JP2024025275A - 乗客コンベア検査システム及び乗客コンベア検査方法 - Google Patents

乗客コンベア検査システム及び乗客コンベア検査方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2024025275000001
【課題】作業者の耳や経験に頼らずに、異常音(振動)の発生箇所を精度良く、効率的に特定することができる乗客コンベア検査システム及び乗客コンベア検査方法を提供する。
【解決手段】乗客コンベア検査システム100は、振動センサ101b、101c、101d、101e、101f、101gと、演算装置102と、を備えている。振動センサ101b、101c、101d、101e、101f、101gは、乗客コンベア1における可動しない非可動部14、15に取り付けられ、非可動部14、15の振動を検出する。演算装置102は、振動センサ101b、101c、101d、101e、101f、101gが検出した振動情報を取得し、振動情報に対して信号処理を行い、出力する。
【選択図】図4

Description

本発明は、乗客コンベア検査システム及び乗客コンベア検査方法に関する。
エスカレーターや動く歩道等の乗客コンベアは、安全性と快適性を保証するため、組立後や現地施工後に試運転させて、異常音(異常振動)の有無を確認する検査が行われる。そして、検査時に異常音の発生箇所の見当を付け、循環移動するステップと、各種取付部材(クシ、ステップガイドレール、スカートガード等)との擦れや、ステップが走行するレールの段差を無くすように調整が図られる。しかしながら、検査を行う工場内の検査環境が必ずしも静音環境でないため、周囲の騒音と異常音を判別するのが困難であった。
さらに、乗客コンベアの検査は、作業者の耳や経験を頼りに行われる。そのため、作業者の熟練度が検査結果に影響を与えていた。
また、乗客コンベアを検査する技術として、例えば、特許文献1に記載されているようなものがある。特許文献1には、加速度センサ、マイクロホン、情報記録装置及び処理装置を備えた検査装置が記載されている。情報記録装置には、加速度センサ及びマイクロホンからの情報が振動信号及び音信号としてそれぞれ記録される。処理装置は、区間特定部と、情報記録装置及び区間特定部からの情報に基づいて振動信号及び音信号についての平均振幅、尖度及びステップ周期成分を統計特徴量として求める統計特徴量算出部と、乗客コンベアの異常の有無を判定する判定部とを有している。
特開2007-8709号公報
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、加速度センサが可動部であるステップのみに設置されている。そのため、異常音(振動)の発生源がステップではなく、クシやステップガイドレール等の取付部材(非可動部)側にある場合、発生した振動が必ずしもステップへ十分に伝播されるわけではない。また、仮に、非可動部からステップに振動が伝わったとしても、ステップ自身の構造で振動が減衰される。そのため、特許文献1に記載された技術では、異常音(振動)を精度よく検出することが困難であり、乗客コンベアの異常箇所を特定することが困難である、という問題を有していた。
また、乗客コンベアの上部ターミナル及び下部ターミナルには、電動機や減速機が設置されているため、電動機や減速機の振動と、異常音との判別がし難いという問題も有している。さらに、ステップがステップガイドレールやクシを通過したり、ステップが上部ターミナルや下部ターミナルで反転したりと、可動部であるステップの移動経路には、擦れや段差の可能性のある箇所が多く、ステップのみに加速度センサを設置する特許文献1に記載された技術では、異常音(振動)の発生源を特定することが、一層困難であった。
上記の問題点を考慮し、作業者の耳や経験に頼らずに、異常音(振動)の発生箇所を精度良く、効率的に特定することができる乗客コンベア検査システム及び乗客コンベア検査方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、乗客コンベア検査システムは、乗客コンベアを検査する乗客コンベア検査システムにおいて、振動センサと、演算装置と、を備えている。振動センサは、乗客コンベアにおける可動しない非可動部に取り付けられ、非可動部の振動を検出する。演算装置は、振動センサが検出した振動情報を取得し、振動情報に対して信号処理を行い、出力する。
