JP6966274B2 - 熱成形用多層シート及び成形品 - Google Patents

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Description

本発明は、熱成形により、ガスバリア性及び透明性に優れる成形品を得ることができる熱成形用多層シート及び該シートから得られる成形品に関する。
包装用容器、特に飲食品包装用容器では、その収納すべき内容物(飲料又は食品等)が空気中の酸素又は水蒸気等のガスによる悪影響を受けないようにするため、あるいは長期間保存中の水分の消失を防ぐために、ガスバリア性が要求されることがある。このようなガスバリア性を有する成形品として、従来、ポリプロピレン(PP)/エチレン・ビニルアルコール共重合体/無延伸ポリプロピレンフィルム(CPP)からなる積層シートの成形品が利用されている。しかし、PPを容器の最外層に使用した場合、熱成形時の熱により結晶化が進行し、良好な透明性が得られないことが知られている。
かかる問題を解決するため、従来、耐熱性及び透明性を兼ね備えた耐熱性ポリエステルを基材に用いて容器を成形することが検討されている。例えば、特許文献1には、CPP/耐熱性ポリエステル及びエチレン・ビニルアルコール/ポリエチレン−PPブレンドポリマーからなる積層体を熱成形して得られた蓋材が記載されている。特許文献1には、当該蓋材がガスバリア性、シール強度、及び易開封性に優れていることが記載されている。また、特許文献2には、特定のポリエステル樹脂からなる樹脂層を含む複合多層シートが記載されている。特許文献2には、当該多層シートはガスバリア性があり、高温殺菌可能であると共に、熱水処理での透明性を備えることが記載されている。
特開平5−338099号公報 特開2000−263730号公報
上記のように、包装用容器等の成形品において、透明性も重要である。しかし、特許文献1では、容器の透明性について検討されていない。
また、樹脂シートを熱成形することにより成形品を得る場合、熱成形時における白化により透明性が低下することがある。この傾向は、複雑な形状又は深い形状を有する成形品を得る場合に特に認められる。しかし、特許文献2では、熱成形により成形品を得る場合、特に複雑な形状又は深い形状を有する成形品を得る場合における、成形品の透明性について検討されていない。
本発明は、熱成形により、ガスバリア性及び透明性に優れる成形品を得ることができる熱成形用多層シート及び該シートから得られる成形品を提供することを目的とする。
本発明の第1の熱成形用多層シートは、表裏両面を有する中心層と、該中心層の両面側又は片面側に設けられた、最表層であるホモポリオレフィン層と、を有してなる多層シートであって、
前記中心層は、耐熱性ポリエステル層と、該耐熱性ポリエステル層の少なくとも片面側に積層されたガスバリア層と、を有し、
前記耐熱性ポリエステル層は、主成分が変性PET樹脂からなり
前記変性PET樹脂は、酸成分としてのテレフタル酸と、ジオール成分との共重合ポリマーであり、且つ前記ジオール成分は、
1)1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、
2)イソソルビド、及び、
3)エチレングリコール、
の三成分を少なくとも含むことを特徴とする。
本発明の第2の熱成形用多層シートは、表裏両面を有する中心層と、該中心層の両面側に設けられた、最表層であるホモポリオレフィン層と、を有してなる多層シートであって、
前記中心層は、耐熱性ポリエステル層と、該耐熱性ポリエステル層の少なくとも片面側に積層されたガスバリア層と、を有し、
前記耐熱性ポリエステル層は、A−PET樹脂層の表裏両面に、主成分が変性PET樹脂からなる変性PET樹脂層を配置した積層体であり、
前記変性PET樹脂は、酸成分としてのテレフタル酸と、ジオール成分との共重合ポリマーであり、且つ前記ジオール成分は、
1)1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、
2)イソソルビド、及び、
3)エチレングリコール、
の三成分を少なくとも含んでなり、
前記ホモポリオレフィン層の厚さは20〜60μmであり、且つ、以下の式(1)を満たすことを特徴とする。
Y≧55−0.8X (1)
X;前記ホモポリオレフィン層の片面の厚さ(μm)
Y;前記耐熱性ポリエステル層に対する前記変性PET樹脂層の片面の厚さの比
本発明の成形品は、本発明の熱成形用多層シートを熱成形することにより得られることを特徴とする。
