JP2002036444A - 共押出多層フィルム - Google Patents

共押出多層フィルム

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JP2002036444A
JP2002036444A JP2000226281A JP2000226281A JP2002036444A JP 2002036444 A JP2002036444 A JP 2002036444A JP 2000226281 A JP2000226281 A JP 2000226281A JP 2000226281 A JP2000226281 A JP 2000226281A JP 2002036444 A JP2002036444 A JP 2002036444A
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multilayer film
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extruded multilayer
resin layer
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JP2000226281A
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Hiroaki Matsubara
弘明 松原
Takashi Moriya
貴史 森谷
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DIC Corp
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸素遮断性、光線遮断性、シール強度、
内容物保護性、自動包装適性等の諸特性を満足し、か
つ、内容物が確認でき、環境負荷の小さいフイルムを提
供すること。 【解決手段】 最内層(A)にヒートシール性樹脂層、
例えば直鎖状低密度ポリエチレン層、その反対側の最外
層(B)に光沢度(JIS K−7105)が1〜30
%で、曇価(ヘイズ、JIS K−7105)が50〜
90%の半透明樹脂層、例えば、ポリプロピレン系ブロ
ック強重合体層、中間層(C)に酸素バリアー樹脂層、
例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を有する
共押出多層フィルムであって、酸素透過度が1〜200
cm3/m2・MPa・dayである共押出多層フィル
ム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸素バリアー性、
適度な遮光性、強度に優れ、酸化、光劣化し易い内容物
を包装する用途に使用でき、単独使用でピロー包装用と
して好適な共押出多層フイルムに関する。
【0002】
【従来技術】内容物が酸素、光線により栄養化の低下、
退色、内容物成分の劣化等を受け易いものを包装する包
材には特定波長を遮断する材料をコーティングしたり、
もしくは酸素バリアー性、光遮光性に優れた樹脂や金属
箔を積層した複合フイルムは良く知られている。しか
し、複合フイルムは、通常コーティングや接着剤による
張り合わせ等の二次工程が必要となり、構成、残留溶剤
臭、納期対応等の制約があり、用途が制限される場合が
あった。
【0003】また、酸素バリアー性樹脂とポリオレフィ
ン樹脂とを接着させるには、接着剤を塗布するドライラ
ミネートしてなる複合フイルムが使用されるか、共押出
法によりガスバリアー樹脂とポリオレフィン樹脂との間
に接着性樹脂を一度に積層してなる共押出複合フイルム
がある。
【0004】ドライラミネートによる複合化では、有機
溶剤等を使用する為、環境への配慮が必要となり、設備
が大型化し、使用が制限される状況である。更に、遮光
性を保持するためには、アルミ等の金属箔を使用してい
たため、廃棄物処理のリサイクル性や異物混入を阻止す
る金属探知器を使用できない等に問題があった。また、
アルミ等の金属箔を利用した複合フイルムは、光を完全
に遮断しているために内容物が外から完全に見えない状
況であった。しかし、消費者は、直接目で確かめて物品
を購入したいという要求が強く、包装物によってはある
程度中身が見える包装形態を望まれる場合があった。
【0005】一方、共押出法による複合化は、一度に極
性基を有するバリアー性樹脂と無極性のオレフィン樹脂
