JP2007278877A - ガスセンサ素子およびガスセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】使用による母体の強度の低下が抑制され耐久性に優れ、かつ、応答性にも優れたガスセンサ素子を提供すること。
【解決手段】ジルコニアを主成分とする固体電解質からなる有底筒状の母体28と、前記母体28の外表面に設けられた外側電極26と、前記母体28の内表面に設けられた内側電極27と、前記母体28と前記外側電極26との間に設けられ、ジルコニアを主成分とする密着層29とを備えるガスセンサ素子2において、前記母体28におけるジルコニア粒子中の正方晶の割合が45%以上、60%以下であり、かつ、前記密着層29におけるジルコニア粒子中の正方晶の割合が前記母体28におけるジルコニア粒子中の正方晶の割合よりも多いことを特徴とするガスセンサ素子2。
【選択図】図2

Description

本発明は、ジルコニアを主成分とする固体電解質からなる有底筒状の母体の外表面に密着層を介して外側電極が形成されると共に、内表面に内側電極が形成され、測定対象となるガス中の被検出成分に応じて両電極間の電気的特性値が変化するガスセンサ素子およびそれを用いてなるガスセンサに関する。
従来、有底筒状の固体電解質からなる母体の外表面に外側電極(検知電極)が形成され、内表面に内側電極(基準電極)が形成され、母体である固体電解質に発生する起電力をこれら外側電極および内側電極から取り出し、酸素濃度等の検出に用いるガスセンサ素子が知られている。
このようなガスセンサ素子については、特に外側電極が長時間高温の検出ガスに晒されても母材から剥離しないことが求められている。このような要求を満たすため、例えば母体の外表面にエッチング等を行い、その外表面を粗くする方法や、母体の焼成前あるいは焼成後に外表面に多孔質層あるいは凸部を形成する方法が用いられている。
例えば母体の外表面に凸部を形成するものとして、粒径が44μm以上のものが過半重量を占める造粒粒子と粒径が10μm以下の微細粒子を含む被着用粒子を母体に塗布被着させた後、同時焼成する方法が知られている。このような方法を用いることで、外側電極の剥離を有効に抑制することができることが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、このような凸部を形成した場合、隣り合う凸部どうしの空間に水蒸気が入り込み、ジルコニアの相転移が発生し、これによりミクロ的に体積変化、微細クラックが生じ、凸部と母体との界面で剥離し、クラックが発生することが知られている。このようなクラックの発生を抑制するため、凸部を一層とし、その占める面積を10〜85%、隣り合う凸部間距離を5〜40μmとすることが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特開昭56−160653号公報 特開平11−230930号公報
ところで、ガスセンサ素子を構成する母体は、その主成分であるジルコニアが相転移することにより強度が低下し、破壊しやすくなる。具体的には、母体を構成するジルコニアは当初、立方晶(cubic)と正方晶(tetragonal)とからなっているが、ガスセンサ素子としての実際の使用の際に、これらのうちの正方晶が単斜晶(monoclinic)へと相転移する。この正方晶から単斜晶への相転移の際に体積膨張が起こるため、母体の強度が低下し、破壊しやすくなる。
このような母体における強度の低下を抑制するためには、単斜晶へと変化する正方晶の含有量を予め少なくしておくことが考えられるが、正方晶の含有量が少なくなると靱性が低下しやすくなるため好ましくない。
また、母体の外表面に形成される凸部は、通常、母体と同様な相構成とされるため、上記したように母体におけるジルコニア粒子中の正方晶の含有量を少なくすると、凸部におけるジルコニア粒子中の正方晶の含有量も少なくなることとなり、ガスセンサ素子の応答性が低下しやすくなる。
本発明は上記したような課題を解決するためになされたものであって、使用の際の母体の強度低下が抑制され、耐久性に優れると共に、応答性にも優れたガスセンサ素子およびそれを用いたガスセンサを提供することを目的としている。
本発明のガスセンサ素子は、ジルコニアを主成分とする固体電解質からなる有底筒状の母体と、前記母体の外表面に設けられた外側電極と、前記母体の内表面に設けられた内側電極と、前記母体と前記外側電極との間に設けられ、ジルコニアを主成分とする密着層とを備えるガスセンサ素子において、前記母体におけるジルコニア粒子中の正方晶の割合が45%以上、60%以下であり、かつ、前記密着層におけるジルコニア粒子中の正方晶の割合が前記母体におけるジルコニア粒子中の正方晶の割合よりも多いことを特徴とする。
