JP6508146B2 - 燃料噴射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃焼室へ向けて噴孔から燃料を噴射する燃料噴射装置に関する。
従来、例えば特許文献1に開示されているように、燃料を噴射させるためのニードル開弁速度を可変にしている。ニードル開弁速度を可変にする具体的な機構として、ソレノイドを2個設置し、ソレノイドをそれぞれ独立して作動させることで、制御室から流出する燃料の排出速度を2段階に制御にしている。
米国特許出願公開第2013/0233941号明細書
前述の従来技術では、ソレノイドを2個搭載して排出速度を可変しているので、ソレノイドが1個の構成に比べて燃料噴射装置が大形化するという問題がある。
そこで、本発明は前述の問題点を鑑みてなされたものであり、大形化を抑制しつつ、燃料の排出速度を可変に制御することができる燃料噴射装置を提供することを目的とする。
本発明は前述の目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。
本発明は、燃焼室(22)へ向けて噴孔(30)から燃料を噴射する燃料噴射装置(100)であって、噴孔、供給流路(40)、圧力制御室(43)および流出流路(42)が形成された弁ボデー(31)と、噴孔を開閉させる弁部材(32)と、第1弁体(38)および第2弁体(37)を有し、流出流路の流路面積を切り替える切替弁機構(36)と、第1弁体のリフト量を第1リフト量または第2リフト量に制御する駆動部(33)と、切替室(44,45)と連通通路(57)が形成されており、第1弁体のリフト量に応じて連通通路を開閉する第3弁体(35)と、を含み、切替弁機構は、第1弁体がリフトしていない場合には第1絞り状態に制限し、第1弁体が第2リフト量に位置にある場合には第2絞り状態に制限し、第3弁体は、第1弁体がリフトしていない場合には、第1弁体と離座して連通通路を開放し、第1弁体が第1リフト量の位置または第2リフト量の位置にある場合には、第1弁体と接触して連通通路を閉鎖する燃料噴射装置である。
このような本発明に従えば、第1弁体が第1リフト量の位置にあり、流出流路が第1絞り状態にある場合では、弁ボデーから離座した第1弁体は、第2弁体を離座させないように、第3弁体の第1当接部に当接した状態とされる。これによって第3弁体の第1当接部との当接によって第1弁体の位置が保持されるので、第1絞り状態における流出流路の流路面積、ひいては圧力制御室からの燃料の流出量は、安定的となる。
また第1弁体が第2リフト量に位置にあり、流出流路が第2絞り状態にある場合では、第1弁体による第1当接部の押圧で第3弁体を変位させて、第1弁体による第2弁体の第2当接部への押圧によって第2弁体を弁ボデーから離座させた状態とされる。このように、第1弁体の押圧によって第2弁体の位置が保持されるので、第2絞り状態における流出流路の流路面積、ひいては圧力制御室からの燃料の排出量も安定的となる。
このように切替弁機構は、第1弁体のリフト量を調整することによって、流出流路の流路面積を切り替えることができる。そして第1弁体のリフト量は、1つの駆動部によって制御することができる。したがって駆動部は、1つの第1弁体のリフト量を制御する構成であればよいので、駆動部が大形化を抑制することができる。
さらに第3弁体は、第1弁体が第1リフト量の位置または第2リフト量の位置にある場合には、第1弁体と接触して連通通路を閉鎖している。そして第3弁体は、第1弁体がリフトしていない場合には、第1弁体と離座して連通通路を開放するので、第1弁体が弁ボデーに離座している状態から着座すると、切替室に供給流路からの燃料を直ちに流入させることができる。したがって第1弁体が弁ボデーから離座することで低圧側に流出した燃料を、第3弁体の連通通路から供給される高圧燃料で短時間で満たすことができる。これによって第1弁体が弁ボデーに着座してから、弁部材が閉弁するまでの時間を短くすることができる。
燃料供給システムの全体構成を示す図。 燃料噴射装置を示す縦断面図。 三方弁およびバイパスバルブの近傍を拡大して示す縦断面図。 三方弁の作動を示す図。 三方弁とノズルニードルの変位などの相関を示すタイムチャート。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に関して、図1〜図5を用いて説明する。図1に示す燃料供給システム10には、第1実施形態による燃料噴射装置100が用いられている。燃料供給システム10は、内燃機関であるディーゼル機関20の各燃焼室22に、燃料噴射装置100によって燃料を供給する。燃料供給システム10は、フィードポンプ12、サプライポンプ13、コモンレール14、機関制御装置17、および複数の燃料噴射装置100等から構成されている。
フィードポンプ12は、サプライポンプ13に内蔵された例えばトロコイド式のポンプである。フィードポンプ12は、燃料タンク内に貯留された燃料としての軽油をサプライポンプ13に圧送する。フィードポンプ12は、サプライポンプ13と別体であってもよい。
サプライポンプ13は、ディーゼル機関20の出力軸によって駆動される例えばプランジャ式のポンプである。サプライポンプ13は、燃料配管13aによってコモンレール14と接続されている。サプライポンプ13は、フィードポンプ12から供給された燃料をさらに昇圧し、コモンレール14に供給する。
