JP2019007413A - 燃料噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】大型化を回避しつつ、ノズルニードルの変位速度を切り替え可能な燃料噴射装置の提供。【解決手段】燃料噴射装置10は、弁ボデー20、駆動部40、ノズルニードル50、制御バルブ70及び制御プレート80を備えている。弁ボデー20の内部には、制御室35及び低圧室36と、これらを連通する第一流出路33及び第二流出路34とが設けられている。制御バルブ70は、駆動部40が縮んだ状態で第一流出路33による連通を遮断し、駆動部40の第一伸長作動によってこれらの連通を許容する。制御プレート80は、駆動部40が縮んだ状態で第二流出路34による連通を遮断している。制御プレート80には、第一伸長作動よりも大きな第二伸長作動を行なう駆動部40の駆動力が制御バルブ70を介して伝達される。こうした第二伸長作動によれば、制御プレート80は、第二流出路34による制御室35及び低圧室36の連通を許容する。【選択図】図2

Description

この明細書による開示は、噴孔から燃料を噴射する燃料噴射装置に関する。
従来、ハウジングの内部に設けられたチャンバの燃料圧力によって変位するニードルと、チャンバの燃料圧力を制御する弁体とを備えた燃料噴射装置が知られている。こうした燃料噴射装置の一種として、例えば特許文献1に開示の構成は、チャンバへの燃料の供給を制御するソレノイド弁と、チャンバからの燃料の流出を制御するソレノイド弁とを備えている。
米国特許出願公開第2013/0233941号明細書
特許文献1の燃料噴射装置は、二つのソレノイド弁の個別の開閉によってチャンバの燃料圧力を制御することにより、ニードルの変位速度を切り替えることができる。しかし、特許文献1の燃料噴射装置は、二つのソレノイド弁を備えることにより、大型化し易い構成であった。
本開示は、大型化を回避しつつ、ニードルの変位速度を切り替え可能な燃料噴射装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、開示された一つの態様は、燃料を噴射する噴孔(38)が形成され、燃料が充填される制御室(35)、制御室に燃料を供給する高圧室(31a)、制御室の燃料が流出する低圧室(36)、並びに制御室及び低圧室を連通する第一連通路(33)及び第二連通路(34)、が内部に設けられたボデー(20,220,320)と、第一伸長作動及び第一伸長作動よりも大きな第二伸長作動を行なう駆動部(40)と、制御室の燃料圧力によって噴孔を閉じる方向に押圧され、制御室の減圧によって噴孔を開ける方向に変位するニードル(50)と、駆動部が縮んだ状態で第一連通路による制御室及び低圧室の連通を遮断し、駆動部の第一伸長作動によって第一連通路による制御室及び低圧室の連通を許容する第一弁体(70,270)と、駆動部が縮んだ状態で第二連通路による制御室及び低圧室の連通を遮断し、第二伸長作動を行なう駆動部の駆動力が第一弁体を介して伝達されることにより、第二連通路による制御室及び低圧室の連通を許容する第二弁体(80,280,480,580)と、を備える燃料噴射装置とされる。
この態様では、駆動部の第一伸長作動により、第一弁体が、第一連通路による制御室及び低圧室の連通を許容する。さらに、第一伸長作動よりも大きな第二伸長作動によれば、第一弁体を介して伝達される駆動部の駆動力により、第二弁体が、第二連通路による制御室及び低圧室の連通を許容する。
以上のように、駆動部における伸長作動の大きさの制御によれば、第二連通路を通じた燃料流出の実施及び不実施が切り替えられる。これにより、制御室から低圧室へ流出する燃料流量が増減するため、制御室の圧力降下の態様が変更され得る。その結果、燃料噴射装置の大型化を回避するために、第一弁体及び第二弁体の開閉を一つの駆動部で行う構成であっても、ニードルの変位速度の切り替えが可能となる。
尚、上記括弧内の参照番号は、後述する実施形態における具体的な構成との対応関係の一例を示すものにすぎず、技術的範囲を何ら制限するものではない。
第一実施形態による燃料噴射装置及び制御装置を含む燃料供給システムの全体構成を示す図である。 燃料噴射装置の縦断面図である。 圧力制御機構の詳細な構成を示す縦断面図である。 低速開弁モードにおける圧力制御機構の詳細を示す図である。 高速開弁モードにおける圧力制御機構の詳細を示す図である。 閉弁期間における圧力制御機構の詳細を示す図である。 第二実施形態による燃料噴射装置の縦断面図である。 圧力制御機構の詳細な構成を示す縦断面図である。 低速開弁モードにおける圧力制御機構の詳細を示す図である。 高速開弁モードにおける圧力制御機構の詳細を示す図である。 無噴射期間における圧力制御機構の詳細を示す図である。 無噴射期間を含む燃料噴射での燃料噴射装置の作動の詳細を示すタイムチャートである。 閉弁期間における圧力制御機構の詳細を示す図である。 第三実施形態による圧力制御機構の詳細を示す図である。 第四実施形態による圧力制御機構の詳細を示す図である。 第五実施形態による圧力制御機構の詳細を示す図である。 第六実施形態による圧力制御機構の詳細を示す図である。
以下、本開示の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合わせることができる。そして、複数の実施形態及び変形例に記述された構成同士の明示されていない組み合わせも、以下の説明によって開示されているものとする。
(第一実施形態)
本開示の第一実施形態による燃料噴射装置10は、図1に示す燃料供給システム1に用いられている。燃料噴射装置10は、内燃機関であるディーゼルエンジン(以下、「エンジン2」)の各燃焼室2bに、燃料タンク4に貯留された燃料を供給する。燃料供給システム1は、フィードポンプ5、高圧燃料ポンプ6、コモンレール3、及び制御装置9等を、燃料噴射装置10と共に備えている。
フィードポンプ5は、例えばトロコイド式の電動ポンプである。フィードポンプ5は、高圧燃料ポンプ6に内蔵されている。フィードポンプ5は、燃料タンク4に貯留された燃料としての軽油を、高圧燃料ポンプ6に圧送する。フィードポンプ5は、高圧燃料ポンプ6と別体で、例えば燃料タンク4の内部に配置される構成であってもよい。
高圧燃料ポンプ6は、例えばプランジャ式のポンプである。高圧燃料ポンプ6は、エンジン2の出力軸によって駆動される。高圧燃料ポンプ6は、燃料配管6aによってコモンレール3と接続されている。高圧燃料ポンプ6は、フィードポンプ5により供給された燃料をさらに昇圧し、高圧燃料としてコモンレール3に供給する。
コモンレール3は、高圧燃料配管3bを介して複数の燃料噴射装置10と接続されている。コモンレール3は、余剰燃料配管8aを介して燃料タンク4と接続されている。コモンレール3は、高圧燃料ポンプ6から供給される高圧燃料を一時的に蓄え、圧力を保持したまま各燃料噴射装置10に分配する。コモンレール3には、圧力センサ3a及び減圧弁8が備えられている。圧力センサ3aはコモンレール3に蓄えられた燃料圧力を検出する。減圧弁8は、圧力センサ3aによる検出値が目標圧力よりも高い場合に、余剰になった燃料を余剰燃料配管8aへ排出する。
制御装置9は、ECU(Electronic Control Unit)9a及びEDU(Electronic Driver Unit)9bを含む電子制御ユニットである。制御装置9は、各燃料噴射装置10と電気的に接続されている。制御装置9は、エンジン2の稼動状態に応じて、各燃料噴射装置10による燃料の噴射を制御する。
ECU9aは、マイクロコンピュータ又はマイクロコントローラを主体に構成された演算回路を備えている。演算回路には、プロセッサ、RAM、及び書き換え可能な不揮発性のメモリ装置が含まれている。EDU9bは、ECU9aから入力される指令信号に基づき、燃料噴射装置10の駆動部40(図2参照)に駆動電圧を印加する。
燃料噴射装置10は、燃焼室2bを形成するヘッド部材2aの挿入孔に挿入された状態で、ヘッド部材2aに取り付けられている。燃料噴射装置10は、高圧燃料配管3bを介して供給される高圧燃料を、噴孔38から燃焼室2bへ向けて直接的に噴射する。燃料噴射装置10は、噴孔38からの燃料の噴射を制御する弁構造を備えている。燃料噴射装置10は、高圧燃料の一部を、噴孔38の開閉に使用する。燃料噴射装置10に供給された燃料の一部は、戻り配管8b及び余剰燃料配管8aを通じて燃料タンク4へ戻される。
燃料噴射装置10は、図2及び図3に示すように、弁ボデー20、ノズルニードル50、駆動部40、並びに制御バルブ70及び制御プレート80を有する圧力制御機構60を備えている。
