JP2017075532A - 燃料噴射弁 - Google Patents

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文明 有川
Fumiaki Arikawa
文明 有川
大治 植田
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Abstract

【課題】 1つのアクチュエータで2つの第1、第2バルブ8、9を開閉動作させることで、体格の大型化を抑制することのできる燃料噴射弁を提供することにある。
【解決手段】 燃料噴射弁は、第1バルブ8とピストンロッド5の移動量が軸方向の隙間Sよりも小さい時には、第1バルブ8のみが開弁動作する。
そして、第1バルブ8とピストンロッド5の移動量が軸方向の隙間Sよりも大きくなると、第1バルブ8が第2バルブ9に当接し、アクチュエータの駆動力がピストンロッド5、第1バルブ8を介して第2バルブ9に伝わる。このように、第1バルブ8とピストンロッド5の移動量が軸方向の隙間Sよりも大きい時には、第1バルブ8が第2バルブ9に当接して第1、第2バルブ8、9がともに開弁動作する。
したがって、1つのアクチュエータで2つの第1、第2バルブ8、9を開閉動作させることで、燃料噴射弁の体格の大型化を抑制することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、制御室内の燃料圧力を調整することで、ニードルを開閉動作させて燃料の噴射を開始したり、停止したりする燃料噴射弁に関するものである。
従来より、エンジンの気筒内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁として、アクチュエータの駆動力を利用して制御弁の弁体を駆動することで、ニードル上面に設置される制御室内の燃料圧力を調整し、ニードルの開閉動作を制御する燃料噴射弁が周知である。
このような燃料噴射弁のうち、ニードルの開弁速度を可変制御する機構を備えた燃料噴射弁が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この燃料噴射弁は、制御室から燃料噴射弁の外部(例えば燃料系の低圧側)へ燃料を流出させる低圧燃料通路の途中に2つの第1、第2制御弁を並列配置している。
低圧燃料通路は、制御室の下流側で分岐した2つの第1、第2分岐燃料通路を備えている。
第1制御弁は、第1分岐燃料通路を開閉する弁体である第1バルブ、およびこの第1バルブを収容する第1弁体収容室を備えている。
第2制御弁は、第2分岐燃料通路を開閉する弁体である第2バルブ、およびこの第2バルブを収容する第2弁体収容室を備えている。
そして、第1バルブのみを開弁したり、第1、第2バルブの両方とも開弁したりすることで、制御室から燃料噴射弁の外部への燃料の排出速度を制御することにより、ニードルの開弁速度を可変とする構造が提案されている。
しかしながら、特許文献1に記載の燃料噴射弁においては、第1、第2バルブを作動させるためにアクチュエータを2個搭載する必要があるため、燃料噴射弁の体格が大型化するという問題が生じている。
米国特許出願公開第2013/0233941号明細書
本発明の目的は、1つのアクチュエータで2つの第1、第2弁体を開閉動作させることで、体格の大型化を抑制することのできる燃料噴射弁を提供することにある。
請求項1に記載の発明によれば、アクチュエータの駆動力がロッドを介して第1弁体に伝わる。すると、第1弁体が第1流路を開く位置に変位することで、制御室からの燃料の流出が実施される。これにより、制御室から第1流路、燃料通路を経由して燃料噴射弁の外部へ燃料が流出し、制御室内の燃料圧力が低下する。そして、制御室内の燃料圧力、つまりニードルに対して噴孔を閉じる側に作用する燃料圧力がニードル開弁圧まで低下すると、ニードルが開弁(リフト)して燃料噴射が開始される。
このとき、第1弁体とロッドの移動量が軸方向の隙間よりも小さい時には、第1弁体のみが開弁動作する。
そして、第1弁体とロッドの移動量が軸方向の隙間よりも大きくなると、第1弁体が第2弁体に当接し、アクチュエータの駆動力がロッド、第1弁体を介して第2弁体に伝わる。このように、第1弁体とロッドの移動量が軸方向の隙間よりも大きい時には、第1弁体が第2弁体に当接して第1、第2弁体がともに開弁動作する。
したがって、1つのアクチュエータで2つの第1、第2弁体を開閉動作させることで、体格の大型化を抑制することができる。
燃料噴射弁の全体構成を示した断面図である(実施形態1)。 燃料噴射弁の主要構成を示した断面図である(実施形態1)。 ピエゾ充電電圧の変化に対する第1バルブのリフト波形を示したタイミングチャートである(実施形態1)。 ピエゾ充電電圧の変化に対する第1バルブのリフト波形を示したタイミングチャートである(実施形態1)。 ピエゾ充電電圧の変化に対する第1、第2バルブのリフト波形および燃料噴射率を示したタイミングチャートである(実施形態1)。 ピエゾ充電電圧の変化に対する第1、第2バルブのリフト波形および燃料噴射率を示したタイミングチャートである(実施形態1)。
以下、図面を参照しながら、発明を実施するための形態を説明する。
[実施形態1の構成]
図1ないし図6は、本発明を適用した実施形態1を示したものである。
