内部に往復動可能に挿入される制御ピストンと、制御室に連通すると共に、制御ピストンの変位に応じて油圧が増減する油密室と、制御ピストンを駆動するピエゾアクチュエータとを備え、逆止弁は、制御ピストンに組み込まれていることを特徴とする。
上記の構成によれば、ニードルピストンの一端側と他端側にそれぞれ低圧が作用しているため、油圧制御手段に係る初期荷重を小さくできる。また、高圧が作用するバランスピストンの断面積をニードルの断面積より小さくしているので、弁ユニットに働く閉弁力を低減できる。これにより、ニードルを開弁させる際に、制御室の制御油圧を加圧するために必要な加圧力を小さくできるので、油圧制御手段を小型化でき、延いてはインジェクタの体格を小さくできる。
また、制御ピストンを駆動する手段としてピエゾアクチュエータを用いることで、制御指令に対して応答性に優れたインジェクタを提供できると共に、バランスピストンの断面積をニードルの断面積より小さくして、弁ユニットに働く閉弁力を小さくすることで、ピエゾアクチュエータを小型化でき、延いてはインジェクタの体格を小さくできる。
さらに、制御室には、作動油である燃料が満たされているが、その制御室の燃料が、ニードルピストンとボディとの摺動隙間からリークする恐れがある。これに対し、制御室と低圧空間とを連通する連通路に逆止弁を設けることにより、制御室の燃料がリークした場合に、逆止弁を開いて低圧空間から制御室に燃料を補充することができ、且つ、その逆止弁を制御ピストンに組み込むことで、逆止弁の配置スペースを新たに設ける必要がないので、インジェクタの小型化に寄与できる。
(請求項2の発明)
請求項1に記載したインジェクタにおいて、ニードルピストンの断面積をSa、バランスピストンの断面積をSb、ニードルの断面積をSn、ニードルが閉弁した時のシート内側の断面積をSs、制御室の制御油圧をPa、低圧室の低圧をPb、弁ユニットに作用する高圧をPc、スプリングの荷重をFbとした時に、
Figure 0004297879
バランスピストンの断面積Sbは、上記(数1)の範囲に設定されていることを特徴とする。バランスピストンの断面積Sbを小さくし過ぎると、弁ユニットの閉弁動作において、制御室の圧力が低圧室の圧力と同じレベルまで低下しても、ニードルに作用する上向きの燃料圧力が、弁ユニットに働く閉弁力を上回り、ニードルが閉弁しなくなる恐れがある。そこで、バランスピストンの断面積Sbを、上記(数1)式の範囲に設定することにより、ニードルが閉弁するために必要な閉弁力を確保できるため、小さな閉弁力でも確実に閉弁できる。
(請求項の発明)
請求項1または2に記載したインジェクタにおいて、低圧空間からボディの外部に通じる低圧通路を有すると共に、低圧空間の圧力を大気圧より高く保つための圧力調整弁が低圧通路に設けられていることを特徴とする。
この場合、圧力調整弁によって低圧空間の圧力を大気圧より高く保つことができるので、制御室の燃料がリークした場合に、低圧空間が大気に開放されている場合と比較して、低圧空間から制御室への燃料補充を早期に行うことができる。
(請求項の発明)
請求項1〜に記載した何れかのインジェクタにおいて、ボディには、制御室に通じるガイド孔が形成され、このガイド孔にニードルが摺動自在に挿入されており、ガイド孔の内周面に環状溝が凹設され、この環状溝がボディの内部に形成される低圧空間に連通していることを特徴とする。
本発明のインジェクタは、ニードルの先端側に高圧燃料が供給されているため、その高圧燃料が、ガイド孔とニードルとの摺動隙間を通って制御室に流入する恐れがある。
これに対し、ガイド孔の内周面に環状溝を設けて、その環状溝をボディの内部に形成される低圧空間に連通させることにより、ガイド孔とニードルとの摺動隙間に流れ込んだ高圧燃料を環状溝から低圧空間へリークさせることができる。その結果、高圧燃料が制御室に流入することを防止できる。
(請求項の発明)
請求項1〜に記載した何れかのインジェクタにおいて、ニードルピストンは、低圧室側が凹形状に設けられ、この凹形状の内側空間にバランスピストンおよびスプリングが収納されていることを特徴とする。
この構成によれば、ニードルピストンとバランスピストンおよびスプリングとを軸方向に突き合わせて配置する必要がないため、インジェクタの全長を短くできる。
本発明を実施するための最良の形態を以下の実施例により詳細に説明する。
図1はインジェクタ1の全体断面図である。
