JP6804995B2 - ガスセンサ素子及びガスセンサ - Google Patents

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Description

本開示はガスセンサ素子及びガスセンサに関する。
従来、固体電解質体と、その両側に形成された一対の電極層と、を備えるガスセンサ素子が知られている。このガスセンサ素子を含むガスセンサは、測定対象ガスに含まれる特定ガスを検出するために用いられる。特許文献1には、ガスセンサ素子における電極を、導電性酸化物で構成することが開示されている。
WO2016/181598 A1
ガスセンサは、高温下で使用されたり、急熱急冷に晒されることがある。また、ガスセンサは、製造時に高温で焼成されることがある。これらの場合、導電性酸化物から成る電極と、固体電解質体との密着性が低下するおそれがある。
本開示の一局面は、高温下や急熱急冷時においても電極と固体電解質体との密着性が低下しにくいガスセンサ素子及びガスセンサを提供することを目的とする。
本開示の一態様は、ジルコニアを含む固体電解質体と、前記固体電解質体上に形成された一対の電極層と、を備えるガスセンサ素子であって、少なくとも一方の前記電極層は、Ce以外の希土類元素Xを含む導電性酸化物を含む第1層と、前記第1層と前記固体電解質体との間に形成され、Ce以外の希土類元素XがドープされたCeOからなる第2層と、前記第2層と前記固体電解質体との間に形成され、Zr、Ce、前記希土類元素X、及び前記希土類元素Xを含む拡散層と、を備えるガスセンサ素子である。
本開示の一態様であるガスセンサ素子では、高温下や急熱急冷時においても、第1層、第2層、及び拡散層を備える電極層と、固体電解質体との密着性が高い。そのため、高温下や急熱急冷時においても、その電極層と固体電解質体とが剥離しにくい。
ガスセンサを縦軸O方向に破断した状態を表す説明図である。 ガスセンサ素子の外観を表す正面図である。 ガスセンサ素子の構成を表す断面図である。 図3に示すガスセンサ素子のうち点線で囲まれた領域D1を拡大した拡大断面図である。 図3に示すガスセンサ素子のうち点線で囲まれた領域D1を拡大した拡大断面図である。 TOF−SIMS像と、ライン分析の領域とを表す説明図である。 横軸をライン分析の方向における距離とし、縦軸を元素種ごとの検出強度とするグラフである。 図7に示すグラフのうち、拡散層の付近を拡大したグラフである。
本開示の実施形態を図面に基づき説明する。
1.ガスセンサ1の全体構成
ガスセンサ1の全体構成を図1〜図3に基づき説明する。ガスセンサ1は、内燃機関の排気管に対して先端部分を排気管内に突出させる形態で装着される。排気管は、例えば、自動車、オートバイ等の車両の排気管である。ガスセンサ1は、排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素センサである。
図1に示すように、ガスセンサ1は、ガスセンサ素子3、セパレータ5、閉塞部材7、端子金具9、リード線11、主体金具13、プロテクタ15、及び外筒16を備える。外筒16は、内側外筒17及び外側外筒19を備える。なお、図1では、図面下方向がガスセンサ1の先端側であり、図面上方向がガスセンサ1の後端側である。
ガスセンサ1は、ガスセンサ素子3を加熱するためのヒータを備えていない、いわゆるヒータレスのセンサである。ガスセンサ1は、排気ガスの熱を利用してガスセンサ素子3を活性化して酸素濃度を検出するセンサである。
ガスセンサ素子3は、先端部25が閉塞された有底筒型形状を有する。ガスセンサ素子3は、軸線O方向に延びる円筒状の素子本体21を有する。この素子本体21の外周に、径方向外向きに突出した素子鍔部23が周設されている。
素子本体21は、酸素イオン伝導性を有する固体電解質体からなる。素子本体21を構成する固体電解質体は、ジルコニア(ZrO)に安定化剤としてイットリア(Y)を添加してなる部分安定化ジルコニア焼結体を用いて構成されている。なお、安定化剤は、イットリア(Y)に限定されるものではない。
図2、図3に示すように、ガスセンサ素子3は、その先端部25に外側電極27を備える。外側電極27は、素子本体21の外周面に形成されている。外側電極27は、PtあるいはPt合金を多孔質に形成したものである。外側電極27は、多孔質状の保護層31で覆われている。このため、図2では、保護層31は図示されるが、外側電極27は図示されていない。
