JP7068138B2 - ガス検出素子およびガスセンサ - Google Patents

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Description

本開示は、ガス検出素子およびガスセンサに関する。
測定対象ガスに含まれる特定ガスを検出するガス検出素子を備えるガスセンサがある。
ガス検出素子は、外向きに突出した鍔部を有する有底筒状の固体電解質体と、固体電解質体の内面に設けられる内側電極と、固体電解質体の外周面かつ鍔部よりも先端側に設けられる外側電極と、鍔部に設けられるとともに外側電極に電気的に接続される鍔電極と、を備えている。
このようなガス検出素子としては、鍔部の先端側表面(鍔先端面)の全領域にわたり鍔電極が形成されたものがある(特許文献1の図6など)。鍔電極は、鍔電極接続部に当接して鍔電極接続部と電気的に接続されることで、鍔電極接続部を介して外部機器に検出信号を送信するための信号経路を形成する。なお、検出信号は、ガス検出素子での検出結果に応じて変化する信号である。
また、他のガス検出素子としては、鍔部の鍔先端面のうち周方向の3ヶ所に均等に分散して鍔電極が配置されたものがある(特許文献1の図3など)。このガス検出素子は、鍔部の鍔先端面の全領域にわたり鍔電極が形成されたものに比べて、鍔電極に用いる導電性材料(白金)の量を低減でき、材料コストを低減できる。
特開2010-256334号公報
しかし、上記ガス検出素子のうち鍔電極が3ヶ所に分散配置されたガス検出素子においては、鍔電極の面積が小さいため、鍔電極と鍔電極接続部との電気的接続状態を十分に確保できない可能性がある。
例えば、ガスセンサが鍔電極に当接するとともに電気的に接続される鍔電極接続部を備える場合には、鍔電極と鍔電極接続部との電気的接続状態が十分に確保できない可能性がある。このような場合には、ガス検出素子の鍔電極から鍔電極接続部に対して検出信号を適切に送信できず、鍔電極接続部に電気的に接続された外部機器に対して検出信号を適切に送信できない可能性がある。
そこで、本開示は、材料コストの低減を図りつつ、鍔電極接続部との電気的接続状態を維持できるガス検出素子、およびそのようなガス検出素子を備えるガスセンサを提供することが望ましい。
本開示の一態様は、測定対象ガスに含まれる特定ガスを検出するガス検出素子であって、固体電解質体と、内側電極と、外側電極と、鍔電極と、を備える。
固体電解質体は、軸線方向の先端が閉塞し後端が開口する有底筒状に形成される。固体電解質体は、有底筒状の外周面から外向きに突出し周方向にわたり形成された鍔部を有する。内側電極は、固体電解質体のうち有底筒状の内面に設けられる。外側電極は、固体電解質体のうち有底筒状の外周面かつ鍔部よりも先端側に設けられる。鍔電極は、鍔部に設けられるとともに外側電極に電気的に接続される。
鍔部は、鍔部の外表面において軸線方向の先端側に対向する鍔先端面を備えている。鍔先端面は、電極形成領域と、露出領域と、を備える。電極形成領域は、鍔先端面の周方向のうち、180度より大きい領域にわたり連続して鍔電極が形成される領域である。露出領域は、鍔先端面の周方向のうち、鍔電極が形成されずに固体電解質体が露出する領域である。
鍔部のうち鍔先端面よりも後端側の外表面は、鍔電極は形成されていない形態、もしくは、鍔電極が形成される領域の周方向における長さが電極形成領域の周方向における長さよりも短い形態である。
このガス検出素子は、鍔先端面において電極形成領域と露出領域とを備えるため、鍔先端面の周方向全体にわたり鍔電極が設けられる構成に比べて、鍔電極に用いる導電性材料(白金など)の量を低減でき、鍔電極の材料費を低減できる。また、このガス検出素子は、鍔先端面の周方向のうち180度よりも大きい領域にわたり連続して鍔電極が形成される電極形成領域を備えるため、鍔電極と鍔電極接続部との電気的接続状態を維持しやすくなる。
よって、本開示のガス検出素子によれば、コスト低減を図りつつ、鍔電極接続部との電気的接続状態を維持することができる。
上記のガス検出素子においては、鍔先端面は、電極形成領域とは別に、鍔電極が形成される補助電極領域を備えてもよい。
