JP6949306B2 - 銅エッチング液 - Google Patents

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Description

本件発明は、銅エッチング液に関する。
従来、回路パターンの形成方法としては、全面に20μm程度の銅箔が設けられた基板にエッチングレジストを形成し、露出している銅箔をエッチング除去するサブトラクティブ工法が知られている。また、より微細な回路パターンの形成方法として、樹脂基板の表面に無電解銅めっきによりシード層を形成し、このシード層上にめっきレジストを設けて電解銅めっきにより回路を形成し、その後、回路間の基板上に残っているシード層をエッチング除去するセミアディティブ工法(SAP=Semi Additive Process)等が知られている。
セミアディティブ工法において、シード層である無電解銅めっきをエッチング除去するために使用される銅エッチング液としては、例えば、硫酸/過酸化水素系(特許文献1〜3)、塩酸/第二銅系(特許文献4)、塩酸/第一鉄系(特許文献5)の銅エッチング液が知られている。
一方、電気的な接触抵抗を小さくしたり半田濡れ性を高めるために、回路を構成する銅の表面に、金、銀、パラジウム等の銅よりも貴な金属(イオン化傾向の小さい金属)のめっきを施す技術が知られている。
しかしながら、上記特許文献1〜5に開示された銅エッチング液を用いて、銅よりも貴な金属と導通している銅をエッチングすると、銅よりも貴な金属と導通している銅は、当該貴な金属と導通していない銅に比べて、銅のエッチングが促進される(ガルバニック腐食)。その結果、回路の痩せが進行し、回路の電気抵抗が大きくなったり、回路が断線したり、さらには、回路の溶解が進行して消失し、それに伴って回路表面に設けられた上記貴な金属のめっきが剥離(消失)するおそれがあるという問題がある。
上記問題を解消するために、銅よりも貴な金属と導通する銅に用いるエッチング液として、過酸化水素、鉱酸及び塩素イオンと、シクロヘキシルアミン又はピペリジンを含有するものが知られている(特許文献6)。当該銅エッチング液は、塩素イオン濃度が1ppmではガルバニック腐食の抑制効果が低下し、20ppmを超えるとエッチング速度が低下するため、塩素イオン濃度が1〜20ppmであることが好ましい。当該銅エッチング液によって、金と導通している銅と、金と導通していない銅(単独銅)とをエッチングしたとき、エッチング後の金と導通している銅の直径は単独銅の直径の90%超である。このことから、当該銅エッチング液は、ガルバニック腐食を抑制する性能が優れているとされている。
日本国特許第4430990号公報 日本国特許第4434632号公報 日本国特開2009−149971号公報 日本国特開2006−111953号公報 日本国特許第3962239号公報 日本国特開2013−245401号公報
しかしながら、上記特許文献6に開示された銅エッチング液は、エッチング前の銅の直径が0.45mmである場合に、エッチング後の金と導通している銅と単独銅との直径の差が最大0.045mm(45μm)である。このことから、当該銅エッチング液は、ガルバニック腐食のさらなる抑制が望まれる。そして、当該銅エッチング液は、塩素濃度の好適な範囲が1〜20ppmと狭いので、浴管理を厳密に行う必要があり、浴管理が困難である。さらに、当該銅エッチング液は、エッチング速度が遅いため、よりエッチング速度が高いことが望まれる。
本件発明の課題は、ガルバニック腐食を確実に抑制することができ、浴管理が容易でエッチング速度に優れた銅エッチング液を提供することを目的とする。
本件発明に係る銅エッチング液は、アルカリ性の銅エッチング液であって、1〜70g/Lの銅と、25%アンモニア水換算で10〜500g/Lのアンモニア水と、5〜500g/Lのアンモニウム塩とを含み、前記アンモニウム塩は、硫酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、硝酸アンモニウムである無機酸のアンモニウム塩、メタンスルホン酸アンモニウムであるスルホン酸のアンモニウム塩、酢酸アンモニウムである飽和脂肪酸のアンモニウム塩、安息香酸アンモニウムである芳香族カルボン酸のアンモニウム塩、乳酸アンモニウムであるヒドロキシ酸のアンモニウム塩、シュウ酸アンモニウムであるジカルボン酸のアンモニウム塩の群から選択される1種又は2種以上のアンモニウム塩であることを特徴とする
本件発明に係る銅エッチング液のpHは7.8〜11であることが好ましい。
本件発明に係る銅エッチング液は、前記アンモニウム塩として、硫酸アンモニウムを含み、前記硫酸アンモニウムの含有量は5〜300g/Lであることが好ましい。
