JP3737268B2 - 電解銅めっき液及びそれを用いた電解銅めっき方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント配線板等の電気・電子機器部品用あるいはウエハー配線バンプ形成用の銅めっき液に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より銅めっきは、電気・電子機器部品製造に広く用いられており、例えばプリント配線板製造での配線回路の形成即ちパターンめっきやスルーホールめっき等を行う場合にも使用されている。このプリント配線板製造における銅めっき処理方法としては電気めっきが知られており、そのめっき液種類は硫酸銅系の強酸性めっき液とシアン化銅又はピロリン酸銅系のアルカリ性めっき液のものに大別される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の強酸性或いはアルカリ性のめっき液を用いてプリント配線板等に銅めっき処理を行うと、そのプリント配線板に予め塗布されたレジスト(感光性樹脂等)を侵食したり、剥離したりする現象が生じる。そのため、従来のめっき液を使用して銅めっきによる回路形成等を行っても設計通りに形成することが困難であった。また、そのめっき外観としても満足できるものが得られなかった。
【0004】
さらに、近年のプリント配線板の高密度化・薄物化傾向により回路の細線化が進み使用されるレジスト厚みもさらに薄くなってきたため、従来のめっき液ではレジスト膨潤・剥離の現象が著しくなりめっき処理が行えない事態も生じてきた。
【0005】
そこで、本発明は、従来酸性浴として分類される硫酸銅の電解銅めっき液を改良し、レジストの膨潤や剥離を起こすことなくめっきが施せる安定性の高い電解銅めっき液を提供するとともに予めレジストが塗布されているプリント配線板等にめっきを施す場合に好適な電解銅めっき方法を提供せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため、本発明の電解銅めっき液は、硫酸銅と、ジエチレントリアミン五酢酸及び/又はエチレンジアンミン硫酸塩と、亜硫酸水素ナトリウムと、アンモニア水とを含むものとした。このめっき液組成は硫酸銅をベースとしているものであるが、めっき液のpHを中性付近で維持することができるので、従来の強酸性又はアルカリ性のめっき液で発生するレジストの膨潤や剥離を引き起こすことなく銅めっき処理をすることが可能となる。ここにいう中性付近とはpH5〜10の範囲を示すものである。
【0007】
本発明のめっき液は、硫酸銅を硫酸銅五水和物として20〜100g/l含有し、ジエチレントリアミン五酢酸又はエチレンジアミン硫酸塩のいずれか一方を60〜150g/l含有するか、又はジエチレントリアミン五酢酸とエチレンジアミン硫酸塩を合わせて60〜150g/l含有し、そして、亜硫酸水素ナトリウムを1〜20g/l含有し、さらに30%アンモニア水を20〜200ml/l含有することが好ましい。硫酸銅五水和物で100g/lを越えるとめっき液中に硫酸銅が溶解しなくなり、20g/lより少ないと電流効率が悪くなり実用的でない。また、ジエチレントリアミン五酢酸とエチレンジアミン硫酸塩とは、めっき液に含有させるアンモニアにより液pHが中性付近となった場合でも、液中の銅を錯体化し沈殿を防止するものである。このジエチレントリアミン五酢酸とエチレンジアミン硫酸塩とはそれぞれ単独で用いることもできるが双方を合わせて用いてもよい。その際の含有量が60g/lより少ないと銅の錯体化が完全にされず沈殿物が発生し易くなり、150g/lを越えるとヤケめっき状態になるため外観が悪くなる。
【0008】
亜硫酸水素ナトリウムは、析出する銅内に不純物として共析し易い物質を還元する働きをするもので、めっき処理における不純物の共析を抑制することができる。この亜硫酸水素ナトリウムの含有量は、1g/lより少ないとめっきで得られる銅中に不純物の共析が多くなり、20g/lを越えるとヤケめっき状態になるため外観が悪くなる。この亜硫酸水素ナトリウムは、ジエチレントリアミン五酢酸のみの場合やジエチレントリアミン五酢酸とエチレンジアミン硫酸塩との両方を含有する場合は必要であるが、エチレンジアミン硫酸塩のみを含有する場合には特に含有しなくてもよい。さらに30%アンモニア水の含有量は、20ml/lより少ないと液pHが5よりも小さな酸性領域となるためレジストの膨潤・剥離を引き起し、200ml/lを越えると液pHが10よりも大きなアルカリ性領域となるため同様な現象を生じてしまう。
【0009】
また、本発明の電解銅めっき液には、pH調整剤、錯化剤、界面活性剤を少なくとも1種以上を含むほうがより好ましい。pH調整剤としては、アンモニア水、硫酸を使用することができる。このpH調整剤を適宜添加することにより、めっき処理中に変動するpHを中性領域(pH5〜10)に維持し、レジストの膨潤や剥離を引き起こさず長時間めっき処理することも可能となる。錯化剤としては、クエン酸水素2アンモニウムを用いることができ、好ましくは20〜90g/l含有しておけばめっき液の安定性がさらに向上する。そして、界面活性剤は一般的に知られるものを使用できるが、好ましくはポリエチレングリコールを0.05〜1g/l含有させるとピットやボイドの発生が抑制され良好なめっき外観を得ることができる。
【0010】
本発明のめっき方法は、上述する電解銅めっき液を用い、pH5〜10、液温25〜60℃でめっきを施すことを特徴とするものである。pHがこの範囲を超えるとレジストが膨潤又は剥離等する現象が発生するためである。また、液温が25℃より低いと不純物の共析が多くなり、60℃を越えるとめっき液pHの変動が著しくなるからである。より具体的なめっき条件としては、めっき電流を電流密度1〜7A/dm2で供給し、上記の液温、pH範囲でめっき液を弱撹拌することが好ましい。pHはpH調整剤のアンモニア水又は硫酸を適宜添加することにより調整すればよく、より好ましくはpH6〜8範囲になるようにコントロールする。