本発明の熱成形用多層シートにより得られる成形品は、ガスバリア性を有すると共に、熱成形時及び熱水処理時における白化を抑制することができ、透明性に優れる。よって、本発明は、ガスバリア性及び透明性が求められる用途、例えば、飲食品等の包装用容器に好適に用いることができる。
実施例3〜4及び比較例4〜5の容器におけるホモCPPフィルム層(片面)の厚さ(μm)と、耐熱性バリアPETシート層に対する変性PET樹脂層(片面)の厚さの比(層比)と、をプロットしたグラフである。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
(1)熱成形用多層シート
本実施形態に係る第1及び第2の熱成形用多層シート(以下、「第1のシート」及び「第2のシート」といい、両者を総称して「本シート」という。)は、表裏両面を有する中心層と、該中心層の両面側又は片面側に設けられた、最表層であるホモポリオレフィン層と、を有してなり、前記中心層は、耐熱性ポリエステル層と、該耐熱性ポリエステル層の少なくとも片面側に積層されたガスバリア層と、を有する多層シートである。尚、「最表層」は、「最外層」及び「最内層」の総称である。前記「最外層」は、成形品の外側表面(容器であれば、外部側表面)を構成する層であり、前記「最内層」は、成形品の内側表面(容器であれば、物を収容する内面側表面)を構成する層である。
第1のシートにおいて、前記耐熱性ポリエステル層は、主成分が変性PET樹脂からなる。前記「主成分」は、全樹脂成分中、変性PET樹脂が50質量%以上、好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上含まれていることを意味する。第1のシートは、主成分が変性PET樹脂からなる1層のみでもよく、主成分が変性PET樹脂からなる層を2種以上有する多層構造でもよい。例えば、前記耐熱性ポリエステル層として、主成分が変性PET樹脂であり、且つA−PET樹脂を含む混合樹脂層の表裏両面に、主成分が前記変性PET樹脂からなる樹脂層を配置した積層体でもよい。
第2のシートにおいて、前記耐熱性ポリエステル層は、A−PET樹脂層の表裏両面に、主成分が変性PET樹脂からなる変性PET樹脂層を配置した積層体である。前記「主成分」は、全樹脂成分中、変性PET樹脂が50質量%以上、好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上含まれていることを意味する。第2のシートは、前記A−PET樹脂層及び変性PET樹脂層のみを有する積層体でもよく、更に他の層を有する積層体でもよい。
前記変性PET樹脂は、酸成分としてのテレフタル酸と、ジオール成分との共重合ポリマーであり、且つ前記ジオール成分は、1)1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、2)イソソルビド、及び、3)エチレングリコール、の三成分を少なくとも含んでなる。前記ジオール成分は、前記三成分からなるものでもよく、更に他のジオール成分を含んでいてもよい。
前記テレフタル酸及び三種のジオール成分のそれぞれの配合比は、必要に応じて適宜選択することができる。該配合比として好ましくは100モル%のテレフタル酸に対応する100モル%のジオール成分のうち、1)1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)が20〜60モル%、2)イソソルビドが10〜35モル%、及び3)エチレングリコールが残りモル%とすることができる。前記配合比が前記範囲であると、耐寒衝撃性、耐熱性及び透明性に優れることから好ましい。
前記A−PET樹脂層を構成するA−PET樹脂は、結晶化していない状態のPET樹脂である。
前記ガスバリア層は、前記耐熱性ポリエステル層の少なくとも片面側に積層され、ガスバリア性を有する限り、その具体的構成には特に限定はない。前記ガスとしては、例えば、酸素、窒素及び/又は二酸化炭素等が挙げられる。前記ガスバリア層として、酸素バリア層が好ましい。前記ガスバリア層を構成する材料として具体的には、例えば、樹脂、金属酸化物(酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム等)又は無機化合物(窒化アルミニウム、窒化ケイ素等の窒化物、炭化ケイ素等の炭化物)の薄膜が挙げられる。前記ガスバリア層として好ましくは、樹脂、特に樹脂フィルムにより形成されるガスバリア層である。前記樹脂の種類には特に限定はない。前記樹脂として具体的には、例えば、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、及びエチレン・ビニルアルコール共重合体が挙げられる。