弁ボデー20は、インジェクターボデー部材21、上バルブボデー部材22、下バルブボデー部材23、ノズルボデー部材24、リテーニングナット25、及びニードルシリンダ26等の複数の金属部材を組み合わせることによって構成されている。弁ボデー20の内部には、高圧燃料通路31、高圧室31a、供給連通路32、低圧室36、制御室35、第一流出路33、及び第二流出路34が設けられている。加えて弁ボデー20には、第一シート面部27、第二シート面部28、第三シート面部29、及び噴孔38が形成されている。
高圧燃料通路31は、インジェクターボデー部材21、上バルブボデー部材22、及び下バルブボデー部材23に亘って形成されている。高圧燃料通路31は、高圧燃料配管3b(図1参照)と接続されている。高圧燃料通路31は、高圧燃料配管3bを通じてコモンレール3(図1参照)から供給される高圧燃料を、高圧室31aに供給する。
高圧室31aは、ノズルボデー部材24に円柱状に形成された空間である。高圧室31aには、ノズルニードル50及びニードルシリンダ26が収容されている。高圧室31aは、高圧燃料通路31と接続されている。高圧室31aは、高圧燃料通路31を通じて供給される高圧燃料で満たされている。高圧室31aは、高圧燃料を噴孔38まで流通させる。
供給連通路32は、高圧室31a及び制御室35を連通する燃料通路である。供給連通路32には、インオリフィス32aが形成されている。インオリフィス32aにおける流路面積(以下「絞り面積Si1」)は、供給連通路32のうちでインオリフィス32aを除く部分の流路面積よりも狭くされている。インオリフィス32aは、供給連通路32によって高圧室31a及び制御室35が接続された状態で、高圧室31aから制御室35に流入する燃料の流量を制限する。
低圧室36は、インジェクターボデー部材21に形成されている。低圧室36は、戻り配管8b(図1参照)と接続されており、余剰燃料を戻り配管8bに流通させる。低圧室36は、高圧室31aよりも低圧な燃料によって満たされている。低圧室36には、制御室35の燃料が流出する。
制御室35は、上バルブボデー部材22、下バルブボデー部材23、ニードルシリンダ26、及びノズルニードル50等によって区画された円柱状の空間である。制御室35には、供給連通路32を通じて供給された燃料が充填されている。制御室35は、高圧室31a及び低圧室36に接続可能である。制御室35は、駆動部40とノズルニードル50の間であって、ノズルニードル50を挟んで噴孔38の反対側に位置している。制御室35は、後述する制御プレート80によって上下に区分けされている。制御室35のうちで、制御プレート80及び駆動部40の間に形成される空間が、バルブ室部35bである。制御室35のうちで、制御プレート80及びノズルニードル50の間に形成される空間が、主制御室部35aである。
第一流出路33及び第二流出路34は、共に上バルブボデー部材22に形成されている。第一流出路33及び第二流出路34は、制御室35及び低圧室36を連通する燃料通路である。第一流出路33及び第二流出路34は、制御室35の燃料を低圧室36に流出させる。
第一流出路33は、上バルブボデー部材22の中央を軸方向に貫通するピン収容孔22aと接続されており、ピン収容孔22aに対して傾斜した姿勢で延伸している。ピン収容孔22aに臨む第一流出路33の入口部分には、第一アウトオリフィス33aが形成されている。第一アウトオリフィス33aにおける流路面積(以下「絞り面積So1」)は、第一流出路33のうちで第一アウトオリフィス33aを除く部分の流路面積よりも狭くされている。第一アウトオリフィス33aは、ピン収容孔22a及び第一流出路33によって制御室35及び低圧室36が接続された状態で、第一流出路33を通じて制御室35から低圧室36に流出する燃料の流量を制限する。
第二流出路34は、バルブ室部35bの外周側に設けられており、上バルブボデー部材22を軸方向に貫通している。第二流出路34は、上バルブボデー部材22の軸方向に対して傾斜した姿勢で延伸している。制御室35に臨む第二流出路34の入口部分には、第二アウトオリフィス34aが形成されている。第二アウトオリフィス34aにおける流路面積(以下「絞り面積So2」)は、第二流路のうちで第二アウトオリフィス34aを除く部分の流路面積よりも狭くされている。第二アウトオリフィス34aは、第二流出路34によって制御室35及び低圧室36が接続された状態で、第二流出路34を通じて制御室35から低圧室36に流出する燃料の流量を制限する。第二アウトオリフィス34aの絞り面積So2は、第一アウトオリフィス33aの絞り面積So1よりも大きく規定されている。
第一シート面部27及び第二シート面部28は、上バルブボデー部材22に設けられている。第一シート面部27は、バルブ室部35bに臨むピン収容孔22aの開口の周囲に円環状に設けられている。第一シート面部27の周囲は、第一シート面部27に対して凹んでいる。第一シート面部27には、制御バルブ70が離着座する。
第二シート面部28は、下バルブボデー部材23と対向する上バルブボデー部材22の下端面に形成されている。第二シート面部28には、制御プレート80の頂面が離着座する。第二シート面部28は、制御プレート80の頂面の外縁形状に沿った円環状に形成されている。第二シート面部28には、上環状溝28aが形成されている。上環状溝28aは、第二シート面部28に対して窪んでおり、第二シート面部28の形状に沿って円環状に延伸している。上環状溝28aは、第二流出路34と接続されている。
第三シート面部29は、下バルブボデー部材23に設けられている。第三シート面部29は、下バルブボデー部材23の内周壁に設けられた径方向の段差面によって形成されている。第三シート面部29は、下バルブボデー部材23の軸方向にて、第二シート面部28と対向している。第三シート面部29には、制御プレート80の底面が離着座する。第三シート面部29は、制御プレート80の底面の外縁形状に沿った円環状に形成されている。第三シート面部29には、下環状溝29aが形成されている。下環状溝29aは、第三シート面部29に対して窪んでおり、第三シート面部29の形状に沿って円環状に延伸している。下環状溝29aは、供給連通路32と接続されている。
噴孔38は、ヘッド部材2a(図1参照)へ挿入される弁ボデー20において、挿入方向の先端部に形成されている。噴孔38は、燃焼室2b(図1参照)に露出している。弁ボデー20の先端部は、円錐状又は半球状に形成されている。噴孔38は、弁ボデー20の内側から外側に向けて放射状に複数設けられている。各噴孔38は、燃焼室2bへ向けて高圧燃料を噴射する。高圧燃料は、噴孔38を通過することによって霧化され、空気と混合し易い状態となる。
ノズルニードル50は、金属材料により円柱形に形成されている。ノズルニードル50の噴孔38側の先端は円錐形に形成されている。ノズルニードル50は、高圧室31aに収容されており、高圧室31aの高圧燃料から噴孔38を開く方向(以下、「開弁方向」)の力を受ける。ノズルニードル50には、ニードル受圧部51、スプリングシート部54、及びニードル摺動面55が形成されている。
ニードル受圧部51は、制御室35に臨むノズルニードル50の軸方向の端部である。ニードル受圧部51の径方向の中央には、円柱状の突起部52が設けられている。ニードル受圧部51は、制御室35に充填された高圧燃料から、噴孔38を閉じる方向(以下、「閉弁方向」)の力を受ける。ノズルニードル50は、制御室35の燃料圧力によって閉弁方向に押圧されている。ノズルニードル50は、制御室35の燃料圧力の変動により、軸方向に沿って弁ボデー20に対し相対変位し、噴孔38の開閉を行う。
スプリングシート部54は、ノズルニードル50に鍔状に設けられている。スプリングシート部54及びニードルシリンダ26の間には、ニードルスプリング53が軸方向に押し縮められた状態で設置されている。ニードルスプリング53は、円筒螺旋状に形成されたコイルスプリングである。ニードルスプリング53は、閉弁方向への付勢力をスプリングシート部54に印加している。
ニードル摺動面55は、ノズルニードル50の外周壁面のうちで、ニードルシリンダ26に内嵌される部分である。ニードル摺動面55は、ニードルシリンダ26に対し摺動可能に支持されている。ニードル摺動面55は、ニードルシリンダ26の内周壁面との間で、制御室35及び高圧室31aの間の油密を形成している。
以上のノズルニードル50は、制御室35の減圧により、高圧室31aの燃料に押し上げられ、開弁方向へ向けて変位する。その結果、高圧室31aに充填された高圧燃料は、噴孔38から燃焼室2b(図1参照)へ向けて噴射される。一方、制御室35の圧力回復によれば、ノズルニードル50は閉弁方向に押し下げられる。その結果、噴孔38からの燃料噴射は、停止される。
