JP2003070195A - 回転電機のマグネット固定構造 - Google Patents

回転電機のマグネット固定構造

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JP2003070195A
JP2003070195A JP2001257582A JP2001257582A JP2003070195A JP 2003070195 A JP2003070195 A JP 2003070195A JP 2001257582 A JP2001257582 A JP 2001257582A JP 2001257582 A JP2001257582 A JP 2001257582A JP 2003070195 A JP2003070195 A JP 2003070195A
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magnet
electric machine
fixing structure
rotor core
rotor
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Makoto Oikawa
誠 及川
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Mitsuba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複雑な部品を用いることなく、しかも容易に
組み付け可能な回転電機のマグネット固定構造を提供す
る。 【解決手段】 円筒形状のロータヨーク11の内部に、
マグネット6を軸方向から挿入可能なマグネット収容室
20を有するロータコア15と、マグネット収容室20
内のマグネット6を軸方向に押圧するスプリングリング
14を配設する。スプリングリング14は、スプリング
保持部16を備え、位置決め突起18にてロータヨーク
11内の所定位置に位置決めされるスプリングケース1
3上にて支持される。ロータヨーク11とロータコア1
5との間は凹部22と凸部23により位置決めされる。
マグネット6は、マグネット収容室20内にて突片21
により周方向のガタなく保持され、スプリングリング1
4によって軸方向の寸法バラツキを吸収しつつ、軸方向
に支持される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モータや発電機等
の回転電機におけるマグネット固定構造に関し、特に、
IPM(Interior Permanent Magnet:埋込磁石)方式
の回転子のマグネット固定構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、家電製品などの分野において
は、マグネットの固定が容易であることなどから、回転
子にマグネットを内装させたいわゆるIPM方式の回転
電機が多く用いられている。このようなIPM方式の回
転電機では、マグネットの固定に際し、マグネットとロ
ータコアとの間の固定には接着剤を用いることが一般的
であった。しかしながら、そこでは接着剤の塗布および
乾燥工程が必要となりコスト高となるため、現在では、
複数の合成樹脂製マグネットケースを用いてマグネット
の固定を行う方式が広く採用されている。
【0003】図5は、このようなマグネットケースを用
いたマグネット固定構造の概要を示す説明図である。こ
こでは、有底円筒形状のロータヨーク51上に、まずマ
グネットケースA52を載せる。この場合、ロータヨー
ク51には、位置決め用の突起53が周方向に所定間隔
をあけて複数個設けられている。これに対し、マグネッ
トケースA52には、突起53に対応して位置決め孔5
4が形成されている。そして、突起53と位置決め孔5
4を嵌め合わせることにより、マグネットケースA52
はロータヨーク51内に位置決めされて載置される。
【0004】マグネットケースA52上には、鋼板を積
層して形成したロータコア55が載置される。ロータコ
ア形成用の鋼板としては、周方向に複数個の孔を打ち抜
き形成したリング状のものが使用され、これを積層した
ロータコア55は、内壁部と外壁部を有し、その間に複
数個のマグネット収容室56が形成された構成となって
いる。各マグネット収容室56は、ブリッジ部57によ
り隔離されている。この場合、マグネットケースA52
上には、マグネット固定凸部58が突設されており、そ
の間にはロータコア固定凹部59が形成されている。そ
して、このロータコア固定凹部59にロータコア55の
ブリッジ部57が挿入固定される。
