JP2004048887A - ブラシレスモータ - Google Patents
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Abstract
【課題】互いに近傍位置にあるレゾルバ用ステータ及びボール軸受の固定構造を簡略化することができるブラシレスモータを提供する。
【解決手段】ボール軸受13の外輪13aを保持する軸受保持部12dを有する軸受保持部材12が、蓋部材7に設けた略円筒状の収容固定部7a内に挿入され、レゾルバ用ステータ9の軸方向端面とボール軸受13の外輪13aの軸方向端面との間に介在される。そして、レゾルバ用ステータ9のネジ14の締め付けにより固定することで、該ステータ9の固定とともにボール軸受13が保持される。
【選択図】 図1
【解決手段】ボール軸受13の外輪13aを保持する軸受保持部12dを有する軸受保持部材12が、蓋部材7に設けた略円筒状の収容固定部7a内に挿入され、レゾルバ用ステータ9の軸方向端面とボール軸受13の外輪13aの軸方向端面との間に介在される。そして、レゾルバ用ステータ9のネジ14の締め付けにより固定することで、該ステータ9の固定とともにボール軸受13が保持される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロータの回転位置を検出するための検出センサとしてレゾルバを有するブラシレスモータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ブラシレスモータの駆動にあたって、駆動用信号を得るための回転角センサとして、例えば、可変リラクタンス型レゾルバが用いられる。この可変リラクタンス型レゾルバは、ロータとステータとで構成される周知のギャップパーミアンスがロータの回転とともに正弦波状に変動することを利用して、ロータの回転位置(回転角度)を検出する。
【0003】
しかしながら、前記ギャップパーミアンスは各部寸法精度、取り付け精度等により大きく影響を受け、特に組み付け時に過大な応力や変形を受けると、検出精度が大きく悪化してしまう。このため、レゾルバのブラシレスモータへの組み付けにあたっては、精度よく所定の位置に固定することが重要である。又、組み付け固定の際、所定以上の応力を加えると、ひずみの発生等による検出精度悪化の原因となる。
【0004】
このため、固定にあたっては、前記要因が発生しないような組み付け方法及び構造が必要である。組み付け方法として、圧入等の応力のかかる方法はとれない。そこで、過大な応力がかからないように組み付ける方法として、従来では、レゾルバのステータを、モータケースにネジやかしめにより締め付け固定する方法が用いられている。特に、モータを振動が大きい用途で使用する場合、かしめによる固定方法では固定力が低下するので、ネジによる固定方法が採用される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、レゾルバ(レゾルバのステータ)は、モータの軸方向一端に設けられるのが一般的である。そのため、モータのロータを回転可能に支持する軸受と近傍位置に配置される。そして、軸受をボール軸受で構成する場合、該ボール軸受は、一般的にモータケースにネジやかしめにより固定され、特にモータを振動が大きい用途で使用する場合には、上記理由によりネジにより固定される。
【0006】
その結果、ボール軸受を固定するネジと、レゾルバのステータを固定するためのネジとが干渉することになり、それを回避するため、モータケースが大型化するといった問題がある。又、ネジが多いため、その締め付け作業が繁雑であり、工数がかかっていた。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、互いに近傍位置にあるレゾルバ用ステータ及びボール軸受の固定構造を簡略化することができるブラシレスモータを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するため、請求項1に記載の発明は、駆動用ステータに供給する駆動電圧を生成すべくロータの回転位置を検出するためのレゾルバを構成する略円環状のレゾルバ用ステータと、該ロータを回転可能に支持するボール軸受とがケース部材内に収容されてなるブラシレスモータであって、前記ケース部材には、前記レゾルバ用ステータを収容して締付部材により固定するための収容固定部が設けられ、それ自身のみ若しくは他部材と協働して前記ボール軸受の外輪を保持する軸受保持部を有する軸受保持部材が、前記収容固定部内に挿入され、前記レゾルバ用ステータの軸方向端面と前記ボール軸受の外輪の軸方向端面との間に介在される。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のブラシレスモータにおいて、前記軸受保持部材は、その一部が前記収容固定部の内径と略同一径で形成された略円環状をなしている。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のブラシレスモータにおいて、前記軸受保持部材は、前記ボール軸受の外輪の軸方向端面を押圧する弾性部を有している。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のブラシレスモータにおいて、前記軸受保持部材は、前記レゾルバ用ステータの外周面を保持する外周保持部と、前記ボール軸受の外輪の外周面を保持する外周保持部とを備えている。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のブラシレスモータにおいて、前記軸受保持部には、前記ボール軸受の外輪の軸方向端面、若しくは該外輪の軸方向端面と外周面とを保持する保持片が全周に亘って設けられている、若しくは周方向に等間隔に設けられている。
【0013】
