JP2007097327A - モータ - Google Patents
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Abstract
【課題】回転軸の径方向からギヤが噛合されるウォームを有するモータにおいて、電機子の振動を抑制することができるモータを提供する。
【解決手段】モータ8は、径方向からギヤ12が噛合されるウォームを有する回転軸9、及びセグメント29を有し回転軸9に固定された整流子27を備えた電機子24と、セグメント29に摺接するブラシ33,34とを備えている。ブラシ33,34は、ねじりコイルばね35,36によって整流子27の径方向に沿って該整流子27に向かって押圧されている。また、電機子24の外周には、4つの界磁磁石が配置されている。そして、回転軸9のウォームは、回転軸9の軸方向から見て、回転軸9の軸線L1と、ブラシ33,34の整流子27に対する押圧力の合力に沿った直線L2との交点を頂点P1として、直線L2の周方向両側45°となる配置範囲内にギヤ12の径方向の中心O1が配置されるように該ギヤ12が噛合される。
【選択図】図1
【解決手段】モータ8は、径方向からギヤ12が噛合されるウォームを有する回転軸9、及びセグメント29を有し回転軸9に固定された整流子27を備えた電機子24と、セグメント29に摺接するブラシ33,34とを備えている。ブラシ33,34は、ねじりコイルばね35,36によって整流子27の径方向に沿って該整流子27に向かって押圧されている。また、電機子24の外周には、4つの界磁磁石が配置されている。そして、回転軸9のウォームは、回転軸9の軸方向から見て、回転軸9の軸線L1と、ブラシ33,34の整流子27に対する押圧力の合力に沿った直線L2との交点を頂点P1として、直線L2の周方向両側45°となる配置範囲内にギヤ12の径方向の中心O1が配置されるように該ギヤ12が噛合される。
【選択図】図1
Description
本発明は、モータに関するものである。
従来、モータには、周方向に複数配置された界磁磁石の内側に、電機子を回転可能に配置したものが知られている。この電機子は、周方向に間隔を空けて配置された複数個のセグメントを有する整流子と、前記セグメントに電気的に接続される複数のコイルが巻装されたコアとが回転軸に固定されてなる。そして、ピッグテールを介して外部の駆動回路に電気的に接続された陽極側ブラシ及び陰極側ブラシが前記セグメントに摺接されることにより、前記コイルに電流が供給されて回転される。このようなモータでは、様々な要因により電機子が振動する。そして、電機子が振動すると、整流子に摺接された陽極側ブラシ及び陰極側ブラシが振動してしまい、各ブラシに接続されたピッグテールが断線されてしまうことがある。従って、モータにおける電機子の振動抑制が望まれている。
例えば、特許文献1に記載のモータにおいては、奇数個のセグメントを有する整流子に摺接される陽極側ブラシ及び陰極側ブラシは、陽極側ブラシとセグメントとの対向圧接状態と、陰極側ブラシとセグメントとの対向圧接状態とが、整流子の回転位置に拘わらず常に同じとなる位置に配置されている。即ち、陽極側ブラシ及び陰極側ブラシは、陽極側ブラシの周方向の中心がセグメントの周方向の中心に達した時に、陰極側のブラシの周方向の中心が別のセグメントの周方向の中心に達するように配置されている。従って、特許文献1に記載のモータでは、整流のために陽極側ブラシによって短絡されるコイルと、同じく整流のために陰極側ブラシによって短絡されるコイルとが発生する時期が等しくなる。これにより、陽極側ブラシの接触抵抗と、陰極側ブラシの接触抵抗との時間的なずれをなくし、各コイルに供給される電流の電流値が短時間に急激に変化することを抑制して電機子の振動の発生を抑制している。
特開平5−336709号公報
ところで、自動車のエンジンには、エンジン燃焼室へ吸気されるエアの量を制御調整するためのスロットルバルブ装置が装着されている。このスロットルバルブ装置は、エンジン燃焼室に繋がる吸気管を備えており、該吸気管内には回動軸と一体に回動するスロットルバルブが設けられている。そして、モータの駆動力によってスロットルバルブを回動させて吸気管の開閉を行うことにより、エンジン燃焼室に流入されるエアの速度又は方向が制御される。尚、モータに備えられる電機子の回転軸にはウォームが設けられており、電機子の回転は、径方向から前記ウォームに噛合するギヤを含んで構成された減速機構により減速されて回動軸に伝達される。
ここで、電機子の振動という観点に立つと、スロットルバルブを回動させるためのモータでは、エンジンの振動が減速機構を介して回転軸に伝達され、その結果、電機子が振動してしまうという問題がある。そのため、例えば、特許文献1に記載のモータのように、各コイルに供給される電流の電流値が短時間に急激に変化することを抑制するだけでは、電機子の振動によってピッグテールが断線される虞がある。また、ウォームに噛合されるギヤの同ウォームに対する周方向の位置によっても、電機子の振動の度合いが変化することから、当該ギヤの配置位置によってはピッグテールが断線され易くなることもあり、その対策が必要となる。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、回転軸の径方向からギヤが噛合されるウォームを有するモータにおいて、電機子の振動を抑制することができるモータを提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、径方向からギヤが噛合されるウォームを有する回転軸と、周方向に間隔を空けて配置された複数のセグメントを有し前記回転軸に固定された円筒状の整流子とを備えた電機子と、電気的に接続されたピッグテールを有し前記セグメントに摺接して前記電機子に給電を行うための複数のブラシと、前記ブラシを前記整流子の径方向に沿って前記整流子に向かって押圧する押圧手段と、前記電機子の外周に配置された4以上の偶数個の磁極と、を備えたモータであって、前記ウォームは、前記回転軸の軸方向から見て、前記回転軸の軸線と、前記各ブラシの前記整流子に対する押圧力の合力に沿った直線との交点を頂点として、前記直線の周方向両側略45°となる配置範囲内に前記ギヤの径方向の中心が配置されるように前記ギヤが噛合されることをその要旨としている。
同構成によれば、複数のブラシは、押圧手段によって整流子の径方向に沿って同整流子に向かって押圧されていることから、回転軸の軸方向から見ると、複数のブラシの整流子に対する合力は、回転軸の軸線と交差すると共に整流子の径方向に沿ったものとなる。従って、複数のブラシの整流子に対する合力に沿った直線は、回転軸の径方向の中心で回転軸の軸線と交差することになる。また、一般的に、ウォームに対して径方向から噛合するギヤは、ウォームに対し、該ウォームとの接点から該ウォームの径方向の中心に向かうような圧力を加えることになる。即ち、ギヤは、電機子に対し径方向に沿ったの圧力を加えることになる。従って、前記合力に沿った直線と回転軸の軸線との交点を頂点として前記直線の周方向両側略45°となる配置範囲内にギヤの径方向の中心が配置されるようにウォームに対してギヤが噛合されると、ギヤから電機子に対して加えられる圧力の成分のうち、前記直線に沿う方向の成分は、前記直線と直交する方向の成分以上の大きさとなる。このように、ギヤから電機子に加えられる圧力の半分以上が、ブラシの合力に沿った直線に沿うようにギヤが噛合されると、電機子は、ブラシの合力に沿った直線に沿って振動し難くなる。よって、径方向からギヤが噛合されるウォームを有する回転軸を備えたモータは、噛合されるギヤの径方向の中心が配置範囲内に配置されるようにすることにより、電機子の回転時における該電機子の振動を抑制することができる。また、ギヤから電機子に加えられる力の半分以上が、ブラシの合力に沿った直線に沿うようにギヤが噛合されると、電機子の静止時に、ギヤから伝達される振動によって電機子が径方向に振動することも抑制される。これらのことから、回転軸の径方向からギヤが噛合されるウォームを有するモータにおいて、電機子の振動を抑制することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のモータにおいて、前記ブラシは、2つ設けられると共に、互いに周方向に略90°の間隔を空けて配置され、前記磁極は4つであり、前記配置範囲は、前記回転軸の軸方向から見て、前記回転軸の軸線上の一点を頂点として2つの前記ブラシがなす略90°の範囲であることをその要旨としている。
