JP2003070193A - 回転電機のマグネット固定構造 - Google Patents

回転電機のマグネット固定構造

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JP2003070193A
JP2003070193A JP2001257583A JP2001257583A JP2003070193A JP 2003070193 A JP2003070193 A JP 2003070193A JP 2001257583 A JP2001257583 A JP 2001257583A JP 2001257583 A JP2001257583 A JP 2001257583A JP 2003070193 A JP2003070193 A JP 2003070193A
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magnet
rotor
pole
fixing structure
electric machine
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Makoto Oikawa
誠 及川
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Mitsuba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コスト高の要因となる薄板積層のロータコア
を廃しつつもそれと同等の磁気回路を確保し得る回転電
機のマグネット固定構造を提供する。 【解決手段】 回転子3のロータヨーク11の内周面に
沿って複数個のマグネット6を配設する。マグネット6
は、その周囲を囲繞すると共にロータヨーク11の内周
面に接触する磁性体によって形成されたマグネットポー
ル14に保持されてロータヨーク11内に固定される。
マグネット6は、マグネットポール14のマグネット収
容部20に収容され、マグネット保持片19によって軸
方向の移動が規制される。マグネットポール14は、ロ
ータヨーク11と共にマグネット6を含む磁気回路を形
成する。マグネットポール14には、磁気回路中の磁束
量を制御する空隙部が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モータや発電機等
の回転電機におけるマグネット固定構造に関し、特に、
IPM(Interior Permanent Magnet:埋込磁石)方式
の回転子のマグネット固定構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、家電製品などの分野において
は、マグネットの固定が容易であることなどから、回転
子にマグネットを内装させたいわゆるIPM方式の回転
電機が多く用いられている。このようなIPM方式の回
転電機では、一般に薄板を積層させて形成したロータコ
アを用いてマグネットの固定を行っており、そこでは、
有底円筒形状のロータヨーク内にロータコアを収容し、
このロータコア内にマグネットを固定することにより回
転子を形成している。
【0003】図6は、従来の回転電機における回転子の
構成を示す説明図である。図6に示すように、有底円筒
形状のロータヨーク51内には、マグネット60が取り
付けられたロータコア55が収容固定されている。ここ
で、ロータコア55には、周方向に複数個の孔を打ち抜
き形成したリング状の鋼板(板厚0.5mm程度)が使用
される。そして、これを積層することにより、内壁部6
5と外壁部66を有し、その間に複数個のマグネット収
容室56を備えたロータコア55が形成される。各マグ
ネット収容室56は、内壁部65と外壁部66とを連絡
するブリッジ部57により隔離されており、その内部に
マグネット60が挿入される。
【0004】また、ロータコア55の内壁部65とブリ
ッジ部57との間には、磁気回路を形成すると共に、そ
の磁気回路における磁束量を規制する連結部67が設け
られている。図7は、連結部67の構成を示す説明図で
ある。この連結部67は、マグネット60→外壁部66
→ブリッジ部57→内壁部65→マグネット60なる磁
気回路の一部を形成する。連結部67は、この磁気回路
中のブリッジ部57と内壁部65の間に配設され、その
断面積を絞ることにより磁気回路の飽和磁束密度を制限
している。なお、内壁部65にも細幅部68が形成され
ており、そこでも磁束量の制限を行っている。
【0005】当該ロータコア55では、この連結部67
の幅は0.4mmに形成されており、板厚(0.5mm)より
も小さく形成されている。このため、ロータコア55に
は、磁気回路を効率良く形成すると共に、細幅の連結部
