JP6968957B1 - 診断システム - Google Patents

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Abstract

【課題】チェーンの全周にわたって弛みを点検する。【解決手段】一実施形態に係る診断システムは、搬送装置と、通過ピン検出手段と、カウント手段と、停止位置制御手段と、点検手段とを備える。上記搬送装置は、一定間隔で設けられた複数のピンによって連結され、第1のスプロケットと第2のスプロケットとの間を周回移動するチェーンを備える。上記通過ピン検出手段は、上記搬送装置の運転中に上記チェーンの移動経路上に定められた基準位置を上記各ピンが通過したことを検出する。上記カウント手段は、上記基準位置を通過した上記各ピンの数を通過ピン数としてカウントする。上記停止位置制御手段は、上記搬送装置の運転を停止する際に、上記通過ピン数に基づいて上記チェーンの停止位置をグループ単位で変化させる。上記点検手段は、上記搬送装置の運転が停止したときに、上記チェーンの移動経路上に設置された弛み検出器により上記グループ単位で上記チェーンの弛みを点検する。【選択図】 図5

Description

本発明の実施形態は、エスカレータや動く歩道などの搬送装置に用いられる診断システムに関する。
一般に、エスカレータや動く歩道などの搬送装置では、乗客や物を乗せる踏段や、乗客が把持する手すりを設けている。これらは駆動装置により回転駆動される無端状のチェーンと同期して循環移動する。このチェーンの経年劣化などにより伸びて弛みが生じると、バックラッシュが大きくなり、騒音や振動の発生原因になる。
特許第3753998号公報
近年、チェーンの移動経路上に弛み検出器を設けておき、この弛み検出器によって一定以上の弛みが検出されたときにアラームを出すことが考えられている。ここで、チェーン弛み点検は、搬送装置の運転が停止したときに上記弛み検出器の設置位置で行われる。ところが、運転停止時にチェーンの停止位置をコントロールできないため、上記弛み検出器を用いた弛み点検の箇所に偏りが生じる。
本発明が解決しようとする課題は、チェーンの停止位置をコントロールし、チェーンの全周にわたって弛みを点検することのできる診断システムを提供することである。
一実施形態に係る診断システムは、搬送装置と、通過ピン検出手段と、カウント手段と、停止位置制御手段と、点検手段とを備える。上記搬送装置は、一定間隔で設けられた複数のピンによって連結され、第1のスプロケットと第2のスプロケットとの間を周回移動するチェーンを備える。上記通過ピン検出手段は、上記搬送装置の運転中に上記チェーンの移動経路上に定められた基準位置を上記各ピンが通過したことを検出する。上記カウント手段は、上記基準位置を通過した上記各ピンの数を通過ピン数としてカウントする。上記停止位置制御手段は、上記搬送装置の運転を停止する際に、上記通過ピン数に基づいて上記チェーンの停止位置をグループ単位で変化させる。上記点検手段は、上記搬送装置の運転が停止したときに、上記チェーンの移動経路上に設置された弛み検出器により上記グループ単位で上記チェーンの弛みを点検する。
図1は第1の実施形態に係るエスカレータの概略構成を示す図である。 図2は上記エスカレータのチェーンの構成を示す斜視図である。 図3は上記エスカレータに用いられる診断システムの構成を示す図である。 図4は上記チェーンの各ピンの通過検出方法を説明するための図である。 図5は上記診断システムに備えられた診断装置の機能構成を示すブロック図である。 図6は上記診断システムの動作を示すフローチャートである。 図7は上記チェーンのグルーピングの一例を示す図である。 図8は上記チェーンの停止位置制御を説明するための図である。 図9は上記チェーンの停止位置制御を説明するための図である。 図10は上記チェーンの停止位置制御を説明するための図である。 図11は上記チェーンの停止位置制御を説明するための図である。 図12は上記診断システムの診断ローテンションの一例を示す図である。 図13は第2の実施形態における診断システムに用いられるチェーンの構成を示す斜視図である。 図14は上記診断システムの構成を示す図である 図15は上記診断システムに備えられた診断装置の機能構成を示すブロック図である。 図16は上記診断装置に用いられる2つのセンサの関係を示す図である。