同構成によれば、ウォームと噛合することによりギヤから電機子に対して加えられる圧力の成分のうち、2つのブラシの整流子に対する押圧力の合力の向きと同じ向きとなる成分は、前記合力と直交する方向の成分以上の大きさとなる。従って、電機子は、ギヤ及び2つのブラシによって、主として、2つのブラシの整流子に対する押圧力の合力の方向と同じ一方向に押圧されることから、モータ内における電機子の保持位置が安定し、電機子の振動が抑制される。その結果、整流子に摺接されるブラシの振動が抑制され、ブラシに接続されたピッグテールの断線を抑制することができる。また、配置範囲が2つのブラシの間の略90°の範囲であることから、ギヤの配置位置を決定しやすい。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のモータにおいて、前記ブラシは、2つ設けられると共に、互いに周方向に略90°の間隔を空けて配置され、前記磁極は4つであり、前記配置範囲は、前記回転軸の軸方向から見て、前記回転軸の軸線上の一点を頂点として2つの前記ブラシがなす略90°の範囲に対し、前記頂点を対称の中心として点対称となる範囲であることをその要旨としている。
同構成によれば、ウォームと噛合することによりギヤから電機子に対して加えられる圧力の成分のうち、2つのブラシの整流子に対する押圧力の合力の向きと逆向きとなる成分は、前記合力と直交する方向の成分以上の大きさとなる。従って、電機子は、ギヤ及び2つのブラシによって、主として、2つのブラシの整流子に対する押圧力の合力に沿った直線に沿って二方向に押圧されることから、モータ内における電機子の保持位置が安定し、電機子の振動が抑制される。その結果、整流子に摺接するブラシの振動が抑制され、ブラシに接続されたピッグテールの断線を抑制することができ、ピッグテールの断線を防止するための対策を別途行わなくてもよくなる。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載のモータにおいて、前記ウォームは、前記回転軸の軸方向から見て、2つの前記ブラシの前記整流子に対する押圧力の合力に沿った前記直線上に、前記ギヤの径方向の中心が配置されるように前記ギヤが噛合されることをその要旨としている。
同構成によれば、回転軸の軸方向から見て、ウォームに噛合されるギヤの径方向の中心が、2つのブラシの整流子に対する押圧力の合力に沿った直線上に配置されるため、ギヤから電機子に加えられる圧力は、前記直線に沿うものとなる。そして、ギヤから電機子に対して加えられる圧力が、2つのブラシの整流子に対する押圧力の合力の向きと同じ向きとなる場合には、電機子は、ギヤ及びブラシによって一方向に押圧されることになり、モータ内における電機子の保持位置がより安定し、電機子の振動がより抑制される。一方、ギヤから電機子に対して加えられる圧力が、2つのブラシの整流子に対する押圧力の合力の向きと逆向きとなる場合には、電機子は、ギヤ及びブラシによって前記合力の直線に沿った二方向に押圧されることになり、モータ内における電機子の保持位置がより安定し、電機子の振動がより抑制される。その結果、整流子に摺接するブラシの振動がより抑制され、ブラシに接続されたピッグテールの断線をより抑制することができ、ピッグテールの断線を防止するための対策を別途行わなくてもよくなる。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のモータにおいて、前記回転軸は、滑り軸受により回転可能に支持されていることをその要旨としている。
同構成によれば、回転軸は滑り軸受によって回転可能に支持される。従って、回転軸を回転可能に支持するために、例えば転がり軸受が用いられる場合よりも製造コストを小さく抑えることができる。
同構成によれば、回転軸は滑り軸受によって回転可能に支持される。従って、回転軸を回転可能に支持するために、例えば転がり軸受が用いられる場合よりも製造コストを小さく抑えることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項2乃至請求項5の何れか1項に記載のモータにおいて、自動車のエンジン燃焼室に繋がる筒状の吸気管と、前記吸気管に対して回動可能に設けられた回動軸に固着され前記回動軸と共に回動することにより前記吸気管を開閉可能なスロットルバルブと、前記ギヤを有して構成され前記回転軸の回転を減速して前記回動軸に伝達する減速機構と、を有するスロットルバルブ装置に備えられ、前記電機子は、前記回転軸の軸線が水平となるように配置され、2つの前記ブラシのうち何れか一方は、前記整流子の鉛直方向上側に配置され、2つの前記ブラシのうち何れか他方は、前記押圧手段により前記吸気管の延びる方向に沿って前記整流子に押圧されるように配置されていることをその要旨としている。
同構成によれば、電機子に働く重力により、該電機子の鉛直方向の振動が抑制される。従って、整流子の鉛直方向上側に配置されたブラシの振動が更に抑制される。また、一般的に、スロットルバルブ装置において吸気管の延びる方向の振動は小さいことから、前記押圧手段により吸気管の延びる方向に沿って整流子に押圧されるように配置されたブラシは、振動し難くなる。これらのことから、ピッグテールの断線を更に抑制することができ、ピッグテールの断線を防止するための対策を別途行わなくてもよくなる。
本発明によれば、回転軸の径方向からギヤが噛合されるウォームを有するモータにおいて、電機子の振動を抑制可能なモータを提供することができる。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態にかかるモータの径方向断面図である。このモータは、図2に示すスロットルバルブ装置に備えられている。このスロットルバルブ装置は、自動車のエンジンに装着され、エンジン燃焼室へ吸気されるエアの量を制御調整するための装置である。
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態にかかるモータの径方向断面図である。このモータは、図2に示すスロットルバルブ装置に備えられている。このスロットルバルブ装置は、自動車のエンジンに装着され、エンジン燃焼室へ吸気されるエアの量を制御調整するための装置である。
まず、スロットルバルブ装置について説明する。