67が加工可能なように、その材料として、強度が高く
磁気特性にも優れたケイ素鋼板が使用されている。
【0006】一方、図6の回転子ではマグネット60は
次にようにして固定される。図8は、図6の回転子にお
けるマグネット固定構造の概要を示す説明図である。こ
こでは、有底円筒形状のロータヨーク51上に、まずマ
グネットケースA52が載せられる。この場合、ロータ
ヨーク51には、位置決め用の突起53が周方向に所定
間隔をあけて複数個設けられている。これに対し、マグ
ネットケースA52には、突起53に対応して位置決め
孔54が形成されている。そして、突起53と位置決め
孔54を嵌め合わせることにより、マグネットケースA
52はロータヨーク51内に位置決めされて載置され
る。
【0007】マグネットケースA52上にはロータコア
55が載置される。この場合、マグネットケースA52
上には、マグネット固定凸部58が突設されており、そ
の間にはロータコア固定凹部59が形成されている。そ
して、このロータコア固定凹部59にロータコア55の
ブリッジ部57が挿入固定される。
【0008】ブリッジ部57がロータコア固定凹部59
内に挿入されると、マグネット固定凸部58がマグネッ
ト収容室56内に収容される。ここで、マグネット固定
凸部58には、マグネット60を周方向に位置決めする
ための側壁部58aと、マグネット60の底面を支持す
る底部58bが設けられている。また、対向するマグネ
ット固定凸部58の間にはさらに、マグネット高さのバ
ラツキを吸収するための突起61が設けられている。そ
して、マグネット収容室56の上方からマグネット60
を挿入すると、マグネット60は、側壁部58aによっ
て周方向に位置決めされつつ、底部58bおよび突起6
1によって支持され、ロータコア55内に保持される。
【0009】ロータコア55およびマグネット60の上
にはマグネットケースB62が載置される。この場合、
マグネットケースB62には、ロータコア55のブリッ
ジ部57上面に当接する突起63が設けられている。ま
た、突起63の間は、マグネット60の上面と当接する
マグネット押圧面64となっている。さらに、マグネッ
トケースB62には、突起63と並設される形で、マグ
ネットケースB62の周方向の取付位置を定める位置決
め突起(図示せず)が設けられている。この位置決め突
起は、マグネットケースB62において、円周上の対向
位置に2カ所形成されている。そして、ブリッジ部57
の上端部を挟むようにブリッジ部57と嵌合し、これに
より、突起63がブリッジ部57上面に確実に当接する
ようになっている。
【0010】このように図8のマグネット固定構造で
は、ロータヨーク51上にマグネットケースA52を位
置決めして載せ、その上にロータコア55を置き、マグ
ネット60を装着した後、マグネットケースB62を位
置決めして載置する。そして、マグネットケースB62
の上面側から、ロータヨーク51の上端部のカシメ部5
1aを内径側にかしめる。これにより、マグネット60
は突起61を押し潰しつつロータコア55内に固定さ
れ、ロータコア55もマグネットケースB62の突起6
3に押さえ付けられる形でロータヨーク51内に固定さ
れる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなマグネット固定構造においては、ロータコア55に
連結部67を形成するため、ロータコア55の材料が高
価なケイ素鋼板に限定され、材料費が嵩み、製造コスト
が高くなるという問題があった。また、組み付け性を考
慮して、ロータコア55がロータヨーク51内に遊挿さ
れる寸法設定となっているため、両者の間にて芯ズレが
生じるおそれがあり、回転子のアンバランスが大きくな
るという問題もあった。
【0012】さらに、マグネットケースA52は、個々
のマグネット60の寸法バラツキを吸収しつつ、それら
をロータコア55内に固定させる役割を有するため、形
状が複雑化すると共に、厳しい寸法精度が要求される。
このため、マグネットケースA52製造用の金型費が増
大し、コスト高となるという問題があった。
【0013】一方、マグネットケースB62では、突起
63によってロータコア55の厚さ方向のバラツキを吸
収しており、このため、突起63をブリッジ部57上面
に確実に当接するべく、位置決め突起によりその周方向
の取付位置を定めている。従って、マグネットケースB
62は、必ず位置決め突起により周方向の位置決めを行
って取り付ける必要があり、その分、組付作業が煩雑化
し、工数が嵩むという問題があった。
【0014】本発明の目的は、コスト高の要因となる薄
板積層のロータコアを廃しつつもそれと同等の磁気回路
を確保し得る回転電機のマグネット固定構造を提供する
ことにある。また、本発明の他の目的は、複雑な部品を