コモンレール14は、高圧燃料配管14aを介して各燃料噴射装置100と接続されている。コモンレール14は、サプライポンプ13から供給される高圧の燃料を一時的に蓄え、圧力を保持したまま各燃料噴射装置100に分配する。コモンレール14には、減圧弁14bが設けられている。減圧弁14bは、コモンレール14において余剰となった燃料を、燃料タンクに繋がっている余剰燃料配管へ排出する。
機関制御装置17は、プロセッサ、RAM、および書き換え可能な不揮発性の記憶媒体を含むマイクロコンピュータまたはマイクロコントローラを主体に構成された演算回路と、各燃料噴射装置100を駆動する駆動回路とを含む構成である。機関制御装置17は、図1にて破線で示すように、各燃料噴射装置100と電気的に接続されている。機関制御装置17は、ディーゼル機関20の稼動状態に応じて各燃料噴射装置100の作動を制御する。
燃料噴射装置100には、燃焼室22を形成するヘッド部材21の挿入孔に挿入された状態で、ヘッド部材21に取り付けられている。燃料噴射装置100は、高圧燃料配管14aを通じて供給される燃料を、複数の噴孔30から燃焼室22へ向けて直接的に噴射する。燃料噴射装置100は、噴孔30からの燃料の噴射を制御する弁機構を備えている。燃料噴射装置100は、高圧燃料配管14aを通じて供給される燃料の一部を、噴孔30の開閉に使用する。
次に、燃料噴射装置100に関して、図2および図3を用いて説明する。燃料噴射装置100は、図2に示すように、弁ボデー31、ノズルニードル32、駆動部33、高圧バルブ34、インオリフィスボデー35および切替弁機構36を含んで構成される。切替弁機構36は、バイパスバルブ37および三方弁38を有する。
弁ボデー31は、金属材料よって形成されたシリンダ等の複数の部材を組み合わせることによって構成されている。弁ボデー31には、噴孔30、シート部39、高圧流路40、流入流路41、低圧流路42、圧力制御室43、バイパスバルブ室44、三方弁室45、駆動部収容室46およびオリフィス室47が形成されている。
噴孔30は、燃焼室22へ挿入される弁ボデー31において、挿入方向の先端部に形成されている。先端部は、円錐状または半球状に形成されている。噴孔30は、弁ボデー31の内側から外側に向けて放射状に複数設けられている。高圧の燃料は、各噴孔30から燃焼室22へ向けて噴射される。高圧の燃料は、噴孔30を通過することによって霧化され、空気と混合し易い状態となる。シート部39は、弁ボデー31の先端部の内側に、円錐状に形成されている。シート部39は、噴孔30の上流側において高圧流路40に臨んでいる。
高圧流路40は、図1に示す高圧燃料配管14aを通じてコモンレール14から供給される高圧の燃料を、噴孔30に供給する。流入流路41は、高圧流路40と圧力制御室43とを連通させている。流入流路41は、高圧流路40を流通する燃料の一部を圧力制御室43に流入させる。流入流路41には、流入オリフィスとして第2インオリフィス48が設けられている。第2インオリフィス48は、高圧流路40から圧力制御室43に流れる燃料の流量を制限する。
低圧流路42は、弁ボデー31内を高圧流路40に沿って延伸している。低圧流路42は、圧力制御室43の燃料(リーク燃料)を、燃料噴射装置100の外部の低圧側である余剰燃料配管に流出させる流出流路の一部である。流出流路は、低圧流路42、バイパスバルブ室44および三方弁室45と、後述する上流側連通路51、中間連通路52、および下流側連通路53等とによって構成されている。低圧流路42を流通する燃料の圧力は、圧力制御室43の燃料の圧力よりも低くなっている。
圧力制御室43は、弁ボデー31の内部において、ノズルニードル32を挟んで噴孔30の反対側に設けられている。圧力制御室43は、高圧バルブ34、シリンダ49、およびノズルニードル32によって区画された円柱状の空間である。圧力制御室43には、流入流路41を通じて高圧の燃料が流入する。圧力制御室43の燃料圧力は、流入流路41からの高圧の燃料の流入と、バイパスバルブ室44への燃料の流出とにより変動する。圧力制御室43における燃料圧力の変動によってノズルニードル32が往復変位する。
バイパスバルブ室44は、バイパスバルブ37を収容する円柱状の空間である。バイパスバルブ室44の軸方向は、圧力制御室43およびシリンダ49の軸方向に沿っている。バイパスバルブ室44と圧力制御室43との間には、上流側連通路51が形成されている。バイパスバルブ室44には、上流側連通路51を通じて、圧力制御室43から排出された燃料が流入する。上流側連通路51の燃料圧力は、バイパスバルブ室44の燃料圧力と実質的に同一となる。加えて、バイパスバルブ室44と三方弁室45との間には、円筒孔状の中間連通路52が形成されている。バイパスバルブ室44の燃料は、中間連通路52を通じて、三方弁室45に排出される。
バイパスバルブ室44を区画する区画壁には、第2シート部50が形成されている。第2シート部50は、バイパスバルブ室44の区画壁のうちで、中間連通路52の開口周囲を囲む円環状の領域である。第2シート部50は、バイパスバルブ37を着座させる領域となる。