図2、図3に示すように、素子鍔部23の先端側(図2、図3における下方)には、Pt等で形成された環状の環状リード部28が形成されている。素子本体21の外周面のうち、外側電極27と環状リード部28との間には、Pt等で形成された縦リード部29が軸線方向に延びるように形成されている。縦リード部29は、外側電極27と環状リード部28とを電気的に接続している。
ガスセンサ素子3における素子本体21の内周面には、内側電極30が形成されている。内側電極30及び外側電極27はガスセンサ素子3の両側に形成された1対の電極層に対応する。
ガスセンサ素子3の先端部25において、保護層31を介して外側電極27が測定対象ガスに晒され、内側電極30が基準ガス(大気)に晒されることで、測定対象ガス中の酸素濃度に応じた起電力が発生し、測定対象ガス中の酸素濃度を検出することができる。
セパレータ5は、電気絶縁性を有する材料(例えばアルミナ)で形成された円筒形状の部材である。図1に示すように、セパレータ5は、その軸中心に、リード線11が貫挿される貫通孔35を備える。セパレータ5と、その外周側を覆う内側外筒17との間に空隙18が設けられている。
閉塞部材7は、電気絶縁性を有する材料(例えばフッ素ゴム)で形成された円筒形状のシール部材である。図1に示すように、閉塞部材7は、径方向外向きに突出する突出部36をその後端に備える。閉塞部材7は、その軸中心にリード線挿通孔37を備えている。リード線挿通孔37にはリード線11が挿通される。閉塞部材7の先端面95は、セパレータ5の後端面97に密着し、閉塞部材7のうち突出部36よりも先端側の側方外周面98は、内側外筒17の内面に密着している。すなわち、閉塞部材7は、外筒16の後端側を閉塞している。
閉塞部材7の後端向き面99は、外側外筒19の縮径部19gにおける先端向き面19aとの間で、リード線保護部材89の鍔部89bを挟持する。
縮径部19gは、閉塞部材7よりも後端側にて、径方向内側に延びている。縮径部19gにおける先端向き面19aは、ガスセンサ1の先端側に向く面である。縮径部19gの中央領域には、リード線11およびリード線保護部材89を挿通するためのリード線挿通部19cが形成されている。
リード線保護部材89は、リード線11を収容可能な内径寸法を有する筒状部材である。リード線保護部材89は、可撓性、耐熱性及び絶縁性を有する材料(例えば、ガラスチューブや樹脂チューブなど)で構成されている。リード線保護部材89は、リード線11を外部からの飛来物(例えば、石や水等)から保護する機能を有する。
図1に示すように、リード線保護部材89は、その先端側端部89aに鍔部89bを備える。鍔部89bは、軸線方向の垂直方向における外向きに突出する板状の部材である。鍔部89bは、リード線保護部材89の周方向の一部ではなく、全周にわたり形成されている。
リード線保護部材89の鍔部89bは、外筒16(詳細には、外側外筒19)の縮径部19gにおける先端向き面19aと、閉塞部材7の後端向き面99との間に挟持される。
端子金具9は、センサ出力を外部に取り出すための導電性材料で構成される筒状部材である。導電性材料として、例えば、インコネル750(英インコネル社、商標名)等が挙げられる。
図1に示すように、端子金具9は、リード線11に電気的に接続されるとともに、ガスセンサ素子3の内側電極30に電気的に接触するように配置されている。端子金具9は、その後端側に径方向(軸線方向と垂直の方向)の外向きに突出するフランジ部77を備えている。フランジ部77は、径方向の3箇所に等間隔で板状のフランジ片75を備えている。
図1に示すように、リード線11は、芯線65と、その芯線65の外周を覆う被覆部67と、を備える。
主体金具13は、金属材料(例えば鉄又はSUS430等)で形成された円筒状の部材である。主体金具13は、プロテクタ15及び外筒16とともに、ガスセンサ素子3、セパレータ5、及び閉塞部材7の周囲を覆う。主体金具13の内周面には、径方向内側に向かって張り出した段部39が周設されている。段部39は、ガスセンサ素子3の素子鍔部23を支持する。
主体金具13のうち先端側の外周面には、ガスセンサ1を排気管に取付けるためのネジ部41が形成されている。主体金具13のうちネジ部41の後端側には、ガスセンサ1を排気管に着脱する際に取付工具を係合させる六角部43が形成されている。さらに、主体金具13のうち六角部43の後端側には、筒状部45が設けられている。主体金具13は保持部材に対応する。