このガス検出素子は、鍔先端面において、電極形成領域に加えて補助電極領域を備えることで、鍔電極と鍔電極接続部との接触状態をより良好なものにすることができる。
本開示の他の一態様は、ガスセンサであって、ガス検出素子と、鍔電極接続部と、を備える。
ガス検出素子は、測定対象ガスに含まれる特定ガスを検出するものであり、上述のいずれかのガス検出素子である。鍔電極接続部は、鍔先端面を向いた環状または環状の一部の後端向き面を有し、後端向き面において鍔電極に当接するとともに電気的に接続される。
このガスセンサは、上記のガス検出素子を備えることで、コスト低減を図りつつ、鍔電極と鍔電極接続部との電気的接続状態を維持することができる。
ガスセンサを軸線O方向に破断した状態を示す説明図である。 ガス検出素子の外観を示す正面図である。 ガス検出素子の構成を示す断面図である。 ガス検出素子の側面から見たときの鍔電極、リード電極および外側電極の構成を示す説明図である。 ガス検出素子の他の側面から見たときの外側電極の構成を示す説明図である。 ガス検出素子の先端側から見たときの鍔電極、リード電極および外側電極の構成を示す説明図である。 第2ガス検出素子の側面から見たときの鍔電極、リード電極および外側電極の構成を示す説明図である。 第2ガス検出素子の他の側面から見たときの外側電極の構成を示す説明図である。 第2ガス検出素子の先端側から見たときの鍔電極、リード電極および外側電極の構成を示す説明図である。 第3ガス検出素子の側面から見たときの鍔電極、リード電極および外側電極の構成を示す説明図である。
以下、本開示が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
尚、本開示は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
[1.第1実施形態]
[1-1.全体構成]
第1実施形態として、内燃機関の排気管に対して先端部分を排気管内に突出させる形態で装着し、排気ガス中の酸素を検出する酸素センサ(以下、ガスセンサ1ともいう)を例に挙げて説明する。なお、ガスセンサ1は、例えば、自動車またはオートバイ等の車両の排気管に備えられる。
まず、本実施形態のガスセンサ1の構成について、図1を用いて説明する。
図1では、図面下方向がガスセンサの先端側であり、図面上方向がガスセンサの後端側である。
ガスセンサ1は、ガス検出素子3、セパレータ5、閉塞部材7、端子金具9、リード線11を備える。さらに、ガスセンサ1は、ガス検出素子3、セパレータ5、および閉塞部材7の周囲を覆う様に配置される主体金具13、プロテクタ15、外筒16を備えている。なお、外筒16は、内側外筒17および外側外筒19を備えている。
ガスセンサ1は、ガス検出素子3を加熱するためのヒータを備えていない、いわゆるヒータレスのセンサであり、排気ガスの熱を利用してガス検出素子3を活性化して酸素を検出するものである。
図2は、ガス検出素子3の外観を示す正面図である。
ガス検出素子3は、酸素イオン伝導性を有する固体電解質体を用いて形成されており、先端部25が閉塞された有底筒型形状であり、軸線O方向に延びる円筒状の素子本体21を有している。この素子本体21の外周には、径方向外向きに突出した素子鍔部23が周設されている。
なお、素子本体21を構成する固体電解質体は、ジルコニア(ZrO)に安定化剤としてイットリア(Y)又はカルシア(CaO)を添加してなる部分安定化ジルコニア焼結体を用いて構成されている。素子本体21を構成する固体電解質体は、これらに限られることはなく、「アルカリ土類金属の酸化物とZrOとの固溶体」、「希土類金属の酸化物とZrOとの固溶体」などを使用しても良い。さらには、これらにHfOが含有されたものを、素子本体21を構成する固体電解質体として用いても良い。
ガス検出素子3の先端部25には、素子本体21の外周面に外側電極27(後述する図4など参照)が形成されている。外側電極27は、PtあるいはPt合金を多孔質に形成したものである。外側電極27は、多孔質状の保護層31で覆われている。このため、図2では、保護層31は図示されるが、外側電極27は図示されていない。
素子鍔部23の外表面のうち少なくとも一部には、導電性材料(Pt等)で形成された鍔電極部28が形成されている。なお、鍔電極部28の詳細については後述する。