三方弁室45は、三方弁38を収容する円柱状の空間である。三方弁室45は、バイパスバルブ室44と駆動部収容室46との間に位置している。三方弁室45の軸方向は、バイパスバルブ室44の軸方向に沿っている。三方弁室45、バイパスバルブ室44、および中間連通路52は、互いに同軸となるように形成されている。三方弁室45の容積は、バイパスバルブ室44の容積よりも大きい。三方弁室45と駆動部収容室46との間には、下流側連通路53が形成されている。下流側連通路53は、三方弁室45から排出された燃料を主に低圧流路42に流通させる。
三方弁室45を区画する区画壁には、第1シート部54および第1載置部55が形成されている。第1シート部54は、三方弁室45の区画壁のうちで、下流側連通路53の開口周囲を囲む円環状の領域である。第1シート部54は、三方弁38を着座させる領域となる。第1載置部55は、三方弁室45の区画壁のうちで、中間連通路52の開口周囲を囲む領域である。第1載置部55には、後述する三方弁用スプリング56の下端が載置されている。
オリフィス室47は、インオリフィスボデー35を収容する円柱状の空間である。オリフィス室47の軸方向は、圧力制御室43およびシリンダ49の軸方向に沿っている。オリフィス室47と高圧流路40との間には、インオリフィス用通路57が形成されている。オリフィス室47には、インオリフィス用通路57を通じて、高圧流路40から供給された燃料が流入する。オリフィス室47の燃料圧力は、高圧流路40の燃料圧力と実質的に同一となる。
オリフィス室47を区画する区画壁には、第2載置部58が形成されている。第2載置部58は、オリフィス室47の区画壁のうちで、インオリフィス用通路57の開口周囲を囲む領域である。第2載置部58には、後述するオリフィス用スプリング59の下端が載置されている。
駆動部収容室46は、駆動部33を収容する円柱状の空間である。駆動部収容室46は、三方弁室45から排出された燃料の一部によって満たされている。駆動部収容室46の軸方向は、バイパスバルブ室44および三方弁室45の各軸方向に沿っている。駆動部収容室46、三方弁室45、およびバイパスバルブ室44は、互いに同軸となるように設けられている。
ノズルニードル32は、金属材料によって全体として円柱状に形成されている。ノズルニードル32は、弁ボデー31に収容されている。ノズルニードル32は、金属製の線材を螺旋状に巻設したコイル状のノズルスプリング60により、噴孔30側へ向けて付勢されている。ノズルニードル32は、弁受圧面61およびフェース部62を有している。ノズルニードル32は、圧力制御室43の燃料圧力を弁受圧面61に受けることで、円筒状に形成されたシリンダ49の内周壁面に沿って、軸方向に往復変位する。ノズルニードル32は、弁ボデー31に対して相対変位することにより、フェース部62をシート部39に離着座させる。フェース部62は、噴孔30を開閉する主弁部を、シート部39と共に形成している。
駆動部33は、駆動部収容室46に収容されている。駆動部33は、切替弁機構36の三方弁38およびバイパスバルブ37を駆動するための駆動力を発生させることで、圧力制御室43と低圧流路42との間を遮断状態から連通状態へと切り替える。駆動部33は、機関制御装置17から出力された駆動信号に基づき、発生させる駆動力の大きさを変更可能であり、後述する第1駆動力または第2駆動力を発生させることができる。第2駆動力は、第1駆動力よりも大きい力である。
駆動部33は、圧電素子積層体63および伝達機構64等によって構成されている。圧電素子積層体63は、例えばPZT(PbZrTiO3)と呼ばれる層と薄い電極層が交互に積まれた積層体である。圧電素子積層体63には、機関制御装置17から出力された入力駆動信号が入力される。圧電素子積層体63は、駆動信号に応じた電圧(以下、「駆動電圧」)に従って、ピエゾ素子の特性である逆圧電効果により、駆動部収容室46の軸方向に沿って伸縮する。
伝達機構64は、圧電素子積層体63の伸縮を伝達する機構である。伝達機構64は、ピストン65、緩衝シリンダ66およびピストンスプリング67を有している。ピストン65は、円柱状に形成されている。ピストン65は、圧電素子積層体63と接している。ピストン65には、伸縮する圧電素子積層体63の動きが入力される。ピストン65には、三方弁室45へ向かって円柱状に突出する第1駆動伝達ピン68が形成されている。第1駆動伝達ピン68は、下流側連通路53に挿通されている。第1駆動伝達ピン68の先端面は、三方弁38に接触している。
緩衝シリンダ66は、円筒状に形成されており、ピストン65に外嵌されている。ピストンスプリング67は、軸方向に弾性力を発生させる金属ばねである。ピストンスプリング67は、緩衝シリンダ66に対してピストン65を三方弁38へ向けて付勢している。
このように駆動部33は、圧電素子積層体63の伸縮を伝達機構64によって軸方向に沿って伝達することで、第1駆動伝達ピン68を軸方向に往復変位させる。駆動部33に入力される駆動電圧が高くなるほど、第1駆動伝達ピン68から三方弁38に入力される駆動力、ひいては第1駆動伝達ピン68および三方弁38のリフト量が大きくなる。
