JP6946294B2 - ハロゲン化物が低減された重合性官能基を有するスルホンイミドの有機溶剤溶液 - Google Patents

ハロゲン化物が低減された重合性官能基を有するスルホンイミドの有機溶剤溶液 Download PDF

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Description

本発明は、キャパシターやリチウム二次電池等の電子材料の部材を製造するための原料として工業的に重要な重合性官能基を有するスルホンイミドの有機溶剤溶液に関するものである。
従来、スルホンイミドの製造方法としては、以下の方法が知られている。すなわち、スルホニルハライド、スルホンアミド、及び三級アミンを反応させてスルホンイミドのアミン塩を得る方法、及び上記の方法により得られたスルホンイミドのアミン塩にアルカリ金属塩を反応させることでスルホンイミドのアルカリ金属塩を得る方法である。(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)
特許第4088351号(実施例) 特開2014−169271号公報(段落0174〜0177)
特許文献1では、27頁〜28頁に記載のリチウムスチレニルトリフルオロメチルビス−スルホニルイミドの合成の項において、スチレンスルホニルクロリドをアセトニトリルとトリエチルアミンとの混合物中に溶解させ、トリフルオロメチルスルフォンアミドと反応させて黄色溶液を得、生成したスルホンイミドのアルカリ金属塩を、反応溶媒であるアセトニトリルを留去後、ジエチルエーテルを加えて撹拌することにより生じた懸濁物を濾過により除去し、次いでジエチルエーテルを留去して黄色固体を得、ジクロロメタン(CHCl)から再結晶作用により、薄黄色の粉体(59%の収量)を得ることで精製された旨の記載がある。
本発明者らは上記の方法に従い、スルホンイミドのアルカリ金属塩を得ようとしたところ、溶剤の留去が困難であり、オイル様の状態となった。これはスルホンイミドのアルカリ金属塩は、溶剤への親和性が非常に高いためと思われた。さらに本発明者らは、これを有機溶剤としてジクロロメタンを用いて再結晶することを試みたが、結晶の析出は確認できなかった。また、他の有機溶剤から再結晶することも試みたが、いずれも結晶の析出は確認できなかった。
更に、上記したオイル様のスルホンイミドのアルカリ金属塩は、多量のアルカリ金属のハロゲン化物を含むのみならず、オイル様の状態では室温において速やかに自然重合が進行するため、低温保存が必要であり、取扱いが煩雑であった。
特許文献2では、段落0174〜0177に記載の例16:4−スチレンスルホニル(トリフルオロメタンスルホニル)イミドの項において、テトラヒドロフラン中、アルゴンの存在下で、4−スチレン塩化スルホニル(CH=CHCSOCl)を、トリフルオロメタン−スルホンアミド(CFSONH)及び塩化水素酸(DABCO)と反応させ、濾過、塩化水素酸除去後、無水塩化リチウムで処理した。直ちに、塩化水素酸の析出物が生成し、その後、撹拌、濾過、蒸発及び乾燥の後に、トリフルオロメタン−スルホニル(4−スチレンスルホニル)イミドのリチウム塩を回収した。生成したスルホンイミドのアルカリ金属塩は、反応溶媒であるテトラヒドロフランを留去することで単離された旨の記載がある。
本発明者らはこの方法に従い、スルホンイミドのアルカリ金属塩を得ようとしたところ、スルホンイミドのアルカリ金属塩は、溶剤の留去が困難であり、オイル様の状態となった。これは溶剤への親和性が非常に高いためと思われた。
このようなスルホンイミドへのハロゲン化物の残存は、キャパシターやリチウム二次電池等の電子材料用途において好ましくなく、一般に、ハロゲン化物については、できる限り除去されることが望ましい。しかしながら、スルホンイミドは水への親和性が非常に高いために、水洗によりハロゲン化物を除去しようとする場合に、スルホンイミドの水層への溶出が起こり、収率が大きく低下するという課題があった。
従って、重合性官能基を有するスルホンイミドを製造するにあたり、収率を低下させることなく、副生するハロゲン化物を効率的に除去する方法、及び自然重合に対して安定に貯蔵輸送する方法が求められていた。
本発明の目的は、かかる従来の実状に鑑みて提案されたものであり、従来の方法では製造が困難であったハロゲン化物が低減され、かつ、自然重合に対する安定性が改良された重合性官能基を有するスルホンイミドの貯蔵等の形態、スルホンイミド溶液の製造方法及びスルホンイミド溶液中のハロゲンイオンの除去方法を提供することにある。