駆動部40は、圧力制御機構60を駆動する。駆動部40は、圧電素子積層体、応力緩衝部41、及び駆動伝達ピン42等によって構成されている。圧電素子積層体は、例えばPZT(PbZrTiO3)と呼ばれる層と薄い電極層が交互に積まれた積層体である。圧電素子積層体には、制御装置9(図1参照)から出力された駆動電圧が入力される。圧電素子積層体は、駆動電圧の入力に基づき、ピエゾ素子の特性である逆圧電効果によって伸縮する。
応力緩衝部41は、圧電素子積層体の伸縮を駆動伝達ピン42に伝達すると共に、圧電素子積層体に入力される応力を緩衝させる。駆動伝達ピン42は、圧電素子積層体の伸長作動を圧力制御機構60に伝達する押圧軸部である。駆動伝達ピン42は、上バルブボデー部材22のピン収容孔22aに収容されている。駆動伝達ピン42の先端部は、制御バルブ70の上端面に突き当てられている。
駆動部40は、電荷の蓄積によって伸長した圧電素子積層体により、駆動伝達ピン42をバルブ室部35bに突き出す方向へ変位させ、電荷の放出による圧電素子積層体の収縮により、駆動伝達ピン42をピン収容孔22aへと引き戻す。駆動伝達ピン42の伸長作動の大きさは、圧電素子積層体に投入される駆動エネルギの大きさ、換言すれば、圧電素子積層体に投入される電荷量に対応している。駆動部40における駆動伝達ピン42の伸長作動の大きさは、制御装置9(図1参照)によって多段階に制御可能である。
圧力制御機構60は、制御室35に収容されている。圧力制御機構60は、駆動部40によって閉弁方向に押圧されることにより、制御室35に燃料を流入させる流入状態と制御室35からの燃料を流出させる流出状態とを切り替える三方弁の機能を有している。圧力制御機構60は、上述の制御バルブ70及び制御プレート80に加えて、第一スプリング61及び第二スプリング62等によって構成されている。これらの構成は、互いに同軸となるように配置されている。
制御バルブ70は、金属材料により、全体として小径部70a及び大径部70bを有する二段円柱状に形成されている。制御バルブ70は、大径部70bを駆動伝達ピン42側へ向けた姿勢で、バルブ室部35bに収容されている。大径部70bの外径は、バルブ室部35bを区画する上バルブボデー部材22の内周面の内径よりも小さく規定されている。制御バルブ70は、上バルブボデー部材22の内周面に実質的に非接触な状態で、軸方向に変位可能である。制御バルブ70には、閉塞部71、押圧部72、及び連通溝73が形成されている。
閉塞部71は、制御バルブ70の軸方向の両端面のうちで、駆動部40側を向く上端面に形成されている。閉塞部71は、ピン収容孔22aの開口よりも大きい平坦な円形の平面状に形成されている。閉塞部71は、第一シート面部27と対向しており、制御バルブ70の軸方向の変位によって第一シート面部27と離着座する。閉塞部71の中央には、駆動伝達ピン42が当接している。制御バルブ70には、駆動部40の伸長作動が駆動伝達ピン42によって直接的に入力される。
押圧部72は、制御バルブ70の軸方向の両端面のうちで、制御プレート80と対向する下端面に形成されている。駆動部40が縮んだ状態にて、押圧部72及び制御プレート80の間には、僅かな隙間GPが形成されている。隙間GPの大きさは、例えば10〜30μm程度である。押圧部72は、駆動部40の伸長作動によって制御プレート80の頂面に当接し、伸長作動する駆動部40の駆動力を制御プレート80に伝達する。
連通溝73は、制御バルブ70の下端面に、例えば十字状に形成されている。連通溝73は、下端面に設けられた窪みであって、下端面の中央を通るように径方向に沿って延伸している。連通溝73は、制御バルブ70が制御プレート80に押し当てられた状態で、主制御室部35a及びバルブ室部35bの間の燃料の流通を可能にする。
以上の制御バルブ70は、駆動部40が縮んだ状態で、閉塞部71を第一シート面部27に着座させている。これにより制御バルブ70は、第一流出路33による制御室35及び低圧室36の連通を遮断する。一方で、制御バルブ70は、駆動部40の伸長作動により、閉塞部71を第一シート面部27から離座させ、押圧部72を制御プレート80に当接させる。これにより制御バルブ70は、第一流出路33による制御室35及び低圧室36の連通を許容する。
尚、制御バルブ70及び制御プレート80のうちで制御バルブ70のみを開弁させ、第一流出路33及び第二流出路34のうちで第一流出路33のみに燃料を流通させる駆動部40の伸長作動を、以下、「第一伸長作動」という。第一伸長作動の大きさは、制御バルブ70及び制御プレート80の間の隙間GPと実質的に同一となる。
制御プレート80は、金属材料により、全体として扁平な円盤状に形成されている。制御プレート80は、ピン収容孔22a及び制御バルブ70と実質的に同軸の配置にて、制御室35に収容されている。制御プレート80には、上着座面81、下着座面82、及び連通孔83が形成されている。
上着座面81は、制御プレート80の頂面の外縁部分に形成されている。上着座面81は、平坦な平面状とされている。上着座面81は、第二シート面部28と対向しており、制御プレート80の変位によって第二シート面部28に対し離着座する。上着座面81は、第二シート面部28への着座により、上環状溝28aを閉じる。
下着座面82は、制御プレート80の底面の外縁部分に形成されている。下着座面82は、平坦な平面状とされている。下着座面82は、第三シート面部29と対向しており、制御プレート80の変位によって第三シート面部29に対し離着座する。下着座面82は、第三シート面部29への着座により、下環状溝29aを閉じる。
連通孔83は、制御プレート80の径方向の中央に設けられており、制御プレート80を軸方向に貫通する円筒状の貫通孔によって形成されている。連通孔83は、主制御室部35a及びバルブ室部35bを互いに連通させている。連通孔83の流路面積は、各絞り面積So1,So2の合計よりも大きく規定されている。
以上の制御プレート80は、駆動部40が縮んだ状態で、上着座面81を第二シート面部28に着座させ、且つ、下着座面82を第三シート面部29から離座させている。これにより制御プレート80は、第二流出路34による制御室35及び低圧室36の連通を遮断しつつ、供給連通路32による高圧室31a及び制御室35の連通を許容する。
また制御プレート80は、伸長作動に伴う駆動部40の駆動力が制御バルブ70を介して伝達されることにより、上着座面81を第二シート面部28から離座させ、且つ、下着座面82を第三シート面部29に着座させる。これにより制御プレート80は、第二流出路34による制御室35及び低圧室36の連通を許容しつつ、供給連通路32による高圧室31a及び制御室35の連通を遮断する。
尚、制御バルブ70及び制御プレート80の両方を開弁させ、且つ、制御プレート80を第三シート面部29に当接させる駆動部40の伸長作動を、以下、「第二伸長作動」という。第二伸長作動の大きさは、第一伸長作動よりも大きくされている。加えて、第一伸長作動と第二伸長作動との作動量の差分は、制御プレート80のストローク量DPに相当する。制御プレート80のストローク量DPは、インオリフィス32a及び第二アウトオリフィス34aの各絞り面積Si1,So2よりも、各着座面81,82及び各シート面部28,29の間の流路面積が大きくなるように設定されている。
詳記すると、制御プレート80のストローク量DPとし、バルブ室部35bの内径をd1とした場合、制御プレート80が第三シート面部29に着座した状態で、第二シート面部28及び上着座面81の間の最小流路面積は、「2π×d1×DP」となる。同様に、主制御室部35aの内径をd2とした場合、制御プレート80が第二シート面部28に着座した状態で、第三シート面部29及び下着座面82の間の最小流路面積は、「2π×d2×DP」となる。ストローク量DPは、インオリフィス32a及び第二アウトオリフィス34aにて流量が規定可能なように、それぞれSo2<2π×d1×DP、及びSi1<2π×d2×DPとなるように設定されている。
第一スプリング61及び第二スプリング62は、共に円筒螺旋状に形成されたコイルスプリングである。第一スプリング61及び第二スプリング62は、制御室35に収容されている。第一スプリング61は、小径部70aの外周側に位置しており、軸方向に押し縮められた状態で大径部70b及び制御プレート80の間に配置されている。第一スプリング61は、制御バルブ70を第一シート面部27へ向けて付勢している。第二スプリング62は、突起部52の外周側に位置しており、軸方向に押し縮められた状態で、制御プレート80及びノズルニードル50の間に配置されている。第二スプリング62は、制御プレート80を第二シート面部28へ向けて付勢している。加えて第二スプリング62は、制御プレート80及び第一スプリング61を介して、制御バルブ70を第二シート面部28へ向けて付勢している。