高圧バルブ34は、金属材料によって円盤状に形成されている。高圧バルブ34は、弁ボデー31の軸方向に沿って往復変位可能な状態で、シリンダ49の内周側に配置されている。高圧バルブ34と弁受圧面61との間の空間が、実質的に圧力制御室43となる。高圧バルブ34は、高圧バルブ用スプリング69により、シリンダ49に対して上流側連通路51へ向けて付勢されている。高圧バルブ34には、第1アウトオリフィス70が形成されている。第1アウトオリフィス70は、高圧バルブ34を板厚方向に貫通する貫通孔に形成されている。第1アウトオリフィス70は、高圧バルブ34が流入流路41の第2インオリフィス48を塞いでいる状態において、圧力制御室43から上流側連通路51およびバイパスバルブ室44へと流通する燃料の流量を制限する。
切替弁機構36は、バイパスバルブ37および三方弁38の開閉によって流出流路の流路面積を切り替える機構である。駆動部33が第1駆動力および第2駆動力のいずれも発生させていない場合には、切替弁機構36は、流出流路を閉鎖させる。一方、駆動部33が第1駆動力を発生させている場合には、切替弁機構36は、流出流路を第1絞り状態に制限する。さらに、駆動部33が第2駆動力を発生させている場合には、切替弁機構36は、流出流路を第2絞り状態に制限する。
バイパスバルブ37は、金属材料等によって円盤状に形成されている。バイパスバルブ37は、バイパスバルブ室44に配置されており、バイパスバルブ室44内を軸方向に沿って変位可能である。バイパスバルブ37の径方向の中央には、バイパスバルブ37を軸方向に貫通する貫通孔71が形成されている。バイパスバルブ37の貫通孔71には、三方弁38の小径円柱部72が挿通されており、貫通孔71の内壁に沿って三方弁38の小径円柱部72を軸方向に案内する。
バイパスバルブ37には、上端側当接部73、下端側当接部74および第2アウトオリフィス75が設けられている。上端側当接部73は、中間連通路52と対向するバイパスバルブ37の上端面に形成されている。上端側当接部73は、平坦な円環状に形成されている。上端側当接部73は、オリフィス用スプリング59の弾性力により、第2シート部50に接触する。上端側当接部73の第2シート部50への着座により、バイパスバルブ37は閉弁状態となる。
下端側当接部74は、バイパスバルブ37の軸方向の両端面のうちで、上流側連通路51の開口と対向する他方の端面に形成されている。下端側当接部74は、インオリフィスボデー35の先端部がオリフィス用スプリング59の弾性力により接触する。三方弁38が閉弁時は、インオリフィスボデー35と下端側当接部74とが接触している。
第2アウトオリフィス75は、バイパスバルブ室44から中間連通路52に至る流路面積を絞る構成である。第2アウトオリフィス75は、バイパスバルブ37が閉弁状態である場合に、バイパスバルブ室44から中間連通路52へ流出する燃料の流量を制限することで、後述する第1絞り状態において流出流路の流路面積を規定する。第2アウトオリフィス75によって絞られた流路面積(以下、「絞り面積」)は、第1アウトオリフィス70よりも狭く規定されている。即ち、第2アウトオリフィス75は、第1アウトオリフィス70よりも小径のオリフィスである。
三方弁38は、金属材料等により、バイパスバルブ37よりも小径の三段円柱状に形成されている。三方弁38およびバイパスバルブ37は、流出流路内に直列に配置されている。三方弁38は、大径円盤部76、中径円柱部77および小径円柱部72を有している。大径円盤部76は、中間連通路52よりも大径に形成されている。一方、中径円柱部77および小径円柱部72は、中間連通路52よりも小径に形成されている。中径円柱部77は、大径円盤部76から軸方向に沿って円柱状に突出している。小径円柱部72は、中径円柱部77から軸方向に沿って円柱状に突出している。
中径円柱部77の軸方向の長さは、中間連通路52の軸方向の長さよりも長い。小径円柱部72の軸方向の長さは、バイパスバルブ37の貫通孔71の長さよりも長い。中径円柱部77の直径は、バイパスバルブ37の貫通孔71の直径よりも大きい。したがって中径円柱部77と小径円柱部72との段差が、バイパスバルブ37と接触する部分となる。
中径円柱部77は、外周部の一部が径内方向に凹となるように、軸方向を含む平面部77aが形成されている。平面部77aは、中間連通路52における流路面積を確保するために形成されている。平面部77aは、バイパスバルブ37の第2アウトオリフィス75から流出する燃料を遮らないように位置および大きさが設定されている。
三方弁38は、三方弁室45に配置されている。三方弁38は、三方弁室45内を軸方向に沿って変位可能である。三方弁38は、コイルばね状に形成された三方弁用スプリング56により、第1載置部55に対して、駆動部収容室46へ向けて付勢されている。
三方弁38には、パイロットフェース部78が形成されている。パイロットフェース部78は、下流側連通路53と対向する三方弁38の上端面に形成されている。パイロットフェース部78は、平坦な円環状に形成されている。パイロットフェース部78は、三方弁用スプリング56の弾性力により、第1シート部54と接触する。三方弁用スプリング56の付勢力と、三方弁室45および低圧流路42間における燃料圧力差とにより、パイロットフェース部78は、第1シート部54に押し付けられる。パイロットフェース部78の第1シート部54への着座により、三方弁38は、閉弁状態となる。
三方弁38は、駆動部33が第1駆動力を発生させた場合に軸方向に変位する距離を第1リフト量とし、駆動部33が第2駆動力を発生させた場合に軸方向に変位する距離を第2リフト量とする。第1リフト量は、第2リフト量よりも長い。