用いることなく、しかも容易に組み付け可能で、かつ回
転子のアンバランスを小さく抑え得る回転電機のマグネ
ット固定構造を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の回転電機のマグ
ネット固定構造は、円筒形状のヨークの内周面に沿って
複数個のマグネットを配設した回転子を有する回転電機
のマグネット固定構造であって、前記マグネットの各々
に個別に取り付けられ、前記マグネットの周囲を囲繞す
ると共に、前記ヨーク内周面に接触して前記マグネット
を含む磁気回路を形成する磁性体によって形成されたマ
グネット保持部材を有することを特徴とする。
【0016】本発明の回転電機のマグネット固定構造で
は、マグネット保持部材にてマグネットを固定するよう
にしたので、ロータコアを用いることなく、マグネット
をヨーク内に固定して磁気回路を構成することができ
る。従って、ケイ素鋼のような高価な材料を用いたロー
タコアを廃することができ、安価な材料にてマグネット
固定構造を構築でき、製品コストの削減が図られる。ま
た、複雑で寸法精度の厳しい部品を用いたり、細かな位
置決め作業を行ったりすることなくマグネットをヨーク
内に固定できる。従って、部品製造用の金型費の低減
や、組付作業の削減が図られる
【0017】また、前記マグネット固定構造において、
前記マグネット保持部材の前記回転子の回転軸方向両端
部に前記マグネットの前記回転軸方向の移動を規制する
マグネット保持片を設けても良い。これにより、マグネ
ット保持部材にてマグネットの前記回転軸方向の抜け止
めおよびガタ止めを行うことができる。
【0018】さらに、前記マグネット固定構造におい
て、前記マグネット保持部材に前記磁気回路中の磁束量
を制御する空隙部を設けても良く、これにより、簡単な
構成にて磁気回路中の断面積を調整して磁束量の制御を
行うことができる。
【0019】一方、前記マグネット固定構造において、
隣接する前記マグネット保持部材の間に磁性体にて形成
された補助極を配設しても良い。これにより、マグネッ
ト保持部材の間により幅広の鉄極が形成され、磁気回路
中の隘路をなくすことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)以下、本発明の
実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本
発明の実施の形態1であるマグネット固定構造を適用し
た発電機の構成を示す断面図である。図1の発電機1
は、いわゆるアウタロータ型の回転電機であり、例えば
自動二輪車におけるACG(交流発電機)として使用さ
れる。図1の発電機は、大きく分けて固定子2と回転子
3とから構成され、ここでは、回転子3が界磁子とし
て、また、固定子2が電機子として機能する。固定子2
は、複数枚の鋼板を重ねて形成した積層鉄心4を備えて
おり、その周囲には発電コイル5が巻装されている。ま
た、回転子3は、エンジンのクランクシャフト(図示せ
ず)に取り付けられ、固定子2の外側に回転自在に配設
される。回転子3にはマグネット6が取り付けられてお
り、発電コイル5の外側にて回転子3が回転することに
より、発電コイル5に起電力が生じ発電が行われる。
【0021】回転子3は、鉄等の磁性材料にて形成され
た有底の短尺円筒形状のロータヨーク11と、ロータヨ
ーク11の底部11aに同心的に取り付けられ、回転中
心線に沿って突設される円筒形状のボスロータ12とを
備えている。ボスロータ12は、クランクシャフトにテ
ーパ結合され、クランクシャフトの回転に伴い回転子3
も回転するようになっている。
【0022】ロータヨーク11の円筒部11bの内周面
には、回転子3において界磁子を構成するマグネット
(永久磁石)6が周方向に沿って複数個(例えば、12
個)配設されている。図2は回転子3の構成を示す分解
斜視図、図3は一部を破断して示した回転子3の正面図
である。当該回転子3では、図2,3に示すように、マ
グネット6は、マグネットポール(マグネット保持部
材)14に収容された状態でロータヨーク11内に配設
される。なお、図2では、マグネットポール14は1個
のみ記載されているが、他の一点鎖線にて示された部材
も同様の形態となっている。
【0023】図4は、マグネットポール14の構成を示
す斜視図である。このマグネットポール14は鉄等の磁
性体からなり、図4に示すように、内壁部15と、内壁
部15の両端に折り曲げ形成された側壁部16とを備え
た略コの字形の形態となっている。この場合、内壁部1
5は、図3に示すように半径Rの円弧状に形成されてお
り、マグネットポール14をロータヨーク11の内周面
に沿って並べると、図3に示すように内壁部15は連な