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、ケース部材には、レゾルバ用ステータを収容して締付部材により固定するための収容固定部が設けられ、それ自身のみ若しくは他部材と協働して前記ボール軸受の外輪を保持する軸受保持部を有する軸受保持部材が、収容固定部内に挿入され、レゾルバ用ステータの軸方向端面とボール軸受の外輪の軸方向端面との間に介在される。つまり、収容固定部に軸受保持部材を挿入し、レゾルバ用ステータの軸方向端面とボール軸受の外輪の軸方向端面との間に介在し、該ステータを締付部材にて固定するだけで、該ステータの固定とともにボール軸受が保持される。このようにレゾルバ用ステータ及びボール軸受を固定するための締付部材を共通化して該ステータ及びボール軸受の固定構造を簡略化することで、締付部材の数を減らすことができ、その分の工数を減らすことができる。又、締付部材の数が増えることによるモータの大型化を防止することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、軸受保持部材は、その一部が収容固定部の内径と略同一径で形成された略円環状をなしている。従って、軸受保持部材の径方向への移動を確実に規制でき、1個の軸受保持部材でボール軸受の外輪を確実に保持することができる。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、軸受保持部材は、ボール軸受の外輪の軸方向端面を押圧する弾性部を有している。従って、弾性部の押圧により、ボール軸受の外輪を確実に保持することができる。又、軸受保持部材の軸受保持部自身のみでボール軸受を保持する構成の場合、この弾性部の押圧によりボール軸受に予圧を付与でき、ボール軸受のがたつきを防止することができる。従って、予圧を付与するための部材を省略することができる。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、軸受保持部材には、レゾルバ用ステータの外周面を保持する外周保持部と、ボール軸受の外輪の外周面を保持する外周保持部とが備えられる。つまり、軸受保持部材にて、レゾルバ用ステータの外周面とボール軸受の外輪の外周面とが同時に保持される。そのため、レゾルバ用ステータとボール軸受との中心軸線のズレを小さくすることができる。これにより、このボール軸受にて支持されるロータ(レゾルバ用ロータ)とレゾルバ用ステータとの中心軸線のズレも小さくなるので、検出精度の高いレゾルバを構成することができる。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、軸受保持部には、ボール軸受の外輪の軸方向端面、若しくは該外輪の軸方向端面と外周面とを保持する保持片が全周に亘って設けられる、若しくは周方向に等間隔に設けられる。従って、このような保持片により、ボール軸受の外輪を確実に保持することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態のブラシレスモータ1を示す。ブラシレスモータ1は、略有底円筒状のモータケース2を有している。モータケース2の内周面には位置決め用段差部2aが形成されており、その段差部2aに当接するようにブラシレスモータ1(ロータ15)を回転駆動するための略円環状の駆動用ステータ3が位置決めされ固着されている。駆動用ステータ3は、略円環状のステータコア4と、該ステータコア4に巻回される巻線5とから構成されている。
【0019】
モータケース2の底部2bの中央には略円筒状の軸受保持部2cが形成されており、該保持部2cにはボール軸受6の外輪6aが挿入されている。ボール軸受6の内輪6bは、後述する回転軸16の先端部寄りに設けた肩部16aに当接するまで圧入され、該回転軸16を回転可能に支持している。回転軸16は、この軸受保持部2cからモータケース2の外部に突出している。
【0020】
モータケース2の開口部2dには、ケース部材を構成し該開口部2dを閉塞すべく所定形状をなす蓋部材7が取り付けられる。蓋部材7には、レゾルバ8を構成するレゾルバ用ステータ9及びボール軸受13を固定すべく軸方向外側に略円筒状に突出した収容固定部7aが形成されている。
【0021】
ここで、前記レゾルバ8は、ブラシレスモータ1のロータ15の回転位置を検出するために設けられている。レゾルバ8を構成するレゾルバ用ステータ9は、板状のステータコア材を軸方向に積層してなる略円環状のステータコア10と、該ステータコア10に巻回される巻線11とから構成されている。
【0022】
レゾルバ用ステータ9は、図2に示すような軸受保持部材12とともに前記収容固定部7aに挿入される。因みに、レゾルバ用ステータ9(ステータコア10)の外径は、前記収容固定部7aの内径より軸受保持部材12の板厚分小さく設定されている。
【0023】
軸受保持部材12は、金属板をプレス加工して形成され、前記収容固定部7aの内周面に沿うように略円環状をなしている。軸受保持部材12は、軸方向一端において、前記レゾルバ用ステータ9と嵌合する嵌合部12aを有している。嵌合部12aは、レゾルバ用ステータ9(ステータコア10)の外周面を保持すべく軸方向に延びる外周保持部12bと、該外周保持部12bから内側に断面L字状に屈曲され該ステータ9の軸方向他端面を保持する端面保持部12cとからなる。嵌合部12aは、前記収容固定部7aの内径と略同一径で形成されている。そして、前記レゾルバ用ステータ9及び軸受保持部材12は、その端面保持部12cが前記収容固定部7aの内周面に設けた位置決め用段差部7bに当接するまで該収容固定部7aに挿入され位置決めされる。軸受保持部材12は、その嵌合部12aがレゾルバ用ステータ9と収容固定部7aとで挟持されることにより固定される。
【0024】
前記軸受保持部材12の軸方向他端には、ボール軸受13の外輪13aを保持するための軸受保持部12dが形成されている。軸受保持部12dは、周方向に等間隔に交互に配置されるそれぞれ3個ずつの外周保持片12e(外周保持部、保持片)及び端面保持片12f(保持片)から構成されている。外周保持片12eは、それぞれ軸方向に延びており、ボール軸受13の外輪13aの外周面を支持する。端面保持片12fは、それぞれ軸直交方向の内側に屈曲されており、ボール軸受13の外輪13aにおける前記レゾルバ用ステータ9と対向する端面(一端面)を支持する。軸受保持部12dは、これ自身のみでボール軸受13の外輪13aを保持している。このような軸受保持部12dにて保持されるボール軸受13は、その内輪13bが後述する回転軸16の基端部寄りに設けた肩部16bに当接するまで圧入され、該回転軸16を回転可能に支持している。尚、この軸受保持部12dは、前記収容固定部7aの内周面との間に隙間を有している。
【0025】
