JP6988520B2 - モータの製造方法及びモータ装置 - Google Patents
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Description
また、ヨークの底部を水平の台で支持するようにした場合には、ヨークの上方からカシメ荷重を加えると、ヨークの底部が上下方向に変形してしまう虞があった。
また、本発明の他の目的は、駆動時の振動を抑制可能なモータ装置を提供することにある。
上記のモータの製造方法によれば、ヨークの底部の外縁部を支持具により支持した状態で、ヨークの開口側端部に設けられた爪部に荷重を加えて爪部をかしめることで、ヨークにエンドフレームを固定することができる。これにより、ヨークが支持具により支持される荷重支持点を、ヨークの外縁部に位置させることができる。そのため、ヨークの爪部に荷重を加えてかしめる場合におけるヨークの変形を抑制できる。
すなわち、上記のモータの製造方法によれば、ヨークの開口側端部にエンドフレームを固定する際のかしめ荷重によるヨークの変形を抑制できる。
こうすることで、モータの寸法精度を向上できる。
また、ヨークの開口側端部に一方側から他方側に向けて(例えば上方から下方、又は下方から上方に向けて)荷重をかけた場合に、ヨークには傾斜面の中心方向に移動する力が加えられるために、ヨークと支持具の中心位置を容易に合わせることができる。また、傾斜面は中心に向かうにつれて径が小さくなるため、ヨークのかしめ加工時の位置ずれを規制できる。
こうすることで、ヨークの最外部付近においてヨークを支持具により支持できる。そのため、ヨークの支持をより安定させることができる。
こうすることで、支持具により、ヨークの底部の他方側からヨークを支持することができる。そのため、ヨークの開口側端部に一方側から荷重を加えた場合に、ヨークの変形をより一層抑制できる。
こうすることで、ヨークに対する他方側からの支持をより一層安定させることができる。
こうすることで、ヨークの開口側端部とエンドフレームとの固定を簡易な作業により行うことができる。
こうすることで、ヨークと収容部との間に配された付勢部材による付勢力により、モータ駆動時の振動を抑制できる。
こうすることで、回転軸の位置ずれを抑制し、モータ駆動時のモータの振動をより一層抑制できる。
本発明に係るモータ装置によれば、モータ駆動時の振動を抑制できる。
以下に説明する実施形態は、有底筒状のヨークの開口側端部にエンドフレームを取り付けて構成されるモータ1の製造方法と、当該製造方法により製造されるモータ1を含むモータ装置としてのモータユニットUに関するものである。
なお、以下に説明する構成は本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
本実施形態に係るモータ1は、電子スロットル装置Sの駆動源として好適に使用されるものである。以下に詳述するが、本実施形態に係るモータ1は、エンジンの燃焼室への空気通路に配設されるスロットルバルブ5を開閉するための駆動源となるものである。
本実施形態に係る電子スロットル装置Sは、エンジン制御に用いられるものである。
この電子スロットル装置Sは、モータ1を駆動源としている。このモータ1の構成については、後に詳述するが、モータ1の回転軸11aの回転は、回転軸11aの出力端に取付けられた出力ギア3から動力伝達機構4を介してスロットルバルブ5に伝達されるように構成されており、これにより、スロットルバルブ5の開閉が実現されるように構成されている。
モータ1に関しては、後に詳述するが、図1及び図3に示されるように、ロータ11を構成する電機子11bに固定された回転軸11aの出力側端部には、出力ギア3が取付けられることとなる。
このようにして駆動軸46が回動すると、スロットルバルブ5の開度は駆動軸46の回動角度によって制御調整される。
この調整信号を受けたフューエルインジェクタは、この信号に応じて、エンジン燃焼室へのガソリンの噴射量を調整(増量若しくは減量)する。そして、モータ1の駆動により、前述したように、スロットルバルブ5が、指令された開度で開放され、所定量の空気がエンジン燃焼室へと供給される。このようにして、エンジン燃焼室にて所定割合に調整された混合気(ガソリン+空気)が爆発的に燃焼することにより所定のエンジン駆動力が得られる。
図2には、モータユニットUの概略構成図を示した。図2に示すように、モータユニットUは、モータ1と、モータ1を収容するハウジングとしての収容部50と、モータ1と収容部50との間に設けられる付勢部材としてのウェーブワッシャ60と、を備える。
