JP2019137017A - ポリプロピレン系樹脂シート、これを用いた積層体、包装容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 プレス成形、真空成形、圧空成形などの成形方法により得られる包装容器に使用するのに好適な、耐熱性はもとより、耐衝撃性、及び、透明性をも両立するポリプロピレン系樹脂シートを提供すること。【解決手段】 一般式(1)で表される化合物が0.04〜0.23重量%含まれるポリプロピレン系樹脂組成物からなるA層とポリプロピレン系樹脂、及び、一般式(1)で表される化合物が0.02重量%以下含まれるポリプロピレン系樹脂組成物からなるB層を有し、A層を少なくとも一方の最外層に位置するポリプロピレン系樹脂シート。【選択図】 なし
Description
本発明は、プレス成形、真空成形、圧空成形などの成形方法により包装容器に供するに好適なポリプロピレン系樹脂からなるシートに関する。
食品などの包装用容器において、意匠性や内容物の視認性を良好にすることが求められることなどから透明性を有する樹脂シートを成形したものが広く用いられている。
具体的には、透明性に優れた熱可塑性樹脂であるポリスチレン、ポリ塩化ビニール等は内容物を見分けることが可能であるため、シート状に加工され、更に、熱成形によって食品の包装容器や蓋材として広く活用されている。
具体的には、透明性に優れた熱可塑性樹脂であるポリスチレン、ポリ塩化ビニール等は内容物を見分けることが可能であるため、シート状に加工され、更に、熱成形によって食品の包装容器や蓋材として広く活用されている。
一般に、非晶状態のポリエチレンテレフタレートを主とするシート(A−PET)は透明性に優れ、成形用シートとして包装容器に用いられている。しかし、これらの熱可塑性樹脂は、近年電子レンジ加熱食品の増加に伴い、耐熱性不良や耐衝撃性不良などにより容器や蓋に変形や割れの問題が発生し、包装容器や蓋のユーザーからは透明性に加えて、耐熱性や耐衝撃性のある材料が望まれていた。
結晶性のポリプロピレン系樹脂組成物を主とするシートは、耐熱性や耐衝撃性には強いが透明性が劣るという問題があったが、ポリオレフィン系樹脂組成物に結晶核剤を添加することで透明性を得る方法が知られており、その中でも、ソルビトール系化合物はポリプロピレン樹脂組成物の結晶を多くの微細な結晶が分散した状態にすることができ、透明性を改善する優れた手段の一つである。
特に、特定の構造のソルビトール系化合物は、その分解物により不愉快な匂いを生じにくく(例えば、特許文献1、2などを参照のこと。)、また、透明性や耐衝撃性も優れることがわかっているが、まだ、満足できるものではなかった。
また、A−PETと同等の透明性と耐衝撃性を得るために、少なくとも1種の脂肪族オレフィンと1種以上のエチレン性不飽和共単量体とから得られる共重合体をシート中に添加させることも試みられているが、耐熱性や剛性の低下を招くなど、充分な解決を見なかった(例えば、特許文献3、4などを参照のこと。)。
本発明は、かかる従来技術の課題を背景になされたものである。すなわち、本発明の目的は、プレス成形、真空成形、圧空成形などの成形方法により得られる包装容器に使用するのに好適な、耐熱性はもとより、耐衝撃性、及び透明性を両立するポリプロピレン系樹脂シートを提供することを課題とする。
本発明者等は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定量のソルビトール系化合物を添加したポリプロピレン系樹脂からなる層を最外層に有し、中間層に少量の特定量のソルビトール系化合物を含む、あるいは、特定量のソルビトール系化合物を含まないポリプロピレン系樹脂からなる層を有する樹脂シートとすることで、耐熱性はもとより、耐衝撃性、及び透明性を両立する樹脂シートを得ることを見出し、本発明の完成に到った。
すなわち、本発明は一般式(1)で表される化合物が0.04〜0.23重量%含まれるポリプロピレン系樹脂組成物からなるA層と一般式(1)で表される化合物が0.02重量%以下含まれるポリプロピレン系樹脂組成物からなるB層を有し、A層を少なくとも一方の最外層に位置するポリプロピレン系樹脂シートである。
・・・式(1)
[但し、式中、nは0〜2の整数であり、R1〜R5は同一、又は異なって、それぞれが水素原子、若しくは、炭素数が1〜20のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、カルボニル基、ハロゲン基、又はフェニル基であり、R6は炭素数が1〜20のアルキル基である。]
・・・式(1)
[但し、式中、nは0〜2の整数であり、R1〜R5は同一、又は異なって、それぞれが水素原子、若しくは、炭素数が1〜20のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、カルボニル基、ハロゲン基、又はフェニル基であり、R6は炭素数が1〜20のアルキル基である。]
この場合において、一般式(1)で表される化合物が、R1、R2、R4、及びR5が水素原子、R3及びR6がプロピル基、nが1である化合物を適用したポリプロピレン系樹脂シートである。
また、この場合において、一般式(1)で表される化合物が、R1、R2、R4、R5、及びR6が水素原子、R3がエチル基、nが1である化合物を適用したポリプロピレン系樹脂シートである。