本発明者らは、ハロゲン化物が低減され、かつ、自然重合に対する安定性が改良された重合性官能基を有するスルホンイミドの貯蔵等の形態、スルホンイミド溶液の製造方法およびスルホンイミド溶液中のハロゲンイオンの除去方法を提供することを目的とし、鋭意研究を行った。
その結果、スルホンイミドは水への親和性が非常に高く、合成して得られたハロゲン化物を含む剤を、水洗により、副生したハロゲン化物のみを選択的に除去することは困難であることが分かった。
その上で、合成したスルホンイミド及び付随するハロゲン化物を反応溶液から水により抽出して、あえてハロゲン化物を含むスルホンイミドの水溶液とした後、炭酸ジメチルや炭酸ジエチルなどの特定の有機溶剤存在下で、その水溶液に塩化リチウムなどの特定の塩を溶解させることで、スルホンイミドのみを選択的に有機溶剤へ抽出できることが分かった。さらに、スルホンイミドを含む有機溶剤溶液を脱水剤により乾燥することで、ハロゲン化物が低減された重合性官能基を有するスルホンイミドの有機溶剤溶液を収率よく製造でき、驚くべきことに、この溶液中においてはスルホンイミドの自然重合が殆ど進行しないことが分かった。さらに、この溶液に重合禁止剤を加えることで、スルホンイミドの自然重合をより長期間抑制することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、一般式(1)
Figure 0006946294
(式(1)中、Rはフッ素、任意の数の置換基を有する炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐鎖アルキル、炭素数2〜10のアルケニル、炭素数2〜10のアルキニル、4−ビニルフェニル、(メタ)アクリロイルオキシ、(メタ)アクリロイルオキシアルキル、又は炭素数3〜10の環状アルキルを示し、
は1価のアルカリ金属イオン、又は第四級アンモニウムイオンを示し、
は任意の数の置換基を有する炭素数2〜10の直鎖若しくは分岐鎖アルケニル、4−ビニルフェニル、(メタ)アクリロイルオキシ、又は(メタ)アクリロイルオキシアルキルを示す。)で表されるスルホンイミドの有機溶剤溶液であり、前記溶液中のスルホンイミドの量に対するハロゲンイオンの含有量が1000ppm以下である有機溶剤溶液に関する。
上記の有機溶剤としては、芳香族炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、炭酸エステル類、非プロトン性の極性の溶剤、又はこれらの混合物を用いることができる。
スルホンイミドの量に対するハロゲンイオンの含有量としては200ppm以下が好ましく、さらに100ppm以下が好ましく、特に60ppm以下が好ましい。またハロゲンイオンの含有量としては塩化物イオンの含有量とすることが好ましい。
上記一般式(1)中、Rがトリフルオロメチルであることが好ましい。また一般式(1)中、Rがリチウムイオンであることが好ましい。さらに一般式(1)中、Rがビニル、アクリル、又は4−ビニルフェニルであることが好ましい。
また本発明は、有機溶剤存在下で、スルホンイミドの水溶液に塩を溶解させ、スルホンイミドを有機溶剤へ抽出するスルホンイミドの有機溶剤溶液の製造方法に係る発明であり、有機溶剤として、芳香族炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、炭酸ジメチルや炭酸ジエチルなどの炭酸エステル類、及びアセトニトリルやN−メチルピロリドンなどの非プロトン性の極性の溶剤からなる群より選ばれる1種又は2種以上の組合せを用いた上記のスルホンイミドの有機溶剤溶液の製造方法に係る発明である。
また本発明は、有機溶剤存在下で、ハロゲンイオンを含むスルホンイミドの水溶液に塩を溶解させ、スルホンイミドを有機溶剤へ抽出する、ハロゲンイオンの除去方法に係る発明である。
本発明の重合性官能基を有するスルホンイミドの有機溶剤溶液は、従来の課題であった自然重合に対する安定性が改良され、さらに、ハロゲン化合物が低減されているため、キャパシターやリチウム二次電池等の電子材料分野において、極めて有用である。
本発明は、上記の通り、一般式(1)
Figure 0006946294
で表されるスルホンイミドの有機溶剤溶液であって、溶液中のスルホンイミドの量に対するハロゲンイオンの含有量が1000ppm以下である有機溶剤溶液に係る。
式(1)中、Rはフッ素、任意の数の置換基を有する炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐鎖アルキル、炭素数2〜10のアルケニル、炭素数2〜10のアルキニル、4−ビニルフェニル、(メタ)アクリロイルオキシ、(メタ)アクリロイルオキシアルキル又は炭素数3〜10の環状アルキルを示す。ここで、炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐鎖アルキルにおける置換基は無くても、あるいは1以上有していてもよい。