図2に示すように、スロットルボディ1には、図2において紙面垂直方向に延びる吸気管2が形成されている。円筒状の吸気管2は、図示しないエンジンシリンダに接続されている。この吸気管2の径方向の両側(図2においては左右方向の両側)には、支持部材3,4がそれぞれ形成されており、この支持部材3,4によって吸気管2内を横切る回動軸5が回動可能に支持されている。回動軸5には、スロットルバルブ6が一体回動可能に固定されている。スロットルバルブ6は、吸気管2内で回動軸5を中心に回動することにより吸気管2を開閉し、該吸気管2を通過してエンジン燃焼室Rへ流入するエアの量を調整する。
図2に示すように、スロットルボディ1には、図2において紙面垂直方向に延びる吸気管2が形成されている。円筒状の吸気管2は、図示しないエンジンシリンダに接続されている。この吸気管2の径方向の両側(図2においては左右方向の両側)には、支持部材3,4がそれぞれ形成されており、この支持部材3,4によって吸気管2内を横切る回動軸5が回動可能に支持されている。回動軸5には、スロットルバルブ6が一体回動可能に固定されている。スロットルバルブ6は、吸気管2内で回動軸5を中心に回動することにより吸気管2を開閉し、該吸気管2を通過してエンジン燃焼室Rへ流入するエアの量を調整する。
また、前記スロットルボディ1には、吸気管2よりも下方となる位置にモータ収容凹部7が形成されており、該モータ収容凹部7には、前記回動軸5を回動させるためのモータ8、即ち本実施形態にかかるモータ8が収容されている。尚、モータ収容凹部7の開口部は、前記支持部材3によって閉塞されている。モータ収容凹部7に収容されたモータ8は、その回転軸9の軸線L1が水平となるように、且つ回転軸9の軸線L1が前記吸気管の延びる方向と直交するように配置されている。このモータ8は、スロットルバルブ装置の外部に設けられた制御部11によりその駆動が制御される。
前記回動軸5の一端(図2において左側の端)は、複数のギヤ12〜14から構成された減速機構15を介して前記モータ8の回転軸9に連結されている。尚、回動軸5には、戻しばね16が設けられており、この戻しばね16はスロットルバルブ6が吸気管2を閉じる方向に回動するように回動軸5を常時付勢している。従って、モータ8が駆動されると、モータ8の回転は減速機構15を介して回動軸5に伝達され、該回動軸5が回動することによりスロットルバルブ6が吸気管2を開けるように回動する。一方、スロットルバルブ6が吸気管2を開けるように駆動されないときは、戻しばね16により回動軸5が付勢されるため、スロットルバルブ6は吸気管2を閉じている。
また、前記支持部材4には、スロットルバルブ6の回動に応じた検出信号を出力する開度センサ17が設けられている。前記制御部11は、開度センサ17からの検出信号、及び自動車の室内に設けられたアクセルペダルの踏み込み量、エンジン回転数、車速等の信号が入力されると、それらの信号に基づいてモータ8を制御する。つまり、制御部11は、アクセルペダルの踏み込み量、エンジン回転数、車速等の信号に応じてスロットルバルブの回動量を調整し、吸気管2に接続されたエンジンシリンダ(図示略)内に流入させるエアの速度及び方向を制御する。
詳しくは、制御部11は、前記各種信号が入力されると、それらの信号に基づいてスロットルバルブ6の目標開度を設定し、開度センサ17からの検出信号がその目標開度に達するようにモータ8を駆動する。そして、制御部11は、スロットルバルブ6の開度が目標開度に達したとき、スロットルバルブ6の開度を保持すべく回転軸9の回転位置を一定に保持する。
次に、モータ8について説明する。
図1に示すように、モータ8のヨークハウジング21は、磁気透過性を有する材料よりなり、有底円筒状をなしている。そして、ヨークハウジング21の開口部は、隅丸長方形の板状をなす軸受ホルダ22により閉塞されている。
図1に示すように、モータ8のヨークハウジング21は、磁気透過性を有する材料よりなり、有底円筒状をなしている。そして、ヨークハウジング21の開口部は、隅丸長方形の板状をなす軸受ホルダ22により閉塞されている。
図3は、モータ8をヨークハウジング21の開口部側から見た図である。図3に示すように、ヨークハウジング21の内周面には、4つの界磁磁石23が接着固定されている。即ち、モータ8は、4つの界磁磁石23を有することにより、4つの磁極を備えている。そして、ヨークハウジング21内において、界磁磁石23よりも径方向内側には、電機子24が配置されている。図3においては、電機子24を一点鎖線にて図示している。
ヨークハウジング21の底部21aの中央には、円環状の滑り軸受25が固設されており、該滑り軸受25の内周面には軸受メタル25aが固定されている。また、図1に示すように、軸受ホルダ22において、滑り軸受25と軸方向に対向する位置には、円環状の滑り軸受26が固設されている。この滑り軸受26の内周面にも、滑り軸受25と同様に、軸受メタル(図示略)が固定されている。そして、電機子24の回転軸9は、これら滑り軸受25,26によって回転可能に支持されている。尚、滑り軸受25の軸受メタル25aの内周面及び滑り軸受26の軸受メタルの内周面と、回転軸9の外周面との間には、該軸受メタル内に含浸された潤滑剤が介在されており、この潤滑剤によって、回転軸9の回転が滑らかなものとされている。
図2に示すように、回転軸9の一端は、軸受ホルダ22の中央部から、該軸受ホルダ22及びヨークハウジング21により形成される空間の外部に突出している。そして、回転軸9の外部に突出した部位には、前記減速機構15の第1減速ギヤ12と噛合するウォーム9aが形成されている。
また、図1に示すように、回転軸9には、滑り軸受25,26間となる部位に、コア(図示略)が固定されている。このコアには、複数のコイル(図示略)が重ね巻にて巻回されている。更に、回転軸9には、コアと滑り軸受26との間となる部位に、整流子27が固定されている。整流子27は、絶縁性を有する円筒状の絶縁体28と、該絶縁体28の外周面に固着された複数(本実施形態では8つ)のセグメント29とから構成されている。複数のセグメント29は、周方向に隣り合うセグメント29との間に間隔を空けて配置されており、各セグメント29には、前記コイルの端部が電気的に接続されている。また、互いの間隔が周方向に180°となるセグメント29同士は、短絡線(図示略)により電気的に接続されている。
前記軸受ホルダ22において、ヨークハウジング21と軸方向に対向する部位には、筒状のブラシホルダ31,32が配設されている。ブラシホルダ31,32は、その一端開口部が整流子27に対向すると共に、その長手方向が整流子27の径方向に沿うように配置されている。また、2つのブラシホルダ31,32は、回転軸9の軸方向から見て、回転軸9の軸線L1上の一点を頂点P1として互いに90°をなすように配置されている。そして、ブラシホルダ31には陽極側ブラシ33が収容され、ブラシホルダ32には陰極側ブラシ34が収容されている。これらの陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34は、略直方体状をなしている。因みに、本実施形態のモータ8においては、互いに180°をなすセグメント29同士が短絡線にて短絡されていることから、陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34は、それぞれ1つずつ設けられる。
陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34は、それぞれブラシホルダ31に収容されることにより、周方向に互いに90°の間隔を開けて配置される。また、陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34は、その先端が整流子27の外周面、即ちセグメント29に摺接されると共に、その後端がねじりコイルばね35,36(押圧手段)によって整流子27側に押圧されている。ねじりコイルばね35,36は軸受ホルダ22に固定されていると共に、本実施形態では、ねじりコイルばね35とねじりコイルばね36との押圧力は同等になっている。
陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34は、ねじりコイルばね35,36によって整流子27の径方向に沿って整流子27に向かって押圧されることにより、整流子27を径方向に沿って押圧する。そして、陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34の整流子27に対する押圧力の合力は、図1において、回転軸9の軸線L1上の一点を始点とすると、矢印αにて示す方向に向かう力となる。詳しくは、陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34の整流子27に対する押圧力の合力は、回転軸9の軸方向から見て、回転軸9の軸線L1上の一点を始点とすると、回転軸9の軸線L1上の一点を頂点P1として陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34がなす270°の範囲を二分する方向に向かう力となる。
また、陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34におけるコア側(軸受ホルダと逆側)の面には、ピッグテール37,38の一端が電気的に接続されている。ピッグテール37,38の他端は、前記制御部11に電気的に接続される給電用ターミナル41,42に電気的に接続されている。そして、ブラシホルダ31,32におけるコア側の側壁には、径方向に沿って溝31a,32aが形成されており、当該溝31a,32a内にピッグテール37,38が配置されることにより、ピッグテール37,38が接続された陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34の径方向の移動が可能となっている。
前記軸受ホルダ22の四隅には、取付け孔22aが形成されており、軸受ホルダ22は、これらの取付け孔22aに螺子等が挿通されて締め付けられることにより前記支持部材3に対して固定される。これにより、図2に示すように、モータ8は、支持部材3に対して固定される。そして、モータ8は、支持部材3に固定された状態で、前記モータ収容凹部7内に収容されている。また、モータ8がモータ収容凹部7内に収容された状態では、回転軸9は、の軸線L1が水平となるように配置され、これにより、電機子24は水平に配置されている。更に、モータ8がモータ収容凹部7内に収容された状態では、回転軸9において、ヨークハウジング21及び軸受ホルダ22に囲まれた空間から突出した部分、即ち、ウォーム9aが形成された部分は、支持部材3を突き抜けて、モータ収容凹部7から突出している。尚、図1においては、支持部材3の図示を省略している。
また、図1及び図2に示すように、モータ収容凹部7内に収容されたモータ8においては、陽極側ブラシ33は、整流子27の鉛直方向上側で、ねじりコイルばね35により鉛直方向に沿って押圧されるように配置される。一方、陰極側ブラシ34は、ねじりコイルばね36によって吸気管2の延びる方向に沿って押圧されるように配置される。従って、陽極側ブラシ33の整流子27に対する押圧力は上下方向に沿い、陰極側ブラシの整流子に対する押圧力は吸気管2の延びる方向に沿うことになる。
そして、モータ収容凹部7内に収容されたモータ8のウォーム9aには、図1に示すように、回転軸9の軸方向から見て、その径方向の中心O1が、陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34の整流子27に対する押圧力の合力に沿った直線L2上に配置された第1減速ギヤ12が噛合される。詳しくは、本第1実施形態では、第1減速ギヤ12は、陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34がなす90°の範囲内で、その径方向の中心O1が前記直線L2上に配置される。従って、ウォーム9aと噛合することにより第1減速ギヤ12が該ウォーム9aに加える圧力の方向は、陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34の整流子27に対する押圧力の合力の方向と同じ方向となる。その結果、電機子24は、陽極側ブラシ33、陰極側ブラシ34及び第1減速ギヤ12によって直線L2に沿った一方向に押圧されるため、第1減速ギヤ12が他の位置からウォーム9aに噛合される場合よりも、モータ8内における該電機子24の保持位置が安定し、振動し難くなる。
因みに、本実施形態のモータ8を4極のモータとしたのは、2極のモータに比べて、ブラシ間に形成される並列回路の対数が多くなり、モータの体格が同じ場合には、ブラシ間の巻線抵抗が小さくなる等の理由からである。詳しくは、4極のモータにおけるブラシ間の並列回路の対数は「4」であるが、2極のモータにおけるブラシ間の並列回路の対数は「2」である。従って、巻線数が同数の場合には、2極のモータよりも4極のモータの方がブラシ間の巻線抵抗が小さくなる。このように、巻線抵抗が小さくなると、同じ体格であっても、出力トルクを大きくすることができる。
上記のように構成されたモータ8では、制御部11により、ピッグテール37,38及びブラシ33,34を介してコイルに通電されると、電機子24が回転する。電機子24の回転は、回転軸9からウォーム9aに噛合された第1減速ギヤ12に伝達され、回動軸5に伝達される。
上記したように、本第1実施形態によれば、以下の作用・効果を有する。
(1)回転軸9の軸方向から見て、ウォーム9aに噛合される第1減速ギヤ12の径方向の中心O1が、陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34の整流子27に対する押圧力の合力に沿った直線L2上に配置されるため、第1減速ギヤ12から加えられる圧力は、前記直線L2に沿うものとなる。そして、本第1実施形態のように、第1減速ギヤ12から電機子24に対して加えられる圧力が、陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34の整流子27に対する合力の向きと同じ向きとなる場合には、電機子24は、第1減速ギヤ12及び陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34によって直線L2に沿った一方向に押圧されることになる。このように、第1減速ギヤ12、陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34によって直線L2に沿った一方向に電機子24が押圧されることにより、モータ8内における該電機子24の保持位置が安定し、電機子24の振動が抑制される。その結果、整流子27に摺接する陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34の振動が抑制され、陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34に接続されたピッグテール37,38の断線を抑制することができ、ピッグテール37,38の断線を防止するための対策を別途行わなくてもよくなる。