本実施形態の燃料噴射弁1は、ニードル2、制御プレート3、アクチュエータ4、ピストンロッド5、第1、第2制御弁およびハウジング6を備えている。
ここで、ニードル2が軸方向先端側に移動する方向を閉弁方向とし、また、ニードル2が軸方向後端側に移動する方向を開弁方向と呼ぶ場合がある。
また、制御プレート3が軸方向先端側に移動する方向を開弁方向とし、また、制御プレート3が軸方向後端側に移動する方向を閉弁方向と呼ぶ場合がある。
また、第1制御弁の第1弁体(以下第1バルブ)8および第2制御弁の第2弁体(以下第2バルブ)9が軸方向先端側に移動する方向を開弁方向とし、また、第1バルブ8および第2バルブ9が軸方向後端側に移動する方向を閉弁方向と呼ぶ場合がある。
第1制御弁は、ハウジング6の制御室7から燃料を排出する第1流路(後述する)を開閉する第1バルブ8、およびこの第1バルブ8を閉弁方向に付勢する第1バルブスプリング11を有している。
第2制御弁は、制御室7から燃料を排出する第2流路(後述する)を開閉する第2弁体(以下第2バルブ)9、およびこの第2バルブ9を閉弁方向に付勢する第2バルブスプリング12を有している。
第1バルブ8は、第1バルブスプリング11と一緒にハウジング6の第1弁体収容室13内に収容されている。また、第2バルブ9は、第2バルブスプリング12と一緒にハウジング6の第2弁体収容室14内に収容されている。
ハウジング6は、内部にニードル収容孔が形成されたノズルボディ15、および内部にピエゾ収容孔が形成されたインジェクタボディ16を備えている。
ノズルボディ15とインジェクタボディ16との間には、3つのバルブボディ17〜19が挟み込まれている。
ここで、ハウジング6の軸方向を上下方向と定義した場合、ノズルボディ15の上側にバルブボディ17〜19が配置されるとともに、インジェクタボディ16の下側にバルブボディ17〜19が配置される。
ノズルボディ15の先端には、エンジンの気筒内に燃料噴射を行う複数の噴孔21が設けられている。これらの噴孔21は、各入口がノズルボディ15の内壁で開口し、各出口がノズルボディ15の外壁で開口している。また、複数の噴孔21は、エンジンの気筒内に燃料を噴射する。
ノズルボディ15の先端の内壁には、ニードル2の先端が離着座する円錐状のシート面22が設けられている。
ノズルボディ15のニードル収容孔には、ニードル2の摺動部23を摺動可能に支持する円筒状のノズルシリンダ24が設置されている。
ハウジング6には、複数の噴孔21と連通するノズル室25、およびこのノズル室25と連通し、ノズル室25を介して複数の噴孔21へ高圧燃料を導入する高圧導入流路26が形成されている。また、ハウジング6には、ニードル2に対して噴孔21を閉じる側(以下閉弁方向)に作用する燃料圧力を蓄える制御室7、および高圧導入流路26から分岐して制御室7内へ高圧燃料を導入する高圧導入流路27が形成されている。
高圧導入流路26には、エンジンの運転が開始されると、サプライポンプやコモンレール等の燃料系の高圧部から高圧配管を介して、高圧燃料が導入される。
高圧導入流路27は、制御室7への燃料の導入量を規制するインオリフィス27aを有している。
また、ハウジング6には、燃料噴射弁1の内部から外部へ燃料を流出させる低圧燃料通路28が形成されている。
なお、バルブボディ19には、ピストンロッド5を往復摺動可能に収容する摺動孔29が形成されている。
ハウジング6には、制御室7と第1弁体収容室13とを連通する第1分岐通路31、および制御室7と第2弁体収容室14とを連通する第2分岐通路32が形成されている。
第1分岐通路31は、第2分岐通路32の途中から分岐している。この第1分岐通路31は、制御室7からの燃料排出量を規制する第1アウトオリフィス31aを有している。 第2分岐通路32は、制御室7からの燃料排出量を規制する第2アウトオリフィス32aを有している。
第1アウトオリフィス31aは、第1弁体収容室13よりも上流側に設けられている。 第2アウトオリフィス32aは、第2弁体収容室14よりも上流側に設けられている。
ノズルシリンダ24は、バルブボディ17の先端面に溶接固定されている。このノズルシリンダ24は、バルブボディ17の先端面からニードル収容孔の内部へ突出するように配置されている。また、ノズルシリンダ24の内周には、制御プレート3を往復移動可能に支持するガイド孔が設けられている。
ノズルシリンダ24は、制御プレート3の外周との間に、高圧導入流路27と制御室7とを連通する連通路35を形成する内壁を有している。この連通路35は、制御プレート3の外周に形成される複数の平面部(または切欠き溝)とノズルシリンダ24の内周面との間に形成されている。
ノズルシリンダ24には、ニードル2の外周の環状段差23aとの間に所定の距離(ニードルフルリフト量)を隔てて対向し、ニードル2を係止可能な環状段差36が一体的に設けられている。この環状段差36は、ニードル2がフルリフトした際に、これ以上の移動を規制するためのニードルストッパを構成している。
ノズルシリンダ24には、バルブボディ17の先端面との間に所定の距離(プレート収容室の高さ)を隔てて対向し、制御プレート3を係止可能な環状段差37が一体的に設けられている。この環状段差37は、制御プレート3がフルリフトした際に、これ以上の移動を規制するためのプレートストッパを構成している。