は具体的には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、イソプロピル、t−ブチル、トリフルオロメチル、テトラフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、ベンジル、フェニルエチル、3−フェニルプロピル、ビニル、アリル、3−ブテニル、4−ペンテニル、2−メチル−2−ブテニル、4−ビニルフェニル、(メタ)アクリロイルオキシメチル、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル、及び3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル等が挙げられ、任意の位置に1以上の置換基を有していてもよいが、これらの内でもトリフルオロメチルが特に好ましい。
は1価のアルカリ金属イオン又は第四級アンモニウムイオンを示す。Rは具体的には、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、トリエチルアンモニウムイオン、ジイソプロピルエチルアンモニウムイオン、トリプロピルアンモニウムイオン、及びピリジニウムイオン等が挙げられ、これらの内でもリチウムイオンが特に好ましい。
は任意の数の置換基を有する炭素数2〜10の直鎖若しくは分岐鎖アルケニル、4−ビニルフェニル、(メタ)アクリロイルオキシ、又は(メタ)アクリロイルオキシアルキルを示す。ここで、炭素数2〜10の直鎖若しくは分岐鎖アルケニルにおける置換基は無くても、あるいは1以上有していてもよい。
は具体的に、ビニル、アリル、3−ブテニル、4−ペンテニル、2−メチル−2−ブテニル、4−ビニルフェニル、(メタ)アクリロイルオキシメチル、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル、及び3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル等が挙げられ、任意の位置に置換基を有していてもよいが、これらの内でもビニル、アリル、及び4−ビニルフェニルが特に好ましい。
上記の有機溶剤としては、芳香族炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、炭酸エステル類、非プロトン性の極性の溶剤、又はこれらの混合物を用いることができる。有機溶剤は、具体的に、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジエチルエーテル、メチルターシャリブチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、アセトニトリル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、及びこれらの混合物等が挙げられるが、これらの内でも非水溶性の溶剤が好ましく、炭酸ジメチルや炭酸ジエチルが特に好ましい。
本発明の一般式(1)で表されるスルホンイミドの有機溶剤溶液であって、スルホンイミドに対して、ハロゲンイオン含有量が1000ppm以下である有機溶剤溶液の製造方法について説明する。
本発明の一般式(1)で表されるスルホンイミドは、一般式(2)
Figure 0006946294
(式(2)中、Rはフッ素、任意の数の置換基を有する炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐鎖アルキル、炭素数2〜10のアルケニル、炭素数2〜10のアルキニル、4−ビニルフェニル、(メタ)アクリロイルオキシ、(メタ)アクリロイルオキシアルキル、又は炭素数3〜10の環状アルキルを示す。)で表されるスルホンアミドと塩基とを反応させて一般式(3)
Figure 0006946294
(式(3)中、Rはフッ素、任意の数の置換基を有する炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐鎖アルキル、炭素数2〜10のアルケニル、炭素数2〜10のアルキニル、4−ビニルフェニル、(メタ)アクリロイルオキシ、(メタ)アクリロイルオキシアルキル、又は炭素数3〜10の環状アルキルを示し、