プロテクタ15は、金属材料(例えばSUS310S等)で形成されている。プロテクタ15は、ガスセンサ素子3の先端側を覆う保護部材であり、複数個形成されたガス流通孔を介して測定対象ガスをガスセンサ素子3に対して導入する。プロテクタ15は、その後端縁が、パッキン88を介して、ガスセンサ素子3の素子鍔部23と主体金具13の段部39との間に挟まれるようにして固定されている。
図1に示すように、ガスセンサ素子3の素子鍔部23の後端側領域においては、主体金具13とガスセンサ素子3との間に、先端側から後端側にかけて、滑石で形成されたセラミック粉末47と、アルミナで形成されたセラミックスリーブ49と、が配置されている。
また、図1に示すように、主体金具13の筒状部45における後端部51の内側には、金属材料(例えばSUS430等)で形成された金属リング53と、金属材料(例えばSUS304L等)で形成された内側外筒17の先端部55と、が配置されている。内側外筒17の先端部55は、径方向外向きに広がる形状に形成されている。つまり、筒状部45の後端部51が加締められることで、内側外筒17の先端部55が、金属リング53を介して筒状部45の後端部51とセラミックスリーブ49との間に挟持されて、内側外筒17が主体金具13に固定される。
また、図1に示すように、内側外筒17の外周に、樹脂材料(例えばPTFE等)で形成された筒状のフィルタ57が配置されている。さらに、フィルタ57の外周に、例えばSUS304L等で形成された外側外筒19が配置されている。フィルタ57は、通気は可能であるが水分の侵入は抑制できるものである。
そして、外側外筒19の加締め部19bが外周側から径方向内向きに加締められることにより、内側外筒17とフィルタ57と外側外筒19とが一体に固定される。また、外側外筒19の加締め部19hが外周側から径方向内向きに加締められることにより、内側外筒17と外側外筒19とが一体に固定され、閉塞部材7の側方外周面98が、内側外筒17の内面に密着する。
なお、内側外筒17および外側外筒19は、それぞれ通気孔59、61を備えている。通気孔59、61及びフィルタ57を介して、ガスセンサ1の内部と外部との通気が可能である。
2.ガスセンサ素子3の構成
ガスセンサ素子3の構成を図4〜図8に基づき説明する。ガスセンサ素子3は、上述のとおり、素子本体21と、外側電極27と、環状リード部28と、縦リード部29と、内側電極30と、保護層31と、を備えている。
ガスセンサ素子3の先端部25においては、外側電極27および内側電極30が素子本体21を挟み込むように配置されている。
内側電極30の形態として、例えば、図4に示すように、第1層101、第2層103、及び拡散層105を備える形態がある。
第1層101は、Ce以外の希土類元素Xを含む導電性酸化物を含む層である。希土類元素Xとしては、例えば、La、Pr、Nd等が挙げられる。希土類元素XがLaである場合、素子本体21と第2層103との密着性が一層高く、ガスセンサ素子3の内部抵抗が一層低い。
希土類元素Xを含む導電性酸化物は、組成式:LaNi(MはCoとFeとのうちの一種以上、a+b+c=1、1.25≦x≦1.75)で表され、前記a、b、cが、それぞれ、0.375≦a≦0.535、0.200≦b≦0.475、0.025≦c≦0.350を満たす導電性酸化物であることが好ましい。希土類元素Xを含む導電性酸化物が上記のものである場合、素子本体21と第2層103との密着性が一層高く、ガスセンサ素子3の内部抵抗が一層低い。なお、前記xの典型的な値は、約1.50である。
第2層103は、Ce以外の希土類元素XがドープされたCeOからなる層である。第2層103は、Ce以外の希土類元素XがドープされたCeOから実質的に構成され、より詳細には、希土類元素XがドープされたCeOが第2層103の90vol%以上を占める層である。第2層103は、第1層101と素子本体21との間に形成されている。希土類元素Xは希土類元素Xと同じであってもよいし、異なるものであってもよいが、希土類元素XがLaである場合には、希土類元素XとしてLa以外の希土類元素を用いることが、ガスセンサ素子3の内部抵抗を低く抑える観点から好ましい。希土類元素Xとしては、例えば、Gd、Y、Sm、Yb等が挙げられる。希土類元素XがドープされたCeOがガドリニウムドープセリア、又はイットリアドープセリアである場合、素子本体21と第2層103との密着性が一層高く、ガスセンサ素子3の内部抵抗が一層低い。