[実施形態1の特徴]
ニードル2は、制御プレート3と一緒にノズルボディ15の中心軸線上に設置されている。このニードル2は、ノズルボディ15のニードル収容孔内に往復移動可能に収容されている。
ここで、ニードル2がノズルボディ15のシート面22に着座して噴孔21を閉じている状態をニードル2の閉弁状態とし、また、ニードル2がシート面22から離座して噴孔21を開いている状態をニードル2の開弁状態とする。
ニードル2の先端は、ニードルスプリング33の付勢力によってノズルボディ15のシート面22に突き当てられている。
ニードルスプリング33は、ニードル2を閉弁方向に付勢している。
制御プレート3は、ノズルシリンダ24内に往復移動可能に収容されている。
制御プレート3は、高圧導入流路27と制御室7との間に設けられて、高圧導入流路27と制御室7との連通、遮断を切り替える。この制御プレート3は、高圧導入流路27内の燃料圧力と制御室7内の燃料圧力との圧力差に応じて軸方向に移動するフローティングバルブである。
制御プレート3の後端面は、プレートスプリング34の付勢力によってバルブボディ17の先端面に突き当てられている。
ここで、制御プレート3がバルブボディ17の先端面に着座して高圧導入流路27を閉鎖している状態を制御プレート3の閉弁状態とし、また、制御プレート3がバルブボディ17の先端面から離座して高圧導入流路27を開放している状態を制御プレート3の開弁状態とする。
制御プレート3には、連通孔39が形成されている。この連通孔39は、制御プレート3の閉弁時にのみ、制御室7と第1、第2分岐通路31、32とを連通する。
本実施形態の燃料噴射弁1では、制御プレート3の図示上端面(以下開弁側受圧面)で受圧する開弁方向の油圧力が、制御プレート3の図示下端面(以下閉弁側受圧面)で受圧する閉弁方向の油圧力とプレートスプリング34の閉弁方向の付勢力との合力よりも大きい場合、プレートスプリング34の付勢力に抗して、バルブボディ17の図示下端面(以下バルブシート)から制御プレート3が離座して環状段差37に当接する。このとき、制御プレート3は、フルリフト状態となる。これにより、連通路35を介して制御室7と高圧導入流路27とが連通する。そして、制御プレート3の図示上端面とバルブボディ17のバルブシートとの間には、高圧導入流路27から導入された高圧燃料が流通可能な流路隙間(図示せず)が形成される。よって、流路隙間内に流入した高圧燃料は、連通路35を介して制御室7内に導入される。
また、燃料噴射弁1では、制御プレート3の開弁側受圧面で受圧する開弁方向の油圧力が、制御プレート3の閉弁側受圧面で受圧する閉弁方向の油圧力とプレートスプリング34の閉弁方向の付勢力との合力よりも小さい場合、バルブボディ17のバルブシートに制御プレート3が着座する。このとき、制御プレート3は、ゼロリフト状態となる。これにより、制御室7と高圧導入流路27との連通が遮断される。そして、制御室7と第1、第2分岐通路31、32とが、連通孔39を介して連通する。
アクチュエータ4は、電荷の充放電により軸方向に伸縮するピエゾ素子をその軸方向に多数積層して構成されるピエゾ素子積層体を備えている。このアクチュエータ4は、一対のピエゾリード端子間に、電子制御装置(以下ECU)からピエゾ充電が印加される。また、アクチュエータ4は、ピストンロッド5および
この場合、アクチュエータ4は、2つの第1、第2バルブ8、9と一緒に、ピストンロッド5の上下方向に直列的に配置されている。つまりアクチュエータ4は、2つの第1、第2バルブ8、9と一緒に、ピストンロッド5と同一軸線上に設置されている。
また、アクチュエータ4は、ピストンロッド5よりも上側に配置されている。
燃料噴射弁1では、ピエゾ素子積層体の特徴である駆動力の大きさに対する伸長量の不足分を補うという目的で、アクチュエータ4と第1バルブ8間に変位拡大機構を備えている。
変位拡大機構は、大径ピストン41、小径ピストン42、ピストンスプリング43、ピエゾスプリング44、ピストンシリンダ45および油密室46を有し、大径ピストン41と小径ピストン42との受圧面積比に応じてアクチュエータ4の伸縮に伴う変位を拡大して第1バルブ8を駆動している。
この変位拡大機構は、ピストンロッド5を介して、アクチュエータ4の変位方向と同一方向に第1バルブ8を駆動するように構成されている。
大径ピストン41は、連接部材47、48を介してアクチュエータ4と連結している。この大径ピストン41は、小径ピストン42との間に油密室46を介して対向している。また、大径ピストン41は、アクチュエータ4の伸縮に伴う変位を受けて一体移動して油密室46の圧力を増減する。また、大径ピストン41は、ピストンシリンダ45の大径シリンダ孔51内に摺動可能に収容されている。
小径ピストン42は、大径ピストン41との間に油密室46を介して対向し、油密室46の圧力増加に伴って軸方向先端側に下降する。この小径ピストン42は、ピストンシリンダ45の小径シリンダ孔52内に摺動可能に収容されている。また、小径ピストン42の受圧面積は、大径ピストン41の受圧面積よりも小さい。
ピストンスプリング43は、小径ピストン42に対して、ピストンロッド5に押し当てる方向に付勢する付勢力を発生するコイルスプリングである。このピストンスプリング43は、ピストンシリンダ45のスプリング収容室53内に収容されている。