また、この場合において、一般式(1)で表される化合物が、R1、R4、R5、及びR6が水素原子、R2及びR3がメチル基、nが1である化合物を適用したポリプロピレン系樹脂シートである。
更に、上記のいずれかの場合において、前記ポリプロピレン系樹脂シートと賦形性を有するシートとの積層体である。
更に、上記の積層体を使用した包装容器である。
本発明のシートは、ポリプロピレン系樹脂組成物からなるため、耐熱性と賦形性があり、一般式(1)で表される化合物を添加したポリプロピレン系樹脂を一部の層としているため、耐衝撃性の低下を抑制し、その層が少なくとも片面の層に配された構造であるため、透明性に優れている。従って、本発明のポリプロピレン系樹脂シートのみでの包装容器や本発明のポリプロピレン系樹脂シートに印刷などの意匠性を付与し、他の賦形性を有するシートを一体化した積層体、及び、それによる包装容器を提供することが可能になる。
<ポリプロピレン系樹脂組成物>
本発明に用いるポリプロピレン系樹脂組成物とは、以下に説明するポリプロピレン系樹脂、及び、以下に説明する化合物を含有するものである。
本発明に用いるポリプロピレン系樹脂組成物とは、以下に説明するポリプロピレン系樹脂、及び、以下に説明する化合物を含有するものである。
本発明に用いるポリプロピレン系樹脂組成物のJIS K 7121:1987「プラスチックの転移温度測定方法」に準拠して測定される融点は156℃以上であることが好ましい。融点が156℃未満であると、印刷、貼り合わせなどの工程で搬送がスムーズに行なわれず、高温のロールに密着するなどの問題が発生することがある。
本発明に用いるポリプロピレン系樹脂組成物はポリプロピレンの結晶性を指標すると同時に食品包装用として使用する際の安全性を示すn−ヘプタン不溶性(25℃、60分抽出した際の溶出分が150ppm以下〔使用温度が100℃を超えるものは30ppm以下〕)に適合するものを使用することが好ましい。
本発明に用いるポリプロピレン系樹脂組成物において、目的を損なわない範囲で、通常用いられる酸化防止剤、耐候安定剤、帯電防止剤、防曇剤、耐ブロッキング剤、滑剤、顔料等の添加剤、あるいは、他の重合体を必要に応じて配合することが可能であり、シリカ、タルク、ゼオライトや硼酸アルミニウムなどの無機化合物粒子、ポリメタクリル酸メチル、メラミンホルマリン樹脂、メラミン尿素樹脂、ポリエステル樹脂などの有機化合物粒子などの公知の耐ブロッキング剤を添加することが好ましい。これらの中でも、シリカ、ポリメタクリル酸メチルが耐ブロッキング性、透明性の面から好ましい。
<ポリプロピレン系樹脂>
本発明に用いるポリプロピレン系樹脂は、プロピレン単独重合体、及び、プロピレンを70モル%以上含有するプロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂である。
本発明に用いるポリプロピレン系樹脂は、プロピレン単独重合体、及び、プロピレンを70モル%以上含有するプロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂である。
プロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体における共重合体とは、下記に例示されるα−オレフィンを1種、又は2種以上をプロピレンに重合して得られたランダム共重合体、又は、ブロック共重合体であり、α−オレフィンの成分としては、炭素数が2〜8のα−オレフィンが挙げられ、低温下での耐衝撃性を改善する観点から、エチレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチル−1−ペンテンなどが好ましい。
本発明に用いるポリプロピレン系樹脂は、プロピレン単独重合体、あるいは、これとプロピレンを70モル%以上含有するプロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体とを混合して使用することが可能であり、溶融状態のポリプロピレン系樹脂の熱安定性、流動性を考慮すると、該共重合体の含有量は20重量%以下とすることが好ましく、10重量%以下であることがより好ましい。
本発明に用いるプロピレン系樹脂のJIS K 6921:2010「プラスチック−ポリプロピレン(PP)成形用及び押出用材料−第2部:試験片の作製方法及び特性の求め方」に準拠したメルトフローレート(MFR)は低いと押出が困難となり、高いとシートの厚さ変動が大きくなるので、目的とするシートの幅、厚さにもよるが、1〜10g/10minが好ましく、2〜8g/10minがより好ましい。
本発明に用いるポリプロピレン系樹脂原料は、石油由来、植物由来など、特に、限定されるものではないが、環境の面から植物由来が好ましい。なお、この場合、低分子量物が析出する可能性があるので、包装容器では内容物と接触させない工夫が必要である。
本発明に用いるプロピレン系樹脂の製造法は、チーグラー・ナッタ触媒、メタロセン触媒など、特に、限定されるものはないが、メタロセン触媒を用いた重合体は透明性が良好で、好ましい。
<化合物>
本発明には、下記の一般式(1)で表される化合物を用いる。
本発明には、下記の一般式(1)で表される化合物を用いる。
・・・式(1)
