JP4364864B2 - 可変噴孔インジェクタ - Google Patents

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本発明は、噴孔の開閉数を可変することで噴射率を可変可能な可変噴孔インジェクタに関し、例えばピエゾアクチュエータの伸縮変化を油圧変化に変換して噴射制御を行うピエゾインジェクタに用いて好適な技術に関する。なお、以下では、閉弁方向を下、開弁方向を上として説明する。
(発明の背景)
近年では、エンジン振動およびエンジン騒音の防止、排気ガスの浄化、エンジン出力と燃費を高い次元で成立させる目的で、燃料の噴射率を可変することが求められている。具体的には、噴射前半は低い噴射率で燃料噴射を実行し、噴射後半に高い噴射率で燃料噴射を実行するインジェクタが求められている。
そこで、充電量に応じて伸縮量を可変できるピエゾアクチュエータを搭載したピエゾインジェクタを用いて、噴射前半はピエゾアクチュエータの充電量を第1充電値とし、噴射後半はピエゾアクチュエータの充電量を第1充電値より大きい第2充電値とすることで、噴射前半のニードルの上昇を小さくし、噴射後半のニードルの上昇を大きくすることができ、噴射率を可変することが可能になる。
しかし、ニードルの上昇が小さい時(小さい噴射率の時)は、ニードルのシート部絞りにより各噴孔に供給される燃料圧力が下がるとともに、全ての噴孔が同時に開口するため、各噴孔から低い燃料圧力の燃料が噴射される。この結果、圧力不足により噴霧径が大きくなり、エミッションの悪化を招いてしまう。
(従来技術)
上記の不具合を解決するために、噴孔の開閉数を可変することで噴射率を可変する可変噴孔インジェクタが求められる。可変噴孔インジェクタの従来技術として、例えば、特許文献1に開示される技術が知られている。
この特許文献1に開示される可変噴孔インジェクタは、図8に示すように、第1噴孔J1を開閉する第1ニードル(アウターニードル)J2と、この第1ニードルJ2内に配置されて第2噴孔J3を開閉する第2ニードル(インナーニードル)J4とを備える。
第1ニードルJ2の上側に第1ピストンJ5が設けられ、第2ニードルJ4の上側にも第2ピストンJ6が設けられている。第1、第2ピストンJ5、J6の上側には、高圧燃料通路J7に通じる高圧室J8が形成されている。
一方、第1、第2ピストンJ5、J6の下側には、各部のクリアランスを介して高圧燃料が満たされる第1、第2制御室J9、J10が形成されている。
閉弁している第1、第2ニードルJ2、J4には「第1、第2スプリングJ11、J12による下向きの付勢力α1、α2」と「高圧室J8の圧力による下向きの閉弁力β1、β2」が加えられている。
ピエゾアクチュエータJ13が充電されると、ピエゾアクチュエータJ13に連結されたピエゾピストンJ14が押し下げられるため、第1、第2制御室J9、J10が加圧されて、第1、第2制御室J9、J10の駆動油圧が上昇する。
第1制御室J9の駆動油圧が上昇して第1ニードルJ2を押し上げるリフト力γ1が、第1ニードルJ2を押し下げる閉弁力(第1スプリングJ11による下向きの付勢力α1+高圧室J8の圧力による下向きの閉弁力β1)を上回った時点で、第1ニードルJ2がリフトを開始して第1噴孔J1から高圧燃料が噴射される。
また、第2制御室J10の駆動油圧が上昇して第2ニードルJ4を押し上げるリフト力γ2が、第2ニードルJ4を押し下げる閉弁力(第2スプリングJ12による下向きの付勢力α2+高圧室J8の圧力による下向きの閉弁力β2)を上回った時点で、第2ニードルJ4がリフトを開始して第2噴孔J3から高圧燃料が噴射される。
第1、第2ニードルJ2、J4がリフトを開始すると、各ニードルJ2、J4の下端のシート面に高圧が与えられるため、閉弁力β1、β2が喪失する。
次に、ピエゾアクチュエータJ13が放電されると、ピエゾスプリングJ15の作用でピエゾピストンJ14が押し上げられて、第1、第2制御室J9、J10の駆動油圧が低下する。
第1、第2制御室J9、J10の駆動油圧が低下して、第1、第2スプリングJ11、J12による下向きの付勢力α1、α2が、第1、第2制御室J9、J10の圧力による上向きのリフト力γ1、γ2を上回った時点で、第1、第2ニードルJ2、J4が着座方向に移動を開始する。そして、第1、第2ニードルJ2、J4が着座することで、第1、第2噴孔J1、J3による燃料噴射が停止する。
(従来技術の問題点)
上記の可変噴孔インジェクタは、第1、第2ピストンJ5、J6の上側が共に高圧室J8に配置されている。このため、第1、第2ニードルJ2、J4を押し上げるためには、第1、第2制御室J9、J10において高圧室J8より高い圧力の駆動油圧を発生させる必要があり、第1制御室J9には高圧燃料が満たされる。
この第1制御室J9の高圧は、ピエゾピストンJ14を介してピエゾアクチュエータJ13に作用するため、ピエゾアクチュエータJ13が高圧に耐えきれず、圧縮破壊する可能性がある。このため、ピエゾアクチュエータJ13の強度を高めることでピエゾアクチュエータJ13が大型化する不具合がある。
一方、第1、第2ニードルJ2、J4が着座している状態では、閉弁力β1、β2は喪失していない。
このため、閉弁している第1、第2ニードルJ2、J4を開弁させるには、「第1、第2スプリングJ11、J12による下向きの付勢力α1、α2」と「高圧室J8の圧力による下向きの閉弁力β1、β2」の「合算力」を上回る『大きな押し上げ力』をピエゾアクチュエータJ13によって発生させる必要がある。このため、ピエゾアクチュエータJ13が大型化する不具合がある。