素子本体21の外周面のうち外側電極27と鍔電極部28との間には、Pt等で形成された縦リード部29が軸線方向に延びるように形成されている。縦リード部29は、外側電極27と鍔電極部28とを電気的に接続している。
一方、ガス検出素子3の素子本体21の内周面には、内側電極30が形成されている。内側電極30は、PtあるいはPt合金を多孔質に形成したものである。ガス検出素子3の先端部25(検知部)において、保護層31を介して外側電極27が測定対象ガスに晒され、内側電極30が基準ガス(大気)に晒されることで、測定対象ガス中の酸素濃度を検出している。
セパレータ5は、電気絶縁性を有する材料(例えばアルミナ)で形成された円筒形状の部材である。セパレータ5は、その軸中心に、リード線11が貫挿される貫通孔35が形成されている。セパレータ5は、その外周側を覆う内側外筒17との間に空隙18が設けられるように配置されている。
閉塞部材7は、電気絶縁性を有する材料(例えばフッ素ゴム)で形成された円筒形状のシール部材である。閉塞部材7は、その後端に径方向外向きに突出する突出部36を備える。閉塞部材7は、その軸中心にリード線11が挿通されるリード線挿通孔37を備えている。閉塞部材7の先端面95は、セパレータ5の後端面97に密着し、閉塞部材7のうち突出部36よりも先端側の側方外周面98は、内側外筒17の内面に密着している。即ち、閉塞部材7は、外筒16の後端側を閉塞している。
閉塞部材7の後端向き面99は、外側外筒19の縮径部19gの先端向き面19aとの間で、リード線保護部材89の鍔部89bを挟持する。
このうち、縮径部19gは、閉塞部材7よりも後端側にて、径方向内側に延びており、縮径部19gの先端向き面19aは、ガスセンサ1の先端側に向く面として備えられている。縮径部19gの中央領域には、リード線11およびリード線保護部材89を挿通するためのリード線挿通部19cが形成されている。
リード線保護部材89は、リード線11を収容可能な内径寸法を有する筒状部材であり、可撓性、耐熱性および絶縁性を有する材料(例えば、ガラスチューブや樹脂チューブなど)で構成されている。リード線保護部材89は、リード線11を外部からの飛来物(石や水など)から保護するために備えられる。
リード線保護部材89は、先端側端部89aにおいて、軸線方向の垂直方向における外向きに突出する板状の鍔部89bを備える。鍔部89bは、リード線保護部材89の周方向の一部ではなく、全周にわたり形成されている。
リード線保護部材89の鍔部89bは、外筒16(詳細には、外側外筒19)の縮径部19gの先端向き面19aと閉塞部材7の後端向き面99との間に挟持される。
端子金具9は、導電性材料(例えばインコネル750(英インコネル社、商標名))で形成されており、センサ出力を外部に取り出すための導電性材料で構成される筒状部材である。端子金具9は、リード線11に電気的に接続されると共に、ガス検出素子3の内側電極30に電気的に接触するように配置されている。端子金具9は、その後端側に径方向(軸線方向と垂直の方向)の外向きに突出するフランジ部77を備えている。フランジ部77は、3枚の板状のフランジ片75を備えている。
リード線11は、芯線65と、その芯線65の外周を覆う被覆部67と、を備えて構成されている。
主体金具13は、金属材料(例えば鉄またはSUS430)で形成された円筒状の部材である。主体金具13には、内周面において径方向内側に向かって張り出した段部39が周設されている。段部39は、ガス検出素子3の素子鍔部23を支持するために備えられている。
主体金具13のうち先端側の外周面には、ガスセンサ1を排気管に取付けるためのネジ部41が形成されている。主体金具13のうちネジ部41の後端側には、ガスセンサ1を排気管に着脱する際に取付工具を係合させる六角部43が形成されている。更に、主体金具13のうち六角部43の後端側には、筒状部45が設けられている。
プロテクタ15は、金属材料(例えばSUS310S)で形成されており、ガス検出素子3の先端側を覆う保護部材である。プロテクタ15は、その後端縁が、パッキン88を介して、ガス検出素子3の素子鍔部23と主体金具13の段部39との間に挟まれるようにして固定されている。