[但し、式中、nは0〜2の整数であり、R1〜R5は同一、又は異なって、それぞれが水素原子、若しくは、炭素数が1〜20のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、カルボニル基、ハロゲン基、又はフェニル基であり、R6は炭素数が1〜20のアルキル基である。]
本発明に用いる化合物は、溶融したポリプロピレン系樹脂における熱安定性、流動性の観点から、一般式(1)で表される化合物におけるnが1で、R1、R2、R4、及びR5が水素原子、R3及びR6がプロピル基である化合物、一般式(1)で表される化合物におけるnが1で、R1、R2、R4、R5、及びR6が水素原子、R3がエチル基である化合物、及び、一般式(1)で表される化合物におけるnが1で、R1、R4、R5、及びR6が水素原子、R2及びR3がメチル基である化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物であることがより好ましい。
一般式(1)で表される化合物から生じる分解物により発生する不愉快な匂いの低減については、一般式(1)で表される化合物におけるnが1で、R1、R2、R4、及びR5が水素原子、R3及びR6がプロピル基である化合物、あるいは、一般式(1)で表される化合物におけるnが1で、R1、R2、R4、R5、及びR6が水素原子、R3がエチル基である化合物がより好ましい。
本発明に用いる化合物の製造方法は、WO2005/111134号公報などに記載された方法を挙げることができるが、例えば、Millad NX8000(ミリケン・アンド・カンパニー社製)、RiKAFAST EDXP(新日本理化社製)、ゲオール DXR(新日本理化社製)などの市販品が容易に入手することができる。
<ポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法>
本発明に用いられるポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法は、本発明に用いるポリプロピレン系樹脂、及び化合物や上記の成分の形態や形状により添加する順序や使用する装置などは限定されないが、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、バンバリーミキサーなどによる事前の混合、スクリュー式、ベルト式などのフィード機構による押出機での混合などが挙げられるが、一般的には、押出機によって単一の粒状物にする方法が偏析などの異常を回避する点で好ましい。また、本発明に用いる化合物や上記の成分などを目的とする含有量より多く配合したマスターバッチ(MB)と呼称される粒状物を準備しておき、シート化の際に所定の含有量に希釈する方法を用いることもできる。
本発明に用いられるポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法は、本発明に用いるポリプロピレン系樹脂、及び化合物や上記の成分の形態や形状により添加する順序や使用する装置などは限定されないが、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、バンバリーミキサーなどによる事前の混合、スクリュー式、ベルト式などのフィード機構による押出機での混合などが挙げられるが、一般的には、押出機によって単一の粒状物にする方法が偏析などの異常を回避する点で好ましい。また、本発明に用いる化合物や上記の成分などを目的とする含有量より多く配合したマスターバッチ(MB)と呼称される粒状物を準備しておき、シート化の際に所定の含有量に希釈する方法を用いることもできる。
<A層>
A層を構成するポリプロピレン系樹脂組成物は、ポリプロピレン系樹脂組成物中において、一般式(1)で表される化合物の含有量が少ないと、ポリプロピレン系樹脂シートの透明性が得られず、多いと耐衝撃性が得られないため、一般式(1)で表される化合物の含有量は0.04〜0.23重量%が望ましく、0.04〜0.2重量%がより望ましく、0.05〜0.2重量%が更に望ましい。
A層を構成するポリプロピレン系樹脂組成物における、ポリプロピレン系樹脂の含有量は99.77〜99.96重量%が望ましく、99.8〜99.96重量%がより望ましく、99.8〜99.95重量%がより望ましい。
A層を構成するポリプロピレン系樹脂組成物は、ポリプロピレン系樹脂組成物中において、一般式(1)で表される化合物の含有量が少ないと、ポリプロピレン系樹脂シートの透明性が得られず、多いと耐衝撃性が得られないため、一般式(1)で表される化合物の含有量は0.04〜0.23重量%が望ましく、0.04〜0.2重量%がより望ましく、0.05〜0.2重量%が更に望ましい。
A層を構成するポリプロピレン系樹脂組成物における、ポリプロピレン系樹脂の含有量は99.77〜99.96重量%が望ましく、99.8〜99.96重量%がより望ましく、99.8〜99.95重量%がより望ましい。
<B層>
B層を構成するポリプロピレン系樹脂組成物は、ポリプロピレン系樹脂組成物中において、一般式(1)で表される化合物は含有量が多いとポリプロピレン系樹脂シートの耐衝撃性が得られないため、一般式(1)で表される化合物の含有量は0.02重量%以下が望ましく、0.015重量%以下がより望ましい。造核剤としては、一般式(1)で表される化合物の他に、芳香族カルボン酸金属塩、芳香族リン酸金属塩、ロジンの金属塩などの化合物があるが、これらを添加するとは透明性が低下しやすいため、使用しないことが好ましい。