って円周を形成する。また、両側壁部16は、回転子3
の回転軸Oに対して角度θ(=360度/マグネットポ
ール設置数;当該実施の形態では30度)の開き角にて
形成されている。従って、マグネットポール14は、図
3に示すように、隣接する側壁部16同士が密接した状
態でロータヨーク11内に隙間なく並べられることにな
る。
【0024】内壁部15の上下端、すなわち、回転子3
の回転軸Oに沿った両端部には、マグネット保持片19
が突設されている。このマグネット保持片19と内壁部
15および側壁部16に囲まれた部分はマグネット収容
部20となっており、ここにマグネット6が収容され
る。すなわち、マグネット6は、内壁部15と側壁部1
6によって側面の3方を囲まれた上で、マグネット保持
片19により上下に挟まれた形でマグネットポール14
に収容される。このため、マグネット6を収容したマグ
ネットポール14をロータヨーク11に取り付けると、
マグネット6は、その周囲が内周側からマグネットポー
ル14によって囲繞された形でロータヨーク11内に配
設されることになる。
【0025】マグネット収容部20の内壁部15に沿っ
た内寸L1は、マグネット6の幅寸法Wよりも若干広く
形成されている。そして、マグネット6をマグネット収
容部20に収容すると、角度θの開き角で形成された側
壁部16とマグネット6との間には、図3に示すように
間隙21が形成される。また、上下のマグネット保持片
19間の内寸L2はマグネット6の高さ寸法Hよりも若
干小さく形成されている。従って、マグネット6は、上
下方向は圧入気味にマグネット収容部20内に取り付け
られ、マグネット保持片19により回転軸O方向の動き
が規制される。
【0026】一方、マグネット収容部20の側壁部16
に沿った内寸L3は、マグネット6の厚さ寸法Tよりも
若干広く形成されている。すなわち、マグネット収容部
20の奥行はマグネット6の厚さよりも大きくなってお
り、マグネット6が両側壁部16の端面同士を結ぶ円弧
Arからはみ出さないようになっている。これにより、
マグネット6を収容したマグネットポール14をロータ
ヨーク11の内周面に取り付けたとき、側壁部16の端
面が、マグネット6に阻害されることなく、ロータヨー
ク11の内周面に接触するように設定されている。
【0027】さらに、マグネットポール14には、内壁
部15や側壁部16の基部(折り曲げ部)に空隙部22
が形成されている。この空隙部22は、内壁部15や側
壁部16の断面積を小さくするために設けられており、
これにより、マグネット6によって形成される磁気回路
中の磁束量が制御される。この場合、マグネット6を収
容したマグネットポール14をロータヨーク11の内周
面に取り付けると、マグネット6→ロータヨーク11→
側壁部16→内壁部15→マグネット6なる磁気回路が
形成される。そして、このようなマグネットによって回
転子に形成される磁気回路に関しては、図6,7に示し
た回転子では、連結部67や細幅部68にて磁束量の制
限を行っている。
【0028】これに対し、当該回転子3では、連結部6
7のような加工上の難点をなくすため、マグネットポー
ル14に板厚よりも細い部分は形成せず、空隙部22に
て断面積を減少させている。すなわち、内壁部15に形
成した空隙部22は図7における細幅部68に、また、
側壁部16の基部に形成した空隙部22は連結部67に
相当し、それぞれ断面積を絞り磁束量を制限している。
しかも、この空隙部22は単純な孔として形成されてお
り、プレス加工により容易に形成することができる。従
って、加工上の要請からケイ素鋼のような高価な材料を
用いる必要がなく、安価な鋼板にてマグネットポール1
4を形成でき、製品コストの削減を図ることが可能とな
る。
【0029】一方、ロータヨーク11内には、マグネッ
トポール14を支持すると共に、マグネット6を保持す
るマグネットケースA23が設けられている。このマグ
ネットケースA23は、合成樹脂製のリング状部材であ
り、その底面側には、複数個(当該実施の形態では6
個)の位置決め穴17が周方向に所定間隔をあけて等分
に設けられている。一方、これに対してロータヨーク1
1の底部11aには、位置決め穴17に対応して位置決
め突起18が設けられている。すなわち、マグネットケ
ースA23をロータヨーク11内に挿入すると、位置決
め穴17と位置決め突起18が嵌合するようになってお
り、この孔と突起の嵌合により、マグネットケースA2
3はロータヨーク11内の所定の場所に位置決めされて
設置される。
【0030】また、マグネットケースA23の上面に
は、マグネット保持用の突起24が形成されている。突
起24は2個で1対となっており、マグネットケースA
23上にマグネットポール14を載せると、側壁部16