また、乗客コンベア検査方法は、以下(1)から(2)に示す処理を含んでいる。
(1)乗客コンベアにおける可動しない非可動部に取り付けられた振動センサにより非可動部の振動を検出する処理。
(2)演算装置により振動センサが検出した振動情報を取得し、振動情報に対して信号処理を行い、出力する処理。
上記構成の乗客コンベア検査システム及び乗客コンベア検査方法によれば、作業者の耳や経験に頼らずに、異常音(振動)の発生箇所を精度良く、効率的に特定することができる。
実施の形態例にかかる乗客コンベア検査システムが用いられる乗客コンベアの構成例を示す概略構成図である。 乗客コンベアの乗降口床周りを上方から見た平面図である。 乗客コンベアのステップを示すもので、フレームの中間部におけるステップの姿勢を説明するための側面断面図である。 実施の形態例にかかる乗客コンベア検査システムを示すシステム構成図である。 実施の形態例にかかる乗客コンベア検査システムの振動センサを設置した状態を示すもので、乗客コンベア全体を示す図である。 実施の形態例にかかる乗客コンベア検査システムの振動センサを設置した状態を示すもので、乗降口床周りを示す図である。 実施の形態例にかかる乗客コンベア検査システムを用いた乗客コンベアの検査方法を示すフローチャートである。 実施の形態例にかかる乗客コンベア検査システムにおける振動情報の一部をグラフ化した一例である。
以下、乗客コンベア検査システム及び乗客コンベア検査方法の実施の形態例について、図1~図8を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。
1.実施の形態例
1-1.乗客コンベアの構成例
まず、実施の形態例(以下、「本例」という。)にかかる乗客コンベア検査システムが用いられる乗客コンベアの構成について、図1から図3を参照して説明する。
図1は、乗客コンベアを示す概略構成図である。
図1に示す乗客コンベア1は、建築構造物の上階床と下階床に設置される傾斜型の乗客コンベア、いわゆるエスカレーターである。乗客コンベア1は、工場において、図1に示す一塊(欄干3や特別な長大型は分割)に組立完成された状態で、施工現場まで搬送され、据え付けられる。図1に示すように、乗客コンベア1は、乗降口床11と、建築構造物に設置されたフレーム12と、ハンドレール2と、欄干3と、スカートガード4と、複数のステップ5と、ハンドレール2と、駆動装置10とを備えている。また、乗客コンベア1は、駆動側ターミナルギア6と、従動側ターミナルギア7と、ステップチェーン13とを備えている。
乗降口床11は、建築構造物の上階床と、下階床に配置される。乗降口床11から乗客が乗り降りする。図2は、乗降口床11周りを上方から見た平面図である。図2に示すように、乗降口床11と循環移動するステップ5との間には、クシ14が設けられている。クシ14は、乗降口床11におけるステップ5側の先端部に固定されている。
また、乗降口床11付近のフレーム12には、ステップガイドレール15が固定されている。ステップガイドレール15は、ステップ5の幅方向の両側に配置されて、ステップ5を挟み込みようにフレーム12に取り付けられている。ステップガイドレール15は、後述するステップ5のステップガイド21をガイドし、ステップ5の幅方向(Y方向)の位置決めを行う。これにより、クシ14の下方をステップ5が干渉することなく通過することができる。なお、ステップガイドレール15は、定常状態では、ステップガイド21との間に幅方向(Y方向)に数mm程度の隙間が開くように設置される。
クシ14やステップガイドレール15は、フレーム12における上部ターミナル24及び下部ターミナル25に配置されている。
フレーム12は、上階側の乗降口床11から下階側の乗降口床11に跨って配置される。フレーム12における上階床側には、上部ターミナル24が設置され、フレーム12における下階床側には、下部ターミナル25が設置される。上部ターミナル24には、駆動装置10と、駆動側ターミナルギア6が配置され、下部ターミナル25には、従動側ターミナルギア7が配置される。駆動装置10、駆動側ターミナルギア6及び従動側ターミナルギア7は、乗降口床11の下方に設置される。また、駆動側ターミナルギア6は、フレーム12の長手方向の一端部に回転可能に支持され、従動側ターミナルギア7は、フレーム12の長手方向の他端部に回転可能に支持される。