B層を構成するポリプロピレン系樹脂組成物における、ポリプロピレン系樹脂の含有量は99.98重量%以上が望ましく、99.995重量%以上がより望ましい。
B層を構成するポリプロピレン系樹脂組成物は、ポリプロピレン系樹脂組成物中において、一般式(1)で表される化合物は含有量が多いとポリプロピレン系樹脂シートの耐衝撃性が得られないため、一般式(1)で表される化合物の含有量は0.02重量%以下が望ましく、0.015重量%以下がより望ましい。造核剤としては、一般式(1)で表される化合物の他に、芳香族カルボン酸金属塩、芳香族リン酸金属塩、ロジンの金属塩などの化合物があるが、これらを添加するとは透明性が低下しやすいため、使用しないことが好ましい。
B層を構成するポリプロピレン系樹脂組成物における、ポリプロピレン系樹脂の含有量は99.98重量%以上が望ましく、99.995重量%以上がより望ましい。
<ポリプロピレン系樹脂シートの構造>
本発明のポリプロピレン系樹脂シートの厚さは、小さいと破断、シワなどの異常が生じる場合がある。また、厚さが大きいとポリプロピレン系樹脂シートの透明性が低下する場合があり、特に、貼り合わせなどの工程において、張力と速度の制御が困難になるなどハンドリング性も損なわれる場合がある。更に、シートの表面、内部との冷却温度に違いなどからそり(カール)が生じるなどの問題が生じる場合がある。そのため、ポリプロピレン系樹脂シートの厚さは、0.01〜2mmであることが好ましい。特に、印刷、貼り合わせなどの工程を想定する場合、0.01〜0.1mmが好ましく、0.02〜0.08mmがより好ましい。
本発明のポリプロピレン系樹脂シートの厚さは、小さいと破断、シワなどの異常が生じる場合がある。また、厚さが大きいとポリプロピレン系樹脂シートの透明性が低下する場合があり、特に、貼り合わせなどの工程において、張力と速度の制御が困難になるなどハンドリング性も損なわれる場合がある。更に、シートの表面、内部との冷却温度に違いなどからそり(カール)が生じるなどの問題が生じる場合がある。そのため、ポリプロピレン系樹脂シートの厚さは、0.01〜2mmであることが好ましい。特に、印刷、貼り合わせなどの工程を想定する場合、0.01〜0.1mmが好ましく、0.02〜0.08mmがより好ましい。
本発明のポリプロピレン系樹脂シートは、A層及びB層を有し、A層が少なくとも一方の最外層に位置することが重要である。このような構造を有することにより、耐熱性、耐衝撃性、及び、透明性を両立することができる。
本発明のポリプロピレン系樹脂シートにおけるA層、B層、及び、それ以外の層の合計の厚みに対するA層の厚さの比率が大きいと破断が生じやすくなり、小さいと透明性の低下を招くことがある。そのため、A層が占める比率は、全層に対して20〜60%が好ましく、25〜50%がより好ましい。
本発明のポリプロピレン系樹脂シートにおいて、A層、B層、及び、本発明の機能を損なわない樹脂を適用したC層の場合、それぞれの層の順序としては、少なくとも片面の最外層にA層が配されること以外には限定はなく、単純には、A層/B層、A層/B層/A層、A層/B層/B層、A層/B層/C層、A層/C層/B層などの構成が挙げられる。
<ポリプロピレン系樹脂シートの物性>
(ヘーズ)
本発明のポリプロピレン系樹脂シートにおいて、実施例に記載の方法による曇価(ヘーズ)は高いと意匠性や内容物の視認性が損なわれるので、包装容器、あるいは、蓋材などの仕様、ポリプロピレン系樹脂、ならびに、ポリプロピレン系樹脂シートの厚さに依存するが、2.5%以下が好ましく、2.1%以下がより好ましく、1.6%以下が特に好ましい。
(ヘーズ)
本発明のポリプロピレン系樹脂シートにおいて、実施例に記載の方法による曇価(ヘーズ)は高いと意匠性や内容物の視認性が損なわれるので、包装容器、あるいは、蓋材などの仕様、ポリプロピレン系樹脂、ならびに、ポリプロピレン系樹脂シートの厚さに依存するが、2.5%以下が好ましく、2.1%以下がより好ましく、1.6%以下が特に好ましい。
(光沢度)
本発明のポリプロピレン系樹脂シートにおいて、実施例に記載の方法による光沢度(グロス:60°)は低いと意匠性に乏しいと見られることがあり、ヘーズと同様にポリプロピレン系樹脂、ならびに、ポリプロピレン系樹脂シートの厚さによるが、全般的に、光沢度は145%以上であることが好ましく、150%以上であることがより好ましい。
また、一般式(1)で表される化合物を適用しない場合と比較して、8%以上高いことが好ましく、10%以上高いことがより好ましい。
本発明のポリプロピレン系樹脂シートにおいて、実施例に記載の方法による光沢度(グロス:60°)は低いと意匠性に乏しいと見られることがあり、ヘーズと同様にポリプロピレン系樹脂、ならびに、ポリプロピレン系樹脂シートの厚さによるが、全般的に、光沢度は145%以上であることが好ましく、150%以上であることがより好ましい。
また、一般式(1)で表される化合物を適用しない場合と比較して、8%以上高いことが好ましく、10%以上高いことがより好ましい。
(衝撃強度)
