JP2020011415A - リサイクル性積層体およびリサイクル作製された包装材料と包装体 - Google Patents
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Abstract
Description
1.少なくとも、シーラント層と補強層とを有する層構成のリサイクル性積層体であって、
該リサイクル性積層体は、金属箔、金属蒸着膜、金属酸化物蒸着膜からなる群から選ばれる1種以上を含まず、
該シーラント層は、線状低密度ポリエチレンと相溶化剤とを含有し、
全シーラント層中の該相溶化剤の含有量は、5質量%以上、20質量%以下であり、
該補強層は、エチレン・ビニルアルコール共重合体またはポリアミド樹脂を含有し、
該補強層の厚みは、該リサイクル性積層体の全厚みの、5%以上、20%以下である、上記のリサイクル性積層体。
2.前記相溶化剤が、不飽和カルボン酸変性ポリオレフィンである、上記1に記載のリサイクル性積層体。
3.前記相溶化剤が、無水マレイン酸変性ポリエチレンである、上記1または2に記載のリサイクル性積層体。
4.前記シーラント層が、前記補強層の両面に積層されている、上記1〜3の何れかに記載の、リサイクル性積層体。
5.さらに、基材層が、前記積層体の片側表面に積層されている、上記1〜4の何れかに記載の、リサイクル性積層体。
6.上記1〜5の何れかに記載のリサイクル性積層体から作製された、リサイクル性包装材料。
7.上記6に記載のリサイクル性包装材料から作製された、リサイクル性包装体。
8.上記1〜5の何れかに記載のリサイクル性積層体、上記6に記載のリサイクル性包装材料、上記7に記載のリサイクル性包装体、前記相溶化剤からなる群から選ばれる1種または2種以上を含む混合物を、溶融混合して得られた再生樹脂組成物であって、
全再生樹脂組成物中の含有量は、前記線状低密度ポリエチレンが、50質量%以上、90質量%以下であり、前記エチレン・ビニルアルコール共重合体または前記ポリアミド樹脂が、5質量%以上、25質量%以下であり、前記相溶化剤が、4質量%以上、20質量%以下である、再生樹脂組成物。
9.上記8に記載の再生樹脂組成物から作製された、再生フィルム。
10.上記9に記載の再生フィルムを用いて作製された、再生包装材料。
11.上記10に記載の再生包装材料から作製された、再生包装体。
本発明のリサイクル積層体は、少なくとも、シーラント層と補強層とを有する層構成であり、必要に応じて、さらに基材層を有することもできる。また、本発明のリサイクル積層体は相溶化剤を、何れかの層に含有するができ、シーラント層に含有することが好ましい。
本発明のリサイクル性積層体は、溶融混合されて、再生樹脂組成物の原材料として用いることができる。
そして、本発明のリサイクル積層体は、全体を丸ごと溶融して、均質化、透明化することから、金属箔、金属蒸着膜、金属酸化物蒸着膜等を有していないことが好ましい。
本発明における相溶化剤は、リサイクル性積層体を溶融した際に、溶融混合物の相溶性を向上して、均質化や透明化の効果を奏する成分である。
本発明において、相溶化剤はシーラント層に含有されていることが好ましく、全シーラント層中の相溶化剤の含有量は、5質量%以上、20質量%以下が好ましい。
相溶化剤の具体例は、シーラント層と補強層を構成する樹脂成分の種類にもよるが、本発明においては、不飽和カルボン酸変性ポリオレフィンが好ましく、中でも、無水マレイン酸変性ポリエチレンがより好ましい。
本発明のリサイクル積層体において、シーラント層は、積層体の少なくとも片側の最表面に積層されており、両側の表面に積層されていることもできる。
シーラント層は、補強層の上に形成されていることが好ましく、補強層の上に着接であっても、接着剤層や他の層を介して積層されていてもよく、補強層の片面または両面に形成されていてもよい。
シーラント層は、1層であっても、2層以上から構成されていてもよい。2層以上の場合には、同組成の層であっても、異なる組成の層であってもよい。
シーラント層は、ヒートシール性樹脂を含有することによって、ヒートシール性を発揮する。
シーラント層は、(共)押出ラミネーションによって積層された層であっても、フィルムの貼り付けによって積層された層であってもよい。
本発明において、補強層は、シーラント層の支持層として機能する層であり、リサイクル積層体の引張り強度、屈曲強度、衝撃強度、突き刺し強度、破断強度、靭性、剛性等の補強を担う層である。
補強層に含まれる樹脂は、支持層として機能でき、かつシーラント層と相溶し易い樹脂であれば特に制限は無いが、エチレン・ビニルアルコール共重合体またはポリアミド樹脂を含むことが好ましい。