駆動装置10は、電動機及び減速機8により構成されている。電動機には、制御盤から電力が供給される。そして、電動機は、制御盤によりその動作が制御される。電動機の駆動プーリには、ベルト部材が巻き掛けられている。また、このベルト部材は、減速機8の従動プーリに巻き掛けられている。これにより、電動機の回転力は、ベルト部材を介して減速機8に伝達される。
さらに、減速機8の伝達スプロケットには、駆動チェーン9が巻き掛けられている。この駆動チェーン9は、駆動側ターミナルギア6のドライビングチェーンスプロケットに巻き掛けられている。そして、駆動装置10の駆動力が駆動チェーン9を介して駆動側ターミナルギア6に伝達され、駆動側ターミナルギア6が回転する。
駆動側ターミナルギア6と従動側ターミナルギア7には、ステップチェーン13が巻き掛けられている。そして、駆動側ターミナルギア6が回転することで、従動側ターミナルギア7及びステップチェーン13が回転する。
また、駆動側ターミナルギア6には、不図示のハンドレール駆動チェーンが巻き掛けられている。ハンドレール駆動チェーンは、複数の伝達プーリに巻き掛けられると共に、ハンドレール駆動装置の駆動ローラーに備えられたスプロケットに巻き掛けられている。
駆動装置10、駆動側ターミナルギア6及び従動側ターミナルギア7により乗客コンベア1の駆動機構を構成している。すなわち、上部ターミナル24及び下部ターミナル25には、駆動機構が配置される。
また、フレーム12には、前輪レール22及び後輪レール23(図3参照)が設けられている。そして、複数のステップ5は、前輪レール22及び後輪レール23に移動可能に支持される。また、複数のステップ5は、ステップチェーン13を介して無端状に連結されている。複数のステップ5は、フレーム12に取り付けられた前輪レール22及び後輪レール23に案内されて往路(往き)側と復路(返り)側を循環移動する。また、ステップ5は、上部ターミナル24及び下部ターミナル25においてその移動方向が反転する。乗客は、往路側を移動するステップ5に乗って搬送される。
欄干3及びスカートガード4は、フレーム12の幅方向の両側に配置されている。欄干3は、スカートガード4を介してフレーム12の上部に支持されている。欄干3には、無端状のハンドレール2が取り付けられている。ハンドレール2は、欄干3に移動可能に支持されている。ハンドレール2は、ハンドレール駆動装置によって、複数のステップ5と同一方向に、複数のステップ5と同期して循環移動する。
図3は、ステップ5を示すもので、フレーム12の中間部におけるステップ5の姿勢を説明するための側面断面図である。
図3に示すように、ステップ5は、主に乗客が乗る踏板16と、ステップ5の本体を示すライザ17と、前輪18と、後輪19と、ブラケット20と、ステップガイド21とを有している。なお、本例では、前輪18がステップチェーン13に内蔵された例を示す。
前輪18及び後輪19は、ライザ17の幅方向の両側に配置されている。前輪18は、フレーム12に設けた前輪レール22を走行し、後輪19は、フレーム12に設けた後輪レール23を走行する。また、ライザ17の幅方向の両側には、ブラケット20が配置されている。ブラケット20には、ステップガイド21が取り付けられている。
ステップガイド21は、ブラケット20からライザ17の幅方向の外側、すなわちスカートガード4に向けて突出している。そして、ステップガイド21は、ブラケット20とスカートガード4の接近を阻止するため、ブラケット20におけるスカートガード4との対向面に介在される。そのため、ステップガイド21は、ステップ5におけるスカートガード4との隙間を形成するスペーサの役割を有している。また、ステップガイド21により、ステップ5の蛇行を抑制することができる。
なお、本発明では、ステップ5が可動部を示している。そして、スカートガード4、フレーム12、クシ14、ステップガイドレール15、前輪レール22、後輪レール23等が建築構造物に設置されて、移動しない非可動部を示している。