本発明のポリプロピレン系樹脂シートにおいて、実施例に記載の方法による衝撃強度は低いとスリット、印刷、貼り合わせなどの工程で破断などが発生することがあり、また、包装容器としても破損が生じることがあるので、0.005J/μm以上が好ましく、0.01J/μm以上がより好ましく、0.013J/μm以上が特に好ましい。
本発明のポリプロピレン系樹脂シートにおいて、実施例に記載の方法による衝撃強度は低いとスリット、印刷、貼り合わせなどの工程で破断などが発生することがあり、また、包装容器としても破損が生じることがあるので、0.005J/μm以上が好ましく、0.01J/μm以上がより好ましく、0.013J/μm以上が特に好ましい。
(匂い)
本発明のポリプロピレン系樹脂シートにおいて、実施例に記載の方法による匂い評価において、評価点が◎あるいは○であることが好ましく、◎であることがより好ましい。
本発明のポリプロピレン系樹脂シートにおいて、匂いはポリプロピレン系樹脂を構成するポリプロピレン系樹脂組成物、化合物、添加剤などに起因する低分子量物、分解物などが挙げられ、評価が△あるいは×であると被収容物への移行が生じるなどの問題が生じる。
本発明のポリプロピレン系樹脂シートにおいて、実施例に記載の方法による匂い評価において、評価点が◎あるいは○であることが好ましく、◎であることがより好ましい。
本発明のポリプロピレン系樹脂シートにおいて、匂いはポリプロピレン系樹脂を構成するポリプロピレン系樹脂組成物、化合物、添加剤などに起因する低分子量物、分解物などが挙げられ、評価が△あるいは×であると被収容物への移行が生じるなどの問題が生じる。
(収縮率)
本発明のポリプロピレン系樹脂シートにおいて、実施例に記載の方法による収集率は高いと賦形する際にゆがみが生じることがあるので、収縮率が負の値(元に対して伸びる)になってもよく、絶対値として5%以下が好まく、3%以下がより好ましく、1.5%以下が特に好ましい。
本発明のポリプロピレン系樹脂シートにおいて、実施例に記載の方法による収集率は高いと賦形する際にゆがみが生じることがあるので、収縮率が負の値(元に対して伸びる)になってもよく、絶対値として5%以下が好まく、3%以下がより好ましく、1.5%以下が特に好ましい。
(静摩擦係数[傾斜法])
本発明のポリプロピレン系樹脂シートにおいて、実施例記載の方法による静摩擦係数[傾斜法]が高い場合、ロールからの巻き出しや枚葉での作業性が損なわれることがあるので、1.0以下が好ましく、0.8以下がより好ましい。
本発明のポリプロピレン系樹脂シートにおいて、実施例記載の方法による静摩擦係数[傾斜法]が高い場合、ロールからの巻き出しや枚葉での作業性が損なわれることがあるので、1.0以下が好ましく、0.8以下がより好ましい。
本発明のシートはコロナ処理、火炎処理、プラズマ処理などによる酸化処理、あるいは、アンダーコート処理などによる表面活性化処理を行なうこと印刷などの加工に適した表面性状を付与することが可能であり、JIS K 6768:1999「プラスチック−フィルム及びシート−ぬれ張力試験方法」に準拠したぬれ張力としては、低いと塗工ムラが生じることがあるので、適用するインキなどによるが、35mN/m以上を目安にこれらを行なうことが好ましい。
<ポリプロピレン系樹脂のシート化>
本発明に用いられるポリプロピレン系樹脂シートは、押出成形、カレンダー成形などによって得られる。
本発明に用いられるポリプロピレン系樹脂シートは、押出成形、カレンダー成形などによって得られる。
押出成形としては、単軸、又は二軸のスクリュー押出機を通してTダイからシート状に押出される。押出されたシートは、内部で冷却水や油が循環している金属ロール表面に、エアーナイフ、エアーチャンバー、硬質ゴムロール、スチールベルト、金属ロールなどで押さえつけ冷却固化する。また、シート両面をスチールベルトで挟んで冷却固化することもできる。本発明のポリプロピレン系樹脂シートのシート化に使用する押出機に加え、ガスバリア性樹脂、接着性樹脂、再生樹脂、華燭樹脂などの押出機とフィードブロックやマルチマニホールドを用いることで異種多層シートを得ることも可能である。
本発明のポリプロピレン系樹脂シートは必要に応じて、単軸、又は二軸に延伸することが可能で、その全延伸倍率が高い場合は賦形性が損なわれることがあり、低い場合は厚さ変動が大きくなることがあるので、3〜12倍が好ましい。
<ポリプロピレン系樹脂シートの包装容器>
本発明に用いられるポリプロピレン系樹脂シートは、平面状のシートから内容物を収容するための収容凹部が形成された包装容器、包装容器の蓋体などに賦形される。
例えば、樹脂シートの10cm角の部分を深さが10cmの立方体形状に賦形したとき、賦形後の面積は底面(100cm2)と周囲の面(100cm2×4)の和の500cm2になる。真空成形、真空圧空成形、熱盤圧空成形、プレス成形などによって賦形され各種の包装容器や蓋材が得られる。
本発明に用いられるポリプロピレン系樹脂シートは、平面状のシートから内容物を収容するための収容凹部が形成された包装容器、包装容器の蓋体などに賦形される。
例えば、樹脂シートの10cm角の部分を深さが10cmの立方体形状に賦形したとき、賦形後の面積は底面(100cm2)と周囲の面(100cm2×4)の和の500cm2になる。真空成形、真空圧空成形、熱盤圧空成形、プレス成形などによって賦形され各種の包装容器や蓋材が得られる。
<ポリプロピレン系樹脂シートの積層体>
