JP2022029340A - 乗客コンベアのチェーン伸び検出装置及び反射型光センサの設置方法 - Google Patents
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Abstract
Description
したがって、測定対象によっては、必ずしもチェーンローラの通過タイミングを安定して検知できなかった。
本実施形態では、無端状に連結された複数の踏段を周回(循環)移動させて動作する乗客コンベアとして、エスカレータ100を一例に挙げて説明する。
エスカレータ100は、建造物(建築物ともいう)に設置されて、この建造物の一の階(以下、下階と記す)と、この下階よりも上方の他の階(以下、上階と記す)とに亘って乗客等を運搬する。
この駆動チェーン112の上面側には、駆動チェーン112の伸びを検出して制御盤200に通知するチェーン伸び検出装置10Aが駆動チェーン112が切れたことを検出する図示しないチェーン切れ検出装置と一体に形成されている。
このチェーン伸び検出装置10Aの構成については、後に詳述するものとする。
この場合において、踏段チェーン115としては、いわゆるコンベアチェーンが用いられている。
この踏段チェーン115の下側経路の上面側には、踏段チェーン115の伸びを検出して制御盤200に通知するチェーン伸び検出装置10Bが設けられている。
この手すりベルトチェーン118の上面側には、手すりベルトチェーン118の伸びを検出して制御盤200に通知するチェーン伸び検出装置10Cが設けられている。
このように、上階側乗降口101、下階側乗降口102において、踏段120は、利用者を乗せる上面の踏み面を水平状として、トラス110内から進出し、またはトラス110内へ進入する。
一方、踏段チェーン115は、従動輪114側で常に引っ張っており、かつ、上述したように踏段チェーン115としてはコンベアチェーンを用いているので、たるむことはないので、チェーンの伸びを自動的に計測して、伸びが所定の伸び量(あるいは、所定の伸び率:例えば、0.05%)に至った場合に報知するようにしている。
また、踏段チェーン115については、対応する所定の伸び量に至った場合に調整用のスプロケットの位置をずらして、踏段チェーン115が所定の張力で張られるように調整を行う。
さらに制御盤200による制御状態及び制御結果は、通信ネットワークを介して遠隔監視装置300に通知され、故障対応、メンテナンス等に用いられる。
まず実施形態の詳細な説明に先立ち、従来の課題及び実施形態の原理を説明する。
反射型光センサとしては、例えば、反射型光電センサ、レーザ変位センサ等を用いることが可能である。
図2は、従来の正常検出時の説明図である。
図2に示すように、チェーンCHは、チェーンプレートCP及びチェーンローラCRを備えている。
上述したように、チェーンローラCRにチェーンオイルが大量に付着した状態においては、実効的なチェーンローラCRの反射率が極端に高くなっている。このようにチェーンローラCRの反射率が極端に高い状態は、実際のエスカレータにおいては、定期的(例えば、運転50時間毎)にチェーンオイルが自動噴霧されているので、比較的高い頻度で生じ得る。
したがって、反射型光センサSENの投光素子LTから出射した投射光LはチェーンローラCRの表面ではほとんど拡散反射せずに、直接光L1として反射し、強度が高いまま受光素子LRに入射する。
したがって、チェーンローラCRが反射型光センサSENの直下を通過しているか否かを正しく検出できない状態となってしまっていた。
このように、チェーンローラCRの光反射率は、オイルの付着状況や汚れの状況などで刻々と変化するため、検出が不安定化する虞があった。
本実施形態のチェーン伸び検出装置においては、反射型光センサSENは、チェーンローラCRが直下を通過するときにチェーンローラCR(の中心軸)に対し垂直から角度θだけ傾けた状態で対向するように配置されている。換言すれば、本実施形態の反射型光センサSENは、チェーンローラCRに対し、垂直方向から角度θだけ傾いた光軸LXを有している。
すなわち、角度θをある所定値よりも大きく設定すると、受光素子LRの設置位置から外れた位置に直接光L1が反射するようになる。
次に第1実施形態についてより詳細に説明する。
図5は、第1実施形態のチェーン伸び検出装置の検出部の概要構成ブロック図である。
以下の説明においては、駆動チェーン112の伸びを検出するチェーン伸び検出装置10Aを例として説明する。
第1反射型光センサSEN1は、駆動チェーン112を構成しているチェーンローラに投射光を照射して、チェーンローラからの反射光を検出して第1検出信号SS1を信号処理装置に出力する。
信号処理装置SPDは、入力された第1検出信号SS1及び第2検出信号SSを所定の閾値とそれぞれ比較して、第1検出パルス信号SP1及び第2検出パルス信号SP2として出力する。
第1反射型光センサSEN1及び第2反射型光センサSEN2は、第1ブランケット141及び第2ブランケット142に支持された第3ブランケット143に駆動チェーン112を構成しているチェーンローラの表面に対して所定角度θをなすように取り付けられている。
なお、スライドプレート155が設けられていない場合には、1反射型光センサSEN1と、第2反射型光センサSEN2とは、より距離を詰めて配置することができる。
図8は、ブランケットへの反射型光センサの取り付け状態の説明図(その2)である。
図7及び図8に示すように、第1反射型光センサSEN1及び第2反射型光センサSEN2はそれぞれ、固定用ブランケット144にねじ止めされて、さらに第3ブランケット143に固定されている。
第1反射型光センサSEN1及び第2反射型光センサSEN2の固定角度の調整時には、図6に示したスライドプレート155及びベース156は、取り外した状態とする。
この結果、第1反射型光センサSEN1の投光素子LT1を出射した光のうち、直接光L1はほとんど受光素子LR1には到達せず、拡散光L2が主として受光素子LR1に到達する。
