JP6718385B2 - ガスセンサ素子およびガスセンサ - Google Patents
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例えば、特許文献1には、先端が閉じた有底筒状の固体電解質体と、この固体電解質体の内表面に形成された内側電極と、固体電解質体の外表面の先端部に形成された外側電極とを備えるガスセンサ素子が開示されている。このようなガスセンサは、例えば内燃機関から排出される排気ガス中に含まれる特定ガスの濃度を検出するために用いられる。
そして、本開示のガスセンサ素子では、一対の電極のうち少なくとも一方は、固体電解質体に近い側から順に、ランタンジルコネート層および電極層が積層された構造を有する。また電極層は、組成式がLaaMbNicOx(MはCoとFeのうちの一種以上、a+b+c=1、1.25≦x≦1.75)で表されてペロブスカイト型結晶構造を有するペロブスカイト相を含有する導電性酸化物を含み、a,b,cが、0.375≦a≦0.535、0.200≦b≦0.475、0.025≦c≦0.350を満たしている。
このように構成された本開示のガスセンサは、本開示の一態様のガスセンサ素子を備えたガスセンサであり、本開示のガスセンサ素子と同様の効果を得ることができる。
以下に本開示の第1実施形態を図面とともに説明する。
本実施形態のガスセンサ1は、例えば自動車およびオートバイ等の車両の排気管に取り付けられ、排気管内の排気ガスに含まれる酸素濃度を検出する。
素子鍔部23の先端側(すなわち、図2の下方)には、Pt等で形成された環状の環状リード部28が形成されている。
端子金具9は、センサ出力を外部に取り出すために、導電性材料で形成される筒状部材である。端子金具9は、リード線11に電気的に接続されるとともに、ガスセンサ素子3の内側電極30に電気的に接触するように配置されている。端子金具9は、その後端側に径方向(すなわち、軸線方向に対して垂直の方向)の外向きに突出するフランジ部77を備えている。フランジ部77は、3枚の板状のフランジ片75を備えている。
主体金具13は、金属材料(例えば鉄またはSUS430)で形成された円筒状の部材である。主体金具13には、内周面において径方向内側に向かって張り出した段部39が形成されている。段部39は、ガスセンサ素子3の素子鍔部23を支持するために形成されている。
ランタンジルコネート層31は、内側検知電極部30aの焼成時に、電極層32に含まれるランタン(La)と、素子本体21に含まれるジルコニア(ZrO2)とが反応して形成されたランタンジルコネート(La2Zr2O7)の層である。このようなランタンジルコネート層31を、以下、反応層31ともいう。
LaaMbNicOx ・・・(1)
ここで、元素MはCoとFeのうちの一種以上を表し、a+b+c=1であり、1.25≦x≦1.75である。係数a,b,cはそれぞれ、以下の関係式(2a),(2b),(2c)を満たすことが好ましい。
0.200≦b≦0.475 ・・・(2b)
0.025≦c≦0.350 ・・・(2c)
上記の関係式(2a)〜(2c)で表される組成を有するペロブスカイト型導電性酸化物は、室温(例えば25℃)での導電率が250S/cm以上で且つB定数が600K以下となり、上記の関係式(2a)〜(2c)を満たさない場合に比べて導電率が高くB定数が小さいという良好な特性を有する。なお、Pt電極は、大気中において約600℃の環境で放置されると、酸化して固体電解質体と電極との間の界面抵抗が上昇する。一方、ペロブスカイト型導電性酸化物は、このような経時変化が起こり難い。
0.200≦b≦0.375 ・・・(3b)
0.125≦c≦0.300 ・・・(3c)
上記の組成式(1)におけるOの係数xは、上記の組成を有する導電性酸化物が全てペロブスカイト相からなる場合には、理論上は1.50となる。但し、酸素が量論組成からずれることがあるため、典型的な例として、係数xの範囲を1.25≦x≦1.75と規定している。
