JP3573659B2 - 多層シート及び容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は優れた密封性、耐熱性、透明性及び光沢性を兼備する包装用、容器用材料として有用な多層シートおよびそのシートを用いた容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、食品包装用の熱処理可能な高透明多層シートとしては、内容物の保存や熱殺菌処理の必要性から、ポリプロピレン/エチレンビニルアルコール共重合体/ポリプロピレンからなるせいぜい1mm程度の厚みの積層シートを素材とし、それらを容器等で用いる場合には透明性を得るために圧空成形や圧空真空成形と呼ばれる成形方法で成形され、合成樹脂性容器や包装体が使い捨て用として利用されている。
しかしながら、水蒸気バリア性や耐熱性の要求から、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂を容器の最外層に使用した場合、成形時の熱により結晶化が進行するため良好な透明感が得られないばかりか、その光沢性も十分ではなかった。また、透明性を重視したポリプロピレンコポリマーは、その耐熱性の低さから成形時の離型性が悪くなるなどの不具合があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来のガスバリアー性があり高温殺菌可能な合成樹脂製容器の性能を兼備しつつ、飛躍的な透明性と光沢性を備えた密封容器用の多層シートを提供することにある。更には、原材料としてビスフェノールAを含まず、かつ光沢層とその隣接層の熱水処理後の層間強度を維持する密封容器用の多層シートを提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、テレフタル酸、エチレングリコール及び、1,4−シクロヘキサンジメタノールの3成分の共重合樹脂とテレフタル酸またはテレフタル酸ジメチルと1,4−ブタンジオールのエステル交換反応物であるポリブチレンテレフタレート(PBT)の混合物からなる透明、光沢樹脂層(A)、テレフタル酸、エチレングリコール及び、1,4−シクロヘキサンジメタノールの3成分の共重合樹脂からなる樹脂層(A’)、水蒸気バリアー性樹脂層(B)、ガスバリアー性樹脂層(C)及び熱可塑の支持体樹脂層(D)とを外層側からA−A’−B−C−Dの順に積層してなる多層シートであり、かつ(A)の層比率(RA)と(A’)の層比率(RA’)が0.01<RA/RA’<100の範囲であり、必要に応じて接着層をA’−B、B−C、C−Dの各層の間に積層した多層シートである。
【0005】
好ましい実施形態としては、テレフタル酸、エチレングリコール及び、1,4−シクロヘキサンジメタノールの3成分の共重合樹脂の混合比率R1とテレフタル酸またはテレフタル酸ジメチルと1,4−ブタンジオールのエステル交換反応物であるポリブチレンテレフタレート(PBT)の混合比率R2が0.01<R1/R2<20の範囲であり、水蒸気バリアー樹脂層(B)が、ポリプロピレン系樹脂、高密度ポリエチレン樹脂又はポリ塩化ビニリデン系樹脂であるか、ポリプロピレン系樹脂とポリ塩化ビニリデン系樹脂が積層された複層樹脂層である多層シートである。
更に好ましい実施形態としては、水蒸気バリアー樹脂層(B)の水蒸気バリアー性(40℃×90%RH下、JIS−Z0208試験法)が、1.0g/m2・24hr以下であり、酸素ガスバリアー性樹脂層(C)が、エチレンビニルアルコール共重合樹脂であってかつエチレン共重合比率が20〜45%であり、支持体樹脂層(D)が、ポリプロピレン系樹脂である多層シートである。
更に本発明は、上記多層シートをA層が最外層になるように成形した容器である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明は、PBT混合体からなる透明、光沢樹脂層、3成分共重合体よりなる層、水蒸気バリア性樹脂層、ガスバリアー性樹脂層および熱可塑の支持体樹脂層とを順次積層してなる複合シートである。容器として用いる場合には透明、光沢性樹脂層が容器外側として形成されていることが必要である。