本発明のガスセンサ素子においては、前記密着層におけるジルコニア粒子中の正方晶の割合が60%以上であることが好ましい。また、前記母体にはアルミナが含有され、その含有されるアルミナの含有量が5重量%以上であることが好ましく、さらにこのようなアルミナ粒子の平均粒径は1μm以下であることが好ましい。
また、本発明のガスセンサは、ガスセンサ素子と該ガスセンサ素子を取り囲む主体金具とを有するガスセンサであって、前記ガスセンサ素子として上述したような本発明のガスセンサ素子を用いてなることを特徴とする。
本発明によれば、ガスセンサ素子の母体におけるジルコニア粒子中の正方晶の割合を45%以上、60%以下とし、かつ、密着層におけるジルコニア粒子中の正方晶の割合を母体におけるジルコニア粒子中の正方晶の割合よりも多くすることで、使用による母体の強度低下が抑制され、耐久性に優れたものとすることができる共に、応答性にも優れたものとすることができる。
以下、まず本発明のガスセンサの実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態では、自動車の排気管に装着されて排気ガス中の酸素の濃度を検出するガスセンサ(酸素センサ)について説明する。ここで、図1は本発明のガスセンサ1の全体構成を示す断面図であり、図2は図1に示されるガスセンサ1に用いられるガスセンサ素子2の先端側を拡大して示した断面図であり、図3は図2に示されるガスセンサ素子2をさらに拡大して示した断面図である。
図1に示すように、ガスセンサ1は、先端部が閉じた有底筒状をなすガスセンサ素子2と、このガスセンサ素子2の有底孔25に挿入されるセラミックヒータ3と、ガスセンサ素子2を白身の内側にて保持する主体金具5を備える。なお、図1に示すガスセンサ素子2の軸に沿う方向のうち、測定対象ガス(排気ガス)に晒される先端部に向かう側(閉じている側、図中の下側)を「先端側」とし、これと反対方向(図中上側)に向かう側を「後端側」として説明する。
このガスセンサ素子2は、図2に示すようにイットリアを安定化剤として固溶させた部分安定化ジルコニアを主成分とする酸素イオン伝導性を有する有底筒状の固体電解質からなる母体28と、この母体28の有底孔25の内表面に、そのほぼ全面を覆うようにPtあるいはPt合金により多孔質状に形成された内側電極27と、この母体28の外表面に凹凸形状を有する密着層29(図3も参照)を介して、内側電極27と同様に多孔質状に形成された外側電極26とを有している。
また、図1に示すように、このガスセンサ素子2の軸線方向の略中間位置には、径方向外側に向かって突出する係合フランジ部92が設けられている。また、セラミックヒータ3は、棒状に形成されると共に、内部に発熱抵抗体を有する発熱部42を備えている。このセラミックヒータ3は、後述するヒータ用リード線19、22を介して通電されることにより発熱部42が発熱することになり、ガスセンサ素子2を活性化させるべく当該ガスセンサ素子2を加熱する機能を果たす。
主体金具5は、ガスセンサ1を排気管の取付部に取り付けるためのネジ部66と、排気管の取付部への取り付け時に取付工具をあてがう六角部93を有している。また、主体金具5は、ガスセンサ素子2を先端側から支持するアルミナ製の支持部材51と、支持部材51の後端側に充填される滑石粉末からなる充填部材52と、充填部材52を後端側から先端側に向けて押圧するアルミナ製のスリーブ53とを内部に収納可能に構成されている。
主体金具5には、先端側内周に径方向内側に向かって突出した金具側段部54が設けられており、この金具側段部54にパッキン55を介して支持部材51を係止させている。なお、ガスセンサ素子2は、係合フランジ部92が支持部材51上にパッキン94を介して支持されることにより、主体金具5に支持される。支持部材51の後端側における主体金具5の内面とガスセンサ素子2の外面との間には、充填部材52が配設され、さらにこの充填部材52の後端側にスリーブ53および環状リング15が順次同軸状に内挿された状態で配置される。
また、主体金具5の後端側内側にはSUS304Lからなる内筒部材14の先端側が挿入されている。この内筒部材14は、先端側の拡径した開口端部(先端開口端部59)を環状リング15に当接させた状態で、主体金具5の金具側後端部60を内側先端方向に加締めることで、主体金具5に固定されている。なお、ガスセンサ1においては、主体金具5の金具側後端部60を加締めることを通じて、充填部材52がスリーブ53を介して圧縮充填される構造になっており、これによりガスセンサ素子2が筒状の主体金具5の内側に気密状に保持されている。
内筒部材14は、軸線方向における略中間位置に内筒段付き部83が形成されており、内筒段付き部83よりも先端側が内筒先端側胴部61として形成され、内筒段付き部83よりも後端側が内筒後端側胴部62として形成される。内筒後端側胴部62は、内筒先端側胴部61よりも内径、外径がともに小さく形成され、その内径は後述するセパレータ7のセパレータ本体部85の外径よりも若干大きく形成されている。また、内筒後端側胴部62には、周方向に沿って所定の間隔で複数の大気導入孔67が形成されている。
