JP2021160260A - 包装袋 - Google Patents

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Abstract

【課題】蒸着膜との層間の密着性に優れると共に高いガスバリア性を有する積層体からなる包装袋の提供。【解決手段】少なくとも、基材51と蒸着膜52とシーラント層53とを備えた積層体50からなる包装袋であって、基材が、少なくともポリエチレン樹脂層54と表面樹脂層55とを備え、シーラント層が、ポリエチレン樹脂から構成されており、基材の表面樹脂層は、融点150℃以上の樹脂材料を含み、蒸着膜は、基材の表面樹脂層上に設けられており、基材は、延伸処理が施されていることを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、包装袋に関する。
従来、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂からなる樹脂フィルム(以下、ポリエステルフィルムともいう)は、機械的特性、化学的安定性、耐熱性および透明性に優れると共に、安価であることから、包装袋の作製に使用されている。
このようなポリエステルフィルムは、基材や中間層として使用され、通常、シーラント層であるポリエチレンフィルムと張り合わされ、積層体とされた後に、包装袋に成形される。
上記した、異種の樹脂フィルム、すなわち、ポリエステルフィルムと、ポリエチレンフィルムとを貼り合わせた積層体を成形することにより得られる包装袋は、それぞれの層に分離をすることが困難であり、使用後に回収した包装袋は、リサイクルに適しておらず、積極的にはリサイクルされていないという現状がある。
このような現状に鑑み、包装袋のリサイクル適性向上を目的として、ポリエステルフィルムに代えて、延伸処理が施されたポリエチレンフィルム(延伸ポリエチレンフィルム)を基材などへ適用し、同一材料により構成される積層体を用いた包装袋(モノマテリアル包装袋)の作製が検討されている。
特開平2005−053223号公報
今般、本発明者らは、ポリエステルフィルムを延伸ポリエチレンフィルムに変更することに伴い低下したガスバリア性を補うべく、延伸ポリエチレンフィルム表面に、蒸着膜を形成しようとしたところ、延伸ポリエチレンフィルムと蒸着膜との密着性が十分ではなく、満足するガスバリア性を得ることができないという新たな課題を見出した。
そして、驚くべきことに、本発明者らは、延伸ポリエチレンフィルムの表面に、融点が150℃以上の樹脂材料を含む表面樹脂層を設けることにより、当該表面樹脂層上に、形成される蒸着膜の密着性が向上し、これに伴い、ガスバリア性が顕著に向上し、上記の問題を解決することができるとの知見を得た。
本発明はかかる知見に基づいてなされたものであり、その解決しようとする課題は、高いリサイクル適性を有するモノマテリアル包装容器(包装袋)であって、高いガスバリア性を有する包装袋を提供することである。
第1の態様において、本発明の包装袋は、少なくとも、基材と蒸着膜とシーラント層とを備えた積層体からなる包装袋であって、
前記基材が、少なくともポリエチレン樹脂層と表面樹脂層とを備え、
前記シーラント層が、ポリエチレン樹脂から構成されており、
前記基材の表面樹脂層は、融点150℃以上の樹脂材料を含み、
前記蒸着膜は、前記基材の表面樹脂層上に設けられており、
前記基材は、延伸処理が施されていることを特徴とする。
第2の態様において、本発明の包装袋は、少なくとも、基材と中間層とシーラント層とを備えた積層体からなる包装袋であって、
前記中間層が、ポリエチレン樹脂層と表面樹脂層と前記表面樹脂層上に設けられた蒸着膜とを備え、
前記基材及び前記シーラント層が、共にポリエチレン樹脂から構成されており、
前記中間層の表面樹脂層は、融点150℃以上の樹脂材料を含み、
前記中間層のポリエチレン樹脂層及び表面樹脂層は、延伸処理が施されていることを特徴とする。
第3の態様において、本発明の包装袋は、少なくとも、基材と蒸着膜とシーラント層とを備えた積層体からなる包装袋であって、
前記シーラント層が、表面樹脂層とポリエチレン樹脂層とを備え、
前記基材が、ポリエチレン樹脂から構成されており、
前記シーラント層の表面樹脂層が、融点150℃以上の樹脂材料を含み、
前記蒸着膜が、前記シーラント層の表面樹脂層上に設けられていることを特徴とする。
一実施形態において、前記表面樹脂層は、融点が150℃以上265℃以下の樹脂材料を含む。
一実施形態において、前記ポリエチレン樹脂と、前記表面樹脂層に含まれる融点150℃以上の樹脂材料との、融点差が、20〜80℃である。
一実施形態において、前記表面樹脂層の樹脂材料は、極性基を有する重合体からなる。
一実施形態において、前記表面樹脂層の樹脂材料が、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6−ナイロン6,6共重合体、MXDナイロンおよびアモルファスナイロンから選択される1以上の樹脂材料である。
一実施形態において、前記ポリエチレン樹脂層が、多層構造を有する。
一実施形態において、前記ポリエチレン樹脂層は、相溶化剤を含む層を少なくとも1層備える。
一実施形態において、前記ポリエチレン樹脂層の相溶化剤を含む層と接するように前記表面樹脂層が設けられている。
一実施形態において、積層体は、前記蒸着膜上にバリアコート層がさらに設けられてなる。
一実施形態において、前記積層体全体におけるポリエチレン樹脂の含有量は、80質量%以上である。
本発明によれば、高いリサイクル適性を有するモノマテリアル包装容器(包装袋)であって、高いガスバリア性を有する包装袋を提供することができる、
本発明の包装袋の一実施形態を示す正面図である。 本発明の包装袋の一実施形態を示す斜視図である。 本発明の包装袋が備える、第1の態様に係る積層体の一実施形態を示す模式断面図である。 本発明の包装袋が備える、第1の態様に係る積層体の一実施形態を示す模式断面図である。 蒸着装置の一実施形態を示す概略断面図である。 蒸着装置の一実施形態を示す概略断面図である。 本発明の包装袋が備える、第2の態様に係る積層体の一実施形態を示す模式断面図である。 本発明の包装袋が備える、第2の態様に係る積層体の一実施形態を示す模式断面図である。 本発明の包装袋が備える、第2の態様に係る積層体の一実施形態を示す模式断面図である。 本発明の包装袋が備える、第3の態様に係る積層体の一実施形態を示す模式断面図である。 本発明の包装袋が備える、第3の態様に係る積層体の一実施形態を示す模式断面図である。
(包装袋)
包装袋の形態は特に限定されるものではなく、充填する内容物に応じ適宜変更することが好ましく、例えば、スタンディングパウチ型、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型(ピローシール型)、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型、ガゼット型などの種々の形態の包装袋が挙げられる。
また、充填される内容物は、特に限定されるものではなく、内容物は、液体、粉体およびゲル体であってもよい。また、食品であっても、非食品であってもよい。
一実施形態において、本発明の包装袋10は、図1に示すように、2枚の積層体を貼り合わせた包装袋である(斜線部分はヒートシールされた箇所)。
図1に示すような形態の包装袋は、下記する積層体を2枚準備し、この積層体をシーラント層が向かい合うように重ね合わせ、3辺をヒートシールすることにより、作製することができる。
一実施形態において、本発明の包装容器は、図2に示すように、スタンディングパウチ型の包装袋20(以下、単に、スタンディングパウチ20という)であり、スタンディングパウチ20は、胴部(側面シート)と、底部(底面シート)とを備える。
スタンディングパウチ20の胴部(側面シート)は、下記する積層体からなる。
また、底部(底面シート)も、下記する積層体からなるものであってもよい。このような構成とすることにより、スタンディングパウチ20のガスバリア性をより向上することができる。また、そのリサイクル適性についても向上することができる。
図2に示すような、スタンディングパウチ20の胴部(側面シート)は、積層体が備えるシーラント層が最内層となるように製袋することにより形成することができる。
他の実施形態において、積層体を2枚準備し、これらをシーラント層が向かい合うようにして重ね合わせ、重ね合わせ合わせた積層体の両端から、シーラント層が外側となるように、V字状に折った2枚の積層体を挿入し、ヒートシールすることにより、スタンディングパウチ20の胴部(側面シート)を形成することができる。このような作製方法によれば、側部ガセット付きの胴部を有するスタンドパウチとすることができる。
また、スタンディングパウチ20の底部(底面シート)は、製袋された胴部(側面シート)の間に積層体を挿入し、ヒートシールすることにより形成することができる。より具体的には、積層体を、シーラント層が外側となるように、V字状に折り、製袋された側面シートの間に挿入し、ヒートシールすることにより形成することができる。
また、包装袋10は、図1に示すように、易開封手段31を備えていてもよい。
易開封手段31としては、例えば、図1に示すように、引き裂きの起点となるノッチ部32や、引き裂く際の経路として、レーザー加工やカッターなどにより形成されたハーフカット線33などが挙げられる。
また、包装容器は、図2に示すように、注出用ノズル部41を備えるスタンドパウチ20であってもよい。
また、開封容易性の観点から、図2に示されるような、スタンドパウチ20が内側に湾曲した湾曲部42を備えていてもよい。
さらに、レーザー光線などにより形成される切り取り部43を備えていてもよい。
以下、本発明の包装袋を構成する積層体について説明する。
(第1の態様に係る積層体)
第1の態様において、積層体50は、図3に示すように、基材51と、蒸着膜52と、シーラント層53とを備え、該基材51は、ポリエチレン樹脂層54と、表面樹脂層55とを備える。蒸着膜52は、基材51の表面樹脂層55と隣接して設けられる。
積層体が備える基材のポリエチレン樹脂層と、シーラント層とは、同一の樹脂、すなわち、ポリエチレン樹脂を含んでなり、このような構成を有する積層体は、モノマテリアル包装容器の作製するための積層体として好適に使用することができる。