【0007】
図1は本発明の複合シートの一実施例を示すもので、シート全体の厚みとしては500〜1200μmのものが好ましいが本発明で規定するものではない。図中(A)は透明、光沢性樹脂層であり、PBT混合体からなり、シート全体の厚みに対する厚み比率としては0.5〜20%が望ましい。3成分共重合体の混合比率R1とPBTの混合比率R2が0.01<R1/R2<20であることが好ましい。更に好ましくは1/9<R1/R2<9であり、最も好ましくは1/5<R1/R2<1である。
図中(A’)は3成分共重合体よりなる層であり、シート全体の厚みに対する厚み比率(RA’)としては0.5〜20%が望ましい。(A)の層比率(RA)と(A’)の層比率(RA’)は0.01<RA/RA’<100の範囲であることが必要である。好ましくは0.1<RA/RA’<20であり、更に好ましくは1<RA/RA’<2である。
【0008】
(B)は水蒸気バリア性樹脂層であり、ポリプロピレン系(PP)、ポリ塩化ビニリデン系(PVDC)もしくは高密度ポリエチレン(HDPE)等が用いられる。PPはメルトフローレートが5.0g/10min以下のものが好ましく、ホモポリマー、コポリマー、ランダム共重合等種々のPPを用いることができる。又低密度ポリエチレン(LDPE)、HDPE等のポリエチレン系ポリオレフィンを溶融混合することもできる。PVDCはホモポリマー、アクリルとのコポリマー、ポリ塩化ビニル(PVC)とのコポリマー等のPVDCが用いられる。HDPEはここでは比重0.93以上のポリエチレンを言うが、HDPE単独で用いても良いが、若干量のLDPEを溶融混合しても良い。また、耐衝撃性を付与するために必要に応じてエチレンープロピレンゴム(EPR)を添加しても構わない。
【0009】
水蒸気バリアー樹脂層(B)の水蒸気バリアー性は40℃×90%RH下でJIS−Z0208試験法で1.0g/m2・24hr以下が好ましい。
(C)のガスバリア層としてはポリビニルアルコールもしくはエチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)が用いられる。EVOHの場合エチレン共重合比率が20〜45重量%のものが好ましい。
支持体樹脂層(D)は各種熱可塑性樹脂を用いることができるが、容器耐熱性及び容器保形性、容器加工成形性等の特性を勘案し選択するが、好ましくはPP,PE樹脂を用いる。
【0010】
これらの樹脂を積層する方法としては、共押出法、共押出ラミネート法、押出ラミネート法、ドライラミネート法等の公知の積層化技術が用いられる。またこれらの積層化のために各樹脂間を接着させるためには個々の樹脂間に適した接着剤、あるいは接着性樹脂が用いられるが不要な場合もあり得る。また、これらの多層シートを容器に成型する方法としては、一般的には真空成形法、圧空成形法、圧空真空成形法、冷間加工法が用いられる。
【0011】
本発明の作用について説明する。本発明における多層シートを透明、光沢層を外層にして成形された容器は、従来の透明タイプ容器に比較して最外層の透明感及び、光沢に優れるため内容物の見栄えを良くする効果がある。3成分の共重合樹脂からなる樹脂層(A’)は、容器を熱水殺菌処理使用する際に光沢層とその隣接層の層間強度の低下を防ぐ効果がある。A’層を介さずにA−接着層−B層の層構成の場合、最適な接着性樹脂が無くA層と接着層の界面でのデラミが発生しやすい。ガスバリア性樹脂層の外面には水蒸気バリアー樹脂層が位置しガスバリア樹脂層の外気からの水分による吸水時バリアー性の低下を防ぐ効果を有する。ガスバリア性樹脂層は内容物の酸素による腐敗、変質を防ぐ効果、即ち酸素バリアー効果と、同内容物のフレーバーの容器外への透過、拡散を防ぐ効果を有している。