希土類添加セリアは、セリア以外の希土類酸化物が添加されたセリアである。「セリア以外の希土類酸化物」としては、La2O3、Gd2O3、Sm2O3、Y2O3等を利用することができる。このような希土類酸化物における希土類元素REの含有割合は、セリウムと希土類元素REのモル分率{RE/(Ce+RE)}に換算して、例えば、5mol%以上であり且つ40mol%以下である範囲とすることができる。このような希土類添加セリアは、低温(すなわち、室温)では絶縁体であり、高温(すなわち、ガスセンサ1の使用温度)では酸素イオン伝導性を有する固体電解質体である。
本実施形態では、電極層32に含まれる希土類添加セリアの割合が、30〜65体積%である。また本実施形態では、電極層32に含まれる希土類添加セリアの平均粒径が、0.64μm以下である。
内側リード部30bは、後端リード層33bとランタンジルコネート層34とを含む多層構造を有する。ランタンジルコネート層34は、後端リード層33bよりも素子本体21に近い側に配置されている。
第1工程では、未焼結成形体を作製する。具体的には、まず、素子本体21の材料である固体電解質体の粉末として、ジルコニア(ZrO2)に安定剤としてイットリア(Y2O3)を5mol%添加したもの(以下、5YSZともいう)に対して、さらにアルミナ粉末を添加したものを用意する。素子本体21の材料粉末全体を100質量%としたとき、5YSZの含有量は99.6質量%であり、アルミナ粉末の含有量は0.4質量%である。この粉末をプレス加工した後に、筒形となるように切削加工を実施することで、未焼結成形体を得る。
電極層32のスラリーの作製においては、まず、導電性酸化物の原料粉末を秤量した後、湿式混合して乾燥することにより、原料粉末混合物を調整し、700〜1300℃で1〜5時間仮焼して仮焼粉末を作成する。そして、この仮焼粉末を、湿式ボールミル等による粉砕を行い所定の粒度に調整する。このとき、ペロブスカイト相の原料粉末としては、例えば、La(OH)3又はLa2O3、並びに、Co3O4、Fe2O3、及びNiOを用いることができる。次に、希土類添加セリアの原料粉末を秤量した後、湿式混合して乾燥することにより、原料粉末混合物を調整し、大気雰囲気下、1000〜1600℃で1〜5時間仮焼して仮焼粉末を作製する。そして、この仮焼粉末を、湿式ボールミル等により粉砕し、所定の粒子サイズに調製する。希土類添加セリアの原料粉末としては、CeO2の他に、La2O3、Gd2O3、Sm2O3、Y2O3等を用いることができる。そして、所定の粒子サイズに調整された2種類の仮焼粉末を、湿式ボールミル等により混合し、ターピネオールやブチルカルビトール等の溶媒に、エチルセルロース等のバインダとともに溶解することにより、スラリーを作製する。
まず、外側電極27の形成部分にPtペースト等の貴金属のスラリーを塗布する。次に、電極層32のスラリーを塗布し、その後、リード層33のスラリーを塗布する。
次に、ガスセンサ素子3の低温作動性を評価するために実施した評価試験の試験結果について説明する。
本試験では、ガスセンサ素子をガスセンサに組み付けた状態で、そのガスセンサを公知のバーナー測定装置に取り付けて、バーナー測定法によりガスセンサ素子の内部抵抗値を測定した。詳細には、素子温度300℃で空燃比λ=0.9(すなわち、リッチ)におけるセンサ出力を、入力インピーダンス1MΩと100kΩでそれぞれ検出し、その出力差に基づいてガスセンサ素子の内部抵抗値を算出した。
図9に示すように、GDC粉末の比表面積が11.6m2/gであるときのGDC粒径と反応層厚はそれぞれ、0.88μmと2.3μmであった。また、GDC粉末の比表面積が32.1m2/gであるときのGDC粒径と反応層厚はそれぞれ、0.52μmと2.0μmであった。
上述のように、素子温度が300°Cにおける内部抵抗値が100kΩ以下となるのは、反応層厚が2.1μm以下であるときである。このため、上式(4)に基づいて、内部抵抗値が100kΩ以下となるのは、GDC粒径が0.64μm以下であるときである。
以下に本開示の第2実施形態を図面とともに説明する。
本実施形態の板型ガスセンサ素子100は、図10に示すように、素子本体101と、多孔質保護層120とを備える。