1-2.乗客コンベア検査システムの構成
次に、上述した乗客コンベア1の検査する際に用いられる本例の乗客コンベア検査システム100の構成例について図4を参照して説明する。
図4は、乗客コンベア検査システム100を示すシステム構成図である。
図4に示すように、乗客コンベア検査システム(以下、単に「検査システム」と称す。)100は、複数の加速度センサ101a、101b、101c、101d、101e、101f、101gと、演算装置102とを有している。また、複数の加速度センサ101a、101b、101c、101d、101e、101f、101gと、演算装置102は、それぞれ無線通信部を備えており、情報を送受信可能に接続されている。無線通信部としては、一般的な無線通信規格が適用される。
複数の加速度センサ101a~101gは、それぞれ乗客コンベア1を構成する部材であるステップ5や、ステップガイドレール15、クシ14等に着脱可能に取り付けられる。そして、複数の加速度センサ101a~101gは、設置された部材の振動を検出し、検出した振動情報を演算装置102に無線通信部を介して送信する。
また、加速度センサ101a~101gの設置方法としては、マグネット、両面テープ、面ファスナー、ワックス等その他各種の設置方法が適用されるものである。
なお、本例では、振動を検出する振動センサとして、加速度センサを適用した例を説明したが、これに限定されるものではなく、振動センサとしては、加速度センサ(ジャイロセンサ)や異音を検出する音センサ等その他各種のセンサが適用できるものである。
演算装置102は、作業者が有するパーソナルコンピューター(PC)や携帯情報端末だけでなく、乗客コンベア1を監視する監視センタのコンピューター等が適用される。演算装置102は、複数の加速度センサ101a~101gからの振動情報を受信し、信号処理(取得データの時間同期、高周波ノイズ等の除去)を行う。そして、演算装置102は、複数の加速度センサ101a~101gが検出した振動情報を互いに同期させて時系列データのグラフとして表示装置等に出力する。
また、演算装置102は、加速度センサ101a~101gが設置される部材ごとに予め設定された閾値を有している。そして、演算装置102は、閾値と、複数の加速度センサ101a~101gが検出した振動情報に基づいて、乗客コンベア1の合否(異常)判定を行う。合否判定では、各加速度センサ101a~101gが検出した振動情報に基づいて、異常音(異常振動)の発生源の特定も行ってもよい。
図5及び図6は、加速度センサ101a~101gの設置位置を示す図である。図5は、乗客コンベア1全体を示し、図6は、乗降口床11周りを示している。なお、以下の説明では、乗客コンベア1の長手方向、すなわちステップ5の往路の復路での進行方向(前後方向)をX方向とする。そして、乗客コンベア1の幅方向をY方向、鉛直方向をZ方向とする。
図5及び図6に示すように、加速度センサ101aは、ステップ5に設置される。そして、ステップ5に設置された加速度センサ101aは、少なくともZ方向の振動を検出する。加速度センサ101bは、下部ターミナル25に設けられた2つのステップガイドレール15、15のうちY方向の一側、すなわち左側のステップガイドレール15に設置される。加速度センサ101cは、下部ターミナル25に設けられた2つのステップガイドレール15、15のうちY方向の一側、すなわち右側のステップガイドレール15に設置される。加速度センサ101dは、下部ターミナル25の乗降口床11に設けられたクシ14に設置される。
加速度センサ101eは、上部ターミナル24に設けられた2つのステップガイドレール15、15のうちY方向の一側、すなわち左側のステップガイドレール15に設置される。加速度センサ101fは、上部ターミナル24に設けられた2つのステップガイドレール15、15のうちY方向の一側、すなわち右側のステップガイドレール15に設置される。加速度センサ101g、上部ターミナル24の乗降口床11に設けられたクシ14に設置される。