なお、ピエゾピストンJ14の断面積(受圧面積)を大きくしたり、第1、第2制御室J9、J10の断面積(第1、第2ピストンJ5、J6の受圧面積)を大きくすることで、ピエゾアクチュエータJ13の発生力に対して大きな油圧を発生させる対処を行っても、ピエゾアクチュエータJ13のストロークに対して、第1、第2ニードルJ2、J4のリフト量が低下することになるため、やはりピエゾアクチュエータJ13が大型化してしまう。
国際公開第2005/014995号パンフレット
上記に示すように、噴孔の開閉数を可変可能な従来の可変噴孔インジェクタは、油圧発生手段に用いられるアクチュエータの大型化に伴ってインジェクタの体格が大きくなる問題があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、可変噴孔インジェクタに搭載される油圧発生手段を小型化して、インジェクタの体格を小さくすることにある。
(請求項1の発明)
請求項1の発明を採用する可変噴孔インジェクタは、第1中間ピストンの上側の第1低圧室に低圧が導かれる。このため、第1中間ピストンの下側の第1制御室の圧力も低圧にでき、油圧発生手段に係る初期荷重を小さくできる。
このように、初期荷重を下げることができるため、油圧発生手段を小型化することができ、可変噴孔インジェクタの体格を小さくすることができる。
(請求項2の発明)
請求項2の発明を採用する可変噴孔インジェクタは、第1中間ピストンの上側の第1低圧室に低圧が導かれる。このため、第1中間ピストンの下側の第1制御室の圧力も低圧にでき、油圧発生手段に係る初期荷重を小さくできる。
また、高圧が作用する第1、第2上側ピストンの合計断面積(合計受圧面積)を、第1、第2ニードルの合計断面積(合計受圧面積)と同等以下に設けることにより、閉弁時に第1、第2弁ユニットに作用する閉弁力を低減できる。これにより、第1、第2ニードルをリフトするのに必要な駆動油圧(加圧力)を下げることができる。
このように、駆動油圧を下げることができるため、油圧発生手段を小型化することができ、可変噴孔インジェクタの体格を小さくすることができる。
(請求項3の発明)
請求項3の発明を採用する可変噴孔インジェクタは、第1中間ピストンのリフトに伴って第1上側ピストンのリフト量が第1リフト量に達した際に、第1上側ピストンと第2上側ピストンとが当接する上側ピストン当接部を備える。
これによって、第1中間ピストンおよび第1上側ピストンの上昇途中において、第1上側ピストンが第2上側ピストンに当接して、第2上側ピストンをリフトするため、上側ピストン当接部の間隔によって、第1弁ユニットのリフトによる噴射と、第2弁ユニットのリフトによる噴射との噴射タイミングを設定することができ、1度の噴射において噴射率を可変することができる。
(請求項4の発明)
請求項4の発明を採用する可変噴孔インジェクタは、第1中間ピストンのリフト量が第1リフト量に達した際に、第1中間ピストンと第2中間ピストンとが当接する中間ピストン当接部を備える。
これによって、第1中間ピストンの上昇途中において、第1中間ピストンが第2中間ピストンに当接して、第2中間ピストンをリフトするため、中間ピストン当接部の間隔によって、第1弁ユニットのリフトによる噴射と、第2弁ユニットのリフトによる噴射との噴射タイミングを設定することができ、1度の噴射において噴射率を可変することができる。
(請求項5の発明)
請求項5の発明を採用する可変噴孔インジェクタは、第2中間ピストンを収容する第2シリンダ室の下側の第2制御室に第1制御室の駆動油圧を導く第2駆動油圧導入手段と、第2シリンダ室の上側の第2低圧室に第1低圧室の低圧を導く第2低圧導入手段とを備える。
これによって、第1中間ピストンの上向きの受圧面積と第1スプリングのセット荷重により、第1弁ユニットのリフト開始(即ち、第1噴孔の噴射)を設定できるとともに、第2中間ピストンの上向きの受圧面積と第2スプリングのセット荷重により、第2弁ユニットのリフト開始(即ち、第2噴孔の噴射)を設定できる。即ち、第1弁ユニットのリフト後に第2弁ユニットをリフトさせたり、逆に第2弁ユニットのリフト後に第1弁ユニットをリフトさせたりでき、1度の噴射において噴射率を可変することができる。
(請求項6の発明)
請求項6の発明を採用する可変噴孔インジェクタは、油圧発生手段の油圧発生室とボディ内に形成される低圧空間とを連通する連通路と、この連通路に設けられ、油圧発生室の油圧が低圧空間へ流出することを防止する逆止弁とを備える。
インジェクタ内に設けられる油圧発生室は、作動油である燃料が満たされるが、その油圧発生室の燃料の一部が、インジェクタの構成部品(例えば、ピエゾピストンとボディの摺動部)からリークする可能性がある。そこで、油圧発生室と低圧空間を連通する連通路に逆止弁を設けることにより、油圧発生室の燃料がリークした場合に、逆止弁が開いて低圧空間から油圧発生室に燃料が補充される。
(請求項7の発明)
請求項7の発明を採用する可変噴孔インジェクタの第2弁ユニットは、第1弁ユニットの内側で往復動可能に支持される。
(請求項8の発明)
請求項8の発明を採用する可変噴孔インジェクタの油圧発生手段は、複数段階に駆動油圧を上昇可能な多段油圧発生手段である。
この多段油圧発生手段によって、第1弁ユニットのリフト制御と、第2弁ユニットのリフト制御とを行うことができ、第1噴孔のみによる噴射と、第1、第2噴孔の両方からの噴射とを切替えることができる。
(請求項9の発明)
請求項9の発明を採用する可変噴孔インジェクタの多段油圧発生手段は、ピエゾ素子を多数積層してなるピエゾアクチュエータと、このピエゾアクチュエータの伸縮変化を油圧変化に変換する油圧変換部とを備える。