前記ガスバリア層は他の成分を含んでいてもよい。前記ガスバリア層が樹脂により形成されるバリア層である場合、該他の成分として具体的には、例えば、層状無機化合物が挙げられる。層状鉱物、珪酸塩が挙げられる。層状珪酸塩を含有することにより、ガスバリア性を向上させることができるので好ましい。前記層状珪酸塩として具体的には、例えば、含水ケイ酸塩(フィロケイ酸塩鉱物等)、カオリナイト族粘土鉱物(ハロイサイト、カオリナイト、エンデライト、ディッカイト、ナクライト等)、アンチゴライト族粘土鉱物(アンチゴライト、クリソタイル等)、スメクタイト族粘土鉱物(モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイト等)、バーミキュライト族粘土鉱物(バーミキュライト等)、雲母又はマイカ族粘土鉱物(白雲母、金雲母等の雲母、マーガライト、テトラシリリックマイカ、テニオライト等)が挙げられる。これらは天然の鉱物でもよく、合成物でもよい。前記層状無機化合物は1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。前記層状無機化合物として好ましくは層状珪酸塩であり、より好ましくはモンモリロナイトである。
前記ガスバリア層は、前記耐熱性ポリエステル層の少なくとも片面側に積層されている。前記ガスバリア層は、通常は、前記耐熱性ポリエステル層の片面側にのみ積層されていているが、両面側に積層されていてもよい。また、前記ガスバリア層は、前記耐熱性ポリエステル層の表面に直接積層されていてもよく、他の層を介して積層されていてもよい。
第1のシートでは、最表層であるホモポリオレフィン層が、前記中心層の両面側又は片面側に設けられている。尚、前記ホモポリオレフィン層を片面側にのみ設ける場合、通常は最外層として設けられる。一方、第2のシートでは、前記ホモポリオレフィン層は、前記中心層の両面側に設けられている。本シートは、該ホモポリオレフィン層を有することにより、特に熱成形時の型転写における白化を抑制できるため、優れた透明性を有する。その理由として、後述の比較例におけるランダムPPでは、軟らかい樹脂により型転写しやすいため透明性を悪くしているが、実施例におけるホモCPPでは硬い樹脂により型転写しがたいため透明性を良くしていると考えられる(当該記載は発明者の見解であり、本シートを定義又は限定する趣旨の記載ではない。)。
前記ポリオレフィンとしては、炭素原子数2〜18の脂肪族α−モノオレフィン、例えばエチレン、プロピレン、ブテン−1,ペンテン−1,3−メチルブテン−1,ヘキセン−1,オクテン−1,ドデセン−1,オクタデセン−1を単独で重合させたホモポリオレフィンが挙げられる。前記前記ポリオレフィンとして好ましくは、ホモポリプロピレン(ホモCPP)である。
第1のシートにおいて、前記ホモポリオレフィン層の厚さには特に限定はなく、必要に応じて適宜の厚さとすることができる。第1のシートにおいて、前記ホモポリオレフィン層の厚さは通常、20μm以上、好ましくは20〜60μm、更に好ましくは25〜55μm、より好ましくは30〜50μmである。また、第2のシートにおいて、前記ホモポリオレフィン層の厚さは20〜60μm、更に好ましくは25〜55μm、より好ましくは30〜50μmである。前記ホモポリオレフィン層の厚さが前記範囲内であると、透明性に優れると共に、製造が容易であることから好ましい。本シートにおいて、最外層及び最内層がホモポリオレフィン層である場合、そのうちの少なくとも一方の厚さが上記範囲にあってもよく、両方の厚さが上記範囲にあってもよい。また、前記最外層及び最内層のホモポリオレフィン層の厚さは同じでもよく、異なってもよい。
第2のシートは、前記の式(1)を満たす。式(1)中、「X」は、前記ホモポリオレフィン層の片面、即ち、前記最外層又は最内層のいずれか一方のホモポリオレフィン層の厚さ(μm)を意味する。前記最外層及び最内層のホモポリオレフィン層の厚さが異なる場合、「X」は、薄い方のホモポリオレフィン層の厚さを意味する。
式(1)中、「Y」は、前記耐熱性ポリエステル層に対する前記変性PET樹脂層の片面の厚さの比である。外層の変性PET樹脂層の厚さを「A(μm)」、前記A−PET樹脂層の厚さを「B(μm)」、内層の変性PET樹脂層の厚さを「C(μm)」とした場合、「Y」は、「(A又はC)×100/A+B+C」である。尚、外層の変性PET樹脂層の厚さ(A)と内層の変性PET樹脂層の厚さ(C)が異なる場合、「(A又はC)」は、薄い方を意味する。
前記「Y」は、前記式を満たす限り、具体的範囲に限定はない。前記「Y」の範囲は通常7〜39、好ましくは11〜35、更に好ましくは15〜31である。前記「Y」が前記範囲内であると、透明性に優れると共に、製造が容易であることから好ましい。
