JP6878630B1 - 診断システム - Google Patents

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【課題】搬送装置に備えられたチェーンの部分的な伸びを検出し、その伸び部分を特定する。【解決手段】一実施形態に係る診断システムは、搬送装置と、第1および第2のセンサと、基準ピン判断手段と、管理手段と、伸び検出手段とを具備する。上記基準ピン判断手段は、上記第1のセンサから出力される第1の信号と上記第2のセンサから出力される第2の信号とに基づいて、上記搬送装置に備えられたチェーンの各ピンに含まれる上記基準ピンを判断する。上記管理手段は、上記基準ピンを基準にして上記各ピンに管理番号を付す。上記伸び検出手段は、上記第1の信号の立ち上がりタイミングと上記第2の信号の立ち上がりタイミングとを比較して上記チェーンが伸びている部分を検出し、上記管理手段から当該部分に対応した上記ピンの管理番号を取得して検出結果として出力する。【選択図】 図4

Description

本発明の実施形態は、エスカレータや動く歩道などの搬送装置に用いられる診断システムに関する。
一般に、エスカレータや動く歩道などの搬送装置では、乗客や物を乗せる踏み段や、乗客が把持する手すりを設けている。これらは駆動装置により回転駆動される無端状のチェーンと同期して循環移動する。
ここで、チェーンを構成するローラ部分の摩耗などにより、チェーンに経時的な伸びが生じることがある。この伸びが大きくなると、スプロケットと噛み合わず、スプロケットから外れてしまうことがある。チェーンがスプロケットから外れると、例えばエスカレータであれば、乗客の重量によって踏み段がずれるなどの不具合が発生する。
そこで、例えば2つのセンサをチェーンの移動方向に沿って配置し、上記各センサの検出信号の立ち上がりタイミングを比較することで、チェーンの伸びの有無を検出する方法などが提案されている。
特許第6170220号公報
上述した方法では、チェーンの伸びの有無を検出することはできても、伸び部分を特定することができない。この場合、チェーンの周回時間は決まっているため、スタート位置を決めて診断運転を開始すれば、周回時間と伸びが検出された時間との関係から伸び部分の位置を推測できる。しかし、絶対位置でないため、後日、保守員が点検するときに伸び部分を特定できず、チェーン全体を点検する必要がある。
本発明が解決しようとする課題は、搬送装置に備えられたチェーンの部分的な伸びを検出し、その伸び部分を特定できる診断システムを提供することである。
一実施形態に係る診断システムは、搬送装置と、第1および第2のセンサと、基準ピン判断手段と、管理手段と、伸び検出手段とを具備する。
上記搬送装置は、複数のリンクを一定のピッチで連結するための複数のピンを有し、上記各ピンの中の任意の1つのピンが基準ピンとして定められたチェーンを備える。上記第1および第2のセンサは、上記チェーンの移動方向に沿って、上記ピッチの整数倍の長さ間隔で配置され、上記各ピンの通過を検出する。上記基準ピン判断手段は、上記第1のセンサから出力される第1の信号と上記第2のセンサから出力される第2の信号とに基づいて、上記各ピンに含まれる上記基準ピンを判断する。上記管理手段は、上記基準ピンを基準にして上記各ピンに管理番号を付す。上記伸び検出手段は、上記第1の信号の立ち上がりタイミングと上記第2の信号の立ち上がりタイミングとを比較して上記チェーンが伸びている部分を検出し、上記管理手段から当該部分に対応した上記ピンの管理番号を取得して検出結果として出力する。
図1は一実施形態に係るエスカレータの概略構成を示す図である。 図2は同実施形態における診断システムの構成を示す図である。 図3は同実施形態における光電センサの特性を説明するための図である。 図4は同実施形態における診断装置の機能構成を示すブロック図である。 図5は同実施形態におけるチェーンの構成を示す斜視図である。 図6は同実施形態における診断装置の処理動作を示すフローチャートである。 図7は同実施形態におけるチェーンと2つのセンサとの位置関係を示す図である。 図8は同実施形態における診断番号と管理番号との関係を説明するための図である。 図9は同実施形態におけるチェーン伸びがない場合の2つのセンサの検出信号の出力タイミングを示す図である。 図10Aは同実施形態におけるチェーン伸びがある場合の2つのセンサの検出信号の出力タイミングを示す図である。 図10Bは同実施形態におけるチェーン伸びの状態を模式的に示した図である。 図11は同実施形態におけるマーキングの一例を示す図である。 図12は同実施形態におけるマーキングの他の例を示す図である。 図13は他の実施形態としてローラレス型のチェーンに用いられる診断システムの構成を示す図である。 図14は上記ローラレス型のチェーンの基準ピンに対する加工を説明するための図である。