本件発明に係る銅エッチング液は、前記アンモニウム塩として、硫酸アンモニウムと炭酸水素アンモニウムとを含み、前記硫酸アンモニウムの含有量は5〜80g/Lであり、前記炭酸水素アンモニウムの含有量は0.5〜200g/Lであることが好ましい。
本件発明に係る銅エッチング液は、前記アンモニウム塩として、硫酸アンモニウムと酢酸アンモニウムとを含み、前記硫酸アンモニウムの含有量は5〜80g/Lであり、前記酢酸アンモニウムの含有量は5〜100g/Lであることが好ましい。
本件発明に係る銅エッチング液によれば、上記アンモニウム塩を10〜500g/L含むアルカリ性の銅エッチング液であることにより、ガルバニック腐食を抑制することができる。また、上記銅エッチング液は、銅とアンモニア水と上記アンモニウム塩とを含むが、各成分の濃度がppmオーダーほどには低くない上に濃度範囲も広いため、浴管理を容易に行うことができる。
本実施形態の銅エッチング液によってエッチングされる前の回路形状を示す模式的断面図である。 従来技術の銅エッチング液によってエッチングされた後の回路形状を示す模式的断面図である。 本実施形態の銅エッチング液によってエッチングされた回路形状を示す模式的断面図である。 エッチング試験方法を示す説明図である。
以下、本件発明に係る銅エッチング液の実施の形態を説明する。
1.銅エッチング液
本実施形態の銅エッチング液は、アルカリ性の銅エッチング液であることを前提とし、1〜70g/Lの銅と、25%アンモニア水換算で10〜500g/Lのアンモニア水と、アンモニウム塩5〜500g/Lと含むことを特徴とする。本実施形態の銅エッチング液は、アルカリ性であることにより、ガルバニック腐食を抑制することができる。
銅:
銅は、銅エッチング液の酸化剤として作用する銅アンミン錯体([CuII(NH2+)を構成する銅イオンの供給源である。銅エッチング液に用いられる銅としては、金属銅、銅酸化物、銅塩等を挙げることができる。水への溶解性の観点から、硫酸銅五水和物(CuSO・5HO)、炭酸銅等の水溶性銅塩が好ましく、調製容易性の観点から、硫酸銅五水和物が特に好適である。
銅エッチング液における銅の含有量は、1〜70g/Lの範囲である。銅含有量がこの範囲であることにより、良好なエッチング速度を確保しつつ、良好な浴安定性を得ることができる。銅含有量が1g/L未満であると、アンモニアに対して銅が不足して形成される銅アンミン錯体が少なくなり、エッチング速度が低下するため好ましくない。エッチング速度が低下すると生産性が低下してしまう。一方、銅含有量が70g/Lを超えると、アンモニアに対して銅が過剰となり銅(水酸化銅)の沈殿が生じるため好ましくない。
アンモニア水:
アンモニア水は、銅アンミン錯体を構成するアンモニアの供給源であると共に、pH調整剤としても作用する。銅エッチング液におけるアンモニア水の含有量は、25%アンモニア水換算で10〜500g/Lの範囲である。この範囲であることにより、良好なエッチング速度を確保しつつ、pHをガルバニック腐食を抑制可能な範囲に維持することができる。アンモニア水の含有量が10g/L未満であると、銅に対してアンモニアが不足して銅の沈殿が生じるため好ましくない。一方、アンモニア水の含有量が500g/Lを超えると、pHが高くなりすぎるか又は連続使用時にpHを7.8〜10の範囲に維持するのが困難となるため好ましくない。
アンモニウム塩:
アンモニウム塩は、銅アンミン錯体の対イオンを提供する成分であり、ガルバニック腐食を抑制する作用を有する。アンモニウム塩として、硫酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、硝酸アンモニウム等の無機酸のアンモニウム塩、メタンスルホン酸アンモニウム等のスルホン酸のアンモニウム塩、酢酸アンモニウム等の飽和脂肪酸のアンモニウム塩、安息香酸アンモニウム等の芳香族カルボン酸のアンモニウム塩、乳酸アンモニウム等のヒドロキシ酸のアンモニウム塩、シュウ酸アンモニウム等のジカルボン酸のアンモニウム塩の群から選択される1種又は2種以上のアンモニウム塩を用いることができる。
銅エッチング液におけるアンモニウム塩の含有量は、5〜500g/Lである。これは、全アンモニウム塩の合計量である。アンモニウム塩の含有量がこの範囲であることにより、ガルバニック腐食を抑制することができる。アンモニウム塩の含有量が5g/L未満であると、ガルバニック腐食を抑制することができず好ましくない。一方、アンモニウム塩の含有量が500g/Lを超えると、エッチング速度が過度に速くなるため好ましくない。エッチング速度が過度に速くなると、エッチング時間が短くなってエッチング時間の制御が困難となる。また、ガルバニック腐食を抑制できなかったり、コスト増になる好ましくない。アンモニウム塩の含有量は、好ましくは20〜300g/Lであり、より好ましくは50〜200g/Lである。