とを接着性樹脂を介して最外層のポリオレフィンの樹脂
とを接着させるものである。また、共押出フィルムは、
ラミ加工なしでも、単独でピロー包装用として使用可能
となるが、アルミ等の遮光性を付与していないため、光
線による内容品の栄養価の低下や退色等の品質劣化が問
題となっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、各種
包装材料を貼り合わせるラミネート工程を経ることな
く、一度に押出成形して得られる共押出多層フイルムに
よって、酸素遮断性、光線遮断性、シール強度、内容物
保護性、自動包装適性等の諸特性を満足し、かつ、表面
の光沢度や光線透過率を制御することにより内容物が確
認でき、環境負荷の小さいフイルムを提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
したところ、最内層(A)にヒートシール性樹脂層、そ
の反対側の最外層(B)に融点が該ヒートシール性樹脂
層より高く、光沢度が1〜30%で、曇価(ヘイズ)が
50〜90%の半透明樹脂層、中間層(C)に酸素バリ
アー樹脂層を有する共押出多層フィルムであって、酸素
透過度が1〜200cm3/m2・MPa・dayである
共押出多層フィルムは、酸素遮断性、光線遮断性、シー
ル強度、内容物保護性等の諸特性に優れ、かつ、内容物
が確認でき、環境負荷も小さいこと、等を見い出し、本
発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は、 1.最内層(A)にヒートシール性樹脂層、その反対側
の最外層(B)に光沢度(JIS K−7105)が1
〜30%で、曇価(ヘイズ、JIS K−7105)が
50〜90%の半透明樹脂層、中間層(C)に酸素バリ
アー樹脂層を有する共押出多層フィルムであって、酸素
透過度が1〜200cm3/m2・MPa・dayである
ことを特徴とする、共押出多層フィルム、 2.最外層(B)として用いる半透明樹脂層の融点が、
最内層(A)として用いるヒートシール性樹脂の融点よ
り10〜70℃高い、上記1記載の共押出多層フィル
ム、 3.最外層(B)が、ポリプロピレンとその他のα−オ
レフィン重合体とのブロック共重合体を含む樹脂成分か
ら構成された層である、上記1または2記載の共押出多
層フィルム、 4.中間層(C)が、ポリアミド樹脂またはエチレン−
酢酸ビニル共重合体のケン化物を含む樹脂成分から構成
された層であり、その厚みが共押出多層フィルム全厚の
4〜30%である、上記1、2または3記載の共押出多
層フイルム、 5.最内層(A)が、密度0.88〜0.93g/cm
3 で、かつ分子量分布(Mw/Mn)が3以下の直鎖状
低密度ポリエチレンを含む樹脂成分から構成された層で
あり、その厚みが共押出多層フィルム全厚の20〜60
%である、上記1〜4のいずれか1つに記載の共押出多
層フイルム、および、 6.最内層(A)/接着層(D)/中間層(C)/接着
層(D)/最外層(B)の順に積層された5層構成のフ
ィルムである、上記1〜5のいずれか1つに記載の共押
出多層フイルム、を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明を更に詳述する。最
内層(A)として用いるヒートシール性樹脂層として
は、ヒートシール可能な樹脂層であればよく、特に限定
されないが、融点が、最外層(B)よりも低いものが好
ましく、通常はポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系
樹脂等のようなオレフィン系樹脂を含む樹脂層を用い
る。これらポリオレフィン系樹脂としては、層間強度、
シール強度に優れるものが得られることから、重量平均
分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比で表わす分
子量分布(Mw/Mn)が3以下のポリエチレン系樹脂
やポリプロピレン系樹脂が好ましい。更になるシール強
度、薄肉化の要望に対しては、Mw/Mnが3以下で、
密度が0.88〜0.93g/cm3 直鎖状低密度ポリ
エチレン、例えば遷移金属化合物と有機金属化合物と組
み合わせた触媒を用いて、主成分のエチレンと炭素原子
数4以上のα−オレフィンを重合させて得られる直鎖状
低密度ポリエチレンが好ましく、また、成形性、成膜性
に優れるものが得られることから、密度0.89〜0.