【0005】一方、ブリッジ部57がロータコア固定凹
部59内に挿入されると、マグネット固定凸部58がマ
グネット収容室56内に収容される。ここで、マグネッ
ト固定凸部58には、マグネット60を周方向に位置決
めするための側壁部58aと、マグネット60の底面を
支持する底部58bが設けられている。また、対向する
マグネット固定凸部58の間にはさらに、マグネット高
さのバラツキを吸収するための突起61が設けられてい
る。そして、マグネット収容室56の上方からマグネッ
ト60を挿入すると、マグネット60は、側壁部58a
によって周方向に位置決めされつつ、底部58bおよび
突起61によって支持され、ロータコア55内に保持さ
れる。
【0006】ロータコア55およびマグネット60の上
にはマグネットケースB62が載置される。この場合、
マグネットケースB62には、ロータコア55のブリッ
ジ部57上面に当接する突起63が設けられている。ま
た、突起63の間は、マグネット60の上面と当接する
マグネット押圧面64となっている。さらに、マグネッ
トケースB62には、突起63と並設される形で、マグ
ネットケースB62の周方向の取付位置を定める位置決
め突起(図示せず)が設けられている。この位置決め突
起は、マグネットケースB62において、円周上の対向
位置に2カ所形成されている。そして、ブリッジ部57
の上端部を挟むようにブリッジ部57と嵌合し、これに
より、突起63がブリッジ部57上面に確実に当接する
ようになっている。
【0007】このように図5のマグネット固定構造で
は、ロータヨーク51上にマグネットケースA52を位
置決めして載せ、その上にロータコア55を置き、マグ
ネット60を装着した後、マグネットケースB62を位
置決めして載置する。そして、マグネットケースB62
の上面側から、ロータヨーク51の上端部のカシメ部5
1aを内径側にかしめる。これにより、マグネット60
は突起61を押し潰しつつロータコア55内に固定さ
れ、ロータコア55もマグネットケースB62の突起6
3に押さえ付けられる形でロータヨーク51内に固定さ
れる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなマグネット固定構造においては、マグネットケース
A52は、個々のマグネット60の寸法バラツキを吸収
しつつ、それらをロータコア55内に固定させる役割を
有するため、形状が複雑化すると共に、厳しい寸法精度
が要求される。このため、マグネットケースA52製造
用の金型費が増大し、コスト高となるという問題があっ
た。
【0009】一方、マグネットケースB62では、突起
63によってロータコア55の厚さ方向のバラツキを吸
収しており、このため、突起63をブリッジ部57上面
に確実に当接するべく、位置決め突起によりその周方向
の取付位置を定めている。従って、マグネットケースB
62は、必ず位置決め突起により周方向の位置決めを行
って取り付ける必要があり、その分、組付作業が煩雑化
し、工数が嵩むという問題があった。
【0010】本発明の目的は、複雑な部品を用いること
なく、しかも容易に組み付け可能な回転電機のマグネッ
ト固定構造を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の回転電機のマグ
ネット固定構造は、円筒形状のヨークを備えた回転電機
の回転子に周方向に沿って複数配置されるマグネットの
固定構造であって、前記ヨーク内部に固定され、前記マ
グネットを軸方向から挿入可能なマグネット収容室が円
周方向に沿って複数形成されたロータコアと、前記ヨー
ク内部に配設され、前記マグネット収容室内の前記マグ
ネットを軸方向に押圧する弾性手段とを有することを特
徴とする。
【0012】本発明の回転電機のマグネット固定構造で
は、マグネットの軸方向の寸法バラツキを弾性手段によ
って吸収しつつ、その押圧力によってマグネットの軸方
向の支持を行うことができるので、複雑で高精度が要求
される部品を使用することなく、また、細かな位置決め
作業を行うことなくヨーク内にマグネットを固定するこ
とができる。従って、部品製造用の金型費を低減させる
ことができると共に、組付作業も簡略化されて工数を削
減することができ、製品のコストダウンを図ることが可
能となる。
【0013】前記マグネット固定構造において、前記弾
性手段を前記ヨーク内に配設したケースによって支持し
ても良い。この場合、ケースに弾性手段を有する保持部
を設けることも可能である。
【0014】また、前記マグネット固定構造において、
前記ロータコアに、前記マグネット収容室内に突設し前