なお、パッキン88は導電性材料で構成されている。このため、ガス検出素子3の鍔電極部28は、パッキン88およびプロテクタ15を介して、主体金具13に電気的に接続される。
ガス検出素子3のうち素子鍔部23の後端側領域においては、主体金具13とガス検出素子3との間に、先端側から後端側にかけて、滑石で形成されたセラミック粉末47と、アルミナで形成されたセラミックスリーブ49と、が配置されている。
更に、主体金具13の筒状部45の後端部51の内側には、金属材料(例えばSUS430)で形成された金属リング53と、金属材料(例えばSUS304L)で形成された内側外筒17の先端部55と、が配置されている。内側外筒17の先端部55は、径方向外向きに広がる形状に形成されている。つまり、筒状部45の後端部51が加締められることで、内側外筒17の先端部55が、金属リング53を介して筒状部45の後端部51とセラミックスリーブ49との間に挟持されて、内側外筒17が主体金具13に固定される。
また、内側外筒17の外周には、樹脂材料(例えばPTFE)で形成された筒状のフィルタ57が配置されると共に、フィルタ57の外周には、例えばSUS304Lで形成された外側外筒19が配置されている。フィルタ57は、通気は可能であるが水分の侵入は抑制できるものである。
そして、外側外筒19の加締め部19bが外周側から径方向内向きに加締められることにより、内側外筒17とフィルタ57と外側外筒19とが一体に固定される。また、外側外筒19の加締め部19hが外周側から径方向内向きに加締められることにより、内側外筒17と外側外筒19とが一体に固定され、閉塞部材7の側方外周面98が、内側外筒17の内面に密着することとなる。
なお、内側外筒17および外側外筒19は、それぞれ通気孔59、61を備えており、各通気孔59、61及びフィルタ57を介して、ガスセンサ1の内部と外部との通気が可能である。
[1-2.ガス検出素子]
ガス検出素子3の構成について説明する。
ガス検出素子3は、上述の通り、素子本体21と、外側電極27と、鍔電極部28と、縦リード部29、内側電極30と、保護層31と、を備えている。
図3に示すように、ガス検出素子3の先端部25においては、外側電極27および内側電極30が素子本体21を挟み込むように配置されている。
保護層31は、外側電極27を覆うように形成されている。保護層31は、低熱伝導率層32と、触媒含有層33と、を備えている。保護層31においては、低熱伝導率層32が触媒含有層33に比べて外側電極27に近い位置に配置されている。
素子本体21は、上述の通り、素子鍔部23を備えている。素子鍔部23は、外表面として、鍔先端面23aと、鍔外周面23bと、鍔後端面23cと、を備える。鍔先端面23aは、素子鍔部23の外表面において軸線方向の先端側に対向する外表面である。鍔外周面23bは、素子鍔部23の外表面において周方向外向きに形成される外表面である。鍔後端面23cは、素子鍔部23の外表面において軸線方向の後端側に対向する外表面である。
図4,5,6に示すように、素子鍔部23の鍔先端面23aのうち一部には、導電性材料(Pt等)で形成された鍔電極部28が形成されている。
鍔先端面23aは、電極形成領域23a1と、露出領域23a2と、を備える。電極形成領域23a1は、鍔先端面23aの周方向のうち180度より大きい領域にわたり連続して鍔電極部28が形成された領域である。露出領域23a2は、鍔電極部28が形成されずに素子鍔部23の固体電解質体が露出する領域である。
つまり、鍔電極部28は、鍔先端面23aの全面ではなく、鍔先端面23aの一部(詳細には、電極形成領域23a1)に形成されている。電極形成領域23a1は、鍔先端面23aの周方向のうち中心角CAの領域として備えられている。本実施形態の中心角CAは185度である。
縦リード部29は、鍔電極部28に対する接続位置が、素子鍔部23の周方向における鍔電極部28の中央位置となるように形成されている。
また、素子鍔部23のうち鍔先端面23aよりも後端側の外表面(換言すれば、鍔外周面23bおよび鍔後端面23c)は、鍔電極部28は形成されていない形態である。
[1-3.ガス検出素子の製造方法]
ガス検出素子3の製造方法について説明する。