とマグネット6との間の間隙21内に嵌合するようにな
っている。この場合、間隙21は、略三角形状の空隙で
あり、そこに三角形状の突起24が嵌合することによ
り、マグネット6は周方向の動きが規制される。
【0031】マグネットポール14の内周側にはさら
に、マグネットカバー25が配設される。このマグネッ
トカバー25は合成樹脂製または薄肉鉄板若しくは薄肉
ステンレス製の円筒部材であり、その外径はマグネット
ポール14の内径よりも若干大きく形成されている。従
って、マグネットカバー25は、マグネットポール14
の内周側に圧入気味に装着される。これにより、マグネ
ットポール14は円筒部11bの内周面に押し付けられ
る形でロータヨーク11内に固定される。
【0032】また、マグネットポール14の上面側に
は、マグネットケースB26が載置される。マグネット
ケースB26の上には、ロータヨーク11上端のカシメ
部11cがかしめられる。これにより、マグネットポー
ル14は軸方向に抜け止めされ、マグネット6がマグネ
ットポール14と共にロータヨーク11内に収容固定さ
れる。
【0033】次に、このようなマグネット固定構造を有
する回転子3の組付手順について説明する。ここではま
ず、ロータヨーク11の底部11aにマグネットケース
A23を取り付ける。この際、マグネットケースA23
の位置決め穴17を、ロータヨーク11の位置決め突起
18に嵌合させる。これにより、マグネットケースA2
3は、ロータヨーク11に対し位置決めされると共に回
り止めされた状態となる。マグネットケースA23を設
置した後、その上にマグネットポール14を載置する。
【0034】この際、マグネットポール14には、予め
別途マグネット6を取り付けておく。つまり、マグネッ
ト収容部20内にマグネット6を挿入し、マグネットを
組み込んだユニットを形成しておく。そして、このユニ
ットをロータヨーク11の内周面に沿って隙間なく並べ
て行く。なお、マグネットポール14では、マグネット
6はマグネット保持片19によってマグネット収容部2
0に保持されており、取り付けの際にマグネット6がマ
グネットポール14から脱落することはない。
【0035】マグネットポール14をマグネットケース
A23上に取り付ける際には、マグネットケースA23
の突起24にマグネットポール14の間隙21を嵌め込
むようにする。この場合、間隙21に対して突起24は
若干圧入気味に嵌合される。これにより、マグネット6
はその外面側がロータヨーク11の内周面に接触すると
共に、周方向の動きが規制され、マグネット収容部20
内にてマグネット6はガタなく保持される。
【0036】この場合、周方向にガタが存在すると、発
電機として使用している間にガタが拡大し、異音発生の
原因ともなる。また、フライホールを兼ねる回転子3に
おける回転バランスも悪くなる。これに対して、当該マ
グネット固定構造では、簡単な構成にてマグネット6の
周方向のガタ止めを行っており、低コストでマグネット
6のガタの抑制を図ることが可能となっている。
【0037】マグネットポール14をマグネットケース
A23上に全て並べた後、マグネットポール14の内周
側にマグネットカバー25を圧入する。これにより、マ
グネットポール14は円筒部11bの内周面に密着し、
マグネット6→ロータヨーク11→側壁部16→内壁部
15→マグネット6なる磁気回路が形成される。なお、
この磁気回路を通過する磁束量は、前述のように空隙部
22の大きさを適宜変更することによって制御すること
が可能である。
【0038】マグネットカバー25を圧入した後、マグ
ネットポール14上に、さらにマグネットケースB26
を載置する。このマグネットケースB26は、マグネッ
トポール14の高さが不揃いとならないように上からそ
れらを押さえると共に、この後のカシメ工程でのマグネ
ットポール14の損傷を防止する機能を有している。マ
グネットケースB26を載せた後、カシメ部11cをカ
ールカシメ、コーキングカシメ等によりかしめる。すな
わち、ロータヨーク11上端を内方に屈曲させてマグネ
ットケースB26上に曲げ込み、マグネットポール14
の軸方向に対する抜け止めを行う。
【0039】このように当該マグネット固定構造では、
マグネットポール14を用いてマグネット6を固定する
ようにしたので、ロータコアを用いることなく、マグネ
ット6をロータヨーク11内に固定することができる。
また、マグネットポール14には適宜空隙部22が設け
られており、ロータコアを用いた従来のマグネット固定
構造と同等の磁気回路を構成することができる。さら
に、マグネットポール14には、連結部67のような板
厚よりも細く加工が困難な部分が存在せず、それを一般
の鋼板によって形成することができる。
【0040】すなわち、当該マグネット固定構造によれ