(1)回転軸9の軸方向から見て、ウォーム9aに噛合される第1減速ギヤ12の径方向の中心O1が、陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34の整流子27に対する押圧力の合力に沿った直線L2上に配置されるため、第1減速ギヤ12から加えられる圧力は、前記直線L2に沿うものとなる。そして、本第1実施形態のように、第1減速ギヤ12から電機子24に対して加えられる圧力が、陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34の整流子27に対する合力の向きと同じ向きとなる場合には、電機子24は、第1減速ギヤ12及び陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34によって直線L2に沿った一方向に押圧されることになる。このように、第1減速ギヤ12、陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34によって直線L2に沿った一方向に電機子24が押圧されることにより、モータ8内における該電機子24の保持位置が安定し、電機子24の振動が抑制される。その結果、整流子27に摺接する陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34の振動が抑制され、陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34に接続されたピッグテール37,38の断線を抑制することができ、ピッグテール37,38の断線を防止するための対策を別途行わなくてもよくなる。
(2)回転軸9は、滑り軸受25,26によって回転可能に支持されている。従って、回転軸9を回転可能に支持するために、例えば転がり軸受が用いられる場合よりも製造コストを小さく抑えることができる。また、本実施形態のように、滑り軸受25,26の内周面に軸受メタル25aが固定されている場合、回転軸9の回転によって各軸受メタル25aが摩耗し、回転軸9と各軸受メタル25aとの間のクリアランスが大きくなることがある。回転軸9と各軸受メタル25aとの間のクリアランスが大きくなると、電機子24が振動し易くなるが、本実施形態では、電機子24は、第1減速ギヤ12、陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34によって直線L2に沿った一方向に押圧されることから、電機子24の振動は抑制される。そして、電機子24の振動が抑制されることから、各軸受メタル25aの摩耗を抑制することができ、各軸受メタル25aの寿命を長くすることができる。
(3)モータ8がモータ収容凹部7内に収容された状態では、電機子24は、水平に配置されている。また、同状態では、陽極側ブラシ33は、整流子27の鉛直方向上側に配置され、陰極側ブラシ34は、ねじりコイルばね36によって吸気管2の延びる方向に沿って押圧されるように配置されている。従って、電機子24に働く重力により、該電機子24の振動が抑制され、ひいては、電機子24の鉛直方向上側に配置された陽極側ブラシ33の振動が更に抑制される。また、一般的に、スロットルバルブ装置において吸気管2の延びる方向の振動は小さいことから、ねじりコイルばね36により吸気管2の延びる方向に沿って整流子27に押圧されるように配置された陰極側ブラシ34は、振動し難くなる。これらのことから、ピッグテール37,38の断線を更に抑制することができ、ピッグテール37,38の断線を防止するための対策を別途行わなくてもよくなる。
(4)一般的に、モータ8の始動時は、モータ8の温度が低いため、滑り軸受25の軸受メタル25a及び滑り軸受26の軸受メタルと回転軸9との間に介在された潤滑剤の潤滑作用が十分に発揮されないことがある。このように、潤滑剤の潤滑作用が十分に発揮されないと、各軸受メタル25aと回転軸9との間の摺動が滑らかでなくなり、回転軸9が振動して異音が発生することがある。しかしながら、本実施形態では、電機子24は、第1減速ギヤ12、陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34によって直線L2に沿った一方向に押圧されることから、潤滑剤の潤滑作用が十分に発揮されないために発生する回転軸9の振動を抑制し、異音の発生を抑制することができる。
(5)モータ8は、4つの界磁磁石23を備えることにより4つの磁極を有している。従って、6極以上の磁極を備えるモータよりも、界磁磁石の数が少なくてすむため、6極以上の磁極を備えるモータよりも小型化しやすい。
(6)互いの間隔が周方向に180°となるセグメント29同士が、短絡線により電気的に接続されていることから、陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34はそれぞれ1つずつ備えられている。従って、陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34がそれぞれ2つずつ備えられた場合に比べて、全ブラシと整流子27との間の摺動抵抗が小さくなる。その結果、電機子24の空転を阻止する方向に働く空転阻止トルクが小さくなる。よって、モータ8への通電を停止した時に、戻しばね16の付勢力により回動される回動軸5の回動を妨げることが抑制され、スロットルバルブ6の閉動作の応答性を向上させることができる。
(7)モータ8が高トルク化されると、電機子に供給される電流量が大きくなる。すると、ピッグテール37,38が発熱することから、ピッグテール37,38は断線されやすくなる。しかしながら、本実施形態では、第1減速ギヤ12、陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34によって直線L2に沿った一方向に電機子24を押圧して該電機子24の振動を抑制しているため、モータ8を高トルク化した場合であっても、ピッグテール37,38の断線を抑制することができる。
(第2実施形態)
以下、本発明を具体化した第2実施形態を図面に従って説明する。尚、上記第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
以下、本発明を具体化した第2実施形態を図面に従って説明する。尚、上記第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図4に示すように、本第2実施形態では、ウォーム9aに噛合される第1減速ギヤ12の配置位置が上記第1実施形態と異なる。言い換えると、本第2実施形態では、第1実施形態と比較して、陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34に対する第1減速ギヤ12の配置位置が異なる。