本発明のポリプロピレン系樹脂シートは内容物によって、力学特性、断熱性、隠蔽性などを調整するために、別の本発明ポリプロピレン系樹脂シート、又は/及び、他の賦形性を有するシートとの積層体として使用することもできる。
本発明のポリプロピレン系樹脂シートは内容物によって、力学特性、断熱性、隠蔽性などを調整するために、別の本発明ポリプロピレン系樹脂シート、又は/及び、他の賦形性を有するシートとの積層体として使用することもできる。
このような積層体は本発明のポリプロピレン系樹脂シートと別の本発明ポリプロピレン系樹脂シート、又は/及び、他の賦形性を有するシートとの接着剤を介した貼り合せ、本発明のポリプロピレン系樹脂シートと別の本発明ポリプロピレン系樹脂シート、又は/及び、他の賦形性を有するシートとの加熱による貼り合せ、本発明のポリプロピレン系樹脂シートと別の本発明ポリプロピレン系樹脂シート、又は/及び、他の賦形性を有するシートとの同時押出によるシート化における貼り合せ、本発明のポリプロピレン系樹脂シートに、別の本発明ポリプロピレン系樹脂シート、又は/及び、他の賦形性を有するシートを同時に溶融押し出しする方法などで得られる。
本発明のポリプロピレン系樹脂シートの積層体に適用する他の賦形性を有するシートとしては、A−PET、無延伸ポリスチレンシート(PS)、二軸延伸ポリスチレンシート(OPS)が挙げられ、例えば。弁当惣菜容器、冷菓容器、豆腐や卵などの容器、ドリンクカップなどにポリプロピレン系樹脂シートの積層体は供することが可能であり、特に、高温の内容物が想定される場合、断熱性がある発泡スチレンシート(PSP)が好ましい。
<包装容器>
本発明のポリプロピレン系樹脂シート、あるいは、その積層体はプレス成形、真空成形、圧空成形などの成形方法により目的の包装容器や蓋材に賦形される。
本発明のポリプロピレン系樹脂シート、あるいは、その積層体はプレス成形、真空成形、圧空成形などの成形方法により目的の包装容器や蓋材に賦形される。
以下に実施例を参照して本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は下記の実施例に限定されず、本発明の趣旨に適合する範囲で変更を加えて実施することが可能であり、これらは、いずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
実施例における物性の評価方法は以下の通りである。
(1)厚さ
JIS K 7130:1999「プラスチックフィルム及びシートの厚さ測定方法(A法)」に準拠して得た値を厚さとした。
JIS K 7130:1999「プラスチックフィルム及びシートの厚さ測定方法(A法)」に準拠して得た値を厚さとした。
(2)ヘーズ
JIS K 7136:2000「プラスチック−透明材料のヘーズの求め方」に準拠して得た値をヘーズとした。
JIS K 7136:2000「プラスチック−透明材料のヘーズの求め方」に準拠して得た値をヘーズとした。
(3)光沢度
JIS Z 8741:1997「鏡面光沢度−測定方法(方法3:60°)」に準拠して得た値をグロスとした。
JIS Z 8741:1997「鏡面光沢度−測定方法(方法3:60°)」に準拠して得た値をグロスとした。
(4)衝撃強度
JIS K 7124−1:1999「プラスチックフィルム及びシート−自由落下のダート法による衝撃試験方法(A法)」に準拠して得た破壊エネルギーを厚さで除して、値を求めた。
JIS K 7124−1:1999「プラスチックフィルム及びシート−自由落下のダート法による衝撃試験方法(A法)」に準拠して得た破壊エネルギーを厚さで除して、値を求めた。
(5)匂い評価
シート(3cm×3cm)を15枚、を密封した225mlガラス瓶を、90℃のファインオーブン内に3時間静置した後、2時間冷却した。パネラー6人に化合物が添加されていないシートの場合と比較して、下記の評価点を付与した。
1点 ;無添加との差異は感じない
2点 ;無添加に対して、僅かに差異を感じる
3点 ;僅かに匂いを感じる
4点 ;弱い匂いを感じる
5点 ;強い匂いを感じる
シート(3cm×3cm)を15枚、を密封した225mlガラス瓶を、90℃のファインオーブン内に3時間静置した後、2時間冷却した。パネラー6人に化合物が添加されていないシートの場合と比較して、下記の評価点を付与した。
1点 ;無添加との差異は感じない
2点 ;無添加に対して、僅かに差異を感じる
3点 ;僅かに匂いを感じる
4点 ;弱い匂いを感じる
5点 ;強い匂いを感じる
評価点の平均に対して、下記の判断を行ない、2.2点未満は使用できるとした。
◎ : 1.3点未満 ・・・匂いに問題なし
○ :1.3点以上1.7点未満 ・・・匂いが気になるがあるが、問題なし
△ :1.7点以上2.2点未満 ・・・匂いが気になり、使用に制限がある
× :2.2点以上 ・・・使用できない
◎ : 1.3点未満 ・・・匂いに問題なし
○ :1.3点以上1.7点未満 ・・・匂いが気になるがあるが、問題なし
△ :1.7点以上2.2点未満 ・・・匂いが気になり、使用に制限がある
× :2.2点以上 ・・・使用できない
(6)収縮率
JIS K 7133:1999「プラスチック−フィルム及びシート−加熱寸法変化測定方法」で得た値を収縮率とした。