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
なお、以下では搬送装置の一つであるエスカレータを例にして説明する。各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
図1は一実施形態に係るエスカレータの概略構成を示す図である。図中の符号1は搬送装置の1つであるエスカレータの全体を示す。
エスカレータ1は、無端状に連結された複数の踏段(ステップ)5を駆動輪(スプロケット)3と従動輪(スプロケット)4との間に掛け渡された踏段チェーン9を駆動することで循環移動させている。具体的には、エスカレータ1は、トラス(構造フレーム)2の内部に複数の踏段5を備える。
トラス2内の上下階部分には、上述した駆動輪3と従動輪4とが配置されている。駆動輪3には、減速機6及び駆動チェーン7を介してモータ8から回転動力が供給される。この回転動力により、駆動輪3と従動輪4との間に掛け渡された踏段チェーン9が周回駆動され、踏段チェーン9に連結された複数の踏段5が循環移動する。
また、エスカレータ1の踏段5の移動方向の両側には一対の欄干12が備えられ、この欄干12の外周に沿って無端状の手すりベルト13が取り付けられている。手すりベルト13は、踏段5の移動に合わせて踏段5と同方向に循環移動する。
エスカレータ1の動作は、トラス2内に設置される制御装置14によって、インバータ装置(図示せず)及びモータ8を制御することで実現される。制御装置14は、図示せぬCPU、RAM及びROMなどを有するコンピユータからなる。制御装置14の機能は、ROMに保持されるアプリケーションプログラムをRAMにロードしてCPUで実行することにより、エスカレータ1を構成する各種装置を動作させる。また、CPUによりRAMやROMにおける各種データの読み出し及び書き込みも行われる。
以下に、駆動チェーン7や踏段チェーン9をチェーン21(図2参照)と称して、上記エスカレータ1に用いられる診断システムの構成について説明する。
図2は診断システムの構成を示す図である。図中のチェーン21は、図1に示したエスカレータ1に備えられた駆動チェーン7や踏段チェーン9を模式的に示している。
診断システム30は、チェーン21と、このチェーン21の長手方向に対して上側あるいは下側に設置された2つのセンサ31,32と、これらのセンサ31,32に接続された診断装置33とを備える。チェーン21は、多数のリンク22を一定のピッチで連結するための複数のピン24を有する。各リンク22の両端部にはローラ23がピン24を介して回転自在に取り付けられている。
センサ31,32は、チェーン21の移動方向(矢印a方向)に所定の間隔を持って配置される。「所定の間隔」とは、リンク22のピッチの整数倍の長さ間隔である。図2の例では、センサ31,32が3リンク分の間隔を空けて配置されている。チェーン21が矢印a方向に移動しているとき、センサ31はセンサ32よりも3リンク先のローラ23を検出し、センサ32はセンサ31よりも3リンク後のローラ23を検出する。なお、以下の例では、センサ31とセンサ32とは3リンク分の間隔を開けた場合について詳述をするが、当該間隔については、3リンクに限定はされない。
なお、センサ31,32はローラ23を検出対象としているが、ローラ23と共に移動しているピン24の通過を検出するための一手段としても用いられる。
ここで、本実施形態において、センサ31,32は、拡散反射形光電センサであり、それぞれに投光器31a,32aと受光器31b,32bとが一体型化された構造を有する。センサ31は、投光器31aから出力された光がローラ23で反射して受光器31bで受光されたときの光量からローラ23を検出する。同様に、センサ32は、投光器32aから出力された光がローラ23で反射して受光器32bで受光されたときの光量からローラ23を検出する。