油圧発生手段のアクチュエータにピエゾアクチュエータを用いることにより、制御信号に対して応答性に優れた可変噴孔インジェクタを提供できる。また、アクチュエータにピエゾアクチュエータを用いることにより、充電量に応じた伸縮量が得られるため、1つのピエゾアクチュエータで駆動油圧を複数段階に上昇させることができる。さらに、請求項1の発明で記載したように、油圧発生手段の駆動油圧を下げることができるため、インジェクタを小型化することができ、ピエゾアクチュエータを搭載した可変噴孔インジェクタの体格を小さくできる。
最良の形態1の可変噴孔インジェクタは、
(a)高圧燃料を噴射するための第1、第2噴孔を有するボディと、
(b)このボディ内に往復動可能に支持され、
第1、第2噴孔を開閉する第1、第2ニードル、高圧燃料を受圧して第1、第2ニードルに下向きの付勢力(β1、β2)を発生させる第1、第2上側ピストン、第1、第2ニードルと第1、第2上側ピストンの間に配された第1、第2中間ピストンを備え、
第1、第2上側ピストンの合計断面積が、第1、第2ニードルの合計断面積より小さく設けられた第1、第2弁ユニットと、
(c)この第1、第2弁ユニットに下向きの付勢力(α1、α2)を与える第1、第2スプリングと、
(d)第1中間ピストンを収容する第1シリンダ室の下側の第1制御室に駆動油圧を発生させ、第1中間ピストンに上向きのリフト力(γ1)を与える油圧発生手段と、
(e)第1シリンダ室の上側の第1低圧室に低圧を導く第1低圧導入手段と、
を具備する。
実施例1では、コモンレール式燃料噴射装置に用いられるインジェクタに、本発明を適用した例を図1〜図4を参照して説明する。
(コモンレール式燃料噴射装置の概略説明)
コモンレール式燃料噴射装置は、エンジン(例えば、ディーゼルエンジン)の各気筒に燃料噴射を行うシステムであり、コモンレール1、インジェクタ2、サプライポンプ3、制御装置4等によって構成される。なお、制御装置4は、ECU(エンジン制御ユニット)4aとEDU(駆動ユニット)4bで構成されるものであり、EDU4bはECU4aのケース内に内蔵されるものであっても良い。
コモンレール1は、インジェクタ2に供給する高圧燃料を蓄圧する蓄圧容器であり、燃料噴射圧に相当するコモンレール圧が蓄圧されるように高圧ポンプ配管5を介して高圧燃料を圧送するサプライポンプ3に接続されるとともに、各インジェクタ2へ高圧燃料を供給する複数のインジェクタ配管6が接続されている。
インジェクタ2は、エンジンの各気筒毎に搭載されて燃料を各気筒内に噴射供給するものであり、コモンレール1より分岐する複数のインジェクタ配管6の下流端に接続されて、コモンレール1に蓄圧された高圧燃料を各気筒内に噴射供給する。また、インジェクタ2のリーク燃料は、リリーフ配管7を経て燃料タンク8に戻される。
サプライポンプ3は、燃料タンク8内の燃料を吸引するフィードポンプ(図示しない)と、このフィードポンプが吸引した燃料を圧縮してコモンレール1へ吐出する高圧ポンプとを搭載している。フィードポンプおよび高圧ポンプは、エンジンによって駆動される共通のカムシャフトによって回転する。
制御装置4は、上述したように、ECU4aとEDU4bより構成される。
ECU4aは、制御処理、演算処理を行うCPU、各種プログラムおよびデータを保存する記憶装置(RAM、ROM、SRAM、EEPROM等のメモリ)、入力回路、出力回路、電源回路を含んで構成される周知構造のコンピュータよりなる。
ECU4aは、読み込まれたセンサ類の信号(エンジンパラメータ:乗員の操作状態、エンジンの運転状態に応じた信号)に基づいて各種の演算処理を行う。なお、ECU4aには、エンジンパラメータを検出するセンサ類として、アクセル開度を検出するアクセルセンサ、エンジン回転数やクランク角を検出する回転数センサ、エンジンの冷却水温度を検出する水温センサ、コモンレール圧を検出するレール圧センサなど、各種のセンサが接続されている。
ECU4aには、インジェクタ2の噴射制御を行うための「充放電制御機能」が搭載されている。この充放電制御機能は、現在の運転状態に応じたタイミングでインジェクタ2に搭載されたピエゾスタック(後述する)の充放電を制御する機能であり、予め搭載されたプログラムと、ECU4aに読み込まれた各種センサ信号(エンジンパラメータ)とに基づいて、各噴射毎の「噴射開始時期」、各噴射毎の「噴射期間(噴射量)」等を算出し、噴射開始時期、噴射期間等に基づいて、ピエゾスタックの充電時期・量と放電時期・量を制御する。
また、EDU4bは、ECU4aの指令に基づいてピエゾスタックの充電と放電を実行する周知の駆動回路である。
(インジェクタ2の説明)
インジェクタ2の具体的な構成を説明する。
インジェクタ2は、ボディの内部に往復動可能に収容される第1、第2弁ユニットを有する。なお、ボディは、下側から上に、第1、第2噴孔11、12が形成されたノズルボディ13、下側中間ボディ14、上側中間ボディ15、ピエゾボディ16の4部品に分割して設けられ、全体がリテーニングナット17によって固定されている。
第1弁ユニットは、下側から上に、第1ニードル(インナーニードル)21、第1中間ピストン(インナーストッパ)23、第1上側ピストン(インナーバランスピストン)25の3部品によって構成され、この3部品が上下方向に当接した状態で一体に可動する。 第2弁ユニットは、第1弁ユニットとは独立して可動できるものであり、下側から上に、第2ニードル(アウターニードル)22、第2中間ピストン(アウターストッパ)24、第2上側ピストン(アウターバランスピストン)26の3部品によって構成され、この3部品が上下方向に当接した状態で一体に可動する。
第1ニードル21は、ノズルボディ13の内部に形成されたガイド孔31の内部で上下方向に摺動自在に支持され、ガイド孔31の下端に形成された第1噴孔11を開閉する部品であり、大径部21aと小径部21bとを有する段付き状に設けられている。
第2ニードル22は、第1ニードル21の中心部に貫通形成された摺動孔の内部で上下方向に摺動自在に支持され、第1噴孔11の内径側に形成された第2噴孔12を開閉する部品であり、上下方向に伸びる棒状に設けられている。
ノズルボディ13には、上記ガイド孔31および第1、第2噴孔11、12の他に、第1ニードル21の段差部の周囲に拡径して形成された燃料溜32と、この燃料溜32に高圧燃料を導く高圧燃料通路33等が形成されている。
ガイド孔31は、ノズルボディ13の上端面から下端部付近まで穿設されたものであり、第1ニードル21は、燃料溜32より上側のガイド孔31内において大径部21aが上下方向に摺動自在に保持され、燃料溜32より下側のガイド孔31と小径部21bとの間に環状燃料通路34が形成される。
第1、第2噴孔11、12は、図3に示すように、ガイド孔31の下端の円錐シート面から外面に伸びる貫通孔である。
第1噴孔11は、第1ニードル21が円錐シート面から離座することで、環状燃料通路34と連通して高圧燃料を外部(燃焼室内)へ噴射し、第1ニードル21が円錐シート面に着座することで、環状燃料通路34と遮断されて燃料噴射を停止する。
第2噴孔12は、第1噴孔11の内径側に形成されており、第1ニードル21が円錐シート面から離座し、且つ第2ニードル22も円錐シート面から離座することで、環状燃料通路34と連通して高圧燃料を外部(燃焼室内)へ噴射し、第1ニードル21または第2ニードル22の少なくとも一方が円錐シート面に着座することで、環状燃料通路34と遮断されて燃料噴射を停止する。
第1中間ピストン23は、下側中間ボディ14の下側内部に形成された第1シリンダ室35の内部において上下方向に摺動自在に支持され、第1ニードル21の上端と当接して第1ニードル21と一体に摺動する。この第1中間ピストン23は、第1ニードル21より大径の円柱形状を呈し、第1中間ピストン23の下側の第1シリンダ室35内には第1制御室(下部室)36が形成され、第1中間ピストン23の上側の第1シリンダ室35内には第1低圧室(上部室)37が形成される。
この第1低圧室37には、第1低圧導入手段38を介して低圧燃料が導かれる。この第1低圧導入手段38は、ピエゾアクチュエータ(後述する)51を収容するピエゾボディ16内の低圧空間39と、第1低圧室37とを連通する低圧通路である。また、この第1低圧室37には、第1中間ピストン23を下方へ付勢することで、第1ニードル21に下向きの付勢力α1を与える第1スプリング41が配置されている。
一方、第1制御室36に制御油圧を発生する油圧発生手段は後述する。
第2中間ピストン24は、第1中間ピストン23の中心部に貫通形成された摺動孔の内部で上下方向に摺動自在に支持された棒状呈し、第2ニードル22の上端と当接して第2ニードル22と一体に摺動する。
第1上側ピストン25は、第1中間ピストン23より小径で、且つ第1ニードル21の外径寸法と同じ、または小径の棒状を呈し、下側中間ボディ14の上側内部に形成された摺動孔の内部において上下方向に摺動自在に支持され、第1中間ピストン23の上端と当接して、第1中間ピストン23および第1ニードル21と一体に摺動する。
第1上側ピストン25の上側の摺動孔内には、高圧室(バランス室)42が形成されている。この高圧室42は、インジェクタ配管6から高圧燃料を受ける高圧通路43に連通路44を介して連通しており、高圧室42には噴射圧力に比例した高圧燃料が導入される。このため、高圧室42に導入された高圧燃料の圧力が第1上側ピストン25の上端面に作用して、第1上側ピストン25を押し下げる力、即ち第1ニードル21に下向きの閉弁力β1が発生する。
第2上側ピストン26は、第1上側ピストン25の中心部に貫通形成された摺動孔の内部で上下方向に摺動自在に支持され、第2ニードル22の外径寸法と同じか小径の棒状を呈し、第2中間ピストン24の上端と当接して、第2中間ピストン24および第2ニードル22と一体に摺動する。
第2上側ピストン26の上端は、第1上側ピストン25と同様、高圧室42に配されており、高圧室42に導入された高圧燃料の圧力により、第2上側ピストン26を押し下げる力、即ち第2ニードル22に下向きの閉弁力β2が発生する。
ここで、第1、第2上側ピストン25、26の合計断面積(高圧室42における下向きの受圧面積の和)は、第1、第2ニードル21、22の合計断面積(ガイド孔31における上向きの受圧面積の和)と同じ、または第1、第2ニードル21、22の合計断面積より小さく設けられている。
即ち、「ノズルボディ13のガイド孔31の内径寸法≧下側中間ボディ14の上側の摺動孔の内径寸法」に設けられている。
具体的には、上述したように、第1上側ピストン25は第1ニードル21の外径寸法と同じか小径であり、第2上側ピストン26は第2ニードル22の外径寸法と同じか小径に設けられている。なお、第1、第2ニードル21、22をリフトするのに必要な駆動油圧を下げるためには、第1、第2ニードル21、22の断面積に対する第1、第2上側ピストン25、26の断面積は、アウター側およびインナー側ともに小さくすることが望ましいが、どちらか一方であっても良い。
高圧室42には、第2上側ピストン26を下方へ付勢することで、第2ニードル22に下向きの付勢力α2を与える第2スプリング45が配置されており、第2スプリング45による下向きの付勢力α2が第2上側ピストン26の上部に固定されたバネ座46を介して第2上側ピストン26に与えられる。
バネ座46は、第1上側ピストン25の上端面より上側に伸びた第2上側ピストン26に設けられており、第1中間ピストン23のリフトに伴って第1上側ピストン25のリフト量が第1リフト量に達した際に、第1上側ピストン25の上端面と、第2上側ピストン26に設けられたバネ座46とが上下方向で当接する。この当接により、第1上側ピストン25の上昇力が第2上側ピストン26に伝えられて、第2弁ユニットがリフトする。
即ち、第1上側ピストン25の上端面と、第2上側ピストン26に設けられたバネ座46とにより、上側ピストン当接部47が構成される。
なお、第1、第2ニードル21、22が閉弁する状態における第1上側ピストン25の上端と、バネ座46の下面の距離L1により、第1ニードル21のみの開弁が行われる第1リフト量が設定される。
また、第2上側ピストン26の上端がボディ(具体的には上側中間ボディ15の下面)に当接することで、第1、第2ニードル21、22が最大リフトに達する。即ち、第2ニードル22が閉弁する状態における第2上側ピストン26の上端と、上側中間ボディ15の下面の距離L2により、第1、第2ニードル21、22の最大リフト量が設定される。
(油圧発生手段の説明)
第1シリンダ室35の下側の第1制御室36に駆動油圧を発生させる油圧発生手段は、充放電により伸縮するピエゾアクチュエータ51と、このピエゾアクチュエータ51の伸縮変化を油圧変化に変換する油圧変換部52とを備え、ピエゾアクチュエータ51は制御装置4(ECU4aとEDU4b)によって、1回の噴射中に1段階あるいは複数段階に充放電制御される。
ピエゾアクチュエータ51は、ピエゾボディ16の下端から上方に向けて穿設された低圧空間39内に配置されるものであり、充電により板厚方向に膨張する板状のピエゾ素子を多数積層してなるピエゾスタック53と、このピエゾスタック53を収容し、低圧空間39内の燃料がピエゾスタック53に接触するのを防ぐハウジング54とを備える。なお、ピエゾボディ16には、燃料タンク8に通じるリリーフ配管7と、低圧空間39とを連通するリリーフ通路55が形成されている。
ピエゾスタック53を構成する各ピエゾ素子は、略円板形状を呈する圧電体、この圧電体の両面に形成された内部電極からなり、多数のピエゾ素子を板厚方向に積層することでピエゾスタック53が構成される。ピエゾスタック53の側面には、2つの側面電極が設けられている。一方の側面電極は圧電体の一方の内部電極と電気的に接続され、他方の側面電極は圧電体の他方の内部電極と電気的に接続されている。2つの側面電極は、インジェクタ2の外部に露出する外部コネクタに接続される。この外部コネクタは、制御装置4(具体的にはEDU4b)に接続され、制御装置4から外部コネクタを介してピエゾスタック53の充放電制御が実施される。
油圧変換部52は、上側中間ボディ15に形成されたピストン室56において上下方向に摺動自在に支持されたピエゾピストン57を備える。
ピストン室56には、ピエゾピストン57の下側に油圧発生室(ピエゾ加圧室)58が形成され、この油圧発生室58は制御燃料通路59を介して第1制御室36に連通している。油圧発生室58と第1制御室36および制御燃料通路59は、閉ざされた閉空間を形成しており、その閉空間に作動油である低圧燃料が満たされる。
ピエゾピストン57は、油圧発生室58に配置される皿バネ61によって上方へ付勢され、ピエゾアクチュエータ51の下端に押圧されている。
ピエゾピストン57には、油圧発生室58と低圧空間39とを連通する連通路62が形成されると共に、この連通路62を開閉できる逆止弁63が組み込まれている。この逆止弁63は、油圧発生室58を含む閉空間に燃料を補充する際に開弁する。即ち、上記閉空間には燃料が満たされているが、例えば、油圧発生室58の燃料がピエゾピストン57によって加圧された際に、第1中間ピストン23の内外周の摺動隙間等から次第に燃料がリークする。このため、閉空間に燃料を補充する必要が生じる。そこで、燃料のリークによって油圧発生室58の圧力が低圧空間39の圧力(大気圧)より低くなった時に、逆止弁63が開弁することで、低圧空間39から油圧発生室58に燃料が自動的に補充される。
ここで、制御装置4のECU4aの「充放電制御機能」には、エンジン振動およびエンジン騒音の防止、排気ガスの浄化、エンジン出力と燃費を高い次元で成立させる目的で、1回の噴射中の噴射前半は第1噴孔11だけを開弁して低い噴射率で燃料噴射を実行し、1回の噴射中の噴射後半に第1、第2噴孔11、12を同時に開弁して高い噴射率で燃料の噴射を実行する「可変噴孔機能」が搭載されている。
この可変噴孔機能は、図4に示すように、燃料噴射時にピエゾスタック53の充電を第1充電と第2充電の2段階に分けて充電するものであり、ピエゾアクチュエータ51の伸び量を2段階に制御することで、第1制御室36の駆動油圧を2段階で上昇させるものである。
ここで、閉弁している第1、第2ニードル21、22には「第1、第2スプリング41、45による下向きの付勢力α1、α2」と「高圧室42の圧力による下向きの閉弁力β1、β2」が加えられている。
一方、第1制御室36に発生する油圧によって第1中間ピストン23には、第1、第2弁ユニットを上昇させるリフト力γ1、γ2が発生する。なお、閉弁している第1ニードル21の段差等にかかるリフト力は、リフト力γ1に含まれるものとして説明する。
ここで、この実施例1は、第1中間ピストン23の上昇途中で第2弁ユニットが当接して上昇するタイプであるため、第1弁ユニットが第1リフト量に達するまでは、第1中間ピストン23にはリフト力γ1のみが発生し、第1弁ユニットが第1リフト量に達して上側ピストン当接部47(第1上側ピストン25の上端面と、第2上側ピストン26に設けられたバネ座46)が当接した後は、第1中間ピストン23にはリフト力γ1の他に第2弁ユニットを上昇させるためのリフト力γ2が発生するものである。
そして、第1充電は、第1弁ユニットだけをリフトさせる駆動油圧を第1制御室36に発生させるための充電量であり、第2充電は、第1弁ユニットと第2弁ユニットの両方をリフトさせる駆動油圧を第1制御室36に発生させる充電量である。
(インジェクタ2の作動説明)
次に、以下の符号を用いて作動を説明する。
α1、α2:第1、第2スプリング41、45によって第1、第2弁ユニットに与えられる下向きの付勢力
β1、β2:高圧室42の圧力によって第1、第2弁ユニットに与えられる下向きの閉弁力
γ1、γ2:油圧発生室58の発生した作動圧力および第1ニードル21の段差部によって第1、第2弁ユニットに与えられる上向きのリフト力
制御装置4の作動によりピエゾアクチュエータ51が第1充電されると(図4中a1参照)、ピエゾアクチュエータ51がハーフ伸張(一段目伸張)する(図4中a2参照)。すると、ピエゾピストン57が押し下げられて、油圧発生室58の燃料が加圧される。油圧発生室58は、制御燃料通路59を介して第1制御室36に連通しているため、油圧発生室58の燃料が加圧されることで第1制御室36の駆動油圧が上昇して、第1弁ユニットにリフト力γ1が発生する。第1弁ユニットを閉弁方向へ付勢している「付勢力α1+閉弁力β1」の合算力より、リフト力γ1が上回ると、第1ニードル21がリフトし(図4中a3参照)、その結果、第1噴孔11のみから高圧燃料が噴射される(図4中a4参照)。なお、第1ニードル21がリフトすることで、閉弁力β1は喪失される。
ここで、第1充電により上側ピストン当接部47が当接しても、第1充電で発生する駆動油圧では第2弁ユニットは上昇しない。
第1噴孔11からの燃料噴射を実行した後、制御装置4によってピエゾアクチュエータ51が第2充電されると(図4中b1参照)、ピエゾアクチュエータ51が全伸張(二段目伸張)する(図4中b2参照)。すると、ピエゾピストン57が更に押し下げられて、油圧発生室58の燃料が更に加圧され、第1制御室36の駆動油圧が更に上昇する。上側ピストン当接部47が当接することで、第2弁ユニットにリフト力γ2が与えられる。第2弁ユニットを閉弁方向へ付勢している「付勢力α2+閉弁力β2」の合算力より、リフト力γ2が上回ると、第2ニードル22がリフトし(図4中b3参照)、その結果、第2噴孔12からも高圧燃料が噴射される(図4中b4参照)。なお、第2ニードル22がリフトすることで、閉弁力β2も喪失される。
制御装置4によってピエゾアクチュエータ51が放電されると、ピエゾアクチュエータ51が収縮することにより、ピエゾピストン57を押し下げる力が解除される。皿バネ61の反力でピエゾピストン57が押し上げられると、油圧発生室58の圧力が低下するため、それに伴って第1制御室36の駆動油圧も低下する。
第1制御室36の駆動油圧が低下すると、リフト力γ1、γ2が低下する。付勢力α2がリフト力γ2を上回った時点で、第2弁ユニットが着座方向に移動を開始する。そして、第2ニードル22が着座することで、第2噴孔12による燃料噴射が停止する。なお、第2ニードル22が着座することで、閉弁力β2が発生して、第2ニードル22が強く着座して第2噴孔12の閉弁が保たれる。
また、第1制御室36の駆動油圧の低下により、付勢力α1がリフト力γ1を上回った時点で、第1弁ユニットが着座方向に移動を開始する。そして、第1ニードル21が着座することで、第1噴孔11による燃料噴射が停止する。なお、第1ニードル21が着座することで、閉弁力β1が発生して、第1ニードル21が強く着座して第1噴孔11の閉弁が保たれる。
実際は、制御装置4によってピエゾアクチュエータ51が放電されると、第1制御室36の駆動油圧が急激に低下するため、第1、第2ニードル21、22はほぼ同時に着座方向へ移動する。
(実施例1の効果)
実施例1に記載したインジェクタ2は、第1中間ピストン23の上側の第1低圧室37に低圧が導かれる。このため、第1中間ピストン23の下側の第1制御室36を低圧にできる。この結果、ピエゾアクチュエータ51に係る初期荷重を小さくできる。このように、ピエゾアクチュエータ51の荷重負担を減らすことができるため、ピエゾアクチュエータ51を小型化できる。
また、高圧が作用する第1、第2上側ピストン25、26の合計断面積は、第1、第2ニードル21、22の合計断面積より小さく設定することで、閉弁時に第1、第2弁ユニットに作用する閉弁力β1、β2の和が引用文献1の技術よりも小さく抑えられる。これにより、第1、第2ニードル21、22をリフトするのに必要な駆動油圧(加圧力)を下げることができる。このように、駆動油圧を下げることができるため、ピエゾアクチュエータ51を小型化できる。
上記のように、ピエゾアクチュエータ51を小型化できるため、インジェクタ2の体格を小さくできる。
ただし、第1上側ピストン25の断面積を小さくし過ぎると、第1弁ユニットの閉弁動作において、第1制御室36の圧力が低圧室と同じレベルまで低下しても、第1ニードル21に作用する上向きの燃料圧力が、第1弁ユニットに働く閉弁力β1を上回り、第1ニードル21が閉弁しなくなる可能性がある。
同様に、第2上側ピストン26の断面積を小さくし過ぎると、第2弁ユニットの閉弁動作において、第1制御室36の圧力が低圧室と同じレベルまで低下しても、第2ニードル22に作用する上向きの燃料圧力が、第2弁ユニットに働く閉弁力β2を上回り、第2ニードル22が閉弁しなくなる可能性がある。
このため、第1、第2ニードル21、22が確実に閉弁できるように、第1、第2上側ピストン25、26の断面積および第1、第2スプリング41、45の荷重が設定されている。
(インジェクタ2の作動方法の変形例)
制御装置4によるインジェクタ制御の変形例(3段階充電例)を図5を参照して説明する。
インジェクタ2の噴射開始前に予めピエゾアクチュエータ51を第1充電して(図5中c1参照)、一段目の伸張を生じさせておき(図5中c2参照)、この状態で油圧発生室58および制御燃料通路59、第1制御室36内の燃料圧を初期化(逆止弁63からの燃料補充)しておく。
燃料噴射にあたっては、ピエゾアクチュエータ51の第2充電(図5中a1参照)での二段目伸張(図5中a2参照)、第3充電(図5中b1参照)での三段目伸張(図5中b2参照)させることにより、前述した作動原理より第1噴孔11、および第2噴孔12から燃料が噴射される。
燃料噴射を終了させる場合は、ピエゾアクチュエータ51を完全に放電する(図5中d1参照)ことで、燃料噴射開始前よりもさらにピエゾアクチュエータ51を収縮させることになり(図5中d2参照)、第1制御室36内の燃料圧が燃料噴射開始前よりも減圧され、第1、第2ニードル21、22の着座速度が上述した実施例1よりも速くなり、速やかな噴射終了状態が得られる。
実施例2を図6を参照して説明する。なお、以下の各実施例において、実施例1と同一符号は、同一機能物を示すものである。
上記実施例1では、第1上側ピストン25と第2上側ピストン26に上下方向で当接可能な上側ピストン当接部47を設けて、第1上側ピストン25のリフト量が第1リフト量に達した際に、第1上側ピストン25と第2上側ピストン26とが当接することで、第2弁ユニットがリフトする例を示した。
これに対し、この実施例2では、第1中間ピストン23と第2中間ピストン24に上下方向で当接可能な中間ピストン当接部64を設けて、第1中間ピストン23のリフト量が第1リフト量に達した際に、第1中間ピストン23と第2中間ピストン24とが当接することで、第2弁ユニットがリフトするものである。
具体的に、実施例2の第2中間ピストン24は、拡径部を備える。
一方、実施例2の第1中間ピストン23は、第2中間ピストン24の拡径部を上下方向に摺動自在に保持する第2シリンダ室65を備えるとともに、第2シリンダ室65の下側に縮径部が設けられており、第1中間ピストン23のリフト量が第1リフト量に達した際に、第1中間ピストン23の縮径部と第2中間ピストン24の拡径部とが当接することで、第2弁ユニットがリフトするものである。
なお、第2中間ピストン24を収容する第2シリンダ室65の下側の第2制御室66は、第2駆動油圧導入手段(第1中間ピストン23の下部に形成された連通路)67を介して第1制御室36の駆動油圧が導かれるようになっており、第2シリンダ室65の上側の第2低圧室68には、第2低圧導入手段(第1上側ピストン25の下部フランジに形成された連通路)69を介して第1低圧室37の低圧が導かれるようになっている。
実施例3を図6(実施例2と図面が共通)を参照して説明する。
上記実施例1、2では、第1弁ユニットのリフト量が第1リフト量に達して、第1弁ユニットが第2弁ユニットに当接することで、第2弁ユニットがリフトする例を示した。
これに対し、この実施例3は、第2制御室66に発生する作動油圧により、第2弁ユニットをリフトさせるものである。
即ち、第1弁ユニットは、第1中間ピストン23の上向きの受圧面積と第1スプリング41のセット荷重により、リフト開始(即ち、第1噴孔11の噴射)が設定される。
同様に、第2弁ユニットは、第2中間ピストン24の上向きの受圧面積と第2スプリング45のセット荷重により、リフト開始(即ち、第2噴孔12の噴射)が設定される。
このように設けられることにより、第1弁ユニットのリフト後に第2弁ユニットをリフトさせたり、逆に第2弁ユニットのリフト後に第1弁ユニットをリフトさせたりできる。
実施例4を図7を参照して説明する。
この実施例4は、上述した実施例2の構成における具体的なノズルの一例を示すものである。
第1ニードル21は、ガイド孔31の下端に形成された第1、第2噴孔11、12を同時に開閉するように設けられている。また、第1ニードル21の中心には、第1ニードル21の上端面から下端部付近まで穿設された第2ガイド孔71が形成されている。
第2ニードル22は、第2ガイド孔71の内部で上下方向に摺動自在に支持され、第2ガイド孔71の下端に形成された第3噴孔72を開閉するように設けられている。この第3噴孔72は、第1噴孔11に連通するように設けられている。
また、第2ニードル22は、第1ニードル21と同様、上側大径部と下側小径部とを有する段付き状に設けられており、下側小径部と第2ガイド孔71の間に第2環状燃料通路73が形成される。この第2環状燃料通路73は、第1ニードル21に形成された連通孔74を介して環状燃料通路34に通じており、環状燃料通路34に導かれた高圧燃料が第2環状燃料通路73に供給される構成になっている。
このため、実施例3の構成において、第2中間ピストン24の上向きの受圧面積を大きくし、第1弁ユニットより先に第2弁ユニットをリフトするように設けることで、第2弁ユニットのみのリフトで第1噴孔11のみの噴射を実施できる。即ち、先に第1噴孔11が開口する2段噴射を実施できる。
なお、第3噴孔72を第1噴孔11ではなく、第2噴孔12に連通するように構成することで、第2弁ユニットのみのリフトで第2噴孔12のみの噴射を実施できる。即ち、先に第2噴孔12が開口する2段噴射を実施できる。
[変形例]
上記の実施例では、第1中間ピストン23と第1上側ピストン25を別体で設けた。このため、各部の加工精度を高めることができる。しかるに、第1中間ピストン23と第1上側ピストン25を一体に設けて、部品点数を削減しても良い。