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
なお、開示はあくまで一例にすぎず、以下の実施形態に記載した内容により発明が限定されるものではない。当業者が容易に想到し得る変形は、当然に開示の範囲に含まれる。説明をより明確にするため、図面において、各部分のサイズ、形状等を実際の実施態様に対して変更して模式的に表す場合もある。複数の図面において、対応する要素には同じ参照数字を付して、詳細な説明を省略する場合もある。
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態に係るエスカレータの概略構成を示す図である。図中の符号1は搬送装置の1つであるエスカレータの全体を示す。
エスカレータ1は、無端状に連結された複数の踏段(ステップ)5を駆動スプロケット3と従動スプロケット4との間に巻き掛けられた踏段チェーン9を駆動することで循環移動させている。具体的には、エスカレータ1は、トラス(構造フレーム)2の内部に複数の踏段5を備える。
トラス2内の上下階部分には、上述した駆動スプロケット3と従動スプロケット4とが配置されている。駆動スプロケット3の近傍には、減速機6が設置されており、その減速機6の回転軸に設けられた減速機用スプロケット6aと駆動スプロケット3との間に無端状の駆動チェーン7が巻き掛けられている。駆動スプロケット3には、駆動チェーン7を介してモータ8の回転動力が伝達される。また、駆動スプロケット3と従動スプロケット4との間には無端状の踏段チェーン9が巻き掛けられている。駆動スプロケット3がモータ8の回転動力を受けて回転すると、踏段チェーン9に連結された複数の踏段5が循環移動する。
エスカレータ1の踏段5の移動方向の両側には一対の欄干12が備えられ、この欄干12の外周に沿って無端状の手すりベルト13が取り付けられている。トラス2の内部には、手摺り駆動スプロケット15が駆動スプロケット3と一定間隔を有して離間配置されている。手摺り駆動スプロケット15と駆動スプロケット3との間には、無端状の手摺りチェーン16が巻き掛けられている。駆動スプロケット3がモータ8の回転動力を受けて回転すると、手摺りチェーン16を介して手摺り駆動スプロケット15が回転する。この手摺り駆動スプロケット15の回転に伴い、手すりベルト13が踏段5の移動に合わせて踏段5と同方向に循環移動する。
エスカレータ1の動作は、トラス2内に設置される制御装置14によって、インバータ装置(図示せず)及びモータ8を制御することで実現される。制御装置14は、図示せぬCPU、RAM及びROMなどを有するコンピユータからなる。制御装置14の機能は、ROMに保持されるアプリケーションプログラムをRAMにロードしてCPUで実行することにより、エスカレータ1を構成する各種装置を動作させる。また、CPUによりRAMやROMにおける各種データの読み出し及び書き込みも行われる。
また、エスカレータ1の乗降口に人感センサ10a,10bが設置されている。人感センサ10aによって乗客の乗車が検出されると、制御装置14は、エスカレータ1の運転を開始し、人感センサ10bによって乗客の降車が検出されると、一定時間t後にエスカレータ1の運転を停止する。上記一定時間tの間に別の乗客の乗車が人感センサ10aにて検出されれば、エスカレータ1の運転は継続される。
以下に、駆動チェーン7、手摺りチェーン16、踏段チェーン9をチェーン21(図2参照)と称して、上記エスカレータ1に用いられる診断システムの構成について説明する。なお、エスカレータ10において、駆動チェーン7と手摺りチェーン16は、同様の機構を有し、弛みが生じやすい。一方、踏段チェーン9は、従動スプロケット4を図示せぬバネで常時引っ張る機構を有しており、弛みが生じにくい。したがって、少なくとも駆動チェーン7と手摺りチェーン16を診断対象として、以下に説明するような方法で定期的に弛みを点検することが好ましい。
図2にチェーン21の構成を示す。
チェーン21には、多数のリンク22を連結するための複数のピン24が一定の間隔で設けられている。各リンク22の両端部にはローラ23がピン24を介して回転自在に取り付けられている。リンク22は、外リンク221及び内リンク222からなり、これらを交互に連結している。ローラ23の中にはブッシュ231を介してピン24が嵌挿され、このピン24によって外リンク221及び内リンク222が回動自在に連結されている。