記マグネットに当接するマグネット保持部を設けても良
い。この場合、前記ロータコアを複数の鋼板を積層して
形成し、前記マグネット保持部を、前記鋼板に形成され
た突片にて構成しても良い。これにより、マグネット
は、マグネット収容室内にて周方向の移動が規制された
状態でガタなく保持される。従って、簡単な構成にてマ
グネットのガタ抑制を図ることができ、低コストにてガ
タに起因する異音発生や回転バランスの悪化を防止する
ことができる。
【0015】さらに、前記マグネット固定構造におい
て、前記ヨークと前記ロータコアとの間に、前記ロータ
コアの周方向の回り止めを行う係止部を設けても良い。
これにより、簡単な構成にてヨークとロータコア間の位
置決めが可能となる。加えて、前記マグネット固定構造
において、前記マグネット収容室を、軸方向の一方側端
部が閉鎖された有底形状に形成しても良い。これによ
り、開口側に設けるマグネット押さえ用の部品を省くこ
とができる。
【0016】一方、前記マグネット固定構造において、
前記弾性手段として、鋼線を波形に成形したリング状の
スプリングを用いても良い。また、前記弾性手段とし
て、前記マグネット収容室が底部に形成したスプリング
片を用いても良い。
【0017】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)以下、本発明の
実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本
発明の実施の形態1であるマグネット固定構造を適用し
た発電機の構成を示す断面図である。図1の発電機1
は、いわゆるアウタロータ型の回転電機であり、例えば
自動二輪車におけるACG(交流発電機)として使用さ
れる。図1の発電機は、大きく分けて固定子2と回転子
3とから構成され、ここでは、回転子3が界磁子とし
て、また、固定子2が電機子として機能する。固定子2
は、複数枚の鋼板を重ねて形成した積層鉄心4を備えて
おり、その周囲には発電コイル5が巻装されている。ま
た、回転子3は、エンジンのクランクシャフト(図示せ
ず)に取り付けられ、固定子2の外側に回転自在に配設
される。回転子3にはマグネット6が取り付けられてお
り、発電コイル5の外側にて回転子3が回転することに
より、発電コイル5に起電力が生じ発電が行われる。
【0018】回転子3は、鉄等の磁性材料にて形成され
た有底の短尺円筒形状のロータヨーク11と、ロータヨ
ーク11の底部11aに同心的に取り付けられ、回転中
心線に沿って突設される円筒形状のボスロータ12とを
備えている。ボスロータ12は、クランクシャフトにテ
ーパ結合され、クランクシャフトの回転に伴い回転子3
も回転するようになっている。
【0019】ロータヨーク11の円筒部11bの内周面
には、回転子3において界磁子を構成するマグネット
(永久磁石)6が周方向に沿って複数個(例えば、12
個)配設されている。図2は回転子3の構成を示す分解
斜視図、図3はマグネット6の固定構造を示す説明図で
ある。図2に示すように、回転子3では、ロータヨーク
11内に、まず合成樹脂製のスプリングケース13が収
容され、その上にスプリングリング14が載置される。
スプリングリング14の上にはさらに、マグネット6が
収容されたロータコア15が載置される。そして、ロー
タヨーク11上端のカシメ部11cをかしめることによ
り、ロータコア15等がロータヨーク11内に収容固定
される。
【0020】ここで、当該マグネット固定構造では、マ
グネット6はスプリングリング14の付勢力を利用して
寸法バラツキを吸収しつつ、ロータコア15内にガタな
く固定される。この場合、スプリングリング14は、鋼
線を波形に成形してリング状とした弾性手段であり、ロ
ータコア15内ではスプリングケース13によって支持
される。スプリングリング14は、図2に示すように、
一定のピッチにて屈曲した波形形状に成形されており、
スプリングケース13には、そのピッチに合わせてスプ
リング保持部16が設けられている。
【0021】スプリング保持部16は、図2,3に示す
ように、スプリングケース13の内周側に、内壁面をV
字状に切り欠いて形成されている。スプリング保持部1
6の底部はスプリングリング14の波形形状に合わせて
曲面となっており、そこにスプリングリング14の谷側
部分を収容できるようなっている。そして、図3に示す
ように、このスプリング保持部16にスプリングリング
14を嵌め込むことにより、スプリングリング14がス
プリングケース13上にて支持されることになる。
【0022】スプリングケース13の底面側には、複数
個(当該実施の形態では6個)の位置決め穴17が周方