アンモニウム塩として硫酸アンモニウムを含む銅エッチング液の場合には、硫酸アンモニウムの含有量は5〜300g/Lであることが好ましい。硫酸アンモニウムの含有量が5g/L未満であると、エッチング速度が低下するため好ましくない。一方、硫酸アンモニウムの含有量が300g/Lを超えると、エッチング速度が過度に速くなったり、浴安定性が低下して沈殿が生じやすくなったりするため好ましくない。
アンモニウム塩として硫酸アンモニウムと炭酸水素アンモニウムとを含む銅エッチング液の場合には、硫酸アンモニウムの含有量は5〜80g/Lであり、炭酸水素アンモニウムの含有量は0.5〜200g/Lであることが好ましい。炭酸水素アンモニウムはpH緩衝剤としても作用する。硫酸アンモニウムの含有量が5g/L未満であると、エッチング速度が低下するため好ましくない。一方、硫酸アンモニウムの含有量が80g/Lを超えると、エッチング速度が過度に速くなったり、浴安定性が低下して沈殿が生じやすくなったりするため好ましくない。また、炭酸水素アンモニウムの含有量が0.5g/L未満であると、エッチング速度が低下するため好ましくない。一方、炭酸水素アンモニウムの含有量が200g/Lを超えると、エッチング速度が過度に速くなったり、浴安定性が低下して沈殿が生じやすくなったりするため好ましくない。
また、アンモニウム塩として硫酸アンモニウムと酢酸アンモニウムとを含む銅エッチング液の場合には、硫酸アンモニウムの含有量は5〜80g/Lであり、酢酸アンモニウムの含有量は5〜100g/Lであることが好ましい。酢酸アンモニウムはpH緩衝剤としても作用する。硫酸アンモニウムの含有量が5g/L未満であると、エッチング速度が低下するため好ましくない。一方、硫酸アンモニウムの含有量が80g/Lを超えると、エッチング速度が過度に速くなったり、ガルバニック腐食を抑制できないことがあるため好ましくない。また、酢酸アンモニウムの含有量が5g/L未満であると、エッチング速度が低下するため好ましくない。一方、酢酸アンモニウムの含有量が100g/Lを超えると、エッチング速度が過度に速くなったり、ガルバニック腐食を抑制できないことがあるため好ましくない。
本実施形態の銅エッチング液は、上記成分に加えて、銅エッチングを抑制するインヒビターや表面張力を低下させる界面活性剤等を含むことができる。
本実施形態の銅エッチング液は、銅とアンモニア水と上記アンモニウム塩とを含んでいるが、各濃度がppmオーダーほどには低くない上に濃度範囲も広いため、浴管理を容易に行うことができる。
pH:
銅エッチング液のpHは、7.8〜11であることが好ましい。銅エッチング液のpHは、例えばアンモニア水の添加量によって調整される。銅エッチング液のpHがこの範囲であることにより、ガルバニック腐食を確実に抑制すると共に、優れた浴安定性を得ることができる。pHが7.8未満であると、銅の沈殿が生じるため好ましくない。一方、アンモニア水の添加のみによってpHが11を超えるようにするには困難である。また、pHが10を超えると、pHを所定範囲に維持するのが困難となるため好ましくない。
浴温度:
銅エッチング液の浴温度は、10〜60℃に調整されることが好ましい。浴温度が10℃未満であると、エッチング速度が遅くなるため好ましくない。一方、浴温度が60℃を超えると、エッチング速度が過度に速くなる上に、浴安定性が低下するため好ましくない。
エッチング速度:
銅エッチング液は、1〜70g/Lの銅と、25%アンモニア水換算で10〜500g/Lのアンモニア水と、上記アンモニウム塩5〜500g/Lとを含み、pHが7.8〜11、浴温度が10〜60℃であるとき、銅(無電解銅めっき)を0.2〜40μm/分の速度でエッチングすることができる。
従って、本実施形態の銅エッチング液によれば、酸性水溶液からなる銅エッチング液と比較して、高いエッチング速度を得ることができる。エッチング速度は、銅エッチング液の成分の濃度を調整することにより、容易に制御することができる。
2.銅エッチング液によるエッチング方法
次に、本実施形態の銅エッチング液を用いたエッチング方法について説明する。本実施形態の銅エッチング液は、例えば、プリント配線板をセミアディティブ工法で製造する場合に、回路間の基板上に残っているシード層をエッチング除去するときに好適に用いることができる。
銅エッチング液による銅のエッチング反応は、次の式(1)により表される。式(1)は、銅エッチング液に含まれる銅アンミン錯体(2価)が酸化剤として作用して、金属銅であるシード層を溶解し、銅アンミン錯体(1価)を生じることを意味している。
Cu+[CuII(NH2+
→2[Cu(NH ・・・(1)
この銅アンミン錯体(1価)は、銅エッチング液中のアンモニアと溶存酸素によって、銅アンミン錯体(2価)を再生する。この再生反応は、次の式(2)によって表される。再生した銅アンミン錯体(2価)は、式(1)のエッチング反応に再使用される。
2[Cu(NH+4NH +1/2O+2OH
→2[CuII(NH2++3HO・・・(2)