チェーン21の部分的な伸びは、例えば経年劣化によりリンク22に設けられているピン挿入用の円形孔の径が広がり、ピン24が上記円形孔の中でチェーン21の移動方向にずれることによって生じる。このチェーン21の伸びにより弛みが生じる。
図3はエスカレータの診断システムの構成を示す図である。図中のチェーン21は、診断対象となるチェーンを模式的に示しており、第1のスプロケット25と第2のスプロケット26との間に巻き掛けられている。
第1のスプロケット25と第2のスプロケット26は、所定の間隔を有して離間配置されている。チェーン21が駆動チェーン7の場合には、第1のスプロケット25は減速機用スプロケット6aであり、第2のスプロケット26は駆動スプロケット3である。チェーン21が手摺りチェーン16の場合には、第1のスプロケット25は駆動スプロケット3であり、第2のスプロケット26は手摺り駆動スプロケット15である。aはチェーン21の移動方向を示す。一点鎖線はチェーン21の弛みを示す。
診断システムは、診断装置31と、診断装置31の診断対象であるチェーン21の移動経路上に設けられたセンサ32と、このセンサ32と共にチェーン21の移動経路上に設けられた弛み検出器33とを備える。
センサ32は、例えば図4に示すような拡散反射形光電センサからなり、投光器32aと受光器32bとが一体型化された構造を有する。センサ32は、投光器32aから出力された光がローラ23で反射して受光器32bで受光されたときの光量からローラ23の通過を検出する。ここで、「ローラ23の通過」とは、ピン24の通過と同じである。図2で説明したように、ピン24はローラ23に挿入されている。本実施形態において、センサ32は、チェーン21の移動中にピン24の通過を検出するための手段として用いられる。
弛み検出器33は、チェーン21の弛みを機械的に検出する機器であり、チェーン21の移動経路上にセンサ32の近傍に設けられている。弛み検出器33は、すり板34をチェーン21に当接させたときの検出板35の変位をフォトセンサ36で弛み量として検出する。なお、弛み検出器33の具体的な構成については、本発明では直接関係しないため、その詳しい説明を省略する。
センサ32から出力される信号S1と、弛み検出器33から出力される信号S2は、診断装置31に与えられる。信号S1は、ピン24の通過を示す信号である。信号S2は、チェーン21の弛み量を示す信号である。診断装置31は、制御装置14とは独立した装置として、トラス2内に設けられる。診断装置31は、例えばマイクロコンピュータからなり、所定のプログラムの起動により、本システムの機能を実現する。なお、診断装置31によって実現される機能を制御装置14に備えることでも良い。
図5は診断装置の機能構成を示すブロック図である。
診断装置31には、本システムを実現するための機能構成として、通過ピン検出部41、カウント部42、停止位置制御部43、点検部44、記録部45が備えられている。
通過ピン検出部41は、エスカレータ1の運転中にチェーン21の移動経路上でセンサ32の設置位置を基準位置とし、センサ32から出力される信号S1に基づいて、チェーン21の各ピン24が基準位置を通過したことを検出する。カウント部42は、通過ピン検出部41によって検出された各ピン24の数を通過ピン数としてカウントする。停止位置制御部43は、エスカレータ1の運転を停止する際に、カウント部42によってカウントされた通過ピン数に基づいて、チェーン21の停止位置をグループ単位で変化させる。点検部44は、エスカレータ1の運転が停止したときに、チェーン21の移動経路上に設置された弛み検出器33を起動してグループ単位でチェーン21の弛みを点検する。記録部45は、点検部44の結果(弛み量など)を記録する。
次に、本システムの動作について説明する。
図6は本システムの動作を示すフローチャートである。このフローチャートで示される処理は、主として診断装置31によって実行される。まず、初期設定として、診断対象であるチェーン21の各リンク22を連結しているピン24の数(Aとする)と、チェーン21の一周を分割する値(Nとする)を診断装置31に入力しておく(ステップS11)。なお、A,Nは1以上の整数である。