以上の説明のように、本第1実施形態によれば、第1反射型光センサSEN1及び第2反射型光センサSEN2において確実にチェーンローラの有無及びチェーンローラが各光センサの直下に位置するタイミングを検出することできる。
図10(A)に示す例は、従来の場合のものである。
従来においては、直接光L1の反射率の高いチェーンローラ頂部付近の反射光が直接、反射型光センサSENの受光素子LRに入射することとなって、反射強度が想定している強度よりも高くなりすぎて、反射型光センサSENの出力が突然“H”レベル(チェーンローラ検出状態))から“L”レベル(チェーンローラ非検出状態)に移行してしまった場合のものである。
また、状況によっては、突然“L”レベルから“H”レベルに移行したりすることが起こり得る。
従って、正確にチェーンの伸び等を検出することができ、正しいメンテナンス判断や、制御を行うことが可能となる。
次に第2実施形態について説明する。
図11は、第2実施形態における従来の問題点を説明する図である。
従来、エスカレータにおいては、チェーンに定期的に自動噴霧するチェーンオイルがエスカレータ周囲に飛散するのを防ぐため、オイルパンやそれに類似するオイルの落下を防ぐ構造が設けられていた。
また、オイルパンは、チェーンオイルが大量に溜まっていたり、オイルが付着したりした場合には、光反射率が高い状態となっている場合があった。
すなわち、反射型光センサSENの出力は、常時検出状態となるため、チェーンローラCRの通過タイミングの検出が行えなくなってしまう。
そこで、本第2実施形態においては、図11に示すように、第1実施形態と同様に、反射型光センサSENの設置角度を、投射光Lの光軸LXがチェーンローラCRに対して、θだけ傾くような角度としている。
また本第2実施形態では、直接反射光L1は受光素子LRに入射しないが、オイルパンPANで生じた拡散光L2の反射光については、受光素子LRに入射する可能性がある。
したがって、本第2実施形態によれば、安定してチェーンローラCRを検知可能とできる。
次に第3実施形態について説明する。
図13は、第1実施形態及び第2実施形態を実際にエスカレータに適用する場合において生じる可能性のある問題点の説明図である。
そこで、第3実施形態では、チェーンローラCRの上面エッジの鉛直線に対して、センサの傾き角度を反転させて、反射型光センサSENが図13において右側ではなく、左側にはみ出すように配置している。
図15は、第4実施形態の説明図である。
本第4実施形態が上記第1実施形態~第3実施形態と異なる点は、反射型光センサSENをチェーンローラよりも下方に配置した点である。
チェーンローラに付着したチェーンオイルは、重力により下方に落下するので、第1~第3実施形態のように、センサはチェーンローラよりも上部に配置するのが本来は望ましい。
このように構成することにより、オイル滴が滴下することなく、長期間、安定して継続測定が行える。
Claims (8)
- チェーン伸び検出対象のチェーンの延在方向に所定距離離間して配置された一対の反射型光センサと、前記一対の反射型光センサの出力に基づいて、前記チェーンの伸びを検出する乗客コンベアのチェーン伸び検出装置であって、
前記反射型光センサは、投射光を出射する投光素子と、検出対象物の検出対象面において反射した反射光を受光する受光素子と、を備え、
前記受光素子の配置位置が前記投射光の前記検出対象面により反射された反射光のうち、直接反射光の強度が測定に影響を与えない程度に低い領域、かつ、拡散反射光の強度が測定に十分な強度となる領域となるように、前記投光素子の配置位置及び取付向きが設定されている、
乗客コンベアのチェーン伸び検出装置。 - 前記反射型光センサは、前記投光素子と、前記受光素子と、が一体に形成されており、
前記投射光の投射方向が前記検出対象面に対して所定の入射角となるように当該反射型光センサの取付向きが設定されている、
請求項1に記載の乗客コンベアのチェーン伸び検出装置。 - 前記反射型光センサは、前記チェーンよりも下側に取り付けられ、前記チェーンのオイルの滴下が想定される領域よりも外側に設けられる、
請求項1又は請求項2に記載の乗客コンベアのチェーン伸び検出装置。 - 前記受光素子の配置位置は、さらに、前記チェーンの周囲に配置された非検出対象の物により反射された反射光のうち、直接反射光の強度が測定に影響を与えない程度に低い領域となるように、前記投光素子の配置位置及び取付向きが設定されている、
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の乗客コンベアのチェーン伸び検出装置。 - 投射光を出射する投光素子と、検出対象物の検出対象面において反射した反射光を受光する受光素子と、を備えた反射型光センサの配置方法であって、
前記検出対象物に対して、前記投光素子の配置位置を設定する過程と、
前記受光素子の配置位置が前記投射光の前記検出対象面により反射された反射光のうち、直接反射光の強度が測定に影響を与えない程度に低い領域、かつ、拡散反射光の強度が測定に十分な強度となる領域となるように、前記投光素子の向きを設定する過程と、
を備えた反射型光センサの配置方法。 - 前記投光素子の向きを設定する過程は、前記受光素子の配置位置が、さらに、前記検出対象物の周囲に配置された非検出対象の物により反射された反射光のうち、直接反射光の強度が測定に影響を与えない程度に低い領域なる領域となるように、前記投光素子の配置位置及び取付向きを設定する、
請求項5記載の反射型光センサの配置方法。 - 前記反射型光センサは、前記投光素子と、前記受光素子と、が一体に形成されており、
前記投射光の投射方向が前記検出対象面に対して所定の入射角となるように前記投光素子の向きを設定する、
請求項5又は請求項6に記載の反射型光センサの配置方法。 - 前記反射型光センサは、前記投光素子の前記投射光の出射面と、前記受光素子の受光面と、が同一平面上に配置されている、
請求項7に記載の反射型光センサの配置方法。
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