また、収容部50は、有底の中空形状体であり、収容部50の内部における底部における、ヨーク12の突出部12ccと対向する位置には、凹部52が形成される。そして、上記底部の内面51と、モータ1のヨーク12の底部12cとの間には、ウェーブワッシャ60が設けられる。
ウェーブワッシャ60は、波状に湾曲させた円環状の薄板であり、ウェーブワッシャ60の中心穴61には、ヨーク12の突出部12ccが通される。なお、突出部12ccには、モータ1の回転軸11aが収められている。
このように、モータ1のヨーク12の底部12cと、収容部50の内面51との間に付勢部材としてのウェーブワッシャ60を設けることで、モータ1の駆動時の振動を抑制することができる。
次に、モータ1の構成について説明する。
本実施形態において例示するモータ1は直流モータであり、電子スロットル装置Sに好適に使用されるものである。本実施形態においては、2極、8スロット、8セグメントの直流モータを例示しているが、モータ1の構成は以下の例に限定されるものではない。
ヨーク12は、カップ形状の側面を構成する側部12bと、カップ形状の底面を構成する底部12cと、カップ形状の開口側を構成する開口側端部12dを有する。
なお、ヨーク12の底部12cの中央部には、基端部方向に突出するカップ形状の軸受配設部12aが形成されている。
なお、ヨーク12は有底の筒状体であり、ヨーク12の内壁(すなわち側部12bの内面)には、マグネット15が貼設されている。そして、ヨーク12は、貼設されるマグネット15を磁束で結合して磁気回路を構成する役割を果たす。
次に、ヨーク12とエンドフレーム14の固定構造について説明する。
図2乃至図6に示されるように、ヨーク12の開口側端部12dには、出力側に突出した爪部20が設けられる。本実施形態では、開口側端部12dには4つの爪部20が略等間隔(具体的には90度ピッチ)に設けられているが、爪部20の数や位置は一例であって、本実施形態に示す例に限定されない。
本実施形態に係るモータ1の製造方法においては、上記のかしめ加工時に、ヨーク12の底部12cを、上面が内側に向けて下方に傾斜した傾斜面31を有する支持具30により支持することにより、ヨーク12の変形を抑制するものである。
まず、上述したようにヨーク12の内部に、モータ1を構成するロータ11、ブラシホルダ13、マグネット15を含む各種構成部品を取り付ける。
以下における上下方向は、ヨーク12の底部12cを下、ヨーク12の開口側端部12dが上となる向きとする。
すなわち、ヨーク12から出力側に突出している部分をエンドフレーム14の開口に通す。具体的には、出力ギア3を出力側開口部14bに、爪部20を貫通孔14cに通す。
こうして、図8に示されるように、エンドフレーム14の上面から、ヨーク12の爪部20のうち凹部21を含む上端部が突出するようにする。なお、上記の上端部は突出部20aに相当する。そして、上記の凹部21は、爪部20の上端中央部に形成された切込みである。
なお、上記の状態では、エンドフレーム14は、ヨーク12の開口側端部12dに固定されておらず、着脱自在となっている。
具体的には、支持具30は、上面が内側に行くにつれて下方に傾斜した傾斜面31を有する筒状部材であり、中心には穴部32が形成されている。
ここで、傾斜面31の内径(すなわち穴部32の径)は、ヨーク12の突出部12ccの径よりも大きく、且つ、底部12cの外径(すなわち、底部12cの外縁部12caの径)よりも小さい。
そして、傾斜面31の外径は、ヨーク12の底部12cの外径よりも大きい。
こうすることにより、支持具30の穴部32に、ヨーク12の突出部12ccを入り込ませた状態で、ヨーク12の底部12cの外縁部12caを傾斜面31に当接させることができる。
ここで、外縁部12caは、側部12bとの接続部に相当し、湾曲した形状をなして、底面を構成する底面部12cbと、側部12bとを連結する。
底面部12cbは、外縁部12caと突出部12ccとを連結するモータ1の軸方向に垂直な平面部である。
突出部12ccは、側部12bから出力軸とは反対側に突出した部分であり、突出部12ccの内部にはボール軸受K1が収容される。
なお、図9では、ヨーク12と支持具30との当接部位を示すために、支持具30の断面形状を示している。
ここで、本実施形態では、押圧部36は、ヨーク12に形成された4つの爪部20のそれぞれの位置に対応して4つあることとする。
ここで、傾斜面31は、中心方向に向けて下方に傾斜しており、ヨーク12の爪部20に対して上方から荷重を掛けると、ヨーク12の底部12cに下方に移動する力が加えられ、それによりヨーク12の中心位置と、支持具30(すなわち傾斜面31)の中心位置とが合うようにセンタリングされる。こうして、ヨーク12の爪部20への加工時における、位置ずれを規制し、各爪部20に均等に力が加えられるようになる。