又、前記軸受保持部材12は、嵌合部12aから軸方向に沿って直線状に延び、途中から軸受保持部12dに向かうほど内側に斜めに延びる連結部12gを有している。連結部12gは、前記収容固定部7aの内周面との間に隙間を有している。つまり、連結部12gは、軸方向に弾性を有する弾性部を構成している。そのため、この連結部12gの弾性力によりボール軸受13の外輪13aが軸方向の前記ボール軸受6側に向かって押圧される(予圧が付与される)ので、回転軸16が同方向に押圧され、該ボール軸受13及び前記ボール軸受6のがたつきが防止される。
【0026】
前記軸受保持部材12とともに収容固定部7aに嵌挿されるレゾルバ用ステータ9は、周方向に等間隔に配置される複数個(図1では2個図示)のネジ14(締付部材)にて固定される。即ち、収容固定部7aの端面には、周方向に等間隔に複数個のネジ孔7cが形成されている。ネジ14の頭部には、レゾルバ用ステータ9における軸方向他端面を押さえるフランジ部14aが形成されている。そして、ネジ14がネジ孔7cに螺入されると、ボール軸受13の外輪13a、軸受保持部材12及びレゾルバ用ステータ9が同時に固定される。
【0027】
前記駆動用ステータ3及びレゾルバ用ステータ9の内側には、ロータ15が回転可能に収容されている。ロータ15は、回転軸16と、該回転軸16においてそれぞれ所定位置に固定される駆動用ロータ部17及びレゾルバ用ロータ部18とを備えている。回転軸16は、先端部寄りの所定部位が前記モータケース2に設けられるボール軸受6にて回転可能に支持され、基端部寄りの所定部位が軸受保持部材12に設けられるボール軸受13にて回転可能に支持される。
【0028】
駆動用ロータ部17は、回転軸16に固定される円筒状のロータコア17aと、該ロータコア17aの外周面に固着される複数のマグネット17bとを有している。駆動用ロータ部17は、そのマグネット17bが前記駆動用ステータ3と径方向において対向するように回転軸16の両ボール軸受6,13間に固定されている。
【0029】
レゾルバ用ロータ部18は、前記レゾルバ用ステータ9と径方向において対向するように回転軸16のボール軸受13より軸方向外側に固定されている。レゾルバ用ロータ部18は、板状のロータコア材を軸方向に積層して構成されるものである。そして、このレゾルバ用ロータ部18と前記レゾルバ用ステータ9とで、ブラシレスモータ1のロータ15の回転位置を検出するための可変リラクタンス型のレゾルバ8が構成されている。
【0030】
このように構成されたブラシレスモータ1では、駆動用ステータ3に図示しない駆動回路から正弦波駆動電圧が供給され、ロータ15が回転する。又、このとき、レゾルバ8においてレゾルバ用ロータ部18とレゾルバ用ステータ9とで構成されるギャップパーミアンスがロータ15(ロータ部18)の回転とともに正弦波状に変動することを利用して、ロータ15の回転位置(回転角度)が検出される。そして、レゾルバ8にて検出されたロータ15の回転位置に基づいて駆動回路にて正弦波駆動電圧が生成され、駆動用ステータ3に供給され、ロータ15の回転が継続される。
【0031】
このような本実施形態のブラシレスモータ1は、以下のような特徴がある。
(1)本実施形態では、ボール軸受13の外輪13aを保持する軸受保持部12dを有する軸受保持部材12が、蓋部材7に設けられる収容固定部7a内に挿入され、レゾルバ用ステータ9の軸方向端面とボール軸受13の外輪13aの軸方向端面との間に介在される。つまり、収容固定部7aに軸受保持部材12を挿入し、レゾルバ用ステータ9の軸方向端面とボール軸受13の外輪13aの軸方向端面との間に介在し、該ステータ9をネジ14の締め付けにより固定するだけで、該ステータ9の固定とともにボール軸受13が保持される。このようにレゾルバ用ステータ9及びボール軸受13を固定するための締付部材(ネジ14)を共通化して該ステータ9及びボール軸受13の固定構造を簡略化することで、締付部材の数を減らすことができ、その分の工数を減らすことができる。又、締付部材の数が増えることによるブラシレスモータ1の大型化を防止することができる。
【0032】
(2)本実施形態の軸受保持部材12は、略円環状をなしており、その一部(嵌合部12a)が収容固定部7aの内径と略同一径で形成されている。従って、軸受保持部材12の径方向への移動を確実に規制でき、1個の軸受保持部材12でボール軸受13の外輪13aを確実に保持することができる。
【0033】
(3)本実施形態の軸受保持部材12は、レゾルバ用ステータ9と固定される嵌合部12aと軸受保持部12dとの間の連結部12gが、ボール軸受13の外輪13aの軸方向端面を押圧する弾性を有している。従って、連結部12gの弾性による押圧により、ボール軸受13の外輪13aを確実に保持することができる。又、本実施形態のように軸受保持部12dのみでボール軸受13を保持する構成の場合、この連結部12gの弾性による押圧によりボール軸受13に予圧を付与でき、ボール軸受13のがたつきを防止することができる。従って、予圧を付与するための部材を省略することができる。
【0034】
(4)本実施形態の軸受保持部材12は、レゾルバ用ステータ9の外周面を保持する外周保持部12bと、ボール軸受13の外輪13aの外周面を保持する外周保持片12eとが備えられる。つまり、軸受保持部材12にて、レゾルバ用ステータ9の外周面とボール軸受13の外輪13aの外周面とが同時に保持される。そのため、レゾルバ用ステータ9とボール軸受13との中心軸線のズレを小さくすることができる。これにより、このボール軸受13にて支持されるロータ15(レゾルバ用ロータ部18)とレゾルバ用ステータ9との中心軸線のズレも小さくなるので、検出精度の高いレゾルバ8を構成することができる。
【0035】
(5)本実施形態の軸受保持部材12の軸受保持部12dには、ボール軸受13の外輪13aの軸方向端面と外周面とを保持する保持片12e,12fが周方向に等間隔に設けられている。従って、このような保持片12e,12fにより、ボール軸受13の外輪13aを確実に保持することができる。
【0036】
(6)本実施形態の軸受保持部材12は、金属板をプレス加工して形成されるので、該軸受保持部材12を容易に形成することができる。
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
【0037】
○上記実施形態では、図2に示すような軸受保持部材12を用いたが、この形状に限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