まず、素子本体21の材料である固体電解質体の粉末として、ジルコニア(ZrO)に安定化剤としてイットリア(Y)を5mol%添加したもの(「5YSZ」ともいう)に対して、さらにアルミナ粉末を添加したものを用意する。素子本体21の材料粉末全体を100質量%としたとき、5YSZの含有量は99.6質量%であり、アルミナ粉末の含有量は0.4質量%である。この粉末をプレス加工した後、筒型形状となるように切削加工を実施することで、未焼結成形体を得る。
次に、未焼結成形体のうち、外側電極27、鍔電極部28、縦リード部29、内側電極30のそれぞれの形成位置に対して、白金(Pt)およびジルコニアを含有するスラリーを塗布する。
このとき、外側電極27、鍔電極部28、縦リード部29を形成するためのスラリーは、白金(Pt)に対して15質量%の単斜晶ジルコニアを添加したものを用いる。内側電極30を形成するためのスラリーは、白金(Pt)に対して、「99.6質量%の5YSZ/0.4質量%アルミナの混合粉末」(素子本体21と同じ組成)を15質量%添加したものを用いる。
次に、未焼結成形体のうち外側電極27の全体を覆うように、焼成後に低熱伝導率層32となるスラリーをディップ法により塗布することで、未焼成の低熱伝導率層32を形成する。このスラリーは、5YSZ/0.4質量%アルミナの混合粉末に対して、造孔材(気孔化材)としてカーボンを添加したものである。スラリー中における5YSZ/0.4質量%アルミナの混合粉末およびカーボンの割合は、5YSZ/0.4質量%アルミナの混合粉末が87体積%、カーボンが13体積%である。
次に、上記の各スラリーが塗布された未焼結成形体について、乾燥処理を施した後、1350℃で1時間かけて焼成した。
次に、未焼結成形体を焼成して得られた焼成体のうち、低熱伝導率層32の全体を覆うように、焼成後に触媒含有層33となるスラリーをディップ法により塗布することで、未焼成の触媒含有層33を形成する。このスラリーは、スピネル粉末およびチタニア粉末を含んで構成されている。
次に、上記のスラリーが塗布された焼成体について、乾燥処理を施した後、1000℃で1時間かけて焼成することで、触媒含有層33を形成した。このあと、焼成体のうち触媒含有層33の形成部分を、貴金属を含有する水溶液(塩化Pt酸溶液+硝酸Pd溶液+硝酸Rh溶液)に浸漬した後、乾燥処理を施し、さらに800℃で熱処理した。
このような製造工程を実施することで、ガス検出素子3が得られる。
このようにして製造されたガス検出素子3は、セパレータ5、閉塞部材7、端子金具9、リード線11などと組み付けられることで、ガスセンサ1の一部を構成する。
[1-4.効果]
以上説明したように、本実施形態のガスセンサ1に備えられるガス検出素子3は、鍔先端面23aにおいて電極形成領域23a1と露出領域23a2とを備えるため、鍔先端面23aの周方向全体にわたり鍔電極部28が設けられる構成に比べて、鍔電極部28に用いる導電性材料(白金)の量を低減でき、鍔電極部28の材料費を低減できる。
また、このガス検出素子3は、鍔先端面23aの周方向のうち180度よりも大きい領域にわたり連続して鍔電極部28が形成される電極形成領域23a1を備えるため、鍔電極部28と主体金具13(詳細には、パッキン88およびプロテクタ15を介した主体金具13)との電気的接続状態を維持しやすくなる。
よって、本実施形態のガス検出素子3によれば、コスト低減を図りつつ、主体金具13などの鍔電極接続部との電気的接続状態を維持することができる。なお、主体金具13は、ガス検出装置などの外部機器に電気的に接続されることで、外部機器に対して検出信号を送信するための信号経路の一部を形成することができる。
また、本実施形態のガスセンサ1は、ガス検出素子3を備えることで、コスト低減を図りつつ、鍔電極部28と主体金具13(詳細には、パッキン88およびプロテクタ15を介した主体金具13)との電気的接続状態を維持することができる。
[1-5.文言の対応関係]
ここで、本実施形態における文言の対応関係について説明する。
ガスセンサ1がガスセンサの一例に相当し、ガス検出素子3がガス検出素子の一例に相当し、素子本体21が固体電解質体の一例に相当し、外側電極27が測定電極の一例に相当し、内側電極30が基準電極の一例に相当し、鍔電極部28が鍔電極の一例に相当する。素子鍔部23が鍔部の一例に相当し、鍔先端面23aが鍔先端面の一例に相当し、電極形成領域23a1が電極形成領域の一例に相当し、露出領域23a2が露出領域の一例に相当する。主体金具13の段部39が後端向き面の一例に相当し、パッキン88が鍔電極接続部の一例に相当する。