ここまで説明した燃料噴射装置10は、燃料噴射における噴射率の推移の態様を変更可能である。具体的に、燃料噴射装置10は、噴射率を標準的に立ち上げる低速開弁モードでの燃料噴射と、低速開弁モードよりも噴射率を急峻に立ち上げる高速開弁モードでの燃料噴射とを行うことができる。以下、低速開弁モード及び高速開弁モードを比較しつつ、燃料噴射装置10における燃料噴射の作動の詳細を、図3〜図6に基づき、図2を参照しつつ説明する。
図3には、圧電素子積層体への通電が行われておらず、駆動部40の縮んだ状態が示されている。この状態における制御バルブ70は、第一スプリング61の付勢力等により、初期位置として、閉塞部71を第一シート面部27に着座させている。初期位置の制御バルブ70は、第一流出路33による制御室35及び低圧室36の接続を遮断している。同様に、制御プレート80は、主制御室部35a及び上環状溝28aの圧力差や第二スプリング62の付勢力等により、初期位置として、上着座面81を第二シート面部28に着座させている。初期位置の制御プレート80は、第二流出路34による制御室35及び低圧室36の接続を遮断している。以上により、制御室35から低圧室36への燃料の流出は、中断されている。
一方、制御プレート80の下着座面82は、第三シート面部29から離座している。故に、供給連通路32による高圧室31aと制御室35との連通が許容され、制御室35の燃料圧力は、高圧室31aの燃料圧力と実質同一となる。ノズルニードル50は、制御室35の燃料から受ける油圧力により、噴孔38の閉弁状態を維持する。
図4に示す低速開弁モードでは、駆動部40に第一伸長作動を生じさせる駆動エネルギ(以下、「第一駆動エネルギ」)が、圧電素子積層体に投入される。低速開弁モードにおける駆動部40は、駆動伝達ピン42によって制御バルブ70を押し下げ、押し下げた制御バルブ70の押圧部72を制御プレート80の頂面に当接させる。制御バルブ70の開弁によって閉塞部71が第一シート面部27から離座することで、バルブ室部35bは、ピン収容孔22a及び第一流出路33を介して、低圧室36と接続される。これにより主制御室部35aの燃料は、連通孔83及び連通溝73を通じてバルブ室部35bに移動し、第一流出路33を経由して、低圧室36に流出可能となる。
低速開弁モードにおける制御プレート80は、上環状溝28aの低圧により、制御バルブ70の当接によっても、第二シート面部28に上着座面81を着座させた状態を維持する。故に、第二流出路34による制御室35及び低圧室36の連通は、遮断された状態となる。また、供給連通路32による高圧室31a及び制御室35の連通状態は、維持される。
以上の低速開弁モードでは、第一流出路33及び第二流出路34のうちで第一流出路33のみが、制御室35から低圧室36へと燃料を流通させる。第一アウトオリフィス33aによって律速された燃料流出に伴う制御室35の減圧により、ニードル受圧部51に作用する閉弁方向の油圧力が減少する。その結果、制御室35の燃料圧力が開弁圧を下回り、ノズルニードル50は、高圧燃料の油圧力によって開弁方向への変位を開始する。以上により、噴孔38が開弁状態となる。
図5に示す高速開弁モードでは、駆動部40に第二伸長作動を生じさせる駆動エネルギ(以下、「第二駆動エネルギ」)が、圧電素子積層体に投入される。第二駆動エネルギは、第一駆動エネルギよりも大きい。高速開弁モードにおける駆動部40は、制御バルブ70と共に制御プレート80を押し下げる。制御プレート80の変位によれば、上着座面81が第二シート面部28から離座すると共に、下着座面82が第三シート面部29に着座する。以上により、バルブ室部35bは、第二流出路34を介して低圧室36と接続される。加えて、下着座面82による下環状溝29aの閉塞により、供給連通路32による高圧室31a及び制御室35の連通が遮断される。これにより、高圧室31aから制御室35への燃料の供給が中断される。
以上の高速開弁モードでは、第一流出路33及び第二流出路34の両方が、制御室35から低圧室36へと燃料を流通させる。このように、各アウトオリフィス33a,34aによって律速された燃料流出に伴う制御室35の減圧によれば、ニードル受圧部51に作用する閉弁方向の油圧力は、急速に減少する。その結果、ノズルニードル50は、低速開弁モードよりも高速で開弁方向に変位可能となる。
図6に示す閉弁期間では、圧電素子積層体への通電が停止される。通電停止に伴い、圧電素子積層体に蓄えられていた電荷が放出されると、駆動部40の駆動力が消失する。これにより、高速開弁モードでの閉弁期間では、下環状溝29aの油圧力及び第二スプリング62の付勢力により、制御プレート80は、第二シート面部28へ向けて変位する。その結果、供給連通路32によって高圧室31aと制御室35とが接続され、制御室35への燃料の流入が開始される。さらに、第二流出路34による制御室35と低圧室36との連通が、制御プレート80によって遮断される。その結果、第二流出路34を通じた制御室35から低圧室36への燃料の流出が停止される。
加えて、各開弁モードの閉弁期間では、制御バルブ70が、第一スプリング61の付勢力及び油圧力等により、第一シート面部27へ向けて変位する。制御バルブ70は、閉塞部71を第一シート面部27に着座させて、制御室35と低圧室36との連通を遮断する。その結果、第一流出路33を通じた制御室35から低圧室36への燃料の流出が停止される。
以上により、制御室35の燃料圧力は、供給連通路32を通じて供給される燃料により、高圧室31aと同程度の初期圧力まで回復する。その結果、ノズルニードル50は、ニードルスプリング53の復元力及び油圧力等によって閉弁方向に押し下げられ、噴孔38を閉弁状態とする。
ここまで説明した第一実施形態では、駆動部40の第一伸長作動により、制御バルブ70が、第一流出路33による制御室35及び低圧室36の連通を許容する。さらに、第一伸長作動よりも大きな第二伸長作動によれば、制御バルブ70を介して伝達される駆動部40の駆動力により、制御プレート80が、第二流出路34による制御室35及び低圧室36の連通を許容する。
以上のように、駆動部40における伸長作動の大きさの制御によれば、第二流出路34を通じた燃料流出の実施及び不実施が切り替えられる。これにより、制御室35から低圧室36へ流出する燃料流量が増減するため、制御室35の圧力降下の態様が変更され得る。その結果、燃料噴射装置10の大型化を回避するために、制御バルブ70及び制御プレート80の開閉を一つの駆動部40で行う構成であっても、ノズルニードル50の変位速度の切り替えが可能となる。
加えて第一実施形態では、駆動部40の第二伸長作動により、供給連通路32を通じた高圧室31aと制御室35との連通が遮断され、高圧室31aから制御室35への燃料の流入が中断される。以上によれば、第二伸長作動に伴う制御室35の圧力降下は、第一伸長作動に伴う制御室の圧力降下よりもさらに急速に生じるようになる。したがって、駆動部40の作動量の変更に伴い、ノズルニードル50の変位速度を切り替えレンジがいっそう拡大可能になる。
また第一実施形態の第三シート面部29には、供給連通路32と接続された下環状溝29aが設けられている。第三シート面部29に制御プレート80が着座した状態では、下環状溝29aを満たしている燃料は、高圧室31aと実質的に同一の圧力となる。故に、制御プレート80は、下環状溝29a及び制御室35の燃料圧力差により、第三シート面部29から離れる方向に押し上げられる。以上によれば、閉弁期間にて第三シート面部29から離座する制御プレート80の作動が下環状溝29aの燃料によって支援されるため、制御室35の圧力回復、ひいてはノズルニードル50の閉弁方向への変位が速やかに行われる。
加えて第一実施形態のように、下環状溝29aが第三シート面部29に沿って延伸した形状であれば、供給連通路32を流通した燃料は、下環状溝29aの全体から制御室35に流入できる。そのため、制御プレート80に確保されたストローク量DP、即ち、第三シート面部29と下着座面82との隙間が小さくても、供給連通路32の燃料は、第三シート面部29と下着座面82との間で実質的に絞られることなく、制御室35に流入できる。このように、制御プレート80のストローク量DPを短くしつつ、制御室35に流入する燃料流量を確保できれば、高速開弁モードにて圧電素子積層体に投入される駆動エネルギの低減と、高速な閉弁作動との両立が可能となる。