包装袋を構成する積層体に含まれる固形分の総量に対するポリエチレン樹脂の含有量は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。これにより、モノマテリアル包装容器(包装袋)の作製に好適に使用することができる積層体とすることができる。
また、一実施形態において、基材51は、図4に示すように、ポリエチレン樹脂層54と、表面樹脂層55との間に、接着性樹脂層56とをさらに備えることができる。
さらに、一実施形態において、積層体50は、蒸着膜52とシーラント層53との間にバリアコート層を備える(図示せず)。
さらに、一実施形態において、積層体50は、任意の層間に接着層を備える(図示せず)。
以下、第1の態様に係る積層体が備える各層について説明する。
(基材)
基材は、ポリエチレン樹脂層および表面樹脂層を少なくとも備える。また、一実施形態において、基材は、ポリエチレン樹脂層と表面樹脂層との間に、接着性樹脂層を備える。
基材の総厚さに対する、表面樹脂層の厚さの割合は、2%以上20%以下であることが好ましく、4%以上15%以下であることがより好ましい。
基材の総厚さに対する、表面樹脂層の厚さの割合を、2%以上とすることにより、蒸着膜の密着性をより向上することができ、ガスバリア性をより向上することができる。
また、基材の総厚さに対する、表面樹脂層の厚さの割合を、20%以下とすることにより、モノマテリアル包装容器の作製に好適に使用することができる積層体とすることができる。さらに、基材の製膜性および加工適性をより向上することができる。
(ポリエチレン樹脂層)
ポリエチレン樹脂層は、ポリエチレン樹脂により構成される。
ポリエチレン樹脂としては、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)および超低密度ポリエチレン樹脂(VLDPE)を使用することができる。
また、ポリエチレン樹脂として、エチレンと、その他のモノマーとの共重合体を使用することもできる。
さらに、ポリエチレン樹脂として、バイオマス由来のポリエチレン樹脂や、メカニカルリサイクルまたはケミカルリサイクルされたポリエチレン樹脂を使用することもできる。
ここで、高密度ポリエチレン樹脂としては、密度が0.945g/cm以上のポリエチレン樹脂を使用することができ、中密度ポリエチレン樹脂としては、密度が0.925g/cm以上0.945g/cm未満のポリエチレン樹脂を使用することができ、低密度ポリエチレン樹脂としては、密度が0.900g/cm以上0.925g/cm未満のポリエチレン樹脂を使用することができ、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂としては、密度が0.900g/cm以上0.925g/cm未満のポリエチレン樹脂を使用することができ、超低密度ポリエチレン樹脂としては、密度が0.900g/cm未満のポリエチレン樹脂を使用することができる。
ポリエチレン樹脂層におけるポリエチレン樹脂の含有量は、70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。これにより、モノマテリアル包装容器の作製により好適に積層体を使用することができる。
一実施形態において、ポリエチレン樹脂層は、相溶化剤を含む層を少なくとも1層備えていてもよい。
ポリエチレン樹脂層が、相溶化剤を含むことにより、積層体を用いて作製した包装容器を加熱溶融し、リサイクルする際において、表面樹脂層に含まれる融点150℃以上の樹脂材料と、ポリエチレン樹脂層に含まれるポリエチレン樹脂とが、均一に混ざり合い、その物性が低下してしまうことを効果的に防止することができる。また、その透明性が低下してしまうことを効果的に防止することができる。
なお、ポリエチレン樹脂層が多層構造を有する場合において、相溶化剤は、ポリエチレン樹脂層の表面樹脂層に接する層に含まれることが好ましい。相溶化剤をポリエチレン樹脂層の表面樹脂層に接する層に含有させることにより、上記効果をより向上することができる。
相溶化剤は、従来公知のものを適宜選択し、使用することができるが、リサイクル性の観点から、不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン樹脂が好ましく、中でも、無水マレイン酸変性ポリエチレン樹脂がより好ましい。
相溶化剤を含む層における相溶化剤の含有量は、5質量%以上30質量%以下であることが好ましい。
ポリエチレン樹脂層における相溶化剤の含有量を5質量%以上とすることにより、上記効果をより向上することができる。
ポリエチレン樹脂層における相溶化剤の含有量を30質量%以下とすることにより、基材の強度および耐熱性を向上することができる。
本発明の特性を損なわない範囲において、ポリエチレン樹脂層は、ポリエチレン樹脂以外の樹脂材料を含んでいても良く、例えば、ポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ビニル樹脂、セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂およびアイオノマー樹脂などが挙げられる。
なお、ポリエチレン樹脂層は、そのリサイクル適性という観点からは、ポリエチレン樹脂以外の樹脂を含まないことが特に好ましい。
また、本発明の特性を損なわない範囲において、ポリエチレン樹脂層は、添加剤を含むことができ、例えば、架橋剤、酸化防止剤、アンチブロッキング剤、滑(スリップ)剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、顔料および改質用樹脂などが挙げられる。
基材が備える、ポリエチレン樹脂層は、単層構造を有するものであっても、多層構造を有するものであってもよい。
多層構造を有するポリエチレン樹脂層において、各層を構成するポリエチレン樹脂の密度は異なっていてもよく、すなわち、ポリエチレン樹脂層には、密度勾配が設けられていてもよい。
ポリエチレン樹脂層に密度勾配を設けることにより、その強度、耐熱性および延伸適性が顕著に向上される。
密度勾配が設けられたポリエチレン樹脂層において、各層の密度差が大きい場合、界面における剥離(デラミネーション)が発生してしまうおそれがある。そのため、各層間の密度差は、0.04g/cm以下であることが好ましく、0.02g/cm以下であることがさらに好ましい。
以下に、密度勾配が設けられたポリエチレン樹脂層の実施形態を例示する。なお、ポリエチレン樹脂層の構成はこれらに限定されるものではない。
一実施形態において、密度勾配が設けられたポリエチレン樹脂層は、高密度ポリエチレン樹脂を含む層と、中密度ポリエチレン樹脂を含む層と、高密度ポリエチレン樹脂を含む層との3層からなる。
ポリエチレン樹脂層を上記のような密度勾配が設けられた3層構成とすることにより、強度、耐熱性および延伸適性が顕著に向上される。また、基材において、カールが発生してしまうことを効果的に防止することができる。
一実施形態において、密度勾配が設けられたポリエチレン樹脂層は、高密度ポリエチレンを含む層と、中密度ポリエチレン樹脂を含む層と、低密度ポリエチレン樹脂および直鎖状低密度ポリエチレン樹脂の少なくとも一方を含む層と、中密度ポリエチレン樹脂を含む層と、高密度ポリエチレン樹脂を含む層との5層からなる。
ポリエチレン樹脂層を上記のような密度勾配が設けられた5層構成とすることにより、強度、耐熱性および延伸適性が顕著に向上される。また、基材において、カールが発生してしまうことを効果的に防止することができる。
このような構成のポリエチレン樹脂層は、以下のような、インフレーション法により安定して作製することができる。
具体的には、外側から、高密度ポリエチレン樹脂と、中密度ポリエチレン樹脂と、低密度ポリエチレン樹脂および直鎖状低密度ポリエチレン樹脂の少なくとも一方と、をチューブ状に共押出し、
次いで、低密度ポリエチレン樹脂および直鎖状低密度ポリエチレン樹脂の少なくとも一方を含む層同士を、これをゴムロールなどにより、圧着することによって作製することができる。
このような方法により作製することにより、製造における欠陥品数を顕著に低減することができ、最終的には、生産効率を向上することができる。
一実施形態において、密度勾配が設けられたポリエチレン樹脂層は、高密度ポリエチレン樹脂を含む層と、高密度ポリエチレン樹脂および中密度ポリエチレン樹脂のブレンド樹脂を含む層と、低密度ポリエチレン樹脂および直鎖状低密度ポリエチレン樹脂の少なくとも一方を含む層と、高密度ポリエチレン樹脂および中密度ポリエチレン樹脂のブレンド樹脂を含む層と、高密度ポリエチレン樹脂を含む層との7層からなる。
ポリエチレン樹脂層を上記のような密度勾配が設けられた5層構成とすることにより、強度、耐熱性および延伸適性が顕著に向上される。また、基材において、カールが発生してしまうことを効果的に防止することができる。さらに、基材におけるデラミネーションが発生してしまうことを効果的に防止することができる。
また、このような構成のポリエチレン樹脂層は、上記したインフレーション方により安定して作製することができる。
ポリエチレン樹脂層の厚さは、10μm以上50μm以下であることが好ましく、10μm以上40μm以下であることがより好ましい。
ポリエチレン樹脂層の厚さを10μm以上とすることにより、基材の強度および耐熱性をより向上することができる。
また、ポリエチレン樹脂層の厚さを50μm以下とすることにより、基材の製膜性および加工適性をより向上することができる。
ポリエチレン樹脂層は、その表面に印刷層を有していてもよく、印刷層に形成される画像は、特に限定されず、文字、柄、記号およびこれらの組み合わせなどが表される。
基材への印刷層形成は、バイオマス由来のインキを用いて行うことができる。これにより、環境負荷を低減することができる。
印刷層の形成方法は、特に限定されるものではなく、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法などの従来公知の印刷法を挙げることができる。
(表面樹脂層)
積層体が備える基材は、ポリエチレン樹脂層上に、融点が150℃以上の樹脂材料(以下、場合により高融点樹脂材料という)を含む、表面樹脂層を備える。
高融点樹脂材料の融点は、160℃以上であることがより好ましい。
高融点樹脂材料の融点を160℃以上とすることにより、蒸着膜の密着性をより向上することができ、ガスバリア性をより向上することができる。また、シーラント層を積層したとき、該シーラント層との密着性を向上することができ、この積層体により作製される包装容器のラミネート強度をより向上することができる。