希土類元素XがドープされたCeOにおいて、希土類元素Xのドープ量は、5〜40mol%の範囲が好ましい。この範囲内である場合、素子本体21と第2層103との密着性が一層高く、ガスセンサ素子3の内部抵抗が一層低い。
拡散層105は、Zr、Ce、希土類元素X、及び希土類元素Xを含む層である。拡散層105は、第2層103と素子本体21との間に形成されている。拡散層105は、連続的に形成されていることが好ましい。連続的に形成されているとは、第2層103と素子本体21との間において、拡散層105が形成されていない部分が実質的に存在しないことを意味する。拡散層105が連続的に形成されている場合、素子本体21と第2層103との密着性における場所によるばらつきを抑制でき、ガスセンサ素子3の内部抵抗が一層低い。
拡散層105の厚さは5μm以下であることが好ましい。拡散層105の厚さが5μm以下である場合、素子本体21と第2層103との密着性が一層高く、ガスセンサ素子3の内部抵抗が一層低い。拡散層105の厚さは1μm以上であることが好ましい。1μm以上である場合、素子本体21と第2層103との密着性が一層高くなる。
内側電極30の形態は、例えば、図5に示すように、第1層101、第2層103、第3層107、及び拡散層105を備える形態であってもよい。この形態は、図4に示す形態に比べて、第3層107をさらに備える。
第3層107は、第1層101と第2層103との間に形成される。第3層107は、希土類元素XがドープされたCeO、及び、希土類元素Xを含む導電性酸化物を含む混合層である。希土類元素Xは希土類元素Xと同じであってもよいし、異なるものであってもよい。希土類元素Xを含む導電性酸化物は、第1層101に含まれるものと同様である。
第3層107に含まれる、希土類元素XがドープされたCeOの体積をVcとする。第3層107に含まれる、希土類元素Xを含む導電性酸化物の体積をVoとする。Vcに対するVoの比率Vo/Vcの値は、0.53〜4.00の範囲が好ましい。この範囲内である場合、素子本体21と第2層103との密着性が一層高く、ガスセンサ素子3の内部抵抗が一層低い。
図5に示す内側電極30の形態において、第1層101、第2層103、及び拡散層105の構成は、例えば、図4に示す内側電極30の場合と同様である。
内側電極30の形態が図4に示す形態である場合でも、図5に示す形態である場合でも、拡散層105の厚さは以下の方法で測定できる。まず、ガスセンサ素子3の断面をCP加工(Cross section Polisher)する。次に、ガスセンサ素子3の断面のうち、50μm×50μmの領域について、TOF−SIMS(Time Of Flight Secondary Ion Mass Spectrometry)装置を用いて、TOF−SIMS像を取得する。このとき、一次イオンのイオン種をBi3++とし、加速電圧を30kVとし、二次イオンの極性を正とする。
次に、取得したTOF−SIMS像に対してライン分析を行う。ライン分析の方向は、拡散層105の厚さ方向である。ライン分析の幅は20μmである。図6にTOF−SIMS像と、ライン分析の領域との例を示す。
次に、ライン分析の結果に基づき、図7に示すように、横軸をライン分析の方向における距離とし、縦軸を元素種ごとの検出強度とするグラフを作成する。このグラフは、元素種ごとの、検出強度のプロファイルを表す。縦軸の数値は、元素種ごとに、最大強度が1となるように規格化している。図7の横軸において、距離の数値が大きくなるほど、素子本体21に近づく。図8は、図7に示すグラフのうち、拡散層105の付近を拡大したグラフである。
拡散層105の付近では、素子本体21に近づくほど、ZrO+の強度が高くなり、CeO+の強度は低くなる。図8に示すように、素子本体21に近づくほど、ZrO+の強度が高くなり、CeO+の強度が低くなる範囲内で、CeO+の強度のプロファイルにおいてCeO+の強度が0.8となる距離を距離Aとし、ZrO+の強度のプロファイルにおいてZrO+の強度が0.8となる距離を距離Bとする。距離Aと距離Bとの差を拡散層105の厚さとする。