【0011】
本発明のめっき液を用いてめっき処理する場合、Pt/Ti系等の不溶性アノード或いは溶解性アノードの双方を用いることができる。従来の強酸性硫酸銅溶液で不溶性アノードを使用した場合、めっき性状をコントロールするためにめっき液へ添加する有機添加剤が著しく分解され、めっき液の安定性に欠けるものであった。しかし、本発明のめっき液では不溶性アノードを使用しても有機添加剤の分解はあまり生じないのでめっき液の安定性は良く、めっき処理の工程管理も容易に行うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を実施例1〜6により具体的に説明する。各実施例のめっき液の組成を表1に示す。
【0013】
【表1】
【0014】
<表1の説明>
表1中の記号は、次に示す薬品を表示する。
A:硫酸銅五水和物(g/l)
B:ジエチレントリアミン五酢酸(g/l)
C:エチレンジアミン硫酸塩(g/l)
D:亜硫酸水素ナトリウム(g/l)
E:30%アンモニア水(ml/l)
F:クエン酸水素2アンモニウム(g/l)
G:ポリエチレングリコール(g/l)
【0015】
表1で示す各薬品を純水に溶解し、実施例1〜6の電解銅めっき液を作成した。めっき処理条件は、液温45℃で、Pt/Ti系の不溶性アノードを用い電流密度2A/dm2 のめっき電流を供給して行った。また、めっき処理中は、アンモニア水又は硫酸を適宜添加することでめっき液pHを7付近で維持し、めっき液は弱撹拌し続けた。被めっき対象物はエポキシ樹脂系積層板表面に回路形成用のレジストが塗布されたもので、レジストが塗布されていない部分は無電解銅めっきにより下地層となる銅が処理されたものを用いた。各実施例のめっき液を用いて、この下地層の銅上に10μm厚の銅を電析させ回路形成を行った。そして、めっき処理終了後のレジスト及び形成された銅回路を目視及び顕微鏡により観察した。
【0016】
また、比較のために、硫酸銅五水和物150g/l、硫酸80g/l、Cl-10ppm(HClで添加)、有機添加剤としてニカワを5ppmを含む強酸性銅めっき液[比較例1]と、シアン化銅50g/l、シアン化ナトリウム80g/l、炭酸ナトリウム40g/l、水酸化カリウム15g/lを含有するアルカリ性銅めっき液[比較例2]とを作成し、両比較例ともに液温30℃、電流密度2A/dm2 のめっき条件で、実施例と同じ被めっき対象物にめっき処理を行った。
【0017】
各実施例及び比較例での観察結果を表2に示す。
【0018】
【表2】
【0019】
<表2の説明>
表2中レジストの膨潤及び剥離の項目で、無、有、一部有とは以下のことを示す(表中ボイド、ピットの項目も同じ)。
無:目視及び顕微鏡の観察で確認されなかった。
有:目視により確認された。
一部有:目視では確認できないが、顕微鏡により微小領域で確認された。また、形成された銅回路の外観項目で、◎、○、△は次の状態を示す。
◎:めっき外観が非常に良い。
○:めっき外観が良好。
△:めっき表面がややくもり気味の状態。
【0020】
表2で示すように本実施例1〜6のめっき液で処理を行っても、プリント基板に予め塗布されたレジストの膨潤や剥離等の現象は生じていなく、得られた銅回路もピット、ボイドの欠陥が無い上に外観も非常に良好なものであった。また、クエン酸水素2アンモニウム又はポリエチレングリコールを添加しているめっき液(実施例5,6)では、より良好な外観を有する銅めっきが施せた。
【0021】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の電解銅めっき液は硫酸銅をベースとする溶液であるが中性付近の液pHでめっき処理が可能となるので、プリント配線基板等の製造工程で使用されるレジストの膨潤や剥離が無く、良好な銅めっきを施すことができる。また、本発明のめっき方法によれば、レジストとプリント配線板との密着性が確保されるため良好なパターンめっきが可能となり、さらに、不溶性アノードを使用しても有機添加剤の分解が少ないため、めっき処理の工程管理も容易となる。
Claims (6)
- 硫酸銅を硫酸銅五水和物として20〜100g/lと、ジエチレントリアミン五酢酸及び/又はエチレンジアミン硫酸塩を60〜150g/lと、亜硫酸水素ナトリウムを1〜20g/lと、30%アンモニア水を20〜200ml/lとを含有するものである電解銅めっき液。
- pH調整剤、錯化剤、界面活性剤のうち一種以上を含む請求項1に記載の電解銅めっき液。
- pH調整剤がアンモニア水及び/又は硫酸である請求項2に記載の電解銅めっき液。
- 錯化剤がクエン酸水素2アンモニウムである請求項2又は請求項3に記載の電解銅めっき液。
- 界面活性剤がポリエチレングリコールである請求項2ないし請求項4いずれか1項に記載の電解銅めっき液。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電解銅めっき液を用い、pH5〜10、液温25〜60℃でめっきを施すことを特徴とする電解銅めっき方法。
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1998
- 1998-01-30 JP JP01846898A patent/JP3737268B2/ja not_active Expired - Fee Related
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