補強層は、無延伸、あるいは一軸延伸または二軸延伸された、樹脂フィルムまたは樹脂シートからなる層であっても、シーラント層と共押出ラミネーションによって形成されてもよく、基材層上に押出ラミネーションによって積層された層であってもよい。
上記範囲よりも薄いと、バリア性やフィルム強度の低下が生じ易く、上記範囲よりも厚いと剛性が強くなり過ぎ易く、かつ再溶融した際の均質性と透明性を得ることが困難になり易い。
本発明のリサイクル性積層体は、必要に応じて、さらに、基材層を有することができる。
本発明において、基材層は、リサイクル性積層体の更なる支持層として機能したり、包装体の最表面層として、印刷層を備えて装飾性を付与したり、防汚性や耐切創性等の耐外部環境性を付与することができる層である。
基材層には、一般的に基材層として用いられている素材を使用することができるが、他の層とともに再溶融されて、均質化、透明化することから、補強層およびシーラント層と相溶し易い樹脂からなる層であることが好ましい。
、同組成の層であっても、異なる組成の層であってもよい。
本発明のリサイクル性包装材料は、本発明のリサイクル性積層体から作製された包装材料であり、必要に応じて、リサイクル性積層体に様々な機能層を追加したり、物理的、化学的処理を加えて作製したりすることもできる。
本発明のリサイクル性包装材料は、溶融混合されて、再生樹脂組成物の原材料として用いることができる。
本発明のリサイクル性包装体は、本発明のリサイクル性包装材料から作製された包装体である。
本発明のリサイクル性包装体は、溶融混合されて、再生樹脂組成物の原材料として用いることができる。
本発明の再生樹脂組成物は、リサイクル性積層体、リサイクル性包装材料、リサイクル性包装体、相溶化剤からなる群から選ばれる1種または2種以上を含む混合物を、溶融混合して得られる樹脂組成物であり、必要に応じて、各種樹脂成分を加えることもできる。
全再生樹脂組成物中には、線状低密度ポリエチレンが、50量%以上、90質量%以下含有されていることが好ましく、エチレン・ビニルアルコール共重合体または前記ポリアミド樹脂が、5質量%以上、25質量%以下含有されていることが好ましく、相溶化剤が、4質量%以上、20質量%以下含有されていることが好ましい。
相溶化剤としては、無水マレイン酸変性ポリエチレンが含まれていることが好ましい。
本発明の再生フィルムは、本発明の再生樹脂組成物から作製されたフィルムである。
再生フィルムは、1層であっても、2層以上から構成されていてもよい。2層以上の場合には、同組成の層であっても、異なる組成の層であってもよい。また、層間が接着層を介して積層されていてもよい。
また、本発明の再生樹脂組成物以外の樹脂組成物からなる層やフィルムと積層して再生フィルムを作製する場合においても、同様な方法で行うことができる。
本発明の再生包装材料は、本発明の再生フィルムを用いて作製された包装材料である。
再生包装材料は、1層であっても、2層以上から構成されていてもよい。2層以上の場合には、同組成の層であっても、異なる組成の層であってもよい。また、層間が接着層を介して積層されていてもよい。
本発明の再生フィルム以外の成分からなる層を有することも可能である。
本発明の再生包装体は、本発明の再生包装材料から作製された包装体である。
例えば、本発明の再生包装材料を二つ折にするか、または再生包装材料を2枚用意し、そのシーラント層の面を対向させて重ね合わせ、その周辺端部を、例えば、スタンディングパウチ型、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型(ピローシール型)、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型、ガゼット型等のヒートシール形態によりヒートシールして、種々の形態の包装袋とすることができる。
・PETフィルム1:東洋紡社製、PETフィルム、T4102。12μm厚。
・LLDPE1:日本ポリエチレン(株)社製、ノバテックUF240、MFR2.1、密度0.920g/cm3、融点123℃。
・LLDPE2:日本ポリエチレン(株)社製、ノバテックUF320、MFR0.9、密度0.922g/cm3、融点123℃。
・接着剤1:三井化学アドマーNE827、MFR5.6、密度0.91g/cm3。
・無水マレイン酸変性PE1:ダウケミカル(株)社製、Retain2000、密度0.912g/cm3。
・無水マレイン酸変性PE2:ダウケミカル(株)社製、Retain3000、密度0.870g/cm3。
・EVOH1:クラレ(株)社製、エバールE173B、MFR2.5、密度1.14g/cm3、融点165℃)。
・ナイロン1:宇部興産(株)社製、6/12ナイロン、密度1.06g/cm3、融点136。
下記配合物を溶融混合して、冷却し、シーラント層用樹脂組成物1を得た。
LLDPE1 90質量部
無水マレイン酸変性PE1 10質量部