外筒部材16は、SUS304Lの板材を深絞り加工することにより筒状に成形されており、後端側に外部から内部に通じる開口を含む外筒後端側部63、先端側に内筒部材14に対して後端側から同軸状に連結される外筒先端側部64、外筒後端側部63と外筒先端側部64とを繋ぐ外筒段部35が形成される。なお、外筒後端側部63には、弾性シール部材11を気密状に固定するための加締め部88が形成されている。
また、主体金具5の先端側外周には、ガスセンサ素子2の主体金具5の先端から突出する先端部を覆うと共に、複数のガス取入れ孔を有する金属製の二重のプロテクタ81、82が溶接によって取り付けられている。
さらに、内筒部材14の内筒後端側胴部62の外側には、大気導入孔67から水が侵入するのを防止するための筒状のフィルタ68が配置されている。なお、フィルタ68は、例えばポリテトラフルオロエチレンの多孔質繊維構造体(商品名:ゴアテックス(ジャパンコアテックス(株))のように、水を主体とする液体の透過は阻止する一方、空気などの気体の透過は許容する撥水性フィルタとして構成される。
外筒部材16の外筒先端側部64は、フィルタ68が配置された内筒部材14(詳細には内筒後端側胴部62)を外側から覆う形状に形成されており、外筒先端側部64のうち、フィルタ68に対応する位置には周方向に沿って所定の間隔で複数の大気導入孔84が形成されている。
なお、外筒部材16と内筒部材14とは、外筒部材16の外筒先端側部64のうちで大気導入孔84よりも後端側の少なくとも一部を、フィルタ68を介して径方向内側に加締めることで形成した第1加締め部56と、大気導入孔84よりも先端側の少なくとも一部を、同じくフィルタ68を介して径方向内側に加締めることで形成した第2加締め部57とによって固定されている。このとき、フィルタ68は、外筒部材16と内筒部材14との間で気密状に保持されることになる。また、外筒部材16の外筒先端側部64は内筒先端側胴部61に対し外側から重なりを生じるように配置されており、その重なり部の少なくとも一部が周方向の内側に向けて加締められることで、連結加締め部75が形成されている。
これにより、基準ガスとしての大気は、大気導入孔84、フィルタ68および大気導入孔67を通じて内筒部材14の内部に導入され、ガスセンサ素子2の有底孔25に導入される。一方、水滴はフィルタ68を通過することができないため、内筒部材14の内側への侵入が阻止される。
外筒部材16の後端内側(外筒後端側部63)に配置される弾性シール部材11は、ガスセンサ素子2に電気的に接続される2本の素子用リード線20、21と、セラミックヒータ3に電気的に接続される2本のヒータ用リード線19、22とを押通するための4つのリード線押通孔17が、先端側から後端側にかけて貫通するように形成されている。
また、内筒部材14の内筒後端側胴部62に自身の先端側が挿入配置されるセパレータ7は、素子用リード線20、21と、ヒータ用リード線19、22とを挿通するためのセパレータリード線挿通孔71が先端側から後端にかけて貫通するように形成されている。また、セパレータ7には、先端面に開口する有底状の保持孔95が軸線方向に形成されている。この保持孔95内には、セラミックヒータ3の後端部が挿入され、セラミックヒータ3の後端面が保持孔95の底面に当接することでセパレータ7に対するセラミックヒータ3の軸線方向の位置決めがなされる。
このセパレータ7は、内筒部材14の後端内側に挿入されるセパレータ本体部85を有するとともに、セパレータ本体部85の後端部から周方向外側に延設されたセパレータフランジ部86を有している。つまり、セパレータ7は、セパレータ本体部85が内筒部材14に挿入されるとともに、セパレータフランジ部86が内筒部材14の後端面にフッ素ゴムからなる環状シール部材40を介して支持される状態で、外筒部材16の内側に配置される。
また、素子用リード線20、21およびヒータ用リード線19、22は、セパレータ7のセパレータリード線挿通孔71、弾性シール部材11のリード線挿通孔17を通じて、内筒部材14および外筒部材16の内部から外部に向かって引き出されている。なお、これら4本のリード線19、20、21、22は外部において、図示しないコネクタに接続される。そして、このコネクタを介してECU等の外部機器と各リード線19、20、21、22とは電気信号の入出力が行われることになる。
また、各リード線19、20、21、22は、詳細は図示しないが、導線を樹脂からなる絶縁皮膜にて被覆した構造を有しており、導線の後端側がコネクタに設けられるコネクタ端子に接続される。そして、素子用リード線20の導線の先端側は、ガスセンサ素子2の外面に対して外嵌される端子金具43の後端部と加締められ、素子用リード線21の導線の先端側は、ガスセンサ素子2の内面に対して圧入される端子金具44の後端部と加締められる。これにより、素子用リード線20は、ガスセンサ素子2の外側電極26と電気的に接続され、素子用リード線21は、内側電極27と電気的に接続される。他方、ヒータ用リード線19、22の導線の先端部は、セラミックヒータ3の発熱抵抗体と接合された一対のヒータ用端子金具と各々接続される。