[2.第2実施形態]
[2-1.第2ガス検出素子]
第2実施形態として、2つの鍔電極部28,128を備える第2ガス検出素子103について説明する。
なお、第2ガス検出素子103は、第1実施形態のガス検出素子3に代わりガスセンサ1の一部を構成することができる。また、以下の説明では、第2ガス検出素子103のうち第1実施形態のガス検出素子3と同様の構成については、同一符号を用いて表す。
第2ガス検出素子103は、素子本体21と、外側電極27と、鍔電極部28と、縦リード部29、内側電極30と、保護層31と、補助鍔電極部128と、補助縦リード部129、を備えている。
図7,8,9に示すように、第2ガス検出素子103においては、素子鍔部23の鍔先端面23aのうち一部には、導電性材料(Pt等)で形成された鍔電極部28および補助鍔電極部128が形成されている。
鍔先端面23aは、1つの電極形成領域23a1と、1つの露出領域23a2と、2つの補助電極領域23a3と、を備える。
電極形成領域23a1は、鍔先端面23aの周方向のうち180度より大きい領域にわたり連続して鍔電極部28が形成された領域である。補助電極領域23a3は、鍔先端面23aの周方向のうち120度より小さい領域にわたり連続して補助鍔電極部128が形成された領域である。2つの露出領域23a2は、鍔電極部28および補助鍔電極部128のいずれも形成されずに素子鍔部23の固体電解質体が露出する領域である。
つまり、鍔電極部28および補助鍔電極部128は、鍔先端面23aの全面ではなく、鍔先端面23aの一部(詳細には、電極形成領域23a1、補助電極領域23a3)に形成されている。電極形成領域23a1は、鍔先端面23aの周方向のうち第1中心角CA1の領域として備えられている。本実施形態の第1中心角CA1は185度である。また、補助電極領域23a3は、鍔先端面23aの周方向のうち第2中心角CA2の領域として備えられている。本実施形態の第2中心角CA2は60度である。
縦リード部29は、鍔電極部28に対する接続位置が、素子鍔部23の周方向における鍔電極部28の中央位置となるように形成されている。補助縦リード部129は、補助鍔電極部128に対する接続位置が、素子鍔部23の周方向における補助鍔電極部128の中央位置となるように形成されている。
また、素子鍔部23のうち鍔先端面23aよりも後端側の外表面(換言すれば、鍔外周面23bおよび鍔後端面23c)は、鍔電極部28および補助鍔電極部128のいずれも形成されていない形態である。
第2ガス検出素子103の製造方法は、上述したガス検出素子3の製造方法のうち、未焼結成形体に対して白金(Pt)およびジルコニアを含有するスラリーを塗布する工程において、補助鍔電極部128および補助縦リード部129の形成位置に対してスラリーを塗布する作業を追加することで実現できる。
[2-2.効果]
以上説明したように、第2ガス検出素子103は、鍔先端面23aにおいて、電極形成領域23a1に加えて補助電極領域23a3を備えることで、鍔電極(鍔電極部28および補助鍔電極部128)と鍔電極接続部(例えば、主体金具13)との接触状態をより良好なものにすることができる。
また、第2ガス検出素子103は、第1実施形態のガス検出素子3と同様に、鍔先端面23aに電極形成領域23a1と露出領域23a2とを備えることから、第1実施形態のガス検出素子3と同様の効果を奏することができる。
[2-3.文言の対応関係]
ここで、本実施形態における文言の対応関係について説明する。
第2ガス検出素子103がガス検出素子の一例に相当し、鍔電極部28および補助鍔電極部128が鍔電極の一例に相当し、電極形成領域23a1が電極形成領域の一例に相当し、露出領域23a2が露出領域の一例に相当し、補助電極領域23a3が補助電極領域の一例に相当する。
[3.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