ステップ5に設置される加速度センサ101aは、少なくともZ方向の振動を検出する。また、ステップガイドレール15に設置される加速度センサ101b、101c、101e、101fは、少なくともY方向の振動を検出する。そして、クシ14に設置される加速度センサ101d、101gは、少なくともX方向の振動を検出する。
ここで、ステップガイドレール15やステップガイド21に異常が発生する場合、ステップガイドレール15にはステップガイド21が幅方向(Y方向)から当接するため、ステップガイドレール15は、主に幅方向(Y方向)に振動する。また、クシ14とステップ5が当接する場合、ステップ5はクシ14に対して前後方向(X方向)から当接する。そのため、クシ14は、主に前後方向(X方向)に振動する。
このように、非可動部に設置される加速度センサ101b~101gは、設置される部材に応じて、異常時に主に振動する方向の振動を検出している。異常時に振動する方向は、ステップ5が異常に非可動部に当接する方向である。これにより、演算装置102で行う信号処理の情報量が増大することを抑制でき、検出結果の出力処理や合否判定処理が煩雑になることを抑制できる。その結果、異常音(振動)の発生源の検出精度を向上させることができる。
なお、加速度センサ101a~101gは、1軸方向のみの信号を検出できるセンサに限定されるものではなく、3軸方向、すなわちX方向、Y方向及びZ方向の振動を検出可能なセンサを適用してもよい。
2.乗客コンベア検査システムによる検査方法例
次に、上述した構成を有する乗客コンベア検査システム100を用いた乗客コンベア1の検査方法例について図7を参照して説明する。なお、図7に示す例では、乗客コンベア1の組立後や現地施工後に実施される試運転時の検査方法について説明する。
図7は、乗客コンベア検査システム100を用いた乗客コンベア1の検査方法を示すフローチャートである。
図7に示すように、まず作業者は、複数の加速度センサ101a~101gと演算装置102のペアリング(通信接続)作業を行う(S1)。これにより、複数の加速度センサ101a~101gと演算装置102との無線通信が確立する。
次に、作業者は、複数の加速度センサ101a~101gを、図5及び図6に示すように乗客コンベア1における所定の箇所に取り付ける(S2)。そして、乗客コンベア1のステップ5をダウン方向及びアップ方向に数周(3周以上が好ましい)移動させ、複数の加速度センサ101a~101gにより各部材の加速度データ(振動情報)を計測する(S3)。また、複数の加速度センサ101a~101gは、検出した振動情報を、無線通信部を介して演算装置102に送信する。
ダウン方向及びアップ方向にそれぞれ動かすことで、ダウン方向、アップ方向でステップ5の挙動が変化し、異常音が片方向で発生するのか、両方向で発生するのかを確認することができる。さらに、1周ではなく、数周動かすことで、異常音の再現性を確認することができる。
次に、演算装置102は、複数の加速度センサ101a~101gが計測した振動情報に対して信号処理を行い、時系列データとしてグラフ化し、出力する(ステップS4)。そして、演算装置102は、出力したグラフに基づいて、各部材の合否判定を実施する(S5)。
ここで、図8を参照して演算装置102が振動情報をグラフ化した一例について説明する。
図8は、ステップ5及び下部ターミナル25における加速度データ(振動情報)の一部をグラフ化したものである。図8の最上部のグラフは、ステップ5に設けた加速度センサ101aが検出した加速度データのグラフである。図8の上から2番目のグラフは、下部ターミナル25における左側のステップガイドレール15に設けた加速度センサ101bが検出した加速度データのグラフである。図8の上から3番目のグラフは、下部ターミナル25における右側のステップガイドレール15に設けた加速度センサ101cが検出した加速度データのグラフである。図8の最下部のグラフは、下部ターミナル25におけるクシ14に設けた加速度センサ101dが検出した加速度データのグラフである。
図8の最上部のグラフに示すように、ステップ5が上部ターミナル24において返り側から往き側に反転する際に、Z方向の加速度が閾値を超えている。そのため、演算装置102や作業者は、このグラフから上部ターミナル24で反転する前のレール22、23に段差があったと推察することができる。