高融点樹脂材料の融点は、265℃以下であることが好ましく、260℃以下であることがより好ましく、250℃以下であることがさらに好ましい。高融点樹脂材料の融点を265℃以下とすることにより、基材の製膜性を向上することができる。
表面樹脂層に含まれる高融点樹脂材料の融点と、ポリエチレン樹脂層に含まれるポリエチレンの融点との差は、20〜80℃であることが好ましく、20〜60℃であることがより好ましい。
表面樹脂層に含まれる高融点樹脂材料の融点と、ポリエチレン樹脂層に含まれるポリエチレンの融点の差が、20℃以上であることにより、蒸着膜の密着性をより向上することができ、蒸着膜を形成した基材のガスバリア性をより向上することができる。また、シーラント層を積層したとき、該シーラント層との密着性を向上することができ、この積層体により作製される包装容器のラミネート強度をより向上することができる。
また、表面樹脂層に含まれる高融点樹脂材料の融点と、ポリエチレン樹脂層に含まれるポリエチレンの融点の差が、80℃以下であることにより、基材の製膜性をより向上することができる。
一実施形態において、高融点樹脂材料は、極性基を有する重合体からなる。高融点樹脂材料が、極性基を有する重合体からなることにより、蒸着膜との密着性をより向上することができる。
本発明において、極性基とは、ヘテロ原子を1個以上含む基を指し、例えば、エステル基、エポキシ基、水酸基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、カルボニル基、カルボン酸無水物基、スルフォン基、チオール基およびハロゲン基などが挙げられる。
これらの中でも、包装容器のラミネート強度の観点からは、水酸基、エステル基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基およびカルボニル基が好ましく、水酸基がより好ましい。
高融点樹脂材料は、例えば、ビニル樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、(メタ)アクリル樹脂、セルロース樹脂、ポリオレフィン樹脂およびアイオノマー樹脂などが挙げられる。
本発明においては、融点が150℃以上であり、極性基を有する樹脂材料が特に好ましく、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6−ナイロン6,6共重合体、MXDナイロン、アモルファスナイロンなどのアミド樹脂が好ましく、エチレンビニルアルコール共重合体及びアミド樹脂が特に好ましい。
このような樹脂材料を使用することにより、表面樹脂層上に形成される蒸着膜の密着性を顕著に改善することができ、ガスバリア性を効果的に向上することができる。
表面樹脂層における高融点樹脂材料の含有量は、70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。表面樹脂層における高融点樹脂材料の含有量を70質量%以上とすることにより、表面樹脂層上に形成される蒸着膜の密着性を顕著に向上することができ、蒸着膜を形成した基材のガスバリア性を効果的に向上することができる。
本発明の特性を損なわない範囲において、表面樹脂層は、高融点樹脂材料以外の樹脂材料を含んでいても良い。
なお、蒸着膜との密着性という観点からは、表面樹脂層は、高融点樹脂材料以外の樹脂材料を含まないことが好ましい。
また、本発明の特性を損なわない範囲において、表面樹脂層は、添加剤を含むことができ、例えば、架橋剤、酸化防止剤、アンチブロッキング剤、滑(スリップ)剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、顔料および改質用樹脂などが挙げられる。
表面樹脂層の厚さは、0.1μm以上5μm以下であることが好ましく、0.1μm以上4μm以下であることがより好ましい。
表面樹脂層の厚さを0.1μm以上とすることにより、蒸着膜の密着性をより向上することができ、蒸着膜を形成した基材のガスバリア性をより向上することができる。また、シーラント層を積層したとき、該シーラント層との密着性を向上することができ、この積層体により作製される包装容器のラミネート強度をより向上することができる。
また、表面樹脂層の厚さを5μm以下とすることにより、モノマテリアル包装容器の作製に好適に使用することができる基材とすることができる。さらに、基材の製膜性および加工適性をより向上することができる。
また、基材が備える表面樹脂層は、表面処理が施されていてもよい。これにより、隣接する層との密着性を向上することができる。
表面処理の方法は特に限定されず、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガスおよび/または窒素ガスなどを用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理などの物理的処理、並びに化学薬品を用いた酸化処理などの化学的処理が挙げられる。
表面樹脂層の厚さは、0.1μm以上5μm以下であることが好ましく、0.1μm以上4μm以下であることがより好ましい。
表面樹脂層の厚さを0.1μm以上とすることにより、蒸着膜の密着性をより向上することができ、蒸着膜を形成した基材のガスバリア性をより向上することができる。また、シーラント層を積層したとき、該シーラント層との密着性を向上することができ、この積層体により作製される包装容器のラミネート強度をより向上することができる。
また、表面樹脂層の厚さを5μm以下とすることにより、モノマテリアル包装容器の作製に好適に使用することができる基材とすることができる。さらに、基材の製膜性および加工適性をより向上することができる。
また、基材が備える表面樹脂層は、表面処理が施されていてもよい。これにより、隣接する層との密着性を向上することができる。
表面処理の方法は特に限定されず、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガスおよび/または窒素ガスなどを用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理などの物理的処理、並びに化学薬品を用いた酸化処理などの化学的処理が挙げられる。
(接着性樹脂層)
一実施形態において、基材は、ポリエチレン樹脂層と、表面樹脂層との間に、接着性樹脂層を備えることができ、これにより、これら層間の密着性を向上することができる。
接着性樹脂層は、ポリエーテル、ポリエステル、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ビニル樹脂、フェノール樹脂およびポリオレフィンなどの接着性樹脂を使用することにより形成することができる。
上記した中でも、積層体をモノマテリアル包装容器により適した構成にすることができるため、ポリオレフィンおよびこの酸変性物が好ましく、ポリエチレンおよびこの酸変性物が特に好ましい。
接着性ポリエチレンとしては、市販されるものを使用することができ、例えば、三井化学(株)製、アドマーシリーズを使用することができる。
接着性樹脂層の厚さは特に限定されるものではないが、例えば、1μm以上15μm以下とすることができる。接着性樹脂層の厚さを1μm以上とすることにより、ポリエチレン樹脂層と、表面樹脂層との密着性をより向上することができる。接着層の厚さを15μm以下とすることにより、基材の加工適性を向上することができる。
基材は、延伸処理が施されており、該延伸処理は一軸延伸であっても良く、二軸延伸であっても良い。
基材の縦方向(MD方向)および横方向(TD方向)への延伸倍率は、2倍以上15倍以下であることが好ましく、5倍以上13倍以下であることが好ましい。
延伸倍率を2倍以上とすることにより、基材の強度および耐熱性をより向上することができる。また、基材への印刷適性を向上することができる。
また、基材の破断限界という観点からは、延伸倍率は15倍以下であることが好ましい。
一実施形態において、基材は、共押フィルムであり、Tダイ法またはインフレーション法などを利用して製膜し、樹脂フィルムとした後、延伸することにより作製することができる。
インフレーション法により製膜することにより、樹脂フィルムの延伸を同時に行うことができる。
(蒸着膜)
積層体は、表面樹脂層上にこれと隣接するように蒸着膜を備える。積層体においては、蒸着膜と表面樹脂層とは高い密着性を有しており、極めて高いガスバリア性、具体的には、酸素バリア性および水蒸気バリア性を有する。
また、積層体が蒸着膜を備えることにより、積層体を用いて作製した包装容器は、その内部に充填された内容物の質量減少を抑えることができる。
蒸着膜は、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)等の1種又は2種以上の無機物又は無機酸化物の蒸着膜とすることができる。蒸着膜は、2層以上の構成とすることができ、同一の材料によって構成されていても、異なる材料によって構成されていてもよい。
上記した中でも、表面樹脂層との密着性、およびガスバリア性の観点から、蒸着膜はアルミニウム、酸化アルミニウム(アルミナ)または酸化ケイ素(シリカ)により構成されることが好ましい。
蒸着膜の表面は、上記表面処理が施されていることが好ましい。これにより、隣接する層との密着性を向上することができる。
また、蒸着膜の厚さは、1nm以上150nm以下であることが好ましく、5nm以上60nm以下であることがより好ましく、10nm以上40nm以下であることがさらに好ましい。
蒸着膜の厚さを1nm以上とすることにより、積層体の酸素バリア性および水蒸気バリア性をより向上することができる。
また、蒸着膜の厚さを150nm以下とすることにより、モノマテリアル包装容器の作製に好適に使用することができる積層体とすることができる。さらに、蒸着膜におけるクラックの発生を防止することができる。
蒸着膜の形成方法としては、従来公知の方法を採用でき、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)、あるいは、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)等を挙げることができる。
以下、蒸着膜の形成方法の一実施形態を示すが、蒸着膜の形成方法は、これらに限定されるものではない。
PVD法による蒸着膜の形成方法に使用される装置として、プラズマアシスト付きの真空成膜装置を使用することができる。
プラズマアシスト付きの真空成膜装置を使用した蒸着膜の成膜方法の一実施形態を以下に記載する。
一実施形態において、真空成膜装置は、図5および6に示すように、真空容器A、基材10、巻出し部B、成膜用ドラムC、巻取り部D、搬送ロールE、蒸発源F、反応ガス供給部G、防着箱H、蒸着材料IおよびプラズマガンJを備える。
なお、図5は、真空成膜装置のXZ平面方向の概略断面図であり、図6は、真空成膜装置のXY平面方向の概略断面図である。
図5に示すように、真空容器A内の上部に、成膜用ドラムC法に巻き取られている基材10が、その表面樹脂層面を下向きに配置され、真空容器A内の成膜用ドラムCより下に、電気的に接地された防着箱Hが配置される。防着箱Hは底面に、蒸発源Fが配置される。蒸発源Fの上面と一定の間隔を空けて対向する位置に、成膜用ドラムCに巻き取られた基材10の表面樹脂層面が位置するように、真空容器A内に成膜用ドラムCが配置される。
また、巻出し部Bと成膜用ドラムCとの間、および成膜用ドラムCと巻き取り部Dとの間に、搬送ロールEが配置される。
なお、真空容器は、真空ポンプと連結している(図示せず)。
蒸発源Fは、蒸着材料Iを保持するためのものであり、加熱装置を備える(図示せず)。
反応ガス供給部Gは、蒸発した蒸着材料と反応する反応ガス(酸素、窒素、ヘリウム、アルゴンおよびこれらの混合ガスなど)を供給する部位である。
蒸発源Fから加熱され、蒸発した蒸着材料Iが、基材10の表面樹脂層上に、向けて照射され、これと同時に、プラズマガンJからも表面樹脂層に向けてプラズマが照射され、蒸着膜は形成される。
本形成方法の詳細は、特開2011−214089号公報において開示される。
プラズマ化学気相成長法に使用されるプラズマ発生装置としては、高周波プラズマ、パルス波プラズマ、マイクロ波プラズマなどの発生装置を使用することができる。また2室以上の成膜室を有する装置を使用してもよい。該装置は、真空ポンプを備え、各成膜室を真空に保持できることが好ましい。
各成膜室における真空度は、1×10〜1×10−6Paであることが好ましい。
プラズマ発生装置を使用した蒸着膜の成膜方法の一実施形態を以下に記載する。
まず、基材を成膜室へ送り出し、補助ロールを介して、所定の速度で、冷却・電極ドラム上に搬送する。
次いで、ガス供給装置から、成膜室内へ、無機酸化物を含む成膜用モノマーガス、酸素ガスおよび不活性ガスなどを含む混合ガス組成物を供給し、表面樹脂層上に、グロー放電によりプラズマを発生させ、これを照射し、表面樹脂層上に無機酸化物を含む蒸着膜を形成する。
本形成方法の詳細は、特開2012−076292号公報において開示される。
蒸着膜の形成方法に使用される装置として、プラズマ前処理室、成膜室を備える、連続蒸着膜成膜装置を使用することができる。
該装置を使用した蒸着膜の成膜方法の一実施形態を以下に記載する。
まず、プラズマ前処理室において、プラズマ供給ノズルから、基材が備える表面樹脂層にプラズマが照射される。次いで、成膜室において、プラズマ処理された表面樹脂層上に、蒸着膜が成膜される。
本形成方法の詳細は、国際公開WO2019/087960号パンフレットにおいて開示される。
(バリアコート層)
積層体は、蒸着膜上にバリアコート層をさらに備えることができる。これにより、積層体の酸素バリア性および水蒸気バリア性を向上することができる。
一実施形態において、バリアコート層は、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ナイロン6、ナイロン6,6およびポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)などのポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、並びに(メタ)アクリル樹脂などのガスバリア性樹脂を含む。
バリアコート層におけるガスバリア性樹脂の含有量は、50質量%以上95質量%以下であることが好ましく、75質量%以上90質量%以下であることがより好ましい。バリアコート層におけるガスバリア性樹脂の含有量を50質量%以上とすることにより、酸素バリア性および水蒸気バリア性をより向上することができる。
バリアコート層の厚さは、0.01μm以上10μm以下であることが好ましく、0.1μm以上5μm以下であることがより好ましい。
バリアコート層の厚さを0.01μm以上とすることにより、積層体の酸素バリア性および水蒸気バリア性をより向上することができる。バリアコート層の厚さを10μm以下とすることにより、積層体の加工適性を向上することができる。また、基材と、ポリエチレン樹脂からなるシーラント層との積層体を用いて作製される包装容器のリサイクル適性を向上することができる。
バリアコート層は、上記材料を水または適当な溶剤に、溶解または分散させ、塗布、乾燥することにより形成することができる。また、市販されるバリアコート剤を塗布、乾燥することによってもバリアコート層を形成することができる。
また、他の実施形態において、バリアコート層は、金属アルコキシドと水溶性高分子との混合物を、ゾルゲル法触媒、水および有機溶剤などの存在下で、ゾルゲル法によって重縮合して得られる金属アルコキシドの加水分解物または金属アルコキシドの加水分解縮合物などの樹脂組成物を少なくとも1種含むガスバリア性塗布膜である。
このようなバリアコート層を蒸着膜上に設けることにより、蒸着膜におけるクラックの発生を効果的に防止することができる。
一実施形態において、金属アルコキシドは、下記一般式で表される。
M(OR
(ただし、式中、R、Rは、それぞれ、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは金属原子を表し、nは0以上の整数を表し、mは1以上の整数を表し、n+mはMの原子価を表す。)
金属原子Mとしては、例えば、珪素、ジルコニウム、チタンおよびアルミニウムなどを使用することができる。
また、RおよびRで表される有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基およびi−ブチル基などのアルキル基を挙げることができる。
上記一般式を満たす金属アルコキシドとしては、例えば、テトラメトキシシラン(Si(OCH)、テトラエトキシシラン(質量%)Si(OC)、テトラプロポキシシラン(Si(OC)、テトラブトキシシラン(Si(OC)などが挙げられる。
また、上記金属アルコキシドと共に、シランカップリング剤が使用されることが好ましい。
シランカップリング剤としては、既知の有機反応性基含有オルガノアルコキシシランを用いることができる。
水溶性高分子としては、ポリビニルアルコールおよびエチレン−ビニルアルコール共重合体が好ましく、酸素バリア性、水蒸気バリア性、耐水性および耐候性という観点からは、これらを併用することが好ましい。
ガスバリア性塗布膜の厚さは、0.01μm以上10μm以下であることが好ましく、0.1μm以上5μm以下であることがより好ましい。
ガスバリア性塗布膜の厚さを0.01μm以上とすることにより、積層体の酸素バリア性および水蒸気バリア性を向上することができる。また、蒸着膜におけるクラックの発生を防止することができる。
ガスバリア性塗布膜の厚さを10μm以下とすることにより、モノマテリアル包装容器の作製に好適に使用することができる積層体とすることができる。
ガスバリア性塗布膜は、上記材料を含む組成物を、グラビアロールコーターなどのロールコート、スプレーコート、スピンコート、ディッピング、刷毛、バーコード、アプリケータなどの従来公知の手段により、塗布し、その組成物をゾルゲル法により重縮合することにより形成させることができる。
ゾルゲル法触媒としては、酸またはアミン系化合物が好適である。
上記組成物は、さらに酸を含んでいてもよい。酸は、ゾル−ゲル法の触媒、主としてアルコキシドやシランカップリング剤などの加水分解のための触媒として用いられる。
酸としては、硫酸、塩酸、硝酸などの鉱酸、ならびに酢酸、酒石酸などの有機酸が用いられる。
また、上記組成物は、有機溶剤を含んでいてもよい。有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノールなどを用いることができる。
以下、ガスバリア性塗布膜の形成方法の一実施形態について以下に説明する。
まず、金属アルコキシド、水溶性高分子、ゾルゲル法触媒、水、有機溶媒および必要に応じてシランカップリング剤などを混合し、組成物を調製する。該組成物中では次第に重縮合反応が進行する。
次いで、蒸着膜上に、上記従来公知の方法により、該組成物を塗布、乾燥する。この乾燥により、アルコキシドおよび水溶性高分子(組成物が、シランカップリング剤を含む場合は、シランカップリング剤も)の重縮合反応がさらに進行し、複合ポリマーの層が形成される。
最後に、加熱することにより、ガスバリア性塗布膜を形成することができる。
(シーラント層)
一実施形態において、シーラント層は、基材のポリエチレン樹脂層と同一の樹脂、すなわち、ポリエチレン樹脂を含む。このような構成を有する積層体は、モノマテリアル包装容器の作製するための積層体として好適に使用することができる。
ポリエチレン樹脂としては、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)および超低密度ポリエチレン樹脂(VLDPE)を使用することができる。
また、ポリエチレン樹脂として、エチレンと、その他のモノマーとの共重合体を使用することもできる。
さらに、ポリエチレン樹脂として、バイオマス由来のポリエチレン樹脂や、メカニカルリサイクルまたはケミカルリサイクルされたポリエチレン樹脂を使用することもできる。
シーラント層におけるポリエチレン樹脂の含有量は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。これにより、モノマテリアル包装容器の作製に好適に使用することができる積層体とすることができる。
本発明の特性を損なわない範囲において、シーラント層は、ポリエチレン樹脂以外の樹脂材料を含んでいても良く、例えば、ポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ビニル樹脂、セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂およびアイオノマー樹脂などが挙げられる。