詳述すると、モータ収容凹部7内に収容されたモータ8のウォーム9aには、上記第1実施形態と同様に、回転軸9の軸方向から見て、その径方向の中心O1が、陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34の整流子27に対する押圧力の合力に沿った直線L2上に配置された第1減速ギヤ12が噛合される(図1参照)。そして、本第2実施形態では、第1減速ギヤ12は、回転軸9の軸方向から見て、前記回転軸9の軸線L1上の一点を頂点P1として陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34がなす90°の範囲A1に対し、前記頂点P1を対称の中心として点対称となる範囲A2内で、その径方向の中心O1が前記直線L2上に配置される。従って、ウォーム9aと噛合することにより第1減速ギヤ12が該ウォーム9aに加える圧力の方向は、陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34の整流子27に対する押圧力の合力の方向と逆方向となる。その結果、電機子24は、陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34と、第1減速ギヤ12とによって、前記直線L2に沿って互いに逆向きとなる二方向に押圧されることから、第1減速ギヤ12が他の位置からウォーム9aに噛合される場合よりも、軸受メタル25aの内側で回転軸9の位置が安定する。よって、モータ8内における該電機子24の保持位置が安定し、電機子24は振動し難くなる。
尚、陰極側ブラシ34及び陽極側ブラシ33の整流子27に対する押圧力の合力の大きさと、第1減速ギヤから電機子24に加えられる圧力の大きさとが同等である場合には、回転軸9の軸線L1がモータ8の中心に位置し易く、電機子24の振動をより抑制することができる。
上記したように、本第2実施形態によれば、上記第1実施形態の(2),(3),(5),(6)の作用・効果に加えて、以下の作用・効果を有する。
(1)回転軸9の軸方向から見て、ウォーム9aに噛合される第1減速ギヤ12の径方向の中心O1が、陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34の整流子27に対する押圧力の合力に沿った直線L2上に配置されるため、第1減速ギヤ12から加えられる圧力は、前記直線L2に沿うものとなる。そして、本第2実施形態のように、第1減速ギヤ12から電機子24に対して加えられる圧力が、陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34の整流子27に対する合力の向きと逆向きとなる場合には、電機子24は、第1減速ギヤ12、陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34によって直線L2に沿った二方向に押圧されることになる。従って、電機子24は、第1減速ギヤ12及び陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34によって直線L2に沿った二方向に押圧されることにより、モータ8内における該電機子24の保持位置が安定し、電機子24の振動が抑制される。その結果、整流子27に摺接する陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34の振動が抑制され、陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34に接続されたピッグテール37,38の断線を抑制することができピッグテール37,38の断線を防止するための対策を別途行わなくてもよくなる。
(1)回転軸9の軸方向から見て、ウォーム9aに噛合される第1減速ギヤ12の径方向の中心O1が、陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34の整流子27に対する押圧力の合力に沿った直線L2上に配置されるため、第1減速ギヤ12から加えられる圧力は、前記直線L2に沿うものとなる。そして、本第2実施形態のように、第1減速ギヤ12から電機子24に対して加えられる圧力が、陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34の整流子27に対する合力の向きと逆向きとなる場合には、電機子24は、第1減速ギヤ12、陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34によって直線L2に沿った二方向に押圧されることになる。従って、電機子24は、第1減速ギヤ12及び陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34によって直線L2に沿った二方向に押圧されることにより、モータ8内における該電機子24の保持位置が安定し、電機子24の振動が抑制される。その結果、整流子27に摺接する陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34の振動が抑制され、陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34に接続されたピッグテール37,38の断線を抑制することができピッグテール37,38の断線を防止するための対策を別途行わなくてもよくなる。
(2)本実施形態では、電機子24は、陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34の整流子27に対する押圧力の合力に沿った直線L2に沿って一方向に押圧されるのではなく、同直線L2に沿った二方向に押圧される。従って、回転軸9の外周面と各軸受メタル25aの内周面との間の摺動抵抗が、上記第1実施形態よりも小さくなる。よって、上記第1実施形態に比べて、電機子24の空転を阻止する方向に働く空転阻止トルクが小さくなることから、モータ8への通電を停止した時に、戻しばね16の付勢力により回動される回動軸5の回動を妨げることがより抑制され、スロットルバルブ6の閉動作の応答性をより向上させることができる。また、電機子24が前記直線L2に沿った二方向に押圧されると、回転軸9が各軸受メタル25aを局所的に押圧する力が上記第1実施形態と比べて小さくなる。よって、上記第1実施形態よりも軸受メタル25aの寿命を長くすることができる。
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記各実施形態では、界磁磁石23は、ヨークハウジング21に対して接着により固定されているが、ヨークハウジング21に対して固着されるのであれば、接着以外の方法で固定されるものであってもよい。例えば、周方向に隣り合う界磁磁石23間に、スプリングを配置し、このスプリングによってヨークハウジング21に対して界磁磁石23が固定される構成としてもよい。
・上記各実施形態では、界磁磁石23は、ヨークハウジング21に対して接着により固定されているが、ヨークハウジング21に対して固着されるのであれば、接着以外の方法で固定されるものであってもよい。例えば、周方向に隣り合う界磁磁石23間に、スプリングを配置し、このスプリングによってヨークハウジング21に対して界磁磁石23が固定される構成としてもよい。
・上記各実施形態では、ブラシホルダ31に陽極側ブラシ33が収容され、ブラシホルダ32に陰極側ブラシ34が収容されているが、ブラシホルダ31に陰極側ブラシ34が収容され、ブラシホルダ32に陽極側ブラシ33が収容されてもよい。
・上記各実施形態では、モータ8は、回転軸9の軸線L1が水平となるように配置されているが、第1減速ギヤ12が径方向からウォーム9aに噛合されるのであれば、モータ8の配置の方向はこれに限らない。例えば、モータ8は、回転軸9の軸線L1が鉛直方向に沿うように配置されてもよい。