補強部112は、固体電解質体105との間で検知リード部106Lを挟み込むようにして、固体電解質体105を保護するための板状の部材である。補強部112は、固体電解質体105と同じ材料で形成されており、板の厚さ方向に貫通する保護部配置空間112aを備える。
図12に示すように、多孔質保護層120は、素子本体101の先端面を含み、軸線方向(すなわち、図12における左右方向)に沿って後端側に延びるように形成されている。
固体電解質体105は、第1実施形態の素子本体21と同様に、ジルコニア(ZrO2 )に安定化剤としてイットリア(Y2O3)またはカルシア(CaO)を添加してなる部分安定化ジルコニア焼結体から構成されている。固体電解質体105は、ジルコニアを主成分とし、ジルコニアの50〜83.3質量%が正方晶ジルコニアである。
なお、「主成分」とは、対象となる部位(すなわち、固体電解質体105および測定電極106など)を構成する全成分に対し、50質量%を超える成分をいう。
多孔質保護層120のうち、少なくとも測定電極106を覆う部位は、スピネル(MgAl2O4)およびチタニア(TiO2)で形成されているとともに、貴金属(Pt,Pd,Rhのうち少なくとも1つ)が担持されている。この貴金属は、排気ガスに含まれる未燃ガス成分の燃焼を促進するための触媒として機能する。なお、多孔質保護層120のうち、少なくとも測定電極106を覆う部位とは、素子本体101の積層方向において測定電極106と重なる部位をいう。
以上説明した実施形態において、板型ガスセンサ素子100はガスセンサ素子に相当し、固体電解質体105は固体電解質体に相当し、基準電極104および測定電極106は一対の電極に相当し、反応層104bはランタンジルコネート層に相当し、リード層104dはリード層に相当する。
例えば上記第1実施形態では、内側電極が、ランタンジルコネート層、電極層およびリード層が積層された多層構造であるガスセンサ素子について説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、外側電極が多層構造であるガスセンサ素子であってもよいし、内側電極と外側電極のそれぞれが多層構造であるガスセンサ素子でもよい。同様に、上記第2実施形態では、基準電極が、ランタンジルコネート層、電極層およびリード層が積層された多層構造である板型ガスセンサ素子について説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、測定電極が多層構造である板型ガスセンサ素子であってもよいし、基準電極と測定電極のそれぞれが多層構造である板型ガスセンサ素子でもよい。
Claims (3)
- 酸素イオン伝導性を有するZrO2を含む固体電解質体と、前記固体電解質体上に配置された一対の電極とを備えるガスセンサ素子であって、
前記一対の電極のうち少なくとも一方は、前記固体電解質体に近い側から順に、ランタンジルコネート層および電極層が積層された構造を有し、
前記電極層は、組成式がLaaMbNicOx(MはCoとFeのうちの一種以上、a+b+c=1、1.25≦x≦1.75)で表されてペロブスカイト型結晶構造を有するペロブスカイト相を含有する導電性酸化物を含み、前記a,b,cが、0.375≦a≦0.535、0.200≦b≦0.475、0.025≦c≦0.350を満たしており、
前記電極層は、希土類添加セリアを含み、
前記電極層に含まれる希土類添加セリアの割合が、30〜65体積%であり、
前記電極層に含まれる希土類添加セリアの平均粒径が、0.64μm以下であるガスセンサ素子。 - 請求項1に記載のガスセンサ素子であって、
前記電極層に電気的に接続されるリード層を備え、
前記リード層は、前記ペロブスカイト相を含有する前記導電性酸化物を含み、かつ、少なくとも一部が前記電極層に積層されるガスセンサ素子。 - 請求項1または請求項2に記載のガスセンサ素子と、前記ガスセンサ素子を保持する保持部材とを備えるガスセンサ。
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