本発明による密封容器は従来からある積層容器用シートの持つ水蒸気バリア性、ガスバリア性、高温殺菌適性を具備しつつ上記効果を兼ね備えるものである。
【0012】
【実施例】
以下実施例により、本発明の効果を説明するが、これらは単なる例示であり、本発明はこれらに限定されるものではない。
表1に本発明に用いた実施例と比較のために用いた多層シートの構成を示す。これらの多層シートは共押出法により作成したものである。これらの多層シートを間接加熱式の圧空真空成型機を用いて口径70mmφ、高さ30mm、底径30mmφの容器に成形を行い、92℃×30minの熱水処理後の透明性、光沢性および層間デラミについて評価を行った。結果を表2に示した。
【0013】
表1中の数値は各層の厚み(μm)である。
表1中で使用した原料及び略号は、以下の通りである。
A:PBT混合体:3成分共重合体(混合比率R1)+PBT(混合比率R2) R1/R2=1/3
A’:3成分共重合体
接着層:直鎖状低密度ポリエチレン変性樹脂
B:ポリプロピレン樹脂
C:エチレン・ビニルアルコール共重合体
D:ポリプロピレン樹脂
【0014】
表2中の評価方法は以下の通りである。
曇度:JIS−K7105により測定。
鏡面光沢:JIS−Z8741(60°)により測定。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】
【発明の効果】
本発明の多層シートを用いて成形した容器等の包装材では、従来の合成樹脂多層包装材に比べて、透明性、光沢性に優れている。かつ、熱水殺菌処理後の光沢層と隣接層の層間強度を維持することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層シートの一実施例の断面図
Claims (8)
- テレフタル酸、エチレングリコール及び、1,4−シクロヘキサンジメタノールの3成分の共重合樹脂とテレフタル酸またはテレフタル酸ジメチルと1,4−ブタンジオールのエステル交換反応物であるポリブチレンテレフタレート(PBT)の混合物からなる透明、光沢樹脂層(A)、テレフタル酸、エチレングリコール及び、1,4−シクロヘキサンジメタノールの3成分の共重合樹脂からなる樹脂層(A’)、水蒸気バリアー性樹脂層(B)、ガスバリアー性樹脂層(C)及び熱可塑の支持体樹脂層(D)とを外層側からA−A’−B−C−Dの順に積層してなり、かつ(A)の層比率(RA)と(A’)の層比率(RA’)が0.01<RA/RA’<100の範囲であることを特徴とする多層シート。
- (A)層のテレフタル酸、エチレングリコール及び、1,4−シクロヘキサンジメタノールの3成分の共重合樹脂の混合比率R1とテレフタル酸またはテレフタル酸ジメチルと1,4−ブタンジオールのエステル交換反応物であるポリブチレンテレフタレート(PBT)の混合比率R2が0.01<R1/R2<20の範囲である請求項1記載の多層シート。
- 水蒸気バリアー樹脂層(B)が、ポリプロピレン系樹脂、高密度ポリエチレン樹脂又はポリ塩化ビニリデン系樹脂である請求項1又は2記載の多層シート。
- 水蒸気バリアー樹脂層(B)が、ポリプロピレン系樹脂とポリ塩化ビニリデン系樹脂が積層された複層樹脂層である請求項1又は2記載の多層シート。
- 水蒸気バリアー樹脂層(B)の40℃×90%RH下、JIS−Z0208試験法での水蒸気バリアー性が、1.0g/m2 ・24hr以下である請求項1〜4記載の多層シート。
- 酸素ガスバリアー性樹脂層(C)が、エチレンビニルアルコール共重合樹脂であって、かつエチレン共重合比率が20〜45重量%である請求項1〜5記載の多層シート。
- 支持体樹脂層(D)が、ポリプロピレン系樹脂である請求項1〜6記載の多層シート。
- 請求項1〜7記載の多層シートをA層が最外層になるように成形した容器。
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