例えば、図3及び図4に示すような軸受保持部材21を用いてもよい。この軸受保持部材21は、前記軸受保持部材12と同一構成の嵌合部21a(外周保持部21b及び端面保持部21c)、連結部21gを備えている。又、軸受保持部材21の軸受保持部21dは、ボール軸受13の外輪13aの外周面を保持する外周保持片21eと該外輪13aの軸方向端面を保持する端面保持片21fとが全周に亘って設けられる。又、軸受保持部材21は、金属板をプレス加工して形成されるものであり、外周保持片21eは、その金属板を折り返すことにより形成されている。このような軸受保持部材21を用いても上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0038】
又、図5及び図7に示すような軸受保持部材22を用いてもよい。この軸受保持部材22は、軸方向一端において、レゾルバ用ステータ9(ステータコア10)の軸方向他端面に当接し、蓋部材7の収容固定部7aの内径と略同一径で形成されるフランジ部22aを有している。又、軸受保持部材22は、前記軸受保持部材12と同一構成の弾性を有する連結部22bを介し、軸方向他端においてボール軸受13の外輪13aの軸方向一端面を押圧して保持する軸受保持部としての端面保持片22cが全周に亘って設けられている。尚、この軸受保持部材22も、金属板をプレス加工して形成されるものである。これに対し、蓋部材7には、ボール軸受13の外輪13aの軸方向他端面に当接する位置決め用段差部7dが形成されている。そして、収容固定部7a内に軸受保持部材22及びレゾルバ用ステータ9を挿入してネジ14により固定することで、ネジ14のフランジ部14aと段差部7dとでボール軸受13の外輪13a、軸受保持部材22及びレゾルバ用ステータ9が挟持され、各部材が同時に固定される。この場合、ボール軸受13の外輪13aは、軸受保持部材22の端面保持片22cと段差部7dとで協働して保持される。このような軸受保持部材22を用いても上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0039】
又、図8に示す軸受保持部材23のように、連結部22b及び端面保持片22cを周方向に等間隔に4個配置した構成としてもよく、図9に示す軸受保持部材24のように、連結部22bのみを周方向に等間隔に4個配置した構成としてもよい。このようにすれば、軸受保持部材23,24の軽量化、材料費の低減を図ることができる。
【0040】
又、これら以外の形状をなす軸受保持部材であってもよく、加工方法もプレス加工に限定されるものではない。
○上記実施形態では、ネジ14のフランジ部14aでレゾルバ用ステータ9の軸方向他端面を押さえて固定するようにしたが、これに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0041】
例えば、図6に示すように、レゾルバ用ステータ9(ステータコア10)に固定部10aが径方向に延出形成され、その固定部10aにネジ14を挿通するネジ挿通孔10bが形成される。又、収容固定部7aには、レゾルバ用ステータ9(ステータコア10)の軸方向他端面と当接する位置決め用段差部7eが形成され、その段差部7eにネジ孔7cが形成されている。そして、レゾルバ用ステータ9がその段差部7eに当接するまで収容固定部7aに挿入され、ネジ14をネジ挿通孔10bを介してネジ孔7cに螺入することで、ボール軸受13の外輪13a、軸受保持部材22及びレゾルバ用ステータ9が同時に固定される。このような固定構造としてもよい。尚、この場合、ステータコア10の直径を大きくして固定部10aを設けてもよく、又、固定部10aのみをステータコア10から延出するようにしてもよい。
【0042】
○上記実施形態では、ブラシレスモータ1のケース部材を、略有底円筒状のモータケース2と該ケース2の開口部2dに取り付けられる蓋部材7とで構成したが、ケース部材の構成はこれに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。例えば、モータケースを軸方向両端が開口する円筒状とし、両開口部に蓋部材をそれぞれ取り付ける構成であってもよい。
【0043】
○上記実施形態のレゾルバ8の構成を適宜変更してもよい。例えば、レゾルバ用ロータ部18をマグネットを用いた構成としてもよい。
○上記実施形態のブラシレスモータ1の構成を、上記以外で適宜変更してもよい。
【0044】
上記各実施形態から把握できる技術的思想を以下に記載する。
(イ) 請求項1〜5のいずれか1項に記載のブラシレスモータにおいて、
前記軸受保持部材は、金属板をプレス加工してなることを特徴とするブラシレスモータ。
【0045】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、互いに近傍位置にあるレゾルバ用ステータ及びボール軸受の固定構造を簡略化することができるブラシレスモータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のブラシレスモータを示す断面図。
【図2】本実施形態の軸受保持部材の斜視図。
【図3】別例におけるレゾルバ部分を示す断面図。
【図4】別例における軸受保持部材の斜視図。
【図5】別例におけるレゾルバ部分を示す断面図。
【図6】別例におけるレゾルバ部分を示す断面図。
【図7】別例における軸受保持部材の斜視図。
【図8】別例における軸受保持部材の斜視図。
【図9】別例における軸受保持部材の斜視図。
【符号の説明】
3…駆動用ステータ、7…ケース部材を構成する他部材としての蓋部材、7a…固定収容部、8…レゾルバ、9…レゾルバ用ステータ、12…軸受保持部材、12b…外周保持部、12d…軸受保持部、12e…外周保持部及び保持片としての外周保持片、12f…保持片としての端面保持片、12g…弾性部を構成する連結部、13…ボール軸受、13a…外輪、14…締付部材としてのネジ、15…ロータ、21…軸受保持部材、21b…外周保持部、21d…軸受保持部、21e…外周保持部及び保持片としての外周保持片、21f…保持片としての端面保持片、21g…弾性部を構成する連結部、22〜24…軸受保持部材、22b…弾性部を構成する連結部、22c…軸受保持部及び保持片としての端面保持片。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロータの回転位置を検出するための検出センサとしてレゾルバを有するブラシレスモータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ブラシレスモータの駆動にあたって、駆動用信号を得るための回転角センサとして、例えば、可変リラクタンス型レゾルバが用いられる。この可変リラクタンス型レゾルバは、ロータとステータとで構成される周知のギャップパーミアンスがロータの回転とともに正弦波状に変動することを利用して、ロータの回転位置(回転角度)を検出する。