また、ピストンスプリング43は、ピストンシリンダ45の座部54と小径ピストン42の外周のシート55との間で軸方向に圧縮された状態で配置されている。
ピエゾスプリング44は、アクチュエータ4にプリセット荷重を与えるスリットスプリングである。このピエゾスプリング44は、インジェクタボディ16の内周とピストンシリンダ45の外周との間に形成されたスプリング収容室56内に収容されている。
ピエゾスプリング44は、大径ピストン41に固定されたシート57とピストンシリンダ45の座部58との間で軸方向に圧縮された状態で配置されている。
ピストンシリンダ45は、軸方向に延びる大径シリンダ孔51、この大径シリンダ孔51よりも小さい小径シリンダ孔52、およびバルブボディ19とピストンシリンダ45との間に形成されたスプリング収容室53を有している。
ピストンシリンダ45は、ピエゾスプリング44の先端を保持する座部58を有している。
ピストンシリンダ45には、スプリング収容室53とスプリング収容室56とを連通する径方向連通孔59が形成されている。
油密室46は、内部に燃料が充填されている。この油密室46は、チェック弁(図示せず)を介して、スプリング収容室56に連通している。また、油密室46は、スプリング収容室56、径方向連通孔59を介して、燃料噴射弁1の燃料出口(図示せず)に連通している。
チェック弁が開弁すると、油密室46内に高圧燃料よりも燃料圧力が低い低圧燃料が供給される。
ここで、バルブボディ19には、第1弁体収容室13を介して、第1分岐通路31と低圧燃料通路28とを連通する第1低圧ポート61が形成されている。この第1低圧ポート61は、ハウジング6の制御室7から燃料噴射弁1の外部へ燃料を排出する第1流路の一部を構成する。また、第1低圧ポート61は、ピストンロッド5を往復移動可能に収容する第1収容孔を兼ねている。なお、第1流路は、制御室7から流出した燃料が、第1分岐通路31、第1弁体収容室13、第1低圧ポート61および低圧燃料通路28を経由して燃料噴射弁1の外部へ排出される燃料通路である。
また、バルブボディ19の下端面に結合するバルブボディ18には、第1、第2弁体収容室13、14を介して、第2分岐通路32と低圧燃料通路28とを連通する第2低圧ポート62が形成されている。この第2低圧ポート62は、ハウジング6の制御室7から第2分岐通路32、第1、第2弁体収容室13、14を介して、低圧燃料通路28へ燃料を排出する第2流路の一部を構成する。なお、第2流路は、制御室7から流出した燃料が、第2分岐通路32、第2弁体収容室14、第2低圧ポート62、第1弁体収容室13、第1低圧ポート61および低圧燃料通路28を経由して燃料噴射弁1の外部へ排出される燃料通路である。
ピストンロッド5は、バルブボディ19の第1低圧ポート61を貫通するように設置されている。このピストンロッド5は、第1バルブ8よりも上側に配置されている。また、ピストンロッド5の軸方向後端側は、バルブボディ19の上端面よりスプリング収容室53内に突出しており、その軸方向後端面は、小径ピストン42の下端面に当接している。また、ピストンロッド5の軸方向先端側は、バルブボディ19の第1弁体収容室13内に突出しており、その軸方向先端面は、第1バルブ8の上端面に当接している。
ピストンロッド5は、小径ピストン42の開弁方向の変位、つまりアクチュエータ4の伸長に伴う変位を第1バルブ8に伝える。
第1制御弁は、第1バルブ8、第1バルブスプリング11および第1弁体収容室13を有している。
第1バルブ8は、ピストンロッド5の下側に配置されている。この第1バルブ8は、ピストンロッド5を介して小径ピストン42に強制的に開弁駆動される。また、第1バルブ8は、バルブボディ19の第1低圧シート面63から離座して第1低圧ポート61を開く開弁状態と、第1低圧シート面63に着座して第1低圧ポート61を閉じる閉弁状態とを備えている。
第1バルブスプリング11は、第1バルブ8に対して、第1バルブ8を開弁状態から閉弁状態へ動作させる方向(閉弁方向)に付勢する付勢力を発生するコイルスプリングである。
第2制御弁は、第2バルブ9、第2バルブスプリング12および第2弁体収容室14を有している。
第2バルブ9は、第1バルブ8の下側に配置されている。この第2バルブ9は、ピストンロッド5、第1バルブ8を介して小径ピストン42に強制的に開弁駆動される。また、第2バルブ9は、バルブボディ18の第2低圧シート面64から離座して第2低圧ポート62を開く開弁状態と、第2低圧シート面64に着座して第2低圧ポート62を閉じる閉弁状態とを備えている。
第2バルブスプリング12は、第2バルブ9に対して、第2バルブ9を開弁状態から閉弁状態へ動作させる方向(閉弁方向)に付勢する付勢力を発生するコイルスプリングである。
ここで、2つの第1、第2バルブ8、9は、アクチュエータ4およびハウジング6の軸方向に直列配置されている。これらの第1、第2バルブ8、9は、それぞれピストンロッド5が軸方向先端側へ移動する途中で、当接する押圧ピン65および当接部66を有している。
第1バルブ8は、押圧ピン65と当接部66との引っ掛かりにより、軸方向先端側へ移動する途中で、第2バルブ9を押圧し、第1、第2バルブスプリング11、12の付勢力に抗して第2バルブ9を軸方向先端側へ引き下げるように構成されている。