また、図8における2番目と3番目のグラフに示すように、下部ターミナル25の右側のステップガイドレール15の加速度が左側のステップガイドレール15の加速度よりも全体的に大きくことが分かる。そして、右側のステップガイドレール15の加速度は、何回か閾値を超えている。この情報により、ステップ5における右側のステップガイド21が、所定値よりも右側のステップガイドレール15を擦っている演算装置102は、推察することができる。
さらに、図8における最下部のグラフに示すように、下部ターミナル25のクシ14の加速度が閾値を超えている。これにより、クシ14とステップ5が当接し、異常音(振動)が発生したことを、演算装置102や作業者は、推察することができる。
このように、クシ14やステップガイドレール15等の非可動部に加速度センサ101b、101c、101d、101e、101f、101gを設けたことで、異常音(異常振動)がどこで発生したかを明確に判断することができる。その結果、作業者の耳や経験に頼らずに、異常音(振動)の発生箇所を精度良く、効率的に特定することができる。
また、演算装置102は、S5の合否判定処理時に、出力したグラフに基づいて、不具合の調整方法を提案してもよい。例えば、上述したように、2番目と3番目のグラフを比較することで、ステップ5における右側のステップガイド21が、所定値よりも右側のステップガイドレール15を擦っていることが分かる。そのため、演算装置102は、ステップ5を左側に寄せる又は、右側のステップガイドレール15の位置を右側に寄せる等を作業者に対して提案する。これにより、後述するS6に示す再調整作業を容易に行うことができる。
S5の処理において、異常が発生したと演算装置102が判断した場合(S5のNG判定)、作業者は、S5の結果に基づいて、不具合箇所の再調整を行う(S6)。そして、S3の処理に戻り、再度加速度データの取得(S3)、グラフ化処理(S4)と、合否判定処理(S5)を実施する。
また、S5の処理において、異常がないと演算装置102が判断した場合(S5のOK判定)、作業者は、S2の処理で取り付けた加速度センサ101a~101gを取り外す(S7)。そして、作業者又は演算装置102は、調整後の計測結果を試運転調整の検査証明書として発行する(S8)。これにより、乗客コンベア検査システム100を用いた乗客コンベア1の検査方法が終了する。
なお、上述した検査方法では、乗客コンベア1の組立後や現地施工後に実施する例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、乗客コンベア1を建築構造物に設置した後に定期的に行われる保守点検時に上述した検査を実施してもよい。
また、S5の処理における合否判定処理を演算装置102が実施する例を説明したが、これに限定されるものではない。演算装置102は、S4の処理において、複数の加速度センサ101a~101gが計測した振動情報に対して信号処理を行い、時系列データとしてグラフ化し、出力している。そのため、S5の合否判定処理は、例えば、演算装置102が出力したデータに基づいて、作業者が実施してもよい。
なお、上述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
上述した実施の形態例では、振動センサである加速度センサ101aを可動部であるステップ5に取り付ける例を説明したが、これに限定されるものではなく、可動部であるステップ5に振動センサを取り付けなくてもよい。
また、振動センサが取り付けられる非可動部は、クシ14やステップガイドレール15に限定されるものではなく、例えば、前輪レール22や後輪レール23、フレーム12、スカートガード4、乗降口床11等その他各種の部材に取り付けてもよい。ここで、上部ターミナル24及び下部ターミナル25には、駆動側ターミナルギア6や従動側ターミナルギア7、減速機8、駆動装置10等の振動を発する部材が設けられており、異常音との判別が難しい。そのため、振動センサが取り付けられる非可動部としては、駆動装置10との振動と異常音を区別するために、上部ターミナル24や下部ターミナル25に配置される部材を適用することが好ましい。