は1価のアルカリ金属イオン又は第四級アンモニウムイオンを示す。)で表されるスルホンアミドの塩を得る工程、及び一般式(3)で表されるスルホンアミドの塩と一般式(4)
Figure 0006946294
(式(4)中、Rは炭素数2〜10の置換基を有する炭素数2〜10の直鎖若しくは分岐鎖アルケニル、4−ビニルフェニル、(メタ)アクリロイルオキシ、又は(メタ)アクリロイルオキシアルキルを示し、
Xはハロゲン原子を示す。)で表されるスルホニルハライドを反応させて、一般式(1)で表されるスルホンイミドを得る工程を含む方法により得られる。
ここで、スルホンアミドと反応させる塩基としては、水素化リチウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、及び炭酸カリウム等のアルカリ金属塩、又はトリエチルアミン、トリブチルアミン、及びピリジン等のアミン類が使用できるが、水素化リチウム、水酸化リチウム、又は炭酸ナトリウムが特に好ましい。
一般式(1)で表されるスルホンイミドの製造に係る反応は、溶剤の存在下において実施するか、あるいは溶剤を用いずに実施しても構わない。
用いられる溶剤としては、直鎖状脂肪族炭化水素類、分岐状脂肪族炭化水素類、脂肪族ハロゲン化合物類、芳香族炭化水素類、芳香族ハロゲン化合物類、アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、炭酸エステル類、非プロトン性の極性の溶剤、又はこれらの混合物を用いることができる。有機溶剤は、具体的に、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、2−メチルブタン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1−クロロプロパン、1,2−ジクロロプロパン、1,3−ジクロロプロパン、1−クロロブタン、2−クロロブタン、1,2−ジクロロブタン、1,3−ジクロロブタン、1,4−ジクロロブタン、2,3−ジクロロブタン、ジブロモメタン、ブロモホルム、四臭化炭素、1,1−ジブロモエタン、1−ブロモプロパン、2−ブロモプロパン、1,2−ジブロモプロパン、1,3−ジブロモプロパン、1−ブロモブタン、2−ブロモブタン、1,2−ジブロモブタン、1,3−ジブロモブタン、1,4−ジブロモブタン、2,3−ジブロモブタン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼン、ブロモベンゼン、o−ジブロモベンゼン、m−ジブロモベンゼン、p−ジブロモベンゼン、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジエチルエーテル、メチルターシャリブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、アセトニトリル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、及びこれらの混合物等が挙げられ、これらの内でも、酢酸エチル、アセトニトリル、又はN,N−ジメチルホルムアミドが特に好ましい。
また、本製造方法に係る溶媒の使用量は特に制限されないが、一般式(2)に示されるスルホンアミドに対して重量比で1から100にするのが好ましく、反応時間を短縮するためには、重量比で1から30がさらに好ましい。
本発明の一般式(3)で表されるスルホンアミドの塩を得る工程において用いられる塩基の使用量は、特に制限するものではないが、反応を定量的に進行させる為には原料であるスルホンアミドに対して2当量〜10当量使用するのが好ましく、副反応である重合反応を抑制するためには、2当量〜3当量がさらに好ましい。
一般式(1)で表されるスルホンイミドの製造に係る反応は、0℃〜80℃で実施可能であるが、副反応である重合反応を抑制するためには、0℃〜60℃で実施するのが好ましい。
また、一般式(1)で表されるスルホンイミドの塩の製造に係る反応は、大気開放型の反応器、又はオートクレーブ等の密閉系の反応器のいずれでも行うことが可能であり、反応圧力は、大気圧下、又は加圧下のいずれも可能である。
上記の方法に従って合成した一般式(1)で表されるスルホンイミド及び副生したハロゲン化物を反応溶液から水により抽出し、あえてハロゲン化物を含む一般式(1)で表されるスルホンイミドの水溶液を得た後、炭酸ジメチルや炭酸ジエチルなどの特定の有機溶剤存在下で、この水溶液に塩化リチウムなどの特定の塩を溶解させ、スルホンイミドのみを選択的に有機溶剤へ抽出し、その有機溶剤溶液を脱水剤により乾燥することで、一般式(1)で表されるスルホンイミドの有機溶剤溶液であって、スルホンイミドの量に対するハロゲンイオンの含有量が1000ppm以下、好ましくは200ppm以下、さらに好ましくは100ppm以下、特に好ましくは60ppm以下である有機溶剤溶液が得られる。またハロゲンイオンの含有量としては塩化物イオンの含有量とすることが好ましい。