向に所定間隔をあけて等分に設けられている。一方、こ
れに対してロータヨーク11の底部11aには、位置決
め穴17に対応して位置決め突起18が設けられてい
る。すなわち、スプリングケース13をロータヨーク1
1内に挿入すると、位置決め穴17と位置決め突起18
が嵌合するようになっており、この孔と突起の嵌合によ
り、スプリングケース13はロータヨーク11内の所定
の場所に位置決めされて設置される。従って、スプリン
グケース13に保持されたスプリングリング14もま
た、ロータヨーク11内の所定位置に配設されることに
なる。
【0023】ロータコア15は、リング状の鋼板を複数
枚積層して形成されている。ロータコア形成用の鋼板と
しては、図2において上端のものを除き、周方向に複数
個の孔を打ち抜き形成したものが使用される。そして、
これらを積層したロータコア15は、外壁部15aと内
壁部15bの間に、ブリッジ部19によって隔離された
マグネット収容室20が円周方向に沿って複数形成され
た構成となる。このマグネット収容室20は、中心軸C
に沿った一端側が開口する一方、上端の鋼板によって形
成された底部15cにより他端側が閉鎖され、底面20
aを有する袋穴形状となっている。
【0024】マグネット収容室20内には、図3に示す
ように、周方向に向かって2対の突片(マグネット保持
部)21が対向形成されている。この突片21は、ロー
タコア15を構成する鋼板の一部に、マグネット収容室
20内に突出するような突起部を一体に形成して設けた
ものであり、対向する突片21の先端間の距離は、マグ
ネット6の幅寸法よりも若干小さく設定されている。従
って、マグネット6をマグネット収容室20内に挿入す
ると、マグネット6の側部が突片21に当接する。そし
て、図3に示すように、突片21がマグネット6と共に
押し込まれるように撓みつつ、マグネット6はマグネッ
ト収容室20内に圧入気味に挿入される。これにより、
マグネット6は、マグネット収容室20内にて周方向の
移動が規制された状態でガタなく保持されることにな
る。
【0025】この場合、周方向のガタが存在すると、発
電機として使用している間にガタが拡大し、異音発生の
原因ともなる。また、フライホールを兼ねる回転子3に
おける回転バランスも悪くなる。これに対して、当該マ
グネット固定構造では、簡単な構成にてマグネット6の
周方向の支持を行っており、低コストでマグネット6の
ガタの抑制を図ることが可能となっている。
【0026】また、ロータコア15の側部には、位置決
め用の凹部22が周方向に所定間隔をあけて等分に形成
されている。一方、これに対してロータヨーク11の円
筒部11bには、凹部22に対応して凸部23が内方に
向かって突設されている。すなわち、ロータコア15を
ロータヨーク11内に挿入すると、凹部22と凸部23
が嵌合するようになっており、この凹凸嵌合による係止
部によって、ロータコア15はロータヨーク11に対し
中心軸C方向(以下、軸方向と略記する)と周方向が位
置決めされる。
【0027】ここで、スプリングリング14は、前述の
ようにロータヨーク11内の所定位置に配設されてい
る。そこで、前記凹部22と凸部23は、ロータコア1
5をロータヨーク11内に挿入したとき、スプリングリ
ング14の山側部分が、図3に示すようにマグネット収
容室20の下部に来るように設定されている。すなわ
ち、ロータコア15をロータヨーク11内に収容する
と、位置決め穴17と位置決め突起18および凹部22
と凸部23の2つの位置決め構造により、マグネット収
容室20の中央下部にスプリングリング14の頂部が配
置される。そして、マグネット収容室20内のマグネッ
ト6の底面には、スプリングリング14の波頭部分が当
接し、これによりマグネット6は図3において上方向へ
押圧される形となる。
【0028】次に、このようなマグネット固定構造を有
する回転子3の組付手順について説明する。ここではま
ず、ロータヨーク11の底部11aにスプリングケース
13を取り付ける。この際、スプリングケース13の位
置決め穴17を、ロータヨーク11の位置決め突起18
に嵌合させる。これにより、スプリングケース13は、
ロータヨーク11に対し位置決めされると共に回り止め
された状態となる。スプリングケース13を設置した
後、その上にスプリングリング14を載置する。この
際、スプリングリング14の谷側部分をスプリング保持
部16に嵌め込み、スプリングケース13上にスプリン
グリング14を収容支持させる。
【0029】一方、ロータコア15には、予め別途マグ
ネット6を取り付けておく。つまり、各マグネット収容