ば、ケイ素鋼のような高価な材料を用いたロータコアを
廃すると共に、それに代えて加工が容易なマグネットポ
ール14を用いてマグネット6の固定を行うことができ
る。従って、安価な材料にてマグネット固定構造を構築
でき、製品コストの削減を図ることが可能となる。
【0041】また、当該マグネット固定構造では、従来
のマグネット固定構造におけるマグネットケースA52
のような複雑で寸法精度の厳しい部品は必要とされず、
組み付け時の位置決め作業も、マグネットケースA23
上にマグネットポール14を並べるときの位置合わせ程
度である。従って、部品製造用の金型費を低減させるこ
とができると共に、組付作業も簡略化されて工数を削減
することができ、製品のコストダウンを図ることが可能
となる。
【0042】(実施の形態2)次に、本発明の実施の形
態2であるマグネット固定構造について説明する。図5
はその構成を示す説明図である。なお、実施の形態1と
同様の部材、部品等については同一の符号を付しその説
明は省略する。
【0043】当該実施の形態では、隣接するマグネット
ポール14の間に鉄製の補助鉄極(補助極)27が配設
されている。ここで、図6〜図8に示した従来のマグネ
ット固定構造では、ロータコア55のブリッジ部57が
鉄極として用いられており、実施の形態1の回転子3で
は、マグネットポール14の側壁部16がこの鉄極に相
当する。ところが、側壁部16はマグネットポール14
の一部であるため、その部分のみを他と異なる板厚に形
成することは困難である。このため、図3と図6を比較
しても分かるように、側壁部16はブリッジ部57より
も細くなっており、側壁部16の厚みが磁気的に不足
し、磁気回路形成上そこが隘路となるという場合があ
る。
【0044】そこで、当該実施の形態2では、実施の形
態1のマグネット6やマグネットポール14よりも若干
小さいマグネット28とマグネットポール29を用いる
と共に、マグネットポール29の側壁部16の間に補助
鉄極27を挿入している。これにより、側壁部16と補
助鉄極27とで鉄極が形成され、そこにブリッジ部57
と同程度の幅を確保することができる。従って、鉄極と
しての機能も従来と同等に確保され、磁気回路形成上の
問題が解消し、出力の向上を図ることが可能となる。
【0045】本発明は前記実施の形態に限定されるもの
ではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能で
あることは言うまでもない。例えば、前述の実施の形態
では、マグネットカバー25によってマグネットポール
14の径方向の固定を行っているが、マグネットケース
A23,B26によって径方向の固定を行い、マグネッ
トカバー25を省略することも可能である。また、マグ
ネットポール14の上下にマグネット保持片19を設け
てマグネット6の軸方向の抜け止めやガタ止めを行って
いるが、マグネット保持片19を廃してそれらをマグネ
ットケースA23,B26によって行うことも可能であ
る。また、これとは逆に、マグネット6の軸方向の抜け
止めやガタ止めをマグネット保持片19のみによって行
い、マグネットケースB26を略することも可能であ
る。
【0046】さらに、マグネットポール14に形成され
た空隙部22は、前述のような孔形状には限定されず、
断面積を減少させ得る孔であればその形状は任意であ
り、例えば、スリット状の長孔や角穴でも良い。加え
て、実施の形態1では、マグネットケースA23の突起
24にマグネットポール14の間隙21を嵌合させてマ
グネット6の周方向のガタ止めを行っているが、実施の
形態2のようにマグネットポール14間に補助鉄極27
を挿入する場合などでは、マグネットポール14間に突
起24を嵌合させるようにしても良い。また、突起24
を間隙21に合わせた略三角形状とした上で先端部を細
く形成し、間隙21に楔状に嵌合するようにしても良
い。この場合、突起24により、マグネット6の周方向
に加えて径方向の動きを規制することも可能である。
【0047】なお、前述の実施の形態では、本発明によ
るマグネット固定構造を発電機に適用した例を示した
が、これをモータに適用することも可能である。
【0048】
【発明の効果】本発明の回転電機のマグネット固定構造
によれば、マグネットの周囲を囲繞すると共に、ヨーク
内周面に接触してマグネットを含む磁気回路を形成する
ような磁性体のマグネット保持部材によってマグネット
を固定するようにしたので、ロータコアを用いることな
く、マグネットをヨーク内に固定して磁気回路を構成す
ることができる。従って、ケイ素鋼のような高価な材料
を用いたロータコアを廃することができ、安価な材料に
てマグネット固定構造を構築でき、製品コストの削減を
図ることが可能となる。