図7にチェーン21のグルーピングの一例を示す。
例えば、A=100,N=4とした場合、チェーン21の一周が4等分され、4つのグループ1−4に分けられる。グループ単位のピン数(A/N)は25ピンである。つまり、グループ1−4は、それぞれに25ピン分の点検範囲を有する。後述するように、エスカレータ1の運転を停止する際に、このグループ単位でチェーン21の停止位置が制御される。
図7の例で、N=4として、チェーン21の一周を4等分したのは、チェーン21の移動経路を往路と復路の直線部と、第1のスプロケット25と第2のスプロケット26の反転部の4箇所の範囲で分けられるからである。N=4より少ないと、点検範囲が広がりすぎてしまい、好ましくない。分割数をN=4より大きくして、チェーン21の一周をさらに細かく分けてグループ化することでも良い。
また、弛み検出器33は、すり板34をチェーン21に当接させることで弛み量を検出する。この弛み検出器33によってチェーン21の弛みを検出可能な範囲、具体的にはすり板34のチェーン移動方向の幅サイズを考慮して、Nの値を決めても良い。例えば、すり板34の幅サイズが10ピン前後であれば、N=10として、チェーン21の一周を10個(A/N=100/10)のグループに分けることでも良い。
エスカレータ1の乗口に設置された人感センサ10aによって乗客の乗車が検知されると、制御装置14によってエスカレータ1の運転が開始され、チェーン21(駆動チェーン7と踏段チェーン9)が所定方向に移動する(ステップS12)。このとき、チェーン21の各ピン24が移動経路上に定められた基準位置を通過する毎にセンサ32から信号S1が出力される。
診断装置31に備えられた通過ピン検出部41は、この信号S1を入力することで、チェーン21の各ピン24が基準位置を通過したことを検出する(ステップS13)。カウント部42は、通過ピン検出部41によって検出された各ピン24の数を通過ピン数としてカウントする(ステップS14)。エスカレータ1の乗口で人感センサ10aによって乗客の乗車が検知されている間(ステップS15のYes)、エスカレータ1の運転が継続され、上記ステップS13−S14の処理が繰り返し実行される。この間、チェーン21の各ピン24が基準位置を通過する毎に通過ピン数がカウントされる。
ここで、通過ピン数をチェーン21のピン数(A=100)で除算すれば、最初に基準位置を通過したピン24が何周して、どこに位置しているのかがわかる。例えば、通過ピン数が220ピンであった場合には、220/100=2周+20ピンである。したがって、第1のスプロケット25と第2のスプロケット26との間を2周し、現在、基準位置より20ピン分の先行した位置にあることがわかる。
乗客が降車してから一定の時間t、乗口で乗客の乗車が検知されなかった場合、つまり、乗客なしの状態が一定時間継続した場合には(ステップS15のNo)、エスカレータ1の運転が停止される。その際、停止位置制御部43は、上記通過ピン数に基づいてチェーン21をグループ単位で停止させるように制御する(ステップS16)。
この場合、エスカレータ1の運転が停止した際に、チェーン21の停止位置を毎回変化させるために、停止位置制御部43は、通過ピン数の合計値が下記の式で求められる値となったときのタイミングで、エスカレータ1の運転を停止させる。
AX+A/N
Xは周回回数である。つまり、停止位置制御部43は、カウント部42によって得られる通過ピン数の合計値がチェーン21のピン数を周回回数倍した値(AX)にグループ単位のピン数(A/N)を加えた値になったときに、制御装置14に停止指令を出してエスカレータ1の運転を停止させる。
図8乃至図11を用いて具体的に説明する。
例えばA=100,N=4であれば、通過ピン数の合計値が100X+25の値になるようにエスカレータ1の運転を停止させる。これにより、1周期毎にチェーン21の停止位置をグループ単位である25ピンずつ変化させることができる。図8はX=1でエスカレータ1の運転を停止させたときのチェーン21の停止位置を示している。同様に、図9はX=2、図10はX=3、図11はX=4でエスカレータ1の運転を停止させたときのチェーン21の停止位置を示している。