上記の有機溶剤としては、芳香族炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、炭酸エステル類、非プロトン性の極性の溶剤、又はこれらの混合物を用いることができる。有機溶剤は、具体的に、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジエチルエーテル、メチルターシャリブチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、アセトニトリル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、及びこれらの混合物等が挙げられるが、これらの内でも、非水溶性の溶剤が好ましく、炭酸ジメチル又は炭酸ジエチルが特に好ましい。
また、本製造方法に係る水及び有機溶剤の使用量は特に制限されないが、一般式(1)で表されるスルホンイミドに対して重量比で1から100にするのが好ましく、製造コスト及び輸送コストを低減させるためには、重量比で1から30がさらに好ましい。
上記の塩としては、アルカリ金属のハロゲン化物、アルカリ金属の硫酸塩、アルカリ金属の硫酸水素塩、アルカリ金属の亜硫酸塩、アルカリ金属の亜硫酸水素塩、アルカリ金属のチオ硫酸塩、アルカリ金属の硝酸塩、アルカリ金属の亜硝酸塩、アルカリ金属のリン酸塩、アルカリ金属のリン酸一水素塩、アルカリ金属のリン酸二水素塩、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属の炭酸水素塩アルカリ金属の酢酸塩、アルカリ土類金属のハロゲン化物、アミン類の塩酸塩、アミン類の臭化水素酸塩、アミン類のヨウ化水素酸塩、又はこれらの混合物を用いることができる。
塩は、具体的に、フッ化リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、フッ化カリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸水素リチウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素カリウム、亜硫酸リチウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸水素リチウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、チオ硫酸リチウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、硝酸リチウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、亜硝酸リチウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、リン酸リチウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸水素二リチウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素リチウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、フッ化マグネシウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、フッ化カルシウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム、トリメチルアミン塩酸塩、トリメチルアミン臭化水素酸塩、トリメチルアミンヨウ化水素酸塩、トリエチルアミン塩酸塩、トリエチルアミン臭化水素酸塩、トリエチルアミンヨウ化水素酸塩、トリプロピルアミン塩酸塩、トリプロピルアミン臭化水素酸塩、トリプロピルアミンヨウ化水素酸塩、ピリジン塩酸塩、ピリジン臭化水素酸塩、ピリジンヨウ化水素酸塩、及びこれらの混合物等が挙げられるが、これらの内でも、20℃における水への溶解度が水に対して重量比で0.3以上であることが好ましく、塩化リチウム又は塩化ナトリウムが特に好ましい。
また、本製造方法に係る塩の使用量は特に制限されないが、一般式(1)で表されるスルホンイミドに対して重量比で1から10にするのが好ましく、製造コストを低減させるためには、重量比で1から3がさらに好ましい。