92g/cm3の直鎖状低密度ポリエチレンが好まし
い。
【0010】上記直鎖状低密度ポリエチレンフイルムの
メルトフローレート(MFR)は、特に限定されない
が、生産性に優れることから、0.5〜10g/10分
間のものが好ましい。さらに接着性の改良を目的として
酸変性ポリエチレンを併用することもできる。
【0011】また、このヒートシール樹脂層には、防曇
剤、帯電防止剤、熱安定剤、造核剤、酸化防止剤、滑
剤、アンチブロッキング剤、紫外線吸収剤等の第2成分
を本発明の目的を損なわない範囲で添加しても良い。
【0012】更に、シール強度、層間強度、ピンホール
性、薄肉化、成形性、経済性等の面からヒートシール樹
脂層の厚み比率は、共押出多層フィルム全厚の20〜6
0%であることが好ましい。
【0013】最外層(B)として用いる半透明樹脂層と
しては、光沢度(JIS K−7105)が1〜30%
で、曇価(ヘイズ)(JIS K−7105)が50〜
90%の樹脂層であればよく、特に限定されないが、融
点が最内層として用いるヒートシール性樹脂層より高い
ものが好ましく、例えば、艶消し状に加工された、ナイ
ロン、ポリプロピレン、ポリエチレン等の樹脂からなる
層であって、融点が該ヒートシール樹脂層よりも5℃以
上、好ましくは10〜70℃、さらに好ましくは15〜
60℃高いものが挙げられる。艶消し状に加工されたこ
れらの樹脂を使用することにより、光線を適度に遮断で
き、表面の耐熱性も同時に付与され、横ピロー等の自動
包装適性が向上し、高速包装化が可能となる。中でも、
経済性、耐熱性、加工適性の面からポリプロピレン系樹
脂が好ましい。ポリプロピレン系樹脂としては、プロピ
レン単独重合体であっても、プロピレンと少量の他のα
−オレフィン、例えば、エチレン、ブテン等との共重合
体であってもよい。プロピレン単独重合体としては、ア
イソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポ
リプロピレン、アタックチックポリプロピレンを挙げる
ことができるが、この内ではアイソタクチックポリプピ
レンが好ましい。さらに、プロピレンと他のα−オレフ
ィンとの共重合体としては、ポリプロピレンとその他の
α−オレフィン重合体とのブロック共重合体(以下、ポ
リプロピレン系ブロック共重合体という。)が好まし
く、中でもポリプロピレンとポリエチレンとのブロック
共重合体が特に好ましい。このブロック共重合体のエチ
レン含量は、2〜50重量%が好ましく、さらには5〜
30重量%がより好ましい。
【0014】最外層(B)として用いる半透明樹脂層の
光沢度が、30%を越えるものでは光線の乱反射が十分
起こらず、光線遮断性が不十分となり、内容物の光劣化
による内容物保護性に劣る。また、光沢度が1%未満の
ものでは光線の乱反射は良好に起こるが、内容物が外側
からよく見えない上に、表面がかなり荒れた状態となり
フイルムの滑り性が良くなりすぎて、スリット時に巻ズ
レが発生し易い等の問題が生じる。また、完全に光を遮
断するのでなく、曇価を50〜90%に制御することに
より、消費者が内容物を確認できるというディスプレイ
効果が生まれ、消費者の目でも鮮度を確認できるように
なる。曇価が50%より小さいと光線が当たりすぎて内
容物の劣化を促進し、十分に内容物の保存性を確保でき
ず、また90%を越えると目視で内容物の鮮度を確認で
きない。
【0015】上記諸条件を満たす方法としては、例え
ば、最外層(B)に印刷処理する方法、タルク等の無機
物を添加する方法等があるが、中でも成形加工時に艶消
し加工を行う方法や、艶消し状の光沢を有する樹脂を使
用する方法が環境問題を考慮すると望ましい。
【0016】本発明で中間層(C)として用いる酸素バ
リアー樹脂層としては、本発明の共押出多層フィルムの
酸素透過度を1〜200cm3/m2・MPa・dayと
することが可能な層であればよく、例えば、ポリアミド
樹脂層、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(以
下、「EVOH」という。)層、塩化ビニレデン共重合
体層等が1種類或いは2種類以上積層されて構成されて
た層が挙げられ、なかでもポリアミド樹脂層やEVOH
層が好ましい。ポリアミド樹脂としては、ナイロン6、
ナイロン66、ナイロン6/66、ナイロン6/12、
芳香族ナイロン等が使用できる。EVOHとしては、エ
チレン含有率が20〜60モル%で、ケン化度が95%