【0049】また、マグネット固定に際しマグネット保
持部材を用いたので、複雑で寸法精度の厳しい部品を用
いたり、細かな位置決め作業を行ったりすることなくマ
グネットをヨーク内に固定できる。従って、部品製造用
の金型費を低減させることができると共に、組付作業も
簡略化されて工数を削減することができ、製品のコスト
ダウンを図ることが可能となる
【0050】さらに、マグネット保持部材の回転軸方向
両端部にマグネットの回転軸方向の移動を規制するマグ
ネット保持片を設けることにより、マグネット保持部材
にてマグネットの軸方向の抜け止めおよびガタ止めを行
うことができる。
【0051】加えて、マグネット保持部材に、磁気回路
中の磁束量を制御する空隙部を設けることにより、簡単
な構成にて磁気回路中の断面積を調整して磁束量の制御
を行うことができる。
【0052】一方、隣接するマグネット保持部材の間に
磁性体にて形成された補助極を配設することにより、マ
グネット保持部材の間により幅広の鉄極が形成され、磁
気回路中の隘路をなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1であるマグネット固定構
造を適用した発電機の構成を示す断面図である。
【図2】図1の発電機における回転子の構成を示す分解
斜視図である。
【図3】一部を破断して示した回転子の正面図である。
【図4】マグネットポールの構成を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態2であるマグネット固定構
造を適用した回転子の正面図である。
【図6】従来の回転電機における回転子の構成を示す説
明図である。
【図7】図6の回転子における連結部の構成を示す説明
図である。
【図8】図6の回転子におけるマグネット固定構造の概
要を示す説明図である。
【符号の説明】
1 発電機 2 固定子 3 回転子 4 積層鉄心 5 発電コイル 6 マグネット 11 ロータヨーク 11a 底部 11b 円筒部 11c カシメ部 12 ボスロータ 14 マグネットポール(マグネット保持部材) 15 内壁部 16 側壁部 17 位置決め穴 18 位置決め突起 19 マグネット保持片 20 マグネット収容部 21 間隙 22 空隙部 23 マグネットケースA 24 突起 25 マグネットカバー 26 マグネットケースB 27 補助鉄極(補助極) 28 マグネット 29 マグネットポール(マグネット保持部材) 51 ロータヨーク 51a カシメ部 52 マグネットケースA 53 突起 54 位置決め孔 55 ロータコア 56 マグネット収容室 57 ブリッジ部 58 マグネット固定凸部 58a 側壁部 58b 底部 59 ロータコア固定凹部 60 マグネット 61 突起 62 マグネットケースB 63 突起 64 マグネット押圧面 65 内壁部 66 外壁部 67 連結部 68 細幅部 O 回転軸

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒形状のヨークの内周面に沿って複数
    個のマグネットを配設した回転子を有する回転電機のマ
    グネット固定構造であって、 前記マグネットの各々に個別に取り付けられ、前記マグ
    ネットの周囲を囲繞すると共に、前記ヨーク内周面に接
    触して前記マグネットを含む磁気回路を形成する磁性体
    によって形成されたマグネット保持部材を有することを
    特徴とする回転電機のマグネット固定構造。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の回転電機のマグネット固
    定構造において、前記マグネット保持部材は、前記回転
    子の回転軸方向の両端部に前記マグネットの前記回転軸
    方向の移動を規制するマグネット保持片を有することを
    特徴とする回転電機のマグネット固定構造。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の回転電機のマグ
    ネット固定構造において、前記マグネット保持部材は、
    前記磁気回路中の磁束量を制御する空隙部を有すること
    を特徴とする回転電機のマグネット固定構造。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れか1項に記載の回転
    電機のマグネット固定構造において、隣接する前記マグ
    ネット保持部材の間に、磁性体により形成された補助極
    を配設したことを特徴とする回転電機のマグネット固定
    構造。
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