なお、当接位置Pは、傾斜面31の傾斜角度を変更することにより調整可能である。
ここで、図11を参照しながら、当接位置Pの位置について、より詳細に説明すると、当接位置Pは、側部12bの内面に沿って延長した線である第1延長線Laと、側部12bの外面に沿って延長した線である第2延長線Lbとの間に位置する。なお、当接位置Pは、側部12bの第1延長線Laと第2延長線Lbから等距離にある第1中心線L1に対し、第1中心線L1と重なるか、第1中心線L1と第2延長線Lbとの間に位置するとよい。具体的には、当接位置Pを第1中心線L1と重なる位置に設けるとより好適である。
そして、モータ1を収容部50に収容してなるモータユニットUについても、ウェーブワッシャ60を配置する空間の寸法精度が向上することにより、ウェーブワッシャ60による荷重特性も向上させることができる。
以上説明した本実施形態に係るモータ1の製造方法、及びモータ1を含むモータユニットU(モータ装置)の特徴は以下の通りである。
上記のモータ1の製造方法によれば、ヨーク12の底部12cの外縁部12caを支持具30により支持した状態で、ヨーク12の開口側端部12dに設けられた爪部20に荷重を加えて爪部20をかしめることで、ヨーク12にエンドフレーム14を固定することができる。これにより、ヨーク12が支持具30により支持される荷重支持点を、ヨーク12の外縁部12caに位置させることができる。そのため、ヨーク12の爪部20に荷重が加えてかしめる場合におけるヨーク12の変形を抑制できる。
すなわち、上記のモータ1の製造方法によれば、ヨーク12の開口側端部12dにエンドフレーム14を固定する際のかしめ荷重によるヨーク12の変形を抑制できる。
こうすることで、モータ1の寸法精度を向上できる。
こうすることで、ヨーク12の底部12cから突出した突出部12ccと、支持具30の干渉を回避できる。また、ヨーク12の外縁部12caの一周を、支持具30の傾斜面31により支持することができる。これにより、支持具30によるヨーク12の支持を安定させることができる。
また、ヨーク12の開口側端部12dに一方側から他方側に向けて荷重をかけた場合に、ヨーク12には傾斜面31の中心方向に移動する力が加えられるために、ヨーク12と支持具30の中心位置を容易に合わせることができる。また、傾斜面31は中心に向かうにつれて径が小さくなるため、ヨーク12のかしめ加工時の位置ずれを規制できる。
こうすることで、支持具30の傾斜面31とヨーク12の底部12cとの当接範囲を広くし、ヨーク12の底部12cをより安定した状態で支持できる。
こうすることで、ヨーク12を支持具30により支持する荷重支持点を、ヨーク12の側部12bの延長線上に位置させることができる。これにより、ヨーク12の開口側端部12dに荷重を加えた場合に、ヨーク12の変形をより一層抑制できる。
こうすることで、ヨーク12の最外部付近においてヨーク12を支持具30により支持できる。そのため、ヨーク12の支持をより一層安定させることができる。
こうすることで、支持具30により、ヨーク12の底部12cの他方側からヨーク12を支持することができる。そのため、ヨーク12の開口側端部12d一方側から荷重を加えた場合に、ヨーク12の変形をより一層抑制できる。
こうすることで、ヨーク12の他方側からの支持をより一層安定させることができる。
こうすることで、ヨーク12の開口側端部12dとエンドフレーム14との固定を簡易な作業により行うことができる。
こうすることで、ヨーク12と収容部50との間に配されたウェーブワッシャ60による付勢力により、モータ駆動時の振動を抑制できる。
こうすることで、回転軸11aの位置ずれを抑制し、モータ駆動時のモータ1の振動をより一層抑制できる。
本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。
上記の実施形態では、支持具30を固定体とし、押圧治具35を可動体としたが、これに限定されない。
例えば、図12に示されるように、支持具130を可動体、押圧治具135を固定体としてもよい。この場合には、押圧治具135が下方に配され、ヨーク12を保持する支持具130が上方に配される。ここで、ヨーク12の突出部12ccは、支持具130の穴部132に入り込んだ状態で、ヨーク12の外縁部12caは、支持具130の傾斜面131に当接した状態となるように固定される。
そして、支持具130が押圧治具135に向けて移動することで、押圧治具135の押圧部136が爪部20の凹部21に当接し、荷重が加えられることで爪部20の凹部21が二股に押し広げられてかしめ加工が行われる。