そして、セパレータ7の後端側には、耐熱性に優れるフッ素ゴム等からなる弾性シール材11が、外筒部材16を加締め、加締め部88を形成することにより、外筒部材16に国定されている。この弾性シール部材11は、本体部31、本体部31の先端側の側周面72から径方向外側に向けて延びるシール部材鍔部32有している。そして、この本体部31を軸線方向に貫くように4つのリード線挿通孔17が形成されている。
次に、本発明の主要部であるガスセンサ素子2について説明する。図2に示すように、ガスセンサ素子2は、母体28と、この母体28の有底孔25の内表面のほぼ全面を覆うように形成された内側電極27と、この母体28の外表面に凹凸形状を有する密着層29を介して、内側電極27と同様に形成された外側電極26とを有している。この密着層29は、図3に示すように、複数の凸部29cからなり、それらの間が凹部となっている。また、外側電極26上には、図2に示すように、外側電極26を被覆するように多孔質状の電極保護層100が設けられ、この電極保護層100上には被毒防止層101が設けられている。
このようなガスセンサ素子2における母体28は、ジルコニアを主成分とする固体電解質からなり、必要に応じてアルミナ(Al)、シリカ(SiO)等を含有するものである。また、密着層29についても、ジルコニアを主成分とする固体電解質からなり、必要に応じてアルミナ(Al)、シリカ(SiO)等を含有するものである。
本発明のガスセンサ素子2は、このような母体28におけるジルコニア粒子中の正方晶(tetragonal)の含有量が45%以上、60%以下であると共に、密着層29におけるジルコニア粒子中の正方晶の含有量が上記母体28におけるジルコニア粒子中の正方晶の含有量よりも多くなっていることを特徴としている。
母体28におけるジルコニア粒子中の正方晶の含有量が60%を超えると、ガスセンサ素子2をガスセンサ1に組み込んで実際に使用した場合に、正方晶から単斜晶(monoclinic)への相転移が多くなり強度が低下する。一方、正方晶の含有量が45%未満であると、母体28の初期の靱性が低下する。すなわち、母体28における正方晶の含有量を45%以上、60%以下の範囲内とすることで、初期の靱性を確保しつつ、使用による強度低下も抑制することが可能となる。
また、本発明では密着層29におけるジルコニア粒子中の正方晶の含有量を母体28におけるジルコニア粒子中の正方晶の含有量よりも多くすることで、電気的特性である応答性の低下を抑制することができる。このように密着層29のジルコニアにおける正方晶の含有量を多くすると、上記したように正方晶から単斜晶への相転移に伴う体積膨張によりクラック等が発生しやすくなるが、密着層29についてはこのようなクラック等の発生により表面積が増え、応答性に寄与する二相界面が増加するためむしろ好ましいものと考えられる。
ここで、母体28あるいは密着層29におけるジルコニア粒子中の正方晶の割合(T相[%])は、X線回折分析による正方晶(T相)および立方晶(C相)のスペクトルの積分強度の比から求められるものであり、以下の式(1)により求められるものである。
Figure 2007278877
(式(1)中、T(004)およびT(400)はT相の(004)面および(400)面の積分強度を示し、C(400)はC相の(400)面の積分強度である。)
なお、母体28あるいは密着層29におけるジルコニア粒子中の正方晶の割合は、未使用時のガスセンサ素子2におけるものが上記したような範囲内となっていればよく、ガスセンサ素子2をガスセンサ1に組み込んで実際に使用した後は上記範囲内となっていなくても構わない。
このような密着層29におけるジルコニア粒子中の正方晶の含有量は60%以上であることが好ましい。密着層29におけるジルコニア粒子中の正方晶の含有量が60%未満であると、電気的特性である応答性が低下することがある。この密着層29におけるジルコニア粒子中の正方晶の含有量は70%以下であることが好ましい。密着層29におけるジルコニア粒子中の正方晶の含有量が70%を超えると、母体28からの密着層29の剥がれが起き易くなる。
また、母体28を構成するジルコニア粒子の平均粒子径は0.6μm以下であることが好ましく、密着層29を構成するジルコニア粒子の平均粒子径は0.5μm以上であることが好ましい。母体28を構成するジルコニア粒子の平均粒子径が0.6μmを超えると、母体28の耐久性が低下しやすくなり、密着層29を構成するジルコニア粒子の平均粒子径が0.5μm未満であると、応答性が低下するおそれがあり好ましくない。