保護層31は、外側電極27を覆うように形成されている。保護層31は、低熱伝導率層32と、触媒含有層33と、を備えている。保護層31においては、低熱伝導率層32が触媒含有層33に比べて外側電極27に近い位置に配置されている。
低熱伝導率層32は、5mol%のイットリアで安定化されたジルコニアで形成されている。低熱伝導率層32は、気孔率が13%の多孔質状に形成されている。低熱伝導率層32の厚さは80μmである。低熱伝導率層32の熱伝導率は2.0[W/m・K]である。
なお、素子本体21の熱伝導率は2.5[W/m・K]である。このため、低熱伝導率層32の熱伝導率は、素子本体21の熱伝導率より低い。
触媒含有層33は、スピネル(MgAl)及びチタニア(TiO)で形成されている。触媒含有層33は、貴金属(Pt、Pd、Rhのうち少なくとも1つ)が担持されている。この貴金属は、排気ガスに含まれる各種ガスのガス平衡化反応を促進するための触媒として機能する。触媒含有層33は、気孔率が52%の多孔質状に形成されている。触媒含有層33の厚さは100μmである。
なお、素子本体21の厚さは500μmであり、外側電極27の厚さは3μmであり、内側電極30の厚さは30μmである。
3.ガスセンサ素子3の製造方法
ガスセンサ素子3の製造方法について説明する。まず、素子本体21の材料を用意する。素子本体21の材料は固体電解質体の粉末である。固体電解質は、ジルコニア(ZrO)に安定化剤としてイットリア(Y)を5mol%添加したもの(「5YSZ」ともいう)に対して、さらにアルミナ粉末を添加したものである。素子本体21の材料全体を100質量%としたとき、5YSZの含有量は99.6質量%であり、アルミナ粉末の含有量は0.4質量%である。この材料をプレス加工した後、筒型形状となるように切削加工を実施することで、未焼結成形体を得る。
次に、未焼結成形体のうち、外側電極27、環状リード部28、及び縦リード部29それぞれの形成位置に対して、白金(Pt)およびジルコニアを含有するスラリーを塗布し、乾燥する。このスラリーは、白金(Pt)に対して15質量%の単斜晶ジルコニアを添加したものである。
また、未焼結成形体のうち、内側電極30の形成位置に、内側電極30が備える各層を形成するためのスラリーを順次塗布する。内側電極30の形態が図4に示す形態である場合は、最初に、第2層103を形成するためのスラリー(以下では第2層用スラリーとする)を塗布し、第2層用スラリーが乾燥してから、第1層101を形成するためのスラリー(以下では第1層用スラリー)を塗布し、乾燥する。
第2層用スラリーは、以下のようにして製造できる。Ce以外の希土類元素Xの酸化物の粉末とCeOの粉末を秤量した後、湿式混合して乾燥することにより、原料粉末混合物を調製する。
次に、大気雰囲気下、1000〜1600℃で、原料粉末混合物を1〜5時間仮焼して、希土類元素XがドープされたCeOの仮焼粉末を作製する。次に、仮焼粉末を、湿式ボールミル等の方法で粉砕し、所定の粒度に調整する。次に、仮焼粉末と、エチルセルロース等のバインダとを、ターピネオールやブチルカルビトール等の溶媒に溶解して、第2層用スラリーとする。第2層用スラリーは使用する前に、オープニング20μmのナイロンメッシュを通過させる。この工程を以下ではスラリー濾過工程とする。スラリー濾過工程を行うことにより、第2層用スラリーからダマや凝集物等を除去し、第2層用スラリーを均一化することができる。仮焼粉末の代わりに、合成済みの希土類元素XがドープされたCeOを使用してもよい。
第1層用スラリーの製造方法は、基本的には、第2層用スラリーの製造方法と同様である。ただし、第1層用スラリーの製造においては、原料粉末混合物及び仮焼粉末を以下のように製造する。La(OH)又はLa、Co、Fe、NiOの各種粉末を秤量し、湿式混合して乾燥することにより、原料粉末混合物を調製する。次に、大気雰囲気下、700〜1300℃で、原料粉末混合物を1〜5時間仮焼して、希土類元素XとしてのLa含む仮焼粉末を作成する。この仮焼粉末は導電性酸化物である。次に、仮焼粉末を、湿式ボールミル等の方法で粉砕し、所定の粒度に調整する。次に、仮焼粉末と、エチルセルロース等のバインダとを、ターピネオールやブチルカルビトール等の溶媒に溶解して、第1層用スラリーとする。この第1層用スラリーに対しても、上記と同様のスラリー濾過工程を行う。