また、支持具130と押圧治具135の配置は上下を反対としてもよい。
また、支持具130と押圧治具135の配置は左右方向に配されてもよい。
また、支持具30の傾斜面31は、円環状に限られず、その他の任意の環形状に形成されてもよい。
モータ1の製造工程において、支持具30の上にヨーク12を載せた後に、エンドフレーム14をヨーク12に取り付けてもよい。
2 ケース
3 出力ギア
4 動力伝達機構
5 スロットルバルブ
10 ECU
11 ロータ
11a 回転軸
11b 電機子
11c 整流子
12 ヨーク
12a 軸受配設部
12b 側部
12c 底部
12ca 外縁部
12cb 底面部
12cc 突出部
12d 開口側端部
13 ブラシホルダ
14 エンドフレーム
14a ブラシホルダ側軸受保持部
14b 出力側開口部
14c 貫通孔
14d ボルト挿通孔
15 マグネット
20 爪部
20a 突出部
21 凹部
30 支持具
31 傾斜面
32 穴部
35 押圧治具
36 押圧部
41 第1中間ギア
42 第2中間ギア
44 リターンスプリング
45 係止部材
46 駆動軸
50 収容部(ケーシング)
51 内面
52 凹部
53 ボルト
60 ウェーブワッシャ
61 中心穴
130 支持具
131 傾斜面
132 穴部
135 押圧治具
136 押圧部
K1 ボール軸受
K2 ボール軸受
L1 第1中心線
L2 第2中心線
La 第1延長線
Lb 第2延長線
Lc 第3延長線
Ld 第4延長線
P 当接位置
S 電子スロットル装置
U モータユニット(モータ装置)
Claims (7)
- 有底筒状のヨークの開口側端部にエンドフレームを取り付けて構成されるモータの製造方法であって、
前記ヨークの前記開口側端部に設けられた爪部を、前記エンドフレームに形成された貫通孔に挿通する工程と、
前記ヨークの前記開口側端部が一方側となり、前記ヨークにおいて前記開口側端部とは反対側の底部が前記一方側とは逆の他方側となるように、前記ヨークを支持具に配置する工程と、
前記支持具により前記ヨークが支持された状態で、前記爪部に前記一方側から前記他方側に向けて押圧治具を押し当てて前記爪部を押し広げることで、前記ヨークの前記開口側端部に前記エンドフレームを固定する工程と、を有し、
前記支持具は、前記底部の外縁部を支持する傾斜面を有し、
前記傾斜面は、外側から内側に向けて前記一方側から前記他方側に傾斜しており、
前記底部は、
前記ヨークの前記開口側端部が前記一方側となり、前記ヨークの前記底部が前記他方側となる状態において、前記外縁部よりも前記他方側に突出した突出部と、
前記突出部と前記外縁部を接続する底面部と、を有し、
前記傾斜面は、円環状であり、
前記配置する工程では、前記突出部が前記傾斜面より内側に設けられる穴部に入り込んだ状態で、前記外縁部が前記傾斜面により支持されており、
前記外縁部は、前記底面部と前記ヨークの側部とを連結するとともに、湾曲しており、
前記外縁部と前記傾斜面との当接位置は、前記側部の内面に沿って延長した延長線と、前記側部の外面に沿って延長した延長線との間にあることを特徴とするモータの製造方法。 - 前記当接位置は、前記側部の中心線と重なるか、又は前記側部の中心線よりも外側に位置することを特徴とする請求項1に記載のモータの製造方法。
- 前記当接位置は、前記底面部の内面に沿って延長した延長線と、前記底面部の外面に沿って延長した延長線との間にあることを特徴とする請求項1又は2に記載のモータの製造方法。
- 前記当接位置は、前記底面部の中心線と重なるか、又は前記底面部の中心線よりも前記他方側にあることを特徴とする請求項3に記載のモータの製造方法。
- 前記固定する工程では、前記爪部のうち前記エンドフレームよりも前記一方側に突出した部分を二股に押し広げて、前記ヨークの前記開口側端部と前記エンドフレームを固定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のモータの製造方法。
- 請求項1乃至5のいずれかに記載のモータの製造方法により製造されるモータと、
前記モータを収容する収容部と、
前記モータの前記ヨークの前記底部と、前記収容部の内面との間に設けられる付勢部材と、を備えることを特徴とするモータ装置。 - 前記付勢部材は、波状に湾曲させた円環状の薄板であり、
前記薄板の中心穴に、前記モータの回転軸が通されることを特徴とする請求項6に記載のモータ装置。
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