実施例1に示すインジェクタ1は、例えば、ディーゼル機関用の蓄圧式燃料噴射システムに用いられ、コモンレール(図示せず)より供給される高圧燃料をディーゼル機関の筒内に噴射する燃料噴射弁であり、以下に説明するノズル部と油圧制御部とを備える。
a)ノズル部は、ボディの内部に往復動可能に収納される弁ユニットを有する。
なお、ボディは、図1に示す上側から順に、ピエゾボディ2、第1中間ボディ3、第2中間ボディ4、ノズルボディ5の4部品に分割して設けられ、全体がリテーニングナット6によって固定されている。
弁ユニットは、ニードル7とニードルピストン8およびバランスピストン9の3部品によって構成され、この3部品が一体に可動する。
ニードル7は、燃料の噴射および噴射終了に係わる周知の部品であり、大径部7aと小径部7bとを有する段付き状に設けられ、ノズルボディ5の内部に形成されたガイド孔10に挿入されている。
ノズルボディ5には、上記ガイド孔10がノズルボディ5の上端面から先端部まで穿設されると共に、ガイド孔10の他に、高圧燃料が流入する燃料通路11と、この燃料通路11とガイド孔10とを連通する燃料溜め室12と、ガイド孔10の先端部に連通する噴孔13等が形成されている。なお、前記ニードル7は、燃料溜め室12より上側のガイド孔10にニードル7の大径部7aが摺動自在に挿入され、燃料溜め室12より下側のガイド孔10とニードル7の小径部7bとの間に環状の燃料通路14が形成されている。
ニードルピストン8は、ニードル7より外径が大きい円柱形状に設けられ、ニードル7の上部に配置されて、第2中間ボディ4に形成された断面円形のピストン室に摺動自在に収納されている。ピストン室は、ニードルピストン8の上端面より上側の空間(本発明の低圧室:以下、上部室15と呼ぶ)が、連通路16を介して、ピエゾボディ2に形成されるピエゾ室17(本発明の低圧空間)に連通している。また、上部室15には、スプリング18が配設され、このスプリング18の荷重がニードルピストン8の上端面に作用して、ニードルピストン8を図示下方(閉弁方向)へ付勢している。一方、ニードルピストン8の下端面より下側の空間(本発明の制御室:以下、下部室19と呼ぶ)には、後述の油圧制御部によって制御される制御油圧が導入される。
バランスピストン9は、ニードル7の大径部7aより外径が小さい円柱形状に設けられ、ニードルピストン8の上部に配置されて、上部室15に連通する小径シリンダに摺動自在に挿入されている。小径シリンダは、バランスピストン9の上端面より上側の空間(以下、高圧室20と呼ぶ)が、連通路21を介して高圧通路22に連通しており、その高圧通路22より高圧燃料が導入される。高圧室20に導入された高圧燃料の圧力は、バランスピストン9の上端面に作用して、バランスピストン9を図示下方へ付勢している。
なお、高圧通路22は、ピエゾボディ2と第1中間ボディ3および第2中間ボディ4に連続して形成され、ノズルボディ5に形成された燃料通路11に接続されている。
b)油圧制御部は、第1中間ボディ3に形成されたピストン室に摺動自在に挿入される制御ピストン23と、この制御ピストン23を駆動するピエゾアクチュエータ24等より構成される。
ピストン室には、制御ピストン23の下側に油密室25が形成され、この油密室25が連通路26を介して前記下部室19に連通している。油密室25と下部室19および連通路26は、閉ざされた空間(以下、閉空間と呼ぶ)を形成しており、その閉空間に作動油である低圧燃料が満たされている。
制御ピストン23は、油密室25に配設される皿ばね27によって図示上方(油密室25の容積を拡大する方向)へ付勢され、ピエゾアクチュエータ24の下端部に押圧されている。
制御ピストン23には、油密室25とピエゾ室17とを連通する連通路28が形成されると共に、この連通路28を開閉できる逆止弁29が組み込まれている。この逆止弁29は、油密室25(閉空間)に燃料を補充する際に開弁する。すなわち、前記閉空間には燃料が満たされているが、例えば、油密室25の燃料が制御ピストン23によって加圧された時に、ニードルピストン8とピストン室との摺動隙間あるいはバランスピストン9とピストン室との摺動隙間から次第に燃料がリークする。このため、閉空間に燃料を補充する必要が生じる。そこで、燃料のリークによって油密室25の圧力がピエゾ室17の圧力(大気圧)より低くなった時に逆止弁29が開弁することで、ピエゾ室17から油密室25に燃料が補充される。