内側電極30の形態が図5に示す形態である場合は、最初に、第2層用スラリーを塗布する。第2層用スラリーが乾燥してから、第3層107を形成するためのスラリー(以下では第3層用スラリーとする)を塗布する。第3層用スラリーが乾燥してから、第1層用スラリーを塗布する。
第2層用スラリー及び第1層用スラリーは上述したものである。第3層用スラリーの製造方法は、以下のとおりである。第2層用スラリーにおける仮焼粉末と、第1層用スラリーにおける仮焼粉末との混合物を作成し、この混合物と、エチルセルロース等のバインダとを、ターピネオールやブチルカルビトール等の溶媒に溶解して、第3層用スラリーとする。第3層用スラリーに対しても、上記と同様のスラリー濾過工程を行う。
次に、未焼結成形体のうち外側電極27の全体を覆うように、スラリーをディップ法により塗布する。このスラリーは、焼成後に低熱伝導率層32となるものである。このスラリーの組成は、5YSZ/0.4質量%アルミナの混合粉末に対して、造孔材(気孔化材)としてカーボンを添加したものである。スラリー中における5YSZ/0.4質量%アルミナの混合粉末およびカーボンの割合は、5YSZ/0.4質量%アルミナの混合粉末が87体積%、カーボンが13体積%である。上記のスラリーの塗布により、未焼成の低熱伝導率層32が形成される。
次に、上記の各スラリーが塗布された未焼結成形体について、乾燥処理を施した後、1050〜1450℃で1時間かけて焼成した。この工程を第1の焼成工程とする。
第1の焼成工程のとき、内側電極30が備える各層に含まれる元素が拡散し、拡散層105が形成される。焼成温度が高いほど、拡散層105は厚くなる。焼成温度は、1100℃以上1400℃以下の範囲が好ましく、1300℃以上1400℃以下の範囲が一層好ましい。これらの範囲内である場合、拡散層105の厚さを好適な範囲とすることができる。
次に、未焼結成形体を焼成して得られた焼成体のうち、低熱伝導率層32の全体を覆うように、焼成後に触媒含有層33となるスラリーをディップ法により塗布することで、未焼成の触媒含有層33を形成する。このスラリーは、スピネル粉末およびチタニア粉末を含む。
次に、上記のスラリーが塗布された焼成体について、乾燥処理を施した後、1000℃で1時間かけて焼成することで、触媒含有層33を形成した。この工程を第2の焼成工程とする。このあと、焼成体のうち触媒含有層33の形成部分を、貴金属を含有する水溶液(塩化Pt酸溶液+硝酸Pd溶液+硝酸Rh溶液)に浸漬した後、乾燥処理を施し、さらに800℃で熱処理した。
このような製造工程を実施することで、ガスセンサ素子3が得られる。このようにして製造されたガスセンサ素子3と、セパレータ5、閉塞部材7、端子金具9、リード線11等とを組み付けることで、ガスセンサ1を製造できる。
<実施例>
1.ガスセンサ素子3の製造
第1層101の構成、第3層107の構成、第2層103の構成、第1の焼成工程における焼成温度、及びスラリー濾過工程の有無を、表1に示すとおりとして、S1〜S8のガスセンサ素子3を製造した。また、それぞれのガスセンサ素子3について、上述した方法で拡散層の厚みを測定した。その結果を表1に示す。S6のガスセンサ素子3では、拡散層の厚みは不均一であった。
S1〜S5、S7、S8のガスセンサ素子3では、TOF−SIMS像における拡散層の部分に、Y、Zr、Ce、La、及び希土類元素Xが検出された。Laは希土類元素Xに対応する。希土類元素Xは、S1〜S3、S5、S7、S8の場合はGdであり、S4の場合はYである。
2.ガスセンサ素子3の評価
(2−1)剥離の評価
ガスセンサ素子3を、内側電極30を通る断面であって、内側電極30の厚み方向に平行な断面で切断した。次に、その断面を表すSEM画像を取得した。そのSEM画像において、素子本体21と第2層103との剥離の有無を判断した。評価結果を上記表1に示す。S1〜S5、S8では、剥離は無かった。S6では、部分的に剥離があった。S7では、全面的に剥離があった。
(2−2)内部抵抗の測定
ガスセンサ素子3を含むガスセンサ1を、公知のバーナー測定装置に取り付けた。バーナー測定法により、外側電極27と内側電極30との間の内部抵抗値を測定した。より詳しくは、ガスセンサ素子3の温度が280℃であり、空燃比λ=0.9(リッチ)の条件におけるガスセンサ1の出力を、抵抗値が異なる2つの抵抗素子(1MΩ、100kΩ)を用いてオシロスコープで検出し、その出力差に基づいてガスセンサ素子3の内部抵抗値を算出した。その結果を上記表1に示す。S1〜S6では、内部抵抗が小さかった。S7では、素子本体21と第2層103との剥離のため測定できなかった。S8では、内部抵抗が大きかった。