なお、ジルコニア粒子の平均粒子径は以下のようにして求められるものである。すなわち、母体28あるいは密着層29を切断して研磨することにより得られる研磨断面をSEM(走査電子顕微鏡)により1500倍程度で観察し、このSEM像からジルコニア粒子をスケッチし、ジルコニア粒子の総面積を画像解析によって分析する。そして、この得られたジルコニア粒子の総面積をジルコニア粒子数で除した面積(ジルコニア粒子1個あたりの面積(S))の等価円の直径を平均粒子径(D)と仮定する。数式を用いて表せば、以下の式(2)および(3)で表すことができる。
ジルコニア粒子1個あたりの面積(S)=ジルコニア粒子の総面積/ジルコニア粒子数…(2)
ジルコニア粒子の平均粒子径(D)=2√(S/π)…(3)
また、母体28はアルミナを含有していることが好ましく、母体28中のアルミナの含有量は5重量%以上、20重量%以下であることが好ましい。母体28中のアルミナの含有量が20重量%を超えると、内部抵抗が高くなり、ガスセンサ1とした場合の出力が低下するおそれがあり好ましくなく、5重量%未満であると、ジルコニア粒子中の正方晶が単斜晶へと相転移しやすく、強度が低下しやすくなり好ましくない。母体28中のアルミナ含有量は、耐久性の向上等の観点から、より好ましくは10重量%以上である。
また、母体28中のアルミナ粒子の平均粒子径は1.0μm以下であることが好ましい。母体28中のアルミナ粒子の平均粒子径が1.0μmを超えると、ジルコニア粒子中の正方晶が単斜晶へと相転移しやすく、使用により強度が低下するおそれがあり好ましくない。
つまり、母体28中にアルミナを含有させたり、含有させたアルミナの粒径を小さくしたりすることで、ジルコニア粒子中の正方晶から単斜晶への相転移を抑制することができるので、使用による母体28の強度低下がさらに抑制され、耐久性に優れたものとすることができる。
また、密着層29はアルミナを含有しても、していなくてもよいが、含有する場合には密着層29中のアルミナの含有量が20重量%以下となっていることが好ましい。密着層29中のアルミナの含有量が20重量%を超えると、応答性が悪くなるおそれがあり好ましくない。密着層29中のアルミナの含有量は、応答性の向上の観点から、より好ましくは10重量%以下である。
密着層29中のアルミナ粒子の平均粒子径は0.4μm以上であることが好ましい。密着層29中のアルミナ粒子の平均粒子径が0.4μm未満であると、応答性が悪くなるおそれがあり好ましくない。密着層29中のアルミナ粒子の平均粒子径は、応答性の向上の観点から、より好ましくは1.0μm以上である。
なお、アルミナ粒子の平均粒子径は上記ジルコニア粒子の平均粒子径と同様にして求められるものである。すなわち、母体28あるいは密着層29を切断して研磨することにより得られる研磨断面をSEM(走査電子顕微鏡)により1500倍程度で観察し、このSEM像からアルミナ粒子をスケッチし、アルミナ粒子の総面積を画像解析によって分析する。そして、この得られたアルミナ粒子の総面積をアルミナ粒子数で除した面積(アルミナ粒子1個あたりの面積(S))の等価円の直径を平均粒子径(D)と仮定する。数式を用いて表せば、以下の式(4)および(5)で表すことができる。
アルミナ粒子1個あたりの面積(S)=アルミナ粒子の総面積/アルミナ粒子数…(4)
アルミナ粒子の平均粒子径(D)=2×√(S/π)…(5)
このような密着層29の表面にはPtあるいはPt合金により多孔質状に形成された外側電極26が設けられ、この外側電極26上にはアルミナマグネシアスピネル等の耐熱性セラミックよりなる電極保護層100が設けられている。
また、電極保護層100の表面には、電極保護層100を被覆する多孔質状の被毒防止層101が設けられている。この被毒防止層101は、電極保護層100中の触媒金属粒子が排気ガス中の鉛、リン、ケイ素等の被毒物質により被毒することを抑制するものである。
この被毒防止層101は、例えばチタニア粉末とチタニア以外のセラミック粉末よりなるセラミックからなるものである。このチタニアは被毒物質を吸着する効果が優れており、このチタニアを含む被毒防止層101は、有効に排気ガス中のリン等の被毒物質と反応し、外側電極26の被毒を防止できる。一方、チタニア以外のセラミック粉末としては、スピネル、ムライト等の熱収縮しにくいセラミック粉末が好ましい。このようなセラミック粉末を用いることで、熱収縮により被毒防止層101が電極保護層100から剥離することを抑制でき、耐久性に優れたものとすることができる。
このようなチタニア粉末の一次粒子の粒度分布は0.003μm以上、0.5μm以下にピークを有し、チタニア以外のセラミック粉末の一次粒子の粒度分布は15μm以上、65μm以下にピークを有するように組み合わせることが好ましい。このようにすることで、通気性が十分に維持され、かつ、被毒物資も確実に吸着できる多孔質状の被毒防止層101とすることができる。