さらに第一実施形態のように、下環状溝29aが下着座面82の外縁形状に沿った円環状に形成されていれば、下環状溝29aの燃料は、制御プレート80に周方向にて偏りを抑制された均等な油圧力を下着座面82に作用させ得る。以上によれば、制御プレート80は、駆動部40の縮む作動に追従し、軸方向を傾斜させることなく、安定した姿勢を維持して第三シート面部29から離座可能となる。
また第一実施形態の第二シート面部28には、第二流出路34と接続された上環状溝28aが設けられている。第二シート面部28に制御プレート80が着座した状態では、上環状溝28aを満たしている燃料は、低圧室36と実質的に同一の圧力となる。故に、制御プレート80は、上環状溝28a及び制御室35の燃料圧力の差により、第二シート面部28に押し付けられる。
以上によれば、低速開弁モードにて制御バルブ70が制御プレート80に当接しても、制御プレート80は、上環状溝28aの低圧を利用して第二シート面部28に上着座面81を着座させた状態を維持できる。故に、第一伸長作動から第二伸長作動への切り替えにより、ノズルニードル50の変位速度、ひいては噴射率の変化の態様が、明確に切り替わるようになる。
加えて第一実施形態のように、上環状溝28aが第二シート面部28に沿って延伸した形状であれば、制御室35の燃料は、上環状溝28aの全体に流入し、第二流出路34を通じて低圧室36に流出される。こうした構成であれば、第二シート面部28と上着座面81との隙間が小さくても、制御室35の燃料は、第二シート面部28と上着座面81との間で実質的に絞られることなく、第二流出路34に流通できる。このように、制御プレート80のストローク量DPを短くしつつ、制御室35から流出する燃料流量を確保できれば、高速開弁モードにて圧電素子積層体に投入される駆動エネルギの低減と、高速な開弁作動との両立が可能となる。
さらに第一実施形態では、上環状溝28aが上着座面81の外縁形状に沿った円環状に形成されている。故に、上環状溝28aの燃料は、制御プレート80に周方向にて均等な吸引力を作用させ、制御プレート80を第二シート面部28に着座させておくことができる。加えて、上環状溝28aは、油圧力の偏りを低減して制御プレート80に生じる傾きを抑制し、制御プレート80の変位を安定化させることができる。
また第一実施形態では、第一アウトオリフィス33aの絞り面積So1よりも第二アウトオリフィス34aの絞り面積So2が大きく規定されている。故に、低速開弁モード及び高速開弁モードの切り替えに伴って、制御室35から流出する燃料流量が顕著に変化する。以上によれば、開弁モード、即ち、駆動部40の伸長作動の切り替えに伴う噴射率の可変レンジの拡大が可能になる。
加えて第一実施形態では、制御バルブ70及び制御プレート80は、それぞれ第一スプリング61及び第二スプリング62の付勢力によって駆動伝達ピン42へ向けて付勢されている。こうした構成であれば、制御バルブ70及び制御プレート80は、駆動部40の伸縮作動に正確に追従し得る。したがって、燃料噴射装置10の作動が安定化する。
尚、第一実施形態において、弁ボデー20が「べデー」に相当し、第二シート面部28が「流出シート面部」に相当し、上環状溝28aが「流出溝部」に相当し、第三シート面部29が「流入シート面部」に相当し、下環状溝29aが「流入溝部」に相当する。また、第一流出路33が「第一連通路」に相当し、第一アウトオリフィス33aが「第一オリフィス」に相当し、第二流出路34が「第二連通路」に相当し、第二アウトオリフィス34aが「第二オリフィス」に相当する。さらに、ノズルニードル50が「ニードル」に相当し、第二スプリング62が「弁体弾性部材」に相当し、制御バルブ70が「第一弁体」に相当し、制御プレート80が「第二弁体」に相当する。
(第二実施形態)
図7〜図12に示す第二実施形態は、第一実施形態の変形例である。第二実施形態では、図7及び図8に示すように、弁ボデー220及び圧力制御機構260の構成が第一実施形態とは異なっている。以下、弁ボデー220及び圧力制御機構260の詳細を説明する。
弁ボデー220は、上バルブボデー部材22及び下バルブボデー部材23(図3参照)に相当する構成として、バルブボデー部材222を備えている。バルブボデー部材222には、ピン収容孔22a、第一シート面部27及び第二シート面部28に加えて、機構収容穴260aが設けられている。機構収容穴260aは、二段円柱状の空間を区画しており、圧力制御機構260を収容している。機構収容穴260aは、高圧室31aの一部を形成している。
圧力制御機構260は、制御バルブ270、制御内シリンダ280、制御外シリンダ290、第一スプリング61及び第二スプリング62等によって構成されている。
制御バルブ270は、扁平な円柱状に形成されている。制御バルブ270は、軸方向に変位可能な状態で機構収容穴260aに収容されている。制御バルブ270の外周壁面と、弁ボデー220の内周壁面との間には、燃料を流通させるクリアランスが確保されている。制御バルブ270には、閉塞部71及び押圧部72に加えて、連通路274が形成されている。連通路274は、制御バルブ270を軸方向に貫通する貫通孔によって形成されている。連通路274の一端は、主制御室部35aに接続されている。連通路274の他端は、制御室35のうちで第一シート面部27の周囲に確保された空間部と接続されている。連通路274は、主制御室部35aの燃料をピン収容孔22aへ向けて流通させる。
制御内シリンダ280は、全体として円筒状に形成されている。制御内シリンダ280は、制御外シリンダ290の内側に収容されている。制御内シリンダ280と制御外シリンダ290との間には、中間室部263が区画されている。中間室部263は、円筒状の空間であって、高圧室31aの一部である。中間室部263は、高圧燃料によって満たされており、主制御室部35aと接続可能である。
制御内シリンダ280には、径方向の外側に突き出した鍔部280aが設けられている。鍔部280aは、制御内シリンダ280の軸方向の両端部のうちで、制御バルブ270と対向する一方の端部に円環状に形成されている。鍔部280aの外径は、制御外シリンダ290の内径よりも小さく規定されている。こうした構成により、制御内シリンダ280は、鍔部280aを制御外シリンダ290に摺動させることなく、軸方向に変位可能である。
制御内シリンダ280には、上着座面81及び下着座面82に加えて、流入シート面部285及び供給連通路284が設けられている。上着座面81は、制御内シリンダ280の軸方向の両端面のうちで、制御バルブ270と対向する上端面に形成されている。上着座面81は、上端面のうちで鍔部280aによって形成された外縁部分に設けられている。上着座面81は、第二シート面部28への当接により、第二シート面部28に設けられた上環状溝28aを閉塞する。下着座面82は、制御内シリンダ280の軸方向の両端面のうちで、噴孔38側を向く下端面に形成されている。下着座面82は、制御内シリンダ280の軸方向への変位により、制御外シリンダ290に離着座する。
流入シート面部285は、第一実施形態の第三シート面部29(図3参照)に相当する構成である。流入シート面部285は、制御内シリンダ280の上端面のうちで上着座面81の内周側に円環状に形成されている。流入シート面部285は、制御バルブ270の押圧部72と対向している。流入シート面部285には、押圧部72が離着座する。流入シート面部285には、流入環状溝285aが形成されている。流入環状溝285aは、上端面に対して窪んでおり、流入シート面部285の形状に沿って円環状に延伸している。流入環状溝285aは、供給連通路284と接続されている。流入環状溝285aは、流入シート面部285に着座した押圧部72によって閉塞される。
供給連通路284は、中間室部263及び主制御室部35aを連通する燃料通路である。供給連通路284は、制御内シリンダ280の壁部を貫通する貫通孔によって形成されている。供給連通路284には、インオリフィス284aが設けられている。第二実施形態では、供給連通路284の全体がインオリフィス284aとされている。インオリフィス284aは、中間室部263及び主制御室部35aが接続された状態で、中間室部263から主制御室部35aに流入する燃料の流量を制限する。インオリフィス284aの流路面積が、第一実施形態の絞り面積Si1に相当する。
制御外シリンダ290は、金属材料により、有底の円筒状に形成されている。制御外シリンダ290は、ニードルスプリング53によって駆動部40へ向けて付勢されている。制御外シリンダ290には、伸長作動を行なう駆動部40の駆動力が、制御バルブ270及び制御内シリンダ280を介して伝達される。制御外シリンダ290は、駆動部40の伸長作動によって変位可能である。以下、制御外シリンダ290を第二シート面部28から離座させる伸長作動を、「第三伸長作動」という。第三伸長作動は、第二伸長作動よりもさらに大きい伸長作動である。