押圧ピン65は、第1バルブ8の下端面から第2バルブ9へ突出している。
当接部66は、ピストンロッド5が最上点にある時に、押圧ピン65の先端面との間に軸方向の隙間(S)を隔てて対向し、押圧ピン65よりも軸方向下端側にある。
ここで、第2低圧ポート62は、押圧ピン65を往復移動可能に収容する収容孔を兼ねている。
本実施形態の燃料噴射弁1の作用を図1および図2に基づいて簡単に説明する。
アクチュエータ4に電圧が印加されず、第1、第2バルブ8、9がそれぞれ第1、第2低圧シート面63、64に着座し、第1、第2低圧ポート61、62を閉鎖している場合には、制御室7内に高圧燃料が充満しているので、ニードルスプリング33の付勢力によってニードル2の先端がノズルボディ15のシート面22に着座する。このため、高圧導入流路26から高圧燃料が導入されるノズル室25と複数の噴孔21との連通が遮断される。
したがって、燃料噴射弁1は、ニードル2が閉弁した閉弁状態となり、複数の噴孔21からエンジンの各気筒に形成される燃焼室内への燃料噴射が成されない。
このとき、制御室7、連通孔39、第1、第2分岐通路31、32および第1、第2弁体収容室13、14内に、高圧の燃料が充満しているので、プレートスプリング34の付勢力によって制御プレート3が閉弁状態となっている。
次に、アクチュエータ4に対して、第1バルブ8のみを開弁させるのに必要な電圧が印加されると、第1バルブ8が第1低圧シート面63から離座して第1低圧ポート61を開放する。このとき、第2バルブ9は、第2低圧シート面64に着座した状態を維持しているので、第2低圧ポート62の閉鎖状態は継続される。
これにより、制御室7内の燃料は、連通孔39、第1分岐通路31、第1アウトオリフィス31aおよび第1弁体収容室13内の燃料と一緒に、第1低圧ポート61および低圧燃料通路28を通って燃料噴射弁1の外部(燃料系の低圧側)へ流出する。
よって、制御室7内の燃料圧力は、低下していく。そして、制御室7内の燃料圧力が、ニードルスプリング33の付勢力によって決まるニードル開弁圧以下に低下すると、ニードルスプリング33の付勢力に抗してニードル2がシート面22から離座してリフトを開始する。このため、ノズル室25と複数の噴孔21とが連通する。
したがって、燃料噴射弁1は、ニードル2が開弁した開弁状態となり、複数の噴孔21からエンジンの燃焼室内へ燃料が噴射される。
また、アクチュエータ4に対して、第1、第2バルブ8の両方とも開弁させるのに必要な電圧が印加されると、第1、第2バルブ8、9がそれぞれ第1、第2低圧シート面63、64から離座し、第1、第2低圧ポート61、62を開放する。
これにより、制御室7内の燃料は、連通孔39、第1、第2分岐通路31、32、第1、第2アウトオリフィス31a、32aおよび第1、第2弁体収容室13、14内の燃料と一緒に、第1、第2低圧ポート61、62および低圧燃料通路28を通って燃料噴射弁1の外部へ流出する。
なお、第2弁体収容室14から第2低圧ポート62を通り抜けた燃料は、第1弁体収容室13内で第1分岐通路31から入ってきた燃料と合流して第1低圧ポート61を通り抜ける。
よって、制御室7内の燃料圧力は、第1バルブ8のみを開弁させた場合よりも素早く低下していく。そして、制御室7内の燃料圧力がニードル開弁圧以下に低下すると、ニードルスプリング33の付勢力に抗してニードル2がシート面22から離座してリフトを開始する。このため、ノズル室25と複数の噴孔21とが連通する。
したがって、燃料噴射弁1は、ニードル2が開弁した開弁状態となり、複数の噴孔21からエンジンの燃焼室内へ燃料が噴射される。
次に、噴孔21から燃焼室内に噴射される燃料噴射圧により第1バルブ8をリフトさせるのに必要な電圧波形が異なる点を図3および図4を用いて説明する。
燃料噴射圧が所定値(60MPa)よりも低い噴射圧条件では、第1バルブ8に作用する油圧力が低いため、アクチュエータ4のバルブ開弁力は小さい。したがって、第1バルブ8のみを開弁させるのに必要なピエゾ充電電圧は低くなる(図3中において実線VA)。
第1バルブ8の開弁後は、第1バルブ8に作用する油圧力が、第1バルブ8の開弁時よりも低下するため、アクチュエータ4に作用する力(駆動負荷)が小さくなる。その結果、アクチュエータ4は伸長するが、第1バルブ8の押圧ピン65の下端が第2バルブ9の当接部66に当接する位置(20μm)まで第1バルブ8がリフトしない(図3中において実線LA)。
そこで、燃料噴射圧が所定値(60MPa)よりも低い噴射圧条件の場合には、第1バルブ8の開弁後、押圧ピン65の下端が当接部66に当接するまで、ピエゾ充電電圧を上昇させる(図3中において実線VB)。
これにより、アクチュエータ4が大きく伸長し、押圧ピン65の下端が当接部66に当接する位置(20μm)まで第1バルブ8がリフトする(図3中において実線LB)。
また、ピエゾ充電電圧を、押圧ピン65の下端が当接部66に当接する位置(20μm)まで、一気に充電しても良いことは言うまでもない(図3中において破線VC)。
これにより、アクチュエータ4の伸長速度が速くなり、押圧ピン65の下端が当接部66に当接する位置(20μm)まで素早く第1バルブ8がリフトする(図3中において破線LC)。