【0003】
しかしながら、前記ギャップパーミアンスは各部寸法精度、取り付け精度等により大きく影響を受け、特に組み付け時に過大な応力や変形を受けると、検出精度が大きく悪化してしまう。このため、レゾルバのブラシレスモータへの組み付けにあたっては、精度よく所定の位置に固定することが重要である。又、組み付け固定の際、所定以上の応力を加えると、ひずみの発生等による検出精度悪化の原因となる。
【0004】
このため、固定にあたっては、前記要因が発生しないような組み付け方法及び構造が必要である。組み付け方法として、圧入等の応力のかかる方法はとれない。そこで、過大な応力がかからないように組み付ける方法として、従来では、レゾルバのステータを、モータケースにネジやかしめにより締め付け固定する方法が用いられている。特に、モータを振動が大きい用途で使用する場合、かしめによる固定方法では固定力が低下するので、ネジによる固定方法が採用される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、レゾルバ(レゾルバのステータ)は、モータの軸方向一端に設けられるのが一般的である。そのため、モータのロータを回転可能に支持する軸受と近傍位置に配置される。そして、軸受をボール軸受で構成する場合、該ボール軸受は、一般的にモータケースにネジやかしめにより固定され、特にモータを振動が大きい用途で使用する場合には、上記理由によりネジにより固定される。
【0006】
その結果、ボール軸受を固定するネジと、レゾルバのステータを固定するためのネジとが干渉することになり、それを回避するため、モータケースが大型化するといった問題がある。又、ネジが多いため、その締め付け作業が繁雑であり、工数がかかっていた。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、互いに近傍位置にあるレゾルバ用ステータ及びボール軸受の固定構造を簡略化することができるブラシレスモータを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するため、請求項1に記載の発明は、駆動用ステータに供給する駆動電圧を生成すべくロータの回転位置を検出するためのレゾルバを構成する略円環状のレゾルバ用ステータと、該ロータを回転可能に支持するボール軸受とがケース部材内に収容されてなるブラシレスモータであって、前記ケース部材には、前記レゾルバ用ステータを収容して締付部材により固定するための収容固定部が設けられ、それ自身のみ若しくは他部材と協働して前記ボール軸受の外輪を保持する軸受保持部を有する軸受保持部材が、前記収容固定部内に挿入され、前記レゾルバ用ステータの軸方向端面と前記ボール軸受の外輪の軸方向端面との間に介在される。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のブラシレスモータにおいて、前記軸受保持部材は、その一部が前記収容固定部の内径と略同一径で形成された略円環状をなしている。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のブラシレスモータにおいて、前記軸受保持部材は、前記ボール軸受の外輪の軸方向端面を押圧する弾性部を有している。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のブラシレスモータにおいて、前記軸受保持部材は、前記レゾルバ用ステータの外周面を保持する外周保持部と、前記ボール軸受の外輪の外周面を保持する外周保持部とを備えている。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のブラシレスモータにおいて、前記軸受保持部には、前記ボール軸受の外輪の軸方向端面、若しくは該外輪の軸方向端面と外周面とを保持する保持片が全周に亘って設けられている、若しくは周方向に等間隔に設けられている。
【0013】
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、ケース部材には、レゾルバ用ステータを収容して締付部材により固定するための収容固定部が設けられ、それ自身のみ若しくは他部材と協働して前記ボール軸受の外輪を保持する軸受保持部を有する軸受保持部材が、収容固定部内に挿入され、レゾルバ用ステータの軸方向端面とボール軸受の外輪の軸方向端面との間に介在される。つまり、収容固定部に軸受保持部材を挿入し、レゾルバ用ステータの軸方向端面とボール軸受の外輪の軸方向端面との間に介在し、該ステータを締付部材にて固定するだけで、該ステータの固定とともにボール軸受が保持される。このようにレゾルバ用ステータ及びボール軸受を固定するための締付部材を共通化して該ステータ及びボール軸受の固定構造を簡略化することで、締付部材の数を減らすことができ、その分の工数を減らすことができる。又、締付部材の数が増えることによるモータの大型化を防止することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、軸受保持部材は、その一部が収容固定部の内径と略同一径で形成された略円環状をなしている。従って、軸受保持部材の径方向への移動を確実に規制でき、1個の軸受保持部材でボール軸受の外輪を確実に保持することができる。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、軸受保持部材は、ボール軸受の外輪の軸方向端面を押圧する弾性部を有している。従って、弾性部の押圧により、ボール軸受の外輪を確実に保持することができる。又、軸受保持部材の軸受保持部自身のみでボール軸受を保持する構成の場合、この弾性部の押圧によりボール軸受に予圧を付与でき、ボール軸受のがたつきを防止することができる。従って、予圧を付与するための部材を省略することができる。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、軸受保持部材には、レゾルバ用ステータの外周面を保持する外周保持部と、ボール軸受の外輪の外周面を保持する外周保持部とが備えられる。