なお、シーラント層は、そのリサイクル適性という観点からは、ポリエチレン樹脂以外の樹脂を含まないことが特に好ましい。
本発明の特性を損なわない範囲において、シーラント層は、上記添加材を含むことができる。
シーラント層は、単層構造を有するものであってもよく、多層構造を有するものであってもよい。
シーラント層の厚さは、20μm以上100μm以下であることが好ましく、30μm以上70μm以下であることがより好ましい。
シーラント層の厚さを20μm以上とすることにより、包装容器のラミネート強度をより向上することができる。
また、シーラント層の厚さを100μm以下とすることにより、積層体の成形性を向上することができ、より容易に包装容器を作製することができる。
シーラント層は、従来公知の接着剤などを介して、ポリエチレン樹脂などの上記樹脂材料から構成される樹脂フィルムを、表面蒸着膜上に設けられた蒸着膜、またはバリアコート層とラミネートすることにより形成することができる。
また、シーラント層は、上記樹脂材料を、表面蒸着膜上に設けられた蒸着膜、またはバリアコート層上に、溶融押出することにより形成することができる。
また、積層体をラミネートチューブなどの作製に使用する場合、積層体50は、基材51の蒸着膜非形成面に、シーラント層53をさらに備える(図示せず)。
(接着層)
積層体は、任意の層間に、接着層を備えることができる。
接着層は、少なくとも1種の接着剤を含み、1液硬化型若しくは2液硬化型、または非硬化型のいずれも接着剤であってもよい。また、接着剤は、無溶剤型の接着剤であっても、溶剤型の接着剤であってもよいが、環境負荷の観点からは、無溶剤型の接着剤が好ましく使用できる。
無溶剤型接着剤としては、例えば、ポリエーテル系接着剤、ポリエステル系接着剤、シリコーン系接着剤、エポキシ系接着剤およびウレタン系接着剤などが挙げられ、これらのなかでも2液硬化型のウレタン系接着剤を好ましく使用することができる。
溶剤型接着剤としては、例えば、ゴム系接着剤、ビニル系接着剤、シリコーン系接着剤、エポキシ系接着剤、フェノール系接着剤およびオレフィン系接着剤などが挙げられる。
接着層の厚さは、1μm以上15μm以下であることが好ましく、3μm以上10μm以下であることがより好ましい。接着層の厚さを1μm以上とすることにより、層間の密着性を向上することができる。また、接着層の厚さを15μm以下とすることにより、包装袋のリサイクル適性を向上することができる。
(第2の態様に係る積層体)
積層体60は、図7に示すように、基材61と、中間層62と、シーラント層63とを備え、該中間層62は、蒸着膜64と、表面樹脂層65と、ポリエチレン樹脂層66とを備える。
積層体が備える中間層のポリエチレン樹脂層と、基材と、シーラント層とは、同一の樹脂、すなわち、ポリエチレン樹脂を含んでなり、このような構成を有する積層体は、モノマテリアル包装容器の作製するための積層体として好適に使用することができる。
包装袋を構成する積層体に含まれる固形分の総量に対するポリエチレン樹脂の含有量は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。これにより、モノマテリアル包装容器(包装袋)の作製に好適に使用することができる積層体とすることができる。
なお、図7では、蒸着膜64と、基材61とが隣接する形態を示したが、これに限定されるものではなく、図8に示すように、蒸着膜64はシーラント層63に隣接するものであってもよい。
バリア性積層体60により作製される本発明の包装袋のヒートシール性という観点からは、蒸着膜14は、図8に示すように、基材51と隣接して設けられていることが好ましい。
また、一実施形態において、中間層62は、図9に示すように、表面樹脂層65と、ポリエチレン樹脂層66との間に、接着性樹脂層67とをさらに備えることができる。
さらに、一実施形態において、積層体60は、蒸着膜64と隣接して、バリアコート層を備える(図示せず)。
さらに、一実施形態において、積層体60は、任意の層間、例えば、基材61と中間層62との間や、中間層62とシーラント層63との間に、接着層を備える(図示せず)。
以下、第2の態様に係る積層体が備える各層について説明する。
(基材)
基材は、中間層のポリエチレン樹脂層およびシーラント層と同一の樹脂、すなわち、ポリエチレン樹脂を含む。このような構成を有する積層体は、モノマテリアル包装容器の作製するための積層体として好適に使用することができる。
ポリエチレン樹脂としては、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)および超低密度ポリエチレン樹脂(VLDPE)を使用することができる。
また、ポリエチレン樹脂として、エチレンと、その他のモノマーとの共重合体を使用することもできる。
さらに、ポリエチレン樹脂として、バイオマス由来のポリエチレン樹脂や、メカニカルリサイクルまたはケミカルリサイクルされたポリエチレン樹脂を使用することもできる。
基材におけるポリエチレン樹脂の含有量は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。これにより、モノマテリアル包装容器の作製に好適に使用することができる積層体とすることができる。
本発明の特性を損なわない範囲において、基材は、ポリエチレン樹脂以外の樹脂材料を含んでいても良く、例えば、ポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ビニル樹脂、セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂およびアイオノマー樹脂などが挙げられる。
なお、基材は、そのリサイクル適性という観点からは、ポリエチレン樹脂以外の樹脂を含まないことが特に好ましい。
本発明の特性を損なわない範囲において、基材は、上記添加材を含むことができる。
基材は、単層構造を有するものであってもよく、多層構造を有するものであってもよい。
多層構造を有する基材において、各層を構成するポリエチレン樹脂の密度は異なっていてもよく、すなわち、基材には、密度勾配が設けられていてもよい。
基材に密度勾配を設けることにより、その強度、耐熱性および延伸適性が顕著に向上される。
密度勾配が設けられた基材において、各層の密度差が大きい場合、界面における剥離(デラミネーション)が発生してしまうおそれがある。そのため、各層間の密度差は、0.04g/cm以下であることが好ましく、0.02g/cm以下であることがさらに好ましい。
濃度勾配が設けられた基材の具体的な構成については、第1の態様において示した濃度勾配が設けられたポリエチレン樹脂層と同様であり、ここでは記載を省略する。
一実施形態において、基材は、延伸処理が施されており、該延伸処理は一軸延伸であっても良く、二軸延伸であっても良い。
基材の縦方向(MD方向)および横方向(TD方向)への延伸倍率は、2倍以上15倍以下であることが好ましく、5倍以上13倍以下であることが好ましい。
延伸倍率を2倍以上とすることにより、基材の強度および耐熱性をより向上することができる。また、基材への印刷適性を向上することができる。
また、基材の破断限界という観点からは、延伸倍率は15倍以下であることが好ましい。
基材は、その表面に印刷層を有していてもよく、印刷層に形成される画像は、特に限定されず、文字、柄、記号およびこれらの組み合わせなどが表される。
印刷層形成は、バイオマス由来のインキを用いて行うことができる。これにより、環境負荷を低減することができる。
印刷層の形成方法は、特に限定されるものではなく、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法などの従来公知の印刷法を挙げることができる。
また、基材は、表面処理が施されていることが好ましい。これにより、隣接する層との密着性を向上することができる。
表面処理の方法は特に限定されず、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガスおよび/または窒素ガスなどを用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理などの物理的処理、並びに化学薬品を用いた酸化処理などの化学的処理が挙げられる。
また、基材表面に従来公知のアンカーコート剤を用いて、アンカーコート層を形成してもよい。
基材の厚さは、9μm以上、50μm以下であることが好ましく、12μm以上、30μm以下であることがより好ましい。基材の厚さを上記数値範囲内とすることにより、基材の印刷適性、強度及び耐熱性をより向上することができる。
(中間層)
中間層は、蒸着膜と、表面樹脂層と、ポリエチレン樹脂層とを備える。また、一実施形態において、表面樹脂層とポリエチレン樹脂層との間に、接着性樹脂層を備える。
中間層は、蒸着膜形成面が、基材側となるように設けられていてもよく、シーラント層側となるように設けられていてもよいが、バリア性積層体を用いて作製される本発明の包装袋のヒートシール性という観点からは、中間層は、蒸着膜形成面が基材側となるように設けられることが好ましい。
表面樹脂層、ポリエチレン樹脂層及び接着性樹脂層は、延伸処理が施されており、該延伸処理は一軸延伸であっても良く、二軸延伸であっても良い。
縦方向(MD方向)および横方向(TD方向)への延伸倍率は、2倍以上15倍以下であることが好ましく、5倍以上13倍以下であることが好ましい。
延伸倍率を2倍以上とすることにより、中間層の強度および耐熱性をより向上することができる。また、中間層への印刷適性を向上することができる。
また、破断限界という観点からは、延伸倍率は15倍以下であることが好ましい。
一実施形態において、中間層が備える、表面樹脂層およびポリエチレン樹脂層は、共押フィルムであり、Tダイ法またはインフレーション法などを利用して製膜し、樹脂フィルムとした後、延伸することにより作製することができる。
インフレーション法により製膜することにより、樹脂フィルムの延伸を同時に行うことができる。
(ポリエチレン樹脂層)
ポリエチレン樹脂層の構成は、第1の態様の積層体が備えるものと同様であり、ここでは記載を省略する。
(表面樹脂層)
表面樹脂層の構成は、第1の態様の積層体が備えるものと同様であり、ここでは記載を省略する。
(接着性樹脂層)
接着性樹脂層の構成は、第1の態様の積層体が備えるものと同様であり、ここでは記載を省略する。
(蒸着膜)
蒸着膜の構成は、第1の態様の積層体が備えるものと同様であり、ここでは記載を省略する。