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
(1)外側電極27を、上述の実施形態における内側電極30と同様のものにしてもよい。
(2)ガスセンサ1はNOx、CO、H、SO、NH等を検出するガスセンサであってもよい。
(3)上記各実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分担させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に発揮させたりしてもよい。また、上記各実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記各実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
(4)上述したガスセンサ素子及びガスセンサの他、ガスセンサ素子の製造方法、ガスセンサの製造方法、特定ガスの検出方法等、種々の形態で本開示を実現することもできる。
1…ガスセンサ、3…ガスセンサ素子、13…主体金具、21…素子本体(固体電解質体)、27…外側電極、30…内側電極、101…第1層、103…第2層、105…拡散層、107…第3層

Claims (8)

  1. ジルコニアを含む固体電解質体と、
    前記固体電解質体上に形成された一対の電極層と、
    を備えるガスセンサ素子であって、
    少なくとも一方の前記電極層は、
    Ce以外の希土類元素Xを含む導電性酸化物を含む第1層と、
    前記第1層と前記固体電解質体との間に形成され、Ce以外の希土類元素XがドープされたCeOからなる第2層と、
    前記第2層と前記固体電解質体との間に形成され、Zr、Ce、前記希土類元素X、及び前記希土類元素Xを含む拡散層と、
    を備えるガスセンサ素子。
  2. 請求項1に記載のガスセンサ素子であって、
    Ce以外の希土類元素XがドープされたCeO、及び前記導電性酸化物を含む第3層を、前記第1層と前記第2層との間にさらに備えるガスセンサ素子。
  3. 請求項1又は2に記載のガスセンサ素子であって、
    前記拡散層は連続的に形成されているガスセンサ素子。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のガスセンサ素子であって、
    以下の測定方法による前記拡散層の厚さが5μm以下であるガスセンサ素子。
    測定方法:前記ガスセンサ素子の断面から得られるTOF−SIMS像に対し、前記拡散層の厚さ方向のライン分析を行い、最大強度が1となるように規格化したCeO+の強度のプロファイルと、最大強度が1となるように規格化したZrO+の強度のプロファイルとを得る。前記CeO+の強度のプロファイルにおいてCeO+の強度が0.8となる位置と、前記ZrO+の強度のプロファイルにおいてZrO+の強度が0.8となる位置との距離を前記拡散層の厚さとする。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のガスセンサ素子であって、
    前記希土類元素XがLaであるガスセンサ素子。
  6. 請求項5に記載のガスセンサ素子であって、
    前記導電性酸化物は、組成式:LaNi(MはCoとFeとのうちの一種以上、a+b+c=1、1.25≦x≦1.75)で表され、前記a、b、cが、それぞれ、0.375≦a≦0.535、0.200≦b≦0.475、0.025≦c≦0.350を満たす導電性酸化物であるガスセンサ素子。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のガスセンサ素子であって、
    前記希土類元素XがドープされたCeOは、ガドリニウムドープセリア、又はイットリアドープセリアであるガスセンサ素子。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のガスセンサ素子と、
    前記ガスセンサ素子を保持する保持部材と、
    を備えるガスセンサ。
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