一方、燃料噴射圧が所定値(100MPa)以上に高い噴射圧条件では、第1バルブ8に作用する油圧力が高いため、アクチュエータ4のバルブ開弁力は大きい。このため、第1バルブ8のみを開弁させるのに必要なピエゾ充電電圧は低噴射圧時と比べて高くなる(図3中において一点鎖線VD)。
その結果、第1バルブ8の開弁後のアクチュエータ4の伸長量が低噴射圧時と比べて大きいため、押圧ピン65の下端が当接部66に当接する位置(20μm)まで素早く第1バルブ8がリフトする(図3中において一点鎖線LD)。
燃料噴射圧が40MPaの場合には、アクチュエータ4に印加するピエゾ充電電圧が低い電圧で第1バルブ8が開弁し、押圧ピン65の下端が当接部66に当接する電圧)24V)まで昇圧する(図4において実線VA)。
これにより、燃料噴射圧が40MPaの場合には、押圧ピン65の下端が当接部66に当接する位置(20μm)まで第1バルブ8がリフトする(図4中において実線LA)。
燃料噴射圧が60MPa、80MPaのように高くするにつれ、第1バルブ8が開弁する電圧が高くなる(図4において実線VB、破線VC)。
これにより、燃料噴射圧が60MPa、80MPaの場合も、押圧ピン65の下端が当接部66に当接する位置(20μm)まで第1バルブ8がリフトする(図4中において実線LB、破線LC)。
そして、燃料噴射圧が100MPa以上の場合には、第1バルブ8が開弁する電圧(図4中において一点鎖線VD)で押圧ピン65の下端が当接部66に当接する位置(20μm)まで到達する(図4中において一点鎖線LD)。
次に、アクチュエータ4に印加するピエゾ充電電圧に対する、第1、第2バルブ8、9のリフト量および燃料噴射率の変化を図5に基づいて簡単に説明する。
アクチュエータ4に印加するピエゾ充電電圧が、第1バルブ8を開弁させるのに必要な第1電圧(V1)に到達すると、第1バルブ8が開弁し始め、第1バルブ8に作用する油圧力が減少する。そして、アクチュエータ4への作用力が小さくなり、アクチュエータ4が伸長し、第1バルブ8が第1バルブフルリフト(L1)までリフトする。すると、押圧ピン65の下端が当接部66に当接し、第1バルブ8のみ開弁状態となる。
これによって、第1低圧ポート61のみが開放され、第2低圧ポート62の閉鎖状態は維持される。このため、制御室7内の燃料は、連通孔39、第1分岐通路31、第1アウトオリフィス31aおよび第1弁体収容室13内の燃料と一緒に、第1低圧ポート61および低圧燃料通路28を通って燃料噴射弁1の外部へ流出する。
したがって、第1、第2バルブ8、9の両方をともに開弁させた場合と比べて、制御室7から燃料噴射弁1の外部への燃料流出速度が遅くなるため、燃料噴射率の立ち上がり速度が遅い状態で燃料を噴射する(図5中において実線F1)。
また、ピエゾ充電電圧をゼロから第2電圧(V2)まで一気に充電すると、第1バルブ8が開弁し、さらに第1バルブ8が当接した第2バルブ9も開弁する。これにより、第1、第2バルブ8、9の両方とも第2バルブフルリフト(L2)までリフトする(図5中において破線)。
さらに、ピエゾ充電電圧を第3電圧(V3)まで印加することで、第2バルブ9をバルブボディ17の図示上端面(第2弁体収容室14の底面)に押し付けることで、安定した開弁状態を維持できる。
これによって、第1、第2バルブ8、9の両方とも開弁状態となり、第1、第2低圧ポート61、62が開放される。
このため、制御室7内の燃料は、連通孔39、第1、第2分岐通路31、32、第1、第2アウトオリフィス31a、32aおよび第1、第2弁体収容室13、14内の燃料と一緒に、第1、第2低圧ポート61、62および低圧燃料通路28を通って燃料噴射弁1の外部へ流出する。
したがって、第1、第2バルブ8、9の両方とも開弁するので、第1バルブ8のみを開弁させた場合と比べて、制御室7から燃料噴射弁1の外部への燃料流出速度が早くなるため、燃料噴射率の立ち上がり速度が早い状態で燃料を噴射する(図5において破線F2)。
ここで、燃料噴射弁1からの燃料噴射を終了するに当たっては、ピエゾ充電電圧を第3電圧(V3)から第2電圧(V2)に減圧すると、第1バルブ8とともに第2バルブ9を押圧する押し付け力が減少する。
さらに、第2電圧(V2)から第1電圧(V1)に減圧すると、第2バルブ9が閉弁し、第1バルブ8のみ開弁状態となる。
さらに、第1電圧(V1)からゼロに減圧すると、第1、第2バルブ8、9がともに閉弁することになるので、燃料噴射が終了する。
次に、アクチュエータ4に印加するピエゾ充電電圧を途中で変化させた場合の、ピエゾ充電電圧に対する、第1、第2バルブ8、9のリフト量および燃料噴射率の変化を図6に基づいて簡単に説明する。
アクチュエータ4に印加するピエゾ充電電圧が、第1バルブ8を開弁させるのに必要な第1電圧(V1)に到達すると、第1バルブ8が開弁し始め、第1バルブ8が第1バルブフルリフト(L1)までリフトする。すると、押圧ピン65の下端が当接部66に当接し、第1バルブ8のみ開弁状態となる。これにより、燃料噴射率の立ち上がり速度が遅い状態で燃料を噴射し始める(図6中において実線F3)。
その後、ピエゾ充電電圧を第3電圧(V3)まで一気に引き上げて、アクチュエータ4に印加するピエゾ充電電圧の上昇速度を速くすることで、第1、第2バルブ8、9の両方とも第2バルブフルリフト(L2)まで一気にリフトさせる。