つまり、軸受保持部材にて、レゾルバ用ステータの外周面とボール軸受の外輪の外周面とが同時に保持される。そのため、レゾルバ用ステータとボール軸受との中心軸線のズレを小さくすることができる。これにより、このボール軸受にて支持されるロータ(レゾルバ用ロータ)とレゾルバ用ステータとの中心軸線のズレも小さくなるので、検出精度の高いレゾルバを構成することができる。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、軸受保持部には、ボール軸受の外輪の軸方向端面、若しくは該外輪の軸方向端面と外周面とを保持する保持片が全周に亘って設けられる、若しくは周方向に等間隔に設けられる。従って、このような保持片により、ボール軸受の外輪を確実に保持することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態のブラシレスモータ1を示す。ブラシレスモータ1は、略有底円筒状のモータケース2を有している。モータケース2の内周面には位置決め用段差部2aが形成されており、その段差部2aに当接するようにブラシレスモータ1(ロータ15)を回転駆動するための略円環状の駆動用ステータ3が位置決めされ固着されている。駆動用ステータ3は、略円環状のステータコア4と、該ステータコア4に巻回される巻線5とから構成されている。
【0019】
モータケース2の底部2bの中央には略円筒状の軸受保持部2cが形成されており、該保持部2cにはボール軸受6の外輪6aが挿入されている。ボール軸受6の内輪6bは、後述する回転軸16の先端部寄りに設けた肩部16aに当接するまで圧入され、該回転軸16を回転可能に支持している。回転軸16は、この軸受保持部2cからモータケース2の外部に突出している。
【0020】
モータケース2の開口部2dには、ケース部材を構成し該開口部2dを閉塞すべく所定形状をなす蓋部材7が取り付けられる。蓋部材7には、レゾルバ8を構成するレゾルバ用ステータ9及びボール軸受13を固定すべく軸方向外側に略円筒状に突出した収容固定部7aが形成されている。
【0021】
ここで、前記レゾルバ8は、ブラシレスモータ1のロータ15の回転位置を検出するために設けられている。レゾルバ8を構成するレゾルバ用ステータ9は、板状のステータコア材を軸方向に積層してなる略円環状のステータコア10と、該ステータコア10に巻回される巻線11とから構成されている。
【0022】
レゾルバ用ステータ9は、図2に示すような軸受保持部材12とともに前記収容固定部7aに挿入される。因みに、レゾルバ用ステータ9(ステータコア10)の外径は、前記収容固定部7aの内径より軸受保持部材12の板厚分小さく設定されている。
【0023】
軸受保持部材12は、金属板をプレス加工して形成され、前記収容固定部7aの内周面に沿うように略円環状をなしている。軸受保持部材12は、軸方向一端において、前記レゾルバ用ステータ9と嵌合する嵌合部12aを有している。嵌合部12aは、レゾルバ用ステータ9(ステータコア10)の外周面を保持すべく軸方向に延びる外周保持部12bと、該外周保持部12bから内側に断面L字状に屈曲され該ステータ9の軸方向他端面を保持する端面保持部12cとからなる。嵌合部12aは、前記収容固定部7aの内径と略同一径で形成されている。そして、前記レゾルバ用ステータ9及び軸受保持部材12は、その端面保持部12cが前記収容固定部7aの内周面に設けた位置決め用段差部7bに当接するまで該収容固定部7aに挿入され位置決めされる。軸受保持部材12は、その嵌合部12aがレゾルバ用ステータ9と収容固定部7aとで挟持されることにより固定される。
【0024】
前記軸受保持部材12の軸方向他端には、ボール軸受13の外輪13aを保持するための軸受保持部12dが形成されている。軸受保持部12dは、周方向に等間隔に交互に配置されるそれぞれ3個ずつの外周保持片12e(外周保持部、保持片)及び端面保持片12f(保持片)から構成されている。外周保持片12eは、それぞれ軸方向に延びており、ボール軸受13の外輪13aの外周面を支持する。端面保持片12fは、それぞれ軸直交方向の内側に屈曲されており、ボール軸受13の外輪13aにおける前記レゾルバ用ステータ9と対向する端面(一端面)を支持する。軸受保持部12dは、これ自身のみでボール軸受13の外輪13aを保持している。このような軸受保持部12dにて保持されるボール軸受13は、その内輪13bが後述する回転軸16の基端部寄りに設けた肩部16bに当接するまで圧入され、該回転軸16を回転可能に支持している。尚、この軸受保持部12dは、前記収容固定部7aの内周面との間に隙間を有している。
【0025】
又、前記軸受保持部材12は、嵌合部12aから軸方向に沿って直線状に延び、途中から軸受保持部12dに向かうほど内側に斜めに延びる連結部12gを有している。連結部12gは、前記収容固定部7aの内周面との間に隙間を有している。つまり、連結部12gは、軸方向に弾性を有する弾性部を構成している。そのため、この連結部12gの弾性力によりボール軸受13の外輪13aが軸方向の前記ボール軸受6側に向かって押圧される(予圧が付与される)ので、回転軸16が同方向に押圧され、該ボール軸受13及び前記ボール軸受6のがたつきが防止される。
【0026】
前記軸受保持部材12とともに収容固定部7aに嵌挿されるレゾルバ用ステータ9は、周方向に等間隔に配置される複数個(図1では2個図示)のネジ14(締付部材)にて固定される。即ち、収容固定部7aの端面には、周方向に等間隔に複数個のネジ孔7cが形成されている。ネジ14の頭部には、レゾルバ用ステータ9における軸方向他端面を押さえるフランジ部14aが形成されている。そして、ネジ14がネジ孔7cに螺入されると、ボール軸受13の外輪13a、軸受保持部材12及びレゾルバ用ステータ9が同時に固定される。
【0027】
前記駆動用ステータ3及びレゾルバ用ステータ9の内側には、ロータ15が回転可能に収容されている。ロータ15は、回転軸16と、該回転軸16においてそれぞれ所定位置に固定される駆動用ロータ部17及びレゾルバ用ロータ部18とを備えている。回転軸16は、先端部寄りの所定部位が前記モータケース2に設けられるボール軸受6にて回転可能に支持され、基端部寄りの所定部位が軸受保持部材12に設けられるボール軸受13にて回転可能に支持される。
【0028】
駆動用ロータ部17は、回転軸16に固定される円筒状のロータコア17aと、該ロータコア17aの外周面に固着される複数のマグネット17bとを有している。駆動用ロータ部17は、そのマグネット17bが前記駆動用ステータ3と径方向において対向するように回転軸16の両ボール軸受6,13間に固定されている。