ピエゾアクチュエータ24は、上記ピエゾ室17に収容されている。このピエゾアクチュエータ24は、例えば、PZT等の圧電セラミック層と電極層とを交互に積層したコンデンサ構造を有する一般的なもので、図示しない駆動回路を介して充放電されることにより、図1の上下方向に伸縮する。
なお、ピエゾ室17を形成するピエゾボディ2には、例えば、燃料タンクに通じるドレン通路30が形成され、このドレン通路30にピエゾ室17が連通している。
次に、上記構成を有するインジェクタ1の作動を説明する。
駆動回路を介してピエゾアクチュエータ24に通電され、ピエゾアクチュエータ24に変位が発生(伸張)すると、その変位が制御ピストン23に伝達され、制御ピストン23がピストン室の下方に押し下げられて、油密室25の燃料が加圧される。油密室25は、連通路26および下部室19と共に閉空間を形成しているため、油密室25の燃料が加圧されることで、下部室19の制御油圧が上昇する。その結果、弁ユニットを閉弁方向へ付勢する閉弁力より、開弁方向へ付勢する開弁力の方が上回ると、ニードル7がリフトして、噴孔13よりディーゼル機関の筒内(燃焼室)に燃料が噴射される。
その後、ピエゾアクチュエータ24への通電が停止されると、ピエゾアクチュエータ24の電荷が放出されて、ピエゾアクチュエータ24が収縮することにより、制御ピストン23を押し下げる力が解除される。これにより、皿ばね27の反力で制御ピストン23が押し上げられると、油密室25の圧力が低下するため、それに伴って下部室19の制御油圧も低下する。その結果、弁ユニットに作用する開弁力より閉弁力の方が上回った時点で、弁ユニットが押し戻され、ニードル7が閉弁して噴射が終了する。
(実施例1の効果)
実施例1に記載したインジェクタ1は、ニードルピストン8の上側と下側にそれぞれ低圧が作用しているため、ピエゾアクチュエータ24の初期荷重を小さくできる。また、弁ユニットは、バランスピストン9の外径がニードル7の大径部7aの外径より小さく設定されている。つまり、バランスピストン9の断面積がニードル7の大径部7aの断面積より小さく設けられているので、弁ユニットに働く閉弁力を低減できる。これにより、ニードル7を開弁させる際に、下部室19の制御油圧を加圧するために必要な加圧力を小さくできるので、ピエゾアクチュエータ24を小型化でき、延いてはインジェクタ1の体格を小さくできる。
但し、バランスピストン9の断面積を小さくし過ぎると、弁ユニットの閉弁動作において、下部室19の圧力が上部室15の圧力と同じレベルまで低下しても、ニードル7に作用する上向きの燃料圧力が、弁ユニットに働く閉弁力を上回り、ニードル7が閉弁しなくなる恐れがある。そこで、ニードル7が確実に閉弁できる様に、バランスピストン9の断面積を以下の様に設定する。
ニードル7が閉弁状態の時に、弁ユニットに作用する力をF1とすると、そのF1を以下の(数2)にて求めることができる。
Figure 0004297879
なお、弁ユニットに作用する力と各部の断面積を以下に規定する。
Pa:下部室19の制御油圧
Pb:上部室15の低圧
Pc:弁ユニットに作用する高圧
Fb:スプリング18の荷重
Sa:ニードルピストン8の断面積
Sb:バランスピストン9の断面積
Sn:ニードル7の大径部7aの断面積
Ss:ニードル7が閉弁した時のシート内側の断面積
弁ユニットに作用する上向きの力を正数、下向きの力を負数として表した場合、ニードル7が閉弁状態から開弁するために必要な力は、以下の(1)式で示される。
F1>0…………………………………(1)
一方、ニードル7が開弁状態の時に、弁ユニットに作用する力をF2とすると、そのF2を以下の(数3)にて求めることができる。
Figure 0004297879
従って、ニードル7が開弁状態から閉弁するために必要な力は、以下の(2)式で示される。
F2<0…………………………………(2)
上記(1)、(2)式より、バランスピストン9の断面積Sbの設定範囲を以下の(数4)にて求めることができる。
Figure 0004297879
これにより、バランスピストン9の断面積を小さくし過ぎることはなく、弁ユニットの閉弁動作において、下部室19の圧力が上部室15の圧力と同じレベルまで低下した時には、弁ユニットに働く閉弁力が開弁力に打ち勝つことができ、ニードル7が確実に閉弁できる。
図3は実施例2に係るインジェクタ1の全体断面図である。