(バリアコート層)
バリアコート層の構成は、第1の態様の積層体が備えるものと同様であり、ここでは記載を省略する。
(シーラント層)
シーラント層の構成は、第1の態様の積層体が備えるものと同様であり、ここでは記載を省略する。
(接着層)
接着層の構成は、第1の態様の積層体が備えるものと同様であり、ここでは記載を省略する。
(第3の態様に係る積層体)
積層体70は、図11に示すように、基材71と、蒸着膜72と、シーラント層73とを備え、該シーラント層73は、表面樹脂層74と、ポリエチレン樹脂層75とを備える。
積層体が備えるシーラント層のポリエチレン樹脂層と、基材とは、同一の樹脂、すなわち、ポリエチレン樹脂を含んでなり、このような構成を有する積層体は、モノマテリアル包装容器の作製するための積層体として好適に使用することができる。
包装袋を構成する積層体に含まれる固形分の総量に対するポリエチレン樹脂の含有量は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。これにより、モノマテリアル包装容器(包装袋)の作製に好適に使用することができる積層体とすることができる。
また、一実施形態において、シーラント層73は、図12に示すように、表面樹脂層74と、ポリエチレン樹脂層75との間に、接着性樹脂層76とをさらに備えることができる。
さらに、一実施形態において、積層体70は、蒸着膜72と隣接して、バリアコート層を備える(図示せず)。
さらに、一実施形態において、積層体70は、任意の層間、例えば、蒸着膜72とシーラント層73との間に、接着層を備える(図示せず)。
以下、第3の態様に係る積層体が備える各層について説明する。
(基材)
基材の構成は、第2の態様の積層体が備えるものと同様であり、ここでは記載を省略する。
(蒸着膜)
蒸着膜の構成は、第1の態様および第2の態様の積層体が備えるものと同様であり、ここでは記載を省略する。
(シーラント層)
シーラント層は、表面樹脂層と、ポリエチレン樹脂層とを備える。また、一実施形態において、表面樹脂層とポリエチレン樹脂層との間に、接着性樹脂層を備える。
一実施形態において、シーラント層は、共押フィルムであり、Tダイ法またはインフレーション法などを利用して製膜することにより作製することができる。
シーラント層は、ヒートシール性の観点からは、未延伸フィルムにより構成されることが好ましい。
(ポリエチレン樹脂層)
ポリエチレン樹脂層の構成は、第1の態様の積層体が備えるものと同様であり、ここでは記載を省略する。
(表面樹脂層)
表面樹脂層の構成は、第1の態様の積層体が備えるものと同様であり、ここでは記載を省略する。
(接着性樹脂層)
接着性樹脂層の構成は、第1の態様の積層体が備えるものと同様であり、ここでは記載を省略する。
(バリアコート層)
バリアコート層の構成は、第1の態様の積層体が備えるものと同様であり、ここでは記載を省略する。
(接着層)
接着層の構成は、第1の態様の積層体が備えるものと同様であり、ここでは記載を省略する。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1−1
エチレンビニルアルコール共重合体(クラレ(株)製、エバール E171B、融点:165℃、密度:1.14g/cm)と、
接着性樹脂(三井化学(株)製、無水マレイン酸変性ポリエチレン、アドマーNF557、密度0.920g/cm)と、
中密度ポリエチレン(ダウケミカル製、Elite5538、密度:0.941g/cm、融点:129℃)と、
をインフレーション成形法により共押出製膜した後、延伸装置により、縦方向(MD方向)に5倍延伸して、基材を作製した。
このようにして得られた基材において、エチレンビニルアルコール共重合体により構成される表面樹脂層の厚さは2μm、接着性樹脂層の厚さは3μm、中密度ポリエチレンにより構成されるポリエチレン樹脂層の厚さは20μmであった。
基材の表面樹脂層の表面に、PVD法により、圧力:3.0×10−2Paの条件で、厚さ30nmのアルミニウム蒸着膜を形成した。
第一の直鎖状低密度ポリエチレン(プライムポリマー社製、SP2520、密度:0.925g/cm、融点:122℃)と、第二の直鎖状低密度ポリエチレン(プライムポリマー社製、SP1520、密度0.913、融点116℃)をインフレーション成形法により、多層押出製膜し、第一の直鎖状低密度ポリエチレン20μm、第二の直鎖状低密度ポリエチレン20μmの未延伸ポリエチレンフィルムを作製した。
この未延伸ポリエチレンフィルムの第一の直鎖状低密度ポリエチレン面側を、上記形成した基材のアルミニウム蒸着膜上に、2液硬化型ウレタン系接着剤(ロックペイント社製、Ru−77T/H−7)を介してラミネートし、積層体を得た。
積層体におけるポリエチレンの含有量を表1にまとめた。また、以降の実施例および比較例において得られた積層体および積層体におけるポリエチレンの含有量も合わせ表1にまとめた。
実施例1−2
エチレンビニルアルコール共重合体を、ポリアミド(宇部興産(株)製、5033、融点:196℃、密度:1.14g/cm)に変更した以外は、実施例1−1と同様にして、基材を作製した。
このようにして得られた基材において、ポリアミドにより構成される表面樹脂層の厚さは2μm、接着性樹脂層の厚さは3μm、中密度ポリエチレンにより構成されるポリエチレン樹脂層の厚さは20μmであった。
基材を上記のようにして作製した基材に変更した以外は、実施例1−1と同様にして、積層体を作製した。
実施例1−3
エチレンビニルアルコール共重合体(クラレ(株)製、エバール E171B、融点:165℃、密度:1.14g/cm)と、
接着性樹脂(三井化学(株)製、無水マレイン酸変性ポリエチレン、アドマーNF557、密度0.920g/cm)と、
中密度ポリエチレン(ダウケミカル製、Elite5538、密度:0.941g/cm、融点:129℃)および相溶化剤(ダウケミカル製、無水マレイン酸ポリエチレン、リテイン3000、密度:0.87g/cm)を、質量基準で、8:2で含むブレンド樹脂と、
中密度ポリエチレン(ダウケミカル製、Elite5538、密度:0.941g/cm、融点:129℃)と、
をインフレーション成形法により共押出製膜した後、延伸装置により、縦方向(MD方向)に5倍延伸して、基材を作製した。
このようにして得られた基材において、エチレンビニルアルコール共重合体により構成される表面樹脂層の厚さは2μm、接着性樹脂層の厚さは3μm、ブレンド樹脂により構成される第2のポリエチレン樹脂層の厚さは10μm、中密度ポリエチレンにより構成される第1のポリエチレン樹脂層の厚さは10μmであった。
基材を上記のようにして作製した基材に変更した以外は、実施例1−1と同様にして、積層体を作製した。
実施例1−4
エチレンビニルアルコール共重合体を、ポリアミド(宇部興産(株)製、5033、融点:196℃、密度:1.14g/cm)に変更した以外は、実施例1−3と同様にして、基材を作製した。
このようにして得られた基材において、ポリアミドにより構成される表面樹脂層の厚さは2μm、接着性樹脂層の厚さは3μm、ブレンド樹脂により構成される第2のポリエチレン樹脂層の厚さは10μm、中密度ポリエチレンにより構成される第1のポリエチレン樹脂層の厚さは10μmであった。
基材を上記のようにして作製した基材に変更した以外は、実施例1−1と同様にして、積層体を作製した。
比較例1−1
中密度ポリエチレン(ダウケミカル製、Elite5538、密度:0.941g/cm、融点:129℃)をインフレーション成形法により単層押出製膜した後、延伸装置により、縦方向(MD方向)に5倍延伸して、25μmの延伸ポリエチレンフィルムを作製した。
基材を上記のようにして作製した延伸ポリエチレンフィルムに変更した以外は、実施例1−1と同様にして、積層体を作製した。
比較例1−2
厚さ12μmの2軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡(株)製、E5100)を用意した。
基材を上記ポリエステルフィルムに変更した以外は、実施例1−1と同様にして、積層体を作製した。
実施例2−1
アルミニウム蒸着膜を、PVD法により形成した、厚さ20nmの酸化アルミニウム(アルミナ)蒸着膜に変更した以外は、実施例1−1と同様にして、積層体を作製した。
実施例2−2
アルミニウム蒸着膜を、PVD法により形成した、厚さ20nmの酸化アルミニウム(アルミナ)蒸着膜に変更した以外は、実施例1−2と同様にして、積層体を作製した。
実施例2−3
アルミニウム蒸着膜を、PVD法により形成した、厚さ20nmの酸化アルミニウム(アルミナ)蒸着膜に変更した以外は、実施例1−3と同様にして、積層体を作製した。
実施例2−4
アルミニウム蒸着膜を、PVD法により形成した、厚さ20nmの酸化アルミニウム(アルミナ)蒸着膜に変更した以外は、実施例1−4と同様にして、積層体を作製した。
比較例2−1
アルミニウム蒸着膜を、PVD法により形成した、厚さ20nmの酸化アルミニウム(アルミナ)蒸着膜に変更した以外は、比較例1−1と同様にして、積層体を作製した。
比較例2−2
アルミニウム蒸着膜を、PVD法により形成した、厚さ20nmの酸化アルミニウム(アルミナ)蒸着膜に変更した以外は、比較例1−2と同様にして、積層体を作製した。
実施例3−1
アルミニウム蒸着膜を、CVD法により形成した、厚さ20nmの酸化ケイ素(シリカ)蒸着膜に変更した以外は、実施例1−1と同様にして、積層体を作製した。
実施例3−2
アルミニウム蒸着膜を、CVD法により形成した、厚さ20nmの酸化ケイ素(シリカ)蒸着膜に変更した以外は、実施例1−2と同様にして、積層体を作製した。
実施例3−3
アルミニウム蒸着膜を、CVD法により形成した、厚さ20nmの酸化ケイ素(シリカ)蒸着膜に変更した以外は、実施例1−3と同様にして、積層体を作製した。
実施例3−4
アルミニウム蒸着膜を、CVD法により形成した、厚さ20nmの酸化ケイ素(シリカ)蒸着膜に変更した以外は、実施例1−4と同様にして、積層体を作製した。
比較例3−1
アルミニウム蒸着膜を、CVD法により形成した、厚さ20nmの酸化ケイ素(シリカ)蒸着膜に変更した以外は、比較例1−1と同様にして、積層体を作製した。
比較例3−2
アルミニウム蒸着膜を、CVD法により形成した、厚さ20nmの酸化ケイ素(シリカ)蒸着膜に変更した以外は、比較例1−2と同様にして、積層体を作製した。
実施例4−1