上記拡散反射形光電センサは、検出物体の光沢が強すぎると、検出精度が著しく低下する特性がある。本実施形態では、このような拡散反射形光電センサの特性を利用して、複数のピン24の中の任意の1つのピンを基準ピン24aとして定め、その基準ピン24aが挿入されているローラ23の外周面に特殊な加工を施してある。「特殊な加工」とは、拡散反射形光電センサが正常動作しない加工であり、具体的にはメッキ等の光沢率の高い材料を塗布してある。
図3に示すように、センサ31,32の検知ボリュームは、通常のピン24に対する検出距離に合わせて設定されている。拡散反射形光電センサの特性上、光沢が強い基準ピン24aに対する検出距離は短くなり、基準ピン24aを通常のピン24と同様に検出することができない。
診断装置33は、制御装置14とは独立した装置として、トラス2内に設けられる。診断装置33は、例えばマイクロコンピュータからなり、所定のプログラムの起動により、本システムの機能を実現する。なお、診断装置33によって実現される機能を制御装置14に備えることでも良い。
図4は診断装置33の機能構成を示すブロック図である。
診断装置33は、本システムを実現するための機能部として、基準ピン判断部34、管理部35、伸び検出部36を備える。
基準ピン判断部34は、センサ31から出力される検出信号S1(第1の信号)と、センサ32から出力される検出信号S2(第2の信号)とに基づいて、各ピン24の中に含まれる基準ピン24aを判断する。詳しくは、基準ピン判断部34は、センサ31から出力される検出信号S1とセンサ32から出力される検出信号S2との組み合わせから、一方のセンサの信号のみが出力されている場合に、他方のセンサ側を通過したピンを基準ピン24aとして判断する。
管理部35は、診断運転開始時は検出信号S1,S2の立ち上がりエッジでチェーン21の各ピン24に診断番号を付けて管理し、基準ピン判断部34によって基準ピン24aの通過が判断された時点で管理番号に振り替えて各ピン24を管理する。診断番号は、診断運転を開始したときに各ピン24に付される番号である。管理番号は、基準ピン24aを基準にして各ピン24に付される番号であり、各ピン24を特定可能な番号である。
伸び検出部36は、検出信号S1の立ち上がりタイミングと検出信号S2の立ち上がりタイミングとに基づいてチェーン21が伸びている部分を検出し、管理部35から当該部分に対応したピン24の管理番号を取得して検出結果として出力する。
なお、図2ではチェーン21を模式的に示したが、実際には図5に示すように構成されている。すなわち、リンク22は、外リンク221及び内リンク222からなり、これらを交互に連結している。ローラ23の中にはブッシュ231を介してピン24が嵌挿され、このピン24によって外リンク221及び内リンク222が回動自在に連結されている。
チェーン21の部分的な伸びは、例えば経年劣化によりリンク22に設けられているピン挿入用の円形孔の径が広がり、ピン24が上記円形孔の中でチェーン21の移動方向にずれることによって生じる。そこで、本実施形態では、2つのセンサ31,32を用いてチェーン21の部分的な伸びを検出し、さらに、その部分的な伸びを基準ピン24aによって特定する構成としている。上述したように、基準ピン24aが挿入されているローラ23の外周面には、センサ31,32が正常に動作しない加工が施されている。
次に、本実施形態の動作について説明する。
図6は本実施形態における診断装置33の処理動作を示すフローチャートである。図中の「第1のセンサ」とはセンサ31、「第2のセンサ」とはセンサ32のことである。
いま、図7に示すように、診断対象とするチェーン21(駆動チェーン7や踏段チェーン9)を矢印a方向に移動させながら、2つのセンサ31,32を用いてチェーン21の伸び状態を診断する場合を想定する。上述したように、センサ31,32として拡散反射形光電センサが用いられる。
センサ31は、センサ32よりも3リンク先でチェーン21の移動方向に配列された複数のローラ23を検出したときに検出信号S1を出力する。センサ32は、センサ32よりも3リンク後方で各ローラ23を検出したときに検出信号S2を出力する。なお、検出信号S1,S2は、各ローラ23と共に移動している各ピン24の通過を示す信号として用いられる。