JIS K 7133:1999「プラスチック−フィルム及びシート−加熱寸法変化測定方法」で得た値を収縮率とした。
(7)静摩擦係数[傾斜法]
JIS P 8147:2010「紙及び板紙−静及び動摩擦係数の測定方法(傾斜法)」で得た値を静摩擦係数とした。
JIS P 8147:2010「紙及び板紙−静及び動摩擦係数の測定方法(傾斜法)」で得た値を静摩擦係数とした。
<樹脂1>
ポリプロピレン系樹脂組成物(住友化学社製 住友ノーブレン FLX80E4)に、コロイド状シリカ(富士シリシア社製 サイリシア 550)を1,500ppm、エルカ酸アミドを1,000ppmとなるように加えて、樹脂1とした。
ポリプロピレン系樹脂組成物(住友化学社製 住友ノーブレン FLX80E4)に、コロイド状シリカ(富士シリシア社製 サイリシア 550)を1,500ppm、エルカ酸アミドを1,000ppmとなるように加えて、樹脂1とした。
<化合物1>
ビス(4−プロピルベンジリデン)プロピルソルビトールを主成分とするMillad NX8000(ミリケン・アンド・カンパニー社製)を化合物1とした。
ビス(4−プロピルベンジリデン)プロピルソルビトールを主成分とするMillad NX8000(ミリケン・アンド・カンパニー社製)を化合物1とした。
<化合物2>
ベンジリデンソルビトール骨格を有する化合物であり、ビス(p−エチルベンジリデン)ソルビトールの含有量が約70重量%であるRiKAFAST EDXP(新日本理化社製)を化合物2とした。
ベンジリデンソルビトール骨格を有する化合物であり、ビス(p−エチルベンジリデン)ソルビトールの含有量が約70重量%であるRiKAFAST EDXP(新日本理化社製)を化合物2とした。
<化合物3>
ビス(3,4−ジメチルベンジリデン)ソルビトールを主成分とするゲオール DXR(新日本理化社製)を化合物3とした。
ビス(3,4−ジメチルベンジリデン)ソルビトールを主成分とするゲオール DXR(新日本理化社製)を化合物3とした。
<MB1>
ポリプロピレン系樹脂組成物(住友化学社製 住友ノーブレン FLX80E4)に、前述の化合物1が10重量%になるように押出を行ない、MB1を得た。
ポリプロピレン系樹脂組成物(住友化学社製 住友ノーブレン FLX80E4)に、前述の化合物1が10重量%になるように押出を行ない、MB1を得た。
<MB2>
ポリプロピレン系樹脂組成物(住友化学社製 住友ノーブレン FLX80E4)に、前述の化合物2が10重量%になるように押出を行ない、MB2を得た。
ポリプロピレン系樹脂組成物(住友化学社製 住友ノーブレン FLX80E4)に、前述の化合物2が10重量%になるように押出を行ない、MB2を得た。
<MB3>
ポリプロピレン系樹脂組成物(住友化学社製 住友ノーブレン FLX80E4)に、前述の化合物3が10重量%になるように押出を行ない、MB3を得た。
ポリプロピレン系樹脂組成物(住友化学社製 住友ノーブレン FLX80E4)に、前述の化合物3が10重量%になるように押出を行ない、MB3を得た。
以下の製膜例で、樹脂1、並びに、MB1、MB2、MB3を使用した。
<製膜例A>
スキン層1/コア層/スキン層2の3層構成になるように3台の押出機を用いて、樹脂原料を混練し、Tダイから樹脂温度250℃で溶融押出を行ない、温度40℃の冷却ロール上にキャスティングし、表1に記載の膜厚になるよう実施例A1〜A7、ならびに、比較例A1〜A6のシートを得た。
スキン層1、コア層、スキン層2には、樹脂1と各化合物の含有量が表1に記載した通りとなるように、樹脂1と各MBを混合し、押出機に投入した。その結果を表1に示す。
<製膜例A>
スキン層1/コア層/スキン層2の3層構成になるように3台の押出機を用いて、樹脂原料を混練し、Tダイから樹脂温度250℃で溶融押出を行ない、温度40℃の冷却ロール上にキャスティングし、表1に記載の膜厚になるよう実施例A1〜A7、ならびに、比較例A1〜A6のシートを得た。
スキン層1、コア層、スキン層2には、樹脂1と各化合物の含有量が表1に記載した通りとなるように、樹脂1と各MBを混合し、押出機に投入した。その結果を表1に示す。
表1の実施例A1〜A3と比較例A1〜A4との対比、実施例A4〜A5と比較例A5との対比、実施例A6〜A7と比較例A6との対比により、本発明のポリプロピレン系樹脂シートは低いヘーズで高いグロスを有し、衝撃強度の低下がないシートが得られることが分かる。
<製膜例B>
スキン層1/コア層/スキン層2の3層構成になるように3台の押出機を用いて、樹脂原料を混練し、Tダイから樹脂温度250℃で溶融押出を行ない、温度40℃の冷却ロール上にキャスティングし、表2に記載の膜厚になるよう実施例B1〜B9、ならびに、比較例B1のシートを得た。
スキン層1、コア層、スキン層2には、樹脂1と各化合物の含有量が表1に記載した通りとなるように、樹脂1と各MBを混合し、押出機に投入した。その結果を表2に示す。
スキン層1/コア層/スキン層2の3層構成になるように3台の押出機を用いて、樹脂原料を混練し、Tダイから樹脂温度250℃で溶融押出を行ない、温度40℃の冷却ロール上にキャスティングし、表2に記載の膜厚になるよう実施例B1〜B9、ならびに、比較例B1のシートを得た。
スキン層1、コア層、スキン層2には、樹脂1と各化合物の含有量が表1に記載した通りとなるように、樹脂1と各MBを混合し、押出機に投入した。その結果を表2に示す。