中密度ポリエチレン(ダウケミカル製、Elite5538、密度:0.941g/cm、融点:129℃)をインフレーション法により単層押出製膜した後、延伸装置により、縦方向(MD方向)に5倍延伸して、厚さ25μmの基材を作製した。
エチレンビニルアルコール共重合体(クラレ(株)製、エバール E171B、融点:165℃、密度:1.14g/cm)と、
接着性樹脂(三井化学(株)製、無水マレイン酸変性ポリエチレン、アドマーNF557、密度0.920g/cm)と、
中密度ポリエチレン(ダウケミカル製、Elite5538、密度:0.941g/cm、融点:129℃)と、
をインフレーション成形法により共押出製膜した後、延伸装置により、縦方向(MD方向)に5倍延伸して、中間層を作製した。
このようにして得られた中間層において、エチレンビニルアルコール共重合体により構成される表面樹脂層の厚さは2μm、接着性樹脂層の厚さは3μm、中密度ポリエチレンにより構成されるポリエチレン樹脂層の厚さは20μmであった。
中間層の表面樹脂層の表面に、PVD法により、圧力:3.0×10−2Paの条件で、厚さ30nmのアルミニウム蒸着膜を形成した。
基材と、中間層の蒸着膜形成面とを、2液硬化型ウレタン系接着剤(ロックペイント社製、Ru−77T/H−7)を介してラミネートした。
直鎖状低密度ポリエチレン(プライムポリマー社製、SP2520、密度:0.925g/cm、融点:122℃)をTダイ法により、単層押出製膜し、厚さ40μmの未延伸ポリエチレンフィルムを作製した。
この未延伸ポリエチレンフィルムを、中間層の蒸着膜非形成面に、2液硬化型ウレタン系接着剤(ロックペイント社製、Ru−77T/H−7)を介してラミネートし、積層体を得た。
積層体におけるポリエチレンの含有量を表2にまとめた。また、以降の実施例および比較例において得られた積層体および積層体におけるポリエチレンの含有量も合わせ表2にまとめた。
実施例4−2
高密度ポリエチレン(ExxonMobil社製、HTA108、密度:0.961g/cm、融点:135℃)と、
中密度ポリエチレン(ダウケミカル製、Elite5538、密度:0.941g/cm、融点:129℃)と、
高密度ポリエチレン(ExxonMobil社製、HTA108、密度:0.961g/cm、融点:135℃)と、
をインフレーション成形法により共押出製膜した後、延伸装置により、縦方向(MD方向)に5倍延伸して、基材を作製した。
このようにして得られた基材において、高密度ポリエチレンにより構成される層の厚さは5μm、中密度ポリエチレンにより構成される層の厚さは15μm、高密度ポリエチレンにより構成される層の厚さは5μmであった。
基材を上記のようにして作製した3層構造の基材に変更した以外は、実施例4−1と同様にして、積層体を作製した。
実施例4−3
高密度ポリエチレン(ExxonMobil社製、HTA108、密度:0.961g/cm、融点:135℃)と、
高密度ポリエチレン(ExxonMobil社製、HTA108、密度:0.961g/cm、融点:135℃)および中密度ポリエチレン(ダウケミカル製、Elite5538、密度:0.941g/cm、融点:129℃)を、質量基準で、4:6で含むブレンド樹脂と、
中密度ポリエチレン(ダウケミカル製、Elite5538、密度:0.941g/cm、融点:129℃)と、
超低密度ポリエチレン(ダウケミカル製、Affinity EG810G、密度:0.870g/cm、融点:55℃)と、
を、インフレーション成形法により、外側から、高密度ポリエチレンにより構成される層、ブレンド樹脂により構成される層、中密度ポリエチレンにより構成される層および超低密度ポリエチレンにより構成される層を備える、チューブ状のフィルムとして、押し出し、内側の超低密度ポリエチレンにより構成される層同士を、ゴムロールを使用して圧着した。
このようにして得られるフィルムは、高密度ポリエチレンにより構成される層、ブレンド樹脂により構成される層、中密度ポリエチレンにより構成される層、超低密度ポリエチレンにより構成される層、中密度ポリエチレンにより構成される層、ブレンド樹脂により構成される層および高密度ポリエチレンにより構成される層を備えていた。
上記のようにして得られたフィルムを延伸装置により、縦方向(MD方向)に5倍延伸して、基材を作製した。
このようにして得られるフィルムにおいて、高密度ポリエチレンにより構成される層の厚さは2.5μm、ブレンド樹脂により構成される層は2.5μm、中密度ポリエチレンにより構成される層の厚さは6.25μm、超低密度ポリエチレンにより構成される層の厚さは2.5μm、中密度ポリエチレンにより構成される層の厚さは6.25μm、ブレンド樹脂により構成される層の厚さは2.5μmおよび高密度ポリエチレンにより構成される層の厚さは2.5μmであった。
基材を上記のようにして作製した7層構造の基材に変更した以外は、実施例4−1と同様にして、積層体を作製した。
実施例4−4
エチレンビニルアルコール共重合体を、ポリアミド(宇部興産(株)製、5033、融点:196℃、密度:1.14g/cm)に変更した以外は、実施例4−1と同様にして、中間層を作製した。
このようにして得られた中間層において、ポリアミドにより構成される表面樹脂層の厚さは2μm、接着性樹脂層の厚さは3μm、中密度ポリエチレンにより構成されるポリエチレン樹脂層の厚さは20μmであった。
中間層を上記のようにして作製した中間層に変更した以外は、実施例4−1と同様にして、積層体を作製した。
実施例4−5
エチレンビニルアルコール共重合体(クラレ(株)製、エバール E171B、融点:183℃、密度:1.14g/cm)と、
接着性樹脂(三井化学(株)製、アドマーNF557)と、
中密度ポリエチレン(ダウケミカル製、Elite5538、密度:0.941g/cm、融点:129℃)および相溶化剤(ダウケミカル製、無水マレイン酸ポリエチレン、リテイン3000、密度:0.87g/cm)を、質量基準で、8:2で含むブレンド樹脂と、
中密度ポリエチレン(ダウケミカル製、Elite5538、密度:0.941g/cm、融点:129℃)と、
をインフレーション成形法により共押出製膜した後、延伸装置により、縦方向(MD方向)に5倍延伸して、中間層を作製した。
このようにして得られた中間層において、エチレンビニルアルコール共重合体により構成される表面樹脂層の厚さは2μm、接着性樹脂層の厚さは3μm、ブレンド樹脂により構成される第2のポリエチレン樹脂層の厚さは10μm、中密度ポリエチレンにより構成される第1のポリエチレン樹脂層の厚さは10μmであった。
中間層を上記のようにして作製した中間層に変更した以外は、実施例4−1と同様にして、積層体を作製した。
実施例4−6
エチレンビニルアルコール共重合体を、ポリアミド(宇部興産(株)製、5033、融点:196℃、密度:1.14g/cm)に変更した以外は、実施例4−5と同様にして、中間層を作製した。
このようにして得られた中間層において、ポリアミドにより構成される表面樹脂層の厚さは2μm、接着性樹脂層の厚さは3μm、ブレンド樹脂により構成される第2のポリエチレン樹脂層の厚さは10μm、中密度ポリエチレンにより構成される第1のポリエチレン樹脂層の厚さは10μmであった。
中間層を上記のようにして作製した中間層に変更した以外は、実施例4−1と同様にして、積層体を作製した。
比較例4−1
中密度ポリエチレン(ダウケミカル製、Elite5538、密度:0.941g/cm、融点:129℃)をインフレーション成形法により単層押出製膜した後、延伸装置により、縦方向(MD方向)に5倍延伸して、25μmの延伸ポリエチレンフィルムを作製した。
中間層を上記のようにして作製した延伸ポリエチレンフィルムに変更した以外は、実施例4−1と同様にして、積層体を作製した。
比較例4−2
厚さ12μmの2軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡(株)製、E5100)を用意した。
中間層を上記ポリエステルフィルムに変更した以外は、実施例4−1と同様にして、積層体を作製した。
実施例5−1
中密度ポリエチレン(ダウケミカル製、Elite5538、密度:0.941g/cm、融点:129℃)をインフレーション法により単層押出製膜した後、延伸装置により、縦方向(MD方向)に5倍延伸して、厚さ25μmの基材を作製した。
エチレンビニルアルコール共重合体(クラレ(株)製、エバール E171B、融点:165℃、密度:1.14g/cm)と、
接着性樹脂(三井化学(株)製、無水マレイン酸変性ポリエチレン、アドマーNF557、密度0.920g/cm)と、
中密度ポリエチレン(ダウケミカル製、Elite5538、密度:0.941g/cm、融点:129℃)と、
をTダイ法により共押出製膜し、厚さ40μmのシーラント層を得た。
このようにして得られたシーラント層において、エチレンビニルアルコール共重合体により構成される表面樹脂層の厚さは2μm、接着性樹脂層の厚さは3μm、中密度ポリエチレンにより構成されるポリエチレン樹脂層の厚さは35μmであった。
シーラント層の表面樹脂層の表面に、PVD法により、圧力:3.0×10−2Paの条件で、厚さ30nmのアルミニウム蒸着膜を形成した。
基材と、シーラント層の蒸着膜形成面とを、2液硬化型ウレタン系接着剤(ロックペイント社製、Ru−77T/H−7)を介してラミネートし、積層体を得た。
積層体におけるポリエチレンの含有量を表3にまとめた。また、以降の実施例および比較例において得られた積層体および積層体におけるポリエチレンの含有量も合わせ表3にまとめた。
実施例5−2
高密度ポリエチレン(ExxonMobil社製、HTA108、密度:0.961g/cm、融点:135℃)と、
中密度ポリエチレン(ダウケミカル製、Elite5538、密度:0.941g/cm、融点:129℃)と、
高密度ポリエチレン(ExxonMobil社製、HTA108、密度:0.961g/cm、融点:135℃)と、
をインフレーション成形法により共押出製膜した後、延伸装置により、縦方向(MD方向)に5倍延伸して、基材を作製した。
このようにして得られた基材において、高密度ポリエチレンにより構成される層の厚さは5μm、中密度ポリエチレンにより構成される層の厚さは15μm、高密度ポリエチレンにより構成される層の厚さは5μmであった。
基材を上記のようにして作製した3層構造の基材に変更した以外は、実施例5−1と同様にして、積層体を作製した。
実施例5−3
高密度ポリエチレン(ExxonMobil社製、HTA108、密度:0.961g/cm、融点:135℃)と、