この実施例2に示すインジェクタ1は、ニードルピストン8の形状が実施例1と異なる。具体的には、図3に示す様に、ニードルピストン8の上部室15側を凹形状にして、この凹形状の内側空間にバランスピストン9およびスプリング18を収納した一例である。 この構成によれば、ニードルピストン8とバランスピストン9およびスプリング18とを軸方向に突き合わせて配置する必要がないため、弁ユニットを軸方向(図3の上下方向)に短く構成でき、その結果、インジェクタ1の全長を短縮できる。
なお、バランスピストン9の断面積をニードル7の大径部7aの断面積より小さくして、弁ユニットを閉弁方向に押す力を低減することで、ピエゾアクチュエータ24を小型化できることは実施例1と同じである。
また、実施例1および実施例2に記載したインジェクタ1では、バランスピストン9の上側に形成される高圧室20と高圧通路22とを繋ぐ連通路21、またはニードルピストン8の上側に形成される上部室15とピエゾ室17とを繋ぐ連通路16に絞りを配置することで、ニードル7の急峻な動きをダンピングさせる効果を得ることもできる。
図4は実施例3に係るインジェクタ1の全体断面図である。
この実施例3は、実施例1および実施例2に記載したインジェクタ1のドレン通路30に圧力調整弁31を設けたことを特徴とする。圧力調整弁31は、ピエゾ室17の圧力が大気圧より高い所定の圧力を超えると開弁する。つまり、ピエゾ室17は、圧力調整弁31によって大気圧より高い所定の圧力に保たれている。これにより、閉空間の燃料がリークした場合に、ピエゾ室17が大気に開放されている場合(圧力調整弁31が無い場合)と比較して、逆止弁29の開弁時期が早くなるため、ピエゾ室17から油密室25への燃料補充を早期に行うことができる。
また、圧力調整弁31によってピエゾ室17の圧力が大気圧より高く保たれることにより、ピエゾアクチュエータ24の収縮時における下部室19の圧力を噴射前の状態である上部室15の圧力よりも大きく低下させることが可能となる。その結果、ニードル7の閉弁条件であるF2<0を満たすバランスピストン9の断面積Sbをさらに小さくでき、ピエゾアクチュエータ24を更に小型化できる。
なお、図4に示すインジェクタ1の構成は、実施例1に記載したものであるが、実施例2に記載したインジェクタ1(図3参照)にも同様に圧力調整弁31を適用できる。
図5は実施例4に係るインジェクタ1の全体断面図である。
この実施例4に示すインジェクタ1は、図5に示す様に、ノズルボディ5に形成されたガイド孔10の内周面に環状溝32が凹設され、この環状溝32がボディ内部の低圧側(例えば、ピエゾ室17)に連通していることを特徴とする。
実施例1に記載したインジェクタ1は、ノズルボディ5の燃料溜め室12から環状の燃料通路14まで高圧燃料が供給されているため、その高圧燃料が、ガイド孔10とニードル7の大径部7aとの摺動隙間を通って下部室19に流入する恐れがある。
これに対し、ガイド孔10の内周面に環状溝32を設けて、その環状溝32をボディ内部の低圧側に連通させることにより、ガイド孔10とニードル7との摺動隙間に流れ込んだ高圧燃料を環状溝32から低圧側(例えば、ピエゾ室17)へリークさせることができる。その結果、高圧燃料が下部室19に流入することを防止できる。
なお、図5に示すインジェクタ1の構成は、実施例1に記載したものであるが、実施例4の特徴、つまり、ガイド孔10の内周面に環状溝32を設けて、その環状溝32をボディ内部の低圧側に連通させることは、実施例2に記載したインジェクタ1(図3参照)にも、同様に適用できる。
インジェクタの全体断面図である(実施例1)。 弁ユニットの断面図である。 インジェクタの全体断面図である(実施例2)。 インジェクタの全体断面図である(実施例3)。 インジェクタの全体断面図である(実施例4)。 インジェクタの要部断面図である(公知技術)。
符号の説明
1 インジェクタ
2 ピエゾボディ(ボディ)
3 第1中間ボディ(ボディ)
4 第2中間ボディ(ボディ)
5 ノズルボディ(ボディ)
7 ニードル(弁ユニット)
8 ニードルピストン(弁ユニット)
9 バランスピストン(弁ユニット)
10 ガイド孔
13 噴孔
15 上部室(低圧室)
17 ピエゾ室(低圧空間)
18 スプリング
19 下部室(制御室)
23 制御ピストン(油圧制御手段)
24 ピエゾアクチュエータ(油圧制御手段)
25 油密室(油圧制御手段)
28 制御ピストンに形成された連通路
29 逆止弁
30 ドレン通路(低圧通路)
31 圧力調整弁
32 環状溝