診断運転中にチェーン21の移動に伴ってセンサ31,32から出力される検出信号S1,S2は、診断装置33に逐次入力される(ステップS11,S12)。診断装置33に備えられた管理部35は、検出信号S1,S2が最初に立ち上がったときのタイミングで各ピン24に診断番号を順に付けて管理する(ステップS13)。
一方、基準ピン判断部34は、チェーン21の移動中に検出信号S1,S2の組み合わせから各ピン24に含まれる基準ピン24aを判断する(ステップS14)。ここで、基準ピン24aが挿入されているローラ23の外周面にはセンサ31,32が正常に動作しない加工が施されているので、基準ピン24aが通過したときにはセンサ31,32から検出信号は出力されない。
したがって、検出信号S1,S2のうちの一方だけが出力されている場合に、基準ピン判断部34は、検出信号が出力されていないセンサ側を通過したピンを基準ピン24aとして判断する。基準ピン24aの通過が判断されると(ステップS14のYes)、管理部35は、基準ピン24aを基準にした管理番号に振り替えて管理する(ステップS15)。
図8を参照して診断番号と管理番号との関係について説明する。
診断運転開始時には、センサ31の検出信号S1とセンサ32の検出信号S2がそれぞれに最初に立ち上がったときのタイミングで各ピン24に診断番号が付けられる。すなわち、センサ31の検出信号S1が最初に立ち上がったときの診断番号は「1」である。センサ31から検出信号S1が出力される毎に、センサ31側で検出される各ピン24には「1」から昇順に診断番号が付される。
また、センサ32は、センサ31から3リンク後方にあるので、センサ32の検出信号S2が最初に立ち上がったときの診断番号は「4」である。センサ32から検出信号S2が出力される毎に、センサ32側で検出される各ピン24には「4」から昇順に診断番号が付される。この診断番号は、診断運転を開始したときのチェーン21の位置によって変わるため、各ピン24を特定できる絶対的な番号ではない。
ここで、図8の例のように、センサ32の検出信号S2が出力され、センサ31の検出信号S1が出力されていない場合、つまり、一方のセンサ31だけが未検出であった場合には(センサ31:OFF,センサ32:ON)、その未検出物は基準ピン24aと判断できる。以後、この基準ピン24aを基準にして各ピン24に管理番号が付される。具体的には、センサ31側では、基準ピン24aの次のピン24に管理番号「1」が付される。センサ31から検出信号S1が出力される毎に、センサ31側で検出される各ピン24には「1」から昇順に管理番号が付される。
また、センサ32は、センサ31から3リンク後方にあるので、センサ32から検出信号S2が出力される毎に、センサ32側で検出される各ピン24には「4」から昇順に管理番号が付される。この管理番号は、診断運転を開始したときのチェーン21の位置に関係なく、各ピン24を特定できる絶対的な番号である。
なお、図8では、基準ピン24aがセンサ31の下を先に通過した場合を例にして説明したが、基準ピン24aがセンサ32の下を先に通過した後、続いてセンサ31の下を通過する状況がある。このような場合、管理番号への振り替えは、基準ピン24aがセンサ32の下を通過したときに開始し(センサ31:ON,センサ32:OFF)、基準ピン24aがセンサ31の下を通過したときには無視することで対応するものとする(センサ31:OFF,センサ32:ON)。
このようして、各ピン24に管理番号が付された後、診断装置33に備えられた伸び検出部36では、入力された検出信号S1,S2に基づいてチェーン伸びの判断を行う。すなわち、図6に示すように、伸び検出部36は、まず、検出信号S1,S2の立ち上がりタイミングを比較して、両者の時間的なずれを検出する(ステップS16)。この立ち上がりタイミングのずれが予め設定された閾値以上であった場合(ステップS17のYes)、伸び検出部36は、チェーン21が伸びていると判断する(ステップS18)。
ここで、伸び検出部36は、上記閾値以上となる部分をチェーン21が伸びている部分として検出し、管理部35から当該部分に対応したピン24の管理番号を取得して診断結果として出力する(ステップS19)。診断運転が終了するまでの間(ステップS20のNo)、上記ステップS16からの処理が繰り返され、チェーン21が伸びている部分に対応したピン24の管理番号が診断結果として出力される。診断結果の出力先は、例えば診断装置33内に設けられた図示せぬ記憶部あるいは制御装置14などを含む。