【0029】
レゾルバ用ロータ部18は、前記レゾルバ用ステータ9と径方向において対向するように回転軸16のボール軸受13より軸方向外側に固定されている。レゾルバ用ロータ部18は、板状のロータコア材を軸方向に積層して構成されるものである。そして、このレゾルバ用ロータ部18と前記レゾルバ用ステータ9とで、ブラシレスモータ1のロータ15の回転位置を検出するための可変リラクタンス型のレゾルバ8が構成されている。
【0030】
このように構成されたブラシレスモータ1では、駆動用ステータ3に図示しない駆動回路から正弦波駆動電圧が供給され、ロータ15が回転する。又、このとき、レゾルバ8においてレゾルバ用ロータ部18とレゾルバ用ステータ9とで構成されるギャップパーミアンスがロータ15(ロータ部18)の回転とともに正弦波状に変動することを利用して、ロータ15の回転位置(回転角度)が検出される。そして、レゾルバ8にて検出されたロータ15の回転位置に基づいて駆動回路にて正弦波駆動電圧が生成され、駆動用ステータ3に供給され、ロータ15の回転が継続される。
【0031】
このような本実施形態のブラシレスモータ1は、以下のような特徴がある。
(1)本実施形態では、ボール軸受13の外輪13aを保持する軸受保持部12dを有する軸受保持部材12が、蓋部材7に設けられる収容固定部7a内に挿入され、レゾルバ用ステータ9の軸方向端面とボール軸受13の外輪13aの軸方向端面との間に介在される。つまり、収容固定部7aに軸受保持部材12を挿入し、レゾルバ用ステータ9の軸方向端面とボール軸受13の外輪13aの軸方向端面との間に介在し、該ステータ9をネジ14の締め付けにより固定するだけで、該ステータ9の固定とともにボール軸受13が保持される。このようにレゾルバ用ステータ9及びボール軸受13を固定するための締付部材(ネジ14)を共通化して該ステータ9及びボール軸受13の固定構造を簡略化することで、締付部材の数を減らすことができ、その分の工数を減らすことができる。又、締付部材の数が増えることによるブラシレスモータ1の大型化を防止することができる。
【0032】
(2)本実施形態の軸受保持部材12は、略円環状をなしており、その一部(嵌合部12a)が収容固定部7aの内径と略同一径で形成されている。従って、軸受保持部材12の径方向への移動を確実に規制でき、1個の軸受保持部材12でボール軸受13の外輪13aを確実に保持することができる。
【0033】
(3)本実施形態の軸受保持部材12は、レゾルバ用ステータ9と固定される嵌合部12aと軸受保持部12dとの間の連結部12gが、ボール軸受13の外輪13aの軸方向端面を押圧する弾性を有している。従って、連結部12gの弾性による押圧により、ボール軸受13の外輪13aを確実に保持することができる。又、本実施形態のように軸受保持部12dのみでボール軸受13を保持する構成の場合、この連結部12gの弾性による押圧によりボール軸受13に予圧を付与でき、ボール軸受13のがたつきを防止することができる。従って、予圧を付与するための部材を省略することができる。
【0034】
(4)本実施形態の軸受保持部材12は、レゾルバ用ステータ9の外周面を保持する外周保持部12bと、ボール軸受13の外輪13aの外周面を保持する外周保持片12eとが備えられる。つまり、軸受保持部材12にて、レゾルバ用ステータ9の外周面とボール軸受13の外輪13aの外周面とが同時に保持される。そのため、レゾルバ用ステータ9とボール軸受13との中心軸線のズレを小さくすることができる。これにより、このボール軸受13にて支持されるロータ15(レゾルバ用ロータ部18)とレゾルバ用ステータ9との中心軸線のズレも小さくなるので、検出精度の高いレゾルバ8を構成することができる。
【0035】
(5)本実施形態の軸受保持部材12の軸受保持部12dには、ボール軸受13の外輪13aの軸方向端面と外周面とを保持する保持片12e,12fが周方向に等間隔に設けられている。従って、このような保持片12e,12fにより、ボール軸受13の外輪13aを確実に保持することができる。
【0036】
(6)本実施形態の軸受保持部材12は、金属板をプレス加工して形成されるので、該軸受保持部材12を容易に形成することができる。
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
【0037】
○上記実施形態では、図2に示すような軸受保持部材12を用いたが、この形状に限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
例えば、図3及び図4に示すような軸受保持部材21を用いてもよい。この軸受保持部材21は、前記軸受保持部材12と同一構成の嵌合部21a(外周保持部21b及び端面保持部21c)、連結部21gを備えている。又、軸受保持部材21の軸受保持部21dは、ボール軸受13の外輪13aの外周面を保持する外周保持片21eと該外輪13aの軸方向端面を保持する端面保持片21fとが全周に亘って設けられる。又、軸受保持部材21は、金属板をプレス加工して形成されるものであり、外周保持片21eは、その金属板を折り返すことにより形成されている。このような軸受保持部材21を用いても上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0038】
又、図5及び図7に示すような軸受保持部材22を用いてもよい。この軸受保持部材22は、軸方向一端において、レゾルバ用ステータ9(ステータコア10)の軸方向他端面に当接し、蓋部材7の収容固定部7aの内径と略同一径で形成されるフランジ部22aを有している。又、軸受保持部材22は、前記軸受保持部材12と同一構成の弾性を有する連結部22bを介し、軸方向他端においてボール軸受13の外輪13aの軸方向一端面を押圧して保持する軸受保持部としての端面保持片22cが全周に亘って設けられている。尚、この軸受保持部材22も、金属板をプレス加工して形成されるものである。これに対し、蓋部材7には、ボール軸受13の外輪13aの軸方向他端面に当接する位置決め用段差部7dが形成されている。そして、収容固定部7a内に軸受保持部材22及びレゾルバ用ステータ9を挿入してネジ14により固定することで、ネジ14のフランジ部14aと段差部7dとでボール軸受13の外輪13a、軸受保持部材22及びレゾルバ用ステータ9が挟持され、各部材が同時に固定される。この場合、ボール軸受13の外輪13aは、軸受保持部材22の端面保持片22cと段差部7dとで協働して保持される。このような軸受保持部材22を用いても上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0039】