上記の脱水剤としては、モレキュラーシーブス、ゼオライト、酸化アルミニウム、塩化カルシウム、活性無水硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム(無水)、酸化リン(V)、炭酸カリウム(無水)、水酸化カリウム、シリカゲル、水酸化ナトリウム、硫酸ナトリウム(無水)、塩化亜鉛、又はこれらの混合物等が挙げられるが、これらの内でも、モレキュラーシーブス及びゼオライトが特に好ましい。
また、本製造方法に係る脱水剤の使用量は特に制限されないが、一般式(1)で表されるスルホンイミドに対して重量比で5以下にするのが好ましく、製造コストを低減させるためには、重量比で2以下がさらに好ましい。
上記の重合禁止剤としては、4−ターシャリブチルピロカテコール、ターシャリブチルハイドロキノン、1,4−ベンゾキノン、2,6−ジターシャリブチル−p−クレゾール、2,6−ジターシャリブチルフェノール、ハイドロキノン、4−メトキシフェノール、又はこれらの混合物を用いることができるが、これらの内でも、4−ターシャリブチルピロカテコールが特に好ましい。
また、本製造方法に係る重合禁止の使用量は特に制限されないが、一般式(1)で表されるスルホンイミドに対して重量比で1000ppm以下にするのが好ましく、製造コストを低減させるためには、重量比で300ppm以下がさらに好ましい。
以下、実施例により本発明を説明するが、それらは本発明を限定するものではない。
なお、塩化物イオンの含有量は、JIS K8001に準じ、比濁法(以下、「塩化物イオン分析」と示す。)により定量した。自然重合に対する安定性については、ゲル浸透クロマトグラフィー分析(以下、「GPC分析」と示す。)により重合転化率を測定することにより評価した。また、本発明により得られる化合物については、核磁気共鳴分析(以下、「NMR分析」と示す。)により反応系中における目的化合物の生成、および反応生成物を同定した。
[塩化物イオン分析]
濁度計:ユーテック社製、 TN100
検量線の作製:塩化ナトリウムの標準水溶液(1mg/mL、0.1mg/mL、0.01mg/mL)0.1gに水を加えて20mLとし、硝酸(1+2)5mL及び硝酸銀水溶液(20g/L)1mLを加えて振り混ぜた後、15分間放置する。濁度計を用いて、溶液の濁度をそれぞれ測定し、塩化物イオン濃度に対する濁度をプロットする。
測定サンプルの調製方法: 試料約0.1gに水を加えて20mLとし、硝酸(1+2)5mL及び硝酸銀水溶液(20g/L)1mLを加えて振り混ぜた後、15分間放置する。濁度計を用いて、試料溶液の濁度を測定し、上記した検量線より塩化物イオン濃度を求める。
[GPC分析]
機種:東ソー株式会社製、 HLC−8320GPC
カラム:TSK guardcolumn AW−H/TSK AW−3000/TSK AW−6000
溶離液:硫酸ナトリウム緩衝液(0.05mol/L)とアセトニトリルの体積比90:10wt%溶液
カラム温度:40℃、流量:0.6ml/min
検出器:RI検出器、注入量:10μl
検量線:創和科学製の単分散ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(3K、15K、41K、300K、1000K、2350K、5000K)のピークトップ分子量と溶出時間から作成した。
[NMR分析]
装置:ブルカー・バイオスピン社製、 AV−400M
測定サンプルの調製方法:内部標準物質として約0.05%のテトラメチルシランを含むジメチルスルホキシド−d6(99.5%)約0.7mLに試料を溶解し、H−NMRおよび19F−NMRを測定した。
(実施例1)リチウム 4−スチレンスルホニル(トリフルオロメチルスルホニル)イミドの炭酸ジエチル溶液の合成
100mLの四口フラスコに撹拌子と温度計を装着し、水素化リチウム0.20g(75.9mmol)、無水アセトニトリル28.50gを入れた後に撹拌しながら0℃に冷却した。次に、トリフルオロメタンスルホンアミド5.65g(37.9mmol)を無水アセトニトリル 28.50gに溶解したものを滴下した。続いて、37モル%4−スチレンスルホニルクロリド/トルエン溶液21.00g(37.9mmol)を滴下し、さらに室温で撹拌を17時間継続した。得られた反応液にトルエン60.00gを加え、30分間撹拌した後に、ろ過により無機塩を除去した。40%亜硝酸リチウム水溶液0.03gを加え、ロータリーエバポレータで溶媒を留去した後、水60.00gを加え、リチウム 4−スチレンスルホニル(トリフルオロメチルスルホニル)イミドの水溶液を得た。