表2の実施例B1〜B5と比較例B1との対比、ならびに、実施例B6〜B9より、本発明のポリプロピレン系樹脂シートは低いヘーズで高いグロスを有し、衝撃強度の低下がないシートが得られることが分かる。また、不愉快な匂いが気にならない。これは、表面積は大きく変化しないためと憶測する。
<製膜例C>
スキン層1/コア層/スキン層2の3層構成になるように3台の押出機を用いて、樹脂原料を混練し、Tダイから樹脂温度250℃で溶融押出を行ない、温度40℃の冷却ロール上にキャスティングし、表3に記載の膜厚になるよう実施例C1〜C3、ならびに、比較例A1〜A6のシートを得た。
スキン層1、コア層、スキン層2には、樹脂1と各化合物の含有量が表1に記載した通りおりとなるように、樹脂1と各MBを混合し、押出機に投入した。その結果を表3に示す。
スキン層1/コア層/スキン層2の3層構成になるように3台の押出機を用いて、樹脂原料を混練し、Tダイから樹脂温度250℃で溶融押出を行ない、温度40℃の冷却ロール上にキャスティングし、表3に記載の膜厚になるよう実施例C1〜C3、ならびに、比較例A1〜A6のシートを得た。
スキン層1、コア層、スキン層2には、樹脂1と各化合物の含有量が表1に記載した通りおりとなるように、樹脂1と各MBを混合し、押出機に投入した。その結果を表3に示す。
実施例C1〜C3より、片面のみがポリプロピレン系樹脂組成物中に、一般式(1)で表される化合物を0.04〜0.23重量%含むポリプロピレン系樹脂組成物からなる層であっても、低いヘーズで高いグロスを有し、衝撃強度の低下がないシートが得られ、他の賦形性を有するシートと接着剤を介して一体化しても、低いヘーズで高いグロスが得ることが期待できる。
本発明のポリプロピレン系樹脂シート、および、これを用いた積層体を用いることで、意匠性や内容物の視認性が良好で、破損が発生しにくい食品などの包装容器を得ることが可能になる。よって、本発明の産業上の利用可能性は極めて高い。
Claims (6)
- 一般式(1)で表される化合物が0.04〜0.23重量%含まれるポリプロピレン系樹脂組成物からなるA層と一般式(1)で表される化合物が0.02重量%以下含まれるポリプロピレン系樹脂組成物からなるB層を有し、A層を少なくとも一方の最外層に位置するポリプロピレン系樹脂シート。
・・・式(1)
[但し、式中、nは0〜2の整数であり、R1〜R5は同一、又は異なって、それぞれが水素原子、若しくは、炭素数が1〜20のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、カルボニル基、ハロゲン基、又はフェニル基であり、R6は炭素数が1〜20のアルキル基である。] - 一般式(1)で表される化合物が、R1、R2、R4、及びR5が水素原子、R3及びR6がプロピル基、nが1である化合物である請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂シート。
- 一般式(1)で表される化合物が、R1、R2、R4、R5、及びR6が水素原子、R3がエチル基、nが1である化合物である請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂シート。
- 一般式(1)で表される化合物が、R1、R4、R5、及びR6が水素原子、R2及びR3がメチル基、nが1である化合物である請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂シート。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂シートと賦形性を有するシートとの積層体。
- 請求項5に記載の積層体を使用した包装容器。
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JP2018024851A JP2019137017A (ja) | 2018-02-15 | 2018-02-15 | ポリプロピレン系樹脂シート、これを用いた積層体、包装容器 |
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JP2021001356A (ja) * | 2019-05-24 | 2021-01-07 | 株式会社Adeka | 樹脂組成物、その成形品、および樹脂組成物の製造方法 |
WO2022114072A1 (ja) * | 2020-11-25 | 2022-06-02 | 株式会社Adeka | ポリオレフィン系樹脂用結晶化抑制剤、ポリオレフィン系樹脂組成物、成形品、ポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法およびポリオレフィン系樹脂の結晶化抑制方法 |
CN118024637A (zh) * | 2024-04-15 | 2024-05-14 | 安徽紫金新材料科技股份有限公司 | 一种改性聚丙烯包装片材的制备工艺及其应用 |
-
2018
- 2018-02-15 JP JP2018024851A patent/JP2019137017A/ja active Pending
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