図1に、本実施形態の銅エッチング液によって除去されるシード層を示す。樹脂基板1の表面に無電解銅めっきによりシード層2が形成され、このシード層2上に電解銅めっきにより回路3a,3b及び電極4が形成されている。そして、シード層2の回路3a,3b間の部分2a及び回路3aと電極4との間の部分2bを、本実施形態の銅エッチング液によって除去する。以下、2a及び2bを、シード層2のエッチング除去が必要な部分と称す。
回路3a,3bの表面には、電気的な接触抵抗を小さくしたり半田濡れ性を高めるために、電解めっき又は無電解めっきによって金皮膜5が設けられている。そして、回路3a,3bと金皮膜5との間には、回路3a,3bから金皮膜5への銅の拡散を防止するために、電解めっき又は無電解めっきによってニッケル皮膜6が設けられている。すなわち、回路3a,3bの表面にニッケル皮膜6が設けられ、その上に金皮膜5が設けられている。
電極4の表面には、回路3a,3bと同様に、電解めっき又は無電解めっきによってニッケル皮膜7及び金皮膜8が設けられている。
回路3aは、自分自身の表面に設けられた金皮膜5と電気的に接続しているだけでなく、自分以外の物の表面に設けられた金皮膜とも電気的に接続している。本実施形態では、回路3aは、樹脂基板1に埋設された内層回路9を介して、電極4の表面に設けられた金皮膜8と電気的に接続している。内層回路9は、導電性に優れた金属からなり、本実施形態では銅からなる。以下、回路3aを「銅よりも貴な金属と導通している回路」という。ここでいう貴な金属とは「金」のことである。
一方、回路3bは、自分自身の表面に設けられた金皮膜5と電気的に接続しているだけであり、自分以外の物の表面に設けられた金皮膜5,8とは電気的に接続していない。但し、回路3bは、図1に示すエッチング前の状態ではシード層2を介して、回路3aの表面に設けられた金皮膜と電気的に接続しているものの、エッチングによってシード層2が除去された後には回路3aとは電気的に接続しなくなる。よって、回路3bは、回路3b自身の表面に設けられた金皮膜5以外の他の金皮膜5,8とは電気的に接続していないとすることができる。以下、回路3bを「銅よりも貴な金属と導通していない回路」という。
図1に示す樹脂基板1を銅エッチング液に浸漬したとき、シード層2のエッチング除去が必要な部分2a,2bのみがエッチングされることが理想的である。しかし、実際には、この部分2a,2bだけでなく、シード層2の回路3a,3b及び電極4の直下の部分や回路3a,3b自身及び電極4自身の側面において、溶解(アンダーカット)が生じる。以下、回路3a,3bのアンダーカットがなされた量を「引き下がり量L」と呼ぶ。そして、シード層2のエッチング除去が必要な部分2a,2bが消失して、その下の樹脂基板1の表面が現れた時点で、エッチングを終了することが好ましい。以下、エッチングによってその下の樹脂基板1の表面が現れた時点を「ジャストエッチ」と呼ぶ。そして、シード層2の厚さは面内全体で完全に均一ではない。そこで、シード層2のエッチング除去が必要な部分2a,2bを全て確実に除去するために、ジャストエッチを超えてエッチングを行う必要がある。
引き下がり量Lは、例えば、次の式(3)によって算出することができる。
引き下がり量L={(エッチング前の回路3a,3bの直径)
−(エッチング後の回路3a,3bの直径)}/2 ・・・(3)
或いは、本実施形態の銅エッチング液によって、回路3a,3b上面のニッケル皮膜6及び金皮膜5はエッチングされないため、ニッケル皮膜6又は金皮膜5の端面から回路3a,3b側面までの距離を、引き下がり量Lとしてもよい。
図1に示す樹脂基板1では、銅よりも貴な金属と導通している回路3aと、銅よりも貴な金属と導通していない回路3bとが設けられている。特許文献1〜5に開示の従来技術の銅エッチング液を用いて、シード層2のエッチング除去が必要な部分2a,2bをエッチングした場合には、図2に示すように、回路3aの引き下がり量Lは、回路3bと比較して、顕著に大きくなる。その場合、回路3aでは、痩せ(アンダーカット)が進行して、電気抵抗の増大や断線が生じ、さらには、回路3aの消失に伴って回路3a表面のニッケル皮膜6及び金皮膜5が剥離(消失)するおそれがある。
これに対し、本実施形態の銅エッチング液を用いてシード層2をエッチングする場合には、図3に示すように、回路3aの引き下がり量Lは、回路3bと同程度にすることができる。さらに、ジャストエッチを超えてエッチングを行う場合であっても、回路3aと回路3bとの引き下がり量Lの差が大きくなることを抑制することができる。