又、図8に示す軸受保持部材23のように、連結部22b及び端面保持片22cを周方向に等間隔に4個配置した構成としてもよく、図9に示す軸受保持部材24のように、連結部22bのみを周方向に等間隔に4個配置した構成としてもよい。このようにすれば、軸受保持部材23,24の軽量化、材料費の低減を図ることができる。
【0040】
又、これら以外の形状をなす軸受保持部材であってもよく、加工方法もプレス加工に限定されるものではない。
○上記実施形態では、ネジ14のフランジ部14aでレゾルバ用ステータ9の軸方向他端面を押さえて固定するようにしたが、これに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0041】
例えば、図6に示すように、レゾルバ用ステータ9(ステータコア10)に固定部10aが径方向に延出形成され、その固定部10aにネジ14を挿通するネジ挿通孔10bが形成される。又、収容固定部7aには、レゾルバ用ステータ9(ステータコア10)の軸方向他端面と当接する位置決め用段差部7eが形成され、その段差部7eにネジ孔7cが形成されている。そして、レゾルバ用ステータ9がその段差部7eに当接するまで収容固定部7aに挿入され、ネジ14をネジ挿通孔10bを介してネジ孔7cに螺入することで、ボール軸受13の外輪13a、軸受保持部材22及びレゾルバ用ステータ9が同時に固定される。このような固定構造としてもよい。尚、この場合、ステータコア10の直径を大きくして固定部10aを設けてもよく、又、固定部10aのみをステータコア10から延出するようにしてもよい。
【0042】
○上記実施形態では、ブラシレスモータ1のケース部材を、略有底円筒状のモータケース2と該ケース2の開口部2dに取り付けられる蓋部材7とで構成したが、ケース部材の構成はこれに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。例えば、モータケースを軸方向両端が開口する円筒状とし、両開口部に蓋部材をそれぞれ取り付ける構成であってもよい。
【0043】
○上記実施形態のレゾルバ8の構成を適宜変更してもよい。例えば、レゾルバ用ロータ部18をマグネットを用いた構成としてもよい。
○上記実施形態のブラシレスモータ1の構成を、上記以外で適宜変更してもよい。
【0044】
上記各実施形態から把握できる技術的思想を以下に記載する。
(イ) 請求項1〜5のいずれか1項に記載のブラシレスモータにおいて、
前記軸受保持部材は、金属板をプレス加工してなることを特徴とするブラシレスモータ。
【0045】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、互いに近傍位置にあるレゾルバ用ステータ及びボール軸受の固定構造を簡略化することができるブラシレスモータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のブラシレスモータを示す断面図。
【図2】本実施形態の軸受保持部材の斜視図。
【図3】別例におけるレゾルバ部分を示す断面図。
【図4】別例における軸受保持部材の斜視図。
【図5】別例におけるレゾルバ部分を示す断面図。
【図6】別例におけるレゾルバ部分を示す断面図。
【図7】別例における軸受保持部材の斜視図。
【図8】別例における軸受保持部材の斜視図。
【図9】別例における軸受保持部材の斜視図。
【符号の説明】
3…駆動用ステータ、7…ケース部材を構成する他部材としての蓋部材、7a…固定収容部、8…レゾルバ、9…レゾルバ用ステータ、12…軸受保持部材、12b…外周保持部、12d…軸受保持部、12e…外周保持部及び保持片としての外周保持片、12f…保持片としての端面保持片、12g…弾性部を構成する連結部、13…ボール軸受、13a…外輪、14…締付部材としてのネジ、15…ロータ、21…軸受保持部材、21b…外周保持部、21d…軸受保持部、21e…外周保持部及び保持片としての外周保持片、21f…保持片としての端面保持片、21g…弾性部を構成する連結部、22〜24…軸受保持部材、22b…弾性部を構成する連結部、22c…軸受保持部及び保持片としての端面保持片。
Claims (5)
- 駆動用ステータに供給する駆動電圧を生成すべくロータの回転位置を検出するためのレゾルバを構成する略円環状のレゾルバ用ステータと、該ロータを回転可能に支持するボール軸受とがケース部材内に収容されてなるブラシレスモータであって、
前記ケース部材には、前記レゾルバ用ステータを収容して締付部材により固定するための収容固定部が設けられ、
それ自身のみ若しくは他部材と協働して前記ボール軸受の外輪を保持する軸受保持部を有する軸受保持部材が、前記収容固定部内に挿入され、前記レゾルバ用ステータの軸方向端面と前記ボール軸受の外輪の軸方向端面との間に介在されることを特徴とするブラシレスモータ。 - 請求項1に記載のブラシレスモータにおいて、
前記軸受保持部材は、その一部が前記収容固定部の内径と略同一径で形成された略円環状をなしていることを特徴とするブラシレスモータ。 - 請求項1又は2に記載のブラシレスモータにおいて、
前記軸受保持部材は、前記ボール軸受の外輪の軸方向端面を押圧する弾性部を有していることを特徴とするブラシレスモータ。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載のブラシレスモータにおいて、
前記軸受保持部材は、前記レゾルバ用ステータの外周面を保持する外周保持部と、前記ボール軸受の外輪の外周面を保持する外周保持部とを備えていることを特徴とするブラシレスモータ。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載のブラシレスモータにおいて、
前記軸受保持部には、前記ボール軸受の外輪の軸方向端面、若しくは該外輪の軸方向端面と外周面とを保持する保持片が全周に亘って設けられている、若しくは周方向に等間隔に設けられていることを特徴とするブラシレスモータ。
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