さらに、振動センサである加速度センサ101a~101gを、検査時に乗客コンベア1に取り付ける例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、乗客コンベア1を建築構造物に設置した後も、常時振動センサを乗客コンベア1に設置しておいてもよい。これにより、乗客コンベア1の状態を常時監視することができる。
上述した実施の形態例では、傾斜型の乗客コンベアとして、踏段間に段差が生じるエスカレーターを例に挙げて説明したが、本発明の乗客コンベアとしては、踏段間に段差が生じない複数の踏段を有する電動道路、いわゆる動く歩道にも適用できるものである。
また、傾斜区間の少なくとも一部に、上水平区間及び下水平区間に対して平行な箇所を設けたフレームを有する乗客コンベアにも適用できるものである。さらに、傾斜区間の延設方向が湾曲して変化することで、上水平区間と下水平区間の延設方向が異なるフレームを有する乗客コンベアに対しても同様に適用できるものである。
なお、本明細書において、「平行」及び「直交」等の単語を使用したが、これらは厳密な「平行」及び「直交」のみを意味するものではなく、「平行」及び「直交」を含み、さらにその機能を発揮し得る範囲にある、「略平行」や「略直交」の状態であってもよい。
1…乗客コンベア、 2…ハンドレール、 3…欄干、 4…スカートガード、 5…ステップ、 6…駆動側ターミナルギア、 7…従動側ターミナルギア、 8…減速機、 9…駆動チェーン、 10…駆動装置、 11…乗降口床、 12…フレーム、 13…ステップチェーン、 14…クシ、 15…ステップガイドレール、 16…踏板、 17…ライザ、 18…前輪、 19…後輪、 20…ブラケット、 21…ステップガイド、 22、23…レール、 24…上部ターミナル、 25…下部ターミナル、 100…乗客コンベア検査システム、 101a、101b、101c、101d、101e、101f、101g…加速度センサ、 102…演算装置

Claims (10)

  1. 乗客コンベアを検査する乗客コンベア検査システムにおいて、
    前記乗客コンベアにおける可動しない非可動部に取り付けられ、前記非可動部の振動を検出する振動センサと、
    前記振動センサが検出した振動情報を取得し、前記振動情報に対して信号処理を行い、出力する演算装置と、
    を備えた乗客コンベア検査システム。
  2. 前記振動センサは、前記乗客コンベアにおける可動部であるステップにも取り付けられる
    請求項1に記載の乗客コンベア検査システム。
  3. 前記振動センサは、前記乗客コンベアのフレームにおける駆動機構が配置されるターミナルに設けた非可動部に取り付けられる
    請求項1に記載の乗客コンベア検査システム。
  4. 前記振動センサは、前記非可動部として少なくとも前記乗客コンベアのステップガイドレールやクシに取り付けられる
    請求項3に記載の乗客コンベア検査システム。
  5. 前記振動センサが振動を検出する方向は、少なくとも前記非可動部が異常時に振動する方向の振動を検出する
    請求項1に記載の乗客コンベア検査システム。
  6. 前記演算装置は、前記振動情報に基づいて前記乗客コンベアの異常を判定する
    請求項1に記載の乗客コンベア検査システム。
  7. 前記演算装置は、前記振動センサが設置される部材ごとに予め設定された閾値を有し、前記閾値と前記振動情報に基づいて、前記乗客コンベアの異常を判定する
    請求項6に記載の乗客コンベア検査システム。
  8. 前記演算装置は、前記振動情報に対して信号処理を行い、出力したデータに基づいて、不具合の調整方法を提案する
    請求項7に記載の乗客コンベア検査システム。
  9. 前記振動センサは、前記乗客コンベアに着脱可能に取り付けられる
    請求項1に記載の乗客コンベア検査システム。
  10. 乗客コンベアを検査する乗客コンベア検査方法において、
    前記乗客コンベアにおける可動しない非可動部に取り付けられた振動センサにより前記非可動部の振動を検出する処理と、
    演算装置により前記振動センサが検出した振動情報を取得し、前記振動情報に対して信号処理を行い、出力する処理と、
    を含む乗客コンベア検査方法。
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