室20内に軸方向からマグネット6を挿入し、マグネッ
トを組み込んだロータコアユニットを形成しておく。そ
して、このロータコアユニットをロータヨーク11内に
収容する。なお、ロータコア15では、マグネット6
は、突片21によってマグネット収容室20に保持され
ており、開口部を下に向けてもマグネット6がロータコ
ア15から脱落することはない。
【0030】ロータコア15をロータヨーク11内に挿
入する際には、凹部22と凸部23を嵌合させるように
する。ロータコア15の挿入に際し、マグネット収容室
20内のマグネット6の底面にはスプリングリング14
が当接する。これを、スプリングリング14の付勢力に
抗して押し込み、凹部22が凸部23に当接してこれ以
上挿入できない位置までロータコア15を押し込む。こ
れにより、ロータコア15はロータヨーク11内にて、
軸方向および周方向の位置決めがなされると共に、回り
止めされた状態となる。また、マグネット6は、一端側
がマグネット収容室20の底面20aに突き当てとな
り、反対端側がスプリングリング14により保持される
形となる。従って、マグネット6の軸方向の寸法バラツ
キをスプリングリング14の撓みによって吸収しつつ、
スプリングリング14の押圧力によりマグネット6の軸
方向の固定強度を確保することができる。
【0031】このようにしてロータコア15を挿入した
後、カシメ部11cをカールカシメ、コーキングカシメ
等によりかしめる。すなわち、ロータヨーク11上端を
内方に屈曲させてロータコア15の底部15c上に曲げ
込み、ロータコア15の軸方向に対する抜け止めを行
う。なお、スプリングリング14の押圧力によってロー
タコア15が軸方向に位置ズレするのを防止するため、
ロータコア15を軸方向に押さえつつかしめ作業を行
う。
【0032】このように当該マグネット固定構造では、
複雑で高精度が要求される部品を使用することなく、ま
た、細かな位置決め作業を行うことなくロータヨーク1
1内にマグネット6を固定することができる。従って、
部品製造用の金型費を低減させることができると共に、
組付作業も簡略化されて工数を削減することができ、製
品のコストダウンを図ることが可能となる。
【0033】(実施の形態2)次に、本発明の実施の形
態2であるマグネット固定構造について説明する。図4
はその構成を示す説明図である。なお、実施の形態1と
同様の部材、部品等については同一の符号を付しその説
明は省略する。
【0034】当該実施の形態では、先のスプリングリン
グ14に代えて、弾性手段としてスプリング片31が設
けられている。また、スプリングリング14を支持する
スプリングケース13も省かれている。一方、当該実施
の形態では、ロータコア32は、先のロータコア15と
は逆に、図4において下側が閉鎖され、上部が開口した
状態で配設されている。そして、マグネット収容室20
の底面20aには、スプリング片31が切り起こされて
いる。この場合、スプリング片31は板バネとして作用
し、その先端部がマグネット6の一端側に当接するよう
に配置されている。そして、その撓みによる付勢力にて
マグネット6の寸法バラツキを吸収しつつ、軸方向の支
持を行うようになっている。
【0035】このような構成からなるマグネット固定構
造では、次のようにして回転子3の組み付けが行われ
る。まず、ここでは、ロータコア32に予めマグネット
6を取り付けておき、ロータコアユニットを形成してお
く。この際、マグネット6は、マグネット収容室20の
上部開口から軸方向に挿入され、突片21にて周方向の
支持がなされると共に、マグネット6の下端部はスプリ
ング片31にて支持される。
【0036】そして、このロータコアユニットをロータ
ヨーク11内に収容する。ロータコア32をロータヨー
ク11内に挿入する際には、凹部22と凸部23を嵌合
させロータコア32の軸方向と周方向の位置決めおよび
回り止めを行う。ロータコア15を挿入した後、ロータ
コア32の上部に、リング状に形成された合成樹脂製の
マグネットケース33を載置する。このマグネットケー
ス33は、ロータコア32からのマグネット6の飛び出
しを押さえると共に、この後のカシメ工程にてマグネッ
ト6やロータコア32の損傷を防止する機能を有してい
る。なお、図5のマグネットケースB62のように、ロ
ータコア32のブリッジ部19上面に当接する突起を設
け、突起間をマグネット6の上面と当接するマグネット
押圧面としても良い。但し、マグネットケースB62の
ように方向性はなく、その設置の際に細かな位置決め作
業は必要ない。
【0037】そして、ロータコア15を挿入しマグネッ
トケース33を載置した後、カシメ部11cをかしめ