インオリフィスボデー35は、金属材料等によって円柱状に形成されている。インオリフィスボデー35は、オリフィス室47に配置されており、オリフィス室47内を軸方向に沿って変位可能である。インオリフィスボデー35の径方向の中央には、インオリフィスボデー35を軸方向に貫通する貫通孔35aが形成されている。インオリフィスボデー35は、コイルばね状に形成されたオリフィス用スプリング59により、第2載置部58に対して、バイパスバルブ室44へ向けて付勢されている。
インオリフィスボデー35には、凹部79および第1インオリフィス80が形成されている。凹部79は、インオリフィスボデー35の上端側から凹となるように形成されている。凹部79の底には、貫通孔35aの開口が形成されている。凹部79の側壁には、複数の挿通孔81が形成されている。
凹部79の先端は、オリフィス用スプリング59の弾性力によってバイパスバルブ37に接触する。また凹部79の内径は、三方弁38の小径円柱部72の直径よりも大きい。したがって三方弁38の小径円柱部72の先端は、凹部79の底に接触して貫通孔35aを閉弁することができる。
第1インオリフィス80は、インオリフィスボデー35の貫通孔35aの流路面積を絞る構成である。第1インオリフィス80は、三方弁38が閉弁状態である場合に、高圧流路40からバイパスバルブ室44へ流出する燃料の流量を制限する。
バイパスバルブ37および三方弁38では、軸方向に沿ってバイパスバルブ室44から駆動部収容室46へ向かう方向が閉弁方向となり、軸方向に沿って駆動部収容室46からバイパスバルブ室44へ向かう方向が開弁方向となる。駆動部33が駆動力を発生させていない場合には、三方弁38およびバイパスバルブ37の弁ボデー31への着座により、流出流路は閉鎖された状態となる。また、閉弁位置にある三方弁38と閉弁位置にあるインオリフィスボデー35との間には、開弁ギャップ82が形成されている。開弁ギャップ82は、三方弁38のみでの開弁方向への変位を許容する空間として機能する。
次に、燃料噴射装置100の噴射作動の詳細を、図3〜図5を用いて説明する。図3に示すように、噴射開始前では、機関制御装置17から駆動部33への駆動電圧の印加は中断されている。故に、駆動部33は、第1駆動力および第2駆動力といった力を実質的に発生させていない。そのため、三方弁38およびバイパスバルブ37は、共にパイロットフェース部78および上端側当接部73を第1シート部54および第2シート部50に当接させた閉弁位置にて静止している。また三方弁38とインオリフィスボデー35との間には、開弁ギャップ82が形成されている。三方弁38およびバイパスバルブ37が共に閉弁状態にあることで、三方弁室45およびバイパスバルブ室44の各燃料圧力は、実質的に圧力制御室43の燃料圧力と同程度まで上昇している。以上の状態では、高圧バルブ34は、高圧バルブ用スプリング69の弾性力により、流入流路41の開口周囲の壁面に押し当てられている。また、ノズルニードル32は、フェース部62をシート部39に当接させた閉弁位置にて静止している。
まず低速開弁時に関して説明する。図4および図5に示すように、低速開弁時では、機関制御装置17から駆動部33への駆動電圧の印加が開始される。これにより駆動部33は、第1駆動力を発生させる。機関制御装置17は、三方弁38の開弁力よりも大きく、かつ、インオリフィスボデー35を変位させないような第1駆動力が三方弁38に作用するよう、駆動部33に印加する駆動電圧を制御する。
駆動部33が第1駆動力を発生させている場合、第1駆動伝達ピン68が第1リフト量にわたって変位する。第1駆動伝達ピン68によって押し下げられた三方弁38は、第1リフト量にわたる開弁方向への変位により、パイロットフェース部78を第1シート部54から離座させる。そうしたうえで、三方弁38は、バイパスバルブ37を弁ボデー31から離座させないように、インオリフィスボデー35に小径円柱部72の先端を当接させる。こうした三方弁38の開弁方向への変位により、開弁ギャップ82は消失する。
以上の三方弁38の開弁により、図3の第1リフト時に示すように、圧力制御室43と低圧流路42との間は、遮断状態から連通状態へと切り替わる。その結果、圧力制御室43の高圧燃料は、高圧バルブ34の第1アウトオリフィス70、上流側連通路51、第2アウトオリフィス75、中間連通路52、三方弁室45を順に流通し、低圧流路42へ排出される。
このとき、第1アウトオリフィス70の絞り面積および三方弁38のパイロット開口面積よりも狭い第2アウトオリフィス75の絞り面積により、流出流路の流路面積が規定される。故に、流出流路は、圧力制御室43から低圧流路42への燃料の流出流量が第2アウトオリフィス75によって制限された第1絞り状態となる。
パイロット開口面積は、第1シート部54およびパイロットフェース部78の間の流路面積である。第2アウトオリフィス75による流量制御を可能にするため、開弁ギャップ82は、パイロット開口面積が第2アウトオリフィス75の絞り面積よりも大きくなるように予め規定されている。
以上の第1絞り状態において、オリフィス用スプリング59は、三方弁38へ向けてインオリフィスボデー35およびバイパスバルブ37を閉弁方向に付勢することにより、このバイパスバルブ37を弁ボデー31から離座させないようにしている。その結果、三方弁38の小径円柱部72は、インオリフィスボデー35の凹部79の底に押し当てられて、第1駆動伝達ピン68とインオリフィスボデー35とに間に挟持された状態で静止可能となる。加えて、駆動部33の発生させている駆動力が概ね第1駆動力に保たれることにより、第1絞り状態におけるバイパスバルブ37の閉弁状態は維持される。