以上のものが、成形性やバリアー性の点から好ましい。
さらに、成形性、ピンホール性改良の面から、改質剤等
を添加することも可能である。
【0017】本発明の共押出多層フィルムでは、酸素透
過度を1〜200cm3/m2・MPa・dayに制御す
ることにより、酸化劣化を受けやすい内容物を保護でき
る。酸素透過度が200cm3/m2・MPa・dayを
越えるものでは香気成分が揮散し易いコーヒー等には問
題があり、限りなく0cm3/m2・MPa・dayに近
いほど劣化を抑制できるが、1cm3/m2・MPa・d
ay未満ではバリアー層の厚みを極端に厚くする必要が
あり、フィルムが堅くなり、ピンホールが発生する等、
物性上問題が生じる上、経済的ではない。その厚みとし
ては、共押出多層フィルム全厚の4〜30%、好ましく
は7〜20%の範囲のものが、酸素バリアー性、薄肉
化、成形性および経済性の面から好適である。
【0018】また、包装時、成形後の安定したシール、
層間強度を維持するためには、最内層(A)として用い
るヒートシール性樹脂層と、中間層(C)として用いる
酸素バリアー樹脂層との間には、接着層(D)を設ける
ことが好ましく、使用する接着樹脂としては、不飽和カ
ルボン酸またはその誘導体から選ばれた少なくとも一種
のモノマーをグラフトした酸変性ポリオレフィン樹脂が
好適に使用できる。また、薄肉化、成形性、経済性等の
面から接着層(D)の厚みは、共押出多層フィルム全厚
の10〜30%が好ましい。
【0019】更に、共押出多層フイルムの層組成を、最
内層(A)(ヒートシール性樹脂層)/接着層(D)/
中間層(C)(酸素バリアー樹脂層)の順に積層された
非対照系の層構成にすると、カールが大きくなる傾向が
あった。しかし、共押出多層フイルムの層組成を、最内
層(A)/接着層(D)/中間層(C)/接着層(D)
/最外層(B)(半透明樹脂層)の順に積層された対称
系の5層構成にすることにより、フイルムのカール性が
改善でき、成膜性等についても良好な結果が得られる。
また、酸素バリアー樹脂として、ポリアミド樹脂、EV
OH等のような吸湿性が高い樹脂を用いる場合には、ラ
ミネート時の白化現象やガスバリアー性の低下、デラミ
現象等の諸問題が発生しやすいが、吸湿性の高い酸素バ
リアー樹脂層を、ヒートシール性樹脂層、半透明樹脂樹
脂層および接着層で、好ましくはオレフィン系樹脂のよ
うな透湿性の低い樹脂からなるヒートシール性樹脂層、
半透明樹脂樹脂層および接着層で積層し、直接外気との
接触を遮断した5層以上の構成にすることにより、上記
の諸問題を解決できるため好ましい。
【0020】上記(A)、(B)、(C)、(D)層を
有する共押出積層フイルムの積層方法としては、例え
ば、4台以上の押出機を用いて、共押出多層ダイス法、
フィードブロック法等の公知の方法で各樹脂を溶融状態
で積層した後、フィルム状に賦形する方法が挙げられ、
中でもインフレーション法やTダイ・チルロール法が厚
みの均一性に優れ、長尺巻フイルムの加工性が良好なこ
とから好ましい。また、印刷の接着性を向上させる為に
表面処理を施すことが望ましい。
【0021】表面処理としては、コロナ放電処理、クロ
ム酸処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理等
の表面酸化処理、あるいは、サンドプラスト等の表面凹
凸処理を挙げることができるが、コロナ処理が好まし
い。
【0022】本発明で用いる樹脂のMFRと密度は、J
IS K−6758に準拠して測定したものであり、重
量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)は、GP
C(ゲルパ−ミエ−ションクロマトグラフィ−)法によ
るポリスチレン換算の分子量である。
【0023】尚、樹脂の融点の測定法としては、示差走
査熱量測定法による融解ピーク温度から求める方法が挙
げられる。具体的には、3mgの試料を秤量し、それを
セイコー電子工業株式会社の示差走査熱量測定装置DS
C200にセットし、200℃まで昇温し、その温度で
3分間保持した後、10℃/分で降温して30℃まで冷
却し、次に3分間保持した後、10℃/分で再び200
℃まで昇温して、DSC曲線を得、得られたDSC曲線
より融点を読みとる方法である。
【0024】
【実施例】次に本発明を、実施例、比較例および試験例
を挙げて、より詳しく説明する。 比較例1 最内層(A)として分子量分布(Mw/Mn)が1.