次に、本実施形態のガスセンサ素子2の製造方法について説明する。まず、ガスセンサ素子2の母体28を形成するための微細原料粉末として、ジルコニアにイットリア、カルシアあるいはマグネシア等の2〜3価の金属酸化物を混合して粉砕後、電気炉中で仮焼成し、再び微粉砕することにより、安定化または部分安定化されたジルコニア質の微細原料粉末を得る。なお、最終的に得られる母体28(焼成体)におけるジルコニア粒子中の正方晶の含有量が45%以上、60%以下の範囲内となるように、ジルコニアに添加するイットリア、カルシアあるいはマグネシア等の2〜3価の金属酸化物の添加量を調整する。次いで、得られた微細原料粉末をスプレードライ等により造粒粒子とし、この造粒粒子をラバープレス方等の加圧成形法によって略円筒状に成形して母体28(未焼成体)を得る。
別途、密着層29を形成するためのペーストを調製する。このペーストは密着層29における凸部29cを形成するための凹凸化粒子に、水や水溶性バインダ等を加えて調製されるものである。この凹凸化粒子となる微細原料粉末は、配合比が異なる点を除いて、母体28を形成するための微細原料粉末とほぼ同様にして製造することができる。この凹凸化粒子となる微細原料粉末は、最終的に焼成して得られる密着層29におけるジルコニア粒子中の正方晶の割合が、母体28(焼成体)におけるジルコニア粒子中の正方晶の割合よりも多くなるように調製される。
このように密着層29におけるジルコニア粒子中の正方晶の割合が母体におけるものよりも多くなるようにするには、例えば凹凸化粒子となる微細原料粉末を調製する際にジルコニアに添加するイットリア、カルシアあるいはマグネシア等の2〜3価の金属酸化物の添加量を、母体28を形成するために用いられる微細原料粉末を調製する際にジルコニアに添加するイットリア、カルシアあるいはマグネシア等の2〜3価の金属酸化物の添加量よりも少なくすることにより行うことができる。
このような凹凸化粒子としては、例えば上記したような微細原料粉末からなる粒径が20μm以上、100μm以下の造粒粒子と、同様な微細原料粉末からなり、この造粒粒子よりも粒径の細かい微細粒子とからなるものが好ましい。造粒粒子の粒径が上記下限値未満であると、母体28上に耐熱性に優れた密着層29を形成することが難しく、また上記上限値を超えると、母体28上に造粒粒子を強固に固着させることが困難となる。
このような造粒粒子を得るための方法は特に限定されるものではないが、スプレードライヤによって製造することで粒子形状が安定し、しかもより緻密な造粒粒子となるので、母体28と密着層29(凸部29c)との結合力を高くできるため好ましい。また、微細粒子は粒子のほとんどが10μm以下、好ましくは2.5μm以下であるものが80%以上であるものが好ましい。微細粒子は母体28と造粒粒子との結合を助けるための焼結助剤として用いられるものであり、粒径があまり大きいとその役目を十分に果たすことができない。
そして、このペーストに母体28(未焼成体)を浸漬する等の方法により、母体28(未焼成体)の外表面に上記ペーストを塗布し、乾燥させた後、焼成する。焼成は、例えば1400〜1600℃の温度で、1〜3時間程度で行うことが好ましい。また、焼成時の雰囲気は、通常、酸化雰囲気が好ましい。このような焼成を行うことにより、外表面上に複数の凸部29cからなる密着層29が形成された母体28を得ることができ、また母体28におけるジルコニア粒子中の正方晶の含有量が45%以上、60%以下であり、密着層29におけるジルコニア粒子中の正方晶の含有量が上記母体28におけるジルコニア粒子中の正方晶の含有量よりも多いものを製造することができる。
そして、密着層29が形成された母体28の外周面には、蒸者や化学メッキ等を用いて白金よりなる外側電極26を設ける。一方、母体28の内側面にも同様に、蒸着や化学メッキ等を用いて、内側電極27を設ける。
次いで、外側電極26の表面にアルミナマグネシアスビネル等の耐熱セラミックをプラズマ溶射して、電極保護層100を形成する。
さらに、電極保護層100が形成された母体28には、スラリーを塗布、乾燥させて被毒防止層101を形成する。この被毒防止層101を形成するためのスラリーは、例えば所定量のチタニア粉末、チタニア以外のセラミック粉末およびアルミナゾルを混合することにより調製されるものである。このようなスラリーには電極保護層100が形成された母体28を浸漬することで、電極保護層100上に塗膜を形成する。さらに、この塗膜が形成された母体28を乾燥させることで、被毒防止層101を形成し、ガスセンサ素子2を得ることができる。
次に、上記ガスセンサ素子2を組み付けガスセンサ1を作製する製造方法について説明する。まず、図4に示すように、端子金具43、44にそれぞれ素子用リード線20、21を接合し、セラミックヒータ3のヒータ用端子金具にヒータ用リード線19、22を接合しておく。そして、端子金具44の内側にセラミックヒータ3を位置させた状態で、各リード線19、20、21、22をセパレータ7の各セパレータリード線挿通孔71に挿通する。ついで、各リード線19、20、21、22を弾性シール部材11のリード線挿通孔17に挿通させた状態で、この弾性シール部材11の先端面がセパレータ7の後端面に当接するまで移動させる。このようにして、センサ上部中間体を作製する。なお、セパレータ本体部85の外周には、予め環状シール部材40を装着させておく。