制御外シリンダ290には、上当接面部291、ニードル挿通開口292、及び中間シート面部293が設けられている。上当接面部291は、第二シート面部28と対向する制御外シリンダ290の上端面によって形成されている。上当接面部291は、上着座面81の外周側に位置し、第二シート面部28に離着座可能である。上当接面部291は、制御外シリンダ290に作用するニードルスプリング53の付勢力により、第二シート面部28に押圧されている。
ニードル挿通開口292は、制御外シリンダ290の底壁の中央に形成された貫通開口である。ニードル挿通開口292は、ノズルニードル50を挿通させている。ニードル挿通開口292とノズルニードル50との間には、流通隙間IS2が設けられている。流通隙間IS2は、中間室部263に流入する高圧燃料の通路となる径方向の隙間である。流通隙間IS2の流路面積Si2は、横断面における円環状の部分の面積であり、インオリフィス284aの絞り面積Si1よりも大きくされている。
中間シート面部293は、制御外シリンダ290の底壁のうちで、ニードル挿通開口292の周囲を囲む部分に形成されている。中間シート面部293は、下着座面82と軸方向に対向している。中間シート面部293への下着座面82の着座により、中間室部263は、高圧室31aの主要な部分から遮断される。これにより、中間室部263への高圧燃料の供給が停止される。駆動部40が縮んだ状態であって、制御内シリンダ280及び制御外シリンダ290が共に第二シート面部28に着座した状態にて、中間シート面部293と下着座面82との間には、流通隙間IS3が生じている。流通隙間IS3は、中間室部263に流入する高圧燃料の通路となる軸方向の隙間である。流通隙間の流路面積Si3は、ニードル挿通開口292と同一内径となる円筒の外周面の面積であり、インオリフィス284aの絞り面積Si1よりも大きくされている。
第一スプリング61は、主制御室部35aに収容されている。第一スプリング61は、軸方向に押し縮められた状態で制御バルブ270及びノズルニードル50の間に配置されている。第二スプリング62は、中間室部263に収容されている。第二スプリング62は、軸方向に押し縮められた状態で、制御内シリンダ280の鍔部280aと制御外シリンダ290の底壁の間に配置されている。
以上の構成の燃料噴射装置210は、第一実施形態と同様に、低速開弁モードによる燃料噴射と、高速開弁モードによる燃料噴射とを切り替えることができる。加えて燃料噴射装置210は、一回の噴射期間のうちで、燃料噴射を一時的に中断する中断期間を設けることができる。以下、燃料噴射装置210による燃料噴射の作動の詳細を、図8〜図12に基づき、図7を参照しつつ説明する。
図8には、駆動部40が縮んだ状態での圧力制御機構260が示されている。この状態における制御バルブ270は、第一スプリング61の付勢力等により、初期位置として、閉塞部71を第一シート面部27に着座させている。制御内シリンダ280は、第二スプリング62の付勢力等により、初期位置として、上着座面81を第二シート面部28に着座させている。制御外シリンダ290は、ニードルスプリング53の付勢力等により、初期位置として、上当接面部291を第二シート面部28に着座させている。
一方、制御バルブ270の押圧部72は、第二シート面部28から離座している。加えて、制御内シリンダ280の下着座面82は、中間シート面部293から離座している。故に、高圧燃料は、中間室部263及び供給連通路284を通じて、制御室35に供給可能となる。これにより制御室35の燃料圧力が高圧室31aの燃料圧力と実質同一となるため、ノズルニードル50は、制御室35の燃料から受ける油圧力により、噴孔38の閉弁状態を維持する。
図9に示す低速開弁モードでは、第一伸長作動を行なう駆動伝達ピン42により、制御バルブ270は、上環状溝28aの低圧で第二シート面部28に固定された制御内シリンダ280に当接する位置まで押し下げられる。制御バルブ270は、押圧部72によって上環状溝28aを閉塞する。その結果、供給連通路284による中間室部263と主制御室部35aとの連通が遮断され、主制御室部35aへの燃料の供給が中断される。さらに、制御バルブ270の開弁による閉塞部71の第一シート面部27からの離座により、主制御室部35aの燃料は、連通路274、ピン収容孔22a及び第一流出路33を流通し、低圧室36に流出される。第二実施形態の低速開弁モードでも、制御室35から低圧室36に流出する燃料流量は、第一アウトオリフィス33aによって規定される。燃料流出に伴う制御室35の減圧によれば、ニードル受圧部51に作用する閉弁方向の油圧力が減少する。その結果、ノズルニードル50は、高圧燃料の油圧力によって開弁方向への変位を開始し、噴孔38を開弁状態とする。
図10に示す高速開弁モードにおける駆動部40は、第二伸長作動により、制御バルブ270と共に制御内シリンダ280を押し下げる。制御内シリンダ280の変位によれば、上着座面81が第二シート面部28から離座し、下着座面82が中間シート面部293に着座する。これにより、主制御室部35aは、第二流出路34を介して低圧室36と接続される。加えて、下着座面82の中間シート面部293への着座により、高圧室31aから中間室部263への燃料流通が遮られるため、低速開弁モードと同様に、高圧室31aから制御室35への燃料の供給は、実質的に行われない。
以上の高速開弁モードでは、第一流出路33及び第二流出路34の両方を通じて、制御室35の燃料は、低圧室36へと流通する。その結果、制御室35の燃料圧力が低速開弁モードよりも急速に降下し、ノズルニードル50は、低速開弁モードよりも高速で開弁方向に変位する。
図11及び図12のように、燃料噴射装置210は、例えば高速開弁モードでの燃料噴射の途中に無噴射期間を設けることができる(時刻t3〜t4)。無噴射期間を実現するために、圧電素子積層体には、駆動伝達ピン42に第三伸長作動を生じさせる駆動エネルギ(以下、「第三駆動エネルギ」)が投入される。第三駆動エネルギは、第二駆動エネルギよりも大きい。駆動部40の第三伸長作動によれば、制御外シリンダ290は、上当接面部291を第二シート面部28から離座させる。
具体的に、駆動部40には、一旦、第二駆動エネルギが投入される。これにより、制御バルブ270の開弁(時刻t1)と、制御内シリンダ280の開弁とが順に行われ、制御内シリンダ280は、制御外シリンダ290に当接して停止する(時刻t2)。その後、駆動部40への第三駆動エネルギの投入が行われると、制御バルブ270及び制御内シリンダ280と共に、制御外シリンダ290が押し下げられる。
以上によれば、上当接面部291及び上着座面81が共に第二シート面部28から離座した状態となるため、高圧室31aの燃料は、中間室部263を経由することなく、第二シート面部28と上当接面部291及び上着座面81との間を流通できる。故に、高圧室31aの燃料は、制御バルブ270の外周壁と機構収容穴260aの内周壁との間、さらに連通路274を通じて、主制御室部35aに流入する。こうして、高圧室31aから制御室35への燃料の流入が可能になり、主制御室部35aの燃料圧力が回復することによれば、ノズルニードル50は、閉弁方向に押し下げられて、噴孔38を閉弁状態とする(時刻t3)。
そして、圧電素子積層体に蓄積された電荷の一部が放電され、駆動伝達ピン42の作動量は、第二伸長作動相当まで減少する。これにより、主制御室部35aへの燃料の供給が停止されると共に、第一流出路33及び第二流出路34を経由した主制御室部35aからの燃料の流出が再開される。その結果、ノズルニードル50は、再び開弁方向への変位を開始し、噴孔38からの燃料噴射を再開させる(時刻t3)。尚、時刻t3までが第一噴射の期間であり、時刻t4以降が第二噴射の期間となる。
図13に示す閉弁期間では、圧電素子積層体への通電停止により、駆動部40の駆動力が消失する。制御内シリンダ280は、駆動力の消失に伴い、第二シート面部28へ向けた変位を開始し(図12 時刻t5)する。その結果、制御内シリンダ280は、中間シート面部293から下着座面82を離座させ、第二シート面部28に上着座面81を着座させた初期位置に戻る。また制御バルブ270は、流入シート面部285から押圧部72を離座させ(図12 時刻t6)、閉塞部71を第一シート面部27に着座させた初期位置に戻る。以上により、制御室35から燃料流出が停止され、且つ、制御室35への燃料供給が開始されることのより、ノズルニードル50は、閉弁方向に変位して、噴孔38を閉弁状態とする(図12 時刻t7)。