る。これにより、実施の形態1と同様、複雑で高精度が
要求される部品を使用することなく、また、細かな位置
決め作業を行うことなくロータヨーク11内にマグネッ
ト6を固定することができる。
【0038】本発明は前記実施の形態に限定されるもの
ではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能で
あることは言うまでもない。例えば、実施の形態1で
は、有底のマグネット収容室20を有するロータコア1
5を用いた例を示したが、マグネット収容室20の両端
が開口しているものを用いることも可能である。この
際、ロータコア15の上面側にも、実施の形態2のよう
に、別途マグネットケースを載置することが望ましい。
【0039】また、実施の形態2では、有底のマグネッ
ト収容室20の底面20aにスプリング片31を切り起
こす構成としたが、底面20aのない両端開口形状のロ
ータコア15の一端部に、突片21を延設したような形
のスプリング片31を突出形成しても良い。つまり、マ
グネット収容室の底部とは、マグネット収容室が有底形
状の場合の底面のみならず、マグネット収容室が両端開
口形状の場合における一端側開口部をも含む概念であ
る。
【0040】さらに、実施の形態1のスプリングリング
14は、その谷側頂部がスプリングケース13のスプリ
ング保持部16に当接する形態となっているが、それを
ロータヨーク11の底部11aに直接当接させても良
い。
【0041】一方、実施の形態1,2では、部品の配置
順序を上下に入れ替えて構成しても良い。すなわち、実
施の形態1で言えば、ロータヨーク11に、マグネット
収容室20の開口を上に向けた状態でロータコア15を
載置し、その上にスプリングリング14を配設する。そ
して、スプリングリング14をスプリングケース13に
て押さえた上で、ロータヨーク11の上端をかしめるよ
うにしても良い。
【0042】また、実施の形態2で言えば、ロータヨー
ク11底部にマグネットケース33を載置し、その上に
マグネット収容室20の開口を下に向けた状態でロータ
コア32を配設する。そして、ロータコア32の底面側
にてロータヨーク11の上端をかしめるようにしても良
い。なお、前述の実施の形態では、本発明のマグネット
固定構造を発電機に適用した例を示したが、これをモー
タに適用することも可能である。
【0043】
【発明の効果】本発明の回転電機のマグネット固定構造
によれば、前記ヨーク内部に、マグネットを軸方向から
挿入可能なマグネット収容室が円周方向に沿って複数形
成されたロータコアと、マグネット収容室内のマグネッ
トを軸方向に沿って押圧する弾性手段とを設けたので、
マグネットの軸方向の寸法バラツキを弾性手段によって
吸収しつつ、その押圧力によってマグネットの軸方向の
支持を行うことができる。従って、複雑で高精度が要求
される部品を使用することなく、また、細かな位置決め
作業を行うことなくヨーク内にマグネットを固定するこ
とが可能となる。このため、部品製造用の金型費を低減
させることができると共に、組付作業も簡略化されて工
数を削減することができ、製品のコストダウンを図るこ
とが可能となる。
【0044】また、マグネット収容室内にマグネットに
当接するマグネット保持部を突設したことにより、マグ
ネットを簡単な構成にてマグネット収容室内にガタなく
保持することができる。従って、マグネットのガタ抑制
を図ることができ、低コストにてガタに起因する異音発
生や回転バランスの悪化を防止することが可能となる。
【0045】さらに、ヨークとロータコアとの間に、ロ
ータコアの周方向の回り止めを行う係止部を設けたこと
により、簡単な構成にてヨークとロータコア間の位置決
めが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1であるマグネット固定構
造を適用した発電機の構成を示す断面図である。
【図2】図1の発電機における回転子の構成を示す分解
斜視図である。
【図3】図1の発電機におけるマグネット固定構造を示
す説明図である。
【図4】本発明の実施の形態2であるマグネット固定構
造を示す説明図である。
