JP6966356B2 - ガスセンサ素子およびガスセンサ - Google Patents
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固体電解質体は、先端が閉塞し後端が開口する有底筒状に形成される。固体電解質体は、側面から外向きに突出する鍔部を有し、ジルコニアを含んで構成される。基準電極は、固体電解質体の先端の内面に形成される。測定電極は、固体電解質体の先端の外面に形成される。内面リード部は、固体電解質体の内面において、基準電極に電気的に接続されるとともに、基準電極から固体電解質体の後端まで延設されて、外部の金属端子に接続される。
また、このガスセンサ素子は、内面先端リード部が内面後端リード部よりも厚さ寸法が大きいことで、高温環境下に晒される内面先端リード部において、内面リード部の導電性酸化物の構成元素の一部が蒸散して組成変化が生じたり、異相が生成されても、低抵抗な導電性酸化物を確保できるため、高抵抗化を抑制できる。
つまり、このガスセンサ素子は、ガスセンサの製造工程においてガスセンサ素子と金属端子とを組み付ける場合に、内面後端リード部と金属端子との摩擦を小さくできるため、金属端子との組付け時における内面後端リード部の剥がれを抑制できる。さらに、このように金属端子との摩擦による内面リード部の剥がれを抑制することで、ガスセンサ(ガスセンサ素子)を設置した後に、内面リード部のうち剥がれ部分に連なる部分において、振動などの外力の影響により剥がれが生じるのを抑制できる。
少なくともこの範囲に内面先端リード部を備えることで、ガスセンサ素子における内面リード部の形成領域のうち高温状態の領域には、内面先端リード部が形成されることになり、耐高抵抗化(耐高温性能)をより向上できる。
例えば、内面先端リード部および内面後端リード部をこのような数値範囲で形成することで、高温安定性の向上(高抵抗化の抑制)および耐振動性(剥離の抑制)を実現できる。
尚、本開示は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
[1−1.全体構成]
本実施形態のガスセンサ1は、例えば自動車およびオートバイ等の車両の排気管に取り付けられ、排気管内の排気ガスに含まれる酸素濃度を検出する。
素子鍔部23の先端側(すなわち、図2の下方)には、Pt等で形成された環状の環状リード部28が形成されている。
金属端子9は、センサ出力を外部に取り出すために、導電性材料で形成される筒状部材である。金属端子9は、リード線11に電気的に接続されるとともに、ガスセンサ素子3の内側電極30に電気的に接触するように配置されている。金属端子9は、その後端側に径方向(すなわち、軸線方向に対して垂直の方向)の外向きに突出するフランジ部77を備えている。フランジ部77は、3枚の板状のフランジ片75を備えている。
主体金具13は、金属材料(例えば鉄またはSUS430)で形成された円筒状の部材である。主体金具13には、内周面において径方向内側に向かって張り出した段部39が形成されている。段部39は、ガスセンサ素子3の素子鍔部23を支持するために形成されている。
上述のように、ガスセンサ素子3は、外側電極27と内側電極30とを備える。
図3に示すように、外側電極27と内側電極30は、ガスセンサ素子3の先端部25において、素子本体21を挟み込むように配置されている。素子本体21および一対の電極(すなわち、外側電極27および内側電極30)は、酸素濃淡電池を構成して、排気ガス中の酸素濃度に応じた起電力を発生させる。つまり、ガスセンサ素子3の先端部25において、外側電極27が排気ガスに晒され、内側電極30が基準ガスに晒されることで、ガスセンサ素子3は、排気ガス中の酸素濃度を検出する。
図4に示すように、内側検知電極部30aは、素子本体21に近い側から順に、ランタンジルコネート層31、電極層32および電極リード層33aが積層された構造を有する。
ランタンジルコネート層31は、内側検知電極部30aの焼成時に、電極層32に含まれるランタン(La)と、素子本体21に含まれるジルコニア(ZrO2)とが反応して形成されたランタンジルコネート(La2Zr2O7)の層である。このようなランタンジルコネート層31を、以下、反応層31ともいう。
LaaMbNicOx ・・・(1)
ここで、元素MはCoとFeのうちの一種以上を表し、a+b+c=1であり、1.25≦x≦1.75である。係数a,b,cはそれぞれ、以下の関係式(2a),(2b),(2c)を満たすことが好ましい。
0.200≦b≦0.475 ・・・(2b)
0.025≦c≦0.350 ・・・(2c)
上記の関係式(2a)〜(2c)で表される組成を有するペロブスカイト型導電性酸化物は、室温(例えば25℃)での導電率が250S/cm以上で且つB定数が600K以下となり、上記の関係式(2a)〜(2c)を満たさない場合に比べて導電率が高くB定数が小さいという良好な特性を有する。
0.200≦b≦0.375 ・・・(3b)
0.125≦c≦0.300 ・・・(3c)
上記の組成式(1)におけるO(酸素)の係数xに関しては、上記の組成を有する導電性酸化物が全てペロブスカイト相からなる場合には、理論上はx=1.50となる。但し、酸素が量論組成からずれることがあるため、典型的な例として、係数xの範囲を1.25≦x≦1.75と規定している。
希土類添加セリアは、セリア以外の希土類酸化物が添加されたセリアである。「セリア以外の希土類酸化物」としては、La2O3、Gd2O3、Sm2O3、Y2O3等を利用することができる。このような希土類酸化物における希土類元素REの含有割合は、セリウムと希土類元素REのモル分率{RE/(Ce+RE)}に換算して、例えば、5mol%以上であり且つ40mol%以下である範囲とすることができる。このような希土類添加セリアは、低温(すなわち、室温)では絶縁体であり、高温(すなわち、ガスセンサ1の使用温度)では酸素イオン伝導性を有する固体電解質体である。