ここまで説明した第二実施形態でも、第一実施形態と同様の効果を奏し、一つの駆動部40で制御バルブ270及び制御内シリンダ280の開閉を制御して、ノズルニードル50の変位速度の切り替えが可能となっている。
加えて第二実施形態では、低速開弁モードでも、供給連通路284を通じた高圧室31aと制御室35との連通が遮断される。こうして、制御室35への燃料の流入が中断されることによれば、ノズルニードル50の駆動に用いられないリーク燃料の消費量は、低減可能となる。これにより、高圧燃料ポンプ6(図1)の負荷増大の抑制、燃料温度の上昇抑制、デポジットの発生抑制等が可能になる。
また第二実施形態の制御内シリンダ280は、駆動部40の第二伸長作動によって制御外シリンダ290に下着座面82を当接させ、高圧室31aから制御室35への燃料の流入を遮ることができる。このように、制御内シリンダ280と制御外シリンダ290との当接で高圧室31aから制御室35への燃料流通を遮断できる構成であれば、制御外シリンダ290と制御内シリンダ280との間を摺動構造にする必要がなくなる。以上によれば、制御外シリンダ290、制御内シリンダ280、及びノズルニードル50が径方向に重ねられる構成であっても、個々に必要とされる寸法精度の緩和が可能になる。
さらに第二実施形態では、ノズルニードル50の開弁速度を切り替える少なくとも二つの充電制御パターンが設定されたうえで、さらに、燃料噴射の期間中に追加充電が実施される。こうした制御によれば、ノズルニードル50は、一旦閉じられる。そして、追加充電された電荷の放電により、ノズルニードル50が再度開弁する。
以上のように、駆動部40の第三伸長作動によって制御室35への燃料の流入が可能となれば、一時的に噴孔38を閉じることができる。そして、電荷の放電によって駆動部40が第二伸長作動の状態に戻れば、ノズルニードル50は、再び噴孔38を開く方向へ変位するようになる。以上のように、無噴射期間を設けることができれば、多段噴射のパターンを増やすことが可能になる。
加えて第二実施形態の構成では、制御外シリンダ290及びノズルニードル50の間の流通隙間IS2の大きさは、個々の部品の寸法公差及び組み付けの公差等に起因して、ばらつき易い。同様に、制御外シリンダ290及び制御内シリンダ280の間の流通隙間IS3の大きさにも、ばらつきが生じ易い。そのため、各流通隙間IS2,IS3の流路面積Si2,Si3は、インオリフィス284aの絞り面積Si1よりも大きくされている。こうした設計によれば、中間室部263を経由して主制御室部35aに流入する燃料流量は、インオリフィス284aによって制御されるため、安定的となる。その結果、ノズルニードル50の閉弁時の挙動も、安定化する。
尚、第二実施形態において、弁ボデー220が「ボデー」に相当し、制御バルブ270が「第一弁体」に相当し、制御内シリンダ280が「第二弁体」に相当し、制御外シリンダ290が「シリンダ」に相当する。また、流入環状溝285aが「流入溝部」に相当し、流通隙間IS2,IS3がそれぞれ「隙間」に相当する。
(第三実施形態)
図14に示す第三実施形態は、第一実施形態の別の変形例である。第三実施形態の弁ボデー320からは、ニードルシリンダ26(図3参照)が省略されている。弁ボデー320において、下バルブボデー部材23及びノズルボデー部材24の間には、ニードル支持部材323が設けられている。ノズルニードル50のニードル摺動面55は、ニードル支持部材323の内周壁323aによって摺動可能に支持されている。こうした第三実施形態でも、第一実施形態と同様の効果を奏し、一つの駆動部40で制御バルブ70及び制御プレート80の開閉を制御して、ノズルニードル50の変位速度の切り替えが可能となる。尚、第三実施形態では、弁ボデー320が「ボデー」に相当する。
(第四実施形態)
図15に示す第四実施形態は、第一実施形態のさらに別の変形例である。第四実施形態のノズルニードル50からは、突起部52(図3参照)に相当する部位が省略されている。一方で、制御プレート480には、円筒部485が設けられている。円筒部485は、制御プレート480にて円盤状を呈する本体部分480aから、軸方向に沿ってノズルニードル50のニードル受圧部51へ向かって円筒状に突出している。円筒部485は、第二スプリング62の内周側に配置されている。円筒部485及び本体部分480aの内部には、連通孔83が形成されている。円筒部485は、主制御室部35aの容積を低減させている。
以上の第四実施形態でも、第一実施形態と同様の効果を奏し、一つの駆動部40で制御バルブ70及び制御プレート480の開閉を制御して、ノズルニードル50の変位速度の切り替えが可能となる。尚、第四実施形態では、制御プレート480が「第二弁体」に相当する。
(第五実施形態)
図16に示す第五実施形態は、第二実施形態の変形例である。第五実施形態の圧力制御機構560において、制御内シリンダ580及び制御外シリンダ590の間は、摺動構造とされている。
制御内シリンダ580には、第二実施形態と同様に鍔部580aが設けられている。鍔部580aには、供給連通路584及びシリンダ摺動面585が形成されている。供給連通路584は、高圧室31aと制御室35とを連通している。供給連通路584には、インオリフィス584aが設けられている。シリンダ摺動面585は、鍔部580aの外周壁面によって形成されている。シリンダ摺動面585は、制御外シリンダ590の内周壁面594に内嵌されている。シリンダ摺動面585は、内周壁面594との間で油密を形成しつつ、内周壁面594に対して摺動可能に制御内シリンダ580を支持している。制御外シリンダ590は、円筒状に形成されている。制御外シリンダ590からは、ニードル挿通開口292及び中間シート面部293(図9参照)に相当する構成が省略されている。
以上の第五実施形態でも、第二実施形態と同様の効果を奏し、一つの駆動部40で制御バルブ270、制御内シリンダ580及び制御外シリンダ590の開閉を制御して、ノズルニードル50の変位速度の切り替えが可能となる。尚、第五実施形態では、制御内シリンダ580が「第二弁体」に相当し、制御外シリンダ590が「シリンダ」に相当する。
(第六実施形態)
図17に示す第六実施形態は、第二実施形態の別の変形例である。第六実施形態の圧力制御機構660では、第一スプリング61及び第二スプリング62に加えて、第三スプリング63が設けられている。
第三スプリング63は、円筒螺旋状に形成されたコイルスプリングである。第三スプリング63のばね定数は、ニードルスプリング53のばね定数よりも高く設定されている。第三スプリング63は、高圧室31aに収容されている。第三スプリング63は、軸方向に押し縮められた状態でノズルボデー部材24と制御外シリンダ290との間に配置されている。第三スプリング63は、ニードルスプリング53と共に、制御外シリンダ290を第二シート面部28へ向けて付勢している。
以上の第六実施形態でも、第二実施形態と同様の効果を奏し、一つの駆動部40で制御バルブ270、制御内シリンダ280及び制御外シリンダ290の開閉を制御して、ノズルニードル50の変位速度の切り替えが可能となる。加えて第六実施形態では、制御外シリンダ290を第二シート面部28に押し付ける機能の大部分が、第三スプリング63によって果たされている。故に、ニードルスプリング53のみで制御外シリンダ290を付勢する形態と比較して、ニードルスプリング53のばね定数は、低く設定され得る。以上によれば、ノズルニードル50のリフト開始のタイミングを早めることができる。
(他の実施形態)
以上、本開示の複数の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
上記実施形態では、高速開弁モードでの燃料噴射と低速開弁モードでの燃料噴射とを個別に説明した。しかし、一回の燃料噴射期間において、圧電素子積層体に投入する駆動エネルギを増減させる制御により、高速開弁モード及び低速開弁モードの各作動が少なくとも一回以上、切り替えられてもよい。例えば、低速開弁モードでの噴射開始後に、高速開弁モードへの切り替えが実施されてもよい。或いは、その逆の切り替えが実施されてもよい。さらに、第二実施形態による燃料噴射装置であっても、無噴射期間が設けられなくてもよい。
上記第一実施形態では、高速開弁モードにて、供給連通路が閉じられていた。また上記第二実施形態では、低速開弁モードにて、供給連通路が閉じられていた。しかし、リーク燃料量が許容され得るのであれば、制御室へ燃料を供給する供給連通路は、閉じられなくてもよい。また、「第一弁体」、「第二弁体」、及び「シリンダ」に相当する構成の形状は、適宜変更可能である。加えて、「第一弁体」、「第二弁体」、及び「シリンダ」は、それぞれ複数の部品を組み立ててなる構成であってもよい。さらに、「第一弁体」、「第二弁体」、及び「シリンダ」の間に、駆動力を伝達するための部材が介在していてもよい。