尚、第2のシートに関し、後述の表1及び図1では、「Y」が同じである場合、「X」が大きいと、熱成形時のみならず熱水処理時の白化を抑制することができることが示されている。また、「X」が同じである場合、「Y」が大きい場合も、熱成形時のみならず熱水処理時の白化を抑制することができることが示されている。これらの結果を考慮すれば、上記式(1)を満たす範囲であれば、実施例の結果と同様に、熱成形時及び熱水処理時の白化を抑制することができることを容易に理解することができる。従って、第2のシートは、本明細書及び図面の記載により十分に支持されている。
本シート及び本シートを構成するホモポリオレフィン層以外の各層の厚さは、必要に応じて適宜決定することができる。例えば、本シートの厚さは通常0.5〜1.5mmである。
本シートは、前記中心層及び前記ホモポリオレフィン層のみで構成されていてもよく、必要に応じて他の層を有していてもよい。
本シートを得る方法には特に限定はない。本シートは、例えば、熱融着、押出しラミネート及びドライラミネート等の公知の方法により、前記中心層及び前記ホモポリオレフィン層(更に、必要に応じて他の層)を積層することにより得ることができる。例えば、前記ホモポリオレフィン層は、ドライラミネートにより、前記中心層に積層することができる。
本シートを構成する各層、例えば、前記中心層、特に前記耐熱性ポリエステル層は、成形品の透明性及びガスバリア性を著しく損なわない範囲で、必要に応じて他の成分を含んでいてもよい。前記他の成分として具体的には、例えば、公知の樹脂シートに用いられている添加剤、例えば、難燃剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、防曇剤、滑剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、及び抗菌剤が挙げられる。
(2)成形品
本実施形態に係る成形品(以下、「本成形品」という。)は、本シートを熱成形することにより得られる。本成形品は熱成形時及び熱水処理時の白化が抑制され、優れた透明性を有する。
前記熱成形の具体的方法には特に限定はなく、公知の熱成形方法、例えば、熱盤成形、真空成形、圧空成形又は真空圧空成形を用いることができる。また、熱成形の条件も特に限定はない。成形条件は必要に応じて適宜決定することができる。
本成形品の形状、寸法、及び具体的用途には特に限定はない。本成形品の用途としては、包装用容器等の容器、例えば、飲食品包装用容器が挙げられる。尚、前記「容器」は、容器全体だけでなく、容器の一部も含む。例えば、前記「容器」には、容器の本体のみならず、容器の蓋体も含まれる。熱成形により成形品を製造する場合、成形品の形状、特に側面形状が複雑な形状であると、熱成形時の成形時間(シートが延伸して型転写するまでの時間)が長くなり、縁部分の加熱時間が(深い形状の場合は底面の加熱時間も)相対的に長くなるため、縁部分や底面の透明性が悪くなることがある。一方、本成形品は、熱成形により複雑な形状としても透明性に優れている。よって、本成形品は、複雑な形状、例えば、側面が急勾配(例えば、45度以上)である成形品又は側面に凹凸形状を有する成形品が好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。尚、本発明は、実施例に示す形態に限定されない。本発明の実施形態は、目的及び用途等に応じて、本発明の範囲内で種々変更することができる。
(1)熱成形用多層シートの製造
原料として、以下の各成分を用いた。また、以下の「(A)A−PET」のIV値(dl/g)は、JIS K 7367−5に準拠して測定した。溶媒として、フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(重量比3/1)の混合溶媒を用いた。
(A)A−PET;中国海南逸盛石化社製PET樹脂「YS−H01」(IV値=0.78dl/g)
(B)変性PET樹脂(1);韓国SKケミカル社製「エコゼンBS400」(Tg=120℃)(以下では「エコゼン」と表記。テレフタル酸:100モル%、CHDM:46モル%、イソソルビド:31モル%、エチレングリコール:23モル%。特開2016−22667号公報参照)
(C)変性PET樹脂(2);イーストマンケミカル社製「PET−G」(Tg=80℃)
(D)熱収縮性PETフィルム;東洋紡社製「スペースクリーン(登録商標) SC821」(厚さ25μm)
(E)ホモCPP;サントックス社製「サントックス−CP KT」