よって、第1、第2バルブ8、9の両方とも開弁させることで、高噴射率にて燃料が噴射される。
したがって、第1、第2バルブ8、9の両方とも素早くリフトするので、第1、第2バルブ8、9を低速でリフトさせた場合と比べて、制御室7から燃料噴射弁1の外部への燃料流出速度が早くなるため、燃料噴射率の立ち上がり速度が早い状態で燃料を噴射する(図6において実線F3)。
[実施形態1の効果]
以上のように、本実施形態の燃料噴射弁1においては、ハウジング6の軸方向に1つのアクチュエータ4、変位拡大機構、ピストンロッド5および2つの第1、第2バルブ8、9を直列配置している。
そして、アクチュエータ4は、変位拡大機構と一緒にピストンロッド5の上側に配置されている。また、第1、第2バルブ8、9は、ピストンロッド5の下側に配置されているとともに、第1バルブ8のリフト量がゼロの時に互いに軸方向の隙間Sを隔てて対向して配置されている。
そして、第1バルブ8は、変位拡大機構およびピストンロッド5を介して、アクチュエータ4と一体移動可能に連結している。また、第2バルブ9は、第1バルブ8のリフト量が第1バルブリフト以上の時に第1バルブ8の押圧ピン65が当接する当接部66を備えている。
これによって、アクチュエータ4の駆動力は、第1バルブ8のリフト量が第1バルブリフト以下の時に第1バルブ8のみに伝わり、第1バルブ8のリフト量が第1バルブリフトよりも大きい時に第1、第2バルブ8、9の両方に伝わる。
したがって、本実施形態の燃料噴射弁1においては、1つのアクチュエータ4で2つの第1、第2バルブ8、9を開閉動作させることができるので、2つのアクチュエータで2つの第1、第2バルブをそれぞれ開閉動作させる従来構造と比べて、燃料噴射弁1の体格の大型化を抑制することができる。特に、本実施形態の燃料噴射弁1では、アクチュエータ4、変位拡大機構、ピストンロッド5および2つの第1、第2バルブ8、9を直列配置しているので、径方向に2つのアクチュエータ、2つの第1、第2バルブを並列配置した従来構造と比べて、燃料噴射弁1の径方向の寸法を縮径化することができる。
また、燃料噴射弁1は、アクチュエータ4の駆動力がピストンロッド5を介して第1バルブ8に伝わる。すると、第1バルブ8が第1低圧ポート61を開く位置に変位することで、制御室7からの燃料の流出が実施される。これにより、制御室7から第1流路を経由して燃料噴射弁1の外部へ燃料が流出し、制御室7内の燃料圧力が低下する。そして、制御室7内の燃料圧力、つまりニードル2に対して噴孔を閉じる側に作用する燃料圧力がニードル開弁圧まで低下すると、ニードル2が開弁(リフト)して燃料噴射が開始される。 このとき、第1バルブ8とピストンロッド5の移動量が軸方向の隙間よりも小さい時には、第1バルブ8のみが開弁動作するため、制御室7から低圧燃料通路28を介して燃料噴射弁1の外部への燃料排出量は変わらない。
また、燃料噴射弁1は、第1バルブ8とピストンロッド5の移動量が軸方向の隙間Sよりも大きくなると、第1バルブ8が第2バルブ9に当接し、アクチュエータ4の駆動力がピストンロッド5、第1バルブ8を介して第2バルブ9に伝わる。すると、第2バルブ9が第2低圧ポート62を開く位置に変位することで、制御室7から第1流路および第2流路を経由して燃料噴射弁1の外部へ燃料が流出し、制御室7内の燃料圧力の低下速度が速くなる。
このように、第1バルブ8とピストンロッド5の移動量が軸方向の隙間Sよりも大きい時には、第1バルブ8が第2バルブ9に当接して第1、第2バルブ8、9がともに開弁動作するため、制御室7から低圧燃料通路28を介して燃料噴射弁1の外部への燃料排出量は増える。
これによって、制御室7から低圧燃料通路28を介して燃料噴射弁1の外部への燃料排出量を可変制御できるため、ニードル2の開弁速度を可変することができる。
また、エンジンの運転条件に応じて、アクチュエータ4に印加するピエゾ充電電圧を変更することで、制御室7からの燃料排出量およびニードル2の開弁速度を可変することができる。
ここで、エンジン負荷が低負荷で、且つ燃料噴射圧が高い場合には、アクチュエータ4に印加するピエゾ充電電圧を高負荷で、且つ低噴射圧時よりも高くする。これにより、第1、第2バルブ8、9をともに開弁させることで、制御室7からの燃料排出量を増やし、ニードル2の開弁速度を速くする。したがって、ニードル2の燃料噴射率の立ち上がりを速くすることができる。
また、エンジン負荷が高負荷で、燃料噴射圧が高い場合には、アクチュエータ4に印加するピエゾ充電電圧を低負荷で、且つ低噴射圧時よりも低くする。これにより、第1バルブ8のみを開弁させることで、制御室7からの燃料排出量を減らし、ニードル2の開弁速度を遅くする。したがって、燃料の噴射量の制御精度の悪化を抑えることができる。
また、メイン噴射に先立って微小噴射量のパイロット噴射を行う場合には、パイロット噴射時にはゆっくりとニードル2をリフトさせ、メイン噴射は早くニードル2をリフトさせる。これにより、エンジンの燃焼状態が改善されてスモークの発生量を減少することができる。
[変形例]