別途、主体金具5にガスセンサ素子2を保持し、また主体金具5の先端側にプロテクタ81、82を溶接しつつ、後端側に内筒部材14の先端側が連結されたセンサ下部中間体を準備する。なお、内筒部材14の内筒後端側胴部62の周りには、筒状のフィルタ68をセットしておく。
そして、センサ上部中間体のセパレータ7のセパレータ本体部85を、センサ下部中間体の内筒部材14の内筒後端側胴部62内に位置させる。これにより、セラミックヒータ3とともに端子金具44がガスセンサ素子2の有底孔25に挿入され、内側電極27と導通する。また、端子金具43がガスセンサ素子2の外面に外嵌され、外側電極26と導通する。
そして、図5に示すように、外筒部材16を自身の内側に各リード線19、20、21、22を通した状態で弾性シール部材11の後端側から移動させ、内筒部材14の内筒先端側胴部62の外側に重なるまで移動させる。ついで、外筒段部35を軸線方向先端側に向かって押圧しながら、外筒部材16と内筒先端側胴部62との重なり部を径方向内側に向かって加締め、連結加締め部75を形成し、外筒部材16と内筒部材14とを固定する。この加締めは八方丸加締めにて行うことができる。
さらに、外筒部材16(外筒後端側部63)のうちで弾性シール部材11の側周面外側に位置する部位(具体的には外筒後端側部63の後端部)を、加締め治具CLを用いて径方向内側に向かって加締めて加締め部88を形成し、弾性シール部材11を圧縮変形させる。これにより、弾性シール部材11を外筒部材16に対して気密状に固定させる。この加締めも八方丸加締めにて行うことができる。そして、連結加締め部75によって固定した外筒部材16と内筒部材14に対して、第1加縮め部56、第2加締め部57を形成するようにして、ガスセンサ1を完成させる。
以下、本発明を実施例を参照して説明する。
本発明の効果を確認するために、以下のような試験を行った。まず、外形が図1に示されるようなガスセンサ素子2を製造するために用いられる密着層29が形成された母体28を用意した。すなわち、酸化ジルコニウムに下記表1の母体の欄に示すような量のイットリアを添加し、さらに表1の母体の欄に示すような量となるようにアルミナを添加したものを湿式粉砕し、1300℃で仮焼した後、再び湿式粉砕を行って粒子径が2.5μm以下であるものが90%以上含まれる微細原料粉末を得た。この微細原料粉末に有機バインダを加えて得た泥漿をスプレードライヤにかけ、平均粒径80μm程度の造粒粒子とした。そして、この造粒粒子を有底筒状に成形して母体28(未焼成体)とした。
別途、酸化ジルコニウムに表1の密着層の欄に示すような量のイットリアを添加し、さらに表1の密着層の欄に示すような量となるようにアルミナを添加したものを湿式粉砕し、1300℃で仮焼した後、再び湿式粉砕を行って粒子径が2.5μm以下であるものが90%以上含まれる微細原料粉末を得た。この微細原料粉末の一部に有機バインダを加えて得た泥漿をスプレードライヤにかけ、平均粒径80μm程度の造粒粒子とした。そして、微細原料粉末と造粒粒子とを重量比で40:60となるように混合して凹凸化粒子とし、さらに水と水溶性バインダNH−CMCの混合溶媒を加えることによって密着層29を形成するためのペーストを作製した。
そして、上記母体28(未焼成体)の外表面に上記ペーストを厚さ100μm程度に塗布して、1600℃、1時間、酸化性雰囲気下で焼成することにより、密着層29が形成された母体28(焼成体)とした。
ここで、実施例1〜3、比較例1、2の母体28(焼成体)あるいは密着層29におけるジルコニア粒子中の正方晶の割合(T相量)、ジルコニア粒子の平均粒径(ZrO径)およびアルミナ粒子の平均粒径(Al径)は、それぞれ表1に示す通りである。表1に示される正方晶の割合(T相量)、各粒子の平均粒径は、それぞれX線回折分析、SEM(走査電子顕微鏡)により、既に説明したような方法により測定したものである。
なお、母体28(焼結体)あるいは密着層29におけるジルコニア粒子中の正方晶の割合(T相量)は主としてイットリアの添加量を変えることにより行ったものである。
Figure 2007278877
次に、この密着層29が形成された母体28について曲げ強度を測定した。また、密着層29が形成された母体28にその温度が300℃となるように空気過剰率λ=0.9にて1000時間の熱処理を行う耐久試験を行い、その後の曲げ強度を測定した。結果を下記表2に示す。
曲げ強度の測定は、図6に示すように、密着層29が形成された母体28の係合フランジ部92の後端側を固定用治具110で固定し、この係合フランジ部92の後端側部分から18mmの部分における最大加重を測定した。なお、母体28の全長は50mmであり、上記係合フランジ部92の後端側部分から先端部までの長さは26mmである。