Claims (5)

  1. 燃料を噴射するための噴孔を有するボディと、
    このボディの内部に挿入されるニードルピストンを有し、このニードルピストンと一体に前記ボディの内部を往復動可能に設けられた弁ユニットと、
    この弁ユニットを閉弁方向に付勢するスプリングと、
    前記ニードルピストンの一端側に低圧が導入される低圧室と、
    前記ニードルピストンの他端側に低圧の制御油圧が導入される制御室と、
    この制御室と前記ボディの内部に形成される低圧空間とを連通する連通路と、
    この連通路に設けられ、前記制御室の制御油圧が前記連通路を通って前記低圧空間へ流出することを防止する逆止弁と、
    前記制御室の制御油圧を制御する油圧制御手段とを備え、
    前記油圧制御手段により前記制御室の制御油圧が増大されて、前記弁ユニットを閉弁方向へ付勢する閉弁力より、開弁方向へ付勢する開弁力の方が上回ると、前記弁ユニットが開弁して前記噴孔より燃料が噴射されるインジェクタであって、
    前記弁ユニットは、前記ニードルピストンの一端側に連結されるバランスピストンと、前記ニードルピストンの他端側に連結されるニードルとを有し、前記バランスピストンの一端面に高圧が作用して閉弁方向に付勢されると共に、前記バランスピストンの断面積が、前記ニードルの断面積より小さく設けられ
    前記油圧制御手段は、前記ボディの内部に往復動可能に挿入される制御ピストンと、前記制御室に連通すると共に、前記制御ピストンの変位に応じて油圧が増減する油密室と、前記制御ピストンを駆動するピエゾアクチュエータとを備え、
    前記逆止弁は、前記制御ピストンに組み込まれていることを特徴とするインジェクタ。
  2. 請求項1に記載したインジェクタにおいて、
    前記ニードルピストンの断面積をSa、
    前記バランスピストンの断面積をSb、
    前記ニードルの断面積をSn、
    前記ニードルが閉弁した時のシート内側の断面積をSs、
    前記制御室の制御油圧をPa、
    前記低圧室の低圧をPb、
    前記弁ユニットに作用する高圧をPc、
    前記スプリングの荷重をFbとした時に、
    Figure 0004297879
    前記バランスピストンの断面積Sbは、上記(数1)の範囲に設定されていることを特徴とするインジェクタ。
  3. 請求項1または2に記載したインジェクタにおいて、
    前記低圧空間から前記ボディの外部に通じる低圧通路を有すると共に、前記低圧空間の圧力を大気圧より高く保つための圧力調整弁が前記低圧通路に設けられていることを特徴とするインジェクタ。
  4. 請求項1〜に記載した何れかのインジェクタにおいて、
    前記ボディには、前記制御室に通じるガイド孔が形成され、このガイド孔に前記ニードルが摺動自在に挿入されており、前記ガイド孔の内周面に環状溝が凹設され、この環状溝が前記ボディの内部に形成される低圧空間に連通していることを特徴とするインジェクタ。
  5. 請求項1〜に記載した何れかのインジェクタにおいて、
    前記ニードルピストンは、前記低圧室側が凹形状に設けられ、この凹形状の内側空間に前記バランスピストンおよび前記スプリングが収納されていることを特徴とするインジェクタ。
JP2005049318A 2005-02-24 2005-02-24 インジェクタ Expired - Fee Related JP4297879B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005049318A JP4297879B2 (ja) 2005-02-24 2005-02-24 インジェクタ
DE200610000078 DE102006000078A1 (de) 2005-02-24 2006-02-17 Fluideinspritzventil