このようにして、エスカレータ1の運転を停止させると、診断装置31の点検部44は、弛み検出器33を起動してチェーン21の弛みを点検する(ステップS17)。図3に示したように、弛み検出器33は、センサ32の近傍に配設されている。したがって、例えば図8の状態でエスカレータ1が停止していれば、チェーン21のグループ2の部分に弛み検出器33のすり板34が当接し、その部分における弛み量が検出されることになる。点検部44は、この弛み検出器33から出力される信号S3を入力し、その信号S3で示される弛み量を記録部45に記録する(ステップS18)。
上記の点検をN周期分繰り返す。N周期分の点検が終了していない場合には(ステップS19のNo)、上記ステップS12に戻り、エスカレータ1の運転が再開されたときに、上記同様の処理を行う。その際、前回と違うグループの弛みを点検するため、例えば図12に示すような診断ローテンションに従って、グループ単位でチェーン21の停止位置を変えながら点検する。N周期分の点検が終了した時点で(ステップS19のYes)、ここでの処理を終える。
このように第1の実施形態によれば、グループ単位でチェーン21の停止位置を変えることで、チェーン21の全周に渡って弛みを点検することができる。例えばN=4であれば、1日に少なくとも4周期分の点検を行えば、チェーン21の全周の弛みがわかる。その結果、例えば閾値を超える弛み量が検出された場合には、例えば制御装置14を通じて建物内の監視室あるいは外部の監視センタに発報するなどして対処することができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
上記第1の実施形態では、記録部45に記録された点検結果からチェーン21の弛み量が閾値を超えるグループの有無はわかるが、チェーン21のどの箇所に該当しているかがわからない。このため、保守員が現場にてチェーン21をグループ単位で再度動かし、該当箇所を見つける作業が必要となる。そこで、第2の実施形態では、チェーンの中に基準ピンを作り、その基準ピンを基準にしてグループを特定できる構成とする。
図13は第2の実施形態における診断システムに用いられるチェーンの構成を示す図である。なお、図13において、上記第1の実施形態における図2の構成と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明は省略するものとする。
第2の実施形態では、チェーン21の各リンク22を連結している各ピン24の中の任意の1つのピンを基準ピン24aとして定め、その基準ピン24aが挿入されているローラ23aの外周面に特殊な加工を施してある。「特殊な加工」とは、拡散反射形光電センサが正常動作しない加工であり、具体的にはメッキ等の光沢率の高い材料を塗布してある。
拡散反射形光電センサは、検出物体の光沢が強すぎると、検出精度が著しく低下する特性がある。したがって、ローラ23aにメッキ等の光沢率の高い材料を塗布としておくことで、拡散反射形光電センサが反応しなくなる。なお、例えば黒色の塗料など、光の吸収率の高い材料をローラ23aに塗布してことでも良い。
図14は診断システムの構成を示す図である。図中のチェーン21は、図1に示したエスカレータ1に備えられた駆動チェーン7や踏段チェーン9を模式的に示している。aはチェーン21の移動方向を示す。
第2の実施形態では、センサ32とは別にセンサ51を用いる。センサ51は、センサ32と同様に拡散反射形光電センサからなり、チェーン21の移動方向(矢印a方向)に沿ってセンサ32と所定の間隔を持って配置される。「所定の間隔」とは、リンク22のピッチの整数倍の長さ間隔である。図14の例では、センサ32とセンサ51が3リンク分の間隔を空けて配置されている。チェーン21が矢印a方向に移動しているとき、センサ32はセンサ51よりも3リンク先のローラ23を検出し、センサ51はセンサ32よりも3リンク後のローラ23を検出する。
なお、以下の例では、センサ32とセンサ51との間隔を3リンク分開けた場合について詳述をするが、当該間隔については、3リンクに限定はされない。また、センサ32,51はローラ23を検出対象としているが、ローラ23と共に移動しているピン24の通過を検出するための手段として用いられる。