表3、4中、0.30[kN]を超えたものを曲げ強度が十分であるとして「○」で示し、0.10[kN]を超え、0.30[kN]以下であったものを曲げ強度がやや劣るとして「△」で示し、0.1[kN]以下であったものを曲げ強度が不十分であるとして「×」で示した。
また、別途、密着層29が形成された母体28の外表面および内表面に白金電極を周知のメッキ法により形成し、それぞれ外側電極26および内側電極27とし、さらに外側電極26上に電極保護層(スピネル保護層)100、被毒防止層101を周知の方法により形成し、ガスセンサ素子2を製造した。そして、このガスセンサ素子2について、TRL応答性の測定を行った。結果を表2に示す。
TRL応答性の測定は、図7の模式図に示すバーナー測定装置にて行った。ガスセンサ素子2をバーナー測定装置に取り付けた後、メインプロパンガスとメイン空気を用いて、燃焼ガスをλ=1の雰囲気を基準に、バイパスプロパンガスとバイパス空気を使い、燃焼ガス雰囲気をλ=0.9とλ=1.1へと変化させた際に、その出力が600mVから300mVに変化するまでの時間を測定した。表2中、200ms以下であったものを応答性が十分であるとして「○」で示し、200msを超えるものを応答性が不十分であるとして「×」で示した。
Figure 2007278877
表2から明らかなように、母体28におけるジルコニア粒子中の正方晶の割合を本発明の範囲外とした比較例1については、母体28の耐久試験後の曲げ強度が不十分となることが認められた。また、母体28におけるジルコニア粒子中の正方晶の割合は本発明の範囲内としたものの、密着層29におけるジルコニア粒子中の正方晶の割合を本発明の範囲外とした比較例2については、耐久試験後の曲げ強度は十分であるものの、TRL応答性が不十分となることが認められた。
一方、母体28におけるジルコニア粒子中の正方晶の割合、密着層29における正方晶の割合のいずれも本発明の範囲内とした実施例1〜3については、母体28の初期および耐久試験後の曲げ強度が十分なものとなると共に、TRL応答性についても十分なものとなることが認められた。
また、母体28におけるアルミナの含有量は、耐久試験後の曲げ強度を特に良好なものとするためには、10重量%以上とすることが好ましいことがわかる。また、母体28におけるアルミナ粒子の平均粒径はおよそ1μm以下であることが好ましいことがわかる。
一方、密着層29におけるジルコニア粒子中の正方晶の割合は60%以上とすればTRL応答性をおよそ100ms程度とすることができるため好ましいことがわかる。また、密着層29におけるアルミナの含有量は、特にTRL応答性を良好なものとするためには、10重量%以下とすることが好ましいことがわかる。また、密着層29におけるアルミナ粒子の平均粒径についても、特にTRL応答性を良好なものとするためには、1.0μm以上とすることが好ましいことがわかる。
本発明のガスセンサの一例を示した断面図。 本発明のガスセンサ素子の先端部を示した断面図。 ガスセンサ素子の母体および密着層を拡大して示した断面図。 ガスセンサの全体的な組み付け方法を説明するための断面図。 ガスセンサの後端側の組み付け方法を説明するための断面図。 曲げ強度の測定方法を示した外観図。 TRL応答性の測定に用いられるバーナー測定装置を示した模式図。
符号の説明
1…ガスセンサ、2…ガスセンサ素子、26…外側電極、27…内側電極、28…母体、29…密着層(29c…凸部)、100…電極保護層、101…被毒防止層

Claims (5)

  1. ジルコニアを主成分とする固体電解質からなる有底筒状の母体と、前記母体の外表面に設けられた外側電極と、前記母体の内表面に設けられた内側電極と、前記母体と前記外側電極との間に設けられ、ジルコニアを主成分とする密着層とを備えるガスセンサ素子において、
    前記母体におけるジルコニア粒子中の正方晶の割合が45%以上、60%以下であり、かつ、前記密着層におけるジルコニア粒子中の正方晶の割合が前記母体におけるジルコニア粒子中の正方晶の割合よりも多いことを特徴とするガスセンサ素子。
  2. 前記密着層におけるジルコニア粒子中の正方晶の割合が60%以上であることを特徴とする請求項1記載のガスセンサ素子。
  3. 前記母体にはアルミナが含有され、そのアルミナの含有量が5重量%以上であることを特徴とする請求項1または2記載のガスセンサ素子。
  4. 前記母体に含有されるアルミナ粒子の平均粒径が1μm以下であることを特徴とする請求項3記載のガスセンサ素子。
  5. ガスセンサ素子と該ガスセンサ素子を取り囲む主体金具とを有するガスセンサであって、
    前記ガスセンサ素子として請求項1乃至4のいずれか1項記載のガスセンサ素子を用いてなることを特徴とするガスセンサ。
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