図9、図10Aおよび図10Bを参照してチェーン伸びの判断方法について説明する。
図9はチェーン伸びがない場合の検出信号S1,S2の出力タイミングを示す図、図10Aはチェーン伸びがある場合の検出信号S1,S2の出力タイミングを示す図である。図10Bはチェーン伸びの状態を模式的に示した図である。図中の数字は管理番号である。
センサ31,32は、チェーン21の隣り合うローラ23、23間のピッチの整数倍の長さ間隔でチェーン21の移動方向に沿って配置されている。したがって、チェーン21に伸びが全くない場合には、図9で示すように、センサ31から出力される検出信号S1の立ち上がり時刻t1と、センサ32から出力される検出信号S2の立ち上がり時刻t2とが一致する。
一方、チェーン21に伸びがあり、隣り合うローラ23,23間の間隔が所定のピッチより長い場合には、図10Aで示すように、センサ31から出力される検出信号S1の立ち上がり時刻t11と、センサ32から出力される検出信号S2の立ち上がり時刻t12との間にずれが生じる。この時刻t11、t12の差、すなわち、検出信号S1,S2の立ち上がりタイミングのずれの大きさは、チェーン21のセンサ31,32間の伸びの大きさに比例する。
ここで、チェーン21の伸び部分は、基準ピン24aを基準にして各ピン24に付された管理番号で特定できる。図10Aの例では、管理番号「4」のピン24の部分で伸びが生じていることがわかる。
図10Aに示すように、チェーン21の部分的な伸びの部分がセンサ31とセンサ32との間を通過している間、センサ31から出力される検出信号S1とセンサ32から出力される検出信号S2とが同期しない。チェーン21の部分的な伸びの部分がセンサ31とセンサ32との間を通過した後は、検出信号S1と検出信号S2とが同期するようになる。
この様子を図10Bに示す。
例えば、管理番号「4」のピン24がチェーン21の移動方向に対して後方にずれているとする。管理番号「1」のピン24がセンサ31を通過したときに、検出信号S1が出力される。このとき、管理番号「4」のピン24はセンサ32をまだ通過していないので、検出信号S2は出力されない。この場合、検出信号S2は、検出信号S1よりもΔt(t12−t11)だけ遅れて出力される。
上記Δtの遅れは、管理番号「4」のピン24が3リンク先に設置されたセンサ31を通過するまで続く。この場合、センサ31,32が検出対象としている物体は同じなので、管理番号「4」のピン24がセンサ31を通過後は、センサ31,32から検出信号S1,S2が同期して出力される。
このように、チェーン21の伸び部分を各ピン24に付された管理番号から特定できる。したがって、別の日に診断運転を行った場合でも、前回と同じ管理番号から伸び部分を特定でき、例えば診断日毎に当該部分の伸び率を比較したり、経過観察を行うことが可能となる。
また、保守員がチェーン21を点検する場合に管理番号から伸び部分を直ぐに探し出して対処できるといった利点がある。その際、例えば図11に示すように、チェーン21の移動方向に沿って、各リンク22の一部あるいは全部に基準ピン24aを基準とした順番を把握するためのマーキング25を施しておけば、基準ピン24aからピン24を1つ1つ数えなくとも、マーキング25を目安にして該当する管理番号のピン24をすぐに探し出すことができる。
図11の例では、マーキング25としてドットのマークをリンク22の外側側面に付してある。例えば、1つのドットが管理番号「10」、2つのドットが管理番号「20」、3つのドットが管理番号「30」…と決めておけば、基準ピン24aから数えなくても、該当する管理番号のピン24をすぐに探して出すことができる。また、図12の例のように、マーキング25として具体的な番号をリンク22の外側側面に付しておくことでも良い。マーキング25の場所をリンク22の外側側面としているのは、点検時に確認しやすい場所であり、また、チェーン21の移動中に擦れて消えることが少ないためである。
なお、上記実施形態では、センサ31,32に用いる反射型光電センサが正常動作しない加工として、光沢率の高い材料を塗布することを例にして説明したが、例えば黒色の塗料など、光の吸収率の高い材料を塗布することであっても良い。