上記実施形態では、ガス検出素子における各種数値(電極形成領域23a1の中心角CA、第1中心角CA1、補助電極領域23a3の第2中心角CA2など)が特定されているが、これらの各種数値は、上記数値に限られることはなく、本開示の技術的範囲に含まれる限り、任意の値を採ることができる。例えば、電極形成領域23a1の中心角CA、第1中心角CA1は、180度よりも大きい範囲であって、露出領域23a2が確保される範囲であれば、任意の大きさに設定しても良い。
また、第2実施形態では、補助鍔電極部128が1個備えられる構成の第2ガス検出素子103について説明したが、補助鍔電極部の個数は2個以上であってもよい。
さらに、上記実施形態では、素子鍔部23のうち鍔先端面23aよりも後端側の外表面(鍔外周面23b、鍔後端面23c)は、鍔電極部28は形成されていない構成について説明したが、このような構成に限られることはない。例えば、図10に示す第3ガス検出素子203のように、素子鍔部23のうち鍔外周面23bに外周面鍔電極28aが形成される構成であって、その外周面鍔電極28aが形成される領域の周方向における長さが、鍔先端面23aの電極形成領域23a1(換言すれば、鍔電極部28の形成領域)の周方向における長さよりも短い形態であってもよい。
次に、上記実施形態では、ガスセンサとしてヒータレスガスセンサについて説明したが、本開示を適用するガスセンサは、ガス検出素子を加熱するためのヒータを備えるヒータ付きガスセンサであってもよい。このようなガスセンサは、ヒータによる加熱に加えて排気ガスからの熱を効率よくガス検出素子の活性化に利用できるため、低温(300℃以下)環境下でもガス検出が可能となる。なお、ヒータとしては、例えば、棒状に形成されて、有底筒型形状のガス検出素子のうち筒状内面に当接する棒状ヒータなどが挙げられる。
また、上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
1…ガスセンサ、3…ガス検出素子、13…主体金具、15…プロテクタ、21…素子本体、23…素子鍔部、23a…鍔先端面、23a1…電極形成領域、23a2…露出領域、23a3…補助電極領域、23b…鍔外周面、23c…鍔後端面、27…外側電極、28…鍔電極部、29…縦リード部、30…内側電極、31…保護層、39…段部、88…パッキン、103…第2ガス検出素子、128…補助鍔電極部、129…補助縦リード部。

Claims (3)

  1. 軸線方向の先端が閉塞し後端が開口する有底筒状に形成されるとともに、前記有底筒状の外周面から外向きに突出し周方向にわたり形成された鍔部を有する固体電解質体と、
    前記固体電解質体のうち前記有底筒状の内面に設けられる内側電極と、
    前記固体電解質体のうち前記有底筒状の外周面かつ前記鍔部よりも先端側に設けられる外側電極と、
    前記鍔部に設けられるとともに前記外側電極に電気的に接続される鍔電極と、
    を備えて、測定対象ガスに含まれる特定ガスを検出するガス検出素子であって、
    前記鍔部は、外表面において前記軸線方向の先端側に対向する鍔先端面を備えており、
    前記鍔先端面は、前記周方向のうち、180度より大きい領域にわたり連続して前記鍔電極が形成される電極形成領域と、前記鍔電極が形成されずに前記固体電解質体が露出する露出領域と、を備え、
    前記鍔部のうち前記鍔先端面よりも後端側の外表面は、前記鍔電極は形成されていない形態、もしくは、前記鍔電極が形成される領域の周方向における長さが前記電極形成領域の周方向における長さよりも短い形態である、
    ガス検出素子。
  2. 前記鍔先端面は、前記電極形成領域とは別に、前記鍔電極が形成される補助電極領域を備える、
    請求項1に記載のガス検出素子。
  3. 測定対象ガスに含まれる特定ガスを検出するガス検出素子を備えるガスセンサであって、
    前記ガス検出素子は、請求項1または請求項2に記載のガス検出素子であり、
    当該ガスセンサは、前記鍔先端面を向いた環状または環状の一部の後端向き面を有し、前記後端向き面において前記鍔電極に当接するとともに電気的に接続される鍔電極接続部を備える、
    ガスセンサ。
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