上記実施形態における第一流出路及び第二流出路は、低圧室側の端部の少なくとも一部を合流させる形態であった。このように第一流出路及び第二流出路は、最も流路面積が狭くなる各オリフィス区間が別々でれば、各オリフィス区間の下流(低圧室)側にて、互いに合流していてもよい。また、制御室と低圧室との間に流路を形成するスペースが確保可能であれば、第一流出路及び第二流出路は、各全体を分離させた形態であってもよい。
上記実施形態では、各シート面部に円環状の溝が設けられていた。しかし、こうした円環状の溝は、設けられなくてもよい。さらに、円環状とは異なる形態の溝が、各シート面部に形成されていてもよい。また、上記実施形態の第一スプリング及び第二スプリングに相当する構成は、制御バルブ及び制御プレートの初期位置への移動が確実に行われるようであれば、適宜省略されてよい。
上記実施形態では、第一アウトオリフィスの絞り面積よりも第二アウトオリフィスの絞り面積の方が大きくされていた。しかし、燃料噴射装置に要求される噴射率の特性に応じて、個々のアウトオリフィスの絞り面積は、適宜調整されてよい。具体的には、第一アウトオリフィスの絞り面積が第二アウトオリフィスの絞り面積よりも大きくされていてもよい。
上記実施形態の駆動部における第一伸長作動、第二伸長作動、及び第三伸長作動の各作動量は、それぞれの大小関係が維持されていれは、適宜変更されてよい。また上記実施形態では、圧電素子積層体が駆動部のアクチュエータとして採用されていた。しかし、駆動部は、例えば磁電アクチュエータ等を有する構成であってもよい。
上記実施形態では、燃料として軽油を噴射する燃料噴射装置に本開示の圧力制御機構等を適用した例を説明した。しかし、上記の圧力制御機構は、軽油以外の燃料、例えばジメチルエーテル等の液化ガス燃料を噴射する燃料噴射装置にも適用可能である。
10,210 燃料噴射装置、20,220,320 弁ボデー(ボデー)、28 第二シート面部(流出シート面部)、28a 上環状溝(流出溝部)、29 第三シート面部(流入シート面部)、29a 下環状溝(流入溝部)、31a 高圧室、32 供給連通路、33 第一流出路(第一連通路)、33a 第一アウトオリフィス(第一オリフィス)、34 第二流出路(第二連通路)、34a 第二アウトオリフィス(第二オリフィス)、35 制御室、36 低圧室、38 噴孔、40 駆動部、50 ノズルニードル、62 第二スプリング(弁体弾性部材)、70,270 制御バルブ(第一弁体)、80,480 制御プレート(第二弁体)、280,580 制御内シリンダ(第二弁体)、284,584 供給連通路、284a,584a インオリフィス、285 流入シート面部、285a 流入環状溝(流入溝部)、290,590 制御外シリンダ(シリンダ)、IS2,IS3 流通隙間、Si1,So1,So2 絞り面積、Si2,Si3 流路面積

Claims (16)

  1. 燃料を噴射する噴孔(38)が形成され、燃料が充填される制御室(35)、前記制御室に燃料を供給する高圧室(31a)、前記制御室の燃料が流出する低圧室(36)、並びに前記制御室及び前記低圧室を連通する第一連通路(33)及び第二連通路(34)、が内部に設けられたボデー(20,220,320)と、
    第一伸長作動及び前記第一伸長作動よりも大きな第二伸長作動を行なう駆動部(40)と、
    前記制御室の燃料圧力によって前記噴孔を閉じる方向に押圧され、前記制御室の減圧によって前記噴孔を開ける方向に変位するニードル(50)と、
    前記駆動部が縮んだ状態で前記第一連通路による前記制御室及び前記低圧室の連通を遮断し、前記駆動部の前記第一伸長作動によって前記第一連通路による前記制御室及び前記低圧室の連通を許容する第一弁体(70,270)と、
    前記駆動部が縮んだ状態で前記第二連通路による前記制御室及び前記低圧室の連通を遮断し、前記第二伸長作動を行なう前記駆動部の駆動力が前記第一弁体を介して伝達されることにより、前記第二連通路による前記制御室及び前記低圧室の連通を許容する第二弁体(80,280,480,580)と、を備える燃料噴射装置。
  2. 前記ボデーの内部には、前記高圧室及び前記制御室を連通する供給連通路(32)がさらに設けられており、
    前記第二弁体は、前記駆動部が縮んだ状態で前記供給連通路による前記高圧室及び前記制御室の連通を許容し、前記駆動部の前記第二伸長作動により、前記供給連通路による前記高圧室及び前記制御室の連通を遮断する請求項1に記載の燃料噴射装置。
  3. 前記ボデーには、前記駆動部が前記第二伸長作動を行った状態で前記第二弁体を着座させる流入シート面部(29)、が形成されており、
    前記流入シート面部には、前記供給連通路と接続された流入溝部(29a)が形成されている請求項2に記載の燃料噴射装置。
  4. 前記流入シート面部は、前記第二弁体の外縁形状に沿った環状に形成されており、
    前記流入溝部は、前記流入シート面部の形状に沿って環状に延伸している請求項3に記載の燃料噴射装置。
  5. 前記第二弁体には、前記高圧室及び前記制御室を連通する供給連通路(284,584)が設けられており、
    前記第一弁体は、前記駆動部が縮んだ状態で前記供給連通路による前記高圧室及び前記制御室の連通を許容し、前記駆動部の前記第一伸長作動により、前記供給連通路による前記高圧室及び前記制御室の連通を遮断する請求項1に記載の燃料噴射装置。
  6. 前記第二弁体を収容するシリンダ(290,590)、をさらに備え、
    前記第二弁体は、前記駆動部の前記第二伸長作動によって前記シリンダに当接し、前記高圧室から前記制御室への燃料の流入を遮る請求項5に記載の燃料噴射装置。
  7. 前記シリンダは、前記第二伸長作動よりも大きな第三伸長作動を行なう前記駆動部の駆動力が前記第一弁体及び前記第二弁体を介して伝達されることにより、前記高圧室から前記制御室への燃料の流入を可能にする請求項6に記載の燃料噴射装置。
  8. 前記供給連通路には、前記高圧室から前記制御室へ向けて流れる燃料の流量を制限するインオリフィス(284a,584a)が設けられている請求項6又は7に記載の燃料噴射装置。
  9. 前記インオリフィスの絞り面積(Si1)は、前記シリンダ及び前記ニードルの間に設けられた流通隙間(IS2)の流路面積(Si2)よりも小さい請求項8に記載の燃料噴射装置。
  10. 前記供給連通路の絞り面積(Si1)は、前記駆動部が縮んだ状態で前記第二弁体及び前記シリンダの間に生じる流通隙間(IS3)の流路面積(Si3)よりも小さい請求項8又は9に記載の燃料噴射装置。
  11. 前記第二弁体には、前記駆動部が前記第二伸長作動を行った状態で前記第一弁体を着座させる流入シート面部(285)、が形成されており、
    前記流入シート面部には、前記供給連通路と接続された流入溝部(285a)が形成されている請求項5〜10のいずれか一項に記載の燃料噴射装置。
  12. 前記流入シート面部は、前記第一弁体の外縁形状に沿った環状に形成されており、
    前記流入溝部は、前記流入シート面部の形状に沿って環状に延伸している請求項11に記載の燃料噴射装置。
  13. 前記ボデーには、前記駆動部が縮んだ状態で前記第二弁体を着座させる流出シート面部(28)、が形成されており、
    前記流出シート面部には、前記第二連通路と接続された流出溝部(28a)が形成されている請求項1〜12のいずれか一項に記載の燃料噴射装置。
  14. 前記流出シート面部は、前記第二弁体の外縁形状に沿った環状に形成されており、
    前記流出溝部は、前記流出シート面部の形状に沿って環状に延伸している請求項13に記載の燃料噴射装置。
  15. 前記第一連通路には、前記制御室から前記低圧室へ向けて流れる燃料の流量を制限する第一オリフィス(33a)が設けられており、
    前記第二連通路には、前記制御室から前記低圧室へ向けて流れる燃料の流量を制限する第二オリフィス(34a)が設けられており、
    前記第二オリフィスの絞り面積(So2)は、前記第一オリフィスの絞り面積(So1)よりも大きい請求項1〜14のいずれか一項に記載の燃料噴射装置。
  16. 前記第一弁体及び前記第二弁体を前記駆動部へ向けて付勢する弁体弾性部材(62)、をさらに備える請求項1〜15のいずれか一項に記載の燃料噴射装置。
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