センサ51は、投光器51aと受光器51bとが一体型化された構造を有する。センサ51は、投光器51aから出力された光がローラ23で反射して受光器51bで受光されたときの光量からローラ23を検出する。センサ51から出力される信号S3は、センサ32から出力される信号S1と共に診断装置31に与えられる。信号S1,S3は、ピン24の通過を示す信号である。
図15は診断装置の機能構成を示すブロック図である。なお、図15において、上記第1の実施形態における図5の構成と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明は省略するものとする。
第2の実施形態において、診断装置31には基準ピン検出部52が備えられている。基準ピン検出部52は、センサ32から出力される信号S1と、センサ51から出力される信号S3とに基づいて、各ピン24の中に含まれる基準ピン24aを検出する。詳しくは、基準ピン検出部52は、センサ32とセンサ51のうち、センサ51のみから信号出力がある場合に、センサ32(基準位置)を通過したピンを基準ピン24aとして検出する。
一方、通過ピン検出部41では、センサ32から出力される信号S1に基づいて各ピン24の通過を検出している。その際、基準ピン24aがセンサ32(基準位置)を通過したときに信号S1は出力されないので、基準ピン検出部52から通過ピン検出部41に対して基準ピン24aの通過を知らせることで対応するものとする。
点検部44は、基準ピン検出部52によって検出された基準ピン24aを基準にして、現在、点検対象となっているグループ(弛み検出器33の位置に停止している各ピン24のグループ)を特定し、そのグループの番号を識別情報として点検結果に付して記録部45に記録する。
以下に、グループの特定方法について説明する。
図16はセンサ32の信号S1とセンサ51の信号S3との関係を示す図である。図14に示したように、センサ32とセンサ51は、チェーン21の移動経路上に所定の間隔(3リンク分)を空けて配設されている。
運転開始時には、センサ32の信号S1とセンサ51の信号S3がそれぞれに最初に立ち上がったときのタイミングで各ピン24に診断番号が付けられる。すなわち、センサ32の信号S1が最初に立ち上がったときの診断番号は「1」である。センサ32から信号S1が出力される毎に、センサ32側で検出される各ピン24には「1」から昇順に診断番号が付される。
一方、センサ51は、センサ32から3リンク後方にあるので、センサ51の信号S3が最初に立ち上がったときの診断番号は「4」である。センサ51から信号S3が出力される毎に、センサ51側で検出される各ピン24には「4」から昇順に診断番号が付される。この診断番号は、診断運転を開始したときのチェーン21の位置によって変わるため、各ピン24を特定できる絶対的な番号ではない。
ここで、センサ51の信号S3が出力され、センサ32の信号S1が出力されていない場合、つまり、一方のセンサだけが未検出であった場合には(センサ32:OFF,センサ51:ON)、その未検出物は基準ピン24aと判断できる。
以後、点検部44では、この基準ピン24aを基準にしてグループ単位のピン数(A/N)毎にグループ番号を付与して各ピン24を管理する。例えば、A=100,N=4であれば、グループ単位のピン数は25個である。したがって、基準ピン24aから25ピン毎にグループ1,グループ2…といったように管理すれば良い。
このように第2の実施形態によれば、チェーン21の各ピン24に基準ピン24aを基準にしたグループ番号を付すことで、チェーン21をグループ単位で停止制御させた際に、現在、点検対象となっているグループを容易に特定できるようになる。
また、記録部45には、グループ単位の点検結果がグループ番号と関連付けて記録される。したがって、点検結果の中に弛み量が閾値を超えているグループが存在した場合に、保守員はグループ番号からチェーン21の該当箇所をすぐに見つけ出して対処することができる。
なお、上記各実施形態では、図3に示したような接触式の弛み検出器33を用いてチェーン21の弛みを検出したが、非接触式の弛み検出器を用いてチェーン21の弛みを検出する構成としても良い。非接触式の弛み検出器としては、例えば光電センサが用いられ、光電センサからチェーン21に向けて投光されたレーザ光の反射からチェーン21の弛みを検出することができる。接触式の弛み検出器を用いる場合でも、非接触式の弛み検出器を用いる場合でも、上述したようにグループ単位でチェーン21の停止位置を制御することで、チェーン21の全体に渡って弛みを検出することができる。