高密度ポリエチレン(ExxonMobil社製、HTA108、密度:0.961g/cm、融点:135℃)および中密度ポリエチレン(ダウケミカル製、Elite5538、密度:0.941g/cm、融点:129℃)を、質量基準で、4:6で含むブレンド樹脂と、
中密度ポリエチレン(ダウケミカル製、Elite5538、密度:0.941g/cm、融点:129℃)と、
超低密度ポリエチレン(ダウケミカル製、Affinity EG810G、密度:0.870g/cm、融点:55℃)と、
を、インフレーション成形法により、外側から、高密度ポリエチレンにより構成される層、ブレンド樹脂により構成される層、中密度ポリエチレンにより構成される層および超低密度ポリエチレンにより構成される層を備える、チューブ状のフィルムとして、押し出し、内側の超低密度ポリエチレンにより構成される層同士を、ゴムロールを使用して圧着した。
このようにして得られるフィルムは、高密度ポリエチレンにより構成される層、ブレンド樹脂により構成される層、中密度ポリエチレンにより構成される層、超低密度ポリエチレンにより構成される層、中密度ポリエチレンにより構成される層、ブレンド樹脂により構成される層および高密度ポリエチレンにより構成される層を備えていた。
上記のようにして得られたフィルムを延伸装置により、縦方向(MD方向)に5倍延伸して、基材を作製した。
このようにして得られるフィルムにおいて、高密度ポリエチレンにより構成される層の厚さは2.5μm、ブレンド樹脂により構成される層は2.5μm、中密度ポリエチレンにより構成される層の厚さは6.25μm、超低密度ポリエチレンにより構成される層の厚さは2.5μm、中密度ポリエチレンにより構成される層の厚さは6.25μm、ブレンド樹脂により構成される層の厚さは2.5μmおよび高密度ポリエチレンにより構成される層の厚さは2.5μmであった。
基材を上記のようにして作製した7層構造の基材に変更した以外は、実施例5−1と同様にして、積層体を作製した。
実施例5−4
エチレンビニルアルコール共重合体を、ポリアミド(宇部興産(株)製、5033、融点:196℃、密度:1.14g/cm)に変更した以外は、実施例5−1と同様にして、シーラント層を作製した。
このようにして得られたシーラント層において、ポリアミドにより構成される表面樹脂層の厚さは2μm、接着性樹脂層の厚さは3μm、中密度ポリエチレンにより構成されるポリエチレン樹脂層の厚さは35μmであった。
シーラント層を上記のようにして作製したシーラント層に変更した以外は、実施例5−1と同様にして、積層体を作製した。
実施例5−5
エチレンビニルアルコール共重合体(クラレ(株)製、エバール E171B、融点:183℃、密度:1.14g/cm)と、
接着性樹脂(三井化学(株)製、アドマーNF557)と、
中密度ポリエチレン(ダウケミカル製、Elite5538、密度:0.941g/cm、融点:129℃)および相溶化剤(ダウケミカル製、無水マレイン酸ポリエチレン、リテイン3000、密度:0.87g/cm)を、質量基準で、8:2で含むブレンド樹脂と、
中密度ポリエチレン(ダウケミカル製、Elite5538、密度:0.941g/cm、融点:129℃)と、
をTダイ法により共押出製膜し、シーラント層を作製した。
このようにして得られたシーラント層において、エチレンビニルアルコール共重合体により構成される表面樹脂層の厚さは2μm、接着性樹脂層の厚さは3μm、ブレンド樹脂により構成される第2のポリエチレン樹脂層の厚さは10μm、中密度ポリエチレンにより構成される第1のポリエチレン樹脂層の厚さは10μmであった。
シーラント層を上記のようにして作製したシーラント層に変更した以外は、実施例5−1と同様にして、積層体を作製した。
実施例5−6
エチレンビニルアルコール共重合体を、ポリアミド(宇部興産(株)製、5033、融点:196℃、密度:1.14g/cm)に変更した以外は、実施例1−5と同様にして、シーラント層を作製した。
このようにして得られたシーラント層において、ポリアミドにより構成される表面樹脂層の厚さは2μm、接着性樹脂層の厚さは3μm、ブレンド樹脂により構成される第2のポリエチレン樹脂層の厚さは10μm、中密度ポリエチレンにより構成される第1のポリエチレン樹脂層の厚さは10μmであった。
シーラント層を上記のようにして作製したシーラント層に変更した以外は、実施例5−1と同様にして、積層体を作製した。
比較例5−1
中密度ポリエチレン(ダウケミカル製、Elite5538、密度:0.941g/cm、融点:129℃)をインフレーション成形法により単層押出製膜し、40μmの未延伸ポリエチレンフィルムを作製した。
シーラント層を上記のようにして作製した未延伸ポリエチレンフィルムに変更した以外は、実施例5−1と同様にして、積層体を作製した。
<<ガスバリア性評価>>
実施例および比較例において得られた積層体および積層体の酸素透過度(cc/m・day・atm)および水蒸気透過度(g/m・day)を、以下の方法により測定し、その結果を表1〜3にまとめた。
[酸素透過度]
酸素透過度測定装置(MOCON社製、OX−TRAN2/20)を用いて、試験片の基材面が酸素供給側になるようにセットして、JIS K 7126準拠して、23℃、相対湿度90%RH環境下における酸素透過度を測定した。
[水蒸気透過度]
水蒸気透過度測定装置(MOCON社製、PERMATRAN―w 3/33)を用いて、試験片の基材面が水蒸気供給側になるようにセットして、JIS K 7129に準拠して、40℃、相対湿度90%RH環境下における水蒸気透過度を測定した。
<<ラミネート強度試験>>
上記実施例および比較例において得られた積層体および積層体を15mm巾の短冊状にカットしたサンプルを、引張試験機((株)オリエンテック製、テンシロン万能材料試験機)を用いて、JIS K6854−2に準拠し、蒸着膜と表面樹脂層との間(実施例)、および蒸着膜とポリエチレンフィルムまたはポリエステルフィルムとの間(比較例)のラミネート強度(N/15mm)を、剥離速度50mm/minで90°剥離(T字剥離法)を用いて測定した。測定結果を表1〜3にまとめた。
Figure 2021160260
Figure 2021160260
Figure 2021160260
10:包装袋、20:スタンディングパウチ、31:易開封手段、32:ノッチ部、33:ハーフカット線、41:抽出用ノズル部、42:湾曲部、43:切り取り部、50:第1の態様に係る積層体、51:基材、52:蒸着膜、53:シーラント層、54:ポリエチレン樹脂層、55:表面樹脂層、56:接着性樹脂層、60:第2の態様に係る積層体、61:基材、62:中間層、63:シーラント層、64:蒸着膜、65:表面樹脂層、66:ポリエチレン樹脂層、67:接着性樹脂層、70:第3の態様に係る積層体、71:基材、72:蒸着膜、73:シーラント層、74:表面樹脂層、75:ポリエチレン樹脂層、76:接着性樹脂層

Claims (12)

  1. 少なくとも、基材と蒸着膜とシーラント層とを備えた積層体からなる包装袋であって、
    前記基材が、少なくともポリエチレン樹脂層と表面樹脂層とを備え、
    前記シーラント層が、ポリエチレン樹脂から構成されており、
    前記基材の表面樹脂層は、融点150℃以上の樹脂材料を含み、
    前記蒸着膜は、前記基材の表面樹脂層上に設けられており、
    前記基材は、延伸処理が施されていることを特徴とする、包装袋。
  2. 少なくとも、基材と中間層とシーラント層とを備えた積層体からなる包装袋であって、
    前記中間層が、ポリエチレン樹脂層と表面樹脂層と前記表面樹脂層上に設けられた蒸着膜とを備え、
    前記基材及び前記シーラント層が、共にポリエチレン樹脂から構成されており、
    前記中間層の表面樹脂層は、融点150℃以上の樹脂材料を含み、
    前記中間層のポリエチレン樹脂層及び表面樹脂層は、延伸処理が施されていることを特徴とする、包装袋。
  3. 少なくとも、基材と蒸着膜とシーラント層とを備えた積層体からなる包装袋であって、
    前記シーラント層が、表面樹脂層とポリエチレン樹脂層とを備え、
    前記基材が、ポリエチレン樹脂から構成されており、
    前記シーラント層の表面樹脂層が、融点150℃以上の樹脂材料を含み、
    前記蒸着膜が、前記シーラント層の表面樹脂層上に設けられていることを特徴とする、包装袋。
  4. 前記表面樹脂層は、融点が150℃以上265℃以下の樹脂材料を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の包装袋。
  5. 前記ポリエチレン樹脂と、前記表面樹脂層に含まれる融点150℃以上の樹脂材料との融点差が、20〜80℃である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の包装袋。
  6. 前記表面樹脂層の樹脂材料は、極性基を有する重合体からなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の包装袋。
  7. 前記表面樹脂層の樹脂材料が、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6−ナイロン6,6共重合体、MXDナイロンおよびアモルファスナイロンから選択される1以上の樹脂材料である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の包装袋。
  8. 前記ポリエチレン樹脂層が多層構造を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の包装袋。
  9. 前記ポリエチレン樹脂層は、相溶化剤を含む層を少なくとも1層備える、請求項8に記載の包装袋。
  10. 前記ポリエチレン樹脂層の相溶化剤を含む層と接するように前記表面樹脂層が設けられている、請求項9に記載の包装袋。
  11. 前記積層体において、前記蒸着膜上にバリアコート層がさらに設けられてなる、請求項1〜10のいずれか一項に記載の包装袋。
  12. 積層体全体におけるポリエチレン樹脂の含有量は、80質量%以上である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の包装袋。
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