(F)ランダムCPP(1);サントックス社製「サントックス−CP LU02」
(G)ランダムCPP(2);サントックス社製「サントックス−CP TP02」
(H)ランダムCPP(3);サントックス社製「サントックス−CP S012」
(I)EVOH;クラレ社製ガスバリア性単層フィルム「EF−F」
<実施例1及び比較例1>
前記「エコゼン」(650μm)に、ホモCPP(30μm)/EVOH(30μm)の多層シートをドライラミネート(接着剤;東洋インキ製「TM569」)して積層することにより、実施例1の熱成形用多層シートを製造した。また、前記「エコゼン」に代えてPET−Gを用いる他は、実施例1と同様の方法により、比較例1の熱成形用多層シートを製造した。
<実施例2>
前記「エコゼン」(100質量%)を外層及び内層形成用組成物として用い、前記「エコゼン」(50質量%)及びA−PET(50質量%)をコア層形成用組成物として用いた。前記外層形成用組成物、コア層形成用組成物、及び内層形成用組成物を2軸押出機(株式会社プラスチック工学研究所製:型式「SBIN―42―S2―30−L」)に供給し、加工温度270℃で溶融混練押出しを行うことにより、耐熱性ポリエステル層を構成するPETシート(外層/コア層/内層)を製造した。
次いで、該PETシートの外層表面に、実施例1と同様に、ホモCPP(30μm)/EVOH(30μm)の多層シートをドライラミネートして積層することにより、実施例2の熱成形用多層シートを製造した。
<実施例3>
前記コア層形成用組成物として、A−PET(100質量%)を用いる他は、実施例2と同様の方法により、耐熱性ポリエステル層を構成するPETシートを製造した。次いで、該PETシートの外層表面に、実施例1と同様に、ホモCPP(50μm)/EVOH(30μm)の多層シートをドライラミネートして積層し、一方、該PETシートの内層表面に、ホモCPP(50μm)を実施例1と同様にドライラミネートすることにより、実施例3の熱成形用多層シートを製造した。耐熱性ポリエステル層の外層/コア層/内層の層比は15/70/15である。
<実施例4>
ホモCPP層の厚さを40μmとし、耐熱性ポリエステル層の外層/コア層/内層の層比を23/54/23とした以外は、実施例3と同様の方法で、実施例4の熱成形用多層シートを製造した。
<比較例2及び3>
ホモCPP層の厚さを40μm又は30μmとし、前記PETシートの内層表面にホモCPPを積層しない以外は、実施例3と同様の方法で、比較例2及び3の熱成形用多層シートを製造した。
<比較例4及び5>
ホモCPP層の厚さを40μmとした以外は、実施例3と同様の方法で、比較例4の熱成形用多層シートを製造した。また、ホモCPP層の厚さを30μmとした以外は、実施例4と同様の方法で、比較例5の熱成形用多層シートを製造した。
<比較例6〜9>
ホモCPPに替えて、ランダムCPP(1)〜(3)又は熱収縮性PETフィルムを用いた以外は、比較例3と同様の方法により、比較例6〜9の熱成形用多層シートを製造した。
実施例1〜4及び比較例1〜9の熱成形用多層シートの構成を表1に示す。また、実施例3〜4及び比較例4〜5の熱成形用多層シートにおけるホモCPPフィルム層(片面)の厚さ(μm)と、前記耐熱性ポリエステル層に対する前記変性PET樹脂層(片面)の厚さの比をプロットしたグラフを図1に示す。
(2)熱成形による容器の製造
真空圧空成形法により、実施例1〜4及び比較例1〜9の熱成形用多層シートを熱成形することにより、容器(容器サイズ;口径95mm、底径54mm、高さ80mmのカップ形状)を製造した。具体的には、プラグと呼ばれる凸状樹脂型を併用し、加熱により軟化した樹脂シートの一部をプラグで押圧することで、樹脂シートにはプラグの外形状に対応した容器の内形状が付与され、その後、キャビティー型に真空引きで密着させ容器の底面部および側面部が形成される。真空圧空成形における上ヒータ温度は375℃であり、下ヒータ温度は395℃である。
(3)性能評価
前記の方法により得られた容器の外観を目視で観察し、白化の有無を調べた。また、前記の方法により得られた容器について、85℃で1時間の条件で熱水処理を行った後、容器の外観を目視で観察し、白化の有無を調べた。結果を以下の表1に示す。表1中、「○」は白化が認められなかったことを示し、「×」は白化が認められたことを示す。
Figure 0006966274
表1より、耐熱性ポリエステル層としてPET−Gを用いた比較例1では、熱水処理時にPET−G層が白濁することにより白化が認められた。また、最外層にランダムCPPを用いた比較例6〜8では、熱成形時及び熱水処理時の両方で、ランダムCPP層及び耐熱ポリエステル層が白濁することにより白化が認められた。また、最外層と最内層又は最外層のみにホモCPPを用いているが、式(1)を満たさない比較例2〜5では、熱水処理時に依然として白化が認められた。