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005049318A JP4297879B2 (ja) 2005-02-24 2005-02-24 インジェクタ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006233853A JP2006233853A (ja) 2006-09-07
JP4297879B2 true JP4297879B2 (ja) 2009-07-15

Family

ID=36973772

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005049318A Expired - Fee Related JP4297879B2 (ja) 2005-02-24 2005-02-24 インジェクタ

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP4297879B2 (ja)
DE (1) DE102006000078A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014526632A (ja) * 2011-09-08 2014-10-06 デルファイ・インターナショナル・オペレーションズ・ルクセンブルク・エス・アー・エール・エル 噴射ノズル

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1813802B1 (en) * 2006-01-30 2009-04-22 Delphi Technologies, Inc. Piezoelectric actuator
JP4683035B2 (ja) 2007-11-13 2011-05-11 株式会社デンソー インジェクタ
CN103282643B (zh) * 2010-12-28 2015-08-26 现代重工业株式会社 电子控制燃料喷射阀
CN102678414A (zh) * 2012-05-02 2012-09-19 欧阳光耀 一种应用于柴油机的压电喷油器
JP6144185B2 (ja) * 2013-12-04 2017-06-07 株式会社Soken 燃料噴射ノズル
DE102013225384A1 (de) * 2013-12-10 2015-06-11 Robert Bosch Gmbh Kraftstoffinjektor
CN111594368B (zh) * 2020-04-17 2022-01-11 莆田市宏业精密机械有限公司 一种基于面积补偿制造方法制得的压力平衡喷油嘴

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014526632A (ja) * 2011-09-08 2014-10-06 デルファイ・インターナショナル・オペレーションズ・ルクセンブルク・エス・アー・エール・エル 噴射ノズル

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006233853A (ja) 2006-09-07
DE102006000078A1 (de) 2006-09-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4325589B2 (ja) コモンレール用インジェクタ
JP4297879B2 (ja) インジェクタ
US6840466B2 (en) Hydraulic control valve and fuel injector using same
DE112010001987T5 (de) Piezoelektrische direkt wirkende Kraftstoff-E inspritzdüse mit Hydraulikverbindung
JP2004204813A (ja) 制御弁および燃料噴射弁
JP6296948B2 (ja) 燃料噴射弁
JP2017075532A (ja) 燃料噴射弁
US8342424B2 (en) Fuel injection apparatus
JP4270294B2 (ja) 燃料噴射弁
JP4952737B2 (ja) コモンレール用インジェクタ
JP4304895B2 (ja) 油圧制御弁および燃料噴射弁
JP3997983B2 (ja) 圧電素子駆動による3方向切替弁およびその3方向切替弁を用いた燃料噴射弁
JP6376988B2 (ja) 燃料噴射弁
JP4023804B2 (ja) 内燃機関用インジェクタ
JP4131251B2 (ja) 燃料噴射装置
JP2016050561A (ja) 燃料噴射弁
JP4364864B2 (ja) 可変噴孔インジェクタ
JP6281296B2 (ja) 燃料噴射弁
JP3994893B2 (ja) 燃料噴射弁
JP4378878B2 (ja) 油圧制御弁および燃料噴射弁
JP4308449B2 (ja) 燃料噴射弁
JP3897158B2 (ja) 燃料噴射装置
JP4378877B2 (ja) 油圧制御弁および燃料噴射弁
JP7014637B2 (ja) 燃料噴射装置
JP2016050562A (ja) 燃料噴射弁

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070620

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081023

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081028

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081218

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090414

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090414

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120424

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees