JP4308449B2 - 燃料噴射弁 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関のコモンレール燃料噴射システムに好適に用いられる燃料噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
コモンレール内の高圧燃料を内燃機関の各気筒に噴射供給するために用いられる従来技術の燃料噴射装置としては、特開平11−200981号公報に記載されているピエゾ駆動式の燃料噴射装置がある。図10に示したこの装置は、燃料噴射弁100のハウジング130の上半部内に収容したピエゾアクチュエータ102を伸縮させることで制御室101内の燃料を加圧し、これによってニードル103を駆動する構成を有している。制御室101はより詳細には、ピエゾピストン121の昇降によって容積が増減する制御室第一部分120とニードル103の昇降によって容積が増減する制御室第二部分101bとそれらを結ぶ連通孔で構成されており、レギュレータを介して高圧ポンプに接続され、ピエゾアクチュエータ102の収縮時にほぼコモンレール圧となるように制御されている。そして、ピエゾアクチュエータ102が収縮している時、ニードル103は下端部103cがシート面111に着座して、燃料溜り105と噴孔112の連通を遮断している。
【0003】
ニードル103は、中間部103bがハウジング130の第1ガイド穴104内に摺動可能に保持され、大径の上端部103aが第2ガイド穴106内に摺動可能に位置している。上端部103a上方のスプリング室107には、スプリング109が収容されて、ニードル103に閉弁方向の力を作用させている。一方、ニードル103には又、上端部103aと中間部103bの段差面110に作用する制御室101内の燃料圧、中間部103bと下端部103cの段差面108に作用する燃料溜り105の燃料圧、及び下端部103cの直径とシール部の直径の差に相当する面積に作用する燃料溜り105の燃料圧等による開弁方向の力が作用しており、以下で説明するように、この開弁力がスプリング109の閉弁力を上回るとニードル103がリフトし、燃料噴射が開始される。
【0004】
初期状態においては、ピエゾアクチュエータ102は収縮しており、スプリング109による閉弁方向の力が開弁方向に作用する力の総和より大きく、ニードル103はシート面111に押圧されて閉弁している。又、制御室101及び燃料溜り105内はコモンレール圧に保たれている。この状態において駆動回路から電圧が印加されると、ピエゾアクチュエータ102が伸長を始め、制御室第一部分120の容積が減少する。制御室第一部分120の燃料は連通孔を通って制御室第二部分101bに供給されると共に圧力が上昇し、段差面110に作用する開弁方向の力が増加する。開弁方向の力の総和が閉弁方向の力より大きくなると、ニードル103がシート面111から離れてリフトし始め、燃料の噴射が開始される。
【0005】
一方、閉弁する時には、駆動回路からの電圧の印加が停止され、ピエゾアクチュエータ102が収縮して、制御室第一部分120の容積が増大する。これにより制御室第一部分120内の圧力が低下し、制御室第二部分101bから連通孔を通って制御室第一部分120へ燃料が移動して制御室第二部分101bの圧力が下がり、段差面110に作用する開弁方向の力が減少する。開弁方向の力の総和が閉弁方向の力を下回ると、ニードル103は下降し始める。
【0006】
近年、排気対策等のためにニードルを応答性良く制御して開閉弁することが望まれているが、図10に示された装置においては、上述のように、ニードル103の昇降、即ち開閉弁は、ピエゾアクチュエータ102の伸縮に伴う制御室第一部分120と制御室第二部分101bとの間の燃料の移動により行われるので、開閉弁速度は細く長い連通孔を通る燃料移動速度により律速される。即ち、図10に示した従来構造においては、ピエゾアクチュエータ102を高応答で伸縮させても、細く長い連通孔を介して燃料を移動するため、ニードル103を昇降させて開閉弁させるまでに応答遅れを生じてしまうという問題がある。
【0007】
又、図10に示した従来構造では、燃料噴射弁100を誤開弁せずに閉弁状態に保つために、ピエゾアクチュエータ102が収縮している閉弁状態の時にはスプリング109による閉弁方向の力がニードル103に作用する燃料圧による開弁方向の力よりも常に大きい必要がある。このため、閉弁状態において燃料圧(コモンレール圧)が最高となる時点における開弁力よりも大きい閉弁力を有するスプリング109を取付ける必要が生じると共に、開弁する時にはその大きな閉弁力に抗して開弁する開弁力を発生するためのピエゾアクチュエータを含む駆動部が必要となり、装置が大型化すると共に多くの駆動エネルギを必要とするという問題があった。この問題に対処するためには、特願2000−187466において、図11に示された装置が提案されている。
【0008】
この装置は、基本構成においては図10に示された装置と同様であって、燃料噴射弁200の上部に取付けられたピエゾアクチュエータ241を伸縮させることで制御室210内の燃料を加圧し、これによって変位拡大ピストン202を駆動してそれに連結されているニードル203を昇降する構成を有している。制御室210は、ピエゾピストン245の昇降によって容積が増減する制御室第一部分246と変位拡大ピストン202の昇降によって容積が増減する制御室第二部分205とそれらを結ぶ連通孔で構成されている。
【0009】
特徴は、変位拡大ピストン202の大径部の上端面202Cに接する空間206に燃料が導入されていて変位拡大ピストン202に閉弁方向にも燃料圧が作用することであり、これによって開閉弁方向の作用力がバランスし、コモンレール圧を変えても、燃料圧による作用力が変わらないことである。
【0010】
このため、コモンレール圧の最高時に対応して設定していた閉弁用スプリング213の閉弁方向の作用力を小さく設定することが可能となり、噴射弁の小型簡素化に有効である。しかしながら、この構造においても、二つの離れた制御室第一部分246と制御室第二部分205とを細く長い連通孔で繋いでいる構造のために、応答性の改良が望まれる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、燃料の圧力変化を受けて開閉弁する燃料噴射弁において、応答性を改善した燃料噴射弁を提供することを目的とする。
【0012】
又、本発明の他の目的は、燃料の圧力変化を受けて開閉弁する燃料噴射弁において、応答性の改善と共に、小型化及び駆動エネルギの低減を図った燃料噴射弁を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、特許請求の範囲の各請求項に記載された燃料噴射弁を提供する。
【0014】
請求項1のような構成とすることで、相互の圧力伝達及び燃料移動により弁の開閉力を生ずる二つの制御室が近くに配設され、両制御室を連結する連通孔の距離を短くすることが出来るので、相互の燃料移動が速やかに行われ、燃料噴射弁の応答性を改善するという効果が得られる。
【0015】
又、請求項2のような構成とすることでも、請求項1に記載の構成と同様に、相互の圧力伝達及び燃料移動により弁の開閉力を生ずる二つの制御室が近くに配設され、両制御室を連結する連通孔の距離を短くすることが出来るので、相互の燃料移動が速やかに行われ、燃料噴射弁の応答性を改善するという効果が得られる。更に、請求項2のような構成とすれば、中ピストンが第二制御室と中ピストンの第二制御室の反対側に面する空間との圧力差によりピエゾアクチュエータ側に付勢されるので、中ピストンをピエゾアクチュエータ側に付勢するためのバネ部材等が必要ない。
【0016】
請求項3のような構成とすることによっても、二つの制御室を近くに配設し、両制御室を連結する連通孔の距離を短くすることで相互の燃料移動を速やかに行うようにして、燃料噴射弁の応答性を改善するという効果が得られるが、請求項3のような構成とすると更に、中ピストンの第二制御室の反対側に面する空間と燃料通路とが連通され、燃料圧力による中ピストンへの作用力がバランスさせられると共に、変位拡大ピストンへの作用力をもバランスさせられるので、必要な閉弁力が小さくなり、閉弁力を作用させるためのスプリング部材等の小型化が可能となる。又、閉弁力が小さくなるために必要な開弁力も小さくなるので、制御室内の小さな圧力変化で変位拡大ピストン及びそれに連結したニードルを応答性良く作動させることが可能となると共に、ピエゾアクチュエータの小型化、投入エネルギの省電力化(即ち、駆動エネルギの低減)という効果もある。更に、第二制御室内に配置されたバネ部材が、閉弁する時に変位拡大ピストンを下向きに付勢し、中ピストンを上向きに付勢してこれらの間を押し開けるように作用し、連通孔を介した燃料移動を促進して両制御室内の圧力の降下が迅速に行われるようにすると共に、両制御室への燃料補給を容易にし、連続使用中の応答遅れが防止されるようにする効果もある。
【0017】
又、請求項4のような構成にすることによっても、上述した請求項3の構成により得られる作用効果と同様の作用効果が得られる。そして、請求項4に記載の構成によれば、請求項3の構成によるよりも更に、請求項3の構成において第二制御室内に配設されたバネ部材が開弁した際に発生する閉弁方向の力の分だけ開弁力が小さくて済むので、更なる応答性の向上、ピエゾアクチュエータの小型化、並びに投入エネルギの省電力化等が可能となる。
【0018】
更に、請求項5及び6のような構成とすることにより、二つの制御室間における相互の燃料移動がより速やかに行われるようになり、燃料噴射弁の応答性を更に改善するという効果が得られる。
【0019】
又、請求項7のような構成とすることにより、応答性に関する連通孔総断面積の適正化が図られ、応答性の良い燃料噴射弁が得られる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。尚、図面において、同一又は類似の構成要素には共通の参照番号を付す。
【0021】
図1は本発明の第一実施形態の燃料噴射弁10を含む燃料噴射装置の全体構成図であり、燃料噴射弁は断面図で示されている。本構成は、高圧ポンプで所定圧に昇圧した燃料をコモンレールを介してエンジン各気筒に装着した噴射弁に供給する構成である。
【0022】
噴射弁10は、変位拡大ピストン2を摺動自在に装着したハウジングボディ1を有しており、ハウジングボディ1の下端にはニードル3を収容するノズルボディ31がノズルリテーナ32によって取付けられている。又、ハウジングボディ1の上端にはピエゾ駆動部4を構成するピエゾアクチュエータ41を収容するピエゾケース42がリテーナ43によって取付けられている。
【0023】
ピエゾ駆動部4は、ハウジングボディ1の上端面に密着させられるピストンホルダ44と、ピストンホルダ44内に収容されるピエゾピストン45と、ピエゾアクチュエータ41と、ピエゾアクチュエータ41を収容したピエゾケース42とを含み、リテーナ43によって、ハウジングボディ1の上端面とピストンホルダ44の下端面、並びにピストンホルダ44の上端面とピエゾケース42の下端面がそれぞれ密着するように取付けられている。ピエゾピストン45は同軸の大径部と小径部とを有し、その小径部の外周とピストンホルダ44の内径部とは、わずかなクリアランスを有して摺動可能である。ピエゾピストン45の大径部の下端側には皿バネ47が配設されており、ピエゾピストン45とピエゾアクチュエータ41とを上方に付勢してピエゾケース42の内部上面46に押圧し、プリセット荷重をかけている。尚、ピエゾケース42とピストンホルダ44とはノックピン(図示無し)にて周り止めをしてある。又、ピエゾケース42の上面よりリード線48が取り出され、外部の駆動回路と接続されている。この駆動回路は更にエンジンECU(Electronic Control Unit)に接続されており、エンジンECUからの噴射信号に従ってピエゾアクチュエータ41に通電し、伸縮させるようにする。
【0024】
以上のような構成により、ピエゾアクチュエータ41は、エンジンECUからの噴射信号に従って、ピエゾアクチュエータ41がピエゾケース42の内部上面46に常に当接した状態で、ピエゾピストン45を昇降させる。
【0025】
ノズルボディ31は、その下方先端部に噴孔33を有し、ニードル3がシート面34に着座することで、噴孔33と上流の燃料通路(より詳細には、燃料溜り39)とが遮断される。ニードル3のガイド部35は3つの面取り部を有し、ニードル3の軸線とノズルボディ31との軸線を合わせるガイドの機能と、面取り部によって燃料流路を形成する機能とを果たしている。
【0026】
ニードル3の上端部38と変位拡大ピストン2の下端部21はコネクタ23によって密着するように連結されている。ノズルボディ31とハウジングボディ1との間には、ディスタンスピース36、37が配設され、ノックピン(図示無し)にて周り止めされていて、リテーナ32によって各部材の上下端面が密着するようにして取付けられている。ディスタンスピース36の中央にはニードル3のガイド部35の寸法より小さい径の穴があいており、ニードルがリフトした時にガイド部35の肩部がディスタンスピース36に当接することでニードルリフト量を制限するようになっている。
【0027】
ハウジングボディ1内には、蓄圧室11が設けてあり、そこにはスプリング受け12が配設されている。スプリング13は変位拡大ピストン2の下方端近傍部分を包囲して、スプリング受け12とコネクタ23との間に配設され、変位拡大ピストン2及びそれに連結したニードル3を下向き(閉弁方向)に付勢している。尚、スプリング受け12及びディスタンスピース36には複数の通路が設けてあり、蓄圧室11を、シート面34上流側でニードル3とノズルボディ31との間に形成される燃料溜り39と連通している。
【0028】
変位拡大ピストン2の上側部分は、大径部26と小径部25がハウジングボディ1のガイド大径穴16及びガイド小径穴15内に、わずかなクリアランスを有して、上下摺動可能に保持されている。更に変位拡大ピストン2の大径部26には筒状のガイド中径穴27が設けられ、そのガイド中径穴27内に中ピストン28がその外径とガイド中径穴27との間にわずかなクリアランスを有して摺動可能に保持されている。そして、変位拡大ピストン2の大径部26の底面と小径部25の側面及びハウジングボディ1のガイド大径穴16で区画形成される第一制御室18と中ピストン28の底面と変位拡大ピストン2の大径部26の内側に設けた筒状のガイド中径穴27とによって区画形成される第二制御室19とは、変位拡大ピストン2の両制御室18、19を仕切っている部分に設けられた大きくて短い流路、即ち連通孔51で連通している。両制御室18、19への燃料の供給は、制御室が加圧された時に閉鎖する向きに配設した逆止弁22を介して行われる。尚、本実施形態では逆止弁を使用しているが、代用として絞り部を設けても良い。又、この変更は後述する第二、第三の実施形態の燃料噴射弁においても行うことが可能である。
【0029】
変位拡大ピストン2の大径部26、中ピストン28、ハウジングボディ1上端部、及びピストンホルダ44にて区画形成される空間60はドレン(図示無し)と連通しており低圧に保たれている。従って、第二制御室19に燃料が供給されると、中ピストン28には上向きの燃料圧が作用し、ピエゾアクチュエータ41と密着しているピエゾピストン45と当接可能となる。
【0030】
燃料は、外部のコモンレール(図示無し)が燃料インレット61へ噴射鋼管などで連結されており、燃料インレット61から蓄圧室11には通路62を通って、制御室18、19へは逆止弁22を通って供給される。
【0031】
初期状態において、高圧燃料が燃料インレット61より蓄圧室11及び両制御室18、19に供給される。ここで変位拡大ピストン2に作用する力は、上向き(開弁方向)については、変位拡大ピストン2の大径部26の直径をD26、その大径部26に設けた筒状のガイド中径穴27の直径をD27、変位拡大ピストン2の小径部25の直径をD25とすると、蓄圧室11及び両制御室18、19の燃料圧は等しいので、ドレン圧の空間60に露出される変位拡大ピストン2の部分の断面積分の力、即ち((π/4)・(D26 2 −D27 2 ))×(燃料圧−ドレン圧)が作用し、下向き(閉弁方向)については、閉弁用スプリング13による力が作用する。ここでは上記上向きの作用力<上記下向きの作用力になるように閉弁用スプリング力を設定してあるので、通常時は閉弁されている。
【0032】
図2に示したように、t1の時点でエンジンECUからの噴射信号に従い駆動回路にて所定の電圧をピエゾアクチュエータ41に印加して伸長させると、ピエゾピストン45が下方に押し下げられ当接している中ピストン28が押し下げられる。第二制御室19の容積は減少し、燃料は昇圧され、連通する第一制御室18内も速やかに昇圧される。ここで、変位拡大ピストン2について両制御室18、19内の上昇した圧力が上下方向に作用する部分の面積の関係は、先に定義した直径で表現すると、(π/4)・(D26 2 −D25 2 )>(π/4)・(D27 2 )なる関係にあり、両制御室18、19の圧力が上昇すると、変位拡大ピストン2に上向き(開弁方向)の力が加わる。更に制御室18、19の圧力が上昇し、閉弁用のスプリング13の閉弁力を上回ると(t2の時点)、変位拡大ピストン2が上昇を開始する。この時、燃料は速やかに連通孔51を介して第二制御室19から第一制御室18に移動する。変位拡大ピストン2の上昇に伴い、コネクタ23によって連結されたニードル3も上昇してシート面34から離座し、燃料溜り39と噴孔33が連通されて噴孔33からエンジンシリンダ内への燃料噴射が開始される。その後、離座したニードル3は、ガイド部35の上端がディスタンスピース36に当接して上昇が止まり(t3の時点)、その後は一定リフトで噴射を継続する。
【0033】
所定量の燃料を噴射させた後、t4の時点でエンジンECUからの信号に従い駆動回路による電圧印加を停止すると、ピエゾアクチュエータ41は収縮し、ピエゾピストン45及びそれに燃料の圧力で当接している中ピストン28は上昇する。これにより第二制御室19の容積が増大し、その内部の圧力が低下する。燃料が連通孔51を通って第一制御室18から第二制御室19に移動するため、第一制御室18の圧力も低下し、変位拡大ピストン2に作用する上向きの力が減少する。この結果、変位拡大ピストン2に作用する上向きの力が閉弁用スプリング13の力よりも小さくなるため変位拡大ピストン2は下降し始め(t5の時点)、同時にコネクタ23で連結されたニードル3も下降して、t6の時点でシート面34に着座し、噴孔33と燃料溜り39が遮断されて噴射が終了する。
【0034】
以下同様に、エンジンECUからの噴射信号に従って、繰り返し駆動回路によりピエゾアクチュエータ41を伸縮させることでニードル3を昇降させ、噴射タイミング、噴射量を制御する。
【0035】
近年では、排気対策のために多重噴射(エンジン一行程中に複数回に分けて噴射すること)が望まれており、燃料噴射弁を応答性良く開閉する必要がある。本発明のような制御室の容積変化に応じた圧力変化を受けて開閉弁する燃料噴射弁では、開閉弁する際に二つの制御室(又は制御室第一部分と制御室第二部分)の間を連通孔を通って燃料が移動するので、応答性向上のためにはこの燃料の移動を速やかに行わせる必要がある。このため本実施形態では、この連通孔51が従来技術のものに比べ大きくて短くなるような構成とし、燃料の移動が速やかに行われるようにして応答性を向上させている。図2には、応答性の比較のために従来技術の燃料噴射弁100に関する値が点線で示されている。
【0036】
又、更なる応答性の向上を図るために、連通孔51は複数設けられ、リング状に等間隔で配置されていることが好ましい。即ち、第二制御室19が円柱状である一方、第一制御室18は中央に変位拡大ピストン2の小径部25を有しているために円筒状であるので、連通孔51を1つとするよりも、例えば図3に示したように円筒状の第一制御室18の形状に合わせて第二制御室19の底面に円を成すように複数の連通孔51を均等に配置した方が開閉弁する時の燃料の移動を速やかに行うことが可能となる。又、同様の目的で、図4に示したように、連通孔51が第二制御室19の中央に向かって傾斜して設けられると共に連通孔51の第二制御室19側入口のある変位拡大ピストン2の大径部26に設けられたガイド中径穴27底部中央部に座繰(すり鉢状の凹み)52を設けることも有効である。このような変位拡大ピストン2の構成は、第二制御室19内から連通孔51内への燃料の移動及び連通孔51から第二制御室19内への燃料の移動を容易にする。尚、上述したような複数の連通孔51を有する変位拡大ピストンの構成は、後述する本発明の第二、第三の実施形態の燃料噴射弁においても採用可能である。
【0037】
図5は、連通孔51の総断面積と第二制御室19の断面積との比(連通孔51総断面積/第二制御室19断面積)と開弁時間の関係について示した図である。ここで、連通孔51の総断面積とは、各連通孔51を通る流れの方向に垂直な断面での各連通孔51の断面積の総和であり、第二制御室19の断面積とは、変位拡大ピストン2の長手方向軸線に垂直な断面での第二制御室19の断面積である。又、開弁時間とは、ニードル3が上昇し始めてから所定の最大リフト量まで上昇するまでの時間を意味する。図5に示されたように、連通孔総断面積が小さい時(即ち、連通孔51総断面積/第二制御室19断面積が5%未満の場合)には、燃料の出入りが律速されるために応答が悪くなる。又、逆にこの比を大きくしていくと、制御室18、19の総容積が増加したことになり、中ピストンの昇降に伴う圧力変化が減少し開弁時間が遅くなることが考えられる。しかしながら、図5に示されたように、上記の比が20%程度までは実用上問題のないことが確認された。
【0038】
次に本発明の第二実施形態について説明する。図6は本発明の第二実施形態の燃料噴射弁20を含む燃料噴射装置の全体構成図であり、燃料噴射弁20は断面図で示されている。基本的な構成は図1で示した第一実施形態の燃料噴射弁10を含む燃料噴射装置と同様であるので説明を省略するが、本実施形態の燃料噴射弁20は、応答性を向上するために第二制御室19内にバネ71が配設されると共に、燃料インレット61と蓄圧室11とを結ぶ通路62から空間60へ接続される通路72が設けられ、更に空間60と連通していたドレンが廃止されたことを特徴とする。第二制御室19内のバネ71は例えばウェーブワッシャなどが用いられ、組付け時に、シート面34に着座しているニードル3と連結した変位拡大ピストン2の大径部26に設けられたガイド中径穴27の底面を支持面とし、中ピストン28をピエゾピストン45に当接させている。
【0039】
燃料を充填した初期状態において、本実施形態では、蓄圧室11、両制御室18、19及び空間60が全て同じ圧力になり、変位拡大ピストン2に関して燃料圧により作用する力は上下方向でバランスしている。それゆえ、変位拡大ピストン2は、閉弁用スプリング13及び第二制御室19内に設置したバネ71の作用により下方に付勢され、変位拡大ピストン2に連結したニードル3はシート面34に着座し、噴孔33と燃料溜り39を遮断している。この時、閉弁用スプリング13及び第二制御室内のバネ71による下向き(閉弁方向)の力は、ニードル先端部分に作用するシリンダ内圧力による力より大きければよく、燃料圧による上向き(開弁方向)の力をも補償する必要のある第一実施形態の場合に比べ、必要な閉弁力は小さくて済み、閉弁用スプリング13の小型化が可能となる。閉弁力が小さいために必要な開弁力も小さくなり、制御室18、19内の小さな圧力変化で変位拡大ピストン2及びそれに連結したニードル3を応答性良く作動させることが可能となる(図7参照)。又、開弁力が小さく出来るために、ピエゾアクチュエータ41の小型化、投入エネルギの省電力化にも有用である。更に、本実施形態の構成においては、燃料圧が変わっても閉弁方向の力は変わらないので、閉弁速度を一定に保つことが出来る。
【0040】
図7に示したように、t1の時点でエンジンECUからの噴射信号に従い、駆動回路にてピエゾアクチュエータ41に電圧を印加すると、ピエゾアクチュエータ41は下方に伸長し、ピエゾピストン45を皿バネ47に抗して下方に押し下げ、中ピストン28をバネ71に抗して押し下げる。第二制御室19の容積は減少し、第二制御室19内の燃料が昇圧される。連通する第一制御室18内も同時に昇圧され、第一実施形態に関して前述した変位拡大ピストン2について両制御室18、19内の上昇した圧力が上下方向に作用する部分の面積の関係によって上向き(開弁方向)の力が発生する。この上向きの力がバネ71及び閉弁用スプリング13の下向きの力を上回る時点(t2)において、変位拡大ピストン2が上昇を開始し、燃料が速やかに連通孔51を介して第二制御室19から第一制御室18に移動する。変位拡大ピストン2の上昇に伴い、コネクタ23によって連結されたニードル3も上昇してシート面34から離座し、燃料溜り39と噴孔33が連通されて噴孔33からエンジンシリンダ内への燃料噴射が開始される。その後、離座したニードル3は、ガイド部35の上端がディスタンスピース36に当接して上昇が止まり(t3の時点)、その後は一定リフトで噴射を継続する。
【0041】
所定量の燃料を噴射させた後、t4の時点でエンジンECUからの信号に従い駆動回路による電圧印加を停止すると、ピエゾアクチュエータ41が収縮し、これによって皿バネ47の作用でピエゾピストン45が上昇すると共に、ピエゾピストン45に当接している中ピストン28がバネ71の作用で上昇する。これにより第二制御室19の容積が増大し、その内部の圧力が低下する。燃料が連通孔51を通って第一制御室18から第二制御室19に移動するため、第一制御室18内の圧力も低下し、変位拡大ピストン2に作用する上向きの力が減少する。この結果、変位拡大ピストン2は閉弁用スプリング13及び第二制御室19内のバネ71の作用により下降し始め(t5の時点)、同時にコネクタ23で連結されたニードル3も下降して、t6の時点でシート面34に着座し、噴孔33と燃料溜り39が遮断されて噴射が終了する。
【0042】
本実施形態の構造によれば、上述したように、第一実施形態の構造に比べて必要な閉弁力及び開弁力を小さくすることが出来るので、ピエゾアクチュエータ41の駆動エネルギを小さくすることが出来る(図7においてピエゾ伸び量が第一実施形態に比べ小さい)。又、燃料圧に依存せずに素早く閉弁することも可能となる。
【0043】
バネ71は、閉弁する時に変位拡大ピストン2を下向きに付勢し、中ピストン28を上向きに付勢してこれらの間を押し開ける作用を有している。閉弁する時に第二制御室19を押し開けることで、第一制御室18から第二制御室19への連通孔51を介した燃料移動を促進する効果があり、両制御室18、19内の圧力の降下が迅速に行われるようになる。又、制御室18、19内圧力をt6付近で初期状態の圧力(コモンレールから供給される燃料圧力)より低くして両制御室18、19への燃料補給を容易にし、連続使用中の応答遅れが防止されるようにする。つまり、開弁する時には、両制御室18、19内が加圧されるため、変位拡大ピストン2の各摺動部(即ち、大径部26の外径部とボディ1のガイド大径穴16、大径部26に設けられたガイド中径穴27と中ピストン28の外径部、小径部25の外径部とボディ1のガイド小径穴15)から、制御室18又は19内の燃料がリークする。そのため、開弁後に変位拡大ピストン2が下降してニードル3が着座位置に戻ろうとする時には、両制御室18、19の燃料圧は空間60の燃料圧より低くなり、中ピストン28には、(中ピストン28の断面積)×(上記燃料リークによる減圧分)の下向きの力が作用する。この結果、バネ71が配設されていない場合には、変位拡大ピストン2及びそれに連結されているニードル3は速やかに初期状態の位置に戻らず、逆止弁22を介してリーク分の燃料が補充されるまで、変位拡大ピストン2の下降が遅れ、ひいては連結するニードル3による閉弁が遅れることとなる。これに対し、本実施形態においては、バネ71が第二制御室19内に配設されているので、リーク分による両制御室18、19の圧力低下に抗して中ピストン28を初期状態位置に戻すと共に変位拡大ピストン2を閉弁位置に押し下げることが可能であり、それによって、両制御室18、19内と燃料通路62内とで圧力差を生じさせ、両制御室18、19内に速やかに燃料を補充することが可能となる。
【0044】
バネ71が第二制御室19内に配設されていない場合には、上述したような燃料の補充が素早く且つ十分に行われないため、次の開弁時になっても、両制御室18、19の圧力が空間60よりも低いままであり、両制御室18、19内の圧力を十分な開弁力を得るための所定圧まで上昇させるのに多くの変位及び時間を要することとなって、応答性が悪くなる。
【0045】
以上のように、バネ71を第二制御室19内に配設することにより、次の開弁時までに速やかに十分な燃料の補給が行われ、応答性良く再び開弁させることが可能となる。つまり、本実施形態により、多重噴射時においても、応答性良くニードルを昇降させ燃料噴射弁を開閉させることが可能となる。
【0046】
尚、図7には、第一実施形態の燃料噴射弁10と第二実施形態の燃料噴射弁20の同一の噴射信号に対する各作動パラメータ(ピエゾアクチュエータ伸び量、制御室内圧力、ニードルリフト)の変化について比較するために第一実施形態の燃料噴射弁10に関する値が点線で示されている。
【0047】
次に本発明の第三実施形態について説明する。図8は本発明の第三実施形態の燃料噴射弁30を含む燃料噴射装置の全体構成図であり、燃料噴射弁30は断面図で示されている。本実施形態の構成は、図6で示した第二実施形態の燃料噴射弁20を含む燃料噴射装置に類似しており、同様の部分については説明を省略するが、本実施形態の燃料噴射弁30においては、第二実施形態の燃料噴射弁20において第二制御室19内に配設されていたバネ71が廃止されると共に、中ピストン73の上部部分につば77が設けられ、このつば77とボディ1に設けられたバネ受け座74との間にバネ75が配設されている。このような構成とすることで、以下で説明するように、第二実施形態の燃料噴射弁20に比べて更に小さなピエゾアクチュエータ41の伸び量で開弁が可能となり、駆動エネルギの低減を図ることが出来る。即ち、第二実施形態の燃料噴射弁20においては、開弁する時に、第二制御室19内に配設されたバネ71が変位拡大ピストン2の上昇により圧縮され、下向きの力が増加される。一方、本実施形態では、開弁する時に変位拡大ピストン2の上昇によるバネ75の圧縮は発生しないため、下向きの力は増加せず、その分だけ両制御室18、19内を昇圧することによって発生させる開弁に必要な上向きの力は小さくて済むので、必要なピエゾアクチュエータ41の伸び量も小さくなり、駆動エネルギの低減を図ることが出来る。
【0048】
燃料を充填した初期状態においては、本実施形態の燃料噴射弁30においても第二実施形態の燃料噴射弁20と同様に、蓄圧室11、両制御室18、19及び空間60が全て同じ圧力になり、変位拡大ピストン2に関して燃料圧により作用する力は上下方向でバランスしている。従って、変位拡大ピストン2は、閉弁用スプリング13の作用により下方に付勢され、変位拡大ピストン2に連結したニードル3はシート面34に着座し、噴孔33と燃料溜り39を遮断している。この時、閉弁用スプリング13による下向き(閉弁方向)の力は、ニードル先端部分に作用するシリンダ内圧力による力より大きければよく、燃料圧による上向き(開弁方向)の力をも補償する必要のある第一実施形態に比べ、第二実施形態の燃料噴射弁20と同様、必要な閉弁力は小さくて済む。そのため、第二実施形態の燃料噴射弁20について上述したように、閉弁用スプリング13の小型化が可能となる。更に本実施形態では、上述したように第二実施形態の燃料噴射弁20よりも必要な開弁力が小さいので、制御室18、19内の更に小さな圧力変化でのニードル3の応答性の良い作動、ピエゾアクチュエータ41の更なる小型化、投入エネルギの更なる省電力化等が可能になる。又、第二実施形態の燃料噴射弁20と同様に燃料圧が変わっても閉弁方向の力は変わらないので、閉弁速度を一定に保つことが出来る。
【0049】
図9に示したように、t1の時点でエンジンECUからの噴射信号に従い、駆動回路にてピエゾアクチュエータ41に電圧を印加すると、ピエゾアクチュエータ41は下方に伸長し、ピエゾピストン45を皿バネ47に抗して下方に押し下げ、中ピストン73をバネ75に抗して押し下げる。第二制御室19の容積は減少し、第二制御室19内の燃料が昇圧される。連通する第一制御室18内も同時に昇圧され、第一実施形態に関して前述した変位拡大ピストン2について両制御室18、19内の上昇した圧力が上下方向に作用する部分の面積の関係によって上向き(開弁方向)の力が発生する。この上向きの力が閉弁用スプリング13の下向きの力を上回る時点(t2)において、変位拡大ピストン2が上昇を開始し、燃料が速やかに連通孔51を介して第二制御室19から第一制御室18に移動する。変位拡大ピストン2の上昇に伴い、コネクタ23によって連結されたニードル3も上昇してシート面34から離座し、燃料溜り39と噴孔33が連通されて噴孔33からエンジンシリンダ内への燃料噴射が開始される。その後、離座したニードル3は、ガイド部35の上端がディスタンスピース36に当接して上昇が止まり(t3の時点)、その後は一定リフトで噴射を継続する。
【0050】
所定量の燃料を噴射させた後、t4の時点でエンジンECUからの信号に従い駆動回路による電圧印加を停止すると、ピエゾアクチュエータ41が収縮し、これによって皿バネ47の作用でピエゾピストン45が上昇すると共に、ピエゾピストン45に当接している中ピストン73がバネ75の作用で上昇する。これにより第二制御室19の容積が増大し、その内部の圧力が低下する。燃料が連通孔51を通って第一制御室18から第二制御室19に移動するため、第一制御室18の圧力も低下し、変位拡大ピストン2に作用する上向きの力が減少する。この結果、変位拡大ピストン2は閉弁用スプリング13の作用により下降し始め(t5の時点)、同時にコネクタ23で連結されたニードル3も下降して、t6の時点でシート面34に着座し、噴孔33と燃料溜り39が遮断されて噴射が終了する。
【0051】
本実施形態の構造によれば、上述したように第二実施形態の構造に比べ、ピエゾアクチュエータ41の駆動エネルギを更に小さくすることが出来る(図9においてピエゾアクチュエータ伸び量が第二実施形態に比べ小さい)。又、第二実施形態の燃料噴射弁20と同様に燃料圧に依存せずに素早く閉弁することも可能となる。更に、バネ75が閉弁する時に中ピストン73を上向きに付勢して第二制御室19を広げることにより、第二実施形態の燃料噴射弁20において、閉弁する時にバネ71が第二制御室19を押し開けるのと同様の効果を発揮し、第一制御室18から第二制御室19への連通孔51を介した燃料移動を促進して両制御室18、19内の圧力の降下が迅速に行われるようにすると共に、制御室内圧力をt6付近で初期状態の圧力(コモンレールから供給される燃料圧力)より低くして両制御室18、19への燃料補給を容易にし、連続使用中の応答遅れが防止される。
【0052】
尚、図9には、第二実施形態の燃料噴射弁20と第三実施形態の燃料噴射弁30の同一の噴射信号に対する各作動パラメータ(ピエゾアクチュエータ伸び量、制御室内圧力、ニードルリフト、バネ力)の変化について比較するために第二実施形態の燃料噴射弁20に関する値が点線で示されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第一実施形態の燃料噴射弁を含む燃料噴射装置の全体構成図であり、燃料噴射弁は断面図で示されている。
【図2】図2は、本発明の第一実施形態の燃料噴射弁の作動を説明するためのタイムチャートであり、同一の噴射信号に対する各作動パラメータ(ピエゾアクチュエータ伸び量、制御室内圧力、ニードルリフト)の変化が、従来技術の燃料噴射弁と比較して示してある。
【図3】図3は、本発明の第一実施形態の燃料噴射弁の部分拡大断面図であり、図3(a)は制御室近傍の拡大断面図を示し、図3(b)は図3(a)中の線B−Bに沿った断面図を示している。
【図4】図4は、変位拡大ピストンの変形例を示している図3と同様の図であり、図4(a)は制御室近傍の拡大断面図を示し、図4(b)は図4(a)中の線B−Bに沿った断面図を示している。
【図5】図5は、連通孔の総断面積と第二制御室の断面積との比(連通孔総断面積/第二制御室断面積)と開弁時間の関係について示した図である。
【図6】図6は、本発明の第二実施形態の燃料噴射弁を含む燃料噴射装置の全体構成図であり、燃料噴射弁は断面図で示されている。
【図7】図7は、本発明の第二実施形態の燃料噴射弁の作動を説明するためのタイムチャートであり、同一の噴射信号に対する各作動パラメータ(ピエゾアクチュエータ伸び量、制御室内圧力、ニードルリフト)の変化が、本発明の第一実施形態の燃料噴射弁と比較して示してある。
【図8】図8は、本発明の第三実施形態の燃料噴射弁を含む燃料噴射装置の全体構成図であり、燃料噴射弁は断面図で示されている。
【図9】図9は、本発明の第三実施形態の燃料噴射弁の作動を説明するためのタイムチャートであり、同一の噴射信号に対する各作動パラメータ(ピエゾアクチュエータ伸び量、制御室内圧力、ニードルリフト、バネ力)の変化が、本発明の第二実施形態の燃料噴射弁と比較して示してある。
【図10】図10は、従来技術の燃料噴射弁を含む燃料噴射装置の全体構成図であり、燃料噴射弁は断面図で示されている。
【図11】図11は、他の従来技術の燃料噴射弁を含む燃料噴射装置の全体構成図であり、燃料噴射弁は断面図で示されている。
【符号の説明】
10、20、30…燃料噴射弁
1…ハウジングボディ
2…変位拡大ピストン
3…ニードル
4…ピエゾ駆動部
11…蓄圧室
12…スプリング受け
13…スプリング
15…ガイド小径穴
16…ガイド大径穴
18…第一制御室
19…第二制御室
22…逆止弁
23…コネクタ
25…小径部
26…大径部
27…ガイド中径穴
28…中ピストン
31…ノズルボディ
32…ノズルリテーナ
33…噴孔
34…シート面
35…ガイド部35
36、37…ディスタンスピース
39…燃料溜り
41…ピエゾアクチュエータ
42…ピエゾケース
43…リテーナ
44…ピストンホルダ
45…ピエゾピストン
48…リード線
51…連通孔
60…空間
61…燃料インレット
62…燃料通路
71…バネ
73…つば付中ピストン
75…バネ
77…つば

Claims (8)

  1. 噴孔を開閉するニードルに閉弁方向の付勢力を作用させるスプリング部材を有する燃料噴射弁であって、
    前記ニードルに連結されると共に、連通孔が設けられた拡大部を備えた変位拡大ピストンと、
    前記変位拡大ピストンの拡大部の一側面に面して配設されると共に燃料が充填される第一制御室であって、前記変位拡大ピストンに所定の大きさの作用面積で燃料の圧力を開弁方向に作用させる第一制御室と、
    前記変位拡大ピストンの拡大部の前記側面の反対側の側面に面して配設されると共に、前記第一制御室と前記拡大部に設けられた前記連通孔によって連結され且つ燃料が充填される第二制御室であって、前記変位拡大ピストンに前記第一制御室の作用面積よりも小さい作用面積で燃料の圧力を閉弁方向に作用させる第二制御室と、を有し、
    一方の制御室容積を変化させることで二つの前記制御室内の燃料圧力を上昇させ、二つの前記制御室の作用面積の差のために発生する前記変位拡大ピストンを開弁方向に移動させる力によってニードルを移動して前記噴孔を開くことを特徴とする燃料噴射弁。
  2. ピエゾアクチュエータの伸縮に伴う制御室の容積変化に応じた圧力変化を受けて開閉弁する燃料噴射弁において、
    内部に同軸のガイド大径穴及びガイド小径穴が設けられたハウジングボディと、前記各穴内で各々摺動可能な同軸の大径部と小径部とを有すると共に前記大径部にガイド中径穴が設けられた変位拡大ピストンと、前記変位拡大ピストンの大径部に設けられたガイド中径穴内で摺動可能な中ピストンとを有していて、
    前記ハウジングボディのガイド大径穴と前記変位拡大ピストンの大径部及び小径部とで区画形成される第一制御室と、前記変位拡大ピストンの大径部に設けられたガイド中径穴と中ピストンにて区画形成される第二制御室とが、二つの前記制御室を仕切っている変位拡大ピストンの部分に連通孔を設けて連結され、
    燃料通路と逆止弁、又は絞り部にて前記第一制御室に燃料を供給し、
    前記中ピストンの前記第二制御室の反対側に面する空間をドレンと連通させて、該空間内圧力を前記第二制御室内圧力より低くし、前記中ピストンを前記ピエゾアクチュエータ側に付勢させ、前記ピエゾアクチュエータの伸縮を前記中ピストンに確実に伝達するようにし、
    前記第二制御室の容積変化により発生させた圧力変化を、前記変位拡大ピストンの前記第一制御室に面する大径部断面積から小径部断面積を差し引いた面積と前記第二制御室に面するガイド中径穴底部面積とに作用させ、前記変位拡大ピストン及び該変位拡大ピストンに連結されているニードルを昇降させて開閉弁することを特徴とする燃料噴射弁。
  3. ピエゾアクチュエータの伸縮に伴う制御室の容積変化に応じた圧力変化を受けて開閉弁する燃料噴射弁において、
    内部に同軸のガイド大径穴及びガイド小径穴が設けられたハウジングボディと、前記各穴内で各々摺動可能な同軸の大径部と小径部とを有すると共に前記大径部にガイド中径穴が設けられた変位拡大ピストンと、前記変位拡大ピストンの大径部に設けられたガイド中径穴内で摺動可能な中ピストンとを有していて、
    前記ハウジングボディのガイド大径穴と前記変位拡大ピストンの大径部及び小径部とで区画形成される第一制御室と、前記変位拡大ピストンの大径部に設けられたガイド中径穴と中ピストンにて区画形成される第二制御室とが、二つの前記制御室を仕切っている変位拡大ピストンの部分に連通孔を設けて連結され、
    燃料通路と逆止弁、又は絞り部にて前記第一制御室に燃料を供給し、
    前記中ピストンの前記第二制御室の反対側に面する空間と燃料通路とを連通させ、前記中ピストンへの作用力をバランスさせると共に、前記変位拡大ピストンへの作用力をもバランスさせ、
    前記第二制御室内に前記中ピストンと前記変位拡大ピストンとを隔離するように付勢するバネ部材を配設し、前記中ピストンを前記ピエゾアクチュエータ側に付勢させ、前記ピエゾアクチュエータの伸縮を前記中ピストンに確実に伝達するようにし、
    前記第二制御室の容積変化により発生させた圧力変化を、前記変位拡大ピストンの前記第一制御室に面する大径部断面積から小径部断面積を差し引いた面積と前記第二制御室に面するガイド中径穴底部面積とに作用させ、前記変位拡大ピストン及び該変位拡大ピストンに連結されているニードルを昇降させて開閉弁することを特徴とする燃料噴射弁。
  4. ピエゾアクチュエータの伸縮に伴う制御室の容積変化に応じた圧力変化を受けて開閉弁する燃料噴射弁において、
    内部に同軸のガイド大径穴及びガイド小径穴が設けられたハウジングボディと、前記各穴内で各々摺動可能な同軸の大径部と小径部とを有すると共に前記大径部にガイド中径穴が設けられた変位拡大ピストンと、前記変位拡大ピストンの大径部に設けられたガイド中径穴内で摺動可能な中ピストンであって、該中ピストンの摺動部よりアクチュエータ側の部位につばが設けられている中ピストンとを有していて、
    前記ハウジングボディのガイド大径穴と前記変位拡大ピストンの大径部及び小径部とで区画形成される第一制御室と、前記変位拡大ピストンの大径部に設けられたガイド中径穴と中ピストンにて区画形成される第二制御室とが、二つの前記制御室を仕切っている変位拡大ピストンの部分に連通孔を設けて連結され、
    燃料通路と逆止弁、又は絞り部にて前記第一制御室に燃料を供給し、
    前記中ピストンの前記第二制御室の反対側に面する空間と燃料通路とを連通させ、前記中ピストンへの作用力をバランスさせると共に、前記変位拡大ピストンへの作用力をもバランスさせ、
    前記中ピストンのつばと前記ハウジングボディのガイド大径穴より大径の、前記ハウジングボディに設けられたバネ部材受け座との間に、前記中ピストンを前記ピエゾアクチュエータ側に付勢するバネ部材を配設して、前記ピエゾアクチュエータの伸縮を前記中ピストンに確実に伝達するようにし、
    前記第二制御室の容積変化により発生させた圧力変化を、前記変位拡大ピストンの前記第一制御室に面する大径部断面積から小径部断面積を差し引いた面積と前記第二制御室に面するガイド中径穴底部面積とに作用させ、前記変位拡大ピストン及び該変位拡大ピストンに連結されているニードルを昇降させて開閉弁することを特徴とする燃料噴射弁。
  5. ピエゾアクチュエータの伸縮に伴う制御室の容積変化に応じた圧力変化を受けて開閉弁する前記燃料噴射弁において、
    前記連通孔を複数かつリング状に等間隔で配置したことを特徴とする請求項2から4の何れか一項に記載の燃料噴射弁。
  6. ピエゾアクチュエータの伸縮に伴う制御室の容積変化に応じた圧力変化を受けて開閉弁する前記燃料噴射弁において、
    前記連通孔が前記第二制御室の中央に向かって傾斜して設けられると共に前記連通孔の前記第二制御室側入口のある前記変位拡大ピストンの大径部に設けられたガイド中径穴底部中央部に座繰を設けたことを特徴とする請求項2から5の何れか一項に記載の燃料噴射弁。
  7. ピエゾアクチュエータの伸縮に伴う制御室の容積変化に応じた圧力変化を受けて開閉弁する前記燃料噴射弁において、
    前記連通孔の総断面積を前記第二制御室断面積の5%から20%としたことを特徴とする請求項2から6の何れか一項に記載の燃料噴射弁。
  8. ピエゾアクチュエータの伸縮に伴う制御室の容積変化に応じた圧力変化を受けて開閉弁する前記燃料噴射弁において、
    前記ピエゾアクチュエータと前記中ピストンとの間に、前記ピエゾアクチュエータの力を伝達する部材を有していることを特徴とする請求項2から7の何れか一項に記載の燃料噴射弁。
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