本実施形態では、電極層32に含まれる希土類添加セリアの割合が、30〜65体積%である。また本実施形態では、電極層32に含まれる希土類添加セリアの平均粒径が、0.64μm以下である。
内側リード部30bは、接続リード層33b(リード層33)とランタンジルコネート層34とを含む多層構造を有する。ランタンジルコネート層34は、接続リード層33bよりも素子本体21に近い側に配置されている。
接続リード層33bは、内面先端リード部33b1と、内面後端リード部33b2と、を備える。内面先端リード部33b1は、接続リード層33bのうち先端側に形成されており、内側検知電極部30aに当接する。内面後端リード部33b2とは、接続リード層33bのうち後端側に形成されており、金属端子9に接続される。
次に、ガスセンサ素子3の製造方法を説明する。
第1工程では、未焼結成形体を作製する。具体的には、まず、素子本体21の材料である固体電解質体の粉末として、ジルコニア(ZrO2)に安定剤としてイットリア(Y2O3)を5mol%添加したもの(以下、5YSZともいう)に対して、さらにアルミナ粉末を添加したものを用意する。素子本体21の材料粉末全体を100質量%としたとき、5YSZの含有量は99.6質量%であり、アルミナ粉末の含有量は0.4質量%である。この粉末をプレス加工した後に、筒形となるように切削加工を実施することで、未焼結成形体を得る。
まず、外側電極27の形成部分にPtペースト等の貴金属のスラリーを塗布する。次に、電極層32のスラリーを塗布し、その後、リード層33(内側検知電極部30aの電極リード層33a、内側リード部30bの接続リード層33b)のスラリーを塗布する。
次の第4工程では、各スラリーが塗布された未焼結成形体について、乾燥を行った後、所定の焼成温度で焼成する。この焼成温度は、例えば、1250℃以上1450℃以下(好ましくは、1350±50℃)である。この焼成工程では、内側検知電極部30aの電極層32と素子本体21との間に反応層31が形成され、内側リード部30bの接続リード層33bと素子本体21との間に反応層34が形成される。
[1−5.評価試験]
本開示を適用したガスセンサ素子の耐高温性および耐振動性を評価するために実施した評価試験の試験結果について説明する。
以上説明したように、本実施形態のガスセンサ1に備えられるガスセンサ素子3は、素子本体21と、内側電極30(内側検知電極部30a)と、外側電極27と、リード層33と、を備える。
また、ガスセンサ素子3は、内面先端リード部33b1が内面後端リード部33b2よりも厚さ寸法が大きいことで(t1>t2)、高温環境下に晒される内面先端リード部33b1において、導電性酸化物の構成元素の一部が蒸散して組成変化が生じたり、異相が生成されても、元のまま残る導電性酸化物を確保できるため、高抵抗化を抑制できる。
ここで、本実施形態における文言の対応関係について説明する。
ガスセンサ1がガスセンサの一例に相当し、金属端子9が金属端子の一例に相当し、ガスセンサ素子3がガスセンサ素子の一例に相当し、素子鍔部23が鍔部の一例に相当し、素子本体21が固体電解質体の一例に相当し、外側電極27が測定電極の一例に相当し、内側電極30の内側検知電極部30aが基準電極の一例に相当する。
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
Claims (6)
- 先端が閉塞し後端が開口する有底筒状に形成されるとともに、側面から外向きに突出する鍔部を有し、ジルコニアを含んで構成される固体電解質体と、
前記固体電解質体の先端の内面に形成される基準電極と、
前記固体電解質体の先端の外面に形成される測定電極と、
前記固体電解質体の内面において、前記基準電極に電気的に接続されるとともに、前記基準電極から前記固体電解質体の後端まで延設されて、外部の金属端子に接続される内面リード部と、
を備えるガスセンサ素子であって、
前記内面リード部は、組成式:LaaMbNicOx(MはCoとFeのうちの一種以上、a+b+c=1、0.375≦a≦0.535、0.200≦b≦0.475、0.025≦c≦0.350、1.25≦x≦1.75)で表されるペロブスカイト型結晶構造を有するペロブスカイト相を含有する導電性酸化物で形成されるとともに、前記基準電極に当接する内面先端リード部と、前記金属端子に当接する内面後端リード部と、を備えており、
前記内面先端リード部は、前記内面後端リード部よりも厚さ寸法が大きく、
前記内面後端リード部は、前記鍔部の後端よりも後端側の領域に少なくとも形成されている、
ガスセンサ素子。 - 前記内面先端リード部は、前記基準電極の後端と前記鍔部の先端との中間位置よりも先端側の領域に少なくとも形成されている、
請求項1に記載のガスセンサ素子。 - 前記内面先端リード部は、厚さ寸法が11〜28μmであり、
前記内面後端リード部は、厚さ寸法が6〜10μmである、
請求項1または請求項2に記載のガスセンサ素子。 - 前記内面リード部は、厚さ寸法が異なる複数の部分を備えるとともに、前記複数の部分どうしが段差を介して接するように構成されている、
請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載のガスセンサ素子。 - 前記内面リード部は、前記内面先端リード部および前記内面後端リード部が互いに接する境界部を備えており、
前記境界部は、前記固体電解質体の先後方向において、前記鍔部の形成領域に含まれている、
請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載のガスセンサ素子。 - ガスセンサ素子と、ガスセンサ素子の内面リード部に接続される金属端子と、を備えるガスセンサであって、
前記ガスセンサ素子は、請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載のガスセンサ素子である、
ガスセンサ。
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