同様に、上記の実施例では、第2中間ピストン24と第2上側ピストン26を別体で設けた。このため、各部の加工精度を高めることができる。しかるに、第2中間ピストン24と第2上側ピストン26を一体に設けて、部品点数を削減しても良い。
上記の実施例では、ディーゼルエンジンに燃料を噴射するインジェクタ2に本発明を適用する例を示したが、例えばガソリンエンジンに用いられるインジェクタ等に本発明を適用しても良い。
上記では、閉弁方向を下、開弁方向を上として説明したが、説明のための上下方向であって、車両に搭載されたインジェクタ2の天地方向とは異なるものである。
インジェクタの断面図である(実施例1)。 インジェクタの中間部分の断面図である(実施例1)。 インジェクタの先端部分の断面図である(実施例1)。 作動の一例を示すタイムチャートである(実施例1)。 作動の一例を示すタイムチャートである(実施例1の変形例)。 インジェクタの中間部分の断面図である(実施例2、3)。 インジェクタの先端部分の断面図である(実施例4)。 インジェクタの断面図である(従来技術)。
符号の説明
2 インジェクタ(可変噴孔タイプのピエゾインジェクタ)
4 制御装置
11 第1噴孔
12 第2噴孔
21 第1ニードル
22 第2ニードル
23 第1中間ピストン
24 第2中間ピストン
25 第1上側ピストン
26 第2上側ピストン
35 第1シリンダ室
36 第1制御室
37 第1低圧室
38 第1低圧導入手段
39 低圧空間
41 第1スプリング
45 第2スプリング
47 上側ピストン当接部
51 ピエゾアクチュエータ
52 油圧変換部
58 油圧発生室
62 油圧発生室と低圧空間を連通する連通路
63 逆止弁
64 中間ピストン当接部
65 第2シリンダ室
66 第2制御室
67 第2駆動油圧導入手段
68 第2低圧室
69 第2低圧導入手段

Claims (9)

  1. (a)高圧燃料を噴射するための第1、第2噴孔を有するボディと、
    (b)このボディ内に往復動可能に支持され、
    前記第1、第2噴孔を開閉する第1、第2ニードル、高圧燃料を受圧して前記第1、第2ニードルに閉弁方向の付勢力を発生させる第1、第2上側ピストン、前記第1、第2ニードルと前記第1、第2上側ピストンの間に配された第1、第2中間ピストンを備える第1、第2弁ユニットと、
    (c)この第1、第2弁ユニットに閉弁方向の付勢力を与える第1、第2スプリングと、(d)前記第1中間ピストンを収容する第1シリンダ室の閉弁方向の第1制御室に駆動油圧を発生させる油圧発生手段と、
    (e)前記第1シリンダ室の開弁方向の第1低圧室に低圧を導く第1低圧導入手段と、
    を具備する可変噴孔インジェクタ。
  2. 請求項1に記載の可変噴孔インジェクタにおいて、
    前記第1、第2上側ピストンの合計断面積は、前記第1、第2ニードルの合計断面積と同じか、あるいは前記第1、第2ニードルの合計断面積より小さく設けられたことを特徴とする可変噴孔インジェクタ。
  3. 請求項1に記載の可変噴孔インジェクタにおいて、
    この可変噴孔インジェクタは、
    前記第1中間ピストンのリフトに伴って前記第1上側ピストンのリフト量が第1リフト量に達した際に、前記第1上側ピストンと前記第2上側ピストンとが当接する上側ピストン当接部を備えることを特徴とする可変噴孔インジェクタ。
  4. 請求項1に記載の可変噴孔インジェクタにおいて、
    この可変噴孔インジェクタは、
    前記第1中間ピストンのリフト量が第1リフト量に達した際に、前記第1中間ピストンと前記第2中間ピストンとが当接する中間ピストン当接部を備えることを特徴とする可変噴孔インジェクタ。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の可変噴孔インジェクタにおいて、
    この可変噴孔インジェクタは、
    前記第2中間ピストンを収容する第2シリンダ室の閉弁方向の第2制御室に、前記第1制御室の駆動油圧を導く第2駆動油圧導入手段と、
    前記第2シリンダ室の開弁方向の第2低圧室に前記第1低圧室の低圧を導く第2低圧導入手段と、
    を備えることを特徴とする可変噴孔インジェクタ。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の可変噴孔インジェクタにおいて、
    この可変噴孔インジェクタは、
    前記油圧発生手段の油圧発生室と前記ボディ内に形成される低圧空間とを連通する連通路と、
    この連通路に設けられ、前記油圧発生室の油圧が前記低圧空間へ流出することを防止する逆止弁とを備えることを特徴とする可変噴孔インジェクタ。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の可変噴孔インジェクタにおいて、
    前記第2弁ユニットは、前記第1弁ユニットの内側で往復動可能に支持されることを特徴とする可変噴孔インジェクタ。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれかに記載の可変噴孔インジェクタにおいて、
    前記油圧発生手段は、複数段階に駆動油圧を上昇可能な多段油圧発生手段であることを特徴とする可変噴孔インジェクタ。
  9. 請求項8に記載の可変噴孔インジェクタにおいて、
    前記多段油圧発生手段は、
    ピエゾ素子を多数積層してなるピエゾアクチュエータと、
    このピエゾアクチュエータの伸縮変化を油圧変化に変換する油圧変換部とを備えることを特徴とする可変噴孔インジェクタ。
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