また、上記各実施形態では、リンク22の両端部にピン24を介してローラ23が設けられたチェーン21を例にして説明したが、本発明はローラレス型のチェーンでも適用可能である。また、本発明はエスカレータに限らず、動く歩道などを含む乗客コンベアのすべてに適用可能である。また、人に限らず、チェーンの駆動により人や物を搬送する搬送装置全般に適用でき、上記各実施形態と同様の効果を得ることができる。
以上述べた少なくとも1つの実施形態によれば、チェーンの停止位置をコントロールし、チェーンの全周にわたって弛みを点検することのできる診断システムを提供することができる。
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…エスカレータ、3…駆動スプロケット、4…従動スプロケット、5…踏段、6…減速機、6a…減速機用スプロケット、7…駆動チェーン、8…モータ、9…踏段チェーン、10a,10b…人感センサ、14…制御装置、15…手摺り駆動スプロケット、16…手摺りチェーン、21…チェーン、22…リンク、23…ローラ、24…ピン、24a…基準ピン、25…第1のスプロケット、26…第2のスプロケット、31…診断装置、32…センサ、33…弛み検出器、41…通過ピン検出部、42…カウント部、43…停止位置制御部、44…点検部、45…記録部、51…センサ、52…基準ピン検出部。

Claims (9)

  1. 一定間隔で設けられた複数のピンによって連結され、第1のスプロケットと第2のスプロケットとの間を周回移動するチェーンを備えた搬送装置と、
    上記搬送装置の運転中に上記チェーンの移動経路上に定められた基準位置を上記各ピンが通過したことを検出する通過ピン検出手段と、
    上記基準位置を通過した上記各ピンの数を通過ピン数としてカウントするカウント手段と、
    上記搬送装置の運転を停止する際に、上記通過ピン数に基づいて上記チェーンの停止位置をグループ単位で変化させる停止位置制御手段と、
    上記搬送装置の運転が停止したときに、上記チェーンの移動経路上に設置された弛み検出器によって上記グループ単位で上記チェーンの弛みを点検する点検手段と
    を具備したことを特徴とする診断システム。
  2. 上記停止位置制御手段は、
    上記チェーンの一周をN等分したときのグループ単位で、上記チェーンの停止位置を変化させることを特徴とする請求項1記載の診断システム。
  3. 上記停止位置制御手段は、
    上記通過ピン数の合計値が上記チェーンのピン数を周回回数倍した値に上記グループ単位のピン数を加えた値になったときのタイミングで上記搬送装置の運転を停止させることを特徴とする請求項2記載の診断システム。
  4. 上記停止位置制御手段は、
    N=4とし、上記チェーンの一周を4等分することを特徴とする請求項2記載の診断システム。
  5. 上記停止位置制御手段は、
    上記弛み検出器によって上記チェーンの弛みを検出可能な範囲を考慮して、上記チェーンの一周をN等分することを特徴とする請求項2記載の診断システム。
  6. 上記各ピンの中で予め定められた基準ピンを検出する基準ピン検出手段を備え、
    上記点検手段は、
    上記基準ピン検出手段によって検出された上記基準ピンを基準にして上記グループを特定することを特徴とする請求項2記載の診断システム。
  7. 上記点検手段によって得られたグループ単位の点検結果を上記グループの識別情報と関連付けて記録する記録手段をさらに具備したことを特徴とする請求項6記載の診断システム。
  8. 上記チェーンとして、モータの動力を伝達するための駆動チェーンを含み、
    上記点検手段は、
    上記弛み検出器によって上記駆動チェーンの弛みを点検することを特徴とする請求項1記載の診断システム。
  9. 上記チェーンとして、欄干に設けられた手摺りベルトを周回移動させるための手摺りチェーンを含み、
    上記点検手段は、
    上記弛み検出器によって上記手摺りチェーンの弛みを点検することを特徴とする請求項1記載の診断システム。
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