次いで、100mLの四口フラスコに撹拌子と温度計を装着し、塩化リチウム15.00g、炭酸ジエチル60.00gを入れた後に撹拌しながら0℃に冷却した。次に、上記のリチウム4−スチレンスルホニル(トリフルオロメチルスルホニル)イミドの水溶液を滴下し、さらに室温で30分間撹拌した後に、分液を行ったところ、目的物であるリチウム 4−スチレンスルホニル(トリフルオロメチルスルホニル)イミドの炭酸ジエチル溶液が75%の収率(モル換算で、出発原料トリフルオロメタンスルホンアミドに対する)で得られた。
さらに、得られたリチウム 4−スチレンスルホニル(トリフルオロメチルスルホニル)イミドの炭酸ジエチル溶液に4−ターシャリブチルピロカテコール0.002g(0.01mmol)を加えた。
リチウム 4−スチレンスルホニル(トリフルオロメチルスルホニル)イミドの量に対する塩化物イオンの含有量を上記の塩化物イオン分析により測定したところ、187 ppmであった。
NMR分析結果は次の通りであった。
H−NMR (400 MHz, DMSO−d6): δ (ppm) 7.70 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.55 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.24−7.10 (dd, J = 12.0 Hz, 20.0 Hz, 1H), 5.93 (d, J = 20.0 Hz, 1H), 5.37 (d, J = 12.0 Hz, 1H);19F−NMR (376 MHz, DMSO−d6): δ (ppm)−77.89(s).
(実施例2)
実施例1で得られたリチウム 4−スチレンスルホニル(トリフルオロメチルスルホニル)イミドの炭酸ジエチル溶液にリチウムゼオライト3.00gを加えて、17時間静置した後、ろ過を行ったところ、目的物であるリチウム 4−スチレンスルホニル(トリフルオロメチルスルホニル)イミドの炭酸ジエチル溶液が60%の収率(モル換算で、出発原料トリフルオロメタンスルホンアミドに対する)で得られた。
リチウム 4−スチレンスルホニル(トリフルオロメチルスルホニル)イミドの量に対する塩化物イオンの含有量を上記の塩化物イオン分析により測定したところ、8 ppmであった。
得られた溶液を室温で6か月間保存した後、上記のGPC分析により測定したところ、リチウム 4−スチレンスルホニル(トリフルオロメチルスルホニル)イミドのモノマー由来のピークのみが検出され、ポリマー由来のピークは検出されなかった。
NMR分析結果は次の通りであった。
H−NMR (400 MHz, DMSO−d6): δ (ppm) 7.70 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.55 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.24−7.10 (dd, J = 12.0 Hz, 20.0 Hz, 1H), 5.93 (d, J = 20.0 Hz, 1H), 5.37 (d, J = 12.0 Hz, 1H);19F−NMR (376 MHz, DMSO−d6): δ (ppm)−77.89(s).
(実施例3)リチウム 4−スチレンスルホニル(トリフルオロメチルスルホニル)イミドの炭酸ジメチル溶液の合成
実施例2における抽出溶剤である炭酸ジエチルを炭酸ジメチルに変えたところ、目的物であるリチウム4−スチレンスルホニル(トリフルオロメチルスルホニル)イミドの炭酸ジメチル溶液が57%の収率(モル換算で、出発原料トリフルオロメタンスルホンアミドに対する)で得られた。
リチウム 4−スチレンスルホニル(トリフルオロメチルスルホニル)イミドの量に対する塩化物イオンの含有量を上記の塩化物イオン分析により測定したところ、55 ppmであった。
NMR分析結果は次の通りであった。
H−NMR (400 MHz, DMSO−d6): δ (ppm) 7.70 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.55 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.24−7.10 (dd, J = 12.0 Hz, 20.0 Hz, 1H), 5.93 (d, J = 20.0 Hz, 1H), 5.37 (d, J = 12.0 Hz, 1H);19F−NMR (376 MHz, DMSO−d6): δ (ppm)−77.89(s).