5、密度が0.91g/cm3 の直鎖状低密度ポリエチ
レン(LLDPE、MFR4.0g/10分間、融点1
14℃)を、中間層(C)として用いる酸素バリアー樹
脂層としてEVOH〔日本合成化学工業(株)製ソアノー
ルDC3203、エチレン含有率32モル%〕を、最外
層(B)として分子量分布(Mw/Mn)が1.5、密
度0.91g/cm3 である直鎖状低密度ポリエチレン
(LLDPE、MFR4.0g/10分間、融点114
℃)を、および、接着層(D)として酸変性ポリエチレ
ン〔三菱化学(株)製M503〕を、最内層(A)層用押
出機(口径50mm)、最外層(B)層用押出機(口径
50mm)、中間層(C)用押出機(口径40mm)、
接着層(D)用押出機(口径40mm)にそれぞれ供給
し、A/D/C/D/Bの層比(重量比)が30/10
/20/10/30で、全体膜厚が50μmになるよ
う、Tダイにより温度230℃で共溶融押出を行い、酸
素透過度20cm 3/m2・MPa・day、光沢度90
%、曇価(ヘイズ)7%の透明な共押出多層フイルム
(f−1)を得た。
【0025】実施例1 比較例1と同様にして、A/D/C/D/Bの層比(重
量比)が30/10/20/10/30で、全体膜厚が
50μmになるよう、Tダイにより温度230℃で共溶
融押出を行い、さらにエンボス加工を行って、酸素透過
度20cm3/m2・MPa・day、光沢度10%、曇
価80%の半透明なフイルム(F−1)を得た。
【0026】比較例2 比較例1と同様にして得られた共押出多層フィルム
(F′−1)のB層部分に全面ベタ印刷〔インキ=大日
本インキ化学工業(株)製アルティマ白〕を行い、不透明
な印刷フイルム(f−2)を得た。
【0027】実施例2 最外層(B)として、分子量分布(Mw/Mn)が1.
5、密度が0.91g/cm3 の直鎖状低密度ポリエチ
レン(LLDPE、MFR4.0g/10分間、融点1
14℃)の代わりに、ポリプロピレン−ポリエチレンブ
ロック共重合体(エチレン含有率:20重量%、MFR
7.0g/10分間、融点160℃)を用いた以外は比
較例1と同様にして、酸素透過度20cm3/m2・MP
a・day、光沢度3%、曇価70%の半透明なフイル
ム(F−2)を得た。
【0028】比較例3 最外層(B)として、分子量分布(Mw/Mn)が1.
5、密度が0.91g/cm3 の直鎖状低密度ポリエチ
レン(LLDPE)の代わりに、ポリプロピレン−ポリ
エチレンブロック共重合体(エチレン含有率:20重量
%、MFR7.0g/10分間、融点160℃)を用
い、A/D/C/D/Bの層比(重量比)を39/10
/2/10/39に変更した以外は比較例1と同様にし
て、酸素透過度250cm3/m2・MPa・day、光
沢度3%、曇価70%の半透明なフイルム(f−3)を
得た。
【0029】試験例1〜2および比較試験例1〜3 実施例1〜2と比較例1〜3で得た共押出多層フイルム
(F−1)〜(F−2)と(f−1)〜(f−3)を、
それぞれポリエチレン層を有する面同士を重ね合わせ、
横10cm、縦10cmになるようシール温度130
℃、シール時間1秒間、シール圧2kg/cm2 、シー
ル巾7mmで3方シールし、製袋品を作成した。
【0030】これら製袋品に、それぞれスライスチーズ
1枚を充填した後、上記シール条件で封止し、充填した
チーズを10 ℃、1000ルクスの蛍光灯下で7日間
の保存テストを行った。保存テスト前のチーズの色(黄
色)を5とし、5段階評価で7日間保存後の黄変度を目
視で観察し比較した。この結果を、製袋品それぞれの内
容物視認性の有無の評価結果と共に表−1に示した。
【0031】実施例1〜2で得た共押出多層フイルム
(F−1)〜(F−2)は、7日間保存後の黄変度が小
さく、内容物の視認性もあるが、比較例1と3で得た共
押出多層フィルム(f−1)と(f−3)は、7日間保
存後の黄変度が大きいという問題があり、比較例2で得
た共押出多層フィルムは(f−2)は、内容物の視認性
がないという問題がある。
【0032】
【表1】
【0033】試験例3〜4および比較試験例4〜6 実施例1〜2と比較例1〜3で得た共押出多層フイルム
(F−1)〜(F−2)と(F′−1)〜(F′−3)
を、それぞれポリエチレン層を有する面同士を重ね合わ
せ、横20cm、縦10cmになるようシール温度13
0℃、シール時間1秒間、シール圧2kg/cm2 、シ
ール巾7mmで3方シールし、製袋品をそれぞれ5袋作
成した。
【0034】これら製袋品に、それぞれ味噌1kgを充
填した後、上記シール条件で封止し、得られた味噌袋を