第1絞り状態の流出流路を通じた燃料の流出により、バイパスバルブ室44および圧力制御室43の燃料圧力は、徐々に低下する。その結果、ノズルニードル32は、フェース部62に作用する高圧燃料の圧力により、圧力制御室43へ向けて徐々に加速しつつ開弁方向に変位する。以上による主弁部の開弁により、噴孔30からの燃料噴射が開始される。
次に、高速開弁時に関して説明する。高速開弁時では、機関制御装置17から駆動部33に印加される駆動電圧が引き上げられる。これにより駆動部33は、バイパスバルブ37の開弁力を上回る第2駆動力を発生させる。機関制御装置17は、バイパスバルブ37の開弁力よりも大きい第2駆動力の発生が維持されるように、駆動部33に印加する駆動電圧を制御する。
駆動部33が第2駆動力を発生させている場合、第1駆動伝達ピン68が第2リフト量にわたって変位する。第1駆動伝達ピン68によって押し下げられた三方弁38は、第2リフト量にわたる開弁方向への変位により、パイロットフェース部78を第1シート部54から離座させる。さらに三方弁38の変位により、バイパスバルブ37は、三方弁38の段差によって上端側当接部73を押されて開弁方向に変位し、第2シート部50から上端側当接部73を離座させる。
以上のバイパスバルブ37の開弁により、図3の第2リフト時のように、圧力制御室43の燃料は、第1アウトオリフィス70、上流側連通路51、バイパスバルブ室44内の第2シート部50と上端側当接部73との間のバイパス通路、中間連通路52、三方弁室45を順に流通する。その結果、流出流路の流路面積を規定し、かつ、燃料の流出流量を制限する構成は、第2アウトオリフィス75から第1アウトオリフィス70へと切り替えられる。第2アウトオリフィス75よりも第1アウトオリフィス70の方が絞り面積が大きいため、第2絞り状態における流出流路の流路面積は、第1絞り状態よりも大きくなる。その結果、第2絞り状態にて圧力制御室43から流出する燃料の流出流量は、第1絞り状態よりも増加する。
バイパス通路の開口面積および三方弁38のパイロット開口面積は共に、第1アウトオリフィス70の絞り面積よりも大きくされている。第1アウトオリフィス70による流量制御を可能にするため、第2リフト量は、これらの開口面積が第1アウトオリフィス70の絞り面積よりも大きくなるように予め規定されている。
第1アウトオリフィス70によって流量を制御された燃料の流出により、バイパスバルブ室44および圧力制御室43の各燃料圧力は、顕著に降下する。その結果、ノズルニードル32は、開弁方向へと加速し、シート部39とフェース部62との間隙を急速に拡大させる。このようにして、噴孔30へ繋がる高圧流路40の流路面積が拡大することで、噴孔30から噴射される燃料噴射量が増加する。その結果、単位時間当たりに噴孔30から噴射される燃料の噴射量(噴射率)の特性に明確な変化が生じる。
次に、閉弁動作時に関して説明する。閉弁動作時では、機関制御装置17から駆動部33への駆動電圧の印加が中断される。すると、駆動部33の駆動力は、三方弁38およびバイパスバルブ37の各開弁力を下回り、やがて消失する。以上により、三方弁38およびバイパスバルブ37は、三方弁用スプリング56またはオリフィス用スプリング59の各弾性力と燃料圧力とによって閉弁方向へ向けて変位する。これによってパイロットフェース部78および上端側当接部73を第1シート部54および第2シート部50に当接させた閉弁状態に戻る。その結果、圧力制御室43と低圧流路42との間が連通状態から遮断状態へと切り替えられ、流出流路は、閉鎖された状態に戻る。
一方、高圧バルブ34は、流入流路41から流入する高圧燃料の燃料圧力によって押し下げられる。そして三方弁38が閉弁方向に変位して、インオリフィスボデー35と離間すると、インオリフィスボデー35の第1インオリフィス80が開放される。その結果、圧力制御室43の高圧燃料は、インオリフィス用通路57、第1インオリフィス80、バイパスバルブ室44、第2アウトオリフィス75、中間連通路52、三方弁室45を順に流通する。
これにより、三方弁室45、バイパスバルブ室44、および圧力制御室43の各燃料圧力は、一体的に回復する。その結果、ノズルニードル32は、圧力制御室43の燃料圧力によって押し下げられて、閉弁位置にてフェース部62をシート部39に当接させた状態に戻る。以上の主弁部の閉弁により、噴孔30からの燃料噴射は中断される。
ここまで説明した第1実施形態では、第1駆動力から第2駆動力への駆動部33の発生駆動力の増加により、切替弁機構36によって流出流路の流路面積が切り替えられる。以上により、圧力制御室43の圧力降下の態様を変化させることで、ノズルニードル32の変位速度は、明確に変化する。故に、噴孔30に供給される高圧燃料を通過させるフェース部62およびシート部39の間のオリフィス部分について、流路面積の拡大が急速に生じる。その結果、単位時間あたりに噴孔30から噴射される噴射量も、駆動部33による駆動力の切り替えの前後で、明確に変化する。したがって、燃料噴射装置100は、一つの駆動部33によって発生させる駆動力の制御により、燃料噴射の噴射率特性を変化させることが可能になる。