[シーラント層用樹脂組成物2の調製]
下記配合物を溶融混合して、冷却し、シーラント層用樹脂組成物2を得た。
LLDPE2 80質量部
無水マレイン酸変性PE1 20質量部
[シーラント層用樹脂組成物3の調製]
下記配合物を溶融混合して、冷却し、シーラント層用樹脂組成物2を得た。
LLDPE2 85質量部
無水マレイン酸変性PE1 15質量部
[実施例1]
共押出し空冷インフレーション製膜機によって、下記層構成の120μm厚の3層フィルムからなる積層体を作製した。
第1層:シーラント層用樹脂組成物1。厚さ50μm。
第2層:EVOH1。厚さ20μm。
第3層:シーラント層用樹脂組成物1。厚さ50μm。
得られた3積層体の、フィルムインパクト強度とヘイズ値を測定した。
表1の積層体層構成に従って、実施例1と同様に操作して、積層体を作製し、同様に評価した。
実施例1で得た3層フィルムの片面に、接着剤1を押出しながらPETフィルム1を積層して、基材層付きの5層フィルムからなる積層体を作製した。
そして、実施例1と同様に評価した。
[実施例6]
実施例1で得た積層体を、フィルムリサイクル装置によって溶融して、混合して均質化し、紐状に取り出しながら切断、冷却して、再生樹脂組成物からなる樹脂ペレットを作製した。
上記で得た樹脂ペレットから、空冷インフレーション製膜機によって、50μm厚の単層の再生フィルムを作製した。
そして、得られた再生フィルムについて、フィルムインパクト強度とヘイズ値を測定した。
表2の記載に従って、積層体を選択し、実施例9、11においては無水マレイン酸変性PE2、さらにはLLDPE1、EVOH1を添加して、実施例6と同様に操作して、再生フィルムを作製し、同様に評価した。
本願発明の実施例1〜5のリサイクル性積層体は、良好なインパクト強度とヘイズ値を示し、それらの積層体を用いて作製された実施例6〜12の再生フィルムも優れたインパクト強度とヘイズ値を示した。
しかしながら、相溶化剤を含有しない比較例1と2の積層体のインパクト強度とヘイズ値は良好だったものの、それらの積層体を用いて作製された比較例3、4の再生フィルムは劣ったインパクト強度とヘイズ値を示した。
[インパクト強度]
株式会社東洋精機製作所製恒温槽付フィルムインパクトテスタを用いて、ASTM−D3420に準拠して、フィルムのインパクト強度を測定した。
[ヘイズ値]
JIS K7136およびJIS K7361に準拠して、(株)東洋精機製作所製のヘイズガードIIを用いて測定した。
2 補強層
3 シーラント層
4 基材層
Claims (11)
- 少なくとも、シーラント層と補強層とを有する層構成のリサイクル性積層体であって、
該リサイクル性積層体は、金属箔、金属蒸着膜、金属酸化物蒸着膜からなる群から選ばれる1種以上を含まず、
該シーラント層は、線状低密度ポリエチレンと相溶化剤とを含有し、
全シーラント層中の該相溶化剤の含有量は、5質量%以上、20質量%以下であり、
該補強層は、エチレン・ビニルアルコール共重合体またはポリアミド樹脂を含有し、
該補強層の厚みは、該リサイクル性積層体の全厚みの、5%以上、20%以下である、上記のリサイクル性積層体。 - 前記相溶化剤が、不飽和カルボン酸変性ポリオレフィンである、請求項1に記載のリサイクル性積層体。
- 前記相溶化剤が、無水マレイン酸変性ポリエチレンである、請求項1または2に記載のリサイクル性積層体。
- 前記シーラント層が、前記補強層の両面に積層されている、請求項1〜3の何れか1項に記載の、リサイクル性積層体。
- さらに、基材層が、前記積層体の片側表面に積層されている、請求項1〜4の何れか1項に記載の、リサイクル性積層体。
- 請求項1〜5の何れか1項に記載のリサイクル性積層体から作製された、リサイクル性包装材料。
- 請求項6に記載のリサイクル性包装材料から作製された、リサイクル性包装体。
- 請求項1〜5の何れか1項に記載のリサイクル性積層体、請求項6に記載のリサイクル性包装材料、請求項7に記載のリサイクル性包装体、前記相溶化剤からなる群から選ばれる1種または2種以上を含む混合物を、溶融混合して得られた再生樹脂組成物であって、
全再生樹脂組成物中の含有量は、前記線状低密度ポリエチレンが、50質量%以上、90質量%以下であり、前記エチレン・ビニルアルコール共重合体または前記ポリアミド樹脂が、5質量%以上、25質量%以下であり、前記相溶化剤が、4質量%以上、20質量%以下である、再生樹脂組成物。 - 請求項8に記載の再生樹脂組成物から作製された、再生フィルム。
- 請求項9に記載の再生フィルムを用いて作製された、再生包装材料。
- 請求項10に記載の再生包装材料から作製された、再生包装体。
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