従って、本実施形態の銅エッチング液によれば、ガルバニック腐食を抑制し、銅よりも貴な金属と導通している銅(回路3a)と、当該貴な金属と導通していない銅(回路3b)とのエッチング量とを同程度にすることができる。これにより、銅よりも貴な金属と導通している銅が、当該貴な金属と導通していない銅よりも過剰にエッチングされて、電気抵抗の増大や断線が生じることを防ぐことができる。さらに、銅よりも貴な金属と導通している銅(回路3a)の消失を防ぐことにより、当該銅の表面に設けられたニッケル皮膜6及び金皮膜5が剥離することを防ぐことができる。
本実施形態では、銅よりも貴な金属と導通している銅である回路3aとして、貴な金属が金である場合について説明しているが、銅よりも貴な金属としては、金の他に、銀、パラジウム、イリジウム、白金やその合金を挙げることができる。
本実施形態では、銅よりも貴な金属と導通していない銅である回路3bとして、回路3b自身の表面にニッケル皮膜6を介して金皮膜5が設けられたものを挙げているが、その表面(上面)が露出していて何の皮膜も設けられておらず、且つ、自分以外の物の表面に設けられた金皮膜とも導通していないような回路(銅よりも貴な金属とは接触も導通もしていない銅)も挙げることができる。このような銅よりも貴な金属とは接触も導通もしていない回路についても、本実施形態の銅エッチング液によれば、その回路の引き下がり量Lと、銅よりも貴な金属と導通している回路3aの引き下がり量Lとを同程度にすることができる。尚、上面に何の皮膜も設けられておらず表面が露出している回路の場合には、回路側面だけでなく回路上面もエッチングされるため、そのような回路の引き下がり量Lは、上記式(3)によって算出するのが好ましい。
以下、実施例等に基づき本発明を具体的に説明する。
1.回路基板を用いたエッチング試験
1−1.銅エッチング液の調製
ここでは、回路基板を用いてエッチング試験を行った。はじめに、表1に示す実施例1〜3の銅エッチング液を調製した。表1中の「−」は、その成分が未添加であることを意味する。表1中の硫酸銅五水和物で()内に示した数値は、銅で換算した数値である。比較例1では、市販の銅エッチング液(硫酸−過酸化水素)を用いた(pH1以下)。比較例2では、市販の銅エッチング液(塩素含有の酸性浴)を用いた(pH1以下)。比較例3では、硫酸鉄を含む酸性の銅エッチング液を調製し(pH1以下)、浴温度は35℃とした。
Figure 0006949306
1−2.エッチング試験
次に、以下のようにして、回路基板を用いてエッチング試験を行った。試験片として、樹脂基板上に、銅よりも貴な金属と導通している回路と、銅よりも貴な金属とは導通していない回路とが設けられた回路基板を用いた。当該試験片は、図1に示すように、樹脂基板1の表面に無電解銅めっきによりシード層2が形成され、このシード層2上に電解銅めっきにより回路3a,3bと電極4とが形成された回路基板Wである。回路3a,3bは、いずれも直径が40μmであり、その表面にニッケル皮膜6及び金皮膜5が設けられている。電極4は、直径が100μmであって回路3a,3bよりも大径であり、その表面にニッケル皮膜7及び金皮膜8が設けられている。そして、回路3aは、樹脂基板1に埋設された内層回路9を介して電極の金皮膜8と電気的に接続している。一方、回路3bは、回路3b自身の表面に設けられた金皮膜5とは電気的に接続しているが、自分以外の金皮膜5,8とは電気的に接続していない。当該試験片には、樹脂基板1上に10個の回路3aと50個の回路3bと10個の電極4が混在して設けられ、1個の回路3aが1個の電極4と接続している。
上記試験片を、本実施例の銅エッチング液に浸漬した。シード層2のエッチング除去が必要な部分2a,2bがエッチングされて消失し、その下の樹脂基板1の表面が現れた時点をジャストエッチとし、浸漬開始からジャストエッチに至るまでの時間を「TJE」とする。上記試験片の銅エッチング液への浸漬は、TJEの3倍の時間(TJE×3)に達するまで行った。尚、浸漬開始からジャストエッチに至るまでの時間TJEは、銅エッチング液の組成、pH、浴温度等によって異なる。
そして、TJE、TJE×2、TJE×3の浸漬時間が経過した時点で上記試験片を銅エッチング液から引き上げ、当該試験片をその厚さ方向に並行になるように切断した。そして、デジタルマイクロスコープを用いて、試験片の切断面において各5個の回路3a,3bについて引き下がり量Lを測定し、その平均値を求めた。結果を表2に示す。
表2の「エッチング速度」欄の各記号は、以下を意味する。
○:エッチング速度が1μm/分以上3μm/分以下である。
△:エッチング速度が3μm/分超7μm/分以下である。
×:エッチング速度が0μm/分以上1μm/分以下であるか又は7μm/分超である。
また、表2の「引き下がり量」欄の各記号は、以下を意味する。ここで、ΔLは、回路3aの引き下がり量と回路3bの引き下がり量の差の絶対値である。このΔLが大きいとき、少なくとも回路3aにおいてガルバニック腐食が生じていると考えられる。
○:ΔLが0μm以上0.3μm以下である。
△:ΔLが0.3μm超1μm以下である。