(他の実施形態)
上記実施形態では、リンク22の両端部にピン24を介してローラ23が設けられたチェーン21を例にして説明したが、本発明はローラレス型のチェーンでも適用可能である。
図13にローラレス型のチェーンに用いられる診断システムの構成を示す。図中の41がローラレス型のチェーンを示している。このチェーン41は、複数のリンク42を有し、これらがピン44で連結されている。これらのピン44の中の任意の1つのピンが基準ピン44aとして用いられる。図14に示すように、基準ピン44aの外周面に反射型光電センサ(センサ31,32)が正常動作しない加工を直接施しておくことで、上記実施形態と同様の作用効果が得られる。
また、本発明はエスカレータに限らず、動く歩道などを含む乗客コンベアのすべてに適用可能である。また、人に限らず、チェーンの駆動により人や物を搬送する搬送装置全般に適用でき、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
以上述べた少なくとも1つの実施形態によれば、搬送装置に備えられたチェーンの部分的な伸びを検出し、その伸び部分を特定できる診断システムを提供することができる。
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
21…チェーン、22…リンク、23…ローラ、24…ピン、24a…基準ピン、25…マーキング、31,32…センサ、31a,32a…投光器、31b,32b…受光器、33…診断装置、34…基準ピン判断部、35…管理部、36…伸び検出部。

Claims (8)

  1. 複数のリンクを一定のピッチで連結するための複数のピンを有し、上記各ピンの中の任意の1つのピンが基準ピンとして定められたチェーンを備えた搬送装置と、
    上記チェーンの移動方向に沿って、上記ピッチの整数倍の長さ間隔で配置され、上記各ピンの通過を検出する第1および第2のセンサと、
    上記第1のセンサから出力される第1の信号と上記第2のセンサから出力される第2の信号とに基づいて、上記各ピンに含まれる上記基準ピンを判断する基準ピン判断手段と、
    上記基準ピンを基準にして上記各ピンに管理番号を付す管理手段と、
    上記第1の信号の立ち上がりタイミングと上記第2の信号の立ち上がりタイミングとを比較して上記チェーンが伸びている部分を検出し、上記管理手段から当該部分に対応した上記ピンの管理番号を取得して検出結果として出力する伸び検出手段と
    を具備したことを特徴とする診断システム。
  2. 上記第1および第2のセンサは、投光器と受光器が一体化された反射形の光電センサからなり、
    上記基準ピンには、上記光電センサが正常動作しない加工が施されていることを特徴とする請求項1記載の診断システム。
  3. 上記加工として、光沢率の高い材料が塗布されていることを特徴とする請求項2記載の診断システム。
  4. 上記加工として、光の吸収率の高い材料が塗布されていることを特徴とする請求項2記載の診断システム。
  5. 上記基準ピン判断手段は、
    上記第1および第2のセンサのうちの一方のセンサから信号が出力され、他方のセンサから信号が出力されていない場合に、上記他方のセンサを通過するピンが上記基準ピンであると判断することを特徴とする請求項2記載の診断システム。
  6. 上記管理手段は、
    上記各ピンの中で上記基準ピンの次に検出されるピンから上記管理番号を昇順に付すことを特徴とする請求項1または2記載の診断システム。
  7. 上記伸び検出手段は、
    上記第1の信号の立ち上がりタイミングと上記第2の信号の立ち上がりタイミングとのずれが予め設定された閾値以上となる部分を上記チェーンが伸びている部分として検出し、上記管理手段から当該部分に対応した上記ピンの管理番号を取得することを特徴とする請求項1または2記載の診断システム。
  8. 上記チェーンの移動方向に沿って、上記各リンクの一部あるいは全部に上記基準ピンを基準とした順番を把握するためのマーキングが施されていることを特徴とする請求項1または2記載の診断システム。
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