本実施形態では、制御室7から連通孔39、第1分岐通路31、第1弁体収容室13、第1低圧ポート61および低圧燃料通路28を通って燃料噴射弁1の外部へ燃料を流出させる第1流路と、制御室7から連通孔39、第2分岐通路32、第2弁体収容室14、第2低圧ポート62、第1弁体収容室13、第1低圧ポート61および低圧燃料通路28を通って燃料噴射弁1の外部へ燃料を流出させる第2流路とを備えているが、上記の第1流路と、第2低圧ポート62から第1弁体収容室13および第1低圧ポート61を介することなく直接低圧燃料通路28へ燃料を流出させる第2流路とを備えても良い。
この場合、第2流路を流れる燃料は、連通孔39、第2分岐通路32、第2弁体収容室14、第2低圧ポート62および低圧燃料通路28を通って燃料噴射弁1の外部へ排出される。
本実施形態では、制御室7内の燃料圧力を増減制御する2つの第1、第2バルブ8、9を開弁駆動する1つのアクチュエータとして、電荷の充放電により軸方向に伸縮するピエゾ素子積層体を主体とするアクチュエータ4を想定しているが、2つの第1、第2弁体を開弁駆動するアクチュエータとして、ソレノイドアクチュエータ、電動アクチュエータ、磁歪素子等を駆動源とするアクチュエータを使用しても良い。
本実施形態では、第2バルブ9の当接部66に当接する押圧ピン65を第1バルブ8に設けているが、第2バルブ9の図示上端面に押圧ピンを設け、この押圧ピンの先端面に第1バルブ8が当接する当接部を設けても良い。
本実施形態では、アクチュエータ4の駆動力を第1バルブ8に伝えるロッドとして、第1バルブ8および小径ピストン42に対して別体構造のピストンロッド5を使用しているが、ロッドとして、第1バルブ8または小径ピストン42のいずれか一方と一体構造のロッドを使用しても良い。
本実施形態の燃料噴射弁1を、ディーゼルエンジンやガソリンエンジン用のインジェクタとして使用しても良い。
本実施形態では、制御室7内の燃料を燃料タンクに戻すようにしているが、制御室7内の燃料を燃料供給ポンプの加圧室よりも上流側の燃料供給経路(燃料系の低圧側)に戻すようにしても良い。
また、制御プレート3を、第1、第2バルブ8、9を開弁駆動するアクチュエータ4とは別体のアクチュエータによって開閉動作させるようにしても良い。
本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
1 燃料噴射弁
2 ニードル
4 アクチュエータ
5 ピストンロッド
7 制御室
8 第1バルブ(第1弁体)
9 第2バルブ(第2弁体)
13 第1弁体収容室
14 第2弁体収容室
21 噴孔

Claims (4)

  1. 燃料を噴射する噴孔(21)を開閉するニードル(2)と、
    このニードルに対して前記噴孔を閉じる側に作用する燃料圧力を蓄える制御室(7)とを備え、
    前記制御室内の燃料圧力を調整することで、前記ニードルを開閉動作させて燃料の噴射を開始したり、停止したりする燃料噴射弁(1)において、
    前記燃料噴射弁の内部から外部へ燃料を流出させる燃料通路(28)と、
    前記制御室と前記燃料通路とを連通する第1、第2流路(13、14、31、32、61、62)と、
    前記第1、第2流路をそれぞれ開閉する第1、第2弁体(8、9)と、
    前記第1、第2弁体を開弁動作させる駆動力を発生する1つのアクチュエータ(4)と、
    このアクチュエータの駆動力を前記第1弁体に伝えるとともに、前記第1、第2弁体の軸方向に移動可能な1つのロッド(5)と
    を備え、
    前記第2弁体は、前記第1弁体と前記ロッドの移動量がゼロの時に、前記第1弁体との間に軸方向の隙間(S)を隔てて対向し、
    前記第1弁体と前記ロッドの移動量が前記軸方向の隙間よりも小さい時に、前記第1弁体のみが開弁動作し、
    前記第1弁体と前記ロッドの移動量が前記軸方向の隙間よりも大きい時に、前記第1弁体が前記第2弁体に当接して前記第1、第2弁体がともに開弁動作することを特徴とする燃料噴射弁。
  2. 請求項1に記載の燃料噴射弁において、
    前記第1流路は、前記第1弁体を移動可能に収容する第1弁体収容室(13)、およびこの第1弁体収容室よりも上流側に設けられて、前記制御室からの燃料排出量を規制する第1アウトオリフィス(31a)を有し、
    前記第2流路は、前記第2弁体を移動可能に収容する第2弁体収容室(14)、およびこの第2弁体収容室よりも上流側に設けられて、前記制御室からの燃料排出量を規制する第2アウトオリフィス(32a)を有していることを特徴とする燃料噴射弁。
  3. 請求項1または請求項2に記載の燃料噴射弁において、
    前記制御室内へ高圧燃料を導入する高圧導入流路(26、27)と、
    前記高圧導入流路と前記制御室との間に設けられて、前記高圧導入流路と前記制御室との連通、遮断を切り替える制御プレート(3)と
    を備え、
    前記制御プレートは、前記高圧導入流路内の燃料圧力と前記制御室内の燃料圧力との圧力差に応じて軸方向に移動することを特徴とする燃料噴射弁。
  4. 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載の燃料噴射弁において、
    前記アクチュエータは、電荷の充放電により伸縮するピエゾ素子積層体を有していることを特徴とする燃料噴射弁。
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