×:ΔLが1μm超であるか、又は、回路3a,3bの少なくとも一方が消失し、その表面のニッケル皮膜6及び金皮膜5が剥離した。
Figure 0006949306
<評価>
表2に示すように、実施例1〜3の銅エッチング液は、ジャストエッチに至るまでの時間TJEの3倍の時間(TJE×3)が経過した時点でも、引き下がり量の評価が「○」であった。このことから、実施例1〜3の銅エッチング液では、ジャストエッチに至るまでの時間TJEの3倍の時間(TJE×3)が経過した時点でも、回路3aにおいてガルバニック腐食が生じていないことが理解できる。
さらに、実施例1〜3の銅エッチング液は、エッチング速度の評価が「○」又は「△」であった。このことから、実施例1〜3の銅エッチング液は、エッチング速度が優れていることが理解できる。
一方、比較例1〜3の銅エッチング液は、引き下がり量、エッチング速度共に、実施例1〜3の銅エッチング液よりも劣っていた。比較例1〜3の中で引き下がり量の評価が最も高い比較例2の銅エッチング液でも、ジャストエッチに至るまでの時間TJEの3倍の時間(TJE×3)が経過した時点での引き下がり量の評価が「△」であった。このことから、比較例2の銅エッチング液では、ジャストエッチに至るまでの時間TJEの3倍の時間(TJE×3)が経過した時点で、回路3aにおいてガルバニック腐食が生じていることが理解できる。
比較例1〜3の中で引き下がり量の評価が2番目に高い比較例1の銅エッチング液は、ジャストエッチに至るまでの時間TJEの2倍の時間(TJE×2)が経過した時点での引き下がり量の評価が「×(※1)」であった。このことから、比較例1の銅エッチング液では、ジャストエッチに至るまでの時間TJEの2倍の時間(TJE×2)が経過した時点で、回路3aにおいてガルバニック腐食が生じていることが理解できる。
そして、比較例1〜3の中で引き下がり量の評価が最も低い比較例3の銅エッチング液は、ジャストエッチに至るまでの時間TJEが経過した時点で、引き下がり量の評価が「×(※2)」であった。このことから、比較例3の銅エッチング液では、ジャストエッチに至るまでの時間TJEが経過した時点で、回路3aにおいてガルバニック腐食が生じていることが理解できる。また、回路3aだけでなく回路3bにおいてもガルバニック腐食が生じており、回路3a,3bが消失して回路3a,3b表面のニッケル皮膜6及び金皮膜5が剥離していることが理解できる。
これらの結果から、実施例1〜3の銅エッチング液は、比較例1〜3の銅エッチング液と比較して、ガルバニック腐食を抑制する効果に優れることが理解できる。
さらに、比較例1〜3の銅エッチング液は、いずれも、エッチング速度の評価が「×」であった。このことから、比較例1〜3の銅エッチング液は、エッチング速度が低いことが理解できる。
表1を参照しながら、実施例1〜3の銅エッチング液について詳しく検討する。実施例2の銅エッチング液は、硫酸銅五水和物の含有量が実施例1の1/6程度と少なくしているため、アンモニアが過剰とならないように、アンモニア水の含有量を実施例1の1/3程度としている。そのため、実施例2の銅エッチング液では、銅アンミン錯体の生成量が実施例1よりも少ないので、実施例1よりもエッチング速度が遅くなり、エッチング速度が1μm/分以上3μm/分以下になったと考えられる。
実施例3の銅エッチング液は、硫酸銅五水和物の含有量が実施例1と同一であり、アンモニア水が実施例1の2倍程度であるため、銅アンミン錯体の生成量は実施例1よりも多いと考えられる。そして、実施例1では硫酸アンモニウムと炭酸水素アンモニウムとを合計81.2g/L含むのに対し、実施例3では、硫酸アンモニウムと酢酸アンモニウムとを合計49.5g/L含み、硫酸アンモニウムは実施例1と同量であるが、酢酸アンモニウムは炭酸水素アンモニウムの1/2.7程度である。実施例3では、酢酸アンモニウムを用いたことにより、実施例1よりもエッチング速度が抑制され、エッチング速度が1μm/分以上3μm/分以下になったと考えられる。
2.金属板を用いたエッチング試験
2−1.銅エッチング液の調製
ここでは、金属板を用いてエッチング試験を行った。はじめに、表3〜7に示す実施例4〜25及び比較例4〜9の銅エッチング液を調製した。表3に示すように、実施例4〜8及び比較例4の銅エッチング液では、硫酸アンモニウムの添加量を50g/Lに固定すると共に、硫酸銅五水和物の添加量を0.4〜200g/Lの範囲(銅換算で0.1〜50g/Lの範囲)で変動させ、25%アンモニア水の添加量を6〜500g/Lの範囲で変動させた。また、実施例9及び比較例5の銅エッチング液では、硫酸アンモニアの添加量を250g/Lに固定し、25%アンモニア水の添加量を500g/Lに固定すると共に、硫酸銅五水和物の添加量を250〜300g/Lの範囲(銅換算で62.5〜75g/Lの範囲)で変動させた。