・上記各実施形態では、4つの界磁磁石23を備えることにより4つの磁極が設けられているが、ゴムマグネット等を利用して、界磁磁石を1つとしてもよい。この場合、1つのゴムマグネットは、4つの磁極を有する。また、2つの界磁磁石を備えることにより4つの磁極が設けられる構成としてもよい。
・上記各実施形態では、回転軸9は、滑り軸受25,26により回転可能に支持されている。しかしながら、回転軸9は、転がり軸受によって回転可能に支持されてもよい。
・上記実施形態では、陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34を整流子27の径方向に沿って整流子27に向かって押圧する押圧手段として、ねじりコイルばね35,36を用いたが、押圧手段は、陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34を押圧可能なものであればこれに限らない。例えば、押圧手段は、圧縮コイルばねであってもよい。
・上記実施形態では、陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34を整流子27の径方向に沿って整流子27に向かって押圧する押圧手段として、ねじりコイルばね35,36を用いたが、押圧手段は、陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34を押圧可能なものであればこれに限らない。例えば、押圧手段は、圧縮コイルばねであってもよい。
・上記各実施形態では、モータ8は、4つの磁極を備えているが、4より大きい偶数個の磁極を備えるものであってもよい。この場合、ブラシの数は2つに限らず、適宜変更してもよい。但し、磁極の数が6以上となる場合であって、陽極側ブラシ及び陰極側ブラシをそれぞれ1つずつ備える場合には、互いのブラシの整流子に対する押圧力の合力が零とならないように配置されるのであれば、2つのブラシ間の間隔は90°でなくてもよい。また、電機子が水平に配置される場合には、押圧手段により押圧される複数のブラシの整流子に対する押圧力の方向が、水平方向に沿うように、若しくは水平方向より上向きとなるように各ブラシを配置するとよい。このようにすると、電機子に働く重力により、ブラシの整流子に対する押圧力が打ち消されることが防止される。
・上記各実施形態では、モータ収容凹部7内に収容されたモータ8のウォーム9aには、回転軸9の軸方向から見て、その径方向の中心O1が、陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34の整流子27に対する押圧力の合力に沿った直線L2上に配置された第1減速ギヤ12が噛合される。しかしながら、ウォーム9aは、直線L2上にその径方向の中心O1が配置された第1減速ギヤ12が噛合されるものでなくてもよい。即ち、第1減速ギヤ12の配置位置は、上記各実施形態にて例示した位置に限らない。第1減速ギヤ12は、回転軸9の軸方向から見て、回転軸9の軸線L1と、複数のブラシの整流子27に対する押圧力の合力に沿った直線との交点を頂点として、当該直線の周方向両側略45°となる配置範囲内に第1減速ギヤ12の径方向の中心O1が配置されるように、前記ウォーム9aに対して噛合されればよい。即ち、ウォーム9aは、前記配置範囲内に径方向の中心O1が配置された第1減速ギヤ12に噛合されればよい。尚、略45°とは、45°を含むと共に、45°よりも数度程度小さい値をも含む値である。また、「複数のブラシの整流子27に対する押圧力の合力に沿った直線」は、図示はしないが、以下、説明の便宜上、符号「L3」を付すことにする。
このようにすると、複数のブラシは、押圧手段によって整流子27の径方向に沿って同整流子27に向かって押圧されていることから、回転軸9の軸方向から見ると、複数のブラシの整流子に対する合力は、回転軸9の軸線L1と交差すると共に整流子27の径方向に沿ったものとなる。従って、複数のブラシの整流子27に対する合力に沿った直線L3は、回転軸9の径方向の中心で回転軸9の軸線L1と交差することになる。また、一般的に、ウォーム9aに対して径方向から噛合する第1減速ギヤ12は、ウォーム9aに対し、該ウォーム9aとの接点から該ウォーム9aの径方向の中心に向かうような圧力を加えることになる。即ち、第1減速ギヤ12は、電機子24に対し径方向に沿った圧力を加えることになる。従って、直線L3の周方向両側略45°となる配置範囲内に第1減速ギヤ12の径方向の中心が配置されるように、ウォーム9aに第1減速ギヤ12が噛合されると、第1減速ギヤ12から電機子24に対して加えられる圧力の成分のうち、直線L3に沿う方向の成分は、直線L3と直交する方向の成分以上の大きさとなる。このように、第1減速ギヤ12から電機子24に加えられる圧力の半分以上が、ブラシの合力に沿った直線L3に沿うようにギヤが噛合されると、電機子24は、ブラシの合力に沿った直線L3に沿って振動し難くなる。よって、径方向から第1減速ギヤ12が噛合されるウォーム9aを有する回転軸9を備えたモータ8は、噛合される第1減速ギヤ12の径方向の中心が配置範囲内に配置されるようにすることにより、電機子24の回転時における該電機子24の振動を抑制することができる。また、第1減速ギヤ12から電機子24に加えられる圧力の半分以上が、ブラシの合力に沿った直線L3に沿うように第1減速ギヤ12が噛合されると、電機子24の静止時に、第1減速ギヤ12から伝達される振動によって電機子24が径方向に振動することも抑制される。これらのことから、回転軸9の径方向から第1減速ギヤ12が噛合されるウォーム9aを有するモータ8において、電機子24の振動を抑制することができる。
従って、例えば、上記各実施形態のモータ8においては、図5に示すように、回転軸9の軸方向から見て、回転軸9の軸線L1上の一点を頂点P1として陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34がなす90°の範囲を第1減速ギヤ12の径方向の中心O1が配置される配置範囲A3としてもよい。また、回転軸9の軸方向から見て、回転軸9の軸線L1上の一点を頂点P1として陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34がなす90°の範囲に対し、前記頂点P1を対称の中心として点対称となる範囲を配置範囲A4としてもよい。
・回転軸9の軸線L1が水平となるようにモータ8(電機子24)が配置される場合には、ウォーム9aは、陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34の整流子27に対する押圧力と、電機子24に働く重力との合力に沿った直線上に、第1減速ギヤ12の径方向の中心O1が配置されるように該第1減速ギヤ12が噛合される構成であってもよい。このようにしても、上記各実施形態と同様に、電機子24を、陽極側ブラシ33及び陰極側ブラシ34の整流子27に対する押圧力と電機子24に働く重力との合力に沿った直線に沿った一方向若しくは二方向に押圧することができる。よって、回転軸9の径方向から第1減速ギヤ12が噛合されるウォーム9aを有するモータ8において、電機子24の振動を抑制することができる。
・上記各実施形態では、モータ8は、スロットルバルブ装置に用いられているが、スロットルバルブ装置以外に、ウォーム9aに対して径方向からギヤが噛合される装置に用いられてもよい。
上記各実施形態、及び上記各変更例から把握できる技術的思想を以下に記載する。