一方、最外層にホモCPPを用い、耐熱ポリエステル層に変性PET樹脂である「エコゼン」を主成分とした実施例1及び2では、熱成形時及び熱水処理時の両者において白化が認められなかった。また、最外層及び最内層にホモCPPを用い、且つ式(1)を満たす実施例3及び4では、熱成形時及び熱水処理時の両者において白化が認められないことから、耐熱性及び透明性に優れていることが分かる。
また、実施例1〜4は、ガスバリア層であるEVOH層を有することから、ガスバリア性にも優れる。

Claims (7)

  1. 表裏両面を有する中心層と、該中心層の両面側又は片面側に設けられた、最内層及び最外層又は最外層であるホモポリオレフィン層と、を有してなる多層シートであって、
    前記中心層は、耐熱性ポリエステル層と、該耐熱性ポリエステル層の少なくとも片面側に積層されたガスバリア層と、を有し、
    前記耐熱性ポリエステル層は、主成分が変性PET樹脂からなり
    前記変性PET樹脂は、酸成分としてのテレフタル酸と、ジオール成分との共重合ポリマーであり、且つ前記ジオール成分は、
    1)1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、
    2)イソソルビド、及び、
    3)エチレングリコール、
    の三成分を少なくとも含むことを特徴とする、熱成形用多層シート。
  2. 100モル%の前記テレフタル酸に対応する100モル%の前記ジオール成分は、
    1)20〜60モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、
    2)10〜35モル%のイソソルビド、及び、
    3)残りモル%のエチレングリコール、
    の三成分からなることを特徴とする、請求項1に記載の熱成形用多層シート。
  3. 前記耐熱性ポリエステル層が、前記変性PET樹脂とA−PET樹脂の混合樹脂層の表裏両面に、主成分が前記変性PET樹脂からなる樹脂層を配置した積層体であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の熱成形用多層シート。
  4. 表裏両面を有する中心層と、該中心層の両面側に設けられた、最表層であるホモポリオレフィン層と、を有してなる多層シートであって、
    前記中心層は、耐熱性ポリエステル層と、該耐熱性ポリエステル層の少なくとも片面側に積層されたガスバリア層と、を有し、
    前記耐熱性ポリエステル層は、A−PET樹脂層の表裏両面に、主成分が変性PET樹脂からなる変性PET樹脂層を配置した積層体であり、
    前記変性PET樹脂は、酸成分としてのテレフタル酸と、ジオール成分との共重合ポリマーであり、且つ前記ジオール成分は、
    1)1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、
    2)イソソルビド、及び、
    3)エチレングリコール、
    の三成分を少なくとも含んでなり、
    前記ホモポリオレフィン層の厚さは20〜60μmであり、且つ、以下の式(1)を満たすことを特徴とする、熱成形用多層シート。
    Y≧55−0.8X (1)
    X;前記ホモポリオレフィン層の片面の厚さ(μm)
    Y;前記耐熱性ポリエステル層に対する前記変性PET樹脂層の片面の厚さの比
  5. 100モル%の前記テレフタル酸に対応する100モル%の前記ジオール成分は、
    1)20〜60モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、
    2)10〜35モル%のイソソルビド、及び、
    3)残りモル%のエチレングリコール、
    の三成分からなることを特徴とする、請求項4に記載の熱成形用多層シート。
  6. 前記ガスバリア層がエチレン・ビニルアルコール共重合樹脂層であることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の熱成形用多層シート。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の熱成形用多層シートを熱成形することにより得られることを特徴とする、成形品。
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