表4に示すように、実施例6,10〜15及び比較例6〜7の銅エッチング液では、硫酸銅五水和物の添加量を120g/L(銅換算で30g/L)に固定し、25%アンモニア水の添加量を150g/Lに固定すると共に、硫酸アンモニウムの添加量を2.5〜400g/Lの範囲で変動させた。表5に示すように、実施例16〜17及び比較例8の銅エッチング液では、実施例6の銅エッチング液の組成を基本として、炭酸水素アンモニウムを添加し、その添加量を0.5〜250g/Lの範囲で変動させた。表6に示すように、実施例18〜20及び比較例9の銅エッチング液では、実施例6の銅エッチング液の組成を基本として、酢酸アンモニウムを添加し、その添加量を5〜120g/Lの範囲で変動させた。表7に示すように、実施例21〜25の銅エッチング液では、実施例6の銅エッチング液の組成を基本として、種類の異なるアンモニウム塩を20g/L添加した。
2−2.エッチング試験
次に、以下のようにして、金属板を用いてエッチング試験を行った。図4に示すように、まず、上述した銅エッチング液(実施例4〜25及び比較例4〜9の銅エッチング液)11をビーカー12に入れて恒温水槽13で加温し、撹拌子14で撹拌した。そして、試験片としての銅板15及び金板16を、銅エッチング液11に3分間浸漬した。銅板15として、厚さ18μmの電解銅箔を用いた。金板16として、図示しない銅板に電解めっきによって膜厚1μmの金皮膜を成膜したものであって、表面積が銅板15の約15倍のものを用いた。銅板15及び金板16の浸漬は、銅板15と金板16とが導通していない状態と、リード線17を介して導通している状態の両方について行った。そして、銅板15及び金板16が導通していないときと導通しているときの両方について、浸漬前後の重量差から、銅板15におけるエッチング速度を算出した。結果を表3〜7に示す。表3〜7の「浴安定性」欄の各記号は、以下を意味する。尚、表3〜7中の「−」は、その成分が未添加であるか、建浴できなかったためpHやエッチング速度を測定しなかったことを意味する。
○:浴の自己分解が生じず、浴が安定していた。
×:浴の自己分解が生じたため、建浴できなかった。
図4に示すように、銅板15及び金板16が導通している状態では、ガルバニック腐食が起こり得る。一方、銅板15及び金板16が導通してない状態では、ガルバニック腐食は起こらない。このことから、本エッチング試験において、銅板15及び金板16が導通している状態は、上述した回路基板Wを用いたエッチング試験における銅よりも貴な金属と導通している回路3aに対応し、銅板15及び金板16が導通していない状態は、上述した回路基板Wを用いたエッチング試験における銅よりも貴な金属と導通していない回路3bに対応すると考えることができる。従って、本エッチング試験は、上述した回路基板Wを用いたエッチング試験を簡略的に行った試験であるとみなすことができる。尚、エッチング速度の良否は、エッチング対象の金属がどのように製造或いは成膜されたものであるか、どの程度のエッチング量が必要であるか等によって、その判断が異なる。そのため、本エッチング試験では、エッチング速度の数値そのものについては評価しないものとする。
Figure 0006949306
Figure 0006949306
Figure 0006949306
Figure 0006949306
Figure 0006949306
<評価>
表3に示すように、実施例4〜9の銅エッチング液では、銅板15及び金板16が導通していないときと、導通しているときとで、エッチング速度にほとんど差がなかった。このことから、実施例4〜9の銅エッチング液は、ガルバニック腐食を抑制する効果に優れることが理解できる。一方、比較例4の銅エッチング液では、導通しているときの方が、導通していないときと比較してエッチング速度が3倍速いことから、ガルバニック腐食が生じていることが理解できる。また、比較例5の銅エッチング液では、浴安定性が低く、エッチング試験を行えなかった。以上のことから、銅の含有量が1〜62.5g/Lであって、25%アンモニア水の含有量が10〜500g/Lである銅エッチング液は、ガルバニック腐食を抑制する効果に優れることが明らかになった。
表4に示すように、実施例6,10〜15の銅エッチング液では、銅板15及び金板16が導通していないときと、導通しているときとで、エッチング速度にほとんど差がなかった。このことから、実施例6,10〜15の銅エッチング液は、ガルバニック腐食を抑制する効果に優れることが理解できる。一方、比較例6〜7の銅エッチング液では、導通しているときの方が、導通していないときと比較してエッチング速度が1.12〜2.1倍速いことから、ガルバニック腐食が生じていることが理解できる。以上のことから、硫酸アンモニウムの含有量が5〜300g/Lである銅エッチング液は、ガルバニック腐食を抑制する効果に優れることが明らかになった。