(イ)請求項1に記載のモータにおいて、前記電機子は、前記回転軸が水平となるように配置され、前記ウォームは、前記回転軸の軸方向から見て、前記回転軸の軸線を通り、前記各ブラシの前記整流子に対する押圧力と前記電機子に働く重力との合力に沿った直線上に前記ギヤの径方向の中心が配置されるように前記ギヤが噛合されることを特徴とするモータ。このようにすると、2つのブラシの整流子に対する対する押圧力と電機子に働く重力との合力に沿った直線に沿って、電機子24を一方向若しくは二方向に押圧することができる。よって、回転軸の径方向からギヤが噛合されるウォームを有するモータにおいて、電機子の振動を抑制することができる。
(イ)請求項1に記載のモータにおいて、前記電機子は、前記回転軸が水平となるように配置され、前記ウォームは、前記回転軸の軸方向から見て、前記回転軸の軸線を通り、前記各ブラシの前記整流子に対する押圧力と前記電機子に働く重力との合力に沿った直線上に前記ギヤの径方向の中心が配置されるように前記ギヤが噛合されることを特徴とするモータ。このようにすると、2つのブラシの整流子に対する対する押圧力と電機子に働く重力との合力に沿った直線に沿って、電機子24を一方向若しくは二方向に押圧することができる。よって、回転軸の径方向からギヤが噛合されるウォームを有するモータにおいて、電機子の振動を抑制することができる。
2…吸気管、5…回動軸、6…スロットルバルブ、8…モータ、9…回転軸、9a…ウォーム、12…ギヤとしての第1減速ギヤ、15…減速機構、23…磁極を構成する界磁磁石、24…電機子、25,26…滑り軸受、27…整流子、29…セグメント、33…ブラシとしての陽極側ブラシ、34…ブラシとしての陰極側ブラシ、35,36…押圧手段としてのねじりコイルばね、37,38…ピッグテール、A1…回転軸の軸線上の一点を頂点として2つのブラシがなす90°の範囲、A2…点対称となる範囲、A3,A4…配置範囲、L1…軸線、L2,L3…ブラシの整流子に対する合力に沿った直線、O1…ギヤの径方向の中心、P1…頂点、R…エンジン燃焼室。
Claims (6)
- 径方向からギヤが噛合されるウォームを有する回転軸と、周方向に間隔を空けて配置された複数のセグメントを有し前記回転軸に固定された円筒状の整流子とを備えた電機子と、
電気的に接続されたピッグテールを有し前記セグメントに摺接して前記電機子に給電を行うための複数のブラシと、
前記ブラシを前記整流子の径方向に沿って前記整流子に向かって押圧する押圧手段と、
前記電機子の外周に配置された4以上の偶数個の磁極と、
を備えたモータであって、
前記ウォームは、前記回転軸の軸方向から見て、前記回転軸の軸線と、前記各ブラシの前記整流子に対する押圧力の合力に沿った直線との交点を頂点として、前記直線の周方向両側略45°となる配置範囲内に前記ギヤの径方向の中心が配置されるように前記ギヤが噛合されることを特徴とするモータ。 - 請求項1に記載のモータにおいて、
前記ブラシは、2つ設けられると共に、互いに周方向に略90°の間隔を空けて配置され、
前記磁極は4つであり、
前記配置範囲は、前記回転軸の軸方向から見て、前記回転軸の軸線上の一点を頂点として2つの前記ブラシがなす略90°の範囲であることを特徴とするモータ。 - 請求項1に記載のモータにおいて、
前記ブラシは、2つ設けられると共に、互いに周方向に略90°の間隔を空けて配置され、
前記磁極は4つであり、
前記配置範囲は、前記回転軸の軸方向から見て、前記回転軸の軸線上の一点を頂点として2つの前記ブラシがなす略90°の範囲に対し、前記頂点を対称の中心として点対称となる範囲であることを特徴とするモータ。 - 請求項2又は請求項3に記載のモータにおいて、
前記ウォームは、前記回転軸の軸方向から見て、2つの前記ブラシの前記整流子に対する押圧力の合力に沿った前記直線上に、前記ギヤの径方向の中心が配置されるように前記ギヤが噛合されることを特徴とするモータ。 - 請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のモータにおいて、
前記回転軸は、滑り軸受により回転可能に支持されていることを特徴とするモータ。 - 請求項2乃至請求項5の何れか1項に記載のモータにおいて、
自動車のエンジン燃焼室に繋がる筒状の吸気管と、前記吸気管に対して回動可能に設けられた回動軸に固着され前記回動軸と共に回動することにより前記吸気管を開閉可能なスロットルバルブと、前記ギヤを有して構成され前記回転軸の回転を減速して前記回動軸に伝達する減速機構と、を有するスロットルバルブ装置に備えられ、
前記電機子は、前記回転軸の軸線が水平となるように配置され、
2つの前記ブラシのうち何れか一方は、前記整流子の鉛直方向上側に配置され、
2つの前記ブラシのうち何れか他方は、前記押圧手段により前記吸気管の延びる方向に沿って前記整流子に押圧されるように配置されていることを特徴とするモータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005284316A JP2007097327A (ja) | 2005-09-29 | 2005-09-29 | モータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005284316A JP2007097327A (ja) | 2005-09-29 | 2005-09-29 | モータ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007097327A true JP2007097327A (ja) | 2007-04-12 |
Family
ID=37982327
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005284316A Pending JP2007097327A (ja) | 2005-09-29 | 2005-09-29 | モータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007097327A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008312433A (ja) * | 2007-05-17 | 2008-12-25 | Nsk Ltd | アクチュエータ |
US8297142B2 (en) | 2007-03-22 | 2012-10-30 | Nsk Ltd. | Actuator |
CN103780013A (zh) * | 2012-10-22 | 2014-05-07 | 日本电产三协株式会社 | 齿轮电动机 |
-
2005
- 2005-09-29 JP JP2005284316A patent/JP2007097327A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8297142B2 (en) | 2007-03-22 | 2012-10-30 | Nsk Ltd. | Actuator |
JP2008312433A (ja) * | 2007-05-17 | 2008-12-25 | Nsk Ltd | アクチュエータ |
CN103780013A (zh) * | 2012-10-22 | 2014-05-07 | 日本电产三协株式会社 | 齿轮电动机 |
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