【図5】従来のマグネット固定構造を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1 発電機 2 固定子 3 回転子 4 積層鉄心 5 発電コイル 6 マグネット 11 ロータヨーク 11a 底部 11b 円筒部 11c カシメ部 12 ボスロータ 13 スプリングケース 14 スプリングリング 15 ロータコア 15a 外壁部 15b 内壁部 15c 底部 16 スプリング保持部 17 位置決め穴 18 位置決め突起 19 ブリッジ部 20 マグネット収容室 20a 底面 21 突片 22 凹部 23 凸部 31 スプリング片 32 ロータコア 33 マグネットケース 51 ロータヨーク 51a カシメ部 52 マグネットケースA 53 突起 54 位置決め孔 55 ロータコア 56 マグネット収容室 57 ブリッジ部 58 マグネット固定凸部 58a 側壁部 58b 底部 59 ロータコア固定凹部 60 マグネット 61 突起 62 マグネットケースB 63 突起 64 マグネット押圧面 C 中心軸

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒形状のヨークを備えた回転電機の回
    転子に周方向に沿って複数配置されるマグネットの固定
    構造であって、 前記ヨーク内部に固定され、前記マグネットを軸方向か
    ら挿入可能なマグネット収容室が円周方向に沿って複数
    形成されたロータコアと、 前記ヨーク内部に配設され、前記マグネット収容室内の
    前記マグネットを軸方向に押圧する弾性手段とを有する
    ことを特徴とする回転電機のマグネット固定構造。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の回転電機のマグネット固
    定構造において、前記弾性手段は、前記ヨーク内に配設
    されたケースによって支持されることを特徴とする回転
    電機のマグネット固定構造。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の回転電機のマグ
    ネット固定構造において、前記ロータコアは、前記マグ
    ネット収容室内に突設され前記マグネットに当接するマ
    グネット保持部を有することを特徴とする回転電機のマ
    グネット固定構造。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の回転電機のマグネット固
    定構造において、前記ロータコアは複数の鋼板を積層し
    て形成され、前記マグネット保持部は、前記鋼板に形成
    された突片からなることを特徴とする回転電機のマグネ
    ット固定構造。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れか1項に記載の回転
    電機のマグネット固定構造において、前記ヨークと前記
    ロータコアとの間に、前記ロータコアの周方向の回り止
    めを行う係止部を設けたことを特徴とする回転電機のマ
    グネット固定構造。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れか1項に記載の回転
    電機のマグネット固定構造において、前記マグネット収
    容室は、軸方向の一方側端部が閉鎖された有底形状に形
    成されてなることを特徴とする回転電機のマグネット固
    定構造。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6の何れか1項に記載の回転
    電機のマグネット固定構造において、前記弾性手段は、
    鋼線を波形に成形したリング状のスプリングであること
    を特徴とする回転電機のマグネット固定構造。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6の何れか1項に記載の回転
    電機のマグネット固定構造において、前記弾性手段は、
    前記マグネット収容室の底部に形成されたスプリング片
    であることを特徴とする回転電機のマグネット固定構
    造。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018163319A1 (ja) * 2017-03-08 2018-09-13 三菱電機株式会社 ロータ及びそのロータを備えた回転電動機
WO2019025193A1 (fr) * 2017-08-04 2019-02-07 Valeo Equipements Electriques Moteur Rotor de machine électrique tournante muni d'une pièce de maintien d'aimants permanents suivant trois dimensions

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