表5に示すように、実施例16〜17の銅エッチング液では、銅板15及び金板16が導通していないときと、導通しているときとで、エッチング速度にほとんど差がなかった。このことから、実施例16〜17の銅エッチング液は、ガルバニック腐食を抑制する効果に優れることが理解できる。一方、比較例8の銅エッチング液では、浴安定性が低く、エッチング試験を行えなかった。以上のことから、アンモニウム塩として硫酸アンモニウムと炭酸水素アンモニウムとを含み、炭酸水素アンモニウムの含有量が0.5〜200g/Lである銅エッチング液は、ガルバニック腐食を抑制する効果に優れることが明らかになった。
表6に示すように、実施例18〜20の銅エッチング液では、銅板15及び金板16が導通していないときと、導通しているときとで、エッチング速度にほとんど差がなかった。このことから、実施例18〜20の銅エッチング液は、ガルバニック腐食を抑制する効果に優れることが理解できる。一方、比較例9の銅エッチング液では、導通しているときの方が、導通していないときと比較してエッチング速度が23.5倍速いことから、ガルバニック腐食が生じていることが理解できる。以上のことから、アンモニウム塩として硫酸アンモニウムと酢酸アンモニウムとを含み、酢酸アンモニウムの含有量が5〜100g/Lである銅エッチング液は、ガルバニック腐食を抑制する効果に優れることが明らかになった。
表7に示すように、実施例21〜25の銅エッチング液では、銅板15及び金板16が導通していないときと、導通しているときとで、エッチング速度にほとんど差がなかった。このことから、実施例21〜25の銅エッチング液は、ガルバニック腐食を抑制する効果に優れることが理解できる。以上のことから、硫酸アンモニウムと、硝酸アンモニウム、メタンスルホン酸アンモニウム、安息香酸アンモニウム、乳酸アンモニウム、シュウ酸アンモニウムの群から選択される1種のアンモニウム塩とを組み合わせた場合でも、ガルバニック腐食を抑制する効果に優れるエッチング液を実現できることが明らかになった。
以上の結果から、実施例4〜25の銅エッチング液を用いて、図1に示す回路基板Wを用いてエッチング試験を行えば、実施例1〜3の銅エッチング液のときと同様の結果が得られるものと推察される。
本件発明に係る銅エッチング液によれば、ガルバニック腐食を抑制し、高いエッチング速度を得ることができる。本件発明に係る銅エッチング液は、ガルバニック腐食を抑制できることから、銅よりも貴な金属と導通している銅と、当該貴な金属と導通していない銅とが存在するような被めっき物のエッチングに好適である。そして、本件発明に係る銅エッチング液は、各種電子回路基板、半導体等の技術分野に適用可能である。
1・・・樹脂基板
2・・・シード層
2a,2b・・・シード層2のエッチング除去が必要な部分
3a,3b・・・回路
4・・・電極
5・・・回路に設けられた金皮膜
6・・・回路に設けられたニッケル皮膜
7・・・電極に設けられたニッケル皮膜
8・・・電極に設けられた金皮膜
9・・・内層回路
11・・・銅エッチング液
15・・・銅板
16・・・金板
L・・・引き下がり量
W・・・回路基板

Claims (4)

  1. 銅よりも貴な金属と導通する銅に用いるアルカリ性の銅エッチング液であって、
    1〜70g/Lの銅と、
    25%アンモニア水換算で10〜500g/Lのアンモニア水と、
    5〜500g/Lのアンモニウム塩とを含み、
    前記アンモニウム塩は、硫酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、硝酸アンモニウムである無機酸のアンモニウム塩、メタンスルホン酸アンモニウムであるスルホン酸のアンモニウム塩、酢酸アンモニウムである飽和脂肪酸のアンモニウム塩、安息香酸アンモニウムである芳香族カルボン酸のアンモニウム塩、乳酸アンモニウムであるヒドロキシ酸のアンモニウム塩、シュウ酸アンモニウムであるジカルボン酸のアンモニウム塩の群から選択され2種以上のアンモニウム塩であることを特徴とする銅エッチング液。
  2. 前記銅エッチング液のpHは7.8〜11である請求項1に記載の銅エッチング液。
  3. 前記アンモニウム塩として、硫酸アンモニウムと炭酸水素アンモニウムとを含み、
    前記硫酸アンモニウムの含有量は5〜80g/Lであり、
    前記炭酸水素アンモニウムの含有量は0.5〜200g/Lである請求項1又は請求項2に記載の銅エッチング液。
  4. 前記アンモニウム塩として、硫酸アンモニウムと酢酸アンモニウムとを含み、
    前記硫酸アンモニウムの含有量は5〜80g/Lであり、
    前記酢酸アンモニウムの含有量は5〜100g/Lである請求項1又は請求項2に記載の銅エッチング液。
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