また第1実施形態では、三方弁38が第1リフト量の位置にあり、流出流路が第1絞り状態にある場合では、弁ボデー31から離座した三方弁38は、バイパスバルブ37を離座させないように、インオリフィスボデー35の凹部79に当接した状態とされる。これによってインオリフィスボデー35の凹部79との当接によって三方弁38の位置が保持されるので、第1絞り状態における流出流路の流路面積、ひいては圧力制御室43からの燃料の流出量は、安定的となる。
また三方弁38が第2リフト量に位置にあり、流出流路が第2絞り状態にある場合では、三方弁38による凹部79の押圧でインオリフィスボデー35を変位させる。そして三方弁38によるバイパスバルブ37の上端側当接部73への押圧によってバイパスバルブ37を弁ボデー31から離座させた状態とされる。このように、三方弁38の押圧によってバイパスバルブ37の位置が保持されるので、第2絞り状態における流出流路の流路面積、ひいては圧力制御室43からの燃料の排出量も安定的となる。
このように切替弁機構36は、三方弁38のリフト量を調整することによって、流出流路の流路面積を切り替えることができる。そして三方弁38のリフト量は、1つの駆動部33によって制御することができる。したがって駆動部33は、1つの三方弁38のリフト量を制御する構成であればよいので、駆動部33が大形化を抑制することができる。
さらにインオリフィスボデー35は、三方弁38が第1リフト量の位置または第2リフト量の位置にある場合には、三方弁38と接触してインオリフィス用通路57を閉鎖している。そしてインオリフィスボデー35は、三方弁38がリフトしていない場合には、三方弁38と離座してインオリフィス用通路57を開放する。三方弁38が弁ボデー31に離座している状態から着座すると、バイパスバルブ室44に高圧流路40からの燃料を直ちに流入させることができる。したがって三方弁38が弁ボデー31から離座することで低圧側に流出した燃料を、インオリフィスボデー35のインオリフィス用通路57から供給される高圧燃料で短時間で満たすことができる。これによって三方弁38が弁ボデー31に着座してから、ノズルニードル32が閉弁するまでの時間を短くすることができる。
さらに第1実施形態の駆動部33は、第1駆動伝達ピン68のリフト量によってではなく、駆動部33の発生駆動力によって、流出流路の第1絞り状態と第2絞り状態とを切り替えている。以上の形態であれば、第1絞り状態および第2絞り状態にて駆動力がある程度変動しても、三方弁38およびバイパスバルブ37の位置は維持され得る。故に、第1駆動伝達ピン68のリフト量の高精度な制御は、必ずしも必要とされないため、駆動部33の制御が簡素化され得る。また、各部材に要求される寸法精度の緩和も可能となる。
加えて第1実施形態では、第1絞り状態および第2絞り状態のそれぞれにおいて、特定の部材に設けられた絞り孔である第1アウトオリフィス70および第2アウトオリフィス75が、流出流路の流路面積を規定している。このように、複数部材の隙間によって流路面積を規定しない構成であれば、各絞り状態にて流出流路を流通する燃料流量のばらつきは、さらに低減される。
さらに第1実施形態の切替弁機構36には、三方弁38の開弁方向へストロークを許容する空間として、開弁ギャップ82が形成されている。故に、燃料噴射装置100は、一つの駆動部33の単純な直線状の作動により、三方弁38およびバイパスバルブ37を、異なるタイミングで開弁方向へ変位させることが可能になる。
加えて第1実施形態によれば、三方弁用スプリング56の一方の端部は、第1載置部55に載置されている。故に、三方弁用スプリング56の弾性力は、バイパスバルブ37を開弁方向に付勢しない。そのため、オリフィス用スプリング59のばね定数を低く抑えても、バイパスバルブ37は、低速開弁時において閉弁状態を維持し得る。以上によれば、バイパスバルブ37の開弁のために駆動部33の消費する駆動エネルギーが軽減され得る。
また第1実施形態では、三方弁38がインオリフィスボデー35と離座して、オリフィス用スプリング59による押圧によって、インオリフィスボデー35がバイパスバルブ37の下端側当接部74に当接してインオリフィス用通路57を開放する。そして三方弁38が第1リフト量の位置または第2リフト量の位置にある場合には、オリフィス用スプリング59による押圧によって、三方弁38がインオリフィスボデー35の凹部79に当接した状態が維持されてインオリフィス用通路57を閉鎖する。オリフィス用スプリング59によって三方弁38と凹部79との接触状態を維持して、閉鎖状態を維持することができる。
さらに第1実施形態では、第1インオリフィス80の流路面積は、高圧流路40から圧力制御室43に流入する第2インオリフィス48の流路面積よりも小さく設定されている。これによって閉弁時にバイパスバルブ室44に流入する燃料を第1インオリフィス80によって制限することができる。これによって閉弁速度の制御が容易となる。
第1実施形態において、高圧流路40が「供給流路」に相当し、第1載置部55が「凹部」に相当し、ノズルニードル32が「弁部材」に相当する。また、三方弁38が「第1弁体」に相当し、バイパスバルブ37が「第2弁体」に相当し、インオリフィスボデー35が「第3弁体」に相当し、オリフィス用スプリング59が「付勢部材」に相当する。さらに、凹部79が「第1当接部」に相当し、上端側当接部73が「第2当接部」に相当し、下端側当接部74が「第3当接部」に相当する。さらにバイパスバルブ室44および三方弁室45が「切替室」に相当し、インオリフィス用通路57が「連通通路」に相当する。