高さ1m上方からコンクリート面に落下させ、シール部
から味噌漏れが起こった数が5個のうち何個なのかを調
査した。この結果を表−2に示した。
【0035】実施例2で得た共押出多層フイルム(F−
2)は、最外層(B)としてポリプロピレン系ブロック
共重合体を用いているのにもかかわらず、最外層(B)
として直鎖状低密度ポリエチレンを用いた他の共押出多
層フィルム(F−1)や(f−1)〜(f−3)と同様
の落袋強度を有することがわかる。
【0036】
【表2】
【0037】試験例5および比較試験例7 実施例2および比較例1で得た共押出多層フイルム(F
−2)および(f−1)を、ポリエチレン層を有する面
をシール面とし、タテピロー包装機(フジキカイ製KB
F6100)を用いて、ピッチ300mmの条件で、シ
ールバーの温度条件を変更しながら自動包装を行い、最
適の包装条件を求めた。シール部分の溶融がなく、シー
ル強度が800g/15mm以上を維持できる範囲で最
速の包装スピードを求めた。この結果を表−3に示し
た。
【0038】実施例2で得た共押出多層フイルム(F−
2)は、最外層(B)としてポリプロピレン系ブロック
共重合体を用いているため、最外層(B)として直鎖状
低密度ポリエチレンを用いた共押出多層フィルム(f−
1)に比べて自動包装適性が格段に優れることがわか
る。
【0039】
【表3】
【0040】
【発明の効果】本発明の共押出多層フィルムは、酸素遮
断性、光線遮断性、シール強度、内容物保護性等の諸特
性に優れ、かつ、内容物が確認でき、環境負荷も小さ
い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 23:00 B29K 23:00 55:00 55:00 77:00 77:00 B29L 7:00 B29L 7:00 9:00 9:00 Fターム(参考) 4F100 AK04 AK46C AK63A AK63B AK64B AK66B AK69C AL02B AL07 BA03 BA07 BA10B CB03 EH20 GB15 JA04B JA07A JA13A JD03 JD03C JL12A JN02B JN26B YY00A 4F207 AA08 AA10 AA11 AA12F AA29 AB06 AB09 AB14 AE10 AG01 AG03 AR12 KA01 KA17 KL65 KL76 KL84 KW42

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 最内層(A)にヒートシール性樹脂層、
    その反対側の最外層(B)に光沢度(JIS K−71
    05)が1〜30%で、曇価(ヘイズ、JIS K−7
    105)が50〜90%の半透明樹脂層、中間層(C)
    に酸素バリアー樹脂層を有する共押出多層フィルムであ
    って、酸素透過度が1〜200cm3/m2・MPa・d
    ayであることを特徴とする、共押出多層フィルム。
  2. 【請求項2】 最外層(B)として用いる半透明樹脂層
    の融点が、最内層(A)として用いるヒートシール性樹
    脂の融点より10〜70℃高い、請求項1記載の共押出
    多層フィルム。
  3. 【請求項3】 最外層(B)が、ポリプロピレンとその
    他のα−オレフィン重合体とのブロック共重合体を含む
    樹脂成分から構成された層である、請求項1または2記
    載の共押出多層フィルム。
  4. 【請求項4】 中間層(C)が、ポリアミド樹脂または
    エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物を含む樹脂成
    分から構成された層であり、その厚みが共押出多層フィ
    ルム全厚の4〜30%である、請求項1、2または3記
    載の共押出多層フイルム。
  5. 【請求項5】 最内層(A)が、密度0.88〜0.9
    3g/cm3 で、かつ分子量分布(Mw/Mn)が3以
    下の直鎖状低密度ポリエチレンを含む樹脂成分から構成
    された層であり、その厚みが共押出多層フィルム全厚の
    20〜60%である、請求項1〜4のいずれか1項記載
    の共押出多層フイルム。
  6. 【請求項6】 最内層(A)/接着層(D)/中間層
    (C)/接着層(D)/最外層(B)の順に積層された
    5層構成のフィルムである、請求項1〜5のいずれか1
    項記載の共押出多層フイルム。
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