(比較例1)
実施例1の4−スチレンスルホニル(トリフルオロメチルスルホニル)イミドの水溶液は77%の収率(モル換算で、出発原料トリフルオロメタンスルホンアミドに対する)で得られた。
リチウム 4−スチレンスルホニル(トリフルオロメチルスルホニル)イミドの量に対する塩化物イオンの含有量を上記の塩化物イオン分析により測定したところ、4467 ppmであった。
NMR分析結果は次の通りであった。
H−NMR (400 MHz, DMSO−d6): δ (ppm) 7.70 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.55 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.24−7.10 (dd, J = 12.0 Hz, 20.0 Hz, 1H), 5.93 (d, J = 20.0 Hz, 1H), 5.37 (d, J = 12.0 Hz, 1H);19F−NMR (376 MHz, DMSO−d6): δ (ppm)−77.89(s).
(比較例2)
実施例1における塩化リチウムを加えず、分液を行ったところ、目的物であるリチウム 4−スチレンスルホニル(トリフルオロメチルスルホニル)イミドは得られなかった。
(比較例3)
実施例1における水を加えず、オイル様の状態にて室温で1時間静置したところ、自然重合が進行し、固結した。
(比較例4)
実施例1における4−ターシャリブチルピロカテコールを加えず、得られた溶液を室温で1か月間保存した後、上記のGPC分析により測定したところ、リチウム 4−スチレンスルホニル(トリフルオロメチルスルホニル)イミドのモノマー由来のピークのみが検出され、ポリマー由来のピークは検出されなかったが、さらに5か月間保存した後、上記のGPC分析により測定したところ、リチウム 4−スチレンスルホニル(トリフルオロメチルスルホニル)イミドのモノマーに対して、重量平均分子量27,000のポリマーがピーク面積比で3%検出された。
本発明により得られるハロゲン化合物が低減された重合性官能基を有するスルホンイミドの有機溶剤溶液は、キャパシターやリチウム二次電池等の電子材料の部材を製造するための原料として、工業的に極めて有用である。

Claims (3)

  1. 有機溶剤存在下で、下記一般式(1)
    Figure 0006946294
    (式(1)中、R はフッ素、任意の数の置換基を有する炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐鎖アルキル、炭素数2〜10のアルケニル、又は炭素数2〜10のアルキニルを示し、
    は1価のアルカリ金属イオン、又は第四級アンモニウムイオンを示し、
    は4−ビニルフェニルを示す。)で表されるスルホンイミドの水溶液に塩を溶解させ、スルホンイミドを有機溶剤へ抽出するスルホンイミドの有機溶剤溶液の製造方法。
  2. 有機溶剤が、芳香族炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、ケトン類、エステル類、エーテル類、炭酸エステル類、及び非プロトン性の極性の溶剤からなる群より選ばれる1種又は2種以上の組合せである、請求項1に記載のスルホンイミドの有機溶剤溶液の製造方法。
  3. 有機溶剤存在下で、ハロゲンイオンを含む下記一般式(1)
    Figure 0006946294
    (式(1)中、R はフッ素、任意の数の置換基を有する炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐鎖アルキル、炭素数2〜10のアルケニル、又は炭素数2〜10のアルキニルを示し、
    は1価のアルカリ金属イオン、又は第四級アンモニウムイオンを示し、
    は4−ビニルフェニルを示す。)で表されるスルホンイミドの水溶液に塩を溶解させ、前記スルホンイミドを有機溶剤へ抽出する、ハロゲンイオンの除去方法。
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