(その他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
前述の実施形態の構造は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものである。
前述の第1実施形態では、各絞り状態での流出流路の流路面積は、孔状に形成された各オリフィスによって規定されていた。しかし、各絞り状態での流出流路の流路面積は、二つの部材の間に設けられた隙間によって規定されてもよい。
前述の第1実施形態では、燃料として軽油を噴射する燃料噴射装置100に適用してるが、軽油以外の燃料、例えばジメチルエーテル等の液化ガス燃料を噴射する燃料噴射装置にも適用可能である。
22…燃焼室 30…噴孔 31…弁ボデー 32…ノズルニードル(弁部材) 33…駆動部 34…高圧バルブ 35…インオリフィスボデー(第3弁体) 36…切替弁機構 37…バイパスバルブ(第2弁体) 38…三方弁(第1弁体) 40…高圧流路(供給流路) 41…流入流路 42…低圧流路(流出流路) 43…圧力制御室 44…バイパスバルブ室(切替室) 45…三方弁室(切替室) 47…オリフィス室 48…第2インオリフィス 56…三方弁用スプリング 57…インオリフィス用通路(連通通路) 59…インオリフィス用スプリング(付勢部材) 60…ノズルスプリング 68…第1駆動伝達ピン 69…高圧バルブ用スプリング 70…第1アウトオリフィス 72…小径円柱部 73…上端側当接部(第2当接部) 74…下端側当接部 75…第2アウトオリフィス 79…凹部(第1当接部) 80…第1インオリフィス 100…燃料噴射装置

Claims (4)

  1. 燃焼室(22)へ向けて噴孔(30)から燃料を噴射する燃料噴射装置(100)であって、
    前記噴孔、前記噴孔に燃料を供給する供給流路(40)、前記供給流路を流通する燃料の一部が流入する圧力制御室(43)、前記圧力制御室の燃料を低圧側に流出させる流出流路(42)、が形成された弁ボデー(31)と、
    前記圧力制御室の燃料圧力の変動により前記弁ボデーに対して相対変位することで、前記噴孔を開閉させる弁部材(32)と、
    前記流出流路内に配置された第1弁体(38)および第2弁体(37)を有し、前記流出流路の流路面積を切り替える切替弁機構(36)と、
    前記弁ボデーに収容され、前記切替弁機構によって流路面積を切り替えるために前記第1弁体に駆動力を与えて前記第1弁体をリフトし、前記第1弁体のリフト量を第1リフト量または前記第1リフト量よりも大きい第2リフト量に制御する駆動部(33)と、
    前記第1弁体および前記第2弁体が収容されている切替室(44,45)と前記供給流路とを連通する連通通路(57)が形成されており、前記第1弁体のリフト量に応じて前記連通通路を開閉する第3弁体(35)と、を含み、
    前記切替弁機構は、
    前記第1弁体がリフトしていない場合には、前記第1弁体が前記弁ボデーに着座して前記流出流路を閉鎖し、
    前記第1弁体が前記第1リフト量の位置にある場合には、前記第1弁体が前記弁ボデーから離座し、前記第1弁体が前記第3弁体の第1当接部(79)に当接し、前記弁ボデーから前記第2弁体が離座していない位置にあることで前記流出流路を第1絞り状態に制限し、
    前記第1弁体が前記第2リフト量に位置にある場合には、前記第1弁体が前記弁ボデーから離座し、前記第1弁体による前記第1当接部の押圧で前記第3弁体が変位し、前記第1弁体による前記第2弁体の第2当接部(73)への押圧によって前記第2弁体を前記弁ボデーから離座した位置にあることで前記流出流路を前記第1絞り状態とは流路面積が異なる第2絞り状態に制限し、
    前記第3弁体は、
    前記第1弁体がリフトしていない場合には、前記第1弁体と離座して前記連通通路を開放し、
    前記第1弁体が前記第1リフト量の位置または前記第2リフト量の位置にある場合には、前記第1弁体と接触して前記連通通路を閉鎖する燃料噴射装置。
  2. 前記第2絞り状態は、前記第1絞り状態よりも流路面積の大きい絞り状態である請求項1に記載の燃料噴射装置。
  3. 前記連通通路の流路面積は、前記供給流路から前記圧力制御室に流入する際の流路面積よりも小さい請求項1または2に記載の燃料噴射装置。
  4. 前記第3弁体を前記第1弁体へ向けて付勢する付勢部材(59)をさらに含み、
    前記第1弁体がリフトしていない場合には、前記第1弁体が前記第3弁体と離座して、前記付勢部材による押圧によって、前記第3弁体が前記第2弁体の第3当接部に当接して前記連通通路を開放し、
    前記第1弁体が前記第1リフト量の位置または前記第2リフト量の位置にある場合には、前記付勢部材による押圧によって、前記第1弁体が前記第3弁体の前記第1当接部に当接した状態が維持されて前記連通通路を閉鎖する請求項1〜3のいずれか1つに記載の燃料噴射装置。
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